JP5756669B2 - 耐火二層管の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、高層又は低層の住宅又は建築物において、建築基準法や消防法に基づく排水管等の配管に使用することができる耐火二層管の製造方法に関する。
従来から、アパートやマンション、オフィスビル等の集合住宅においては、給水や排水のため、あるいはまた、電気やガス等を供給するための配管として、ポリ塩化ビニル樹脂等の合成樹脂製管の外周面をモルタル等の耐火材で被覆した耐火二層管が使用されている。この耐火二層管は、火災発生時に、集合住宅における隣接する区画の間に配設された上記のような合成樹脂製管を通じた延焼を防止できるものであり、建築基準法や消防法に基づく基準や行政指導において、必要とされる構造や性能が定められている。
前記耐火二層管においては、耐火性や防音性、断熱性等の向上を図るために、その被覆材についての改良がなされており、例えば、外層のモルタル等の耐火材にガラスウール等の無機繊維を混合したり、内管の合成樹脂製管とその外周面を被覆するモルタルとの間に前記無機繊維層を形成したりして、耐火二層管を作製することが提案されている。
具体的には、特許文献1に、ガラスウール等とセメントを混合した繊維モルタル等を、合成樹脂製管の外周面と成形型との隙間に吐出させて、前記合成樹脂製管を耐火材で被覆する押出し成形による製造方法が記載されている。
また、特許文献2には、エンドレスフェルト上にグラスウール等を載置し、該エンドレスフェルトに当接して配置された金属製芯管に前記グラスウール等を1層巻き取って、その外周面に、抄造されたモルタルフィルムを所定厚さまで巻き取り、養生・硬化後、金属製芯管を引抜くことにより、モルタル製外管とグラスウール等とを一体成形し、得られた一体成形体の内部に内管を挿入する方法、あるいはまた、前記金属製芯管に代えて内管を用いて、同様の工程を経て、モルタル製外管とグラスウール等と内管とを一体成形する方法等により製造することが提案されている。
さらに、特許文献3には、合成樹脂製管の外面に不織布を巻き付けた後、これに、モルタルを含浸させることにより、不織布の吸音層、不織布にモルタルを含浸させた遮音層を備えた防音性を有する耐火二層管を製造することが記載されている。
特開2002−1712号公報 特開2008−249028号公報 特開2011−21617号公報
しかしながら、上記の押出し成形による製造方法は、合成樹脂製管の外周面と成形型との隙間に吐出される耐火性材料の粘度、また、耐火性材料の種類や粘度等の特性に応じて、押し出す圧力や速度等の調整を要する等、配合や製造条件の設定が容易ではない。
また、成形型内に吐出された耐火性材料は、押し出されていく方向及び押出し機のスクリューの回転方向の一定方向に力を受けるため、該耐火性材料に含まれる繊維成分は特定方向に配向する傾向がある。このため、該耐火性材料のひび割れや剥離等に対する強度特性が必ずしも十分とは言えない。
一方、上記の抄造したモルタルフィルムを巻き取る方法においては、多品種製造の場合にモルタルフィルム抄造装置が操業の自由度に劣り、製造コストが嵩む。
また、抄造による方法では、厚さ3mm以上のモルタルフィルムを効率的に形成することは困難であり、所定厚さのモルタル層を得るためには、内管の外側にモルタルフィルムを積層するように巻き取らなければならない。さらに、抄造モルタルに配合される繊維成分は、フィルム面に平行に二次元的に配向する。したがって、巻き取りの始めと終わりの部分での管の径方向断面におけるモルタル層に段差が生じ、真円度が悪く、また、積層モルタル間の接着強度が必ずしも十分ではなく、層間での剥離や被覆の脱落が懸念される。
さらに、上記の不織布にモルタルを含浸させる方法においては、モルタル含浸層が自重により、下方に垂れるように変形しやすく、この方法でも、外層のモルタル層は、管の径方向断面における真円度が高いものを得ることが難しかった。
本発明は、上記技術的課題を解決するためになされたものであり、内管が合成樹脂製管である耐火二層管であって、管の径方向断面におけるモルタル外層の真円度が高く、前記外層のモルタルの剥離や脱落が生じにくい耐火二層管を、容易かつ低コストで得ることができる耐火二層管の製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明に係る耐火二層管の製造方法は、合成樹脂製管の外周面に不織布又は連続気泡フォームを巻き付ける工程と、前記不織布又は連続気泡フォームを巻き付ける工程の後、前記不織布又は連続気泡フォームの表面に、伸縮性を有し、かつ、モルタルが通過可能なサイズの網目を有するメッシュシートを被せる工程と、前記メッシュシートを被せる工程の後、モルタルを、前記メッシュシートを通過させ、前記不織布又は連続気泡フォームに含浸させる工程と、前記不織布又は連続気泡フォームにモルタルを含浸させる工程の後、前記モルタルを硬化・乾燥させる工程と、を備えていることを特徴とする。
このような製造方法によれば、メッシュシートの伸縮力によってモルタルの自重によるモルタル含浸層の変形が抑制され、管の径方向断面におけるモルタル含浸層の真円度が高く、外層のモルタルの剥離や脱落が生じにくい耐火二層管を容易かつ低コストで得ることができる。
ここで、本発明でいう耐火二層管は、直管に限られず、曲管、Y字管、T字管等の分岐を有する管、継手等の各種形状を含むものである。
ここで、前記メッシュシートが、ポリエチレンテレフタレート系(PET系ポリエステル)、ポリアミド(6−ナイロン、6,6−ナイロン)、アクリル系、ビニロン、ポリオレフィン系の合成樹脂又はゴムにより成形されたもの、あるいはまた、前記合成樹脂又はゴム系繊維や木綿、羊毛の天然繊維を編み込んで形成したものであることが望ましい。
また、上記製造方法において、前記合成樹脂製管に代えて、合成樹脂製又は金属製の芯材を用い、前記モルタルの硬化・乾燥工程後、前記芯材を引き抜き、この引き抜いた部分に、合成樹脂製管を内挿する工程を備えても良い。
このように、合成樹脂製管に代えて芯材を用いれば、上記製造方法と同様の工程で、真円度の高いモルタル含浸層による外層(耐火層)を、内管の合成樹脂製管とは別に形成することができ、後から内管と外層とを一体化させて耐火二層管を製造することもできる。
前記メッシュシートを被せる工程は、前記メッシュシートを巻き付け、該メッシュシートの端部を熱溶着することにより行うことが好ましい。
これにより、曲面である合成樹脂製管を包囲するように、メッシュシートを簡便に固定することができる。
また、前記メッシュシートを被せる工程は、メッシュシートが予めチューブ状に形成されたメッシュチューブを用いて、前記合成樹脂製管又は芯材を包囲するように前記メッシュチューブを被せることにより行うことが好ましい。
このような方法によっても、合成樹脂製管又は芯材の外面にメッシュシートを容易に被せることができ、また、種々の形状の合成樹脂製管又は芯材の外面に対するフィット性を高めることができる。
本発明に係る耐火二層管の製造方法によれば、管の径方向断面におけるモルタル外層の真円度が高く、前記外層のモルタルの剥離や脱落が生じにくい耐火二層管を容易かつ低コストで製造することができる。
したがって、本発明に係る製造方法によって得られる耐火二層管は、合成樹脂製管の外層のモルタル部分の真円度が高く、外層表面の凹凸が抑制された滑らかな面で形成されており、耐衝撃性及び耐火性に優れ、高層又は低層の住宅又は建築物の排水管等の配管に好適である。
本発明に係る耐火二層管の概略断面図である。
以下、図面を参照して、本発明を詳細に説明する。
図1に、本発明に係る製造方法によって得られる耐火二層管の構成を示す。この耐火二層管1は、内管が合成樹脂製管2であり、その外周面が、不織布又は連続気泡フォームにモルタルを含浸させたモルタル含浸層3で被覆された2層構造からなる。そして、モルタル含浸層3は、その一部にメッシュシート(図示せず)を含んでいる。
本発明の第1の態様に係る耐火二層管の製造方法においては、合成樹脂製管の外周面に不織布又は連続気泡フォームを巻き付ける工程と、前記不織布又は連続気泡フォームの表面に、伸縮性及び通気性を有し、かつ、モルタルが通過可能であるメッシュシートを被せる工程と、前記メッシュシートを介して、前記不織布又は連続気泡フォームにモルタルを含浸させる工程と、前記モルタルを硬化・乾燥させる工程とを経る。
このような工程を経ることにより、メッシュシートの伸縮力によって耐火二層管全体が一体化されるため、モルタルの自重によるモルタル含浸層の変形が抑制され、容易かつ低コストで、管の径方向断面におけるモルタル含浸層を高い真円度で形成することができる。
また、上記製造方法は、合成樹脂製管が直管の場合に限られず、曲管、Y字管、T字管等の分岐を有する管、継手等の複雑な形状の場合においても、好適に適用することができる。
不織布又は連続気泡フォームに含浸させたモルタル含浸層は、保形性に劣り、硬化・乾燥のために静置しておくと、モルタルの重量や粘度によっては、モルタル含浸層が自重によって下方に垂れたり、変形したりする。このため、円形断面の管の場合、管の径方向におけるモルタル含浸層の外周断面が真円状にならず、また、モルタル含浸層の位置による厚さの差が大きくなる場合がある。
本発明においては、不織布又は連続気泡フォームの外表面に伸縮性及び通気性を有するメッシュシートを被せてから、前記不織布又は連続気泡フォームにモルタルを含浸させることにより、上記のようなモルタル含浸層の自重による変形を抑制し、その形状を保持し、モルタル含浸層の真円度が悪くなることを防止することができる。また、モルタル含浸層の剥離や脱落を防止する補強効果も得られる。
また、前記メッシュシートは、被せた後に、不織布又は連続気泡フォームに含浸させたモルタルで覆われることから、接着剤や粘着剤を用いることなく、不織布又は連続気泡フォーム表面に密着させることができる。
このように、前記メッシュシートは、管の外側に被せて不織布又は連続気泡フォームに密着させるようにして用いることから、伸縮性を有しているものが好適に用いられる。
また、前記メッシュシートは、不織布又は連続気泡フォームの表面に被せた後に、その内側の不織布又は連続気泡フォームにモルタルを含浸させるため、モルタルが通過可能なサイズの網目を有していることが必要である。
さらにまた、前記メッシュシートは、モルタルを硬化・乾燥させる際、モルタル中の水分、揮発成分等がメッシュシートの表面から蒸発するのに十分なサイズの網目であり、通気性を有していることが必要である。
前記メッシュシートの材質は、伸縮性が得られる材質であれば、特に限定されるものではない。例えば、ポリエチレンテレフタレート系(PET系ポリエステル)、ポリアミド(6−ナイロン、6,6−ナイロン等)、アクリル系、ビニロン、ポリオレフィン系等の合成樹脂又はゴムにより成形されたもの、あるいはまた、上記合成樹脂又はゴム系繊維や木綿、羊毛等の天然繊維を編み込んで形成したものであってもよい。
ただし、前記メッシュシートは、モルタル含浸層に対する支持補強を目的として用いられる補助的材料であるため、その厚さは薄い方が好ましい。
上記材質の中でも、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、低密度ポリエチレン等の合成樹脂からなり、金型押出し成形によって網目が形成されたネトロン(登録商標)が、目崩れがなく、交点がずれたり剥がれたりすることがないため、好適に用いられる。
また、このような熱可塑性樹脂からなるメッシュシートを用いれば、曲面である合成樹脂製管の外周面の不織布又は連続気泡フォームの表面にメッシュシートを巻き付けた後、その端部を熱溶着することにより、前記合成樹脂製管を包囲するように固定することができ、メッシュシートを被せる工程における作業が容易となる。
また、前記メッシュシートは、予めチューブ状に形成されていることが好ましい。
このように、メッシュシートがチューブ状であることにより、平面的なメッシュ状のシートを巻き付ける場合よりも、よじれたり、重畳したりすることがなく、管に対して均等な圧力で包囲するように被せることができる。しかも、伸縮性を有しているため、不織布又は連続気泡フォームをしっかりと押さえつけて支持することができ、ずれることも防止でき、管の外形状に対するフィット性に優れている。このため、モルタル含浸層の該表面をより滑らかな面で形成することが可能となる。
また、本発明の第2の態様に係る製造方法においては、合成樹脂製管の外周面に不織布又は連続気泡フォームを巻き付ける工程と、前記不織布又は連続気泡フォームにモルタルを含浸させる工程と、前記モルタルの外表面に、伸縮性及び通気性を有するメッシュシートを被せる工程と、前記モルタルを硬化・乾燥させる工程とを経る。
第2の態様に係る製造方法は、不織布又は連続気泡フォームにモルタルを含浸させる工程と、メッシュシートを被せる工程との順序が、前記第1の態様に係る製造方法とは逆であるが、メッシュシートはモルタル含浸層に対する補助的材料であり、このようにモルタル含浸後に被せても、前記第1の態様に係る製造方法の場合と同様の効果を得ることができる。
この場合も、前記メッシュシートは、不織布又は連続気泡フォームに含浸させたモルタルが硬化する前に被せることにより、接着剤や粘着剤を用いることなく、前記モルタル表面に密着させることができる。
第2の態様に係る製造方法において用いられるメッシュシートは、前記第1の製造方法で用いられるものと同様の材質及び形態のものを用いることができる。ただし、第2の態様に係る製造方法においては、不織布又は連続気泡フォームにモルタルを含浸させてから、該モルタルの外表面にメッシュシートを被せるため、必ずしも、モルタルが通過可能なサイズの網目を有している必要はない。
また、本発明の第3の態様に係る製造方法においては、不織布又は連続気泡フォームにモルタルを含浸させる工程と、前記モルタルを含浸させた不織布又は連続気泡フォームを合成樹脂製管の外周面に巻き付ける工程と、前記合成樹脂製管の外周面のモルタルの外表面に、伸縮性及び通気性を有するメッシュシートを被せる工程と、前記モルタルを硬化・乾燥させる工程とを経る。
このように、合成樹脂製管とは別に、モルタルを含浸させた不織布又は連続気泡フォームを形成しておき、後から、合成樹脂製管の外周面に巻き付けてもよい。前記モルタルが硬化する前に、このモルタルを含浸させた不織布又は連続気泡フォームを合成樹脂製管の外周面に巻き付け、その継ぎ目を覆うように、メッシュシートを被せることにより、接着剤や粘着剤を用いることなく、不織布又は連続気泡フォームの継ぎ目を接着させることができ、また、合成樹脂製管の外周面にモルタル含浸層を密着固定させることができる。また、前記第1の態様に係る製造方法と同様に、モルタル含浸層の真円度を高くすることができ、また、剥離や脱落も抑制される。
この製造方法は、特に、曲管、Y字管やT字管等の分岐を有する管、継手等の複雑な形状の耐火二層管を得るのに好適である。
なお、第3の態様に係る製造方法において用いられるメッシュシートも、前記第1及び第2の製造方法で用いられるものと同様の材質及び形態のものを用いることができる。
本発明においては、内管である合成樹脂製管の材質は、特に制限されるものではなく、従来の耐火二層管と同様のものを使用することができる。例えば、硬質ポリ塩化ビニル管(PVC管)、ポリエチレンテレフタレート管(PET管)、ポリプロピレン管(PP管)等の熱可塑性樹脂からなる管状体を使用することができる。
また、該合成樹脂製管の形状は、特に限定されるものではなく、直管、曲管、Y字管、T字管等の分岐を有する管、継手等のいずれであってもよい。
また、本発明の第4の態様に係る製造方法は、上記第1〜第3の態様のいずれかに係る製造方法において、前記合成樹脂製管に代えて、合成樹脂製又は金属製の芯材を用いるものである。そして、第1〜第3の態様のいずれかに係る製造方法におけるモルタルの硬化・乾燥工程の後、前記芯材を引き抜き、この引き抜いた部分に、合成樹脂製管を内挿することにより、耐火二層管が得られる。
このように、前記芯材に不織布又は連続気泡フォームを巻き付けた後、上記第1〜第3の態様に係る製造方法と同様の工程を経て、モルタル含浸層による外層(耐火層)を内管の合成樹脂製管とは別に形成し、後から内管と外層とを一体化させて耐火二層管を製造することもできる。
ここで用いられる芯材とは、合成樹脂製又は金属製であり、内管となる合成樹脂製管と同様の外周形状を有しているものである。また、この芯材は、モルタルの硬化・乾燥工程の後、外層となるモルタル含浸層から引き抜くことが可能な形状である必要がある。
このため、第4の態様に係る製造方法は、直管状の耐火二層管の製造に好適な方法である。
前記合成樹脂製管又は芯材の外周面に巻き付ける不織布又は連続気泡フォームは、モルタル含浸層の基材となるものであり、これにより、耐衝撃性及び耐火性に優れた外層を形成することができる。
不織布は、繊維がランダムに配向しているため、モルタルをムラなく分散して含浸させることができ、また、引っ張りや曲げに対する強度が三次元的に均等である。同様に、連続気泡フォームも、連続気泡内にモルタルをムラなく分散して含浸させることができる。
不織布を用いる場合は、有機系又は無機系繊維の圧縮体又はニードルパンチされたフェルトが好ましい。
前記不織布の繊維の材質は、有機系繊維又は無機系繊維のいずれであってもよい。有機系繊維としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート系(PET系ポリエステル)、ポリアミド(6−ナイロン、6,6−ナイロン等)、アクリル系、ビニロン、ポリオレフィン系、木綿、羊毛等が挙げられる。無機系繊維としては、例えば、ガラス繊維、ロックウール、セラミック繊維等が挙げられる。これらのうち、耐火性の観点からは、無機系繊維が好ましいが、物性や価格、さらに、市販品をそのまま使用することができる等の取扱い容易性等の観点から、特に、ポリエステルやポリプロピレン等の合成繊維からなる不織布が好ましい。
不織布又は連続気泡フォームは、含浸させたモルタルが硬化した後も、厚さはほとんど変動しないため、予め所望の厚さのものを用意して巻き付ければよい。したがって、耐火二層管の外層のモルタルの厚さの調整を容易に行うことができる。
前記不織布又は連続気泡フォームは、平面的なシート状のものでも、予め内管の合成樹脂管の形状に合わせて立体的に成形されているものでもよい。
また、前記不織布又は連続気泡フォームは、両者を重ねたり、あるいはまた、密度や材料の異なるものを重ねたりして、複数層としてもよい。
前記不織布の厚さは、その材質や耐火二層管の使用目的及び使用箇所等に応じて適宜定めることができるが、単層の場合には、通常、3〜30mm、好ましくは5〜10mmである。複数層とした場合は、一般に、単層の場合よりも厚くなるが、防音効果やコスト等の点から、厚さの増加分は、単層の場合に比べて2〜15mm程度であることが好ましい。
また、連続気泡フォームとしては、例えば、発泡ウレタンフォーム等を用いることができ、前記不織布とほぼ同程度の厚さで使用することができる。ただし、連続気泡フォームは、一般に、不織布に比べて、モルタル含浸層の補強効果が小さい。
本発明において使用されるモルタルは、硬化後の強度や密度、耐火性等の観点から、セメント系モルタルが好ましい。例えば、普通、早強、中庸熱及び超早強等の各種ポルトランドセメント又はこれらにフライアッシュや高炉スラグ等を混合した高炉セメント等が挙げられる。これらのモルタルは、水セメント比を選択することにより、良好な施工性を付与することができる。
使用するモルタルの粘度は、不織布又は連続気泡フォームの材質、面密度、厚さ、モルタルの含浸速度と硬化時間等を考慮して決定する必要がある。
なお、硬化後のモルタルは、高強度であることが好ましいが、不織布又は連続気泡フォームにモルタルを含浸させることにより、モルタル含浸層の強度向上を図ることができるため、本発明においては、繊維混入モルタルを使用する必要はない。むしろ、不織布又は連続気泡フォームへの浸透性が悪くなるため、繊維を含有させない方がよい。
モルタル含浸層の厚さは、耐火二層管の使用目的及び使用箇所等に応じて適宜定めることができるが、耐火性及び強度等の観点から、3mm以上であることが好ましい。より好ましくは、5〜10mm程度である。このような範囲内の厚さであれば必要な防火性能を十分に確保することができる。これ以上厚くする場合は、耐火二層管の重量が増加し、輸送や配管施工が困難となり、しかも、コスト高となる。
前記モルタルは、不織布又は連続気泡フォームの全厚さにわたって含浸させてもよく、あるいはまた、不織布又は連続気泡フォームの表面層にのみ含浸させ、合成樹脂製管に接している部分は、モルタル非含浸の不織布又は連続気泡フォームが残存するようにする、すなわち、モルタル含浸層とモルタル非含浸層とが形成されるようにしてもよい。
不織布又は連続気泡フォームを芯材に巻き付けた場合には、不織布又は連続気泡フォームに含浸させたモルタルは、硬化する際に、収縮し、該芯材が強固に保持されて抜け難くなることがある。このとき、該芯材を強引に引き抜くとモルタル層が割れるおそれがある。
これに対して、上記のようにモルタル含浸層とモルタル非含浸層との2層構造とした場合には、前記モルタル非含浸層が緩衝材として作用し、芯材が抜きやすくなるという効果が得られる。
上記のように、モルタル含浸層は、不織布又は連続気泡フォームで補強されたモルタル層であるため、耐火性は従来の繊維混入モルタルと同等であり、外力によるひび割れは生じにくく、剥離や脱落のおそれはない。したがって、本発明に係る製造方法によって得られる耐火二層管は、高層又は低層の住宅又は建築物の排水用管材として好適に使用することができる。
不織布又は連続気泡フォームにモルタルを含浸させる方法は、特に限定されるものではなく、例えば、塗布、注入、吹付け、浸漬等の方法で行うことができる。
このような方法で、モルタルを不織布又は連続気泡フォームの全体に満遍なく含浸させた後、モルタルを硬化・乾燥させることにより、合成樹脂製管又は芯材の最外周面はモルタル含浸層で被覆される。
モルタルの硬化・乾燥の条件は、使用するモルタル、環境等に応じて適宜定められるが、通常は、初期強度が発現するまで養生した後、硬化・乾燥させる。
なお、前記耐火二層管は、その使用目的や使用箇所等に応じて、さらに、前記モルタル含浸層の外周面を、同種もしくは他種のモルタル、樹脂フィルム、織布、不織布、塗料等の表面コート材等で被覆することは自由である。
以下、本発明を実施例に基づきさらに具体的に説明するが、本発明は下記実施例により制限されるものではない。
[実施例1]
長さ2mの称呼径φ100mm硬質ポリ塩化ビニル管(PVC管;VP100A)の外周面に、PETフェルト(材質PET;主として33デシテックス、その他数種の繊維径の混合品、概寸厚さ6.5mm、面重量平均120g/m2)を巻き付けた。このPETフェルトにポリエチレン製のメッシュチューブ(ネトロン(登録商標))を被せて、前記PVC管の外面を包囲し、前記PETフェルトにモルタル(主成分ポルトランドセメント70±10重量部、砂26±6重量部(国土交通大臣認定条件における配合))を含浸させた。そして、30℃で24時間養生した後、自然養生で14日間硬化・乾燥させてモルタル含浸層を形成し、耐火二層管を作製した。
[実施例2]
実施例1において、PETフェルトにモルタルを含浸させた後、メッシュチューブを被せ、それ以外については、実施例1と同様にして、耐火二層管を作製した。
[比較例1]
実施例1において、ポリエステル寒冷紗(ES3000;東洋紡績スペシャルティズトレーディング株式会社)を巻き付けた後、モルタルを含浸させ、それ以外については、実施例1と同様にして、耐火二層管を作製した。
[比較例2]
実施例1において、メッシュチューブを被せずに、それ以外については、実施例1と同様にして、耐火二層管を作製した。
上記実施例及び比較例で得られた耐火二層管について、モルタル含浸層の管の径方向断面における厚さ及び真円度を評価した。
真円度は、管の径方向における同一円形断面での最大直径と最小直径の差により評価した。
また、モルタル含浸層とメッシュチューブ又は寒冷紗との密着性、モルタル含浸層の外表面状態を目視により観察した。
これらの結果を表1にまとめて示す。
表1において、密着性の評価は、メッシュチューブや寒冷紗の浮き上がり状態の有無により、○:浮きなし、×:浮きあり、とした。また、表面状態は、○:平滑(表面の凹凸がメッシュチューブや寒冷紗の網目程度までの場合)、×:表面の凹凸がメッシュチューブや寒冷紗の網目よりも大きい場合、とした。
Figure 0005756669
上記実施例1,2で作製したものは、真円度が高く、モルタル含浸層の密着性にも優れ、該表面をより滑らかな面で形成することができた。
1 耐火二層管
2 合成樹脂製管
3 モルタル含浸層

Claims (5)

  1. 合成樹脂製管の外周面に不織布又は連続気泡フォームを巻き付ける工程と、
    前記不織布又は連続気泡フォームを巻き付ける工程の後、前記不織布又は連続気泡フォームの表面に、伸縮性を有し、かつ、モルタルが通過可能なサイズの網目を有するメッシュシートを被せる工程と、
    前記メッシュシートを被せる工程の後、モルタルを、前記メッシュシートを通過させ、前記不織布又は連続気泡フォームに含浸させる工程と、
    前記不織布又は連続気泡フォームにモルタルを含浸させる工程の後、前記モルタルを硬化・乾燥させる工程と、
    を備えていることを特徴とする耐火二層管の製造方法。
  2. 前記メッシュシートが、ポリエチレンテレフタレート系(PET系ポリエステル)、ポリアミド(6−ナイロン、6,6−ナイロン)、アクリル系、ビニロン、ポリオレフィン系の合成樹脂又はゴムにより成形されたもの、あるいはまた、前記合成樹脂又はゴム系繊維や木綿、羊毛の天然繊維を編み込んで形成したものであることを特徴とする請求項1記載の耐火二層管の製造方法。
  3. 前記合成樹脂製管に代えて、合成樹脂製又は金属製の芯材を用い、前記モルタルの硬化・乾燥工程後、前記芯材を引き抜き、この引き抜いた部分に、合成樹脂製管を内挿する工程を備えていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の耐火二層管の製造方法。
  4. 前記メッシュシートを被せる工程は、前記メッシュシートを巻き付け、該メッシュシートの端部を熱溶着することにより行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の耐火二層管の製造方法。
  5. 前記メッシュシートを被せる工程は、メッシュシートが予めチューブ状に形成されたメッシュチューブを用いて、前記合成樹脂製管又は前記芯材を包囲するように前記メッシュチューブを被せることにより行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の耐火二層管の製造方法。
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