JP5978500B2 - 活性エネルギー線硬化型空隙充填用樹脂組成物 - Google Patents
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Description
近年、これらのモバイル機器用の画像表示装置において、表面保護層又はタッチパネルと画像表示ユニットの表示面との間や、表面保護層とタッチパネルとの間に存在する空隙を、屈折率がこれらの部材に近い透明材料を充填することにより、光の反射を抑制して透過性を向上させ、画像表示装置の輝度やコントラストを向上させる方法が提案されている。透明材料としては、透明樹脂シート、反応硬化性液状樹脂、粘着剤等が挙げられる。
しかし、透明樹脂シートは液状樹脂や粘着剤よりも弾性率が高いので空隙充填性が悪いという問題がある。
又、反応硬化性液状樹脂は、液体を扱うプロセスとなり製造工程が複雑になり、さらにシリコーンゲルでは接着力が低く信頼性に問題がある。
しかし、画像表示装置における表面保護層が遮光層等の凹凸形状を有し、かかる凹凸形状面に粘着剤を貼り合わせる場合や、凹凸形状を有する層が設けられた画像表示ユニットの表示面に粘着剤を貼り合わせる場合は、それらの凹凸形状も隙間なく充填し、かつ高温や高湿度条件下に長時間置かれても表面保護層、画像表示ユニットの表示面、又はタッチパネルモジュールとの界面で気泡や剥がれが発生せず、更に白化することがないことが必要である。近年、意匠性の点から凹凸形状の膜厚が大きくなる傾向があり、空隙充填性と信頼性に対する要求はますます高まっており、この課題を解決する空隙充填用樹脂が求められている。
成分(A):エチレン性不飽和基含有化合物、
成分(B):ビニル系単量体を150〜350℃の共重合温度において連続重合して得られた重量平均分子量1,000〜20,000の共重合体、
成分(C):光重合開始剤。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の成分(A)は、エチレン性不飽和基含有化合物である。
(A)成分におけるエチレン性不飽和基としては、ビニル基、ビニルエーテル基、(メタ)アクリロイル基及び(メタ)アクリルアミド基が挙げられる。
(A)成分としては、種々の化合物が使用可能である。具体的には、(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、スチレン及びビニルトルエン等の芳香族ビニル化合物、酢酸ビニル、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド並びにN−ビニルカプロラクタム等が挙げられる。
(メタ)アクリレートとしては、1個の(メタ)アクリロイル基を有する化合物〔以下、「単官能(メタ)アクリレート」という〕及び2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物〔以下、「多官能(メタ)アクリレート」という〕が挙げられる。
多官能(メタ)アクリレートとしては、オリゴマーも使用することができ、具体的にはウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート及びエポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
アルコキシシリル基を有する(メタ)アクリレートとしては、反応性や、硬化物の柔軟性に優れる点で、メトキシシリル基またはエトキシシリル基を有する(メタ)アクリレートが好ましい。
メトキシシリル基またはエトキシシリル基を有する(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、トリメトキシシリルプロピル(メタ)アクリレート、トリエトキシシリルプロピル(メタ)アクリレート、メチルジメトキシシリルプロピル(メタ)アクリレート及びジメチルメトキシシリルプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
多官能(メタ)アクリレートは、成分(A)中に20〜100重量%含まれることが好ましく、より好ましくは50〜100重量%である。
本発明の成分(B)は、ビニル系単量体を150〜350℃の共重合温度において連続重合して得られた重量平均分子量1,000〜20,000の共重合体である。
アルコキシシリル基を有するビニル系単量体としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシランおよびビニルメトキシジメチルシランなどのビニルアルコキシシラン類、トリメトキシシリルプロピル(メタ)アクリレート、トリエトキシシリルプロピル(メタ)アクリレートおよびメチルジメトキシシリルプロピル(メタ)アクリレートなどのアルコキシシリル基含有(メタ)アクリレート類、トリメトキシシリルプロピルビニルエーテルなどのアルコキシシリル基含有ビニルエーテル類、トリメトキシシリルウンデカン酸ビニルなどのアルコキシシリル基含有ビニルエステル類などが挙げられる。
これらの中でも、その他のビニル系単量体との共重合性や得られる共重合体の柔軟性が優れるため、アルコキシシリル基含有(メタ)アクリレート類が好ましい。
すなわち、当該重合方法によれば、極微量の重合開始剤を使用すればよく、メルカプタンのような連鎖移動剤や、重合溶剤を使用する必要がなく、純度の高い共重合体が得られる。一般的に重合体中に均一に架橋性官能基が導入されることが、硬化性や耐侯性等の物性を保つ上で重要である。反応器に攪拌槽型反応器を用いれば組成分布(架橋性官能基の分布)や分子量分布の比較的狭い(メタ)アクリル酸エステル共重合体を得ることができるため好ましい。また、管状型反応器よりも連続攪拌槽型反応器を用いるプロセスが組成分布、分子量分布を狭くするのでより好ましい。
例えば、加圧可能な反応機を溶媒で満たし、加圧下で所定温度に設定した後、各単量体、及び必要に応じて重合溶媒とからなる単量体混合物を一定の供給速度で反応機へ供給し、単量体混合物の供給量に見合う量の重合液を抜き出す方法が挙げられる。また、単量体混合物には、必要に応じて重合開始剤を配合することもできる。その配合する場合の配合量としては、単量体混合物100重量部に対して0.001〜2重量部であることが好ましい。
圧力は、反応温度と使用する単量体混合物及び溶媒の沸点に依存するもので、反応に影響を及ぼさないが、前記反応温度を維持できる圧力であればよい。
単量体混合物の滞留時間は、1〜60分であることが好ましい。滞留時間が1分に満たない場合は単量体が充分に反応しない恐れがあり、未反応単量体が60分を越える場合は、生産性が悪くなってしまうことがある。好ましい滞留時間は2〜40分である。
成分(B)の数平均分子量(Mn)に対する重量平均分子量(Mw)の割合である多分散度(Mw/Mn)は、5以下であることが好ましく、3以下であることがより好ましい。その理由は組成物の粘度、得られる被膜の物性のバランスが良好なものとなるためである。
本発明において、数平均分子量及び重量平均分子量とは、溶媒としてテトラヒドロフランを使用し、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィ(以下、「GPC」という)により測定したポリスチレン換算の分子量を意味する。
また、成分(B)のガラス転移温度は、−80〜20℃が好ましく、より好ましくは
−70〜10℃である。20℃を超えると、作業性が悪くなり、空隙充填性が劣る。
特に好ましくは、ジターシャリーブチルパーオキサイド、ジターシャリーヘキシルパーオキサイド、ジターシャリーアミルパーオキサイド、アゾ系開始剤は、安価で開始剤ラジカルが水素引抜きを起こしにくいのでよい。水素引き抜き反応を頻度高く起こすと分子量分布が広くなり、架橋性官能基の導入されていない低分子量成分が出来やすく、耐侯性が悪化する場合がある。
成分(C)は、光重合開始剤である。成分(C)は、活性エネルギー線の照射によってラジカルを発生し、成分(A)の重合を開始する化合物である。
ベンゾフェノン、2−メチルベンゾフェノン、3−メチルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、4−(メチルフェニルチオ)フェニルフェニルメタン、メチル−2−ベンゾフェノン、1−[4−(4−ベンゾイルフェニルスルファニル)フェニル]−2−メチル−2−(4−メチルフェニルスルフォニル)プロパンー1−オン、4,4‘−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4‘−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、N,N′−テトラメチル−4,4′−ジアミノベンゾフェノン、N,N′−テトラエチル−4,4′−ジアミノベンゾフェノン及び4−メトキシ−4′−ジメチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;
ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、エチルー(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィネート及びビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド化合物;
チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、1−クロロー4−プロピルチオキサントン、3−[3,4−ジメチルー9−オキソー9H−チオキサントンー2−イル]オキシ]−2−ヒドロキシプロピルーN,N,N―トリメチルアンモニウムクロライド及びフロロチオキサントン等のチオキサントン系化合物;
アクリドン及び10−ブチルー2−クロロアクリドン等のアクリドン系化合物;
1,2−オクタンジオン1−[4−(フェニルチオ)−2−(O―ベンゾイルオキシム)]、エタノン1−[9−エチルー6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾールー3−イル]−1−(O―アセチルオキシム)等のオキシムエステル類、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−フェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2,4−ジ(p−メトキシフェニル)−5−フェニルイミダゾール二量体及び2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体;並びに
9−フェニルアクリジン及び1,7−ビス(9,9′−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体等が挙げられる。
これらの化合物は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
成分(C)の配合割合を0.1重量%以上とすることにより、適量な活性エネルギー線量で組成物を硬化させることができ生産性を向上させることができ、一方10重量%以下とすることで、硬化物を耐候性や透明性に優れたものとすることができる。
本発明は、前記した成分(A)、(B)及び(C)を必須とするものであるが、必要に応じて種々の成分を含有してもよい。以下、その他の成分について説明する。
4−1.有機溶剤
本発明の組成物は、有機溶剤を含有しない無溶剤系であってもよいし、または、塗工性を改善する等の目的で、有機溶剤を含有してもよい。有機溶剤としては、例えば、成分(B)の製造に関連して上記した有機溶剤を使用できる。
有機溶剤の使用割合としては、適宜設定すれば良いが、組成物中に10〜90重量%が好ましく、より好ましくは30〜80重量%である。
本発明の組成物を湿気硬化型組成物として使用する場合、湿気硬化用触媒を使用することが好ましい。
湿気硬化用触媒としては、従来の湿気硬化型組成物で使用されているもの、及び湿気によりアルコキシシリル基含有共重合体やアルコキシシリル基含有(メタ)アクリレートのアルコキシシリル基を縮合させることができるものであれば、種々の化合物が使用可能である。
具体的には、ジブチル錫ラウレート、ジブチル錫ジアセテート及びジブチル錫ジアセトアセトナート等の錫系触媒、テトラブチルチタネート及びテトラプロピルチタネート等のチタン酸エステル類;アルミニウムトリスアセチルアセトナート、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート及びジイソプロポキシアルミニウムエチルアセトアセテート等の有機アルミニウム化合物類;ジルコニウムテトラアセチルアセトナート、チタンテトラアセチルアセトナート等のキレート化合物類;オクチル酸鉛;ブチルアミン、オクチルアミン、ジブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、オレイルアミン、シクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、キシリレンジアミン、トリエチレンジアミン、グアニジン、ジフェニルグアニジン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、モルホリン、N−メチルモルホリン、2−エチル−4−メチルイミダゾール及び1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7(DBU)等のアミン系化合物;これらのアミン系化合物のカルボン酸等との塩が挙げられる。又、カルボン酸、カルボン酸金属塩、有機スルホン酸、酸性リン酸エステル類、3B族・4A族金属を含有する有機金属化合物、その他酸性触媒並びに塩基性触媒等のシラノール縮合触媒が挙げられる。
湿気硬化用触媒の使用割合としては、使用目的や使用するアルキシシリル基を有する共重合体又は/及びアルコキシシリル基を有する(メタ)アクリレートの種類及び割合等に応じて適宜設定すれば良いが、組成物中に0.1〜10重量%が好ましく、より好ましくは0.5〜5重量%である。
前記以外に、本発明の組成物には、必要に応じて、無機材料、レベリング剤、シランカップリング剤、重合禁止剤及び/又は酸化防止剤、耐光性向上剤等を含有させることができる。
本発明の組成物は、前記成分(A)、(B)及び(C)を必須とするものである。
本発明の組成物の製造方法は常法に従えばよく、前記成分(A)、(B)及び(C)、必要に応じてその他の成分を攪拌・混合して得ることができる。必要に応じて、加熱することにより混合時間を短くすることができる。
本発明の組成物は、物品の空隙を充填するために広く使用できるが、特に、タッチパネルを含む画像表示装置(以下、「タッチパネル型画像表示装置」)の構成部材である表面保護層、タッチパネルモジュール及び画像表示ユニットの間に充填して、これらの部材を互いに貼り合わせるのに好適に使用できる。
タッチパネル型画像表示装置は、表面保護層、タッチパネルモジュール及び画像表示ユニットから主に構成される。
本発明の組成物は、表面保護層又はタッチパネルモジュールと画像表示ユニットとの空隙、表面保護層とタッチパネルモジュールとの空隙を埋めるために主に使用することができる。
例えば、表面保護層とタッチパネルモジュールとの空隙を埋める場合は、表面保護層のタッチパネルモジュールと対向する面に本発明の組成物を塗工し、該塗工面にタッチパネルモジュールを貼り合わせた後、透明材料である表面保護層を介して塗工面に活性エネルギー線を照射すればよい。表面保護層又はタッチパネルモジュールと画像表示ユニットとの空隙も、上記の方法に準じて本発明の組成物で埋めることができる。
層間接着力を大きくするために、貼り合わせる一方又は両方の表面に活性化処理を行うことができる。表面活性化処理としては、プラズマ処理、コロナ放電処理、薬液処理、粗面化処理、エッチング処理及び火炎処理等が挙げられ、これらを併用しても良い。
塗工方法としては、目的に応じて適宜設定すれば良く、従来公知のバーコーター、ドクターブレード、ナイフコーター、コンマコーター、リバースロールコーター、ダイコーター、グラビアコーター及びマイクログラビアコーター等で塗工する方法が挙げられる。
乾燥条件は、使用する有機溶剤に応じて適宜設定すればよく、40〜120℃の温度に加熱する方法等が挙げられる。
活性エネルギー線照射における、照射強度等の照射条件は、使用する組成物、基材及び目的等に応じて適宜選択すれば良い。
表面保護層は、高分子フィルム、又はガラス等のみから構成されていても、他の層とともに複数の層から構成されていても良い。
表面保護層は、画像表示装置の保護フィルム等として従来から使用されているものであれば良く、例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、又はガラスであることができる。表面保護層の厚さは、通常、0.1〜5mmである。
例えば、耐摩耗性及び耐擦傷性は、ハードコート層を形成することで得られる。さらに、該ハードコート層に帯電防止性、防汚性等を付与することも可能である。
このような追加の層が、表面保護層の一部の領域に形成されている場合には、表面保護層は凹凸形状を有する表面となる。この場合の表面保護層の厚さは、全体として、通常、0.l〜6mmである。
画像表示ユニットの表示面には、追加の機能層(一層又は多層)、例えば、偏光板等を設けることができる。又、タッチパネルモジュールが画像表示ユニットの表示面に存在してもよい。
当該電子装置の具体例としては、携帯電話、スマートフォン、携帯情報端末、携帯ゲーム機、電子書籍、カーナビゲーションシステム、携帯音楽プレーヤー、時計、タブレット型コンピューター、ビデオカメラ、ビデオプレーヤー、デジタルカメラ、グローバル・ポジショニング・システム(GPS)装置及びパーソナルコンピュータ(PC)等が挙げられる。
・M402:ジペンタエリスリトールペンタアクリレート及びヘキサアクリレートの混合物、東亞合成(株)製アロニックスM402。
・DPCA60:カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、日本化薬(株)製KAYARAD DPCA60。
・重合体A:後記製造例1で得られたアルコキシシリル基含有ポリマー(Tg=−57℃、Mw=3300、Mw/Mn=1.9)。
・重合体B:後記製造例2で得られたアクリルポリマー(Tg=−64℃、Mw=2500、Mw/Mn=1.6)。
・Irg379:2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン、BASF製。
・KBM5103:3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、信越化学製。
・DBTDL:ジブチルすずジラウレート、アデカ製。
オイルジャケットを備えた容量1000mlの加圧式攪拌槽型反応器の温度を200℃に保った。次いで、反応器の圧力を一定に保ちながら、メチルメタクリレート(以下、「MMA」ともいう)10部、ブチルアクリレート(以下、「BA」ともいう)77部、トリメトキシシリルプロピルメタクリレート13部、イソプロピルアルコール(以下、「IPA」ともいう)8部、オルト酢酸トリメチル4部、重合開始剤としてジターシャリーへキシルパーオキサイド1部からなる単量体混合物を、一定の供給速度(48g/分、滞留時間:12分)で原料タンクから反応器に連続供給を開始し、単量体混合物の供給量に相当する反応液を出口から連続的に抜き出した。反応開始直後に、一旦反応温度が低下した後、重合熱による温度上昇が認められたが、オイルジャケット温度を制御することにより、反応温度を227〜229℃に保持した。
単量体混合物の供給開始から温度が安定した時点を、反応液の採取開始点とし、これから25分間反応を継続した結果、1.2kgの単量体混合液を供給し、1.2kgの反応液を回収した。
その後反応液を薄膜蒸発器に導入して、未反応モノマー等の揮発成分を分離して濃縮液を得た。得られた共重合体を重合体Aという。
溶媒としてテトラヒドロフランを使用し、GPCで測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(以下、「Mw」ともいう)は3300、Mw/Mnは1.9であった。
単量体混合液をMMA20部、2−エチルへキシルアクリレート80部、メチルエチルケトン25部、重合開始剤としてジターシャリーブチルパーオキサイド1部に変更し、反応温度を234〜236℃に保持する以外は製造例1と同様に重合および処理を行い、共重合体を得た。当該共重合体を、重合体Bという。
重合体BのMwは2500、Mw/Mn=1.6であった。
表1に示す化合物を表1に示す割合でステンレス製容器に投入し、室温にてマグネチックスターラーで均一になるまで攪拌し、活性エネルギー線硬化型空隙充填用樹脂組成物を得た。得られた組成物を下記評価方法にて評価した。
(1)UV硬化性
組成物をガラス板にバーコーターで塗布(50μm)し、以下の条件で1回UV照射するごとに表面を指でさわり、液状物の付着がなくなるまでの照射回数(パス)を測定した。
UV照射条件:80W/cm集光型メタルハライド灯、ランプ高さ10cm(焦点)、コンベアスピード5m/min。
組成物をガラス板にバーコーターで塗布(50μm)し、以下の条件で放置した後、表面を指でさわり、液状物の付着がなくなるまでの日数を測定した。
放置条件:30℃、80%Rh。
組成物をガラス板にバーコーターで塗布(50μm)し、もう一枚のガラス板を貼り合わせた後、以下の条件で5回UV照射を実施してテストピースを作成し、JIS K6850に従い引張せん断強度を測定した。
UV照射条件:80W/cm集光型メタルハライド灯、ランプ高さ10cm(焦点)、コンベアスピード5m/min。
また、分子中にアルコキシシリル基を有する成分(B)及び/又は分子中にアルコキシシリル基を有するアクリレート(成分(A))を用いた実施例2〜4の湿気硬化型組成物では、さらに湿気硬化性が優れていた。
これに対して比較例1は本発明の成分(A)を含まないためUV硬化性及び引張せん断強度の何れもが劣っていた。また、比較例2は本発明の成分(B)を含まないためUV硬化性及び引張せん断強度の何れもが劣っていた。また、比較例3では本発明の成分(A)の含有量が少なすぎるためUV硬化性及び引張せん断強度の何れもが劣っていた。
Claims (7)
- 下記成分(A)乃至(C)を少なくとも含有し、
下記成分(A)及び(B)の合計100重量%に対して、下記成分(A)を40〜80重量%及び下記成分(B)を60〜20重量%含むことを特徴とする活性エネルギー線硬化型空隙充填用樹脂組成物。
成分(A):アルコキシシリル基を有する(メタ)アクリレート、及び/又は、2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を必須成分として含むエチレン性不飽和基含有化合物(但し、2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物は成分(A)中に20〜100重量%含まれる)、
成分(B):ビニル系単量体を150〜350℃の共重合温度において連続重合して得られた重量平均分子量1,000〜20,000の共重合体、
成分(C):光重合開始剤。 - 成分(B)のビニル系単量体が炭素数4以上のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートを含む請求項1に記載の組成物。
- 成分(B)のガラス転移温度が−80〜20℃である請求項1または2に記載の組成物。
- 成分(B)の多分散度が5以下である請求項1乃至3のいずれか1項に記載の組成物。
- 成分(B)は分子中にアルコキシシリル基を有する請求項1乃至4のいずれか1項に記載の組成物。
- アルコキシシリル基を有する(メタ)アクリレートを成分(A)中に10〜70重量%含有する請求項1乃至5のいずれか1項に記載の組成物。
- 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の組成物の硬化物により、タッチパネルモジュール、表面保護層、画像表示ユニットのいずれか又は全てが固定されてなることを特徴とする画像表示装置。
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