JP5949804B2 - 電気コネクタ及び電気コネクタの製造方法 - Google Patents
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Description
また本発明は、信号伝送用のコンタクト部材の端部に突出する平坦状部材の端縁部から羽根状に延出した状態に設けた係合部を、絶縁ハウジングに凹状をなすように形成した係止部の内方部分に圧入することによって、前記コンタクト部材の固定を行う電気コネクタの製造方法において、前記係合部を前記係止部の内方部分に圧入するにあたって、予め、(1)前記係止部の内方部分に、前記係合部を前記圧入の方向と対向する方向に受ける受け面と、前記係合部が食い込み可能な食込み面と、を設ける工程と、(2)前記コンタクト部材の前記係合部を、前記絶縁ハウジングの前記係止部の内方部分に遊嵌状態で挿入可能となる外形状に形成する工程と、(3)前記係合部の外形をなす端縁部を、前記受け面に対して滑動可能な湾曲面に形成する工程と、(4)前記係合部における前記平坦状部材の端縁部からの延出長を、前記平坦状部材の突出方向において連続的に短縮させた状態に形成する工程と、を行った後に、(5)前記係合部を前記係止部の内方部分に遊嵌状態で挿入させてから前記受け面に当接した後における圧入によって、前記係合部の外形が拡大するように当該係合部を塑性変形させる工程と、(6)前記係合部の外形を拡大させる塑性変形によって、前記係合部が前記食込み面に食い込むように嵌合して固定状態とする工程と、を行う構成を備えている。
まず、図1及び図2に示されている本発明の第1の実施形態にかかる同軸型電気コネクタとしてのプラグコネクタ10は、ケーブル状信号伝送媒体としての細線同軸ケーブルSCの端末部分が連結される構成になされており、所定の印刷配線基板上に実装されたリセプタクルコネクタ等からなる相手側の電気コネクタ20(図14参照)に対して、上方から差し込むようにして嵌合又は抜去される構成になされている。そのリセプタクルコネクタ等からなる相手側電気コネクタ20に対するプラグコネクタ10の嵌合・抜去作業は、印刷配線基板の平面に対して略直交する方向に行われる。
さらに、特に図10に示されているように、ケーブル状信号伝送媒体としての細線同軸ケーブルSCは、複数の導線で形成されたケーブル中心導体(信号線)SCaの外周側にケーブル誘電体を介してケーブルシールド導体(シールド線)SCbが同軸状に積層されているとともに、ケーブルシールド導体(シールド線)SCbには外周被覆材が装着されている。そして、このような細線同軸ケーブルSCの端末部分において外周被覆材が皮剥きされていることによりケーブルシールド導体(シールド線)SCbが露出状態になされているとともに、ケーブルシールド導体(シールド線)SCb及びケーブル誘電体が皮剥きされることによりケーブル中心導体(信号線)SCaが露出状態になされている。
ここで、上述した絶縁ハウジング11は、図4及び図5に示すように、主たる嵌合部分であるコネクタ本体部を構成する略円板形状の絶縁本体部11aを有しているとともに、その絶縁本体部11aの下方側部分に、嵌合相手である相手側電気コネクタの内方側に挿入される絶縁挿入部11bを一体的に有している。そのうちの絶縁本体部11aには、上述した細線同軸ケーブルSCの端末部分が載置されるハウジング収容室11cが上方に開口するように形成されているとともに、そのハウジング収容室11cの開口部に対して上方側から開閉されるケーブル押圧板11dが設けられている。
さらに、上述した絶縁本体部11a及び絶縁挿入部11bを有する絶縁ハウジング11の外側表面は、薄板金属状部材からなるシールドシェル13の主たる嵌合部分を構成している外部導体シェル13aによって覆われている。この外部導体シェル13aは、主として絶縁ハウジング11の絶縁本体部11aを径方向外方側から環状に覆うように形成された略中空円筒形状になされている。また、この外部導体シェル13aの下方側部分は、上述した絶縁挿入部11bを径方向外方側から環状に覆うシェル挿入部13a1になされているとともに、当該外部導体シェル13aの上端側の円筒開口部分には、上述した絶縁本体部11aの上面側を覆うシェル蓋部13bが開閉可能に連結されている。
また、本実施形態において採用されている内部導体コンタクト(シグナル導電コンタクト)12は、前述した絶縁ハウジング11の絶縁本体部11aに対して、後述する圧入により固定されているが、特に図6及び図7に示されているように、細線同軸ケーブルSCのケーブル中心導体(信号線)SCaに接続される一対の上下ビーム部12a,12bからなるケーブル挟持部を有しているとともに、そのケーブル挟持部における下側ビーム部12bから下方側に向かって延出するように設けられた弾性バネ部12cが、嵌合の相手側電気コネクタ(リセプタクルコネクタ等)20に設けられた導電コンタクト22に対して弾性的に接触する構成になされている。
前述したような構成を有する本実施形態にかかる内部導体コンタクト(シグナル導電コンタクト)12は、そのケーブル挟持部を構成している下側ビーム部12bのコネクタ前後方向における両端縁部分の各々に、前方側固定板12b2及び後方側固定板12b3をそれぞれ一体的に備えている。それらの前方側固定板12b2及び後方側固定板12b3は、絶縁ハウジング11の絶縁本体部11aに溝状をなすように凹設された前方側圧入係止部11c2及び後方側圧入係止部にそれぞれ圧入されることによって固定されており、それら前方側固定板12b2及び後方側固定板12b3の固定力によって内部導体コンタクト12全体の固定が行われている。
一方、嵌合の相手側電気コネクタであるリセプタクルコネクタ20は、図14に示されているように、印刷配線基板(図示省略)上に載置される平面略矩形状をなすベース状枠体からなる絶縁ハウジング21を有しているとともに、その絶縁ハウジング21の中心部分に、信号伝送用の信号導電コンタクト22が装着されている。また、その信号導電コンタクト22を半径方向の外方側から環状に取り囲むようにして接地用のグランドコンタクト23が装着されている。
信号導電コンタクト22は、所定の薄厚金属部材から形成されたものであるが、上述した絶縁ハウジング21の略中心に相当する位置に、中空のピン形状をなす嵌合接触部が上方に立ち上がるように配置されているとともに、その嵌合接触部の下端部から外方側に向かって接続脚部22aが延出している。絶縁ハウジング21の略中心部分に配置されたピン形状の嵌合接触部は、前述したプラグコネクタ10の内部導体コンタクト(シグナル導電コンタクト)12において二股状をなすように設けられた弾性バネ部12c,12c同士の間部分に嵌め込まれ、それによって電気的な接続を行う構成になされている。
一方、グランドコンタクト23も、例えば所定の薄厚金属板の折り曲げ部材から形成されており、略円筒状の中空形状をなすように形成されたグランド本体部を有しているとともに、当該円環状をなすグランド本体部の外周部分における下縁には、複数(3体)の接続脚部23aが半径方向の外方側に向かって一体的に延出するように設けられている。これらの両接続脚部23aは、図示しない印刷配線基板上に形成されたグランド接続用のグランド導電路に対してそれぞれ半田接合される。
一方、上述した第1の実施形態と同一の構成部材に対して同一の符号を付した図15〜図17にかかる第2の実施形態では、絶縁ハウジング11の前方側圧入係止部11c2の内方部分を形成している立壁面である圧入食込み面11c4に、中心側に向かって突出する接触段部11c5が段差形状をなすように設けられている。その接触段部11c5は、圧入食込み面11c4及び圧入受け面11c3とともに、いわゆる蟻溝状の構造をなすものであって、その接触段部11c5を有する前方側圧入係止部11c2の内方部分に対して、圧入係合部12a5が、前述した実施形態と同様に遊嵌状態で挿入されていくこととなるが、その圧入係合部12a5を押圧する圧入パンチ治具PTは、挿入途中で接触段部11c5に上方側から当接し、接触段部11c5を下方側に向かって塑性変形させる構成になされている。
11 絶縁ハウジング
11a 絶縁本体部
11b 絶縁挿入部
11c ハウジング収容室
11c1 ケーブル受け部
11c2 前方側圧入係止部
11c3 圧入受け面
11c4 圧入食込み面
11c5 接触段部
11d ケーブル押圧板
12 内部導体コンタクト(被固定部材)
12a 上側ビーム部
12b 下側ビーム部
12b1 接続監視穴
12b2 前方側固定板
12b3 後方側固定板
12b4 治具受け部
12b5 圧入係合部
12c 弾性バネ部
13 シールドシェル(グランドコンタクト)
13a 外部導体シェル
13a1 シェル挿入部
13a2 ケ一ブル保護アーム
13b シェル蓋部
13b1 繋ぎ部材
13b2 前方カバー部
13b3 第1固定保持板
13b4 第2固定保持板
PT 圧入パンチ治具
SC 細線同軸ケーブル(ケーブル状信号伝送媒体)
SCa ケーブル中心導体(信号線)
SCb ケーブルシールド導体(シールド線)
20 リセプタクルコネクタ(相手側の電気コネクタ)
21 絶縁ハウジング
22 信号導電コンタクト
22a 接続脚部
23 接地用グランドコンタクト
23a 接続脚部
Claims (5)
- 信号伝送用のコンタクト部材を備えたものであって、
前記コンタクト部材の端部に突出する平坦状部材の端縁部から羽根状に延出した係合部が、絶縁ハウジングにおける凹状の係止部の内方部分に配置された状態で前記コンタクト部材が固定された電気コネクタにおいて、
前記係止部の内方部分には、前記係合部を受ける受け面と、前記係合部が食い込んだ状態で前記コンタクト部材が固定された食込み面と、が設けられているとともに、
前記コンタクト部材の係合部が、前記絶縁ハウジングの前記係止部の内方部分に遊嵌状態で挿入可能となる外形状を有するものであって、
前記係合部の外形をなす端縁部が、前記受け面に対して滑動可能な湾曲面を有しているとともに、
前記係合部における前記平坦状部材の端縁部からの延出長が、前記平坦状部材の突出方向において連続的に短縮していることを特徴とする電気コネクタ。 - 信号伝送用のコンタクト部材の端部に突出する平坦状部材の端縁部から羽根状に延出した状態に設けた係合部を、絶縁ハウジングに凹状をなすように形成した係止部の内方部分に圧入することによって、前記コンタクト部材の固定を行う電気コネクタの製造方法において、
前記係合部を前記係止部の内方部分に圧入するにあたって、予め、
(1)前記係止部の内方部分に、前記係合部を前記圧入の方向と対向する方向に受ける受け面と、前記係合部が食い込み可能な食込み面と、を設ける工程と、
(2)前記コンタクト部材の前記係合部を、前記絶縁ハウジングの前記係止部の内方部分に遊嵌状態で挿入可能となる外形状に形成する工程と、
(3)前記係合部の外形をなす端縁部を、前記受け面に対して滑動可能な湾曲面に形成する工程と、
(4)前記係合部における前記平坦状部材の端縁部からの延出長を、前記平坦状部材の突出方向において連続的に短縮させた状態に形成する工程と、
を行った後に、
(5)前記係合部を前記係止部の内方部分に遊嵌状態で挿入させてから前記受け面に当接した後における圧入によって、前記係合部の外形が拡大するように当該係合部を塑性変形させる工程と、
(6)前記係合部の外形を拡大させる塑性変形によって、前記係合部が前記食込み面に食い込むように嵌合して固定状態とする工程と、
を行うことを特徴とする電気コネクタの製造方法。 - 前記コンタクト部材の前記係合部は、一対のものが対称的に配置されていることを特徴とする請求項1記載の電気コネクタ。
- 前記コンタクト部材の前記平坦状部材は、所定の圧入用治具の一部が当接する平坦面状をなすように形成された治具受け面からなり、
その治具受け面は、曲げ部を介して前記係合部に一体的に連設された状態に構成されていることを特徴とする請求項1記載の電気コネクタ。 - 前記係止部の内方部分を形成している前記食込み面には、当該係止部の中心側に向かって突出する接触段部が設けられ、
その接触段部と、前記食込み面及び受け面とが、前記係合部を取り囲む溝状部を構成していることを特徴とする請求項1記載の電気コネクタ。
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