JP5949777B2 - Euvリソグラフィ用反射型マスクブランクの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体製造等に使用されるEUV(Extreme Ultraviolet:極端紫外)リソグラフィ用反射型マスク(以下、本明細書において、「EUVL用反射型マスク」ともいう。)の製造に用いられるEUVリソグラフィ用反射型マスクブランクの製造方法、およびEUVL用反射型マスクの製造方法に関する。
なお、本発明でいうEUV光とは、軟X線領域または真空紫外域の波長帯の光を指し、具体的には波長が0.2〜100nm程度の光である。
従来から、光リソグラフィ技術においては、ウェハ上に微細な回路パターンを転写して集積回路を製造するための露光装置が広く利用されている。集積回路の高集積化および高機能化に伴い、集積回路の微細化が進み、露光装置には深い焦点深度で高解像度の回路パターンをウェハ面上に結像させることが求められ、露光光源の短波長化が進められている。露光光源は、従来のg線(波長436nm)、i線(波長365nm)やKrFエキシマレーザ(波長248nm)から進んでArFエキシマレーザ(波長193nm)が用いられ始めている。また、さらに回路パターンの線幅が70nm以下となる次世代の集積回路に対応するため、ArFエキシマレーザを用いた液浸露光技術や二重露光技術が有力視されているが、これも線幅が45nm世代までしかカバーできないと見られている。
このような流れにあって、露光光源としてEUV光(極端紫外光)のうち代表的には波長13nmの光を用いたリソグラフィ技術が、回路パターンの線幅が32nmよりも短い波長を用いる次世代の露光技術にわたって適用可能と見られ注目されている。EUVリソグラフィ(以下、本明細書では「EUVL」とも略する。)の像形成原理は、投影光学系を用いてマスクパターンを転写する点では、従来のフォトリソグラフィと同じである。しかし、EUV光のエネルギー領域では光を透過する材料がないために、屈折光学系は使用できず、光学系はすべて反射光学系となる。
反射光学系に用いられるEUVL用反射型マスクは、(1)基材、(2)基材上に形成された反射多層膜、(3)反射多層膜上に形成された吸収体層、から基本的に構成される。反射多層膜としては、Mo層と、Si層と、を交互に積層させたMo/Si反射多層膜が検討され、吸収体層には、成膜材料として、TaやCrが検討されている。基材としては、EUV光線照射の下においても歪みが生じないよう線熱膨張係数(Coefficient of Thermal Expansion;CTE)の小さい材料が必要とされる。線熱膨張係数(CTE)の小さい材料としては、TiO2を含有するシリカガラス(以下、本明細書では、TiO2−SiO2ガラスと記す。)が、石英ガラスよりも小さい線熱膨張係数を有する超低熱膨張材料として知られ、ガラス中のTiO2含有量によって線熱膨張係数を制御できるために、線熱膨張係数(CTE)が0に近いゼロ膨張ガラスが得られることから、EUVL光学部材の基材への使用が検討されている。
半導体製造等に使用される光リソグラフィに使用する露光装置は、マスクの温度変化による寸法変化を防ぐ目的から、18〜25℃の室温付近の所定の温度を中心値として、その中心値からの変動やマスク内の温度分布が±0.2以下、より好ましくは±0.1℃以下になるように、厳密に温度制御が行われているのが一般的である。従来の屈折光学系を用いた光リソグラフィの場合、そのマスクは透過型であり、マスク基板の露光光の透過率は90%以上と高く、光リソグラフィの実施時、すなわち、ArFエキシマレーザなどの露光光がマスクに照射された場合でも、マスクの温度は上昇することなく前記温度に制御可能である。
しかしながら、EUVLの場合、たとえ露光装置や同装置内にセットされたEUVL用反射型マスクの温度を、上述した屈折光学系を用いた光リソグラフィ用露光装置と同様に、室温付近の温度にて厳密に制御していたとしても、高エネルギーのEUV光線がEUVL用反射型マスクに照射されると、EUVL用反射型マスクの温度が上昇する。
現状のEUVL用反射型マスクでは、EUV光線を照射した際の光線反射率(すなわち、EUV光線反射率)は高々67%であり、残りのEUV光線はEUVL用反射型マスクに吸収され、その一部は熱エネルギーとなり、EUVL用反射型マスクの温度を上昇させる。
EUVL実施時において、EUVL用反射型マスクは、静電チャック機構や機械的チャック機構といった保持手段によって、該EUVL用反射型マスクの基体を保持するが、発塵性の問題から、静電チャック機構による吸着保持が好ましく用いられる。
このような保持手段に冷却機構を持たせることで、EUVL用反射型マスクの基体を冷却し、EUVL用反射型マスクの温度上昇の抑制が検討されている。一例を挙げると、静電チャック機構の内部に液体や気体を流通させて、EUVL用反射型マスクの基体の冷却が検討されている。
しかしながら、このような方法でEUVL用反射型マスクの基体を冷却した場合、EUVL用反射型マスクの露光面側(すなわち、EUV光線が照射される面側)は、温度が上昇するのに対して、該EUVL用反射型マスクのチャック面側(すなわち、EUVL用反射型マスクの基体の静電チャック機構で保持される面側)は、温度の上昇が抑制されるため、該EUVL用反射型マスクの厚さ方向に温度勾配が生じる。
EUVL実施時において、EUVL用反射型マスクに温度変化や温度分布が生じると、該EUVL用反射型マスクが伸縮し、露光パターンに位置ずれを生じるおそれがある。
このような問題を解決するため、特許文献1では、チタニアおよびシリカを含有する低膨張性ガラス基板であって、使用温度において、1ppb/℃/℃未満の平均熱膨張率勾配を有する熱膨張特性を備える低膨張性ガラス基板が提案されている。
日本特表2011−505318号公報
特許文献1に記載の低膨張性ガラス基板の場合、EUVL実施時における露光パターンに位置ずれの防止を意図していることから、EUVL実施時におけるEUVL用反射型マスクの露光面の温度で、線熱膨張係数が0に近くなるように、ガラス基板を選択することになる。
したがって、EUVL実施時には、ガラス基板の露光面側は線熱膨張係数が0に近い状態となるが、ガラス基板のチャック面側は露光面とは温度差があるため、線熱膨張係数が0に近い状態とはならず、ガラス基板に歪みが生じ、EUVL用反射型マスクが静電チャック機構といった保持手段から脱離するおそれがあることが明らかになった。
これまで、EUVL実施時における露光パターンの位置ずれ防止に着目していたため、EUVL用反射型マスクの露光面での歪み(たとえば、伸縮)を防止する観点で、ガラス基板の露光面側での歪み防止については、従来から検討されているが、ガラス基板のチャック面側での歪みについては全く検討されていなかった。
本発明は、上記した従来技術における問題点を解決するため、EUVL実施時におけるガラス基板の厚さ方向における温度差による、ガラス基板のチャック面側での歪み、および、それによる保持手段からのガラス基板の脱離を解消できる、EUVL用反射型マスクの製造に用いられるEUVリソグラフィ用反射型マスクブランクの製造方法、およびEUVL用反射型マスクの製造方法を提供することを目的とする。
上記した目的を達成するため、本発明は、EUV光が照射される側となる第1の表面と、当該第1の表面の反対側の面となる第2の表面とを有するEUVL用反射型マスクブランクのガラス基板において、該ガラス基板の第1の表面にEUV光線を反射する反射層およびEUV光線を吸収する吸収層が少なくともこの順に形成され、また該ガラス基板の第2の面に導電膜が形成されたEUVL用反射型マスクブランクの製造方法であって、
下記式により求まるEUVリソグラフィ実施時と同一条件におけるEUVL用反射型マスクブランクの第2の表面側の平坦度をZEUVL(nm)とするとき、該ZEUVLの絶対値が600nm以下となるように、EUVL用反射型マスクブランクの第2の表面側の初期平坦度Z0(nm)を調節するEUVL用反射型マスクブランクの製造方法。
EUVL=Z0+Δ …… 式(A)
(上記式(A)中、Δは下記式(B)により求まるEUVリソグラフィ実施時と同一条件におけるガラス基板のたわみ量(nm)である。)
Δ=180×L(1−cos(πθ/360))/πθ …… 式(B)
(上記式(B)中、Lはガラス基板の縦横方向の寸法のうち、いずれか長い方の寸法(mm)であり、θは下記式(C)により求まるEUVリソグラフィ実施時と同一条件におけるガラス基板のたわみ角度(°)である。)
θ=180×L×10-9{(Tf−T0)α0〜f, avg−(Tb−T0)α0〜b, avg}/(πt) …… 式(C)
(上記式(C)中、T0はEUVリソグラフィ実施前と同一条件におけるガラス基板の第1の表面および第2の表面の温度(℃)であり、TfはEUVリソグラフィ実施時と同一条件におけるガラス基板の第1の表面の温度(℃)であり、TbはEUVリソグラフィ実施時と同一条件におけるガラス基板の第2の表面の温度(℃)であり(ここで、Tf>T0であり、Tf>Tbである。)、α0〜f, avgは温度範囲(Tf〜T0)におけるガラス基板の平均線熱膨張係数(ppb/℃)であり、α0〜b, avgは温度範囲(Tb〜T0)におけるガラス基板の平均線熱膨張係数(ppb/℃)であり、tはガラス基板の板厚(mm)である。)
本発明のEUVL用反射型マスクブランクの製造方法において、前記吸収層をパターニングして吸収体パターンを形成することによるEUVL用反射型マスクブランクの第2の表面側の平坦度の変化をΔpat(nm)とするとき、前記ZEUVLの絶対値が600nm以下となるように、Δpatの値の大きさによるEUVL用反射型マスクの第2の表側の初期平坦度Z0´´の絶対値の増加を、最小限にすべく前記Z0を調節することが好ましい。
本発明のEUVL用反射型マスクブランクの製造方法において、前記ガラス基板が、TiO2を含有するシリカガラス基板であることが好ましい。
本発明のEUVL用反射型マスクブランクの製造方法において、前記反射層と、前記吸収層と、の間には前記反射層の保護層が形成されていてもよい。
本発明のEUVL用反射型マスクブランクの製造方法において、前記反射層と、前記吸収層と、の間にはバッファ層が形成されていてもよい。
本発明のEUVL用反射型マスクブランクの製造方法において、前記吸収層上にはマスクパターンの検査光に対する低反射層が形成されていてもよい。
本発明のEUVL用反射型マスクブランクの製造方法において、ガラス基板の第2の表面側の初期平坦度Z0´(nm)を調節することで、前記EUVL用反射型マスクブランクの第2の表面側の初期平坦度Z0(nm)を調節できる。
また、本発明のEUVL用反射型マスクブランクの製造方法において、EUVL用反射型マスクブランクを構成する各層の膜応力を調節することで、前記EUVL用反射型マスクブランクの初期平坦度Z0(nm)を調節できる。
本発明のEUVL用反射型マスクブランクの製造方法において、前記ZEUVLの絶対値が600nm以下となるように、EUVL用反射型マスクブランクの第2の表面側の初期平坦度Z0(nm)を調節する方法が、下記する(a)から(d)の群から選ばれる少なくとも1種の方法であることが好ましい。
(a)EUVL実施時と同一条件において、EUVL用反射型マスクブランク用のガラス基板の第2の表面側が凹状に変形する場合には、該ガラス基板の第2の表面に導電膜を形成する前の該ガラス基板の第2の表面側が凸状になるように、該ガラス基板の第2の表面側を研削加工或いは研磨加工する方法。
(b)EUVL実施時と同一条件において、EUVL用反射型マスクブランク用のガラス基板の第2の表面側が凸状に変形する場合には、該ガラス基板の第2の表面に導電膜を形成する前の該ガラス基板の第2の表面側が凹状になるように、該ガラス基板の第2の表面側を研削加工或いは研磨加工する方法。
(c)EUVL実施時と同一条件において、EUVL用反射型マスクブランク用のガラス基板の第2の表面側が凹状に変形する場合には、該ガラス基板の第2の表面に圧縮応力を生じせしめた導電膜を形成し、ガラス基板の第2の表面側が凸状になるようにする方法。
(d)EUVL実施時と同一条件において、EUVL用反射型マスクブランク用のガラス基板の第2の表面側が凹状に変形する場合には、該ガラス基板の第1の表面側に形成する反射層、吸収層、保護層、バッファ層、低反射層、および応力調整膜からなる群から選ばれる少なくとも1層に引張応力を生じせしめてガラス基板の第2の表面側が凸状になるようにする方法。
また、本発明は、上記した本発明のEUVL用反射型マスクブランクの製造方法により、EUVL用反射型マスクブランクを得て、該マスクブランクにおける前記吸収層をパターニングして吸収体パターンを形成するEUVL用反射型マスクの製造方法を提供する。
本明細書において、上記したガラス基板のEUV光が照射される側となる「第1の表面」を「成膜面」(すなわち、EUV光線を反射する反射層およびEUV光線を吸収する吸収層が形成される側の表面)とも表現し、また第1の表面の反対側の面となる「第2の表面」を「裏面」(すなわち、上記した成膜面の反対面であって、導電膜が形成される側の表面)とも表現する。
本発明によれば、EUVL実施時におけるガラス基板の厚さ方向における温度差によるガラス基板のチャック面側での歪みを抑制でき、保持手段からのガラス基板の脱離を解消できる。
図1は、EUVL用反射型マスクブランクの基本構成を示した模式図である。 図2(a)および(b)は、図1のガラス基板1のEUVL実施前および実施時の状態を示した模式図である。 図3は、DCマグネトロンスパッタ時の窒素ガス流量と、CrN膜の膜応力と、の関係を示したグラフである。
以下、図面を参照して本発明を説明する。
図1は、EUVL用反射型マスクブランクの基本構成を示した模式図である。図1に示すマスクブランクは、ガラス基板1のEUV光が照射される側となる第1の面にEUV光線を反射する反射層2、および、EUV光線を吸収する吸収層3がこの順に形成されている。ここで、反射層2としては、低屈折層と高屈折層とを交互に積層させた多層反射膜が示されている。ガラス基板1の第2の面に導電膜4が形成されている。
なお、図1は、EUV用反射型マスクブランクの基本構成を示したものであり、本発明の方法によって製造されるEUV用反射型マスクブランクは、上記以外の各種機能層を有してもよい。このような機能層の具体例としては、反射層2の表面の酸化を防止する目的で反射層2上に必要に応じて形成される反射層2の保護層、パターニングの際に反射層2がダメージを受けるのを防止する目的で反射層2と吸収層3との間に必要に応じて形成されるバッファ層、マスクパターンの検査時のコントラストを向上させる目的で吸収層3上に必要に応じて形成されるマスクパターンの検査光に対する低反射層が挙げられる。
図1に示すマスクブランクから、EUVL用反射型マスクを作製する際には、所望の回路パターンが形成されるように、図1に示すマスクブランクの吸収層3をパターニングして所望の吸収体パターンを形成する。
EUVL実施時には、EUVL用反射型マスクのチャック面、すなわち、図1に示すマスクブランクの導電膜4、を静電チャックで吸着保持した状態で、該反射型マスクの露光面、すなわち、図1に示すマスクブランクの吸収層3にEUV光線が照射される。
上述したように、EUVL用反射型マスクの露光面側、すなわち、図1に示すマスクブランクの吸収層3側は、高エネルギーのEUV光線の照射により温度が上昇するのに対し、EUVL用反射型マスクのチャック面側、すなわち、図1に示すマスクブランクの導電膜4側は、静電チャックに設けられた冷却機構によって冷却される結果、温度の上昇が抑制されるので、EUVL用反射型マスクの露光面側と、チャック面側と、では温度差が生じる。EUVL用反射型マスクの基体をなすガラス基板についても、露光面側と、チャック面側、すなわち、図1に示すマスクブランクのガラス基板1における成膜面側と、裏面側と、では温度差が生じる。
ここで、EUVL実施時におけるEUVL用反射型マスクの露光面側の温度で、線熱膨張係数が0に近くなるように、EUVL用反射型マスクの基体をなすガラス基板、すなわち、図1に示すEUVL用反射型マスクブランクのガラス基板1を選択する。
このため、EUVL実施時において、EUVL用反射型マスクの基体をなすガラス基板の露光面側、すなわち、図1に示すEUVL用反射型マスクブランクのガラス基板1の成膜面側は、線熱膨張係数が0に近い状態となる。一方、EUVL用反射型マスクの基体をなすガラス基板のチャック面側、すなわち、図1に示すEUVL用反射型マスクブランクのガラス基板1の裏面側は、露光面側、すなわち、図1に示すEUVL用反射型マスクブランクのガラス基板1の成膜面側とは温度差がある。そのため、線熱膨張係数が0に近い状態とはならず、基体をなすガラス基板に歪みが生じ、EUVL用反射型マスクが静電チャックから脱離するおそれがある。
本発明では、EUVL実施時と同一条件における、EUVL用反射型マスクブランクの裏面側の平坦度をZEUVL(nm)とし、該EUVL用反射型マスクブランクの裏面側の初期平坦度をZ0(nm)とするとき、ZEUVLの絶対値が600nm以下となるように、Z0を調節する。
本明細書において、平坦度は、SEMI−P37 1102の「8.平坦度の仕様」およびその図4に定義された通り、基板の成膜面あるいは裏面それぞれの表面形状の最小二乗面を求め、実際の表面形状と最小二乗面との差異の最大値を意味する。また、平坦度は、レーザ干渉式の平坦度測定機(Fujinon社製G310S,Tropel社製Ultraflat,Zygo社製VerifireやMarkIVなど)、レーザ変位計、超音波変位計、接触式変位計などによって測定される。
ここで、「EUVL実施時と同一条件における」としているのは、EUVL実施時には、EUVL用反射型マスクブランクではなく、該マスクブランクから作製したEUVL用反射型マスクが用いられるからである。なお、後述において、「EUVL実施前と同一条件における」としているのも、同じ理由による。
なお、ZEUVLおよびZ0は、ガラス基板1の成膜面側が凸状(裏面側が凹状)になる場合の平坦度の値を正の値とし、逆に、ガラス基板1の成膜面側が凹状(裏面側が凸状)になる場合の平坦度の値を負の値とする。
上述したように、EUVL用反射型マスクを作製する際には、図1に示すEUVL用反射型マスクブランクの吸収層3をパターニングして所望の吸収体パターンを形成する。そのため、EUVL実施時における、EUVL用反射型マスクの裏面側の平坦度をZEUVL´´、および、該EUVL用反射型マスクの裏面側の初期平坦度をZ0´´とすると、これらは、EUVL用反射型マスクブランクの裏面側の平坦度に関するZEUVLおよびZ0とは通常一致しない。
上述したように、EUVL用反射型マスクブランクからEUVL用反射型マスクを作製する際には、該マスクブランクの吸収層をパターニングして吸収体パターンを形成する。
ここで、吸収体パターンを形成することによるEUVL用反射型マスクブランクの裏面側の平坦度の変化(すなわち、このパターニング前後でのEUVL用反射型マスクブランクの裏面側の平坦度の変化)をΔpat(nm)とするとき、ZEUVL´´と、ZEUVLとの関係は下記式(1)で表わされる。また、Z0´´と、Z0との関係は、下記式(2)で表わされる。
EUVL´´=ZEUVL+Δpat …… 式(1)
0´´=Z0+Δpat …… 式(2)
ここで、Δpatは、EUVL用反射型マスクブランクの吸収膜のパターニング前後でのEUVL用反射型マスクブランクの裏面側の平坦度の変化であるので、EUVL実施時と、EUVL実施前との両者の間で大きな変化が無く、ほぼ同一とみなせる。そのため、上記式(1)、(2)において、いずれも、同一の記号Δpatを使用できる。
なお、Δpatは、ガラス基板1の成膜面側が凸状(すなわち、裏面側が凹状)になる場合の平坦度変化の値を正の値とし、逆に、ガラス基板1の成膜面側が凹状(すなわち、裏面側が凸状)になる場合の平坦度変化の値を負の値とする。
また、本発明において、ZEUVLと、Z0との間には下記式(A)で示す関係が成立する。
EUVL=Z0+Δ …… 式(A)
式(A)中、ΔはEUVL実施時と同一条件におけるガラス基板のたわみ量(nm)である。
上記式(A)に基づいて、ZEUVL´´と、Z0´´との関係を表わすと、下記式(A´)で示す関係が成立する。
EUVL´´=Z0´´+Δ …… 式(A´)
上記の式(1)、(2)を式(A´)に当てはめると、以下のようになる。
EUVL+Δpat=Z0+Δpat+Δ …… 式(A´)
上記式(A´)において、ZEUVL´´と、Z0´´との関係に着目する場合、左右両辺に存在するΔpatによる影響はきわめて小さいと考えられる。ゆえに、式(A´)と、式(A)とは、同一の関係式とみなせる。
したがって、EUVL用反射型マスクの裏面側の平坦度に関するZEUVL´´と、Z0´´との関係は、EUVL用反射型マスクブランクの裏面側の平坦度に関するZEUVLと、Z0との関係として考慮できる。
但し、ΔpatがZ0の絶対値と比べてZ0´´の絶対値を大きくするように作用する場合は、Δpat(すなわち、吸収膜のパターニング前後でのEUVL用反射型マスクブランクの裏面側の平坦度の変化)を考慮して、Z0を調整することが好ましい。すなわち、Δpatの値の大きさの作用によるZ0´´(すなわち、EUVL用反射型マスクの裏面側の初期平坦度)の絶対値の増加が、最小限になるようにZ0を調整することが好ましい。
具体的には、EUVL用反射型マスクブランクの吸収層が圧縮応力を有する場合、Δpatは負の値となる。ΔpatがZ0の絶対値と比べてZ0´´の絶対値を大きくするように作用する場合には、Z0が正の値をとるように、後述する方法にてZ0を調整することが好ましい。
また、EUVL用反射型マスクブランクの吸収層が引張応力を有する場合、Δpatは正の値となる。ΔpatがZ0の絶対値と比べてZ0´´の絶対値を大きくするように作用する場合には、Z0が負の値をとるように、後述する方法にてZ0を調整することが好ましい。
本発明において、ZEUVLの絶対値が600nm以下となるように、Z0を調節するのは、以下の理由による。
EUVLの絶対値が600nm以下であれば、EUVL用反射型マスクブランクを用いて作製したEUVL用反射型マスクを用いて、EUVLを実施した際に、該反射型マスクの基体をなすガラス基板に生じる歪みが十分小さくなるため、該反射型マスクが静電チャックから脱離することがない。
ここで、静電チャックからの反射型マスクの脱離防止の観点から、ZEUVLの絶対値がより小さいことが好ましい。
このため、ZEUVLの絶対値が300nm以下となるように、Z0を調節することがより好ましく、ZEUVLの絶対値が200nm以下となるように、Z0を調節することがさらに好ましい。
また、本発明においてΔは下記式(B)で表わされる。
Δ=180×L(1−cos(πθ/360))/πθ …… 式(B)
式(B)中、Lはガラス基板1の縦横方向の寸法のうち、いずれか長い方の寸法(mm)であり、θはEUVL実施時と同一条件におけるガラス基板1のたわみ角度(°)であり、tはガラス基板1の板厚(mm)である。
そして、本発明においてθは下記式(C)で表わされる。
θ=180×L×10-9{(Tf−T0)α0〜f, avg−(Tb−T0)α0〜b, avg}/(πt) …… 式(C)
式(C)中、T0はEUVL実施前と同一条件におけるガラス基板1の成膜面および裏面の温度(℃)であり、TfはEUVL実施時と同一条件におけるガラス基板1の成膜面の温度(℃)であり、TbはEUVL実施時と同一条件におけるガラス基板1の裏面の温度(℃)であり、α0〜f, avgは温度範囲(Tf〜T0)におけるガラス基板1の平均線熱膨張係数(ppb/℃)であり、α0〜b,avgは温度範囲(Tb〜T0)におけるガラス基板1の平均線熱膨張係数(ppb/℃)である。
EUVL実施時において、ガラス基板の露光面(すなわち、成膜面)は高エネルギーのEUV光線の照射により温度が上昇するためTf>T0となる。また、EUVL実施時において、EUVL用反射型マスクの吸着保持に用いる静電チャック機構の内部に液体や気体を流通させて、該反射型マスクの基体をなすガラス基板をチャック面側から冷却するため、ガラス基板の裏面の温度Tbは成膜面の温度Tfよりも低くなる(Tf>Tb)。
なお、上記したΔ、θ、T0、Tf、および、Tbについては、図2(a)、(b)を参照することで容易に理解できる。ここで、図2(a)は、図1に示すガラス基板1のEUVL実施前と同一条件における状態を示した模式図であり、図2(b)は、該ガラス基板1のEUVL実施時と同一条件における状態を示した模式図である。なお、図2(a)に示すガラス基板1は、初期平坦度が0nmの平坦なガラス基板を想定している。
図2(a)に示すように、EUVL実施前と同一条件では、ガラス基板1の成膜面および裏面の温度がいずれも同一の温度(T0)であるため、ガラス基板1には変形が生じておらず、平坦な状態になっている。
これに対し、EUVL実施時と同一条件では、図2(b)に示すように、ガラス基板1の成膜面の温度Tfと、該ガラス基板1の裏面の温度Tbと、の間に温度差が生じる結果、ガラス基板1にたわみ角度θ、かつ、たわみ量Δの変形が生じる。
なお、図2(b)では、ガラス基板1の成膜面側が、凸状(すなわち、裏面側が凹状)になるように変形が生じているが、ガラス基板1の変形方向はこれには限定されず、ガラス基板1の成膜面側が凹状(すなわち、裏面側が凸状)になるように変形が生じている場合もある。ガラス基板1の変形方向、および、たわみ角度θは、上記式(C)により決定され、たわみ量Δは上記式(B)により決定される。
本発明では、上記式(B)によって求まるたわみ量Δと、上記式(A)との関係を用いて、ZEUVLの絶対値が600nm以下となるようにZ0を調節する。
たとえば、EUVL実施時と同一条件において、図2(b)に示すように、たわみ量Δの変形が生じてガラス基板1の裏面側が凹状になる場合、EUVL実施前と同一条件における状態を示す図2(a)において、ガラス基板1の裏面側が凸状になるように、EUVL用反射型マスクブランクの裏面側の初期平坦度Z0(nm)を調節して、ZEUVLの絶対値が600nm以下となるようにする。
また、図2(b)とは逆にガラス基板1の裏面側が凸状になるように変形が生じる場合、ガラス基板1の裏面側が凹状になるように、EUVL用反射型マスクブランクの裏面側の初期平坦度Z0(nm)を調節して、ZEUVLの絶対値が600nm以下となるようにする。
なお、図2(a)および図2(b)では、EUVL用反射型マスクブランクの基体をなすガラス基板1について、EUVL実施前と同一条件、および、EUVL実施時と同一条件における状態を示している。一方で、Z0およびZEUVLは、ガラス基板1ではなく、ガラス基板1の成膜面に反射層2および吸収層3がこの順に形成され、該ガラス基板1の裏面に導電膜4が形成されたEUVL用反射型マスクブランクの裏面側の初期平坦度、および、EUVL実施時と同一条件における該裏面側の平坦度である。
したがって、図2(a)および(b)に示すガラス基板1の形状の変化は、該ガラス基板1の成膜面に反射層2および吸収層3がこの順に形成され、該ガラス基板1の裏面に導電膜4が形成されたEUVL用反射型マスクブランクの裏面側における形状の変化に置き換えて、ZEUVLの絶対値が600nm以下となるように、EUVL用反射型マスクブランクの裏面側の初期平坦度Z0(nm)を調節することになる。
ここで、Z0の調節方法の一態様としては、裏面に導電膜4を形成する前のガラス基板1の裏面側の初期平坦度Z0´(nm)を調節する方法がある。たとえば、EUVL実施時と同一条件において、図2(b)に示すように、たわみ量Δの変形が生じてガラス基板1の裏面側が凹状になる場合、裏面に導電膜4を形成する前のガラス基板1の裏面側が凸状になるように、該ガラス基板1の裏面側を研削加工或いは研磨加工すればよい。
また、図2(b)とは逆にガラス基板1の裏面側が凸状になるように変形を生じる場合、ガラス基板1の裏面側が凹状になるように、該ガラス基板1の裏面側を研削加工或いは研磨加工すればよい。
また、Z0の調節方法の別の一態様としては、EUVL用反射型マスクブランクを構成する各層の膜応力を調節することで、EUVL用反射型マスクブランクの初期平坦度Z0(nm)を調節できる。たとえば、EUVL実施時と同一条件において、図2(b)に示すように、たわみ量Δの変形が生じてガラス基板1(すなわち、EUVL用反射型マスクブランクのガラス基板)の裏面側が凹状になる場合、該ガラス基板1の裏面に形成する導電膜4で圧縮応力を生じさせることにより、ガラス基板1(EUVL用反射型マスクブランク)の裏面側が凸状になるように変形させて、EUVL用反射型マスクブランクの初期平坦度Z0(nm)を調節できる。または、ガラス基板1の成膜面側に形成する反射層2や吸収層3で引張応力を生じさせることにより、ガラス基板1(EUVL用反射型マスクブランクのガラス基板)の裏面側が凸状になるように変形させて、EUVL用反射型マスクブランクの初期平坦度Z0(nm)を調節してもよい。または、ガラス基板1の成膜面側で、ガラス基板1と反射層2との間に引張応力を有する応力調整膜を形成することにより、ガラス基板1(EUVL用反射型マスクブランクのガラス基板)の裏面側が凹状になるように変形させて、EUVL用反射型マスクブランクの初期平坦度Z0(nm)を調節してもよい。
また、図2(b)とは逆にガラス基板1の裏面側が凸状になるように変形を生じる場合、該ガラス基板1の裏面に形成する導電膜4で引張応力を生じさせることにより、ガラス基板1(EUVL用反射型マスクブランク)の裏面側が凹状になるように変形させて、EUVL用反射型マスクブランクの初期平坦度Z0(nm)を調節できる。または、ガラス基板1の成膜面側に形成する反射層2や吸収層3で圧縮応力を生じさせることにより、ガラス基板1(EUVL用反射型マスクブランク)の裏面側が凹状になるように変形させて、EUVL用反射型マスクブランクの初期平坦度Z0(nm)を調節してもよい。または、ガラス基板1の成膜面側で、ガラス基板1と反射層2との間に圧縮応力を有する応力調整膜を形成することにより、ガラス基板1(EUVL用反射型マスクブランク)の裏面側が凹状になるように変形させて、EUVL用反射型マスクブランクの初期平坦度Z0(nm)を調節してもよい。
但し、ガラス基板1の成膜面側に形成する反射層2や吸収層3は、応力以外に光学特性などの各種特性を満足させる必要があり、これら各種要求特性を損なうことなく反射層2や吸収層3の応力を調整することは比較的困難である。そのため、ガラス基板1の裏面に形成する導電膜4の応力、あるいは、ガラス基板1の成膜面側で、ガラス基板1と反射層2との間に形成する応力調整膜の応力、を調整することにより、EUVL用反射型マスクブランクの初期平坦度Z0を調整することが好ましい。
なお、EUVL用反射型マスクブランクを構成する各層で発生する膜応力は、成膜方法や成膜条件、各層の構成材料、膜厚など公知の方法にて、調節できるが、EUVL用反射型マスクブランクを構成する各層によって適切な方法が異なる。
例えば、ガラス基板1の裏面に形成する導電膜や、ガラス基板1の成膜面側に形成する応力調整膜あるいは吸収層の場合、DCマグネトロンスパッタリング法による成膜が好ましく、スパッタ圧力、投入パワー、スパッタリングガスの種類、スパッタリングガス中の特定のガス成分の流量などの各種成膜条件の調整により、膜応力を制御できる。
一般的に、スパッタ圧力が低いほど、また投入パワーが大きいほど、ターゲットからガラス基板に飛来するスパッタリング粒子の運動エネルギーが大きくなるため、圧縮応力が大きくなる。スパッタ圧力を高くあるいは投入パワーを小さくすると、応力は減少しゼロを示し、さらにスパッタ圧力を高くあるいは投入パワーを小さくすると、ターゲットからガラス基板に飛来するスパッタリング粒子の運動エネルギーが小さくなるため、膜応力は引張応力となる。また、スパッタリングガスとしては通常アルゴンが使用されるが、アルゴン中にキセノンやクリプトンなど原子量の大きな不活性ガスを混入させると、ターゲットからガラス基板に飛来するスパッタリング粒子の運動エネルギーが小さくなる。そのため、アルゴンガス中のキセノンやクリプトンガスの混入量を調整することにより、膜応力を調整することもできる。これら膜応力の成膜条件の依存性は、膜の構成材料によって異なり、ガラス基板1の裏面に形成する導電膜4や、ガラス基板1の成膜面側に形成する応力調整膜あるいは吸収層3に適切な材料としては、クロム、酸化クロム、窒化クロム、酸窒化クロム、あるいは、タンタル(Ta)を主成分とする材料(例えば窒化タンタル、硼化タンタル、硼窒化タンタル、酸化タンタル、あるいは、酸窒化タンタルなど)が挙げられる。スパッタリングガス中の特定のガス成分の流量の調整による膜応力の調整の具体例として、DCマグネトロンスパッタ時の窒素ガス流量と、CrN膜の膜応力と、の関係を図3に示す。正の膜応力は引張応力を、負の膜応力は圧縮応力を示す。図3から明らかなように、DCマグネトロンスパッタ時のスパッタリングガス中の窒素ガス流量を変更することにより、膜応力を調整できる。
なお、EUVL用反射型マスクブランクが上述した各種機能層(保護層、バッファ層、低反射層)を有する場合、各種機能膜で発生する膜応力を調節することで、EUVL用反射型マスクブランクの裏面側の初期平坦度Z0(nm)を調節してもよい。
以下、本発明の方法により製造されるEUVL用反射型マスクブランクの構成例を示す。
ガラス基板1は、EUVL用反射型マスクブランクの基材としての特性を満たすことが要求される。
上述したように、EUVL用反射型マスクブランクの基材をなすガラス基板1は、EUV光線照射の下においても歪みが生じないよう線熱膨張係数(CTE)が小さいことが求められる。具体的には、EUVL実施時と同一条件におけるガラス基板1の成膜面および裏面の温度を含む温度域において、線熱膨張係数(CTE)が0に近いことが求められ、0±1.0×10-7/℃であることが好ましく、より好ましくは0±0.3×10-7/℃、さらに好ましくは0±0.2×10-7/℃、さらに好ましくは0±0.1×10-7/℃、特に好ましくは0±0.05×10-7/℃である。
特に、線熱膨張係数(CTE)が0ppb/℃となる温度(以下、この温度を、「クロスオーバー温度:Cross−over Temperature」といい、COTとも略す。)がEUVL実施時と同一条件におけるガラス基板1の成膜面の温度と一致していることが好ましい。
ここで、ガラス基板1がSiO2−TiO2ガラス基板の場合、ガラス基板1のクロスオーバー温度(COT)は、例えば、ガラス基板のTiO2含有量によって調節できる。
かかるSiO2−TiO2ガラス基板としては、たとえばTiOを4.0〜10.0質量%、より好ましくは、6.0〜8.0質量%、含むシリカガラスが挙げられる。
また、ガラス基板1は、平滑性、平坦度に優れ、さらには、EUVL用反射型マスクブランクやEUVL用反射型マスクの洗浄等に用いる洗浄液への耐性に優れたものが好ましい。
上記の特性を満たすガラス基板1としては、特にTiOを4.0〜10.0質量%含み、SiO2を6.0〜8.0質量%含むSiO2−TiO2ガラス基板が好ましい。
また、ガラス基板1は、表面粗さ(rms)が0.15nm以下の平滑な表面と、100nm以下の平坦度を有していることが、EUVL用反射型マスクとした際に、EUV光線に対する高反射率および転写精度が得られるために好ましい。上記表面粗さ(rms)は、原子間力顕微鏡で1μm×1μmのエリアを解像度1.95nmにて測定して求めた値である。
ガラス基板1の大きさや厚さなどはマスクの設計値等により適宜決定される。後述する実施例では、外形が152mm角の正方形で、厚さ6.35mmのSiO2−TiO2ガラス基板を想定している。
また、ガラス基板1の成膜面には欠点が存在しないことが好ましい。しかし、存在している場合であっても、凹状欠点および/または凸状欠点によって位相欠点が生じないように、凹状欠点の深さおよび凸状欠点の高さが2nm以下であり、かつこれら凹状欠点および凸状欠点の半値幅が60nm以下であることが好ましい。
EUVL用反射型マスクブランクの反射層2に特に要求される特性は、高EUV光線反射率である。具体的には、EUV光の波長領域の光線を反射層2表面に入射角度6度で照射した際に、波長13.5nm付近の光線反射率の最大値が60%以上の高EUV光線反射率特性であることが好ましく、63%以上の高EUV光線反射率特性であることがより好ましく、65%以上の高EUV光線反射率特性であることがさらに好ましい。
EUVL用反射型マスクブランクの反射層2としては、EUV波長域において高反射率を達成できる、高屈折率膜と低屈折率膜とを交互に複数回積層させた多層反射膜が広く用いられている。多層反射膜の具体例としては、高屈折率膜としてのSi膜と、低屈折率膜としてのMo膜とを交互に複数回積層させたMo/Si多層反射膜が挙げられる。
Mo/Si多層反射膜の場合に、EUV光線反射率の最大値が60%以上の反射層2とするには、膜厚2.3±0.1nmのMo層と、膜厚4.5±0.1nmのSi層とを繰り返し単位数が30〜60になるように積層させればよい。
なお、Mo/Si多層反射膜を構成する各層は、乾式成膜法、具体的にはマグネトロンスパッタリング法、イオンビームスパッタリング法などのスパッタリング法を用いて所望の厚さに成膜すればよい。例えば、イオンビームスパッタリング法を用いてMo/Si多層反射膜を形成する場合、ターゲットとしてMoターゲットを用い、スパッタリングガスとしてArガス(ガス圧1.3×10-2Pa〜2.7×10-2Pa)を使用して、イオン加速電圧300〜1500V、成膜速度0.03〜0.30nm/secで厚さ2.3nmとなるようにMo層を成膜し、次に、ターゲットとしてSiターゲットを用い、スパッタリングガスとしてArガス(ガス圧1.3×10-2Pa〜2.7×10-2Pa)を使用して、イオン加速電圧300〜1500V、成膜速度0.03〜0.30nm/secで厚さ4.5nmとなるようにSi層を成膜することが好ましい。これを1周期として、Mo層およびSi層を30〜60周期積層させることによりMo/Si多層反射膜が成膜される。
吸収層3に特に要求される特性は、EUV光線反射率が極めて低いことである。具体的には、EUV光の波長領域の光線を吸収層3表面に照射した際に、波長13.5nm付近の最大光線反射率が0.5%以下であることが好ましく、0.1%以下であることがより好ましい。
上記の特性を達成するため、EUV光線の吸収係数が高い材料で構成されることが好ましい。EUV光線の吸収係数が高い材料の具体例としては、タンタル(Ta)を主成分とする材料が挙げられる。
タンタル(Ta)を主成分とする材料で構成される吸収層の具体例としては、Taおよび窒素(N)を以下に述べる比率で含有するTaN膜からなる吸収層が挙げられる。
・Taの含有率:好ましくは50〜95at%、より好ましくは60〜90at%。
・Nの含有率:好ましくは5〜50at%、より好ましくは10〜40at%。
・TaとNとの組成比(Ta:N):8:1〜1:1。
上記組成のTaN膜の吸収層3は、その結晶状態がアモルファスであり、表面の平滑性に優れている。
上記組成のTaN膜の吸収層3であれば、吸収層3表面の表面粗さ(rms)を0.5nm以下にできる。吸収層3表面の表面粗さが大きいと、EUVL用反射型マスクを作製する際に、吸収層3に形成されるパターンのエッジラフネスが大きくなり、パターンの寸法精度が悪くなる。パターンが微細になるに従いエッジラフネスの影響が顕著になるため、吸収層3表面は平滑であることが要求される。
吸収層3表面の表面粗さ(rms)が0.5nm以下であれば、吸収層3表面が十分平滑であるため、EUVL用反射型マスクを作製する際に、エッジラフネスの影響によってパターンの寸法精度が悪化するおそれがない。
また、吸収層3の厚さは、50〜100nmが好ましい。
上記組成のTaN膜の吸収層3は、乾式成膜法、具体的にはマグネトロンスパッタリング法、イオンビームスパッタリング法などのスパッタリング法を用いて形成できる。マグネトロンスパッタリング法を用いる場合、Taターゲットを使用し、Arで希釈した窒素(N2)雰囲気中でターゲットを放電させてTaN膜の吸収層3を形成する。
上記例示した方法でTaN膜からなる吸収層3を形成するには、具体的には以下の成膜条件で実施すればよい。
・スパッタリングガス:ArとNの混合ガス(Nガス濃度3〜80vol%、好ましくは5〜30vol%、より好ましくは8〜15vol%。ガス圧0.5×10-1Pa〜10×10-1Pa、好ましくは0.5×10-1Pa〜5×10-1Pa、より好ましくは0.5×10-1Pa〜3×10-1Pa。)。
・投入電力(各ターゲットについて):30〜1000W、好ましくは50〜750W、より好ましくは80〜500W。
・成膜速度:0.1〜60nm/min、好ましくは0.1〜45nm/min、より好ましくは0.1〜30nm/min。
導電膜4は、シート抵抗が100Ω/□以下となるように、構成材料の電気伝導率と厚さを選択する。導電膜4の構成材料としては、公知の文献に記載されているものから広く選択できる。例えば、日本特表2003−501823号公報に記載の高誘電率物質層、具体的には、シリコン、TiN、モリブデン、クロム、TaSiからなる群から選択される物質層が挙げられる。また、日本再公表特許2008/072706に記載のクロムおよび窒素を含有する導電膜(CrN膜)が挙げられる。該CrN膜は、乾式成膜法、具体的には、マグネトロンスパッタリング法、イオンビームスパッタリング法といったスパッタリング法、CVD法、および、真空蒸着法といった乾式成膜法によって形成できる。該CrN膜をマグネトロンスパッタリング法により形成する場合、ターゲットをCrターゲットとし、スパッタガスをArとNの混合ガスとして、マグネトロンスパッタリングを実施すればよく、具体的には以下の成膜条件で実施すればよい。
・ターゲット:Crターゲット。
・スパッタリングガス:ArとNの混合ガス(Nガス濃度3〜45vol%、好ましくは5〜40vol%、より好ましくは10〜35vol%。ガス圧1.0×10-1Pa〜50×10-1Pa、好ましくは1.0×10-1Pa〜40×10-1Pa、より好ましくは1.0×10-1Pa〜30×10-1Pa。)。
・投入電力:30〜1000W、好ましくは50〜750W、より好ましくは80〜500W。
・成膜速度:2.0〜60nm/min。
なお、導電膜4の膜応力によってZ0を調整する場合、導電膜4の膜応力の調整は前述したように、成膜方法、成膜条件、成膜材料、成膜厚さ等を最適化することによって実施すればよい。
本実施例では、クロスオーバー温度(COT)が異なる例1〜例8のSiO2−TiO2ガラス基板について、EUVL実施時と同一条件におけるガラス基板のたわみ量Δ(nm)を、該条件におけるガラス基板の成膜面の温度(T)および裏面の温度(T)が異なる場合を想定し、上述した式(B)、(C)を用いて算出した。また、各ガラス基板について、EUVL実施時におけるパターンの位置ずれの指標とするため、EUVL実施時と同一条件におけるガラス基板の成膜面側でのパターンの伸縮量(すなわち、温度Tfから±1℃変動した場合のパターンの伸縮量)を測定した。結果を下記表に示す。
Figure 0005949777
表1中の記載はそれぞれ以下を表わす。
COT:クロスオーバー温度(℃)
TiO2含有量:ガラス基板のTiO2含有量(質量%)
0:EUVL実施前と同一条件におけるガラス基板の成膜面および裏面の温度(℃)
f:EUVL実施時と同一条件におけるガラス基板の成膜面の温度(℃)
b:EUVL実施時と同一条件におけるガラス基板の裏面の温度(℃)
CTE@T0(α0):T0でのガラス基板の線熱膨張係数(ppb/℃)
CTE@Tf(αf):Tfでのガラス基板の線熱膨張係数(ppb/℃)
CTE@Tb(αb):Tbでのガラス基板の線熱膨張係数(ppb/℃)
α0〜f, avg:温度範囲(Tf〜T0)におけるガラス基板の平均線熱膨張係数(ppb/℃)
α0〜b, avg:温度範囲(Tb〜T0)におけるガラス基板の平均線熱膨張係数(ppb/℃)
パターン伸縮量:温度Tfから±1℃変動した場合のパターンの伸縮量(nm/132mm(成膜面の品質保証領域を132mm角と想定))
θ:上述した式(C)により求まる、EUVL実施時と同一条件におけるガラス基板のたわみ角度(°)
Δ:上述した式(B)により求まる、EUVL実施時と同一条件におけるガラス基板のたわみ量(nm)
なお、ガラス基板1は外形が152mm角の正方形で、厚さ6.35mmの基板を想定した。
また、θおよびΔの値が正の場合、図2(b)に示すように、ガラス基板1の成膜面側が凸状(すなわち、裏面側が凹状)になるように変形が生じる。一方、θおよびΔの値が負の場合、ガラス基板1の成膜面側が凹状(裏面側が凸状)になるように変形が生じる。
表1から明らかなように、ガラス基板のクロスオーバー温度(COT)をEUVL実施時と同一条件におけるガラス基板の成膜面の温度(Tf)と一致させることで、EUVL実施時と同一条件におけるガラス基板の成膜面側でのパターンの伸縮がほぼ発生しない状態となった。
しかしながら、EUVL実施時と同一条件において、ガラス基板の成膜面の温度(Tf)と裏面(T)の温度と、は異なるため、ガラス基板に有意な変形が生じる。なお、本実施例では、たわみ角度(θ)およびたわみ量(Δ)の算出を容易するため、ガラス基板単体について評価したが、該ガラス基板を基体とするEUVL用反射型マスクブランクについても、同様の手順でたわみ角度(θ)およびたわみ量(Δ)を算出できる。
このため、本発明の方法により、EUVL実施時と同一条件におけるEUVL用反射型マスクブランクの裏面側の平坦度(ZEUVL)の絶対値が600nm以下となるように、EUVL用反射型マスクブランクの裏面側の初期平坦度Z0(nm)を調節する必要がある。
本発明によれば、EUVL実施時におけるEUVL用反射型マスクのガラス基板の厚さ方向における温度差による当該マスクのチャック面側での歪みを抑制できる、EUVL用反射型マスクブランクおよびEUVL用反射型マスクを製造することができる。
なお、2011年10月28日に出願された日本特許出願2011−237437号の明細書、特許請求の範囲、図面および要約書の全内容をここに引用し、本発明の開示として取り入れるものである。

Claims (10)

  1. EUV光が照射される側となる第1の表面と、当該第1の表面の反対側の面となる第2の表面とを有するEUVL用反射型マスクブランクのガラス基板において、該ガラス基板の第1の表面にEUV光線を反射する反射層およびEUV光線を吸収する吸収層が少なくともこの順に形成され、また該ガラス基板の第2の面に導電膜が形成されたEUVL用反射型マスクブランクの製造方法であって、
    下記式により求まるEUVリソグラフィ実施時と同一条件におけるEUVL用反射型マスクブランクの第2の表面側の平坦度をZEUVL(nm)とするとき、該ZEUVLの絶対値が600nm以下となるように、EUVL用反射型マスクブランクの第2の表面側の初期平坦度Z0(nm)を調節することを特徴とするEUVL用反射型マスクブランクの製造方法。
    EUVL=Z0+Δ …… 式(A)
    (上記式(A)中、Δは下記式(B)により求まるEUVリソグラフィ実施時と同一条件におけるガラス基板のたわみ量(nm)である。)
    Δ=180×L(1−cos(πθ/360))/πθ …… 式(B)
    (上記式(B)中、Lはガラス基板の縦横方向の寸法のうち、いずれか長い方の寸法(mm)であり、θは下記式(C)により求まるEUVリソグラフィ実施時と同一条件におけるガラス基板のたわみ角度(°)である。)
    θ=180×L×10-9{(Tf−T0)α0〜f, avg−(Tb−T0)α0〜b, avg}/(πt) …… 式(C)
    (上記式(C)中、T0はEUVリソグラフィ実施前と同一条件におけるガラス基板の第1の表面および第2の表面の温度(℃)であり、TfはEUVリソグラフィ実施時と同一条件におけるガラス基板の第1の表面の温度(℃)であり、TbはEUVリソグラフィ実施時と同一条件におけるガラス基板の第2の表面の温度(℃)であり(ここで、Tf>T0であり、Tf>Tbである。)、α0〜f, avgは温度範囲(Tf〜T0)におけるガラス基板の平均線熱膨張係数(ppb/℃)であり、α0〜b, avgは温度範囲(Tb〜T0)におけるガラス基板の平均線熱膨張係数(ppb/℃)であり、tはガラス基板の板厚(mm)である。)
  2. 前記吸収層をパターニングして吸収体パターンを形成することによるEUVL用反射型マスクブランクの第2の表面側の平坦度の変化をΔpat(nm)とするとき、前記ZEUVLの絶対値が600nm以下となるように、Δpatの値の大きさによるEUVL用反射型マスクの第2の表面側の初期平坦度Z0´´の絶対値の増加を、最小限にすべく前記Z0を調節する、請求項1に記載のEUVL用反射型マスクブランクの製造方法。
  3. 前記ガラス基板が、TiO2を含有するシリカガラス基板である、請求項1または2に記載のEUVL用反射型マスクブランクの製造方法。
  4. 前記反射層と、前記吸収層と、の間に前記反射層の保護層が形成されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載のEUVL用反射型マスクブランクの製造方法。
  5. 前記反射層と、前記吸収層と、の間にはバッファ層が形成されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載のEUVL用反射型マスクブランクの製造方法。
  6. 前記吸収層上にはマスクパターンの検査光に対する低反射層が形成されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載のEUVL用反射型マスクブランクの製造方法。
  7. ガラス基板の第2の表面側の初期平坦度Z0´(nm)を調節することで、前記EUVL用反射型マスクブランクの第2の表面側の初期平坦度Z0(nm)を調節する、請求項1〜6のいずれか1項に記載のEUVL用反射型マスクブランクの製造方法。
  8. 前記EUVL用反射型マスクブランクを構成する各層の膜応力を調節することで、前記EUVL用反射型マスクブランクの第2の表面側の初期平坦度Z0(nm)を調節する、請求項1〜7のいずれか1項に記載のEUVL用反射型マスクブランクの製造方法。
  9. 前記ZEUVLの絶対値が600nm以下となるように、EUVL用反射型マスクブランクの第2の表面側の初期平坦度Z0(nm)を調節する方法が、下記する(a)から(d)の群から選ばれる少なくとも1種の方法である、請求項1〜8のいずれか1項に記載のEUVL用反射型マスクブランクの製造方法。
    (a)EUVL実施時と同一条件において、EUVL用反射型マスクブランク用のガラス基板の第2の表面側が凹状に変形する場合には、該ガラス基板の第2の表面に導電膜を形成する前の該ガラス基板の第2の表面側が凸状になるように、該ガラス基板の第2の表面側を研削加工或いは研磨加工する方法。
    (b)EUVL実施時と同一条件において、EUVL用反射型マスクブランク用のガラス基板の第2の表面側が凸状に変形する場合には、該ガラス基板の第2の表面に導電膜を形成する前の該ガラス基板の第2の表面側が凹状になるように、該ガラス基板の第2の表面側を研削加工或いは研磨加工する方法。
    (c)EUVL実施時と同一条件において、EUVL用反射型マスクブランク用のガラス基板の第2の表面側が凹状に変形する場合には、該ガラス基板の第2の表面に圧縮応力を生じせしめた導電膜を形成し、ガラス基板の第2の表面側が凸状になるようにする方法。
    (d)EUVL実施時と同一条件において、EUVL用反射型マスクブランク用のガラス基板の第2の表面側が凹状に変形する場合には、該ガラス基板の第1の表面側に形成する反射層、吸収層、保護層、バッファ層、低反射層、および応力調整膜からなる群から選ばれる少なくとも1層に引張応力を生じせしめてガラス基板の第2の表面側が凸状になるようにする方法。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載のEUVL用反射型マスクブランクの製造方法により、EUVL用反射型マスクブランクを得て、該マスクブランクにおける前記吸収層をパターニングして吸収体パターンを形成することを特徴とするEUVL用反射型マスクの製造方法。
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