JP5956334B2 - ピラゾールのアルキル化のためのプロセス - Google Patents

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Description

本発明は、置換ピラゾールの位置選択的なN−アルキル化のためのプロセス、および置換ピラゾールの位置選択的なN−アルキル化におけるスルホン酸アルキルの使用に関する。
N−アルキル化置換ピラゾール、例えば、エチル3−(ジフルオロメチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキシレート(DFPE)は、例えば、国際公開第03/074491号に記載される通り、殺菌剤の調製において貴重な中間体である。
国際公開第95/25099に従って、N−アルキル化置換ピラゾールは、塩基性条件下で、対応する置換ピラゾールを、アルキルハロゲン化物と反応させることによって調整することができる。しかしながら、置換ピラゾールのN−アルキル化におけるアルキルハロゲン化物の使用は、それらの毒性特性の理由で問題がある。さらに、それらの化合物は高価であり、加えて、ピラゾール環2個の窒素原子に対して、低度な位置選択性しか示さない。それらの理由から、かかるプロセスは、N−アルキル化置換ピラゾールの大規模な調製に特に適さない。
日本特許第2000−044541号に従って、N−アルキル化置換ピラゾールは、対応する置換ピラゾールを、塩基の添加と共に、カルボン酸ジアルキルエステルと反応させることによって調整することができる。カルボン酸ジアルキルエステルの使用は、それらの化合物が低反応性であるため、望ましくない。さらに、かかるN−アルキル化の位置選択性は、概して、ピラゾール環上の置換基の化学的性質に依存し、その結果、カルボン酸ジアルキルエステルを用いるN−アルキル化は、場合によっては不十分な位置選択性を示す。
国際公開第2006/045504号に従って、N−アルキル化置換ピラゾールは、対応する置換ピラゾールを、リン酸トリアルキルと反応させることによって、位置選択的に調整することができる。
容易かつ安価に得られる出発物質から出発して、DFPEを商業規模で調製するための改善されたプロセスを見出す必要性が引き続き存在する。
本発明は、式I:
Figure 0005956334
の化合物の調製のためのプロセスに関し、式中、R1は、C1−C4ハロアルキルであり、
2は、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアリール、または任意に置換されたヘテロアリールであり、
3は、メチルまたはエチルであり、
式II:
Figure 0005956334
(式中、R1およびR2は、式Iの化合物に関して定義される通りである)の化合物
は、式III:
Figure 0005956334
(式中、R3は、式Iの化合物に関して定義される通りである)の化合物と反応させられる。
上記の置換基の定義に現れるアルキル基は、直鎖または分枝鎖であり得る。例えば、アルキル基は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、またはtert−ブチルであり得、好ましくは、メチルまたはエチルである。ハロゲンは、概してフッ素、塩素、臭素、またはヨウ素であり、好ましくは、フッ素である。C1−C4ハロアルキル基は、言及されたC1−C4アルキル基に由来し、好ましくは、ジフルオロメチルまたはトリフルオロメチルである。
アリールは、単環、または共に縮合されるかもしくは共有結合で結合される複合環であり得る、芳香族炭化水素環系を指す。アリール基の例としては、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インダニル、インデニル、アントラセニル、フェナントレニル、およびビフェニルが挙げられる。
ヘテロアリールは、その中の少なくとも1個の酸素、窒素、または硫黄原子が環員として存在する、一環、二環、または三環系を含む芳香族環系を指す。例としては、フリル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、テトラジニル、インドリル、ベンゾチオフェニル、ベンゾフラニル、ベンズイミダゾリル、インダゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、キノリニル、イソキノリニル、フタラジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、シンノリニル、およびナフチリジニルが挙げられる。
2は、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアリール、または任意に置換されたヘテロアリールであり得る。これは、アルキル、アリール、およびヘテロアリール基が1個以上の同一のまたは異なる置換基を担持しても、しなくてもよいことを意味する。通常は、3個以下の置換基が同時に存在する。置換基の例としては、次のものが挙げられる:ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アルケニル、ハロアルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、ハロアルキニル、アルコキシ、ハロアルコキシ、シクロアルコキシ、アルケニルオキシ、ハロアルケニルオキシ、アルキニルオキシ、ハロアルケニルオキシ、アルキルチオ、ハロアルキルチオ、シクロアルキルチオ、アルケニルチオ、アルキニルチオ、アルキルカルボニル、ハロアルキルカルボニル、シクロアルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アルキニルカルボニル、アルコキシアルキル、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ、アルキルアミノ、およびジアルキルアミノ。
好ましい任意の置換基は、C1−C8アルキル、ハロ−C1−C8アルキル、
3−C8シクロアルキル、C3−C8シクロアルキル−C1−C8アルキル、C2−C8アルケニル、ハロ−C2−C8アルケニル、C3−C8シクロ−C2−C8アルケニル、C2−C8アルキニル、ハロ−C2−C8アルキニル、C1−C8アルコキシ、ハロ−C1−C8アルコキシ、C3−C8シクロアルコキシ、C2−C8アルケニルオキシ、ハロ−C2−C8アルケニルオキシ、C2−C8アルキニルオキシ、ハロ−C2−C8アルケニルオキシ、C1−C8アルキルチオ、ハロ−C1−C8アルキルチオ、C3−C8シクロアルキルチオ、C2−C8アルケニルチオ、C2−C8アルキニルチオ、
1−C8アルキルカルボニル、ハロ−C1−C8アルキルカルボニル、C3−C8シクロアルキルカルボニル、C2−C8アルケニルカルボニル、C2−C8アルキニルカルボニル、C1−C8アルコキシ−C1−C8アルキル、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ、C1−C8アルキルアミノ、およびC1−C8ジアルキルアミノである。
より好ましい任意の置換基は、C1−C4アルキル、ハロ−C1−C4アルキル、C3−C6シクロアルキル、C3−C6シクロアルキル−C1−C4アルキル、C2−C4アルケニル、ハロ−C2−C4アルケニル、C3−C6シクロ−C2−C4アルケニル、C2−C4アルキニル、ハロ−C2−C4アルキニル、C1−C4アルコキシ、ハロ−C1−C4アルコキシ、C3−C6シクロアルコキシ、C2−C4アルケニルオキシ、ハロ−C2−C4アルケニルオキシ、C2−C4アルキニルオキシ、ハロ−C2−C4アルケニルオキシ、C1−C4アルキルチオ、ハロ−C1−C4アルキルチオ、C3−C6シクロアルキルチオ、C2−C4アルケニルチオ、C2−C4アルキニルチオ、C1−C4アルキルカルボニル、ハロ−C1−C4アルキルカルボニル、C3−C6シクロアルキルカルボニル、C2−C4アルケニルカルボニル、C2−C4アルキニルカルボニル、C1−C4アルコキシ−C1−C4アルキル、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ、C1−C4アルキルアミノ、およびC1−C4ジアルキルアミノである。
さらにより好ましい任意の置換基は、C1−C4アルキル、C1−C4ハロアルキル、C1−C4アルコキシ、ハロ−C1−C4アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、およびアミノである。
任意に置換されたアリールの典型的例としては、2−フルオロフェニル、3−フルオロフェニル、4−フルオロフェニル、2−クロロフェニル、3−クロロフェニル、4−クロロフェニル、2−ブロモフェニル、3−ブロモフェニル、4−ブロモフェニル、2−メチルフェニル、3−メチルフェニル、4−メチルフェニル、2−メトキシフェニル、3−メトキシフェニル、4−メトキシフェニル、2−シアノフェニル、3−シアノフェニル、4−シアノフェニル、2−トリフルオロメチルフェニル、3−トリフルオロメチルフェニル、4−トリフルオロメチルフェニル、2−トリフルオロメトキシフェニル、3−トリフルオロメトキシフェニル、4−トリフルオロメトキシフェニル、2,3−ジフルオロフェニル、2,4−ジフルオロフェニル、2,5−ジフルオロフェニル、2,6−ジフルオロフェニル、3,4−ジフルオロフェニル、3,5−ジフルオロフェニル、2,3−ジクロロフェニル、2,4−ジクロロフェニル、2,5−ジクロロフェニル、2,6−ジクロロフェニル、3,4−ジクロロフェニル、3,5−ジクロロフェニル、2,3−ジブロモフェニル、2,4−ジブロモフェニル、2,5−ジブロモフェニル、2,6−ジブロモフェニル、3,4−ジブロモフェニル、3,5−ジブロモフェニル、2,3−ジメチルフェニル、2,4−ジメチルフェニル、2,5−ジメチルフェニル、2,6−ジメチルフェニル、3,4−ジメチルフェニル、3,5−ジメチルフェニル、2,3−ジメトキシフェニル、2,4−ジメトキシフェニル、2,5−ジメトキシフェニル、2,6−ジメトキシフェニル、3,4−ジメトキシフェニル、3,5−ジメトキシフェニル、2,3−ジシアノフェニル、2,4−ジシアノフェニル、2,5−ジシアノフェニル、2,6−ジシアノフェニル、3,4−ジシアノフェニル、3,5−ジシアノフェニル、2,3−ビス(トリフルオロメチル)フェニル、2,4−ビス(トリフルオロメチル)フェニル、2,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル、2,6−ビス(トリフルオロメチル)フェニル、3,4−ビス(トリフルオロメチル)フェニル、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル、2,3−ビス(トリフルオロメトキシ)フェニル、2,4−ビス(トリフルオロメトキシ)フェニル、2,5−ビス(トリフルオロメトキシ)フェニル、2,6−ビス(トリフルオロメトキシ)フェニル、3,4−ビス(トリフルオロメトキシ)フェニル、3,5−ビス(トリフルオロメトキシ)フェニル、2−クロロ−5−フルオロフェニル、2−フルオロ−5−メチルフェニル、2−フルオロ−5−メトキシフェニル、5−クロロ−2−フルオロフェニル、2−クロロ−5−メチルフェニル、2−クロロ−5−メトキシフェニル、5−フルオロ−2−メチルフェニル、5−クロロ−2−メチルフェニル、5−メトキシ−2−メチルフェニル、5−フルオロ−2−メトキシフェニル、5−クロロ−2−メトキシフェニル、および2−メトキシ−5−メチルフェニルが挙げられる。
任意に置換されたヘテロアリールの典型的例としては、5−メチル−3−トリフルオロメチルピラゾール−1−イル、3−メチル−5−トリフルオロメチルピラゾール−1−イル、3,5−ビス−トリフルオロメチルピラゾール−1−イル、3,5−ジメチルピラゾール−1−イル、5−エチル−3−トリフルオロメチルピラゾール−1−イル、5−メチル−3−トリフルオロメトキシピラゾール−1−イル、2−メチル−4−トリフルオロメチルイミダゾール−1−イル、4−メチル−2−トリフルオロメチルイミダゾール−1−イル、2,4−ビス−トリフルオロメチルイミダゾール−1−イル、2,4−ジメチルイミダゾール−1−イル、2−エチル−4−トリフルオロメチルイミダゾール−1−イル、2−メチル−4−トリフルオロメトキシイミダゾール−1−イル、5−メチル−3−トリフルオロメチル[1,2,4]チアゾール−1−イル、3−メチル−5−トリフルオロメチル[1,2,4]チアゾール−1−イル、3,5−ビス−トリフルオロメチル[1,2,4]チアゾール−1−イル、および3,5−ジメチル[1,2,4]チアゾール−1−イル、5−エチル−3−トリフルオロメチル[1,2,4]チアゾール−1−イル、5−メチル−3−トリフルオロメトキシ[1,2,4]チアゾール−1−イルが挙げられる。
単独のまたは別の置換基の一部としてのアルコキシは、言及された炭素原子の数に応じて、例えば、メトキシ、エトキシ、1−プロポキシ、2−プロポキシ、n−ブトキシ、2−n−ブトキシ、または2−tert−ブトキシである。
単独のまたは別の置換基の一部としてのアルケニルは、言及された炭素原子の数に応じて、例えば、エテニル、アリル、プロペン−1−イル、ブテン−2−イル、ブテン−3−イル、ペンテン−1−イル、ペンテン−3−イル、ヘキセン−1−イル、または4−メチル−ペンテン−3−イルである。
単独のまたは別の置換基の一部としてのアルキニルは、言及された炭素原子の数に応じて、例えば、エチニル、プロピン−1−イル、プロピン−2−イル、ブチン−1−イル、ブチン−2−イル、1−メチル−2−ブチニル、ヘキシン−1−イル、または1−エチル−2−ブチニルである。
好ましくは、R1は、ジフルオロメチルまたはトリフルオロメチルであり、
好ましくは、R2は、C1−C8アルキル、フェニル、またはフェニル−C1−C8アルキルであり、ここでアルキル、フェニル、およびフェニルアルキルは、1個以上の、例えば、1個から3個の、C1−C4アルキル、C1−C4ハロアルキル、C1−C4アルコキシ、ハロ−C1−C4アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、およびアミノでそれぞれ任意に置換される。より好ましくは、R2は、C1−C8アルキルまたはC1−C8ハロアルキル、フェニルまたはベンジルであり、ここでフェニルおよびベンジルは、ハロゲン、例えば、1個から3個のハロゲン原子でそれぞれ任意に置換される。より好ましくは、R2は、C1−C6アルキルである。さらにより好ましくは、R2は、C1−C4アルキルである。最も好ましくは、R2は、メチルまたはエチルである。
好ましくは、R3は、メチルである。
本発明に従ったプロセスは、好ましくは、R1がC1−C4ハロアルキルであり、R2がC1−C6アルキルであり、R3がメチルまたはエチルである、式Iの化合物の調製のために好適である。
特に、本発明に従ったプロセスは、好ましくは、R1がジフルオロメチルまたはトリフルオロメチルであり、R2がメチルまたはエチルであり、R3がメチルである、式Iの化合物の調製のために好適である。
本発明に従ったプロセスは、R1がジフルオロメチルである、式Iの化合物の調製に特に好適である。
本発明に従ったプロセスは、R1がジフルオロメチルであり、R2がエチルであり、R3がメチルである、式Iの化合物の調製に特に非常に好適である。
好ましくは、式IIIの化合物は、硫酸ジメチルである。
好ましくは、反応は、二相性溶媒系中、特に液体−液体二相性溶媒系、例えば、水および水非混和性有機溶媒を含む溶媒系中で行われる。「水非混和性」という用語は、本発明に係るプロセスの条件下で、有機溶媒が水と混合される際、2つの分離液相が形成されることを意味する。好適な有機溶媒としては、任意にハロゲン化された芳香族炭化水素溶媒、ケトン溶媒、任意にハロゲン化された炭化水素溶媒、またはエーテル溶媒がある。該定義において、ハロゲンは、概して、フッ素、塩素、臭素、および/またはヨウ素、好ましくはフッ素、臭素、および/または塩素である。好ましい溶媒は、芳香族ベースの有機溶媒、例えば、フェニル基、および/またはエーテルを含有する溶媒である。好ましい例は、トルエン、キシレン、メシチレン、tert−ブチルベンゼン、クロロベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン、デカリン、ジブチルエーテル、ジペンチルエーテル、ジフェニルエーテル、およびアニソールである。場合によっては、1つを越える種類の溶媒が用いられてもよい。好ましくは、トルエンおよび水、またはキシレンおよび水の混合物が、溶媒として用いられる。
反応が、一相溶媒系を用いて行われる場合、溶媒は、好ましくは、トルエンおよびキシレンを有する、上述の有機溶媒であり、特にトルエンが好ましい。
好ましくは、プロセスは、相間移動触媒を用いて行われる。好適な相間移動触媒は、例えば、(アルキル)4+Hal-、(アリール)4+Hal-、アルキルアリール−P+Hal-等の第四級ホスホニウム塩であるか(Halは、ハロゲン化物を指す)、または例えば、テトラアルキルアンモニアハロゲン化物もしくは水酸化物、テトラアリールアンモニアハロゲン化物もしくは水酸化物、アルキルアリールアンモニアハロゲン化物もしくは水酸化物等の第四級アンモニア塩であり、それらは、例えば、C.M.Starks,C.L.Liotta,M.C.Halpern,Phase Transfer Catalysis;Chapman & Hall;New York,1994に記載される。
好ましくは、相間移動触媒は、1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン
(DABCO)、塩化テトラメチルアンモニウム(TMAC)、塩化トリカプリリルメチルアンモニウム(Aliquat 336(登録商標))、塩化テトラブチルアンモニウム(TBAC)、臭化テトラブチルアンモニウム(TBAB)、および塩化トリフェニルホスホニウム(TPPC)から選択される。
相間移動触媒は、概して、本発明の反応において、式Iの化合物の1mol当たり0.001から0.1molの量で用いられる。式Iの化合物の1mol当たり0.01から0.05molの量が好ましい。
好ましくは、プロセスは、塩基の存在下で行われる。塩基は、任意の好適な塩基であってもよい。好適な塩基は、例えば、水酸化物および炭酸塩、例えば、アルカリ水酸化物およびアルカリ炭酸塩である。好ましい例は、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等、またはアルカリ炭酸塩、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等である。好ましくは、水酸化ナトリウムが、塩基として用いられる。好ましくは、塩基は、pHが9から13、好ましくは、9.5から12.5、より好ましくは、10.5から12、最も好ましくは、10.8から11.5となるような量で提供される。
好ましくは、本発明に従った反応は、0℃から100℃、好ましくは、10℃から50℃、特に15℃から50℃の温度範囲内で行われる。
本発明に従った反応では、式IIIの化合物は、通常、式IIの化合物に対して、等モル量で、または過剰量で、好ましくは、最大10倍モル過剰量で、特に最大5倍モル過剰量で、より特に等モルから2倍モル過剰量で、さらにより特に等モルから1.5モル過剰量で、使用される。式IIの化合物に対して、若干のモル過剰の式IIIの化合物、例えば、等モル超から1.4モル過剰、例えば、1.05から1.3モル過剰が最も好ましい。
本発明に従ったプロセスは、二相性溶媒系中、塩基および相間移動触媒の存在下での、式II(式中、R1は、ジフルオロメチルであり、R2は、エチルである)の、式IIIの化合物(式中、R3は、メチルである)の化合物との反応による、式I(式中、R1は、ジフルオロメチルであり、R2は、エチルであり、R3は、メチルである)の化合物の調製のために特に非常に好適である。
特に、本発明に従ったプロセスは、0℃から100℃の温度範囲、二相性溶媒系中、塩基および相間移動触媒の存在下での、式II(式中、R1は、ジフルオロメチルであり、R2は、エチルである)の化合物の、式III(式中、R3は、メチルである)の化合物との反応による、式I(式中、R1は、ジフルオロメチルであり、R2は、エチルであり、R3は、メチルである)の化合物の調製のために特に非常に好適であり、式IIIの化合物は、式IIの化合物に対して等モルから2倍過剰量で使用される。
式IIの化合物は既知であるか、または、文献内で既知のプロセスと同様に調製することができる。例えば、かかる化合物は、それらがオルトギ酸トリメチルとの反応およびその後のヒドラジンとの反応による2ステップの合成を用いて、それらがその上に基づく、3−オキソ−カルボン酸エステルから調製することができる。かかる反応は、例えば、日本特許第2000−044541号に記載される。式IIの化合物の調製のためのさらなる合成経路は、日本特許第2001−322983号に記載され、ここで、例えば、エチル3−トリフルオロメチルピラゾール−4−カルボキシレートは、エチル3−クロロ−4,4,4−トリフルオロ−2−ホルミル−2−ブテン酸エステルから出発して、ヒドラジンとの反応によって調製される。式IIIの化合物は、商業的に入手可能である。
また、本発明は、式IIの化合物の位置選択的なアルキル化における、式IIIの化合s物の使用に関する。また、本発明は、式IIの化合物の位置選択的なアルキル化のためのプロセスに関し、式中、式IIIの化合物は、アルキル化剤として使用される。
表1は、本発明の式Iの化合物の例を示す。
Figure 0005956334
本発明は、高度な位置選択性により、かつ低コストで、置換ピラゾールが、制御された方法で、高収率でアルキル化されることを可能にする。
本発明のさらなる利点は、所望の生成物エチル3−(ジフルオロメチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキシレート(DFPE)を、連続的真空蒸留によって精製して、最初に、所望でないエチル5−(ジフルオロメチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキシレート(イソ−DFPE)、次いでDFPEを除去できるということである。また、それは結晶化によって精製することもできる。
したがって、プロセスは、このプロセスで形成された、式Iの化合物を、式IV:
Figure 0005956334
(式中、R1、R2、およびR3は、上記に定義される通りである)の任意の化合物から、蒸留によって分離するステップを含んでもよい。
プロセスは、例えば、結晶化によって、式Iの化合物を精製することを含んでもよい。
本発明のプロセスのための出発物質は、入手の容易性および扱いの簡易性によって識別され、また安価でもある。
さらなる態様では、本発明は、式I:
Figure 0005956334
の化合物の調製のためのプロセスを提供し、式中、R1は、C1−C4ハロアルキルであり、
2は、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアリール、または任意に置換されたヘテロアリールであり、
3は、メチルまたはエチルであり、
a)式V:
Figure 0005956334
(式中、R1およびR2は、式Iの化合物に関して定義される通りであり、R4は、水素、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアリール、または任意に置換されたヘテロアリールである)の化合物を、
水および水非混和性有機溶媒の存在下で、ヒドラジンと反応させて、式II:
Figure 0005956334
(式中、R1およびR2は、式Iの化合物に関して定義される通りである)の化合物を形成すること、および
b)式IIの化合物を、アルキル化剤とインサイツで反応させて、式Iの化合物を生成すること、を含む。
1、R2、R3の好ましい定義は、上記に提供される定義と同じである。最も好ましくは、R1は、ジフルオロメチルであり、R2は、C1−C6アルキル、例えば、エチルであり、R4は、水素またはC1−C6アルキル、より好ましくは、C1−C6アルキル、例えば、エチルであり、R3は、メチルである。
例えば、式IIの化合物を、アルキル化剤とインサイツで反応させることは、アルキル化剤との反応前に、式IIの化合物が粗反応混合物から単離されないことを意味する。したがって、式IIの化合物からの式Iの化合物の調製は、「ワンポット」反応であり得、例えば、ステップb)は、同一の槽内でステップa)の後に行われてもよい。これは、プロセスのための設備の要件を簡素化する。
式Vの化合物のヒドラジンとの反応後に、有機相は、式Iの化合物を含有するであろう。有機相は、式IIの化合物をアルキル化剤と反応させる前に、水相から分離されてもよい。次いでアルキル化剤は、有機相に添加されてもよい。また、アルキル化反応は、二相性溶媒系を用いて行われてもよい。
アルキル化剤は、既知のアルキル化剤から選択されてもよい。好適なアルキル化剤には、例えば、リン酸アルキル、ホスホン酸アルキル、亜リン酸アルキル、硫酸アルキル、炭酸アルキル、例えば、式III、VI、VII、またはVIII:
Figure 0005956334
の化合物が含まれてもよく、式中、
3は、メチルまたはエチルであり、
5は、水素、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアリール、または任意に置換されたヘテロアリール、好ましくは、水素またはC1−C6アルキル、例えば、エチルであり、
nは、0または1である。
好ましいアルキル化試薬は、式IIIおよびVIの化合物、特にリン酸アルキルおよびスルホン酸アルキルである。硫酸ジメチルおよびリン酸トリメチルが特に好ましい。
ステップにおいて、a)ヒドラジンは、式Vの化合物に対して、等モル量で、準等モル量で、または過剰量で使用することができ、好ましくは、ヒドラジンは、式Vの化合物に対して、若干の過剰量で使用される。したがって、式Vのヒドラジン:化合物のモル比は、好ましくは、1:0.8から1:1.2、好ましくは、1:1.1である。ヒドラジンは、水溶液の形態で使用されてもよい。
ステップa)における好ましい有機溶媒は、式IIの化合物の式IIIの化合物でのアルキル化について上述した通りである。
プロセスステップa)は、好ましくは、−20℃から50℃、好ましくは、0℃から50℃、特に5℃から25℃の温度範囲で行われる。
プロセスステップa)の反応時間は、概して、15分から48時間、好ましくは15分から18時間、より好ましくは15分から5時間または1時間から5時間である。該ステップは、正常圧、上昇圧、または減圧で行うことができる。一実施形態において、該ステップは、正常圧で行われる。
ステップa)の例としては、次のものを含むプロセスステップが挙げられる:ヒドラジンまたはヒドラジン水和物および有機溶媒を含む溶液を調製すること、有機溶媒中で式Vの化合物の懸濁液/溶液を調製すること、溶液および懸濁液、または両方の溶液を混合すること。ヒドラジンを含む溶液は、有機溶媒中で式Vの化合物の懸濁液/溶液に添加することができ、またはその逆も可能である。一実施形態において、有機溶媒中の式Vの化合物の懸濁液/溶液は、メチルヒドラジンを含む溶液に添加される。
ステップb)は、式IIの化合物の式IIIの化合物との反応について上述した条件と類似した条件下で行われてもよい。好ましくは、ステップb)は、上述の本発明に従って、式IIIの化合物に従って用いて行われる。
式Vの化合物は、アルコキシ基−O−R2によって置換される二重結合に関して、2つの異性体、E−およびZ−異性体で生じる。双方の異性体またはその混合物は、本発明に従ったプロセスで使用することができる。
式Vの化合物は、例えば、国際公開第2008/113447号に記載される。
さらなる態様では、本発明は、式I:
Figure 0005956334
の化合物の調製のためのプロセスを提供し、式中、R1は、C1−C4ハロアルキルであり
2は、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアリール、または任意に置換されたヘテロアリールであり、
3は、メチルまたはエチルであり、
式II:
Figure 0005956334
(式中、R1およびR2は、式Iの化合物に関して定義される通りである)の化合物
は、液体−液体二相性溶媒系中でアルキル化剤と反応させられる。
好ましくは、二相性溶媒系は、例えば、上述の水および水非混和性有機溶媒である。
アルキル化剤は、既知のアルキル化剤から選択されてもよい。好適なアルキル化剤には、例えば、リン酸アルキル、ホスホン酸アルキル、亜リン酸アルキル、硫酸アルキル、炭酸アルキル、例えば、式III、VI、VII、またはVIII:
Figure 0005956334
の化合物が含まれてもよく、式中、
3は、メチルまたはエチルであり、
5は、水素、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアリール、または任意に置換されたヘテロアリール、好ましくは、水素またはC1−C6アルキル、例えば、エチルであり、
nは、0または1である。
好ましくは、アルキル化剤は、式III、VI、またはVIIの化合物、より好ましくは、式IIIの化合物である。より好ましいアルキル化試薬は、式IIIおよびVIの化合物、特にリン酸アルキルおよびスルホン酸アルキルである。硫酸ジメチルおよびリン酸トリメチルが特に好ましい。
さらなる態様では、本発明は、式IX:
Figure 0005956334
の化合物の調製のためのプロセスを提供し、式中、R1は、C1−C4ハロアルキルであり、R3は、メチルまたはエチルであり、
上述の通り調製された式Iの化合物を加水分解することを含む。
式Iの化合物の加水分解は、例えば、国際公開第2008/145257号に記載される通り、次のステップを行うことによって達成することができる:
i) 次のステップによって、その化合物をインサイツでけん化し、式IXの化合物の形成をもたらすこと、
ii) 塩基を添加して、式IXの化合物の陰イオンを形成すること、
ii’) 酸を添加して、式IXの化合物を形成すること。
さらなる態様では、本発明は、式X:
Figure 0005956334
の化合物の調製のためのプロセスを提供し、式中、R1は、C1−C4ハロアルキルであり、R3は、メチルまたはエチルであり、
Aは、ハロゲン、メチル、メトキシから独立して選択される、1個から3個の基によって、それぞれ任意に置換された、チエニル、フェニル、またはエチレンであり、
Bは、直接結合、シクロプロピレン、環付加ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−、またはビシクロ[2.2.1]ヘプテン環であり、
Dは、水素、ハロゲン、C1−C6アルキル、C1−C6ハロアルキル、C1−C6アルコキシ、C1−C6ハロアルコキシ、C3−C6シクロアルキル、C1−C6アルキリデン、C1−C6ハロアルキリデン、フェニル、またはハロゲンおよびトリハロメチルチオから独立して選択される1個から3個の置換基によって任意に置換されるフェニルであり、
上述のプロセスに従って、式IX:
Figure 0005956334
(式中、R1は、C1−C4ハロアルキルであり、R3は、メチルまたはエチルである)の化合物を提供すること、および
式IXの化合物または対応する酸ハロゲン化物を、式XI:
Figure 0005956334
(式中、A、B、およびDは、式Xの化合物に関して定義される通りである)の化合物と反応させることを含む。
式Xの化合物は、好ましくは、式XIIの化合物(イソピラザム)、式XIIIの化合物(セダキサン)、式XIVの化合物、式XVの化合物(ペンチオピラド)、式XVIの化合物(ビキサフェン)、式XVIIの化合物(フルキサピロキサド)、式XVIIIの化合物、または式XIXの化合物である。
Figure 0005956334
式IXの化合物または対応する酸ハロゲン化物を、式XIの化合物と反応させるステップは、例えば、国際公開第2004/035589号、または国際公開第2009/135860号に記載される、既知の方法に従って行われてもよい。例えば、式Iの化合物を、塩化チオニル、塩化オキサリル、ボスゲン、SF4、DAST、デオキソフルオロ、または臭化チオニル等のハロゲン化剤で処理して、酸−ハロゲン、例えば、酸塩化物を得ることができ、次いでそれは、好適な塩基、例えば、LiOH、KOH、NaOH、NEt3、NaHCO3、KHCO3、Na2CO3、またはK2CO3の存在下で、例えば、トルエン、キシレン、ジクロロメタン、酢酸エチル、またはDMF等の溶媒中、例えば、−10℃から30℃で、式XIの化合物と反応させることができる。
イソピラザム、セダキサン、ペンチオピラド、フルキサピロキサド、およびビキサフェンは、既知の殺菌剤である。式XIVの化合物は、例えば、国際公開第2007/048556号から既知であり、式XVIIIの化合物は、例えば、国際公開第2010/000612号から既知であり、式XIXの化合物は、例えば、国際公開第2008/053044号から既知である。
実施例:
実施例1:二相性溶媒系を用いる、エチル3−(ジフルオロメチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキシレート(DFPE)の調製
実施例1a
19g(0.10mol)のエチル3−ジフルオロメチルピラゾール−4−カルボキシレート、トルエン(60mL)、水(70mL)、および塩化テトラメチルアンモニウム(0.2g)を混合した。4.6gの25%水酸化ナトリウム水溶液
(0.03mol)を撹拌しながら添加した。混合物を15℃まで冷却した。次いで、2時間にわたって、pHを10.8から11.0に、およびポットの温度を15℃に維持しながら、15.1gの硫酸ジメチル(0.12mol)および11.2gの追加的な水酸化ナトリウム(0.07mol)を同時に加えた。追加的な水酸化ナトリウム溶液を加えることによってpHを10.8から11.0に維持しながら、反応混合物を同一の温度で撹拌させた。底の水相を分離した。有機相を真空中で濃縮して、DFPEおよびエチル5−(ジフルオロメチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキシレート(イソ−DFPE)の70:30混合物として、20.0gの粗生成物を得た。
所望のDFPE生成物を、95℃/5mbarでの真空蒸留によって精製して、所望でないイソ−DFPEを除去し、続いてメタノール−水中で再結晶化させた。
11.8g(99.9%、0.06mol)のDFPEを得た。また、DFPEも単離し、110℃/1mbarでの真空蒸留によって精製することができる。
実施例1b
19g(0.10mol)のエチル3−ジフルオロメチルピラゾール−4−カルボキシレート、トルエン(60mL)、水(35mL)、および臭化テトラブチルアンモニウム(0.2g)を混合した。4.6gの25%水酸化ナトリウム水溶液
(0.03mol)を撹拌しながら添加した。混合物を15℃まで冷却した。次いで、2時間にわたって、pHを10.8から11.0に、およびポットの温度を15℃に維持しながら、15.1gの硫酸ジメチル(0.12mol)および11.2gの追加的な水酸化ナトリウム(0.07mol)を同時に加えた。追加的な水酸化ナトリウム溶液を加えることによってpHを10.8〜11.0に維持しながら、反応混合物を同一の温度で撹拌させた。底の水相を分離した。有機相のGC分析により、それがDFPEおよびエチル5−(ジフルオロメチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキシレート(イソ−DFPE)の70:30混合物として、20.0gの粗生成物を含有することが示された。合わせた収率は、95%である。
実施例1c
63.8g(0.336mol)のエチル3−ジフルオロメチルピラゾール−4−カルボキシレート、トルエン(260mL)、および水(52mL)を混合した。
18.0gの25%水酸化ナトリウム水溶液(0.112mol)を撹拌しながら添加した。次いで、2時間にわたって、pHを11.3から11.6に、およびポットの温度を25℃に維持しながら、49.6gの硫酸ジメチル(0.390mol)
および45.3gの追加的な水酸化ナトリウム(0.283mol)を同時に加えた。追加的な水酸化ナトリウム溶液を加えることによってpHを11.3から11.6に維持しながら、反応混合物を同一の温度で2時間撹拌させた。底の水相を分離した。有機相のGC分析により、それがDFPEおよびエチル5−(ジフルオロメチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキシレート(イソ−DFPE)の62:38混合物として、64.5gの粗生成物を含有することが示された。合わせた収率は、94%である。
実施例2:単相性溶媒系を用いる、エチル3−(ジフルオロメチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキシレート(DFPE)の調製
実施例2a
31.9g(0.17mol)のエチル3−ジフルオロメチルピラゾール−4−カルボキシレート、トルエン(110mL)、34.8gの炭酸カリウム(0.5mol)、および塩化テトラメチルアンモニウム(1.2g)を混合した。次いで、2時間にわたって、ポットの温度を25℃に維持しながら、26.4gの硫酸ジメチル(0.21mol)を加えた。反応混合物を同一の温度でさらに2時間撹拌させた。水(200g)を添加して、固体副生成物を溶解させた。底の水相を分離した。有機相のGC分析により、それがDFPEおよびエチル5−(ジフルオロメチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキシレート(イソ−DFPE)の58:42混合物として、32.3gの粗生成物を含有することが示された。合わせた収率は、
95%である。
実施例2b
31.9g(0.17mol)のエチル3−ジフルオロメチルピラゾール−4−カルボキシレート、トルエン(110mL)、および34.8gの炭酸カリウム(0.5mol)を混合した。次いで、2時間にわたって、ポットの温度を25℃に維持しながら、26.4gの硫酸ジメチル(0.21mol)を加えた。反応混合物を同一の温度でさらに2時間撹拌させた。水(200g)を添加して、固体副生成物を溶解させた。底の水相を分離した。有機相のGC分析により、それがDFPEおよびエチル5−(ジフルオロメチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキシレート(イソ−DFPE)の58:42混合物として、32.2gの粗生成物を含有することが示された。合わせた収率は、95%である。
実施例3:エチル3−(ジフルオロメチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキシレート(DFPE)のワンポット調製
トルエン(450mL)およびヒドラジン一水和物(48.8g、0.98mol)の混合物を15から20℃で撹拌した。温度を15から20℃に維持しながら、2−[1−エトキシ−メト−(Z)−イリデン]−4,4−ジフルオロ−3−オキソ−酪酸エチルエステル(175.3g、91.5%濃度、0.72mol)を、シリンジポンプを介して2時間にわたって加えた。反応質量を15から20℃でさらに30分間維持して、反応を完了させた。
次いで反応混合物を30℃まで加温して、固体生成物を溶解させた。底の水相をデカントした。有機相を2%HCl(50mL)で洗浄して、残渣ヒドラジンを除去した。2つの水相を組み合わせ、トルエン(50mL)で抽出した。トルエン抽出物は、さらなる3から4%収率のエチル3−ジフルオロメチルピラゾール−4−カルボキシレートを含有し、それを生成物溶液と組み合わせた。
粗エチル3−ジフルオロメチルピラゾール−4−カルボキシレートのトルエン溶液を撹拌し、20℃まで冷却した。水(260mL)、塩化テトラメチルアンモニウム
(10%水溶液、15.0g)、および25%NaOH溶液(36〜60g)を順番に添加した。pHを10.5から12.0に維持しながら、硫酸ジメチル
(99.5%、94.5g、0.75mol)および追加的な25%NaOHを20℃で2時間にわたって同時に加えた。反応の2時間後、底の水相を分離した。
溶媒を除去した後、粗反応質量を真空希釈して、蒸留画分として、46.5gのエチル5−(ジフルオロメチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキシレート(イソ−DFPE)を得た。蒸留残渣は、86.3gのDFPEおよび1.0g未満のイソ−DFPEを含有し、直接加水分解して、対応する酸を得ることができる。

Claims (10)

  1. 式I:
    Figure 0005956334
    {式中、
    1は、ジフルオロメチルであり、
    2は、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアリール、または任意に置換されたヘテロアリールであり、そして
    3は、メチルまたはエチルである}
    で表される化合物のワンポット調製方法であって、
    a)式V:
    Figure 0005956334
    {式中、
    1及びR2は、式Iの化合物について定義された通りであり、
    4が、水素、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアリール、又は任意に置換されたヘテロアリールである}
    で表される化合物をヒドラジンと反応させて、以下の式(II):
    Figure 0005956334
    (式中、
    1およびR2は、式Iの化合物に関して定義される通りである)
    で表される化合物を形成し;そして
    b)当該式IIの化合物を、以下の式III:
    Figure 0005956334
    (式中、R3は、式Iの化合物に関して定義される通りである)
    で表されるアルキル化剤と水及び水不混和性有機溶媒系の存在下で、塩基の存在下で、並びに1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン(DABCO)、塩化テトラメチルアンモニウム(TMAC)、塩化テトラブチルアンモニウム(TBAC)、臭化テトラブチルアンモニウム(TBAB)、および塩化トリフェニルホスホニウム(TPPC)から選ばれる4級ホスホニウム塩又は4級アンモニウム塩である相間移動触媒の存在下でインサイツで反応させることを含む、前記方法。
  2. 式IIIで表される化合物が、式IIの化合物に対して等モルから2倍のモル過剰量で存在する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記塩基は、水酸化物または炭酸塩である、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 2は、C1−C6アルキルである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 工程a)の後に、工程b)で式IIの化合物をアルキル化剤と反応させる前に、前記有機相を前記水相から分離する、請求項1に記載の方法。
  6. 前記水不混和性有機溶媒が、芳香族ベースの溶媒及び/又はエーテルである、請求項5に記載の方法。
  7. 前記アルキル化剤が、ジメチルスルフェートである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 式IX:
    Figure 0005956334
    {式中、R1及びR3は、請求項1に定義される通りである}
    で表される化合物の製造方法であって、
    請求項1〜7のいずれか一項に定義される方法に従って式Iの化合物を提供し、
    当該式Iの化合物を加水分解することを含む、前記方法。
  9. 式X:
    Figure 0005956334
    {式中、R1及びR3が、請求項1に定義される通りであり、Aは、ハロゲン、メチル及びメトキシから独立して選択される、1から3の基によって、それぞれ任意に置換された、チエニル、フェニル、またはエチレンであり、
    Bは、直接結合、シクロプロピレン、環付加ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−、またはビシクロ[2.2.1]ヘプテン環であり、
    Dは、水素、ハロゲン、C1−C6アルキル、C1−C6ハロアルキル、C1−C6アルコキシ、C1−C6ハロアルコキシ、C3−C6シクロアルキル、C1−C6アルキリデン、C1−C6ハロアルキリデン、フェニル、またはハロゲンおよびトリハロメチルチオから独立して選択される1から3の置換基によって任意に置換されたフェニルである}
    で表される化合物の調製方法であって、以下の式IX:
    Figure 0005956334
    {式中、R1及びR3は、請求項1に定義される通りである}で表される化合物を、請求項8に定義される方法に従って提供し;そして
    式IXの化合物または対応する酸ハロゲン化物を、式XI:
    Figure 0005956334
    (式中、A、B、およびDは、式Xの前記化合物に関して定義される通りである)
    で表される化合物と反応させることを含む、前記方法。
  10. 式Xの前記化合物は、式XIIの化合物(イソピラザム)、式XIIIの化合物(セダキサン)、式XIVの化合物、式XVの化合物(ペンチオピラド)、式XVIの化合物(ビキサフェン)、式XVIIの化合物(フルキサピロキサド)、式XVIIIの化合物、または式XIXの化合物:
    Figure 0005956334
    である、請求項9に記載の方法。
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