JP5955572B2 - 耐火二層管およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、集合住宅等の建築物において排水用や換気用の配管として用いられる耐火二層管およびその製造方法に関する。
集合住宅やオフィスビル等の多人数が生活する建築物においては、排水用や換気用の配管等として、合成樹脂製、鋼製、鋳鉄製等の内管の外周面をモルタル等の耐火材で被覆した耐火二層管が使用されている。前記耐火二層管は、火災発生時に配管を通じて隣接区間への延焼を防止することと目的として、建築基準法や消防法に基づく基準や行政指導によって構造や耐火性能が定められている。
かかる耐火二層管においては、耐火性はもとより防音性、断熱性の向上を図るために被覆層の材料や形成方法が改良されている(特許文献1〜3参照)。
特許文献1には、合成樹脂製管の外方に成形型を配置し、管の外周面と成形型との隙間に、供給装置からスクリューによって押し出されてくる耐火性材料を吐出させて管を被覆する耐火二層管の製造方法が記載されている。
特許文献2に記載されているのは、断熱・吸音層とモルタル層とからなる外管の製造方法であり、モルタルフィルム抄造装置のエンドレスフェルト上に載置した断熱・吸音材料を金属製芯管に一巻きして断熱吸音層を形成し、次いで前記断熱吸音層上に抄造されるモルタルフィルムを所定厚さになるまで巻き取ってモルタル層を形成した後、金属製芯管を抜き取ってこれを外管とする方法である。製造した外管は養生後、内管を内挿して耐火二層管となる。また、上記の方法において金属製芯管として内管を用いれば、内管の外周に断熱・吸音層とモルタル層とからなる外管を直接形成することができる、というものである。
特許文献3には、合成樹脂製管の外面に不織布を巻き付けた後、この不織布の厚み方向の外側部分にのみモルタルを含浸させることにより、二層構造の被覆層(外管)を形成する方法が記載されている。この方法によれば、外管の内側部分が不織布による吸音層、外側部分が不織布にモルタルを含浸させた遮音・耐火層となされた耐火二層管を製造できる。
特開2002−1712号公報 特開2008−249028号公報 特開2011−21617号公報
しかしながら、上述した耐火二層管の製造方法には以下のような問題点があった。
特許文献1に記載された方法は、耐火性材料の配合や粘度に応じて供給装置から押出す圧力や速度を調整する必要があり、その設定は容易ではない。また、耐火性材料は供給装置のスクリューの回転方向や押出方向の一定方向の力を受けるために、耐火性材料に含まれる繊維成分が特定方向に配向する傾向がある。このため、形成した耐火層においてはひび割れや剥離に対する強度特性に問題があった。
特許文献2に記載された方法は、モルタルフィルム抄造装置は操業の自由度が悪いために、他品種の耐火二層管を製造しようとすれば製造コストが嵩むという問題点があった。また、厚さ3mm以上のモルタルフィルムを効率良く抄造することが困難であるため、所定厚さのモルタル層を形成するためにはモルタルフィルムが積層するように巻き取る必要がある。しかし、巻き取りの始めと終わりの部分で周方向に段差を生じ、真円度が悪くなる。また、積層したモルタルフィルム間の接着強度が不十分であるため、層間剥離や脱落が懸念される。さらに、モルタルフィルム中の繊維成分はフィルム面に平行に二次元的に配向するため、強度が低下するおそれがある。
特許文献3に記載された方法は、特許文献1,2よりも少ない工程で耐火二層管を製造できる。しかしながら、モルタル含浸層が自重によって下方に垂れるように変形し易いために、管の径方向断面において真円度の高い耐火層を形成することが困難であった。
本発明は、上述した技術背景に鑑みて、耐火層の真円度が高く、かつ耐火層の剥離や脱落が発生しにくい耐火二層管およびその製造方法を提供する目的とするものである。
即ち、本発明は下記[1]〜[6]に記載の構成を有する。
[1]内管の外周側に、多数の気孔が立体的に存在する多孔質シートに耐火性材料を含浸させた耐火層を有し、さらに前記耐火層が伸縮性を有する筒状メッシュシートで密着状態に被覆されていることを特徴とする耐火二層管。
[2]前記内管と耐火層との間に吸音層を有する前項1に記載の耐火二層管。
[3]内管の外周側に、多数の気孔が立体的に存在する多孔質シートを装着する多孔質シート装着工程と、
前記内管に装着した多孔質シートに、伸縮性を有する筒状メッシュシートを密着状態に被せるメッシュシート装着工程と、
前記内管に装着した多孔質シートの厚み方向の少なくとも外側の部分に湿式の耐火性材料を含浸させる耐火性材料含浸工程と、
前記多孔質シートに含浸させた耐火性材料を硬化させる養生工程とを有することを特徴とする耐火二層管の製造方法。
[4]芯管の外周側に、多数の気孔が立体的に存在する多孔質シートを装着する多孔質シート装着工程と、
前記芯管に装着した多孔質シートに、伸縮性を有する筒状メッシュシートを密着状態に被せるメッシュシート装着工程と、
前記芯管に装着した多孔質シートの厚み方向の少なくとも外側の部分に湿式の耐火性材料を含浸させる耐火性材料含浸工程と、
前記多孔質シートに含浸させた耐火性材料を硬化させる養生工程とを行った後、
前記芯管を抜き取って外管とし、この外管に内管を挿入することを特徴とする耐火二層管の製造方法。
[5]前記メッシュシート装着工程を多孔質シート装着工程と耐火性材料含浸工程との間に行う前項3または4に記載の耐火二層管の製造方法。
[6]前記メッシュシート装着工程を耐火性材料含浸工程と養生工程との間に行う前項3または4に記載の耐火二層管の製造方法。
上記[1]に記載の耐火二層管によれば、耐火層が筒状メッシュシートの収縮力によって半径方向に拘束されているので、耐火層の真円度が高い。しかも、耐火二層管の最外層はメッシュシートであり、耐火層はメッシュシートによって保護されているので、耐火層の剥離や脱落が防がれる。また、前記メッシュシートが緩衝材となって輸送時や配管施工時の破損を防ぐ効果がある。さらに、前記メッシュシートは施工作業者にとっても緩衝材として機能し、硬い耐火層による擦り傷を防ぐことができる。
上記[2]に記載の耐火二層管によれば、上記効果に吸音効果が付加される。
上記[3][5][6]に記載の耐火二層管の製造方法によれば、耐火層を形成するための多孔質シートが筒状メッシュシートの収縮力によって半径方向に拘束されているので、含浸させた耐火性材料の自重による変形が防止されて、内管に一体に成形された真円度の高い耐火層を形成することができる。
上記[4][5][6]に記載の耐火二層管の製造方法によれば、外管の製造において耐火層を形成するための多孔質シートが筒状メッシュシートの収縮力によって半径方向に拘束されているので、含浸させた耐火性材料の自重による変形が防止されて真円度の高い耐火層を形成することができる。
本発明にかかる耐火二層管の一実施形態の一部を破断した斜視図である。 図1Aにおける1B−1B線断面図である。 本発明にかかる耐火二層管の他の実施形態を示す断面図である。
図1Aおよび図1Bに本発明にかかる耐火二層管の一実施形態を示す。
耐火二層管(1)は、内管(11)の外周面に、多孔質シートに耐火性材料を含浸させた耐火層(12)が密着状態に設けられ、さらにその外側に筒状メッシュシート(13)が耐火層(12)に密着状態に被せられている。
前記耐火層(12)は、多孔質シートを基材として耐火性材料を含浸させその気孔内に耐火性材料を保持する層である。この耐火層(12)は、耐火性材料中に多孔質シートを構成する繊維や樹脂を均一に含んでおり、繊維や樹脂が補強材として機能する。このため、前記耐火層(12)は強度が高く、耐衝撃性に優れ割れにくいという特性を有している。
前記耐火二層管(1)は本発明の方法によって製造することができる。本発明にかかる耐火二層管の製造方法は多孔質シート装着工程、メッシュシート装着工程、耐火性材料含浸工程および養生工程の4つの工程を含んでいる。以下に、各製造工程を詳述するとともに、耐火二層管(1)を構成する材料について詳述する。
(1)多孔質シート装着工程
内管(11)の外周面に耐火層(2)の補強材となる多孔質シートを装着する。多孔質シートはフラットシートを巻き付けても良いし、予め筒状に形成した多孔質シートに内管を内挿しても良いが、内管(11)の外周面が包囲されるように装着する。
前記内管(11)は、合成樹脂製管、鋼管、鋳鉄管等任意の材質のものを使用できる。合成樹脂製管としては、硬質ポリ塩化ビニル管(PVC管)、ポリエチレンテレフタレート管(PET管)、ポリプロピレン管(PP管)等の熱可塑性樹脂製管を例示できる。また、内管(11)の寸法、直管、曲がり管、分岐管等の管形状も限定されない。
前記多孔質シートは、耐火性材料を含浸させて耐火層(2)を形成するための基材であり、養生後は耐火層(2)の補強材として作用するものであるから、十分な耐火性材料を含浸させるために、多数の気孔が立体的に存在して所要の厚みを有していることが求められる。具体的には、繊維を結合または絡ませて形成した不織布(フェルトを含む)、連続気泡フォームを推奨できる。なお、所要の厚みを有し耐火性材料を保持しうるものであれば織物や編み物も使用できる。
不織布は、繊維がランダムに配向しているため、耐火性材料をムラなく均一に含浸させることができ、引っ張りや曲げに対する強度が三次元的に均等であるため、耐衝撃性に優れ、割れにくい耐火層を形成することができる。不織布の材料となる繊維の材質は、有機系、無機系のいずれであっても良い。有機系繊維としては、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート系(PET系ポリエステル)、ポリアミド(6−ナイロン、6,6ナイロン等)、アクリル系、ポリビニルアルコール系(ビニロン等)、ポリオレフィン系、木綿、羊毛等を例示できる。無機系繊維としては、ガラス繊維、ロックウール、セラミック繊維を例示できる。これらのうち、耐火性向上の観点からは無機系繊維が好ましいが、価格、取り扱いの容易性の観点からはポリエステルやポリプロピレン等の合成繊維製の不織布を用いることが好ましい。耐火層(12)の耐火性能は不織布に含浸させた耐火性材料によって十分に得られるので、合成繊維製不織布を用いても何ら不都合はない。
不織布はそのままの状態で使用することもできるが、不織布を圧縮したフェルト、ニードルパンチした不織布またはフェルトを用いるも好ましい。不織布を圧縮やニードルパンチすることによって保形性が高まるので、耐火性材料含浸後の保形性も高まり、ひいては耐火二層管(1)の真円度を高めることができる。
連続気泡フォームとしては、発泡ウレタンフォーム等を例示でき、不織布と同様に気泡内に耐火性材料を含浸させることによって高強度の耐火層(12)を形成できる。
上記の多孔質シートのなかでも、補強効果が最も優れているのは不織布である。
これら多孔質シートの厚さはほぼ耐火層(12)の厚さとなるものであるから、求められる耐火性能に応じた厚さのものを使用する。多孔質シートの厚さ、即ち耐火層(12)の3〜30mmが好ましい。多孔質シートの厚さが3mm未満では耐火性能が低くなる。一方、30mmあれば十分な耐火性能が得られるので、それ以上に厚い多孔質シートの使用は耐火二層管の重量化を来すことになる。特に好ましい多孔質シートの厚さは5〜10mmである。
(2)メッシュシート装着工程
前記内管(11)に装着した多孔質シートに、伸縮性を有する筒状メッシュシート(13)を被せて多孔質シートに密着させる。メッシュシート(13)は伸縮性を有する筒状であるから、伸ばして拡径すれば簡単に多孔質シートに被せることができ、拡径力を取り除けば自ずと縮まって多孔質シートに密着する。また、よじれたり重畳することがないので、周方向において均等な圧力で多孔質シートに密着させることができ、ひいては耐火二層管の真円度を保持することができる。
前記筒状メッシュシート(13)は耐火層(2)を外側から拘束して保形性を補助するものである。メッシュシートであるから通気性を有することはもとより、湿式の耐火性材料を通す網目サイズであり、かつ伸縮性を有し前記多孔質シートに被せた時に密着することが条件となる。従って、筒状メッシュシート(13)は通常時の内径が内管(11)に巻き付けた多孔質シートの外径よりも小さいことも条件となる。網目サイズは、耐火性材料含浸工程において耐火性材料の通過を妨げず、かつ耐火層に対して十分な拘束力が得られる大きさであることが好ましく、1〜10mmの範囲を推奨できる。網目サイズが前記範囲であれば、養生工程において硬化を妨げないことは言うまでもない。特に好ましい網目サイズは1〜5mmである。
前記メッシュシート(13)は伸縮性が得られるものであれば、その材質や構造は限定されない。例えば、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート系(PET系ポリエステル)、ポリアミド(6−ナイロン、6,6ナイロン等)、アクリル系、ポリビニルアルコール系(ビニロン等)、ポリオレフィン系の合成樹脂またはゴムからなる伸縮性材料により成形されたもの、あるいは木綿や羊毛等の非伸縮性繊維に上記の伸縮性材料を編み込んだものであっても良い。また、材料自身に伸縮性を有するもの他、押出成形によって合成樹脂フィラメントを交差させて交点を接合することにより半径方向の伸縮性を持たせた網状体であっても良い。筒状メッシュシ−ト(13)は半径方向から耐火層(12)を拘束するものであるから、管の長さ方向の伸縮は必要としないので上述した網状体を好適に用いることができる。前記網状体の材料として、高密度または低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)を例示でき、押出成形によって成形した網状体は目崩れがなく、交点のずれや剥がれがないので、湿式の耐火性材料に接触しても劣化しない。
(3)耐火性材料含浸工程
前記内管(11)に巻き付けた多孔質シートに湿式の耐火性材料を含浸させて耐火層(12)を形成する。耐火性材料の含浸方法は限定されず、塗布、注入、吹き付け、浸漬等の方法を例示できる。いずれの含浸方法にであっても、前記メッシュシート(13)は耐火性材料を通す網目サイズであるから、支障なく含浸させることができる。また、耐火性材料を含浸させた多孔質シートはメッシュシートの収縮力によって半径方向の拘束力を受けて形状が保たれているので、未硬化状態の耐火層(12)の自重による変形が防止される。また、前記耐火層(12)はメッシュシート(13)によって外側から拘束されているので内管(11)に密着する。これらの作用によって真円度の高い耐火層(12)を形成することができる。
前記耐火性材料は硬化後の強度、密度、耐火性等の観点から、普通、早強、中庸熱および超早強の各種ポルトランドセメント、またはこれらのポルトランドセメントにフライアッシュや高炉スラグを混合した高炉セメントを例示できる。またこれらに適宜骨材や各種添加剤を混合することもできる。これらの固体材料に水を混合し、湿式材料として多孔質シートに含浸させる。湿式耐火性材料の粘度は固体材料と水との混合比によって調整し、多孔質シートへの材質、面密度、厚さ、浸透速度、硬化時間等に応じて適宜設定する。なお、一般的には強度向上を目的としてセメントに繊維を混合した繊維モルタルが使用されるが、本発明の耐火層(12)は多孔質シートが補強材として機能するので繊維を混合する必要はない。繊維モルタルは多孔質シートへの浸透を妨げることがあるので、むしろ繊維を混合しないことが好ましい。また、筒状メッシュシート(13)によって耐火層(12)の保形性が助長されるので、増粘剤や接着剤の添加をしなくても、あるいは添加量を低減しても変形を防止することができる。
(4)養生工程
前記多孔質シートに含浸させた耐火性材料を硬化させる。養生期間は耐火性材料の組成、耐火層(12)の厚さ、環境等に応じて適宜設定する。
耐火性材料の硬化によって耐火層(12)が内管(11)に密着し、かつメッシュシート(12)も耐火層(12)に接合されて耐火二層管(1)が完成する。耐火二層管(1)の最外層はメッシュシート(13)であり、耐火層(12)はメッシュシート(13)によって保護されているので、耐火層(12)の剥離や脱落が防がれる。また、前記メッシュシート(13)が緩衝材となって輸送時や配管施工時の破損を防ぐ効果がある。さらに、前記メッシュシート(13)は施工作業者にとっても緩衝材として機能し、硬い耐火層(12)による擦り傷を防ぐことができる。
本発明の耐火二層管およびその製造方法は上述したものに限定されない。
図2に示すように、耐火二層管(2)は内管(11)と耐火層(12)との間に吸音層(14)を設けたものであっても良い。吸音層(14)は耐火性材料を含浸しない層であり、その材質は限定されないが、例えば耐火層(12)に用いる多孔質シートを吸音材として用いることができる。前記吸音層(14)の好ましい厚さは1〜30mmである。吸音層(14)を有する耐火二層管(2)を製造する場合は、内管(11)に吸音層(14)形成用の所要厚さの吸音材を装着し、その外周に耐火層(12)形成用の多孔質シートを積層し、その後メッシュシート装着工程以降の工程を実施して吸音層(14)の外側に耐火層(12)を形成する。また、吸音層(14)形成用と耐火層(12)形成用の多孔質シートが同質のものであれば、内管(11)に合計厚さの多孔質シートを取り付け、取り付けた多孔質シートの厚さ方向の外側部分にのみ耐火性材料を含浸させることによって2つの層を形成することもできる。
耐火二層管の製造方法においては、上述したメッシュシート装着工程と耐火材料含浸工程の順序を入れ替えて実施することもできる。即ち、多孔質シートに湿式耐火材料を含浸させた後、養生工程前に筒状メッシュシート(13)を被せる。耐火性材料の自重による変形は含浸後に徐々に生じるものであるから、含浸後に筒状メッシュシート(13)を被せてから養生した場合でも変形防止効果が得られる。
また、上述した製造工程において、内管(11)の代わりに合成樹脂製または金属製の芯管を用いて多孔質シート装着工程から養生工程を実施し、養生後に芯管を引き抜けば、耐火層およびメッシュシートからなる外管を作製することができる。そして、前記外管に内管を挿入すれば耐火二層管が得られる。また、前記芯管に吸音材を取り付けた後に多孔質シート装着工程以降の工程を実施することにより、吸音層、耐火層、メッシュシートからなる外管を製造できる。吸音材は耐火層よりも軟らかいので、芯管の抜き取りおよび内管の挿入が容易である。
図1Aおよび図1Bを参照しつつ、本発明の実施例について説明する。
以下の実施例および比較例において共通する材料は内管(11)、耐火層(12)形成用の多孔質シート、伸縮性を有する筒状メッシュシート(13)、耐火性材料である。前記内管(11)は長さ2mの称呼径φ100mm硬質ポリ塩化ビニル管(PVC管;VP100A)を使用した。前記多孔質シートはPETフェルト(材質PET;主として33デシナックス、その他数種の繊維径の混合品、概寸厚さ6.5mm、面重量120g/m)を用いた。筒状メッシュシート(13)は網目サイズ2mmの網状体を用いた。また、耐火性材料はポルトランドセメントと砂を国土交通大臣認定条件に基づいて75重量部(ポルトランドセメント):25(炭酸カルシウムおよび軽量骨材の混合物)重量部の割合で混合したものを用い、水を加えて混練して湿式の耐火性材料を調製した。
[実施例1]
内管(11)の外周面に、耐火層(12)形成用のPETフェルトを一巻きして装着し(多孔質シート装着工程)、このPETフェルトに筒状メッシュシート(13)を被せてPETフェルトに密着させた(メッシュシート装着工程)。次いで、筒状メッシュシート(13)を被せたPETフェルトに湿式の耐火性材料を吹き付けて含浸させて耐火層(12)を形成した(耐火性材料含浸工程)。次いで、30℃で24時間養生した後、さらに14日間自然養生して耐火層(12)を硬化させた(養生工程)。以上の工程により、耐火二層管(1)を作製した。
[実施例2]
実施例1におけるメッシュシート装着工程と耐火性材料含浸工程との順序を入れ替えて実施したことを除き、実施例1と同じ工程で耐火二層管(1)を作製した。
[比較例1]
実施例1におけるメッシュシート装着工程において、筒状メッシュシート(13)の代わりにポリエステル寒冷紗(東洋紡スペシャルティズトレーディング株式会社製、品番ES3000)を巻き付けたことを除き、実施例1と同じ工程で耐火二層管を作製した。前記ポリエステル寒冷紗は伸縮性のない平織物であり、フラットシートをPETフェルトの外周面に一巻きし周方向の両端部を重ねて仮接着した。
[比較例2]
実施例1におけるメッシュシート装着工程を行わなかったことを除き、実施例1と同じ工程で耐火二層管を作製した。
上記実施例および比較例で作製した耐火二層管について、耐火層の真円度、耐火層とメッシュチューブまたは寒冷紗との密着性および耐火二層管の表面状態を下記の基準で評価した。評価結果を表1に示す。
(真円度)
管の径方向における同一円形断面での最大直径と最小直径との差により評価した。
(密着性)
耐火層からのメッシュチューブまたは寒冷紗の浮き上がり状態を目視観察し、浮き上がりのないものを「○」、浮き上がりのあるものを「×」とした。これらの浮き上がりの発生は耐火層に対して拘束性が低いことを示すものである。
(表面状態)
耐火二層管の表面状態を目視観察し、表面の凹凸がメッシュシートまたは寒冷紗の網目の大きさ以下のものを平滑性が良好であるとして「○」、表面の凹凸がメッシュシートまたは寒冷紗の網目の大きさを超えるものを平滑性が悪いとして「×」で区別した。表面平滑性の低下は耐火性材料の垂れによるものであるから、表面平滑性は耐火層の変形の程度を示すものである。
Figure 0005955572
表1より、PETフェルト(多孔質シート)に伸縮性を有する筒状メッシュシートを装着することにより耐火層の変形を防止して真円度の高い層を形成できることを確認した。
本発明の耐火二層管は建築物の配管として好適に利用できる。
1、2…耐火二層管
11…内管
12…耐火層
13…筒状メッシュシート
14…吸音層

Claims (6)

  1. 内管の外周側に、多数の気孔が立体的に存在する多孔質シートに耐火性材料含浸した耐火層を有し、さらに前記耐火層が伸縮性を有する筒状メッシュシートで密着状態に被覆され、かつ前記筒状メッシュシートが多孔質シートに密着していることを特徴とする耐火二層管。
  2. 前記内管と耐火層との間に吸音層を有する請求項1に記載の耐火二層管。
  3. 内管の外周側に、多数の気孔が立体的に存在する多孔質シートを装着する多孔質シート装着工程と、
    前記内管に装着した多孔質シートに、伸縮性を有する筒状メッシュシートを密着状態に被せ、筒状メッシュシートの収縮力によって多孔質シートを半径方向に拘束するメッシュシート装着工程と、
    前記内管に装着した多孔質シートの厚み方向の少なくとも外側の部分に湿式の耐火性材料を含浸させる耐火性材料含浸工程と、
    前記多孔質シートに含浸させた耐火性材料を硬化させる養生工程とを有することを特徴とする耐火二層管の製造方法。
  4. 芯管の外周側に、多数の気孔が立体的に存在する多孔質シートを装着する多孔質シート装着工程と、
    前記芯管に装着した多孔質シートに、伸縮性を有する筒状メッシュシートを密着状態に被せ、筒状メッシュシートの収縮力によって多孔質シートを半径方向に拘束するメッシュシート装着工程と、
    前記芯管に装着した多孔質シートの厚み方向の少なくとも外側の部分に湿式の耐火性材料を含浸させる耐火性材料含浸工程と、
    前記多孔質シートに含浸させた耐火性材料を硬化させる養生工程とを行った後、
    前記芯管を抜き取って外管とし、この外管に内管を挿入することを特徴とする耐火二層管の製造方法。
  5. 前記メッシュシート装着工程を多孔質シート装着工程と耐火性材料含浸工程との間に行う請求項3または4に記載の耐火二層管の製造方法。
  6. 前記メッシュシート装着工程を耐火性材料含浸工程と養生工程との間に行う請求項3または4に記載の耐火二層管の製造方法。
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