JP5952881B2 - プレス成形品の製造装置 - Google Patents

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本発明は、主に自動車車体に適用される薄鋼板成形品を製造する分野において、その素材となる鋼板(ブランク)をオーステナイト温度(Ac3変態点)以上に加熱し、その後プレス成形して所定の形状に成形する際に、形状付与と同時に焼入れて所定の強度を得ることのできるプレス成形品の製造に関するものであり、殊にプレス成形時に破断や割れなどを発生させずに生産性良く良好な成形が実現できるプレス成形品の製造に関するものである。
地球環境保護の観点から、低燃費化を目的とした自動車の軽量化が強く望まれており、車両を構成する部品に鋼板が使用される場合には、高強度鋼板を適用し、この鋼板の板厚を薄くすることによって、軽量化が図られている。その一方で、自動車の衝突安全性を向上させるために、ピラー等の自動車部品には、更なる高強度化が要求されており、引張強度がより高い超高強度鋼板に対するニーズも高まっている。
しかしながら、薄鋼板の強度をより高くすると、伸びELやr値(ランクフォード値)が低下し、プレス成形性や形状凍結性が劣化することになる。
こうした状況の下、高強度の自動車用構造部品を実現するために、プレス成形と焼入れによる部品の強度向上を同時に行なう熱間プレス方法(いわゆる「ホットプレス法」)が提案されている(例えば、特許文献1)。この技術は、鋼板をAc3変態点以上のオーステナイト(γ)領域まで加熱して、熱間でプレス成形すると共に、プレス成形時に常温の金型と接触させることによって鋼板の焼入れを同時に行い、超高強度化を実現する方法である。
こうした熱間プレス方法によれば、低強度状態で成形されるので、スプリングバックも小さくなると共に(形状凍結性が良好)、急冷によって引張強度が1500MPa級の強度が得られることになる。尚、このような熱間プレス方法は、ホットプレス法の他、ホットフォーミング法、ホットスタンピング法、ホットスタンプ法、ダイクエンチ法、等様々な名称で呼ばれている。
図1は、上記のような熱間プレス成形(以下、「ホットプレス」で代表することがある)を実施するための金型構成を示す概略説明図であり、図中1はパンチ、2はダイ、3はブランクホルダー、4は鋼板(ブランク)、BHFはしわ押え力、rpはパンチ肩半径、rdはダイ肩半径、CLはパンチ/ダイ間クリアランスを夫々示している。また、これらの部品のうち、パンチ1とダイ2には冷却媒体(例えば水)を通過させることができる通路1a,2aが夫々の内部に形成されており、この通路に冷却媒体を通過させることによってこれらの部材が冷却されるように構成されている。
こうした金型を用いてホットプレス(例えば、熱間深絞り加工)するに際しては、ブランク(鋼板)4をAc3変態点以上に加熱して軟化させた状態で成形を開始する。即ち、高温状態にある鋼板4をダイ2とブランクホルダー3間に挟んだ状態で、パンチ1によってダイ2の穴内に鋼板4を押し込み、鋼板4の外径を縮めつつパンチ1の外形に対応した形状に成形する。また、成形と並行してパンチおよびダイを冷却することによって、鋼板4から金型(パンチおよびダイ)への抜熱を行なうと共に、成形下死点(パンチ先端が最上部に位置した時点:図1に示した状態)で更に保持冷却することによって素材の焼き入れを実施する。こうした成形法を実施することによって、寸法精度の良い1500MPa級の成形品を得ることができ、しかも冷間で同じ強度クラスの部品を成形する場合に比較して、成形荷重が低減できることからプレス機の容量が小さくて済むことになる。
これまでのホットプレスでは、鋼板をAc3変態点以上(例えば、900℃付近)のオーステナイト領域でプレス冷却することになるので、金型(パンチおよびダイ)との接触部分と接触しない部分とで温度差がつきやすくなり、相対的に高温となる部分に歪みが集中することや、例えば深絞り成形では縮みフランジが冷却されて縮まなくなることなどによって、成形性が悪くなり、特に深絞り成形が難しくなる。
また、ホットプレスでは、通常700〜900℃付近でプレスを行ない、金型内で焼入れを行なうので、成形下死点(パンチ先端が最上部に位置した時点)で一定時間保持する必要があり、冷間プレス加工と比べて生産性が悪くなる。
こうしたことから、生産性を高めるための技術についても、これまで様々提案されている。例えば特許文献2には、しわ押え部(図1に示したブランクホルダー3)を縮みやすくすると共に、鋼板が縦壁部に流入しやすくなるように金型に潤滑液供給口を設けて潤滑剤を供給しながら成型する技術が提案されている。しかしながら、この技術では金型の構成が複雑になるばかりか、温度差がつきやすいという根本的な問題を解決できない。
また、特許文献3には、高温となる部分を逐次加工しつつ、板厚が薄くなる部分を冷却しつつ成形する加工方法について提案されている。しかしながら、この技術においても金型の構成が複雑になり、例えば深絞り加工の場合には、縮みフランジ部の温度を高温に維持することが困難になる。
更に、特許文献4には、しわ押え部の変位制御を、板厚+クリアランスに応じて行いつつ成形する方法が提案されている。この技術は、円筒深絞りのようにしわ押えが均一な縮みフランジである場合には有効である。しかしながら、複雑な成形を行う場合には、しわが発生する箇所と発生しない箇所が分布することになり、しわが発生した部分の波の頂点部分(凹凸の上下部分)の接触面圧が高くなり、温度低下が大きくなって、強度分布を生じることになる。その結果、強度分布を生じてしまい、縦壁へのブランクの流入が不安定となり、深絞り成形性が却って悪くなる。
ところで、鋼板をAc3変態点以上(例えば、900℃)のオーステナイト領域まで加熱すると、加熱炉からプレス成形機へ移動するときに、大気中に数秒間曝されることになり、鋼板表面に酸化層(スケール)が形成されることになる。このスケールは、プレス成形時に剥がれプレス疵等が生じる原因となる。また、このようなスケールの存在は、耐食用塗膜の塗装性を悪くするので、プレス冷却後にピーニング処理等によってスケール除去が必要となる。
スケール形成による不都合を回避する対策として、プレス成形素材(ブランク)にアルミめっき、亜鉛めっき、合金化溶融亜鉛めっき等の表面処理鋼板を用いることも行なわれているが、表面処理をすることによって、コストアップとなるばかりか、加熱の段階で所要時間が長くなる(めっき保持と合金化のために急速加熱できない)という不都合もある。また、加熱炉内やプレス成形機の周囲の雰囲気を制御してスケールが生じないようにすることも考えられるが、装置が大規模になってしまい、非現実的である。
特開2002−102980号公報 特開2007−75835号公報 特開2006−192480号公報 特開2005−297042号公報
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、金型を複雑に構成することなく、必要によって鋼板表面にスケールが形成されることによる不都合を招くことなく、深絞り加工が可能な程度に成形性が良好なプレス成形品を製造するための有用な装置を提供することにある。
上記目的を達成することのできた本発明のプレス成形品の製造装置とは、薄鋼板をAc3変態点以上の温度に加熱する加熱炉と、前記薄鋼板を少なくとも600℃の温度まで臨界冷却速度以上の速度で冷却する冷却手段と、冷却した後の前記薄鋼板にプレス成形を開始し、成形高さの1/3に至った段階で、前記薄鋼板内の温度差が200℃以内となるようにしてプレス成形するプレス成形機を有することを特徴とする。
本発明の装置を用いてプレス成形するに際し、成形開始温度については、マルテンサイト変態開始温度Msよりも高い温度で成形を開始するように構成されていてもよいが、マルテンサイト変態開始温度Ms以下の温度で成形を開始するように構成されていても良い。特に、マルテンサイト変態開始温度Ms以下の温度で成形を開始するように構成されている場合には、鋼板表面にスケールが形成されることによる不都合を招くこともない。
また、本発明の装置は、しわ押えを使用して絞り成形する場合に特に有効であり、こうした成形法に適用しても、複雑な金型構成とすることなく、また破断や割れを生じることなく、良好な成形性を確保できる。
本発明によれば、薄鋼板をAc3変態点以上の温度に加熱した後、前記薄鋼板を少なくとも600℃の温度まで臨界冷却速度以上の速度で冷却してからプレス成形を開始し、成形を開始してから成形高さの1/3に至った段階で、前記薄鋼板の温度差が200℃以内となるようにして成形するようにしたので、成形時に破断や割れなどを発生させることなく、良好な成形が可能となった。
熱間プレス成形を実施するための金型構成を示す概略説明図である。 早期に成形限界に達した状態を示す説明図である。
本発明者らは、薄鋼板をAc3変態点以上の温度に加熱した後プレスするに際して、成形時に破断や割れなどを発生させることなく、成形性が良好なプレス成形品を生産性良く製造するために、様々な角度から検討した。その結果、薄鋼板をAc3変態点以上の温度に加熱した後、成形を開始してから成形高さの1/3に至った段階で、前記薄鋼板の温度差が200℃以内となるようにして成形するようにすれば、良好な成形性が確保できることを見出し、本発明を完成した。
本発明において、上記「成形高さ」とはプレス成形後の高さを意味する。そして、本発明においては、プレス成形を開始してから成形高さの1/3に至る段階(この段階を「成形初期の段階」と呼ぶことがある)で、薄鋼板内の温度差が200℃以内となっていれば良好な成形性が確保できるのであるが、成形条件(冷却条件)によっては、その後温度差が広くなる場合がある。即ち、後述するように、温度差を200℃以内に制御する手段には、「温度差が小さくなるように作用する場合(例えば、最初から金型を加熱する場合)」と、「温度差が大きくなるように作用する場合(例えば、成形速度を早くする場合)」がある。前者の場合には、成形初期の段階から成形終了まで温度差が小さくなるので問題はないが、後者の場合には、成形初期の段階で温度差がなくても(200℃以内)、その後に温度差が大きくなる場合がある(例えば、成形速度を最初は早くして、後で遅くする場合)。こうした方法を採用する場合であっても、最終段階で上記のような温度差を確保していることが好ましい。但し、このような場合であっても、最終段階で350℃以内の温度差が確保されていれば、良好な成形性が発揮される。
図1に示した金型構成によって、例えば深絞り成形を実施するに際しては、ブランクのしわ押え部(図1に示したブランクホルダー3)に相当する部分(ダイ2とブランクホルダー3で挟んだ状態)が他のブランク部分よりも温度が低くなる。こうした状態では、ブランク(鋼板)内で温度差が生じやすい状態になる。
本発明者らは、まず下記表1に示す化学成分組成を有する鋼板を、900℃に加熱し(この鋼板のAc3変態点:830℃、マルテンサイト変態開始温度Ms:405℃)、前記図1に示した金型(金型温度:20℃)を用いて前述した手順で円筒絞り成形実験を行ったところ(他の詳細な条件については、後記実施例参照)、800℃で成形を開始すれば、早期に成形限界に達していたが、600℃で成形を開始すれば(600℃まで臨界冷却速度以上で急冷)、良好な成形性が達成され、成形下死点まで深絞り成形ができることが判明した。
Figure 0005952881
上記の現象が生じる原因について、軸対象モデルで再現した数値解析によって調査した。その結果、800℃で成形を開始した場合には、成形高さの1/3に至った段階で、鋼板の高温部が780℃であり、低温部(しわ押え部に相当する部分)では540℃となっており、その温度差は240℃になっていた。これに対し、600℃で成形を開始した場合には、成形高さの1/3に至った段階で、鋼板の高温部が580℃であり、低温部(しわ押え部に相当する部分)では420℃となっており、その温度差は160℃になっていた。
また、上記と同じ鋼板を用い、金型温度を20℃、600℃に設定した場合において、成形開始温度を800℃、750℃として成形を行ったときの状態についても調査した。その結果、金型温度を20℃に設定した場合には、成形開始温度が800℃、750℃のいずれの場合でおいても、早期に成形限界に達していたが、金型温度を600℃に設定した場合には、成形開始温度が800℃、750℃のいずれの場合でおいても、良好な成形性が達成され、成形下死点まで深絞り成形ができた。
これらの結果に基づいて、更に検討した。その結果、薄鋼板をAc3変態点以上の温度に加熱した後、成形を開始してから成形高さの1/3に至る様な成形初期の段階で、前記薄鋼板内の温度差が200℃以内となるようにしておけば、最終まで良好な成形性が確保できることが判明したのである。
こうした現象が生じる理由については、次の様に考えることができた。即ち、成形を開始してから成形高さの1/3に至る様な成形初期の段階で、薄鋼板内の温度差が200℃を超える様な温度分布があると、図2に示すように、成形中に局部変形(図2中、局部変形部分をAで示す)が生じやすい状態となり、成形性が悪くなるものと考えられる。これに対し、成形初期の段階で、薄鋼板内の温度差が200℃以内では、上記のような局部変形が生じにくい状態となり、良好な成形性が発揮されるものと考えられる。尚、上記温度差は好ましくは、150℃以内であるが(より好ましくは100℃以内)、あまり厳密に温度差を小さくすることは制御が難しくなって、作業性が低下することになる。
成形を開始してから成形初期の段階で、鋼板内の温度差を200℃以内にするための手段としては、下記(1)〜(4)等、様々な方法が採用できる。
(1)成形開始温度、金型温度を制御して鋼板内の温度差を小さく制御する[例えば、成形開始温度を低くするか、金型温度を高くする(或は併用する)]。
(2)成形速度を制御する(例えば、鋼板と金型との熱伝導時間が短くなるように成形速度を速くする)。
(3)ブランクと金型間の熱伝達係数を小さくする(例えば、金型の素材としてセラミックスにして、鋼板の熱が金型に伝わりにくくする)。
(4)しわ押え部以外を冷却しながら成形する(例えば、金型に空気、冷却ガスを送り込みながら成形を行う)。
本発明では、成形初期の段階で「鋼板内の温度差が200℃以内である」という要件を満足しておれば、上記の効果が発揮されるものであり、その成形開始温度については、限定するものではなく、マルテンサイト変態開始温度Msよりも高い温度で成形を開始してもよいし、マルテンサイト変態開始温度Ms以下の温度で成形を開始するようにしても良い。特に、マルテンサイト変態開始温度Ms以下の温度で成形を開始した場合には、鋼板の表面酸化が生じにくい温度範囲となるので、鋼板表面にスケールが形成されることが回避できるという利点もある。
尚、前記表1に示した鋼板のAc3変態点の温度は、鋼板を加熱したときのオーステナイトへの変態完了温度の意味であり、下記(1)式によって求められるものである。また、上記したマルテンサイト変態開始温度Msは、下記(2)式によって求められる値である(例えば、『熱処理』41(3),164〜169,2001 邦武立朗「鋼のAc1,Ac3およびMs変態点の経験式による予測」)。
Ac3変態点(℃)=−230.5×[C]+31.6×[Si]−20.4×[Mn]−39.8×[Cu]−18.1×[Ni]−14.8×[Cr]+16.8×[Mo]+912 …(1)
Ms(℃)=560.5−{407.3×[C]+7.3×[Si]+37.8×[Mn]+20.5×[Cu]+19.5×[Ni]+19.8[Cr]+4.5×[Mo]} …(2)
但し、[C],[Si],[Mn],[Cu],[Ni],[Cr]および[Mo]は、夫々C,Si,Mn,Cu,Ni,CrおよびMoの含有量(質量%)を示す。
本発明の装置を用いてプレス成形を実施するに当たっては、成形初期の段階での鋼板内の温度分布を適切に制御することによって上記の目的を達成することができるのであり、こうした効果は、しわ押さえを有する金型を用いて円筒深絞り成形するとき(温度分布が生じやすい成形)に顕著に発揮されることになる。但し、本発明装置は、角筒深絞り成形する場合や、通常のプレス成形(例えば、張り出し成形)を行うことも含むものであり、こうした方法によって成形品を製造する場合であっても本発明の効果が達成される。また、本発明装置では、鋼板温度分布を制御するだけでよく、金型構成を複雑にする必要もない。
以下、本発明の効果を実施例によって更に具体的に示すが、下記実施例は本発明を限定するものではなく、前・後記の趣旨に徴して設計変更することはいずれも本発明の技術的範囲に含まれるものである。
前記表1に示した化学成分組成を有する鋼を通常の手段によって、厚さ:1.0mm,または1.4mmまで圧延した。これから、直径(ブランク径):100mmの円形ブランクを打ち抜き、実験に用いた(従って、このブランクのAc3変態点:830℃、マルテンサイト変態開始温度Ms:405℃)。
上記円形ブランクを用い、パンチの頭部形状が円形(直径が49.75mm)の金型(円筒ダイおよび円筒パンチ)を用い(前記図1参照)、本発明方法に従って、円筒深絞り成形を行った。このときブランクの加熱は、電気炉を用いて(雰囲気制御なし)行い、その加熱温度を900℃に設定した。
成形実験は、前記図1に示した金型を用い、クランクプレス機に設置して実施した。このとき金型がブランクに接触してから、成形下死点で停止するまでの時間(成形時間)を0.1〜0.7秒の範囲で調整し、鋼板内での温度差を調整した。その他のプレス成形条件は下記の通りである。
(他のプレス成形条件)
しわ押さえ力:3トン
ダイ肩半径rd:5mm
パンチ肩半径rp:5mm
パンチ−ダイ間クリアランスCL:1.32/2+[1.0または1.4(鋼板厚さ)]mm
成形高さ:37mm
潤滑剤:酸化Ca系のペースト状潤滑剤を使用し、金型に塗布した。
その結果を、下記表2に示す。表2中、「○」印は破断や割れが発生することなく、良好な成形性が達成され、成形下死点まで深絞りができた(前記図1に示した状態)ことを示し、「×」印では成形中に破断や割れが発生したこと(例えば、前記図2示した状態)を意味する。尚、成形が可能であったものについて、成形初期の段階での鋼板内の温度差をレーザー付放射温度計によって測定し、成形中の温度分布は数値シミュレーションによって算出したところ、いずれも200℃以内に制御されていることが判明した。これに対し、成形中に破断や割れが発生したものでは、成形初期の段階での鋼板の温度差は200℃を超えるものとなっていた。
Figure 0005952881
この結果から、明らかなように、成形時間を調整して、温度分布が生じないようにすることによって、良好な成形性が確保できることが分かる。
1 パンチ
2 ダイ
3 ブランクホルダー
4 ブランク(鋼板)

Claims (4)

  1. 薄鋼板をAc3変態点以上の温度に加熱する加熱炉と、前記薄鋼板を少なくとも600℃の温度まで臨界冷却速度以上の速度で冷却する冷却手段と、冷却した後の前記薄鋼板にプレス成形を開始し、成形高さの1/3に至った段階で、前記薄鋼板内の温度差が200℃以内となるようにしてプレス成形するための手段を備えたプレス成形機を有することを特徴とするプレス成形品の製造装置。
  2. マルテンサイト変態開始温度Msよりも高い温度で成形を開始するように構成されている請求項1に記載の製造装置。
  3. マルテンサイト変態開始温度Ms以下の温度で成形を開始するように構成されている請求項1に記載の製造装置。
  4. しわ押えを使用して絞り成形する請求項1〜3のいずれかに記載の製造装置。
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