JP5974319B2 - 冷蔵庫 - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、冷蔵庫に関するものである。
従来より、CA(Controlled Atmosphere)貯蔵方法には、高分子電解質膜を用いてCA貯蔵室の酸素を減少させる高分子電解質方法がある。
この高分子電解質膜方法は、アノード層で水を電気分解して水素イオンを作り、その水素イオンが高分子電解質膜内を移動してカソード層に到達し、減酸素室内の酸素と反応して水を生成することで、酸素を消費する。
特開平9−19621号公報
しかし、この高分子電解質膜方法においては、アノード層、高分子電解質膜、カソード層において化学変化をするときに、熱が発生する。そのため、この熱により、アノード層に水を供給する給水体が熱劣化するという問題点があった。
そこで、本発明の実施形態は、上記問題点に鑑み、高分子電解質膜方法を用いた減酸素装置に用いられる給水体が熱劣化しない冷蔵庫を提供することを目的とする。
本実施形態は、減酸素室と、前記減酸素室の酸素を減少させる減酸素装置とを有する冷蔵庫において、前記減酸素装置は、高分子電解質膜と、前記高分子電解質膜の一方の側に設けられたアノード層と、前記高分子電解質膜の他方の側に設けられ、前記減酸素室へ通じるカソード層と、前記アノード層に通電するプラス側の集電体と、前記カソード層に通電するマイナス側の集電体と、前記アノード層側に設けられた給水体と、を有し、前記給水体は、前記減酸素装置の稼働時の温度では熱劣化しない合成樹脂から形成されている、冷蔵庫である。
実施形態1の冷蔵庫の縦断面図である。 減酸素装置の拡大縦断面図である。 減酸素ユニットの分解斜視図である。 Rエバと減酸素装置の位置を示す正面図である。 減酸素装置の正面図である。 減酸素装置の背面図である。 減酸素装置の縦断面図である。 冷蔵室下部と野菜室の縦断面図であって、野菜室の扉を閉めた状態である。 同じく野菜室の扉を引き出した状態である。 同じく野菜室の扉及び減酸素容器を引き出した状態である。 冷蔵庫の冷凍サイクルである。 冷蔵庫のブロック図である。 実施形態2の冷蔵庫の一部縦断面図である。
以下、一実施形態の冷蔵庫10について図面に基づいて説明する。本実施形態の冷蔵庫10は減酸素室100を有し、減酸素室100は減酸素装置102を有している。
実施形態1
実施形態1の冷蔵庫10について図1〜図12に基づいて説明する。
(1)冷蔵庫10の構造
冷蔵庫10の構造について図1に基づいて説明する。図1は、冷蔵庫10の全体の縦断面図である。
冷蔵庫10のキャビネット12は断熱箱体であって、内箱と外箱とより形成され、その間に断熱材が充填されている。このキャビネット12内部は、上から順番に冷蔵室14、野菜室16、小型冷凍室18及び冷凍室20を有し、小型冷凍室18の横には不図示の製氷室が設けられている。野菜室16と小型冷凍室18及び製氷室の間には断熱仕切体36が設けられている。冷蔵室14と野菜室16とは水平な仕切体38によって仕切られている。冷蔵室14の前面には、観音開き式の扉14aが設けられ、野菜室16、小型冷凍室18、冷凍室20及び製氷室にはそれぞれ引出し式の扉16a,18a,20aが設けられている。
キャビネット12の背面底部には、機械室22が設けられ、冷凍サイクルを構成する圧縮機24などが載置されている。この機械室22背面上部には、制御板26が設けられている。
冷蔵室14の背面下部から野菜室16の背面において、冷蔵用蒸発器(以下、「Rエバ」という)28が設けられ、その下方には冷蔵用送風機(以下、「Rファン」という)30が設けられている。小型冷凍室18の背面から冷凍室20の背面にかけて冷凍用蒸発器(以下、「Fエバ」という)32が設けられ、その上方には冷凍用送風機(以下、「Fファン」という)34が設けられている。Rエバ28で冷却された冷気は、Rファン30によって冷蔵室14及び野菜室16に送風される。Fエバ32で冷却された冷気は、Fファン34によって小型冷凍室18、製氷室、冷凍室20に送風される。
図4に示すように、Rエバ28の下方には、ドレインバン54が設けられ、除霜運転中に不図示の除霜ヒータによってRエバ28が加熱され、溶けた霜からなる除霜水は、ドレインバン54に集まる。
冷蔵室14の背面には、冷蔵室14の庫内温度を検出する冷蔵室用センサ(以下、「Rセンサ」という)が設けられ、冷凍室20の背面には、冷凍室20の庫内温度を検出する冷凍用センサ(以下、「Fセンサ」という)35が設けられている。
(2)冷蔵室14と野菜室16
次に、冷蔵室14と野菜室16の構造について説明する。
図1に示すように、冷蔵室14には、複数の棚40が設けられ、下部には引出し式のチルド容器42を有するチルド室44が設けられている。このチルド室44は低温室であって、肉や魚を収納する。冷蔵室14の扉14aの背面には複数のドアポケット46が設けられている。
図8〜図10に示すように、野菜室16には、引出し式の野菜容器48が設けられ、野菜室16の扉16aの背面から後方に突出した左右一対の移動レール50,50に支持され、左右一対の移動レール50,50は、野菜室16の右内壁と左内壁にそれぞれ設けられた固定レール52,52上を水平方向に移動する。
野菜室16の天井部に当たる仕切体38の後部には、減酸素室100が設けられている。この減酸素室100の後下部には、減酸素装置102が設けられている。この減酸素室100と減酸素装置102については後から詳しく説明する。
(3)減酸素室100
次に、減酸素室100の構造について図1、図8〜図10に基づいて説明する。
図1に示すように、減酸素室100は、仕切体38に吊り下げられた状態の容器収納部104、この容器収納部104から前方に引出し可能な減酸素容器106、減酸素装置102を有する。
図8〜図10に示すように、容器収納部104は仕切体38に吊り下げられているので、容器収納部104の天井面は仕切体38によって構成され、前面は開口し、背面、両側面、底面を有してる。
図8〜図10に示すように、減酸素容器106は、開口した容器収納部104の前面から引出し可能であり、減酸素容器106の前面が扉108を兼ねている。この扉108の背面の四周には、額縁状のガスケット110が設けられ、減酸素容器106を容器収納部104に収納したときに減酸素室100を密閉状態にする。
図8〜図10に示すように、COセンサ170が、容器収納部104の背面前側に設けられている。このCOセンサ170は、減酸素室100に野菜などの食品58が収納され、その野菜が呼吸を行なってCOを排出すると、その排出したCOを検出して信号を出力する。これにより、減酸素室100内部に食品58が収納されたことを検出できる。
図8〜図10に示すように、容器収納部104の背面後側には、通気孔112が開口し、この通気孔112の位置に減酸素装置102が取り付けられている。
(4)減酸素装置102
次に、減酸素装置102の構造について図2〜図7に基づいて説明する。
高分子電解質膜方法を利用した減酸素装置102は、断熱性を有する箱型のケース114の内部に、減酸素ユニット115が収納されている。
(4−1)減酸素ユニット115
まず、減酸素ユニット115について、図2及び図3に基づいて説明する。図2は、減酸素装置102の縦断面図であり、図3は減酸素ユニット115の分解斜視図である。なお、図2及び図3において、各部材の厚みは薄いものであるが、説明を判り易くするために、その厚みを拡大して記載している。
高分子電解質膜(以下、単に「電解質膜」という)116が縦方向に設けられ、電解質膜116の後部にはアノード層118が設けられ、電解質膜116の前部にはカソード層120が設けられている。電解質膜116は、ナフィオンで形成されている。「ナフィオン」は、スルホ化されたテトラフルオロエチレンをもとにしたフッ素樹脂の共重合体であって、イオン電導性を持つポリマーである。そして、ナフィオンは陰イオンや電子は移動せず、陽イオンだけ移動する。カソード層120は、カーボン触媒とカーボンペーパーを積層したものである。また、アノード層118とカソード層120には白金の触媒がそれぞれ担持されている。電解質膜116、アノード層118及びカソード層120がホットプレスなどを用いて一体に接合されている。アノード層118の後方にはプラス側の集電体122が設けられ、カソード層120の前方にはマイナス側の集電体124が設けられている。両集電体122,124は、表面に白金メッキを行なったメッシュ状のチタン膜であり、集電体122はアノード層118にプラス通電を行い、集電体124はカソード層120にマイナス通電を行う。両集電体122,124は電線158,160から通電される。また、両集電体122,124が接触しないようにするために、絶縁体125が両集電体122,124の間に設けられている。この絶縁体125は額縁状であって、電解質膜116とアノード層118とカソード層120がその内部に収納されている。
プラス側の集電体122の後方には、撥水層126が設けられている。この撥水層126は、額縁状のガスケット126内部に設けられている。また、マイナス側の集電体124の前方にも撥水層130が設けられ、この撥水層130も額縁状のガスケット131内部に設けられている。撥水層126,130としては、高分子フィルムを用いる。多くの高分子フィルムは撥水性であるが、水蒸気を透過させる必要があるため、材料によっては厚さの調整が必要であり、水を透過せずに水蒸気を透過させる性質としては、PTEフィルムや撥水性の樹脂を用いた不織布などが好ましい。
撥水層126の後方には、シート状の給水体128が配されている。給水体128は不織布であり、合成樹脂繊維より形成されている。この合成樹脂繊維の材質としては、例えば、減酸素装置102の稼働時の温度では、熱劣化しないポリプロピレンを用いる。これについては後から詳しく説明する。
上記のようにして順番に積層した部材を、前後一対の固定部材132と固定部材134によって挟持して固定する。アノード側に配される後方の固定部材132は直方体形状を成し、下部に断面長方形の通気口136を有する。この通気口136は、図2に示すように、前後方向に貫通している。一方、カソード層側に取り付ける前方の固定部材134も直方体形状を成し、中央部に開口部138を有する。この開口部138は、縦方向の貫通したスリット状の孔が複数並んだ短冊状を成している。この開口部138が、容器収納部104の通気孔112の位置に対応する。
以上の部材により、減酸素ユニット115が構成されている。固定部材132と固定部材134とは、不図示の数本のネジによって固定されている。そして、固定部材132と固定部材134は、挟んだ各部材の反りかえりを防止するため、剛性が必要な例えばABS樹脂によって形成されている。
また、減酸素ユニット115において、図2に示すように、撥水層130を有したガスケット131とマイナス側の集電体124とカソード層120の側面が、樹脂によってシールされパッキングされている。
固定部材132と固定部材134の前後方向の厚さは例えば10mmであり、給水体128の厚みは例えば0.2mm、撥水層126と撥水層130の厚みは例えば0.2mm、ガスケット127とガスケット131の厚みはそれぞれ例えば0.2mm、アノード層118の厚みは例えば0.25mm、電解質膜116の厚みが例えば0.2mm、カソード層120の厚みが例えば0.25mm、絶縁体126の厚みが例えば0.7mm、集電体122と集電体124の厚みはそれぞれ例えば0.5mmである。
(4−2)ケース114
上記で説明した減酸素ユニット115が、箱型のケース114内部に収納されている。このケース114について図4〜図7に基づいて説明する。
ケース114は、断熱性部材によって形成され。例えば厚さとしては5mmである。ケース114は、減酸素ユニット115を収納するためのユニット収納部140と、ユニット収納部140の側方に設けられた水通過部142とより構成されている。筒型の水通過部142は、その内部にイオン交換樹脂よりなる浄水部144が設けられている。図4に示すように、Rエバ28で除霜された除霜水がドレンパン54に集められ、排水口55から排水ホース56を経て、ポンプ146によってホース152から水通過部142の上面に供給される。図7に示すように、イオン交換樹脂の浄水部144で浄水された水は、水通過部142の底面からユニット収納部140の下部に流れ込む。ユニット収納部140の下部は、中央部ほど下方に傾斜した水保持部148を有し、この水保持部148に浄水部144から流れ出た水が溜まる。
ケース114の背面には、図6に示すように、減酸素ユニット115によって発生した酸素を拡散させる拡散口150と、水保持部148から溢れ出た水を外に流すためのパイプ152が接続されている。このパイプ152からの水は、例えば蒸発皿などに排水される。
水保持部148に溜まった水には、減酸素ユニット115から垂れ下がった給水体128が浸されている。
減酸素ユニット115の固定部材134は容器収納部104の背面に固定され、ケース114も容器収納部104に固定されている。
(5)冷凍サイクル
次に、冷凍サイクルの構造について、図11に基づいて説明する。
冷凍サイクルは、圧縮機24の吐出側から順番に凝縮器60、三方弁62が接続されている。三方弁62の一方の出口には冷蔵用キャピラリーチューブ64とRエバ28が接続されている。三方弁62の他方の出口には冷凍用キャピラリーチューブ66とFエバ32が接続されている。その後に冷媒流路は一つになりサクションパイプ68を経て圧縮機24の吸入側に至る。冷媒は圧縮機24で圧縮されて、高温高圧の気体状の冷媒に変化し、凝縮器60で放熱しながら液体状となる。液体状の冷媒は、三方弁62によって冷蔵用キャピラリーチューブ64又は冷凍用キャピラリーチューブ66に送られ、ここで気化し易いように減圧され、その後にRエバ28又はFエバ32で気化し、周囲から熱を奪うことにより冷気が発生する。
(6)冷蔵庫10の電気的構成
次に、冷蔵庫10の電気的構成について、図12のブロック図に基づいて説明する。
制御板26には、マイクロコンピュータよりなる制御部70が設けられている。この制御部70には、圧縮機24、三方弁62、Rファン30、Fファン34、減酸素装置102、ポンプ103、Rセンサ31、Fセンサ35及びCOセンサ170が接続されている。
この制御部70は、圧縮機24のインバータモータと三方弁62を用いて上記で説明した冷凍サイクルを制御し、冷蔵室14を2℃〜4℃、野菜室を5℃〜7℃及びチルド室44を0℃〜1℃に制御し、小型冷凍室18、製氷室、冷凍室20を−20℃〜−25℃に制御する。
(7)減酸素装置102の動作状態
減酸素装置102の動作状態について図2〜図10に基づいて説明する。
まず、図8に示すように、野菜室16を冷却する場合には、野菜室16の扉16aが閉じられ、減酸素室100に関しては、減酸素容器106が容器収納部104に収納されている。減酸素容器106が容器収納部104に収納されていると、ガスケット110によって減酸素室100内部は密閉空間となる。
次に、図7に示すように、ポンプ146が、Rエバ28で発生した除霜水をホース56、ホース154を介して水通過部142の上部に供給する。供給された水は、水通過部142内部の浄水部144を通って水通過部142の底部から流れ出て水保持部148に溜まる。水保持部148の水に浸けられている給水体128が、溜まった水を吸い上げる。
次に、図8に示すように、減酸素室100に食品58を収納すると、食品58が呼吸を行なってCOを排出する。すると、COセンサ170がそのCOを検出し、制御部70が、集電体122,124に対し通電を開始するか、又は、通電している電流値を大きくする。さらに、この減酸素室100の庫内温度が、チルド室44の庫内温度1℃より高くなっている。すなわち、減酸素室100は、野菜室16内部に設けられているため、野菜室16の庫内温度と同じになり、例えば5℃〜7℃になる。これにより収納した野菜などの食品58は、庫内温度が低過ぎることによる低温障害を防止できる。
次に、図2、図3に示すように、減酸素容器106の空気が、減酸素室100の通気口112、固定部材134の開口部138を経て供給され、集電体122,124が通電されているので、流入した空気から減酸素が行われ、減酸素室100がCA貯蔵室となる。アノード層118とカソード層120では次のような反応が行なわれる。

アノード層・・・2HO→O+H+4e

カソード層・・・O+H+4e→2H

この反応式を説明すると、給水体128から撥水層126を通過した水蒸気をアノード層118で電気分解して水素イオンを作り、その水素イオンが電解質膜116内を移動してカソード層120に到達し、減酸素室100内部の酸素と反応して水を生成し、酸素を消費する。これにより、減酸素容器106内部において減酸素が行われ、食品58をCA貯蔵できる。
次に、図2、図6、図7に示すように、減酸素ユニット115のアノード層118で発生した酸素が、まず固定部材132の通気口136を通過し、その後に拡散口150から拡散される。
ここで、撥水層126は、給水体128からアノード層118に移動する水の移動量を抑制して移動させず、気体状の水蒸気のみ透過させる。これにより、アノード層118への液体の水の浸入を防ぎ、フラッディング現象を防止できる。
また、カソード層120の前方にも撥水層130を設けることにより、減酸素室100を減酸素した場合にカソード層120に水が発生するが、この水は化学反応によって作られた純水である。この生成された水はカソード層120に溜まり、アノード層118よりも水が多くなるので、この水は電解質膜116を通ってアノード層118へ戻る現象が起こる。そのため、純水をアノード層118側へ供給でき、給水体128への供給量を減少させることができる。
また、給水体128を形成する不織布は、上記したように加水分解の起こさないポリプロピレンにより形成されている。このポリプロピレンの融点は、減酸素装置102の稼働時の温度以上である。ここで、減酸素装置102の稼働時の温度とは、例えば、電解質膜116を構成するガラス転移温度以下を意味する。電解質膜116を、上記したようにナフィオンで形成した場合には、ナフィオンのガラス転移温度は90℃であり、給水体128を構成するポリプロピレンの融点は170℃であり90℃以上である。このように、給水体128の融点が減酸素装置102の稼働時の温度以上であるため、減酸素装置102を稼働させても給水体128が熱劣化を起こすことがない。さらに、給水体128を形成する不織付には、加水分解を起こすポリエステルなどの合成樹脂であっても、減酸素装置102の稼働時の温度以上のガラス転移温度を持つ合成樹脂であれば使用が可能である。
また、アノード層118と給水体128との間に撥水層126を設けることにより、アノード層118と給水体128を離間させ、給水体128からアノード層118に対し水蒸気で水分を供給している。
なお、制御部70は、減酸素装置102による酸素濃度を下げる場合に10%以下にしないように制御している。これは、野菜などの食品58の保存には10%の酸素濃度でも充分な効果があり、10%以下にするには大きな電力消費が必要であり、また、減酸素された空気をユーザが万が一呼吸してしまった場合に人体への影響が好ましくないからである。
次に、図9に示すように、野菜室16の扉16aを前方に引き出すと、野菜容器48も前方に移動する。しかし、減酸素室100の減酸素容器106は、容器収納部104に収納された状態であるため、減酸素状態を維持する。
次に、図10に示すように、減酸素室100の減酸素容器106を前方に引き出すと、減酸素状態が解除され、減酸素容器106に収納されている食品58を取り出すことができる。
(8)効果
本実施形態によれば、給水体128を構成する合成樹脂繊維のガラス転移温度が、減酸素装置102の稼働時の温度以上であるため、減酸素装置102を稼働しても、その熱によって給水体128が熱劣化を起こすことがなく耐久性を有する。
また、アノード層118と給水体128との間に撥水層126を設けることにより、アノード層118と給水体128を離間させ、給水体128からアノード層118に対し水蒸気で水分を供給している。これによって、給水体128にアノード層118の熱が伝わることなく、給水体128の温度上昇を防ぎ、熱劣化を防止できる。また、給水体128に給水されている水が水蒸気になる場合に、給水体128の熱を奪って給水体128が冷めるため、給水体128に対する熱劣化をより防止できる。
また、断熱性を有するケース114に減酸素ユニット115が囲まれているため、ケース114内部は給水体128のガラス転移温度以下ではあるが暖かく、給水体128で吸い上げられた水が蒸発し易く、安定的な水素イオンの供給が可能となる。
また、水通過部142内部にイオン交換樹脂の浄水部144を設けているので、給水体128に供給する水は、除霜水の水質による影響を取り除くことができ、減酸素装置102の劣化を防止できる。すなわち、除霜水は、Rエバ28に付着した霜であり、またドレインバン54に集められているため、除霜水には金属イオンが含まれている。そのため、給水体128を構成する合成樹脂繊維の加水分解を助長する可能性があるため、この浄水部144を設けることにより、除霜水の水質による影響を取り除くことができる。また、除霜水を減酸素装置102に供給することで、機械室22に設けられている蒸発皿に導かれて熱で水蒸気になり、放出される量を低減できる。 また、Rエバ28から発生した除霜水を用いているため、ユーザが一定の周期で給水体128に水を入れることが不要であり、ユーザが水を入れ忘れたりして、減酸素装置102の劣化を促進させることがない。
また、減酸素装置102のケース114が断熱性を有するため、減酸素ユニット115で電気分解が行なわれ、それによって発生した熱が、野菜室16に伝わることがない。そのため、野菜室16の庫内温度を上げることがない。
また、減酸素装置102がケース114を有しているため、減酸素ユニット115に直接冷気が当たることがなく、ケース114内部の温度を保持できる。
また、拡散口150はケース114の背面下部に設けられているため、電気反応により発生した熱はユニット収納部140の上部に溜まり、下部にある拡散口150から熱が外に伝わることがない。また、酸素は分子量32の分子であり、空気よりも重く下方向に拡散することが予測されるため、通気口136と拡散口150を減酸素装置102の下部に設けることが効率的となる。
また、ケース114内部に水保持部148を有しているため、水を溜めるための特別な部品やスペースが不要である。
また、カソード層120の側面が樹脂156によって密閉されているため、減酸素容器106における空気を通気口112、開口部138を経て供給され、その空気の中から酸素のみを水に変換できる。
また、固定部材132と固定部材134によって電解質膜116、アノード層118、カソード層120、集電体122,124、撥水層126,130を挟持しているため、これら部材を一体に固定できる。各部材は薄い層であるが、両側から固定部材132,134によって挟持しているため、反りかえりが起こることがなく各部材の均一な接触を確保できる。特に、固定部材132と固定部材134とは、各部材に当たる部分の剛性が強く、各部材の反りかえりの防止ができる。そのため、接触面積を均一に確保できる。
また、カソード層120側の固定部材134の開口部138は短冊状であるため、カソード層124を押圧する強度はそのまま保持でき、かつ、酸素が通過する開口面積を確保できる。
また、減酸素室100の庫内温度が、チルド室44の庫内温度以上になるように、減酸素室100は野菜室16内部に設けられている。そのため、その庫内温度は5℃〜7℃になり、減酸素室100に収納された野菜などの食品58が低温障害をを起こすことがない。一方、チルド室44は、通常1℃程度に庫内温度が制御され、肉や魚を冷凍せずに長期保存できる。
また、減酸素室100に食品58を収納すると、食品58が呼吸を行なってCOを排出するので、COセンサ170がそのCOを検出し、制御部70が、集電体122,124に対し通電を開始するか、又は、通電している電流値を大きくする。これにより食品58を収納するまでは節電できる。
また、撥水層126を設けることにより、給水体128からアノード層118への水の浸入を防ぎ、水蒸気のみ透過させることができるため、フラッディング現象を防止できる。
また、撥水層126として高分子フィルムを用いているため、供給する水にミネラルなどの不純物が有ったとしても遮断し、電解質膜116を劣化させる現象も防止できる。さらに、高分子フィルムであると、撥水性能に劣化が無く長寿命を得ることができる。
また、撥水層130を設けることにより、カソード層120で発生した水がアノード層118に流れ、純水をアノード層118へ供給することができ、給水体128からの供給量を減少させることができる。さらに、カソード層120で発生した水が減酸素室100内に戻ることがないため、減酸素室100内部で冷却されて結露して、食品58の腐食を促進することを防止できる。
また、減酸素室100が野菜室16内部に固定され、この固定された減酸素室100の背面に減酸素装置102が固定されている。そのため、野菜室16の扉16aが開いても減酸素室100は固定されたままである。そして、減酸素保存された食品58を取り出すときには扉108を開放することによって減酸素容器106内の食品58を取り出すことができる。このような構造にすることによって、減酸素装置102の集電体122,124に接続する電気配線、ホース152,154を移動させる必要がなく、また、減酸素装置102と減酸素室100の気密シール構造を簡素化でき、設計の自由度が増す。
実施形態2
次に、実施形態2の冷蔵庫10について図13に基づいて説明する。
本実施形態の冷蔵庫10は、図13に示すように、仕切体38の下方に野菜室冷却空間201を設け、この野菜室冷却空間の後方から、Rファン30に冷気を送る冷却ダクト202を設ける。これによって、野菜室16は、冷気が直接当たる直接冷却でなく、間接冷却が行なわれる。また、減酸素室100は、この野菜室冷却空間201の下方に吊り下げ、減酸素室100の背面に実施形態1と同様に減酸素装置102を取り付ける。
これによって、減酸素装置102に冷気が直接当たることがなく、冷却による減酸素効率が低下するのを防止できる。
変更例
上記実施形態の変更例について説明する。
(1)変更例1
上記実施形態における給水体128を形成する合成樹脂繊維(ポリプロピレン)は、水をやや吸い上げ難いため、その表面に親水処理を施し、親水性を向上させることにより給水体128による吸水性能を上げてもよい。
(2)変更例2
上記実施形態では、アノード層118と給水体128との間に撥水層126を設け、アノード層118に直接水を供給するのでなく、水蒸気を供給していた。
これに代えて、アノード層118に給水体128を接触させて、液体状の水をアノード層118に供給してもよい。
(3)変更例3
上記実施形態1では、減酸素装置102のケース114を断熱性にしたが、これに加えてこの減酸素装置102をさらに断熱箱体に収納してもよい。これによって、より減酸素装置102に冷気が当たり、減酸素効率が落ちるのを防止できる。
(4)変更例4
また、給水体128の耐久性を得るために、減酸素装置102の稼働時の温度を下げた場合には、ガラス転移温度が低い合成樹脂繊維を用いることもできる。例えば、減酸素装置102の稼働時の温度が50℃〜60℃まで下げた場合には、ガラス転移温度が50℃のポリエステルを使用できる。
(5)その他
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10・・・冷蔵庫、14・・・冷蔵室、16・・・野菜室、28・・・Rエバ、44・・・チルド室、48・・・野菜容器、100・・・減酸素室、102・・・減酸素装置、116・・・電解質膜、118・・・アノード層、120・・・カソード層、122・・・集電体、124・・・集電体、126・・・撥水層、128・・・給水体、130・・・撥水層、70・・・制御部、114・・・ケース、115・・・減酸素ユニット

Claims (8)

  1. 減酸素室と、前記減酸素室の酸素を減少させる減酸素装置とを有する冷蔵庫において、
    前記減酸素装置は、
    高分子電解質膜と、
    前記高分子電解質膜の一方の側に設けられたアノード層と、
    前記高分子電解質膜の他方の側に設けられ、前記減酸素室へ通じるカソード層と、
    前記アノード層に通電するプラス側の集電体と、
    前記カソード層に通電するマイナス側の集電体と、
    前記アノード層側に設けられた給水体と、
    を有し、
    前記給水体は、前記減酸素装置の稼働時の温度では熱劣化しない合成樹脂から形成されている、
    冷蔵庫。
  2. 前記減酸素装置の稼働時の温度が、前記高分子電解質膜のガラス転移温度以下である、
    請求項1に記載の冷蔵庫。
  3. 前記アノード層と前記給水体とが離間し、前記給水体から前記アノード層へ水蒸気によって給水を行う、
    請求項1又は2に記載の冷蔵庫。
  4. 前記給水体の前記合成樹脂は合成樹脂繊維であり、前記合成樹脂繊維には親水処理が施されている、
    請求項1乃至3のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
  5. 前記給水体には、前記冷蔵庫の蒸発器から除霜された除霜水を前記給水体へ供給する水搬送路が設けられ、
    前記水搬送路中にイオン交換樹脂が設けられている、
    請求項1乃至4のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
  6. 前記減酸素装置は、前記冷蔵庫内の冷気の流路以外に設けられている、
    請求項1乃至5のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
  7. 前記減酸素装置が、ケースに収納されている、
    請求項1乃至6のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
  8. 前記ケースは、断熱性を有する、
    請求項7に記載の冷蔵庫。
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