JP5964491B1 - 米飯の冷凍保存方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】炊きたて直後の米飯と実質的に同等のおいしさ、すなわち香り、歯ごたえ、味を全て維持することができる米飯の冷凍保存方法の提供。【解決手段】精白米と水とから米飯2を炊く炊飯工程と、米飯2を所定量ずつ取り分けて複数個の所定の剛性を備えた容器1に入れて密封3する小分け工程と、容器入りの米飯2を−30℃以下の冷気で冷凍する冷凍工程と、冷凍された米飯を容器1から取り出して樹脂シート製袋4によりパッキングするパッキング工程とからなり、炊飯工程により得られた米飯2は、炊飯工程の加熱完了後7分以内に冷凍工程開始後5分以内に米飯2’の中心部の温度が0℃以下となる様容器1の大きさと米飯2の量とを選定しての小分け工程を経て、冷凍工程を開始するようにし、パッキング工程は冷凍された米飯2’が入れられた樹脂シート製袋4を内部の空気が実質的になくなるように吸引後シールする、米飯の冷凍方法。【選択図】図2

Description

本発明は、米飯の冷凍保存方法に関するものであり、限定するものではないが具を含まない白米のみからなる米飯の冷凍・保存方法に好適な米飯の冷凍保存方法に関するものである。
白米のみの米飯は、従来周知のように、精白米を水で研いで洗米し、これを所定時間浸漬した後に加熱して得られる。あるいは洗米後に一端お米を水切りをし、その後所定量の水を加えて所定時間浸漬し、加熱して得られる。高品質の精白米と清冽な水とを使用して、熟練の料理人によって得られる炊きたての米飯、すなわち炊きたてのご飯は、ほどよい歯ごたえと粘りを備えると共に高い風味を備えていて食欲を増進させる。例えば和食においては、このような炊きたてのご飯の良否は、料理の良さを引き出すもっとも重要な要素とさえ言うことができる。しかしながらこのようなご飯は、炊き上がりからの時間の経過と共に水分が飛んで硬さが増し、そして香りすなわち風味も失われていく。これによって歯ごたえが変化し、食味も落ちてしまう。このような歯ごたえや味の変化を極力抑制するような、米飯の冷凍保存方法が色々な特許文献によって提案されている。
特開平7−31308号公報 特開平9−252755号公報
特許文献1に記載の米飯の冷凍保存方法は、まず精白米を浸漬する水に特徴がある。すなわち水は、逆浸透膜フィルターを通した水を使用する。このような水を使用して炊きあげた米飯は、15分間の蒸らし時間をとって攪拌すなわちほぐし、その後約30℃になるまで冷却する。冷却後、米飯を所定の量取り分けて所定の形状に成形し、約−30℃に冷却された冷凍庫に入れる。このようにして冷却された米飯の中心温度が−18℃以下になったらこれを袋状フィルムに入れ、真空包装機によって空気を吸引して密封する。袋状フィルムに入れられた米飯は、−18℃以下で保存する。特許文献1によると、この冷凍保存方法によって冷凍された米飯は、どのような解凍方法で解凍しても、凍結前の状態に復元できる旨記載されている。また、この文献によると逆浸透膜フィルターを通すと水の分子を小さくすることができ、このような製法で米飯を得て冷凍すると米デンプンをα型で固定できる旨説明されている。
特許文献2には、米飯食品の冷凍方法だけでなく、その解凍方法も含めた冷凍保存方法が記載されている。この文献によると冷凍および解凍する対象の食品は米飯とその他の食品を組合わせた米飯食品、具体的にはお弁当を対象としている。まず冷凍保存するときには米飯食品に直接液化炭酸ガスを吹き付ける。これによって米飯食品の中心温度が−15〜−30℃になるようにする。その後−25℃以下の雰囲気で冷凍保存する。一方解凍は、解凍時間のうち少なくとも一部において40〜60℃の雰囲気下にして解凍するようにする。このような冷凍方法と解凍方法を実施するようにすると、お弁当のような米飯食品についても調理された時の品質を維持して長期間保存することができる。
ところで一般的に家庭内において米飯を冷凍保存するとき、所定の容器に十分に冷めた米飯を入れて薄い樹脂フィルムによって密封したものを冷凍して保存する。このとき米飯が樹脂フィルムによって押さえつけられないようにして、米飯を構成しているご飯粒が押しつぶされないように留意して、空気の層が確保されるようにしている。いわゆる粒が立った状態を維持するためである。あるいは容器を使用しないで冷凍保存するときには、十分に冷めた米飯を薄くて柔らかい樹脂フィルムに包んで、これを冷凍保存する。この場合にも、米飯が押しつぶされないように留意して、樹脂フィルムによって柔らかく包むようにしている。なお、冷凍保存ではないが、脱酸素されて常温保存が可能な米飯も市販されている。このような常温保存されている米飯52は、図4に示されているように、樹脂製の容器51に入れられ、比較的厚さがある樹脂フィルム54によって密閉され、内部54は脱酸素されて窒素等の不活性ガスが充填されている。このような常温保存可能な米飯52についても、米飯52が樹脂フィルム54によって押しつぶされないように、米飯52と樹脂フィルム54とは所定の隙間が確保されている。
特許文献1に記載の方法、あるいは特許文献2に記載の方法によっても米飯を冷凍保存することは可能である。そしてそれぞれに優れた点もある。また従来の家庭内で実施されている冷凍方法によっても米飯を冷凍保存することはできる。さらには市販されている常温保存の米飯のように、米飯を常温で保存する方法についても優れた点はある。しかしながら、それぞれにおいて解決すべき問題もある。米飯は、炊きたて後が最もおいしく、その後時間の経過と共においしさが失われてしまうが、これらの方法によって保存された米飯を解凍しても、炊きたて直後の米飯のおいしさを復元できないという問題がある。米飯のおいしさは色々な要素から構成されており、香り、歯ごたえ、味、が代表的な要素と言える。まず特許文献1に記載の方法では、米飯を炊いた後に蒸らし時間15分を経過させ、さらに約30℃になるまで冷却している。このよにな蒸らし時間が長く、冷却に時間を要するので、少なくとも香りは失われてしまう。また冷却に時間を要するので米粒内の水分が外部に出てしまい、炊きたて直後の米飯の歯ごたえが維持されない可能性が高い。特許文献2に記載の方法では、液化炭酸ガスで速やかに冷凍しているので、炊きたて直後の米飯を対象として冷凍する場合には、少なくとも香り、味については炊きたて直後の状態で保存が可能だと考えられる。しかしながら、冷凍された米飯については、これを保存するときにどのような状態で包装されているのか不明であるので、炊きたて直後の米飯の歯ごたえが維持される保証はない。冷凍されていても米飯の包装状態によっては米飯の水分量が失われる場合があるからである。本実施の形態の説明において詳しく解説するが、歯ごたえは、硬さと、こしと、粘りと、付着とによって判定することができるが、これらの全てについて炊きたて直後の状態が維持される保証がない。従来の家庭内で実施されている米飯の冷凍方法についても問題がある。この方法においても、少なくとも米飯は炊きたてから時間が経過したものを冷凍しているので香りが失われてしまうからである。さらに冷凍された米飯からも、少しずつ水分は蒸発する。仮に樹脂フィルムによって実質的に完全に密封したとしても、樹脂フィルム内に閉じ込められている空気に対して米飯の米粒内の水分が蒸発し飽和する。空気内で蒸気圧が高くなった水分は樹脂フィルムに接して霜化し、再び米飯内の水分が蒸発する。つまり保存期間が長くなれば米飯の米粒内の水分量が変化して必然的に歯ごたえに影響が出てしまう。常温保存の米飯についても問題が見受けられる。常温保存の米飯については、容器内に所定量の不活性ガスが充填されているが、この不活性ガスにも米飯の香りや水分が放出される。そうすると米飯の香りと水分がが失われてしまう。つまり常温保存の米飯であっても炊き立て直後の米飯のおいしさは維持できない。
本発明は、上記したような従来の問題を解決した、米飯の冷凍保存方法を提供することを目的としており、具体的には、炊きたて直後の米飯と実質的に同等のおいしさ、すなわち香り、歯ごたえ、味を全て維持することができる米飯の冷凍保存方法を提供することを目的としている。
本発明は、上記目的を達成するために、精白米と水とから米飯を炊く炊飯工程と、米飯を所定量ずつ取り分けて複数個の所定の剛性を備えた容器に入れて密封する小分け工程と、容器入りの米飯を−30℃以下の冷気で冷凍する冷凍工程と冷凍された米飯を容器から取り出して樹脂シート製袋によりパッキングするパッキング工程とから構成する。そして炊飯工程により得られた米飯は、炊飯工程の加熱完了後7分以内に小分け工程を経て冷凍工程を開始するようにし、パッキング工程は冷凍された米飯が入れられた樹脂シート製袋を内部の空気が実質的になくなるように吸引後シールする。そして炊飯工程において使用する釜は一度に炊飯する精白米の容量が乾燥状態において1.8L以下になるようにし、小分け工程において使用される容器の大きさと該容器に入れられる米飯の量は、冷凍工程開始後5分以内に米飯の中心部の温度が0℃以下になる大きさと量とに選定する。
すなわち請求項1に記載の発明は、洗米した精白米と水とを所定の釜に入れて加熱して米飯を炊飯する炊飯工程と、前記米飯を所定量ずつ取り分けて複数個の所定の剛性を備えた容器に入れて密封する小分け工程と、前記容器入りの米飯を−30℃以下の冷気で冷凍する冷凍工程と、冷凍された米飯を前記容器から取り出して樹脂シート製袋によりパッキングするパッキング工程とからなり、前記炊飯工程により得られた米飯は、前記炊飯工程の加熱完了後7分以内に前記小分け工程を経て前記冷凍工程を開始すると共に、前記冷凍工程開始後5分以内に米飯の中心部の温度が0℃以下になるようにし、前記パッキング工程は前記冷凍された米飯が入れられた前記樹脂シート製袋を内部の空気が実質的になくなるように吸引後シールすることを特徴とする米飯の冷凍方法として構成される。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の冷凍方法において、前記炊飯工程において使用する前記釜は一度に炊飯する精白米の容量が乾燥状態において1.8L以下になるようにし、前記小分け工程において使用される前記容器の大きさと該容器に入れられる米飯の量は、前記冷凍工程開始後5分以内に米飯の中心部の温度が0℃以下になる大きさと量とに選定されていることを特徴とする米飯の冷凍方法として構成される。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の冷凍方法において、前記炊飯工程において炊飯される米飯は前記精白米の量を超えない分量の雑穀を含んでいることを特徴とする米飯の冷凍方法として構成される。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかの項に記載の冷凍工程によって冷凍された前記パッキング済み米飯を、−15℃以下で保冷することを特徴とする米飯の冷凍・保存方法として構成される。
以上のように、本発明によると、洗米した精白米と水とを所定の釜に入れて加熱して米飯を得る炊飯工程と、米飯を所定量ずつ取り分けて複数個の所定の剛性を備えた容器に入れて密封する小分け工程と、容器入りの米飯を−30℃以下の冷気で冷凍する冷凍工程と、冷凍された米飯を容器から取り出して樹脂シート製袋によりパッキングするパッキング工程とからなる。そして炊飯工程により得られた米飯は、炊飯工程の加熱完了後7分以内に小分け工程を経て冷凍工程を開始すると共に、冷凍工程開始後5分以内に米飯の中心部の温度が0℃以下になるようにし、パッキング工程は冷凍された米飯が入れられた樹脂シート製袋を内部の空気が実質的になくなるように吸引後シールするように構成される。つまり米飯は炊き上がり後、7分以内に冷凍工程が開始されることになる。そうすると炊き上がり直後の米飯は香りと水分とが散逸しないうちに冷凍工程が開始される。そして冷凍工程は−30℃以下の冷気内で冷凍するので水分がお米の粒の内部から外部に出てしまう前に速やかに冷凍されることになる。これによって米飯の水分量が維持されて米飯の歯ごたえは炊き上がり直後の状態を維持できることになる。そして米飯の味についても、冷凍時間が短いので十分に維持される。本発明は、このように冷凍された米飯が、樹脂シート製袋に入れられて内部の空気が実質的に無くなるように吸引後シールされるので、つまり真空パッキングされるので米飯から水分が蒸発することがない。米粒の周囲に空気がないからである。従って米飯の米粒の水分量は変化せず、長期間保存されても香り、歯ごたえ、味のいずれもが炊き上がり直後の状態で維持されることが保証される。また、本発明で冷凍工程によって冷凍される米飯は小分け工程によって所定の剛性を備えた容器にいれられた米飯であるので、米飯には格別に圧力が作用せず押し固められるおそれがない。これによって炊き立て直後の、いわゆる粒が立った状態の米飯が、その状態を維持した状態で冷凍される。そして冷凍パッキングするときに樹脂シート製袋によって米飯を締め付けても、米飯は完全に冷凍された状態であるので、押固められる心配もない。つまり炊き立て直後の、いわゆる粒が立った状態で保存できることになる。
他の発明によると、炊飯工程において使用する釜は一度に炊飯する精白米の容量が乾燥状態において1.8L以下になるようにしている。つまり炊飯工程で炊く米飯は比較的少量であるので、素早く小分け工程を完了できる。さらに比較的少量であるので、釜内の色々な位置において米飯に作用する圧力はバラツキがない。つまり釜内の米飯は一様に粒が立った状態になる。そしてこの発明によると、小分け工程において使用される容器の大きさと該容器に入れられる米飯の量は、冷凍工程開始後5分以内に米飯の中心部の温度が0℃以下になる大きさと量とに選定されている。これによって、お米の粒の内部の水分が外部に出ることを可及的に抑制することができ、お米の粒の内部には実質的に炊き上がり直後の米飯と同等の量の水分量が維持される。すなわち炊き上がり直後の米飯の歯ごたえが維持された状態で保存できることになる。
本発明の実施の形態に係る米飯の冷凍方法を示すブロック図である。 本発明の実施の形態に係る米飯の冷凍方法のそれぞれの工程における米飯の状態を示す図で、その(ア)は小分け工程によって容器に入れられた米飯を示す断面図、その(イ)はパッキング工程において樹脂シート製袋によりパッキングされた米飯を示す断面図である。 米飯の歯ごたえの検査方法とその結果を示す図で、その(ア)は歯ごたえの検査装置の一部を示す斜視図、その(イ)は歯ごたえを構成する指標である硬さ、こし、粘り、付着のそれぞれについて複数の米飯について得られた結果を示すグラフである。 従来の保存方法により保存された米飯を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態を説明する。本実施の形態に係る米飯の冷凍方法は、図1に示されているように、米飯を炊く炊飯工程から始まる。炊飯工程は従来の方法と同様に、洗米した精白米と所定量の水とを釜に入れ、所定時間浸漬させた後に加熱する。すなわち炊飯する。この炊飯工程については概ね従来と同様であるが、釜内において均一に米飯の米粒が立つように、一度に炊飯する米飯の量は比較的少量になるようにし、それに適した大きさの釜を使用する。本実施の形態においては乾燥時において約3合の精白米、つまり約500mLの精白米を炊く釜を使用する。釜は色々な大きさのものを使用できるが、好ましくは一度に炊ける精白米は乾燥状態において1升以下、つまり1.8L以下になるようにする。このように比較的少量の米飯を炊くようにすると、炊きあがった米飯は釜内で一様に米粒が立った状態になる。また比較的少量なので、次で説明する小分け工程が短時間で完了できることになる。
炊飯工程の完了後、本実施の形態に係る小分け工程を実施する。小分け工程は炊飯工程によって炊飯された米飯2を、図2の(ア)に示されているように、所定の剛性を備えた複数個の容器1に所定量を取り分けて、樹脂シート3によって密封する工程である。図には1個の容器1に取り分けられている米飯2が示されている。小分け工程には2つの特徴があるが第1の特徴は、この工程は米飯2が炊きたて後の熱いうちに実施する点である。具体的には炊飯工程で加熱完了後から7分以内に、パッキング工程を完了させると共に次に説明する冷凍工程を開始するようにする。つまり米飯2は加熱完了から7分以内に冷却が開始されることになる。これによって米飯2は炊き立て直後の香りと水分とが失われる前に急速に冷凍されることになる。第2の特徴は、容器1には比較的少量の米飯2が取り分けられる点である。米飯2は次に説明するように冷凍工程において所定の時間で冷凍が開始されるようにその量が選定されているが、米飯2はそのように比較的少量に選定されているので、容器1内においても押しつぶされることはなく、粒が立った状態で維持される。
小分け工程が完了したら、速やかに冷凍工程を実施する。つまり容器1入りの米飯2が所定の冷凍室に搬送する。前記したように米飯2は加熱完了後7分以内に冷凍室に搬送するようにするので、冷凍室に入れられた直後においても炊き上がり直後の状態に近い。このような容器1入りの米飯2を−30℃以下の冷風で急速に冷却する。容器1に取り分けられている米飯2は、このような冷凍環境において、冷凍工程開始後5分以内でその内部が0℃以下になるような量に選定されている。米飯2は5分が経過すると中心温度が0℃以下になり、周辺部において冷凍し始める。そして1時間以内に全体が冷凍されて−30℃に達する。冷凍工程はこのように−30℃以下の冷風によって短時間で米飯2を冷凍するので米飯2からは香りが逃げず、そして米粒の内部の水分が外部に排出されない。すなわち実質的に炊き上がり直後の状態で冷凍されることになる。冷凍済み米飯2’が得られる。
冷凍工程が完了したら、パッキング工程を実施する。冷凍庫から容器1を取り出して、冷凍済み米飯2’を容器1から取り出す。取り出された冷凍済み米飯2’を、図2の(イ)に示されているように、樹脂製シート製袋4に入れる。樹脂シート製袋4は柔らかくかつ気密性を備えていればよく、本実施の形態においてはポリ塩化ビニルのシートからなるいわゆるビニール袋が使用されている。冷凍済み米飯2’が入れられたビニール袋4は、所定の負圧源によって開口部から吸引して空気を実質的に完全に除去する。そして空気を吸引後開口部を溶着してシールする。すなわち、いわゆる真空パッキングして封止する。このように空気を吸引するので、図2の(イ)に示されているように、ビニール袋4はお米の粒に密着して表面に凹凸が形成される。米粒の周囲の空気が実質的に無くなるので、香りの散逸と、米粒からの水分の蒸発が防止できる。さらに酸化も防止でき、味の劣化を抑制できる。ところで真空パッキングによって米飯2’にはビニール袋4から強い圧力が作用することになるが、米飯2’は−30℃程度に冷凍されているので押固められる虞がない。つまり米飯2’を構成している米粒はいわゆる粒が立った状態で維持され、この状態で真空パッキングされることになる。
パッキング工程により真空パックされた冷凍済み米飯2’は、保冷工程により必要な期間保冷される。保冷工程は冷凍済み米飯2’が解凍されない温度であればよい。好ましくは−15℃以下、例えば−15〜−20℃で保存する。味の変質を防止するためである。
このように冷凍保存された米飯2’を解凍して食する場合には、次のようにする。冷凍済みの米飯2’がパッキングされているビニール袋4を、その一部に穴を開ける。そしてこれを電子レンジに入れて短時間で解凍・加熱する。例えば500Wの出力によって3分間加熱する。ビニール袋4から米飯2を取り出す。米飯2は炊き上がり直後と実質的に同等の香りと歯ごたえと味を備えている。
米飯のおいしさを決める要素のうち、歯ごたえが最も重要であるとする和食料理人が多いが、本実施の形態に係る冷凍方法によって冷凍保存した米飯が、炊き立て直後の米飯と実質的に同等の歯ごたえを備えていることを確認するため実験を行った。実験において米飯の歯ごたえを測定する装置は、図3の(ア)に示されている測定装置5を使用した。測定装置5について簡単に説明する。測定装置5は、容器6と、測定棒7とから概略構成されている。容器6は内部に米飯8が入れられる、底面のある筒状を呈し、その内径は39mmであり深さは50mmになっている。このような容器6内に試験対象の米飯8を高さhが40mmになるように入れて歯ごたえを測定することになる。測定棒7は少なくとも先端部が円柱状を呈し、円柱の直径は17.9mmになっている。測定棒7は上下に駆動されるようになっており、米飯8を所望の深さまで押すことができ、また図には示されていないが測定棒7に設けられているセンサによって米飯8から測定棒7に作用する押力、引っ張り力を正確に測定できるようになっている。
歯ごたえを数値化するために、歯ごたえを「硬さ」と「こし」と「粘り」と「付着」で評価することにする。「硬さ」は、測定装置5において測定棒7を米飯8の高さhの8%だけ、つまり3.2mmだけ押し込んだときに測定棒7が米飯8から受ける反力とする。「こし」は測定棒7を米飯8の高さhの8%つまり3.2mm押し込んだときの反力に対する、77%つまり31mm押し込んだときの反力の比とする。「粘り」は測定棒7を米飯8の高さhの8%つまり3.2mm押し込んだ後に0%に戻し、この時点から測定棒7を引き上げて完全に米飯8が測定棒7から引きはがされるまでに要した仕事量とする。「付着」は「粘り」の測定時に測定される最大引っ張り力とする。
実験方法:
精白米として魚沼産コシヒカリを使用して本実施の形態に係る炊飯工程を実施し炊き立ての米飯を得た。米飯の一部を取り分けて試料Aとし、試料Aが25℃に自然冷却されたときに測定装置5において硬さ、こし、粘り、付着のそれぞれについて測定した。試料Bは次のようにして得た。まず炊飯工程で得られた炊き立ての米飯を本実施の形態に係る小分け工程、冷凍工程、そしてパッキング工程を実施した。すなわち炊飯工程の加熱完了後7分以内に小分け工程を実施して冷凍工程を開始した。冷凍工程では前記したように米飯は5分以内に中心部が0℃に達し周囲が冷凍されはじめ、1時間以内に全体が−30℃になった。このようにして冷凍された冷凍済み米飯をパッキング工程を実施してビニール袋にパッキングし、これを3日間保冷工程により保存した。これを冷凍庫より取り出して前記したようにしてビニール袋に穴を開けて電子レンジで解凍・加熱して米飯を得、自然冷却により25℃にした。このようにして得られた試料Bは本実施の形態に係る冷凍方法で冷凍され保存された米飯を解凍したものであるが、この試料Bについても測定装置5において硬さ、こし、粘り、付着のそれぞれについて測定した。試料Cは次のようにして得た。米飯工程で得られた炊き立ての米飯について小分け工程を実施して、7分以内に容器に入れて密封した。これを、10分間室温で自然冷却させ放置した。米飯の中心温度は25℃程度であった。その後−30℃の冷凍庫に入れて冷凍した。冷凍された米飯はビニール袋による真空パッキングは実施せずに、密封された容器に入れたままで−25℃以下で3日間保存した。このようにして保存された米飯を電子レンジで解凍・加熱して、自然冷却により25℃にした。このようにして得られた試料Cは、比較的ゆっくりと冷凍され、周囲に空気が存在する状態で保存された後に、解凍したものということができる。試料Cについても測定装置5において硬さ、こし、粘り、付着のそれぞれについて測定した。
実験結果:
硬さ、こし、粘り、付着のそれぞれについて、試料A〜Cで得られた結果を図3の(イ)のグラフに示す。ただし、硬さ、こし、粘り、付着のそれぞれは試料Aで得られたものを基準として100%で表し、試料B、Cについては基準に対するパーセンテージで示した。グラフa、b、cは、それぞれ試料A、B、Cに対応している。
考察:
本発明の方法とは異なる方法で冷凍し保存して解凍した試料Cは、炊き立て直後の米飯つまり試料Aに対して、その硬さが約4倍、こしが約3.5倍も大きくなって歯ごたえが大きく変化している様子が分かる。これに対して本実施の形態に係る冷凍方法で冷凍しこれを解凍した試料Bは、試料Aに対して硬さもこしも約2倍程度大きくなるだけであった。本実施の形態に係る冷凍方法で冷凍すると、炊き立て直後の米飯に近い歯ごたえが得られることが確認できた。つまり試料Cに比して試料Bは、硬さとこしについて炊き立て直後の米飯である試料Aに近いことが確認できた。なお、粘りと付着については試料Bと試料Cにおいてほとんど違いは見られなかった。試料A〜Cについて米飯に含まれる水分量を測定したところ、それぞれ62.6%、58.6%、51.8%であった。つまり本実施の形態に係る冷凍方法で保存すると米粒の内部の水分が外部に出にくくなることが確認できた。本実施の形態に係る冷凍方法で冷凍した米飯の歯ごたえが炊き立て直後の状態で維持されるのは、米粒内に水分が保持されるからであると推測される。本実施の形態に係る冷凍方法によって米粒内の水分が保持されるのは、米飯が炊き上がり後、短時間で冷凍されるからであり、さらには冷凍状態で保存するときに実質的に空気がない状態で保存されて水分の蒸発が抑制されているからであると考えられる。
本実施の形態に係る米飯の冷凍方法は、精白米のみからなる米飯だけでなく、麦、ひえ、粟等の雑穀を含む米飯に対しても同様に実施できる。このような雑穀入りの米飯も、その香り、歯ごたえ、味が重要であり、特に歯ごたえについては炊き立て直後の米飯を短時間で冷凍することができ、そして冷凍後の米飯について空気を遮断することが重要である。従って本実施の形態に係る冷凍方法によって冷凍すると、炊き立て直後の雑穀入り米飯のおいしさが維持できることになる。
1 容器
2 米飯
3 樹脂シート
4 ビニール袋
5 測定装置
6 容器
7 測定棒

Claims (4)

  1. 洗米した精白米と水とを所定の釜に入れて加熱して米飯を炊飯する炊飯工程と、
    前記米飯を所定量ずつ取り分けて複数個の所定の剛性を備えた容器に入れて密封する小分け工程と、
    前記容器入りの米飯を−30℃以下の冷気で冷凍する冷凍工程と、
    冷凍された米飯を前記容器から取り出して樹脂シート製袋によりパッキングするパッキング工程とからなり、
    前記炊飯工程により得られた米飯は、前記炊飯工程の加熱完了後7分以内に前記小分け工程を経て前記冷凍工程を開始すると共に、前記冷凍工程開始後5分以内に米飯の中心部の温度が0℃以下になるようにし、
    前記パッキング工程は前記冷凍された米飯が入れられた前記樹脂シート製袋を内部の空気が実質的になくなるように吸引後シールすることを特徴とする米飯の冷凍方法。
  2. 請求項1に記載の冷凍方法において、前記炊飯工程において使用する前記釜は一度に炊飯する精白米の容量が乾燥状態において1.8L以下になるようにし、前記小分け工程において使用される前記容器の大きさと該容器に入れられる米飯の量は、前記冷凍工程開始後5分以内に米飯の中心部の温度が0℃以下になる大きさと量とに選定されていることを特徴とする米飯の冷凍方法。
  3. 請求項1または2に記載の冷凍方法において、前記炊飯工程において炊飯される米飯は前記精白米の量を超えない分量の雑穀を含んでいることを特徴とする米飯の冷凍方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかの項に記載の冷凍工程によって冷凍された前記パッキング済み米飯を、−15℃以下で保冷することを特徴とする米飯の冷凍・保存方法。
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