JP5957940B2 - フッ素樹脂水性分散体、水性フッ素塗料及び該塗料で塗装された物品 - Google Patents
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Description
第1工程で得られた反応物に、フルオロオレフィン化合物(a1)、水酸基を有するビニル単量体(a2)及びカルボキシル基を有するビニル単量体(a3)を必須とした単量体混合物(II)を加えて、さらに共重合反応させて、フッ素共重合体(A)を得る第2工程、
前記フッ素共重合体(A)が有するカルボキシル基を塩基性化合物で中和して、水媒体中で分散させる第3工程を経て、得られることを特徴とするフッ素共重合体水性分散体に関する。
第1工程で得られた反応物に、フルオロオレフィン化合物(a1)及び水酸基を有するビニル単量体(a2)を必須とした単量体混合物(I)を加えて、さらに共重合反応させて、フッ素共重合体(A)を得る第2工程、
前記フッ素共重合体(A)が有するカルボキシル基を塩基性化合物で中和して、水媒体中で分散させる第3工程を経て、得られることを特徴とするフッ素樹脂水性分散体に関する。
第1工程で得られた反応物に、フルオロオレフィン化合物(a1)、水酸基を有するビニル単量体(a2)及びカルボキシル基を有するビニル単量体(a3)を必須とした単量体混合物(II)を加えて、さらに共重合反応させて、フッ素共重合体(A)を得る第2工程、
前記フッ素共重合体(A)が有するカルボキシル基を塩基性化合物で中和して、水媒体中で分散させる第3工程を経て、フッ素樹脂水性分散体を得る方法である。
第1工程で得られた反応物に、フルオロオレフィン化合物(a1)及び水酸基を有するビニル単量体(a2)を必須とした単量体混合物(I)を加えて、さらに共重合反応させて、フッ素共重合体(A)を得る第2工程、
前記フッ素共重合体(A)が有するカルボキシル基を塩基性化合物で中和して、水媒体中で分散させる第3工程を経て、フッ素樹脂水性分散体を得る方法である。
[第1工程]
前記フルオロオレフィン化合物(a1)及び水酸基を有するビニル単量体(a2)を必須とした単量体混合物(I)を共重合反応させる。
[第2工程]
第1工程で得られた反応物に、前記フルオロオレフィン化合物(a1)、水酸基を有するビニル単量体(a2)及びカルボキシル基を有するビニル単量体(a3)を必須とした単量体混合物(II)を加えて、さらに共重合反応させる。
[第1工程]
前記フルオロオレフィン化合物(a1)、水酸基を有するビニル単量体(a2)及びカルボキシル基を有するビニル単量体(a3)を必須とした単量体混合物(II)を共重合反応させる。
[第2工程]
第1工程で得られた反応物に、前記フルオロオレフィン化合物(a1)及び水酸基を有するビニル単量体(a2)を必須とした単量体混合物(I)を加えて、さらに共重合反応させる。
測定装置:高速GPC装置(東ソー株式会社製「HLC−8220GPC」)
カラム:東ソー株式会社製の下記のカラムを直列に接続して使用した。
「TSKgel G5000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G4000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G3000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G2000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
検出器:RI(示差屈折計)
カラム温度:40℃
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流速:1.0mL/分
注入量:100μL(試料濃度4mg/mLのテトラヒドロフラン溶液)
標準試料:下記の標準ポリスチレンを用いて検量線を作成した。
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−500」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−1000」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−2500」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−5000」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−1」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−2」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−4」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−10」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−20」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−40」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−80」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−128」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−288」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−550」
測定装置:高速GPC装置(東ソー株式会社製「HLC−8220GPC」)
カラム:東ソー株式会社製の下記のカラムを直列に接続して使用した。
「TSKgel G5000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G4000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G3000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G2000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
検出器:RI(示差屈折計)
カラム温度:40℃
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流速:1.0mL/分
注入量:100μL(試料濃度4mg/mLのテトラヒドロフラン溶液)
標準試料:下記の標準ポリスチレンを用いて検量線を作成した。
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−500」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−1000」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−2500」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−5000」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−1」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−2」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−4」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−10」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−20」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−40」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−80」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−128」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−288」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−550」
[第1工程]
内部を窒素で置換したステンレス製のオートクレーブに、ジエチレングリコールジメチルエーテル(以下、「MDM」と略記する。)75質量部、メタノール144.2質量部、エチルビニルエーテル(以下、「EVE」と略記する。)25.9質量部、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル(以下、「HBVE」と略記する。)26.7質量部、シクロヘキシルビニルエーテル(以下、「CHVE」と略記する。)21質量部、光安定剤(BASFジャパン株式会社製「チヌビン292」、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート及びメチル(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケートの混合物;以下、「HALS」と略記する。)16.2質量部、及び重合開始剤としてt−ブチルパーオキシピバレート3.9質量部を仕込んだ。次いで、オートクレーブ内に、液化したクロロトリフルオロエチレン(以下、「CTFE」と略記する。)88.1質量部を圧入した後、オートクレーブを63℃に昇温した。続いて、温度を63℃に保持したまま、液化したCTFE264.1質量部を2.5時間かけて圧入した。CTFEの圧入開始と同時に、EVE77.5質量部、HBVE79.9質量部、CHVE63質量部、MDM116.1質量部、及びt−ブチルパーオキシピバレート11.6質量部からなる混合物を2.5時間かけて圧入した。
第1工程での単量体の圧入終了後、続けてオートクレーブ内に、液化したCTFE213.2質量部を1.5時間かけて圧入した。また、EVE54.9質量部、HBVE53.9質量部、CHVE1.1質量部、10−ウンデセン酸(以下、「UDA」と略記する。)107.7質量部、MDM103.2質量部、及び重合開始剤としてt−ブチルパーオキシピバレート10.3質量部からなる混合物を2.5時間かけて圧入した。この圧入終了後、圧入ライン洗浄のためにMDM42.2質量部を圧入した。オートクレーブを63℃に保温し、第一工程でのCTFE圧入開始から12時間反応を行った後、オートクレーブの内圧を常圧に戻し、反応物を1531.4質量部回収した。得られた溶液を3リットルの4つ口フラスコに入れ、無機合成吸着剤(協和化学工業株式会社製「キョーワード500(G7)」)73.4質量部を添加して60℃で4時間撹拌した。続いてろ過を行い、ろ過液を減圧留去し、フッ素共重合体(A−1)の75質量%溶液を得た。このフッ素共重合体(A−1)の酸価は31.7mgKOH/gであり、数平均分子量(Mn)は4,700であり、重量平均分子量(Mw)は18,100であった。
第2工程で得られたフッ素共重合体溶液500質量部を2リットルの4つ口フラスコに入れ、40℃まで加熱してからジメチルエタノールアミン15.1質量部を加え、1時間撹拌して均一にした後、60℃に昇温して、撹拌しながらイオン交換水422.4質量部を徐々に加えて、不揮発分39.3質量%のフッ素樹脂水性分散体(1)を得た。
フッ素樹脂水性分散体(1)を40℃の恒温槽に保管し、1週間後、2週間後及び4週間後に外観を目視で観察し、下記の基準で貯蔵安定性を評価した。
◎:沈殿物の発生、ゲル化、白濁がなかった。
○:沈殿物の発生、ゲル化はないが、やや白濁した。
△:ゲル化には至らないが、増粘した。
×:沈殿物の発生又はゲル化があった。
ポリプロピレン板上に上記で得られた水性フッ素樹脂水分散体(1)を塗布して、108℃で2時間乾燥させた。乾燥した塗膜をポリプロピレン板から剥離して秤量した後、アセトンに24時間浸漬した。アセトンに溶解せずに残った塗膜を108℃で2時間乾燥させた後、その質量をアセトンに浸漬する前の質量で除した値の百分率をゲル分率とした。
フッ素樹脂水性分散体(1)76.3質量部(フッ素樹脂として30質量部)、酸化チタン(石原産業株式会社製「タイペークCR−97」)70質量部、及びイオン交換水20.4質量部を混合し、顔料混合物を得た。この顔料混合物のPWC(固形分質量に対する顔料質量の百分率)は70質量%であり、不揮発分は60質量%であった。この顔料混合物を、バッチ式ミルを用いて分散し、顔料分散体を得た。この顔料分散体100質量部に対して、フッ素樹脂水性分散体(1)114.5質量部、界面活性剤(ビックケミー・ジャパン株式会社製「BYK−348」)0.6質量部、消泡剤(サンノプコ株式会社製「SNデフォーマー777」)0.2質量部、及びイオン交換水4質量部を加えた後、均一に混合して、PWC40質量%、不揮発分48質量%である塗料主剤を得た。次いで、前記塗料主剤100質量部に、硬化剤(DIC株式会社製「バーノックDNW−5500」、水分散性ポリイソシアネート、不揮発分80質量%)14.3質量部を加えた後、均一に混合して、水性フッ素樹脂塗料(1)を得た。
上記で得られた塗膜について、光沢度計(村上カラーリサーチラボラトリー社製「グロスメーターGM−26D」)を用いて、60°光沢度、及び20°光沢度をそれぞれ5点測定して、その平均値を測定値とした。
上記で得られた塗膜について、JIS試験方法 K5600−5−4:1999に準拠して、鉛筆に三菱鉛筆株式会社製「ユニ」を用いて、鉛筆硬度を測定した。
[第1工程]
内部を窒素で置換したステンレス製のオートクレーブに、MDM75質量部、メタノール144.2質量部、EVE20.6質量部、HBVE20.2質量部、CHVE0.4質量部、UDA40.4質量部、HALS16.2質量部、及び重合開始剤としてt−ブチルパーオキシピバレート3.9質量部を仕込んだ。次いで、オートクレーブ内に、液化したCTFE80質量部を圧入した後、オートクレーブを63℃に昇温した。続いて、温度を63℃に保持したまま、液化したCTFE133.2質量部を1.5時間かけて圧入した。CTFEの圧入開始と同時に、EVE34.3質量部、HBVE33.7質量部、CHVE0.7質量部、UDA67.3質量部、MDM64.5質量部、及びt−ブチルパーオキシピバレート6.4質量部からなる混合物を1.5時間かけて圧入した。
第1工程での単量体の圧入終了後、続けてオートクレーブ内に、液化したCTFE352.2質量部を2.5時間かけて圧入した。また、EVE103.4質量部、HBVE106.6質量部、CHVE84質量部、MDM154.8質量部、t−ブチルパーオキシピバレート15.5質量部からなる混合物を3.5時間かけて圧入した。この圧入終了後、圧入ライン洗浄のためにMDM42.2質量部を圧入した。オートクレーブを63℃に保温し、第一工程でのCTFE圧入開始から12時間反応を行った後、オートクレーブの内圧を常圧に戻し、反応物を1470.5質量部回収した。得られた溶液を3リットルの4つ口フラスコに入れ、無機合成吸着剤(協和化学工業株式会社製「キョーワード500(G7)」)74.1質量部を添加して60℃で4時間撹拌した。続いてろ過を行い、ろ過液を減圧留去し、フッ素共重合体(A−2)の76.1質量%溶液を得た。このフッ素共重合体(A−2)の酸価は30.1mgKOH/gであり、数平均分子量(Mn)は5,800であり、重量平均分子量(Mw)は18,000であった。
第2工程で得られたフッ素共重合体溶液500質量部を2リットルの4つ口フラスコに入れ、40℃まで加熱してからジメチルエタノールアミン14.6質量部を加え、1時間撹拌して均一にした後、60℃に昇温して、撹拌しながらイオン交換水436.7質量部を徐々に加えて、不揮発分39.0質量%のフッ素樹脂水性分散体(2)を得た。
[第1工程]
内部を窒素で置換したステンレス製のオートクレーブに、MDM75質量部、メタノール144.2質量部、EVE8.1質量部、HBVE20.2質量部、CHVE24.2質量部、UDA32.3質量部、HALS16.2質量部、及び重合開始剤としてt−ブチルパーオキシピバレート3.9質量部を仕込んだ。次いで、オートクレーブ内に、液化したCTFE76.7質量部を圧入した後、オートクレーブを63℃に昇温した。続いて、温度を63℃に保持したまま、液化したCTFE127.9質量部を1.5時間かけて圧入した。CTFEの圧入開始と同時に、EVE13.4質量部、HBVE33.7質量部、CHVE40.4質量部、UDA53.9質量部、MDM64.5質量部、及びt−ブチルパーオキシピバレート6.4質量部からなる混合物を1.5時間かけて圧入した。
第1工程での単量体の圧入終了後、続けてオートクレーブ内に、液化したCTFE333.9質量部を2.5時間かけて圧入した。また、EVE52.8質量部、HBVE106.6質量部、CHVE152.9質量部、MDM154.8質量部、t−ブチルパーオキシピバレート15.5質量部からなる混合物を3.5時間かけて圧入した。この圧入終了後、圧入ライン洗浄のためにMDM42.2質量部を圧入した。オートクレーブを63℃に保温し、第一工程でのCTFE圧入開始から12時間反応を行った後、オートクレーブの内圧を常圧に戻し、反応物を1518.8質量部回収した。得られた溶液を3リットルの4つ口フラスコに入れ、無機合成吸着剤(協和化学工業株式会社製「キョーワード500(G7)」)76.8質量部を添加して60℃で4時間撹拌した。続いてろ過を行い、ろ過液を減圧留去し、フッ素共重合体(A−3)の75.9質量%溶液を得た。このフッ素共重合体(A−3)の酸価は25.4mgKOH/gであり、数平均分子量(Mn)は5,300であり、重量平均分子量(Mw)は19,700であった。
第2工程で得られたフッ素共重合体溶液500質量部を2リットルの4つ口フラスコに入れ、40℃まで加熱してからジメチルエタノールアミン12.2質量部を加え、1時間撹拌して均一にした後、60℃に昇温して、撹拌しながらイオン交換水436.6質量部を徐々に加えて、不揮発分39.3質量%のフッ素樹脂水性分散体(4)を得た。
[第1工程]
内部を窒素で置換したステンレス製のオートクレーブに、MDM75質量部、メタノール144.2質量部、EVE28.3質量部、HBVE20.2質量部、CHVE2質量部、UDA26.3質量部、HALS16.2質量部、及び重合開始剤としてt−ブチルパーオキシピバレート3.9質量部を仕込んだ。次いで、オートクレーブ内に、液化したCTFE84.8質量部を圧入した後、オートクレーブを63℃に昇温した。続いて、温度を63℃に保持したまま、液化したCTFE141.4質量部を1.5時間かけて圧入した。CTFEの圧入開始と同時に、EVE47.1質量部、HBVE33.7質量部、CHVE3.4質量部、UDA43.7質量部、MDM64.5質量部、及びt−ブチルパーオキシピバレート6.4質量部からなる混合物を1.5時間かけて圧入した。
第1工程での単量体の圧入終了後、続けてオートクレーブ内に、液化したCTFE371.6質量部を2.5時間かけて圧入した。また、EVE157.2質量部、HBVE106.6質量部、CHVE10.8質量部、MDM154.8質量部、t−ブチルパーオキシピバレート15.5質量部からなる混合物を3.5時間かけて圧入した。この圧入終了後、圧入ライン洗浄のためにMDM42.2質量部を圧入した。オートクレーブを63℃に保温し、第一工程でのCTFE圧入開始から12時間反応を行った後、オートクレーブの内圧を常圧に戻し、反応物を1451.8質量部回収した。得られた溶液を3リットルの4つ口フラスコに入れ、無機合成吸着剤(協和化学工業株式会社製「キョーワード500(G7)」)73.0質量部を添加して60℃で4時間撹拌した。続いてろ過を行い、ろ過液を減圧留去し、フッ素共重合体(A−4)の77.0質量%溶液を得た。このフッ素共重合体(A−4)の19.9mgKOH/gであり、数平均分子量(Mn)は6,800であり、重量平均分子量(Mw)は18,900であった。
第2工程で得られたフッ素共重合体溶液500質量部を2リットルの4つ口フラスコに入れ、40℃まで加熱してからジメチルエタノールアミン9.7質量部を加え、1時間撹拌して均一にした後、60℃に昇温して、撹拌しながらイオン交換水452.4質量部を徐々に加えて、不揮発分40.2質量%のフッ素樹脂水性分散体(5)を得た。
[第1工程]
内部を窒素で置換したステンレス製のオートクレーブに、MDM75質量部、メタノール144.2質量部、EVE32.3質量部、HBVE20.2質量部、CHVE2質量部、UDA20.2質量部、HALS16.2質量部、及び重合開始剤としてt−ブチルパーオキシピバレート3.9質量部を仕込んだ。次いで、オートクレーブ内に、液化したCTFE86.8質量部を圧入した後、オートクレーブを63℃に昇温した。続いて、温度を63℃に保持したまま、液化したCTFE144.7質量部を1.5時間かけて圧入した。CTFEの圧入開始と同時に、EVE53.9質量部、HBVE33.7質量部、CHVE3.4質量部、UDA33.7質量部、MDM64.5質量部、及びt−ブチルパーオキシピバレート6.4質量部からなる混合物を1.5時間かけて圧入した。
第1工程での単量体の圧入終了後、続けてオートクレーブ内に、液化したCTFE371.5質量部を2.5時間かけて圧入した。また、EVE157.2質量部、HBVE106.6質量部、CHVE10.8質量部、MDM154.8質量部、t−ブチルパーオキシピバレート15.5質量部からなる混合物を3.5時間かけて圧入した。この圧入終了後、圧入ライン洗浄のためにMDM42.2質量部を圧入した。オートクレーブを63℃に保温し、第一工程でのCTFE圧入開始から12時間反応を行った後、オートクレーブの内圧を常圧に戻し、反応物を1463.5質量部回収した。得られた溶液を3リットルの4つ口フラスコに入れ、無機合成吸着剤(協和化学工業株式会社製「キョーワード500(G7)」)74.0質量部を添加して60℃で4時間撹拌した。続いてろ過を行い、ろ過液を減圧留去し、フッ素共重合体(A−5)の77.8質量%溶液を得た。このフッ素共重合体(A−5)の酸価は15.4mgKOH/gであり、数平均分子量(Mn)は6,500であり、重量平均分子量(Mw)は22,200であった。
第2工程で得られたフッ素共重合体溶液500質量部を2リットルの4つ口フラスコに入れ、40℃まで加熱してからジメチルエタノールアミン7.6質量部を加え、1時間撹拌して均一にした後、60℃に昇温して、撹拌しながらイオン交換水464.9質量部を徐々に加えて、不揮発分39.5質量%のフッ素樹脂水性分散体(5)を得た。
[第1工程]
内部を窒素で置換したステンレス製のオートクレーブに、MB75質量部、メタノール144.2質量部、EVE36.3質量部、HBVE20.2質量部、CHVE2質量部、UDA13.3質量部、HALS16.2質量部、及び重合開始剤としてt−ブチルパーオキシピバレート3.9質量部を仕込んだ。次いで、オートクレーブ内に、液化したCTFE89.7質量部を圧入した後、オートクレーブを63℃に昇温した。続いて、温度を63℃に保持したまま、液化したCTFE149.4質量部を1.5時間かけて圧入した。CTFEの圧入開始と同時に、EVE60.6質量部、HBVE33.7質量部、CHVE3.4質量部、UDA22.2質量部、MB64.5質量部、及びt−ブチルパーオキシピバレート6.4質量部からなる混合物を1.5時間かけて圧入した。
第1工程での単量体の圧入終了後、続けてオートクレーブ内に、液化したCTFE372.6質量部を2.5時間かけて圧入した。また、EVE156.2質量部、HBVE106.6質量部、CHVE10.8質量部、MB154.8質量部、t−ブチルパーオキシピバレート15.5質量部からなる混合物を3.5時間かけて圧入した。この圧入終了後、圧入ライン洗浄のためにMB42.2質量部を圧入した。オートクレーブを63℃に保温し、第一工程でのCTFE圧入開始から12時間反応を行った後、オートクレーブの内圧を常圧に戻し、反応物を1484.9質量部回収した。得られた溶液を3リットルの4つ口フラスコに入れ、無機合成吸着剤(協和化学工業株式会社製「キョーワード500(G7)」)75質量部を添加して60℃で4時間撹拌した。続いてろ過を行い、ろ過液を減圧留去し、フッ素共重合体(A−6)の75.9質量%溶液を得た。このフッ素共重合体(A−6)の酸価は10.3mgKOH/gであり、数平均分子量(Mn)は6,900であり、重量平均分子量(Mw)は19,700であった。
第2工程で得られたフッ素共重合体溶液500質量部を2リットルの4つ口フラスコに入れ、40℃まで加熱してからジメチルエタノールアミン4.9質量部を加え、1時間撹拌して均一にした後、60℃に昇温して、撹拌しながらイオン交換水443.8質量部を徐々に加えて、不揮発分40.2質量%のフッ素樹脂水性分散体(7)を得た。
窒素ガス置換した4つ口フラスコに、水酸基を有するフッ素樹脂(DIC株式会社製「フルオネートK−700」、不揮発分50質量%、フッ素樹脂の水酸基価48mgKOH/g)280質量部、無水メタクリル酸3質量部、及びトリエチルアミン0.5質量部を仕込み、内容物を撹拌しながら80℃まで昇温し、同温度を保ちながら2時間撹拌することによって、メタクリロイル基を導入したフッ素樹脂を得た。このメタクリロイル基を導入したフッ素樹脂283.5質量部に、メタクリル酸6質量部、メタクリル酸イソブチル51質量部、及びt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネート2.8質量部を加えて均一に混合し、混合物を得た。次いで、窒素ガス置換した4つ口フラスコに、得られた混合物のうちの100質量部を入れて80℃まで昇温した。80℃を保ちながら、残りの混合物を4時間かけて滴下し、滴下終了後、さらに80℃で4時間撹拌することで、アクリル変性フッ素樹脂溶液を得た。このアクリル変性フッ素樹脂溶液の不揮発分は57.4質量%であり、酸価は25.6mgKOH/gであった。
比較例1で得られたアクリル変性フッ素樹脂溶液43.6質量部(アクリル変性フッ素樹脂として25質量部)、及び水酸基を有するフッ素樹脂(DIC株式会社製「フルオネートK−700」、不揮発分50質量%、フッ素樹脂の水酸基価48mgKOH/g)150質量部を窒素ガス置換した4つ口フラスコに仕込み、40℃まで加熱してからジメチルエタノールアミン0.7質量部を加え、1時間撹拌して均一にした後、60℃に昇温して、撹拌しながらイオン交換水150質量部を徐々に加えて水分散体を得た。得られた水分散体を減圧して濃縮することで、不揮発分40.2質量%のフッ素樹脂水性分散体(R2)を得た。
内部を窒素で置換したステンレス製のオートクレーブに、MDM75質量部、メタノール144.2質量部、EVE23.7質量部、HBVE24.1質量部、CHVE12.8質量部、UDA16.2質量部、HALS16.2質量部、及び重合開始剤としてt−ブチルパーオキシピバレート3.9質量部を仕込んだ。次いで、オートクレーブ内に、液化したCTFE84.8質量部を圧入した後、オートクレーブを63℃に昇温した。続いて、温度を63℃に保持したまま、液化したCTFE480.6質量部を4時間かけて圧入した。CTFEの圧入開始と同時に、EVE134.6質量部、HBVE136.3質量部、CHVE72.3質量部、UDA91.5質量部、MDM236.2質量部、及びt−ブチルパーオキシピバレート21.9質量部からなる混合物を5時間かけて圧入した。
Claims (8)
- フルオロオレフィン化合物(a1)及び水酸基を有するビニル単量体(a2)を必須とした単量体混合物(I)を共重合反応させる第1工程、
第1工程で得られた反応物に、フルオロオレフィン化合物(a1)、水酸基を有するビニル単量体(a2)及びカルボキシル基を有するビニル単量体(a3)を必須とした単量体混合物(II)を加えて、さらに共重合反応させて、フッ素共重合体(A)を得る第2工程、
前記フッ素共重合体(A)が有するカルボキシル基を塩基性化合物で中和して、水媒体中で分散させる第3工程を経て、得られることを特徴とするフッ素樹脂水性分散体の製造方法。 - フルオロオレフィン化合物(a1)、水酸基を有するビニル単量体(a2)及びカルボキシル基を有するビニル単量体(a3)を必須とした単量体混合物(II)を共重合反応させる第1工程、
第1工程で得られた反応物に、フルオロオレフィン化合物(a1)及び水酸基を有するビニル単量体(a2)を必須とした単量体混合物(I)を加えて、さらに共重合反応させて、フッ素共重合体(A)を得る第2工程、
前記フッ素共重合体(A)が有するカルボキシル基を塩基性化合物で中和して、水媒体中で分散させる第3工程を経て、得られることを特徴とするフッ素樹脂水性分散体の製造方法。 - 前記単量体混合物(I)又は(II)に、前記フルオロオレフィン化合物(a1)、ビニル単量体(a2)、ビニル単量体(a3)以外のその他のビニル単量体(a4)を含む請求項1又は2記載のフッ素樹脂水性分散体の製造方法。
- 前記単量体混合物(I)中の各単量体の使用量が、前記フルオロオレフィン化合物(a1)1モルに対して、前記ビニル単量体(a2)及び(a4)の合計で、0.6〜1.5モルの範囲であり、前記ビニル単量体(a2)及び(a4)の合計中の前記ビニル単量体(a2)のモル比率が10〜100モル%の範囲であり、前記単量体混合物(II)中の各単量体の使用量が、前記フルオロオレフィン化合物(a1)1モルに対して、前記ビニル単量体(a2)、(a3)及び(a4)の合計で、0.6〜1.5モルの範囲であり、前記ビニル単量体(a2)、(a3)及び(a4)の合計中の前記ビニル単量体(a2)のモル比率が、10〜97モル%の範囲であり、前記ビニル単量体(a2)、(a3)及び(a4)の合計中の前記ビニル単量体(a3)のモル比率が、3〜60モル%の範囲である請求項3記載のフッ素樹脂水性分散体の製造方法。
- 前記ビニル単量体(a3)が、カルボキシル基とビニル基との間の原子数が4以上の単量体である請求項1〜4のいずれか1項記載のフッ素樹脂水性分散体の製造方法。
- 請求項1〜5のいずれか1項記載のフッ素樹脂水性分散体、及び水酸基又はカルボキシ基と反応する官能基を有する硬化剤(B)を含有することを特徴とする水性フッ素塗料の製造方法。
- 前記硬化剤(B)が、ポリイソシアネート化合物である請求項6記載の水性フッ素塗料の製造方法。
- 請求項6又は7記載の水性フッ素塗料で塗装されたことを特徴とする物品の製造方法。
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