JP5949610B2 - 波長合分波器及び光集積回路装置 - Google Patents

波長合分波器及び光集積回路装置 Download PDF

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Description

本発明は波長合分波器及び光集積回路装置に関するものであり、例えば、光通信や光インターコネクトで用いる波長合分波器及び光集積回路装置に関するものである。
近年、大容量インターコネクトに向けた有望な技術として、Siフォトニクスが注目を集めている。Siフォトニクス技術の主な利点は光配線の断面積が数百nm角であるため、高密度集積が可能になることが挙げられる。また、Siチップ内で波長多重(WDM:Wavelength Division Multiplexing)により、光配線1本当りの伝送容量向上が期待できること等が挙げられる。
Siチップ内でWDM光信号を送受信するためには、光源、光変調器及び受光器とともに、波長合分波器が必要となる。この波長合分波器はWDM光信号を必要に応じて合波・分波させるものである。この場合、波長合分波器に求められる特性としては、低損失性、低チャネル間偏差に加え、スペクトル平坦性が挙げられる。
これらの条件を満たす素子構造として、遅延マッハ・ツェンダ干渉計(DMZI:Delayed Mach−Zehnder Interferometer)を多段にカスケード接続した波長合分波器が報告されている。米国インテル社では、DMZI型合分波器を報告している(例えば、非特許文献1参照)。
ここで、図11を参照して、従来技術を用いて形成した1×4ChのDMZI型波長合分波器を説明する。図11は従来技術を用いて形成した1×4ChのDMZI型波長合分波器の概念的平面図であり、光路長の異なる2本のアーム導波路81,82を対向させて入力端側と出力端側に光カプラ83、84を形成してDMZI80を形成する。光路長の長いアーム導波路82は、光路長の短いアーム導波路81に対して遅延導波路となる。
第1ステージのDMZI80に対して2つのDMZI80,80をカスケード接続した2段ステージのDMZIで波長合分波器を構成する。この時、2つのDMZI80,80の光路長差は、第1のDMZI80の光路長差の1/2とするとともに、一方のDMZI80に位相を制御する位相シフタ85を設けて第2のDMZI80に対してπ/2(=λ/4)の位相差を形成する。なお、この位相シフタ85は一般的には単に導波路長を調整して形成するほか、導波路幅をテーパ状に変化させて形成することもできる。
このような2段ステージ構造のDMZIで波長合分波器は、良好な合分波特性が得られるものの、スペクトル形状は放物線関数的になり、スペクトル平坦性は原理的に得られないという問題がある。
そこで、このような問題を解消するために、米国IBM社は、光路長差の異なるDMZIを助長に接続し、各DMZIにおける光結合率kを適正化し、スペクトル平坦性を得ることを提案している(例えば、非特許文献2参照)。ここで、図12を参照して、提案による改良型波長合分波器を説明する。
図12は、提案による改良型波長合分波器の概念的平面図であり、第1ステージのDMZI80に対して、光路長差が第1ステージのDMZI80より大きく且つ互いに位相差を有する2つのDMZI80,80を直列に接続する。また、第2ステージの2つのDMZI80,80にもそれぞれ光路長差が第2ステージのDMZI80,80より大きく且つ互いに位相差を有する2つのDMZI80,80を直列に接続する。なお、DMZI80及びDMZI80には位相シフタ85,85が形成されている。ここで、各光カプラ83〜83,84〜84の光結合係数kを図に示すように設定することによってスペクトル平坦性を得ている。
また、DMZIの光路長の短い方のアーム導波路にリング共振器を光結合させて、オールパス型リング共振器(AP−MRR:All−Pass MicroRing Resonator)を構成することによって、スペクトル平坦性が得られることが知られている(例えば、特許文献1参照)。
図13は、従来のオールパス型リング共振器の説明図であり、図13(a)は概念的平面図であり、図13(b)は光カプラからの光出力特性の説明図である。図13(a)に示すように、光路長の異なる2本のアーム導波路91,92を対向させて入力端側と出力端側に光カプラ93,94を形成したDMZI90の光路長の短いアーム導波路91にリング共振器96を光結合してAP−MRRを形成する。光カプラ93の入力ポートに複数の波長λ〜λを含む波長多重光を入射すると、光カプラ94の2つの出力ポートから、1チャネル毎に振り分けられてλ,λ,λ及λ,λ,λとして出力される。
また、図13(b)に示すように、ほぼ全波長に対して平坦な透過スペクトル特性を示している。
特開2000−298222号公報
OSA Optics Letters,vol.33,no.5,pp.530−532、2008年3月 国際会議OFC/NFOEC,2010,OWJ3,2010年3月
しかし、図11に示す波長合分波器の場合には、上述のようにスペクトル平坦性が原理的に得られないという問題がある。また、図12に示す改良型の波長号分波器はスペクトル平坦性は得られるものの、各DMZI段の光カプラにおける光結合率kの制御点数が多いほか、DMZIの数が必然的に増え、素子サイズが増すという問題がある。
さらに、場合によっては、素子加工精度に伴う変形による特性劣化を補正する必要性が出てくるが特性劣化を補正するために、光出力のモニタリングが必要になる。しかし、過去の報告例の場合、モニタリングを行うことが極めて困難であり、実用上問題となる。
また、図13に示したAP−MRRも単独では、波長の異なる複数の光信号を合成して波長多重光を生成するとともに、波長多重光を分波して各波長毎の光信号を生成する波長合分波器としての機能を実現することはできないという問題がある。また、このAP−MRRをカスケード接続したとしても、スペクトル平坦性と低クロストーク特性を実現するための条件設定が非常に困難であるという問題がある。
したがって、波長合分波器及び光集積回路装置において、素子サイズの増大の抑制とスペクトル平坦性の向上を両立するとともに、光出力のモニタリングを可能にすることを目的とする。
開示する一観点からは、光路長の異なる2本のアーム導波路を対向させて入力端側と出力端側に光カプラを形成した第1の遅延マッハ・ツェンダ干渉計と、前記相対的に光路長が短いアーム導波路に光結合されたアド・ドロップ型リング共振器と、前記第1の遅延マッハ・ツェンダ干渉計の一方の光カプラを介してカスケード接続され、前記第1の遅延マッハ・ツェンダ干渉計の光路長差の1/2の光路長差の第2の遅延マッハ・ツェンダ干渉計及び第3の遅延マッハ・ツェンダ干渉計と、前記第2の遅延マッハ・ツェンダ干渉計及び第3の遅延マッハ・ツェンダ干渉計の一方に設けられた第1の位相シフタと、を少なくとも備え、前記アド・ドロップ型リング共振器のアドポート側の光結合率が、ドロップポート側への光結合率の10倍〜30倍であることを特徴とする波長合分波器が提供される。
また、開示する別の観点からは、上述の波長合分波器と、前記波長合分波器のカスケード接続を構成する最終段の各遅延マッハ・ツェンダ干渉計の出力端に受光器を接続して形成した受光器アレイとを備えたことを特徴とする光集積回路装置が提供される。
開示の波長合分波器及び光集積回路装置によれば、素子サイズの増大の抑制とスペクトル平坦性の向上を両立と、光出力のモニタリングが可能になる。
本発明に至る前の検討例の説明図である。 検討例の波長合分波器の透過スペクトル特性図である。 本発明の実施の形態の波長合分波器の説明図である。 本発明の実施例1の波長合分波器の概念的平面図である。 本発明の実施例1の波長合分波器の製造工程の説明図である。 本発明の実施例2の波長合分波器の概念的平面図である。 本発明の実施例3の光集積回路装置の概念的平面図である。 ヒータの説明図である。 モニターの原理及び透過スペクトル特性の説明図である。 1つのチャネルの透過スペクトル特性とクロストークの改善効果の説明図である。 従来技術を用いて形成した1×4ChのDMZI型波長合分波器の概念的平面図である。 提案による改良型波長合分波器の概念的平面図である。 従来のオールパス型リング共振器の説明図である。
ここで、図1乃至図3を参照して、本発明の実施の形態の波長合分波器を説明する。図1は、本発明に至る前の検討例の説明図であり。ここでは、図13に関して説明したAP−MRRを用いた波長合分波器について検討した。図1は、検討例の説明図であり、図1(a)は検討例の波長合分波器の概念的平面図であり、図1(b)は、アンチレゾナンス条件の説明図である。
図1(a)に示すように、第1ステージのDMZI80にリング共振器86を光結合してAP−MRRを形成するとともに、カスケード接続する第2ステージのDMZI80,80を従来と同じ構造にしたものである。この場合、第1ステージのDMZI80とAP−MRRとの光結合は、リング共振器86のサイズ及び形状で決まる共振(レゾナンス)の影響を受けないようにアンチレゾナンス条件を満たす必要がある。即ち、図1(b)に示すように、AP−MRRのFSR(Free Spectral Range)をチャネル間隔に合わせ、且つ、その中心波長λMRRをπラジアンシフトさせる必要がある。
このように、第1ステージのDMZI80とリング共振器86によるAP−MRRがアンチレゾナンス条件を満たすと、図2に示すように、放物線型ではなく箱型の平坦な透過スペクトル特性が得られ、その結果、過剰損が生じなくなる。なお、ここでは、チャネル間隔を400GHzとし、光結合効率kMAを0.75とした計算例を示している。
しかし、図1(a)に示した構造の波長合分波器は、作製段階でDMZI80とリング共振器86との間に一定の位相誤差が生じると、透過スペクトル特性の劣化が避けられないという問題がある。さらに、入力チャネルからの光導波路が全て出力チャネルにつながっているため、合分波特性をモニターすることは極めて困難である。そのため、位相差が発生している場合に、劣化した透過スペクトル特性を補正することも容易ではない。
そこで、本発明者は鋭意検討の結果、第1ステージのDMZIに結合するリング共振器をアド・ドロップ型リング共振器(AD−MRR:Add−Drop MicrRing Resonator)とすることで、上述の問題を解決した。
図3は、本発明の実施の形態の波長合分波器の説明図であり、ここでは、1×4ChのDMZI型波長合分波器として説明する。図3(a)は本発明の実施の形態の波長合分波器の概念的平面図であり、図3(b)は、透過スペクトル特性図である。図3(a)に示すように、光路長の異なる2本のアーム導波路11,12を対向させて入力端側と出力端側に光カプラ13、14を形成してDMZI10を形成する。光路長の長いアーム導波路12は、光路長の短いアーム導波路11に対して遅延導波路となり、両者の光路長差によりチャネル間隔が規定される。
本発明においては、光路長の短いアーム導波路11にリング導波路からなるリング共振器16を光結合させるとともに、光路長の短いアーム導波路11と対向する側に導波路17を光結合させてアド・ドロップ型のリング共振器とする。この場合もアンチレゾナンス条件を満たすように設計する。
第1ステージのDMZI10に対して従来と同様に2つのDMZI10,10をカスケード接続した2段ステージ構造のDMZIで波長合分波器を構成する。この時、2つのDMZI10,10の光路長差は、第1のDMZI10の光路長差の1/2とするとともに、一方のDMZI10に位相を制御する位相シフタ15を設けて第2のDMZI10に対してπ/2(=λ/4)の位相差を形成する。なお、この位相シフタ15は一般的には単に導波路長を調整して形成する。
ここで、光路長の短いアーム導波路11とリング共振器16との光結合効率、即ち、アドポート側の光結合効率kMAと導波路17とリング共振器16との光結合効率、即ち、ドロップポート側の光結合効率kMBを非対称に設定する。
光結合効率kMAとは65%以上とし、光結合効率kMBは6.5%以下にし、且つ、kMA≫10kMBに設定する。kMA<10kMBの場合には、ドロップポートへの光の取り出しが大きすぎて過剰損が増大するとともに透過スペクトル特性の平坦性が失われる。一方、kMBは3%よりは大きく設定することが望ましく、kMBが小さすぎると、ドロップポート側への取り出し量が少なすぎて十分なモニター出力が得られなくなる。
図3(b)は、チャネル間隔を400GHzとし、kMA=0.75(75%)、kMB=0.05(5%)に設定した場合の透過スペクトル特性図であり、図2に示した透過スペクトル特性とほぼ同様なスペクトル平坦性が得られることがわかる。また、このAD−MRRに伴う過剰損失は約0.05dBに過ぎず、ほとんど合分波特性に影響を与えない。
このように、第1ステージのDMZIにアド・ドロップ型のリング共振器を光結合してカスケード接続構造の波長合分波器とすることにより、小型サイズで、低損失かつ平坦な透過スペクトル特性を有し、且つ、モニタリングによる波形補正も可能になる。
なお、モニタリングのためには、導波路17の出力端にフォトダイオード等の受光素子を設ければ良い。また、モニタリングによる波形補正のためには、リング共振器16の屈折率を変えれば良く、加熱して良いし、紫外線を照射しても良いし、或いは、リング導波路のコア層に電流を注入しても良い。
リング共振器16を加熱する場合には、Ti等を用いたヒータパターンをリング共振器16の上に設ければ良く、パターン形状としては、通常のヒータのような蛇行パターンでも良いし、或いは、リング共振器16の形状に沿った形状のパターンでも良い。
また、図3(a)の場合には、1×4Ch構成で示しているが、第2ステージの後段に第3ステージのDMZI等を更にカスケード接続して多段構造の波長合分波器としても良い。その場合、各ステージに設ける位相シフタ15の位相シフト量は、チャネル間隔を均等に分割するように設定する必要がある。
また、最終段のDMZIの各出力端にフォトダイオード等の受光素子を設けることによって、パッシブ型の光集積回路装置を構成することができる。なお、このような各導波路構造は、一般的には、コア層として単結晶シリコンを用い、クラッド層としてSiOを用いる。
次に、図4及び図5を参照して、本発明の実施例1の波長合分波器を説明する。図4は、本発明の実施例1の波長合分波器の概念的平面図である。図4に示すように、光路長の異なる2本のアーム導波路21,22を対向させて入力端側と出力端側に光カプラ23、24を形成してDMZI20を形成する。ここで、1.55μm近傍の波長でチャネル間隔を400GHzとした場合、DMZI20の光路長差LD1を90μmとする。
光路長の短いアーム導波路21にリング導波路からなるリング共振器26を光結合させるとともに、光路長の短いアーム導波路21と対向する側に導波路27を光結合させてアド・ドロップ型のリング共振器とする。この場合のリング共振器26の周回長LM1を180μmとする。
この場合もアンチレゾナンス条件を満たすように設計し、kMA=0.75、kMB=0.05に設定する。
このような光結合率に設定するためには、方向性結合器を形成し、それぞれの結合導波路の間隔を調整するものであり、結合導波路長を14μmとした場合、所望の光結合率を得るための結合導波路間の間隔(Gap)はそれぞれ0.16μm及び0.35μmになる。
また、第1ステージのDMZI20に対して2つのDMZI20,20をカスケード接続して2段ステージ構造のDMZIで1×4Chの波長合分波器を構成する。この時、2つのDMZI20,20の光路長差は、それぞれ45μmとし、DMZI20に光路長を若干長くした位相シフタ25を設けてDMZI20に対してπ/2(=λ/4)の位相差を形成する。
次に、図5を参照して、本発明の実施例1の波長合分波器の製造工程を説明するが、ここでは、一つの導波路部の断面構造で説明する。まず、図5(a)に示すように、シリコン基板31上にSiO膜32を介して厚さが0.25μmの単結晶シリコン層33を設けたSOI基板を準備する。
次いで、図5(b)に示すように、露光プロセスによって幅が0.48μmの導波路ストライプ構造のレジストパターン34を形成し、ドライエッチングを行ってコア層35を形成してチャネル導波路構とする。次いで、図5(c)に示すように、レジストパターン34を除去したのち、全面にSiO膜36を堆積することによってクラッド層とする。
なお、図5(d)に示すように、コア層を形成する際に、0.05μmの高さのスラブ部37を残すことによりリブ導波路構造としても良い。このように、コア層35の両脇にスラブ部37を形成しておくと、電流注入により導波路の屈折率を変えることができる。
このように、本発明の実施例1においては、第1ステージのDMZIにリング導波路を光結合してアド・ドロップ型のリング共振器を形成しているので、サイズの小型化と平坦な透過スペクトル特性を両立することができる、且つ、モニタリングも可能になる。
次に、図6を参照して、本発明の実施例2の波長合分波器を説明するが、この実施例2の波長号分波器は、実施例1の波長合分波器の出力ポートに第3ステージのDMZIをカスケード接続したものである。
図6は、本発明の実施例2の波長合分波器の概念的平面図であり、実施例1の波長合分波器の第2ステージのDMZI20,20にそれぞれ第3ステージのDMZI20〜20をカスケード接続する。この時、第3ステージのDMZI20〜20の光路長差は第2ステージのDMZI20,20の光路長差の1/2の22.5μmとする。また、DMZI20に設ける位相シフタ25は、DMZI20に対して+π/2の位相差が形成されるようにする。
また、DMZI20に設ける位相シフタ25は、位相差が−π/4になるように設定し、DMZI20に設ける位相シフタ25は、位相差が+π/4になるように設定する。
このように、設定することによって、400GHzのチャネル間隔に波長が均等にずれた8つのチャネルを構成することができる。なお、更に多段にカスケード接続する場合には、順次光路長差を1/2にするとともに、各位相シフタによる位相差が順次±1/2だけ細分化するように設定する。
次に、図7乃至図10を参照して、本発明の実施例3の光集積回路装置を説明する。図7は本発明の実施例3の光集積回路装置の概念的平面図であり、実施例1の波長合分波器の各出力端にフォトダイオードを接続したものである。また、ここでは、リング導波路上にヒータを設けて屈折率を変化させて位相制御を可能にしている。
図7に示すように、第2ステージのDMZI20,20の各出力ポートにフォトダイオード40〜40を接続するとともに、ドロップポート側の導波路27の出力端にもモニター用のフォトダイオード40を設けたものである。この場合の各フォトダイオード40〜40は、各出力ポートのコア層にバッドジョイント結合するようにゲルマニウム層を成長させてpin構造のフォトダイオードを形成すれば良い。また、リング共振器26の上には、投影的に重なるようにヒータ50を設ける。
図8は、ヒータの説明図であり、図8(a)は概略的平面図であり、図8(b)は図8(a)におけるA−A′を結ぶ一点鎖線に沿った概略的断面図である。図に示すように、クラッド層となるSiO膜36の上にTiパターン51を形成し、全面を再びSiO膜52で覆ったのち、Tiパターン51の端部にAlコンタクト53を設けてヒータ50とする。
このように、ドロップポート側に接続したフォトダイオード40を波長制御用モニターとして用いると、DMZI20とリング共振器26との間に意図しない位相ズレが生じても、そのズレを定量的にモニターできる。また、モニターした結果に基づいてヒータ50に流す電流量を制御することで、位相ズレを補償して劣化したスペクトル特性を補正することができる。なお、加熱により温度が上昇すると屈折率が高くなり、波長が長波長側にシフトする。
図9は、モニターの原理及び透過スペクトル特性の説明図である。図10(a)に示すように、作製工程の位相ズレに応じて透過スペクトル特性が大幅に劣化する。この場合、特性劣化の度合いは、モニター用のフォトダイオード40に流れる電流値を観測すれば良い。
アンチレゾナンス条件を満たす場合、フォトダイオード40に流れる電流値は最小となるため、図9(b)に示すように、ヒータ50を駆動してフォトダイオード40に流れる電流値が最小になるまで調整する。その結果、図9(c)に示すように、所望の波長合分波特性を得ることができる。つまり、フォトダイオード40に流れる電流量が最小になるように制御するだけで、平坦な透過スペクトル特性を得ることができるため、極めて簡便に波形制御を行うことができる。
図10は、1つのチャネルの透過スペクトル特性とクロストークの改善効果の説明図であり、図10(a)は透過スペクトル特性を示し、図10(b)は、クロストークを示している。図10(a)に示すように、モニター構造とヒータを設けることにより、製造工程で発生する位相ズレを補償しているので、図11に示した従来構造の波長合分波器の特性に比べて低損失で平坦な透過スペクトル特性が得られる。
また、図10(b)に示すクロストークXTも、-1dBと-10dBに対する帯域幅の比で定義されるシェイプファクタは〜0.74と見積もられ、従来素子の場合と比べて2倍以上大きくなっている。また、透過スペクトル平坦性により、一定値以下のXTが得られる帯域幅も広がる。この場合、全チャネルにおけるXTが-10dB以下となる帯域幅は、本発明素子の場合、2.4nm(波長間隔の75%)と見積もられ、従来素子の場合よりは2倍以上大きくなっている。
ここで、実施例1乃至実施例3を含む本発明の実施の形態に関して、以下の付記を付す。(付記1)光路長の異なる2本のアーム導波路を対向させて入力端側と出力端側に光カプラを形成した第1の遅延マッハ・ツェンダ干渉計と、前記相対的に光路長が短いアーム導波路に光結合されたアド・ドロップ型リング共振器と、前記第1の遅延マッハ・ツェンダ干渉計の一方の光カプラを介してカスケード接続され、前記第1の遅延マッハ・ツェンダ干渉計の光路長差の1/2の光路長差の第2の遅延マッハ・ツェンダ干渉計及び第3の遅延マッハ・ツェンダ干渉計と、前記第2の遅延マッハ・ツェンダ干渉計及び第3の遅延マッハ・ツェンダ干渉計の一方に設けられた第1の位相シフタと、を少なくとも備え、前記アド・ドロップ型リング共振器のアドポート側の光結合率が、ドロップポート側への光結合率の10倍〜30倍であることを特徴とする波長合分波器。
(付記2)前記アドポート側の光結合率が、65%以上であり、且つ、ドロップポート側の光結合率が6.5%以下であることを特徴とする付記1に記載の波長合分波器。
(付記3)前記第2の遅延マッハ・ツェンダ干渉計の前記カスケード接続の下流側にある光カプラに、前記第2の遅延マッハ・ツェンダ干渉計の光路長差の1/2の光路長差の第4の遅延マッハ・ツェンダ干渉計及び第5の遅延マッハ・ツェンダ干渉計をカスケード接続するとともに、前記第4の遅延マッハ・ツェンダ干渉計及び第5の遅延マッハ・ツェンダ干渉計の一方に第2の位相シフタを設け、且つ、前記第3の遅延マッハ・ツェンダ干渉計の前記カスケード接続の下流側にある光カプラに、前記第3の遅延マッハ・ツェンダ干渉計の光路長差の1/2の光路長差の第6の遅延マッハ・ツェンダ干渉計及び第7の遅延マッハ・ツェンダ干渉計をカスケード接続するとともに、前記第6の遅延マッハ・ツェンダ干渉計及び第7の遅延マッハ・ツェンダ干渉計に互いに位相シフト量が逆になる第3の位相シフタ及び第4の位相シフタを設けたカスケード接続構造を順次多段に構成することを特徴とする付記1または付記2に記載の波長合分波器。
(付記4)前記ドロップポートの出力端にモニター用受光器を設けたことを特徴とする付記1乃至付記3のいずれか1に記載の波長合分波器。
(付記5)前記アド・ドロップ型リング共振器の少なくとも一部を投影的に覆うように加熱部材を設けたことを特徴とする付記4に記載の波長合分波器。
(付記6)前記アーム導波路及びアド・ドロップ型リング共振器のコア層がシリコン単結晶からなり、前記コア層を覆うクラッド層がSiOからなることを特徴とする付記1乃至付記5のいずれか1に記載の波長合分波器。
(付記7)付記1乃至付記6のいずれか1に記載の波長合分波器と、前記波長合分波器のカスケード接続を構成する最終段の各遅延マッハ・ツェンダ干渉計の出力端に受光器を接続して形成した受光器アレイとを備えたことを特徴とする光集積回路装置。
10〜10 DMZI
11〜11,12〜12 アーム導波路
13〜13,14〜14 光カプラ
15 位相シフタ
16 リング共振器
17 導波路
20〜20 DMZI
21〜21,22〜22 アーム導波路
23〜23,24〜24 光カプラ
25,25〜25 位相シフタ
26 リング共振器
27 導波路
31 シリコン基板
32 SiO
33 単結晶シリコン層
34 レジストパターン
35 コア層
36 SiO
37 スラブ部
40〜40 フォトダイオード
50 ヒータ
51 Tiパターン
52 SiO
53 Alコンタクト
80〜80 DMZI
81〜81,82〜82 アーム導波路
83〜83,84〜84 光カプラ
85,85,85,85 位相シフタ
86 リング共振器
90 DMZI
91,92 アーム導波路
93,94 光カプラ
96 リング共振器

Claims (5)

  1. 光路長の異なる2本のアーム導波路を対向させて入力端側と出力端側に光カプラを形成した第1の遅延マッハ・ツェンダ干渉計と、
    前記相対的に光路長が短いアーム導波路の光結合されたアド・ドロップ型リング共振器と、
    前記第1の遅延マッハ・ツェンダ干渉計の一方の光カプラを介してカスケード接続され、前記第1の遅延マッハ・ツェンダ干渉計の光路長差の1/2の光路長差の第2の遅延マッハ・ツェンダ干渉計及び第3の遅延マッハ・ツェンダ干渉計と、
    前記第2の遅延マッハ・ツェンダ干渉計及び第3の遅延マッハ・ツェンダ干渉計の一方に設けられた第1の位相シフタと、
    を少なくとも備え、
    前記アド・ドロップ型リング共振器のアドポート側の光結合率が、ドロップポート側への光結合率の10倍〜30倍であることを特徴とする波長合分波器。
  2. 前記アドポート側の光結合率が、65%以上であり、且つ、ドロップポート側の光結合率が6.5%以下であることを特徴とする請求項1に記載の波長合分波器。
  3. 前記ドロップポートの出力端にモニター用受光器を設けたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の波長合分波器。
  4. 前記アド・ドロップ型リング共振器の少なくとも一部を投影的に覆うように加熱部材を設けたことを特徴とする請求項3に記載の波長合分波器。
  5. 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の波長合分波器と、
    前記波長合分波器のカスケード接続を構成する最終段の各遅延マッハ・ツェンダ干渉計の出力端に受光器を接続して形成した受光器アレイと
    を備えたことを特徴とする光集積回路装置。
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