JP5612993B2 - プレス成形品およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、主に自動車車体に適用される薄鋼板成形品を製造する分野において、その素材となる鋼板(ブランク)をオーステナイト温度(Ac3変態点)以上に加熱し、その後プレス成形して所定の形状に成形する際に、形状付与と同時に焼入れて所定の強度を得ることのできるプレス成形品を製造する方法、およびこうした製造方法によって得られるプレス成形品等に関するものであり、殊にプレス成形時に破断や割れなどを発生させずに良好な成形が実現できる成形品の製造方法、およびプレス成形品等に関するものである。
地球環境保護の観点から、低燃費化を目的とした自動車の軽量化が強く望まれており、車両を構成する部品に鋼板が使用される場合には、高強度鋼板を適用し、この鋼板の板厚を薄くすることによって、軽量化が図られている。その一方で、自動車の衝突安全性を向上させるために、ピラー等の自動車部品には、更なる高強度化が要求されており、引張強度がより高い超高強度鋼板に対するニーズも高まっている。
しかしながら、薄鋼板の強度をより高くすると、伸びELやr値(ランクフォード値)が低下し、プレス成形性や形状凍結性が劣化することになる。
こうした状況の下、高強度の自動車用構造部品を実現するために、プレス成形と焼入れによる部品の強度向上を同時に行なう熱間プレス方法(いわゆる「ホットプレス法」)が提案されている(例えば、特許文献1)。この技術は、鋼板をAc3変態点以上のオーステナイト(γ)領域まで加熱して、熱間でプレス成形すると共に、プレス成形時に常温の金型と接触させることによって鋼板の焼入れを同時に行い、超高強度化を実現する方法である。
こうした熱間プレス方法によれば、低強度状態で成形されるので、スプリングバックも小さくなると共に(形状凍結性が良好)、急冷によって引張強度が1500MPa級の強度が得られることになる。尚、このような熱間プレス方法は、ホットプレス法の他、ホットフォーミング法、ホットスタンピング法、ホットスタンプ法、ダイクエンチ法、等様々な名称で呼ばれている。
図1は、上記のような熱間プレス方法(以下、「ホットプレス」で代表することがある)を実施するための金型構成を示す概略説明図であり、図中1はパンチ、2はダイ、3はブランクホルダー、4は鋼板(ブランク)、BHFはしわ押え力、rpはパンチ肩半径、rdはダイ肩半径、CLはパンチ/ダイ間クリアランスを夫々示している。また、これらの部品のうち、パンチ1とダイ2には冷却媒体(例えば水)を通過させることができる通路1a,2aが夫々の内部に形成されており、この通路に冷却媒体を通過させることによってこれらの部材が冷却されるように構成されている。
こうした金型を用いてホットプレス(例えば、熱間深絞り加工)するに際しては、ブランク(鋼板4)をAc3変態点以上に加熱して軟化させた状態で成形を開始する。即ち、高温状態にある鋼板4をダイ2とブランクホルダー3間に挟んだ状態で、パンチ1によってダイ2の穴内に鋼板4を押し込み、鋼板4の外径を縮めつつパンチ1の外形に対応した形状に成形する。また、成形と並行してパンチおよびダイを冷却することによって、鋼板4から金型(パンチおよびダイ)への抜熱を行なうと共に、成形下死点(パンチ先端が最上部に位置した時点:図1に示した状態)で更に保持冷却することによって素材の焼き入れを実施する。こうした成形法を実施することによって、寸法精度の良い1500MPa級の成形品を得ることができ、しかも冷間で同じ強度クラスの部品を成形する場合に比較して、成形荷重が低減できることからプレス機の容量が小さくて済むことになる。
特開2002−102980号公報
これまでのホットプレスでは、鋼板をAc3変態点以上(例えば、900℃付近)のオーステナイト領域まで加熱した後、高温でプレス冷却することになるので、金型(パンチおよびダイ)との接触部分と接触しない部分とで温度差がつきやすくなり、相対的に高温となる部分に歪みが集中することや、例えば深絞り成形では縮みフランジが冷却されて縮まなくなることなどによって、成形性が悪くなり、特に深絞り成形が難しくなる。
こうしたことから、冷間プレスによってニアネット(成形品に近い状態)まで成形し、その後、加熱・ダイクエンチする、いわゆるインダイレクト工法も提案されているが、この方法では成形工程が増えるために成形時間が長くなるという欠点がある。従って、成形工程がそれほど多くならない、いわゆるダイレクト工法によって深絞り加工できるような技術が求められているのが実情である。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、深絞り加工が可能な程度に成形性が良好なプレス成形品を製造するための有用な方法、およびこうした製造方法によって得られたプレス成形品を提供することにある。
上記目的を達成することのできた本発明のプレス成形品の製造方法とは、パンチおよびダイを用いて薄鋼板をプレス成形して成形品を製造するに当り、薄鋼板をAc3変態点以上の温度に加熱した後、フェライト変態が生じる臨界冷却速度以上の速度で冷却し、ベイナイト変態が開始する温度よりも160℃高い温度以下から成形を開始する点に要旨を有するものである。
本発明方法においては、成形終了温度については、マルテンサイト変態開始温度Msよりも高い温度とすることが好ましい。本発明方法は、しわ押えを使用して成形(絞り成形)する場合に特に有効であり、こうした成形法を採用しても破断や割れが生じることなく、良好な成形性を確保できる。本発明によって得られるプレス成形品では、ビッカース硬さHvが325以上のものとなる。
本発明によれば、薄鋼板をAc3変態点以上の温度に加熱した後、フェライト変態の臨界冷却速度以上の冷却速度で冷却し、ベイナイト変態が開始する温度よりも160℃高い温度以下から成形を開始するようにしたので、成形時に破断や割れなどを発生させることなく、生産性良くプレス成形品の製造が可能となった。
熱間プレス成形を実施するための金型構成を示す概略説明図である。 従来の熱間プレスライン(設備構成)の一例を示す概略説明図である。 本発明方法を実施するためのプレスライン(設備構成)の一例を示す概略説明図である。 各温度で深絞り成形を開始したときのタイミングを示すCCT曲線である。 成形が実施できた成形品の外観形状を模式的に示した斜視図である。
本発明者らは、薄鋼板をAc3変態点以上の温度に加熱した後プレス成形するに際して、成形性が良好なプレス成形品を製造するために、様々な角度から検討した。その結果、薄鋼板をAc3変態点以上の温度に加熱した後、そのまま成形を開始するのではなく、フェライト変態の臨界冷却速度以上の速度で冷却し、ベイナイト変態が開始する温度よりも160℃高い温度以下からプレス成形を開始するようにすれば、良好な成形性が確保できることを見出し、本発明を完成した。以下、本発明が完成された経緯に沿って本発明について具体的に説明する。
本発明者らは、まず下記表1に示す化学成分組成を有する鋼板を、900℃に加熱し(この鋼板のAc3変態点:830℃、ベイナイト変態開始温度Bs:560℃(空冷時)、マルテンサイト変態開始温度Ms:405℃)、前記図1に示した金型を用いて前述した手順で角筒絞り成形実験を行ったところ、フェライト変態の界冷却速度以上で冷却したときにベイナイト変態が開始する温度である490℃より160℃高い温度である650℃以下の温度で成形開始するようにすれば(その温度まで冷風によって強制冷却)、良好な成形性が達成され、成形下死点まで深絞り成形ができることが判明した。
Figure 0005612993
尚、上記したAc3変態点の温度は、鋼板を加熱したときのオーステナイトへの変態完了温度の意味であり、下記(1)式によって求められるものである。また、ベイナイト変態開始温度Bsおよびマルテンサイト変態開始温度Msは、夫々下記(2)式および(3)式によって求められる値である(例えば、『熱処理』41(3),164〜169,2001 邦武立朗「鋼のAc1,Ac3およびMs変態点の経験式による予測」、『熱処理』40(4),181〜187,2001 邦武立朗「鋼のオーステナイトの連続冷却におけるパーライトおよびベイナイト変態温度の予測」)。
Ac3変態点(℃)=−230.5×[C]+31.6×[Si]−20.4×[Mn]−39.8×[Cu]−18.1×[Ni]−14.8×[Cr]+16.8×[Mo]+912 …(1)
Bs(℃)=−375.9×[C]+21.4×[Si]−127.5×[Mn]−71.7×[Cu]−46.8×[Ni]−142.1×[Cr]−206.0×[Mo]−(73.2/logtc)+1010.5 …(2)
Ms(℃)=560.5−{407.3×[C]+7.3×[Si]+37.8×[Mn]+20.5×[Cu]+19.5×[Ni]+19.8[Cr]+4.5×[Mo]}
…(3)
但し、[C],[Si],[Mn],[Cu],[Ni],[Cr]および[Mo]は、夫々C,Si,Mn,Cu,Ni,CrおよびMoの含有量(質量%)を示し、tcはAc3変態点から500℃までの冷却時間(秒)を示す。
従来の熱間成形では極力高温で成形を開始するのが技術常識と考えられていたのであるが、一旦加熱した後、ベイナイト変態が開始する温度よりも160℃高い温度まで急速し、ベイナイト変態が生じやすい状態としてから、プレス成形を開始すれば、絞り成形性が向上したのである。これは、プレス成形中にベイナイト変態が生じることによって、変態塑性現象が生じて変形歪みが小さくなることによるものと考えられる。
尚、一旦加熱してからベイナイト変態が生成する温度は、実際の冷却条件(冷却速度)によっても異なり、計算上求められる値(上記ベイナイト変態開始温度Bs)よりも低い値となるが、参考のためにベイナイト変態開始温度Bsを示してある。
上記のような条件でプレス成形すれば、プレス成形中の温度分布も小さくすることができ(金型との温度差が少なくなる)、深絞り成形性も向上するものとなる。また、プレス成形開始温度を比較的低温とすることもできるので、成形下死点での保持時間を短くすることができ、生産性向上を図ることができる。
本発明方法は、鋼板をAc3変態点以上の温度まで加熱した後、所定の温度まで急冷することによって、成形時にベイナイト変態が生じる原理を利用したものであるが、こうした効果を発揮させるためには、Ac3変態点以上の温度まで加熱した後の冷却速度は、フェライト変態の臨界冷却速度以上の冷却速度(表1に示した鋼板では10℃/秒以上)とする必要がある。即ち、鋼種にもよるが、冷却速度がフェライト変態の臨界冷却速度よりも遅くなると、ビッカース硬さHvで325以上を確保することが難しくなる。また、急冷時の冷却速度の上限については、鋼種にもよるため限定するものではないが、ブランク内の温度均一性の確保という観点から、450℃/秒以下とすることが好ましい。
ところで、従来の熱間プレスライン(設備構成)は、図2(概略説明図)に示すような構成(設備構成)となっているのが一般的である。即ち、図2に示すように、コイル状態の鋼板10を、切り出し機11によって切り出しされ(Blanking)、加熱炉12内で加熱された後、プレス成形機13に移動されてプレス成形品14とされる。
本発明では、薄鋼板をAc3変態点以上の温度に加熱した後、そのまま成形を開始するのではなく、ベイナイト変態が開始する温度よりも160℃高い温度以下まで急冷し、ベイナイト変態が生じ易い状態にしてから、或は若干のベイナイト変態を生じさせてから(即ち、ベイナイト変態が開始する温度以下)プレス成形を開始するものであるが、こうした冷却を行うに際しては、例えば図3(概略説明図)に示すような設備構成を採用すれば良い。即ち、加熱後の後半領域に冷却帯15を配置し(図3において、図2に対応する部分には同一の参照符号が付してある)、鋼板10を加熱炉12からプレス成形機13に移動する際に冷却帯15で冷却を行うようにすれば良い。冷却帯15で行う冷却では、例えば下記(1)〜(4)等の方法で冷却を実施することができる。
(1)ガス冷却手段を設けてガスジェット冷却する。
(2)冷媒としての金属と接触させる手段(例えば、水冷ロールによる冷却手段)を設けて抜熱する。
(3)ミスト冷却手段を設けて冷却する。
(4)ドライアイスショット手段(顆粒ドライアイスをブランク材に衝突させて冷却する)を設けて冷却する。
上記のような冷却帯15で所定温度までの冷却を行った後は、冷却をやめて成形を行っても良いが(成形を開始するまでに冷却を完了)、プレス成形機13に移動させた後、成形を開始してからも引き続き成形金型による冷却を行ないつつ成形を行うことが好ましい。
本発明方法を実施するに当たっては、まず薄鋼板をAc3変態点以上の温度に加熱する必要があるが、この加熱温度の上限は1000℃程度までとすることが好ましい。この温度が1000℃よりも高くなると、加熱炉12からプレス成形機13に搬送する間に、酸化スケールの生成が著しくなって(例えば、100μm以上)、成形品の板厚(デスケーリング後)が所定のものよりも薄くなる恐れがある。
本発明を実施するに当り、成形開始温度はベイナイト変態が開始する温度よりも160℃高い温度以下とする必要があるが、成形終了温度については、成形途中でマルテンサイト変態が生じると成形性が却って悪くなるので、この温度(成形終了温度)はマルテンサイト変態開始温度Msよりも高い温度とすることが好ましい。
尚、本発明方法は、成形開始温度を適切に制御することによって上記の目的を達成することができるのであり、こうした効果はしわ押さえを有する金型を用いて成形(即ち、絞り成形)する場合に顕著に発揮されることになる。但し、本発明方法は、しわ押さえを用いて成形する絞り成形に限らず、通常のプレス成形を実施する場合(例えば、張り出し成形)も含むものであり、こうした方法によって成形品を製造する場合であっても本発明の効果が達成される。
以下、本発明の効果を実施例によって更に具体的に示すが、下記実施例は本発明を限定するものではなく、前・後記の趣旨に徴して設計変更することはいずれも本発明の技術的範囲に含まれるものである。
前記表1に示した化学成分組成を有する鋼を通常の手段によって、厚さ1.4mmまで冷間圧延した。これから、直径(ブランク径):110mmの円形ブランクを打ち抜き、実験に用いた(従って、このブランクのAc3変態点:830℃、ベイナイト変態開始温度Bs:560℃、マルテンサイト変態開始温度Ms:405℃)。
上記円形ブランクを用い、パンチの頭部形状が正方形(一辺が45mm)の金型(角筒ダイおよび角筒パンチ)を用い(前記図1参照)、本発明方法に従って、角筒深絞り成形を行った。このときブランクの加熱は、電気炉を用いて大気中で行い、その加熱温度を900℃に設定した。
成形実験は、前記図1に示した金型を用い、クランクプレス機に設置して実施した。金型がブランクに接触してから、成形下死点で停止するまでの時間は0.75秒とした。また成形開始温度は、780℃、650℃、550℃、480℃、430℃とした。また加熱温度から成形開始温度までは、冷風を噴射することによる強制冷却(平均冷却速度:20℃/秒)とし、成形開始温度を上記のように設定して実験を行った。その他のプレス成形条件は下記の通りである。
(他のプレス成形条件)
しわ押さえ力:3トン
ダイ肩半径rd:5mm
パンチ肩半径rp:5mm
パンチ−ダイ間クリアランスCL:1.32/2+1.4(鋼板厚さ)mm
成形高さ:37mm
潤滑剤:酸化Ca系のペースト状潤滑剤を使用し、金型に塗布した。
各温度で深絞り成形を開始したときのタイミングを図4(CCT曲線)に示す。図4
おいて、「○」印は割れが発生することなく、成形が可能であったことを示し、「×」印は成形中に割れが発生したことを意味する。上記冷却条件で実際にベイナイト変態が開始する温度は490℃であったが、この温度よりも160℃高い温度以下で成形を開始した場合には(成形開始温度が650℃、550℃、480℃、430℃)、良好な成形性が発揮されていることが確認できた。
成形が実施できた成形品の外観形状を模式的に図5(斜視図)に示す。また、この成形品の硬さは、ビッカース硬さHvで325以上であった。これらの結果から明らかなように、一旦加熱した後、ベイナイト変態が生じやすい状態にしてから、若しくは若干のベイナイト変態が生じた状態で成形を開始することによって、良好な深絞りが完了しており、成形性が向上していることが分かる。
1 パンチ
2 ダイ
3 ブランクホルダー
4,10 ブランク(鋼板)
11 切り出し機
12 加熱炉
13 プレス成形機
14 プレス成形品
15 冷却帯

Claims (6)

  1. パンチおよびダイを用いて薄鋼板をプレス成形して成形品を製造するに当り、薄鋼板をAc3変態点以上の温度に加熱した後、フェライト変態が生じる臨界冷却速度以上の速度で冷却し、ベイナイト変態が開始する温度よりも160℃高い温度以下から成形を開始することを特徴とするプレス成形品の製造方法。
  2. 冷却を完了した後、成形を開始する請求項1に記載のプレス成形品の製造方法。
  3. ベイナイト変態が開始する温度以下から成形を開始する請求項1または2に記載のプレス成形品の製造方法。
  4. マルテンサイト変態開始温度Msよりも高い温度で成形を終了する請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
  5. しわ押えを使用して成形する請求項1〜のいずれかに記載の製造方法。
  6. 請求項1〜のいずれかに記載の製造方法によって得られたものであり、ビッカース硬さHvが325以上であるプレス成形品。
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