JP2003014958A - 導波路型光合分波回路 - Google Patents

導波路型光合分波回路

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JP2003014958A
JP2003014958A JP2001198417A JP2001198417A JP2003014958A JP 2003014958 A JP2003014958 A JP 2003014958A JP 2001198417 A JP2001198417 A JP 2001198417A JP 2001198417 A JP2001198417 A JP 2001198417A JP 2003014958 A JP2003014958 A JP 2003014958A
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waveguide
arm
arc
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mzi
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JP2001198417A
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Tsutomu Kito
勤 鬼頭
Manabu Oguma
学 小熊
Yasuyuki Inoue
靖之 井上
Yoshinori Hibino
善典 日比野
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生産性及び設計性の良好な導波路型光合分波
回路を実現すること。 【解決手段】 MZIの複数のアーム導波路801、8
02を各々1つの円弧を含むように構成する。各アーム
導波路の円弧は変曲点を持たない形状のものであり、各
円弧の凸方向をアーム間で互いに同じ方向にする。これ
により、アーム間隔は円弧の間隔にほぼ一定となり、生
産性が向上する。光路長差は円弧に隣接した直線導波路
の長さ(図10参照)や円弧の曲率半径の差(図11参
照)等で与えることができ、設計性が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は導波路型光合分波回
路に関し、更に詳しくは、平面光導波路で構成されたマ
ッハツエンダ光干渉型フィルタにおいて、複数のアーム
を全て変曲点を持たない円弧を含む形状にすることによ
り、回路サイズの小型化を図るとともに高い収率を得る
ものである。
【0002】
【従来の技術】現在、通信容量の拡大のために複数の光
波長を用いた光波長多重通信システムの開発が盛んであ
る。この光波長多重通信システムにおいて、送信機側で
複数の波長の光信号を合波したり、受信機側で1本の光
ファイバ中の複数の光信号を異なるポートに分波する光
波長合分波回路として、マッハツエンダ光干渉型フィル
タ(以下、MZIと略す)及びMZIを多段に構成した
ラティス・フィルタが広く使用されている。
【0003】従来技術に係るMZI(導波路型光合分波
回路)の回路構成を図1に示す。入力導波路101に入
射された光は、第1のカプラ102で2本のアーム導波
路103、104に分波する。アーム間の光路長差ΔL
によって一方の信号光は位相遅れを生じる。ここで、ア
ーム導波路103は複数の円弧で構成され、変曲点を持
つ略S字形状をなしている。アーム導波路104は直線
によって構成されている。入力導波路101と出力導波
路106、107は対向している。特に、入力導波路1
01と出力導波路107は直線上で正対している。
【0004】そして、両方の信号光が第2のカプラ10
5で再び合波・干渉することにより、図2に示す透過ス
ペクトル特性が得られる。即ち、入力導波路101から
入射した波長多重された信号光は、図2の透過スペクト
ル特性の周期(チャネル間隔)Δfで、群分波すること
ができる。Δfは次式(3)を用いて設計することがで
きる。 Δf=c/(2・ng ・ΔL) ・・・式(3) 式(3)中、Δfはチャネル間隔、ng は群屈折率、c
は光速、ΔLは光路長差を表す。合波の場合は、例えば
出力導波路106、107に入射された光は、第2のカ
プラ105で各々2本のアーム導波路103、104に
分波し、アーム間の光路長差ΔLによって一方の信号光
が位相遅れを生じた後、両方の信号光が第1のカプラ1
02で再び合波・干渉することになる。
【0005】従って、光路長差ΔLは設計上、極めて重
要な設計パラメータである。例えば、チャネル間隔Δf
=50GHzのMZIを設計する場合、ΔLは2.03
mmとなり、狭チャネル間隔のMZIでは長いΔLが必
要である。その結果、回路サイズが大きくなり、1枚の
ウエハからMZIを製造できる収量(あるいは収率)が
低減する。
【0006】また、図1の回路構成において、光路長差
ΔLは次の式(4)によって与えられる。 ΔL=4・R・(θ−sin θ) ・・・式(4) ここで、Rは円弧の曲率半径、θは円弧の内角を表し、
アーム導波路103は曲率半径Rと内角θが同じ4つの
円弧で構成されているものとし、4・R・θはアーム導
波路103の光路長、4・R・sin θはアーム導波路1
04の光路長である。
【0007】従って、正確なチャネル間隔Δfを得るに
は、式(4)の非線型方程式を数値計算によって解く必
要があり、MZIの設計に困難さを伴う。
【0008】更に、MZIを構成するカプラとして、通
常、図3に示す構成の方向性結合器301が用いられ
る。この方向性結合器301では、入力導波路302に
入射した光は入射側の展開部303を通過し、隣接する
2本の導波路からなる結合部304を経て、再び出射側
の展開部305を通過し、出射導波路306、307よ
り出力される。展開部303は入力導波路302を結合
部304に導くために設けられ、展開部305は結合部
304を出力導波路306、307に導くために設けら
れる。図4は結合部304の長さ(結合長)とカプラの
結合率との関係を示す。
【0009】図4に示すように、カプラの結合率は結合
長に対して正弦的に変化する。但し、y切片(結合長が
ゼロの時の結合率)がゼロにならないことにより、展開
部303、305のみで構成された、結合部304が存
在しない方向性結合器においても、結合率はゼロになら
ない。このことは、展開部303、305が付加的な結
合(光学的クロストーク)を与えていることを意味す
る。結合部304の長さがゼロの場合の方向性結合器を
伝搬する光の強度分布を、より視覚的に明らかにするた
め、ビーム伝搬法を用いて計算した。図5はその計算結
果を示す。図5中、太い白部分501は入射光の大部分
が分波することなく伝搬している経路を表し、細く淡い
白部分502は入射光の一部が途中で分波して伝搬して
いる経路を表す。
【0010】特に、微小な光路長差ΔLを持つMZIを
設計する場合、図1の回路構成から推察されるように、
アーム間隔も狭くなる。しかし、上述した展開部30
3、305による光学的クロストークをできるだけ避け
るためには、アーム間隔を十分大きく設定する必要があ
る。
【0011】更に、図6に示す構成のMZI(導波路型
光合分波回路)は、熱光学効果を用いて中心波長を設定
するためのヒータ電極601、602をアーム導波路6
03、604に装荷したものである。各アーム導波路6
03、604は埋め込み構造であり、各ヒータ電極60
1、602の直下に存在する。図6中、入力導波路60
5、第1のカプラ606、アーム導波路603、60
4、第2のカプラ607、出力導波路608、609は
各々、図1に示したMZIの入力導波路101、第1の
カプラ102、アーム導波路103、104、第2のカ
プラ105、出力導波路106、107に相当する。
【0012】図7は、図6のヒータ電極602に垂直な
線分aa’で切断した2次元断面の熱分布を示す。多数
の白線は各々等温線であり、ヒータ電極直下部分701
が最も高温であり、深さ方向Yに行くほど温度が下が
る。しかし、図7から、熱分布は深さ方向Yのみなら
ず、横方向X(隣のアーム導波路へ向かう方向)にも拡
散する様子が分かる。従って、一方のアームに他方のア
ームから熱的クロストークの影響を及ぼさないようにす
るため、アーム間隔を十分に大きく設定する必要があ
る。
【0013】上述の2つの理由によって、MZIのアー
ム間隔は光学的クロストーク及び熱的クロストークを避
けるため、十分に離す必要がある。しかし、この必要条
件によっても、MZIの回路サイズが制約を受け、小型
化が難しくなっている。
【0014】更に、図1に示した従来のMZIは、光遅
延部をS字形状のアーム導波路103と直線のアーム導
波路104で構成されているため、アーム間隔がカプラ
102、105間で一定ではなく、中間部分でアーム間
隔が極端に大きく、この傾向は光路長差ΔLの増大と共
に顕著であるため、屈折率分布、コア厚のウエハ面内分
布等の製造偏差の影響を受けやすいという問題を有して
いる。これは図6のMZIでも同様である。
【0015】更にまた、図1のMZIに光ファイバを接
続する場合、入力導波路101と出力導波路106、1
07が対向しているため、光ファイバとこれら入出力導
波路間に漏れ光が生じた場合、漏れ光が透過スペクトル
特性の劣化をもたらす。図6のMZIも同様である。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
のMZIは解決すべき種々の課題を持っている。即ち、
1つは、狭チャネル間隔化あるいはクロストークを避け
ることによる大きな回路サイズと、これに伴うウエハ当
たりの収率の劣化である。別の課題は、光路長差ΔLが
式(4)で与えられることによる設計の困難さである。
更に別の課題は、漏れ光による透過スペクトル特性の劣
化である。また別の課題は、製造偏差の影響を受けやす
いことである。本発明の目的は、これらの課題を解決
し、製造性の良いMZIを提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明では、導波路型光
合分回路を構成するMZIにおいて、アーム導波路の形
状を以下のように改善することにより、上記目的を達成
する。
【0018】請求項1に係る発明の導波路型光合分回路
は、平面基板上の屈折率の高いコアとその回りのクラッ
ドからなる光導波路を用いて構成され、光結合器とその
光結合器を結ぶ複数のアームからなるMZIにおいて、
前記アームが各々1つの円弧を含み、前記円弧は変曲点
を持たない形状であり、前記円弧の凸方向がアーム間で
互いに同じ方向であることを特徴とする。
【0019】請求項2に係る発明は、請求項1に係る発
明において、アーム間で前記円弧の曲率半径及び内角が
互いに等しく、アーム間での前記円弧の間隔をS、前記
円弧の内角をθとするとき、前記円弧に隣り合う直線導
波路によって、光路長差ΔLが ΔL=S・tan(θ/2) ・・・式(1) で与えられることを特徴とする。
【0020】請求項3に係る発明は、請求項1に係る発
明において、アーム間で前記円弧の曲率半径が互いに異
なり、かつ、前記円弧の内角が互いに等しく、アーム間
での前記円弧の間隔をS、前記円弧の内角をθとすると
き、光路長差ΔLが ΔL=S・θ ・・・式(2) で与えられることを特徴とする。
【0021】請求項4に係る発明は、請求項1から3い
ずれかに係る発明において、前記MZIが多段に構成さ
れていることを特徴とする。
【0022】請求項5に係る発明は、請求項1から4い
ずれかに係る発明において、前記MZIがシリコン基板
上の石英系ガラス光導波路で構成されていることを特徴
とする。
【0023】以上のように、本発明では、円弧の幾何学
的形状に着目し、アーム導波路を円弧で構成することに
より、製造上及び設計上の問題点を解消する。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。
【0025】[第1の実施形態]図8に、本発明の第1
の実施形態に係る導波路型光合分回路の回路構成を示
す。図8に示す導波路型光合分回路は、MZIの複数
(図では2本)のアーム導波路801、802がともに
円弧によって構成されたものである。具体的には、アー
ム導波路801、802の各々は1つの円弧を含み、各
円弧は変曲点を持たない形状のものであり、各円弧の凸
方向がアーム間で互いに同じ方向(図では上向き)であ
る。円弧の内角は、円弧の両端と円弧中心点とを結ぶ2
本の線分がなす角度である。
【0026】この場合、図9(A)に示すように、多数
の導波路型光合分回路(MZI)901を平面上に集積
して製造する場合、1つの導波路型光合分回路901の
上向きに凸なアームの下方に、別の導波路型光合分回路
901の上向きに凸なアームを織り込んでレイアウトす
ることが可能である。導波路型光合分回路901は、図
8に示した回路構成のものである。アームが逆に下向き
に凸である場合は、1つの導波路型光合分回路の下向き
に凸なアームの上方に、別の導波路型光合分回路の下向
きに凸なアームを織り込んでレイアウトする。そのた
め、従来の導波路型光合分回路に比べ、高い集積度が得
られる。
【0027】図9(B)は、従来の導波路型光合分回路
902を集積する場合の様子を示す。この導波路型光合
分回路902は図1に示した回路構成のものであり、直
線のアーム導波路が高度集積化を阻害している。
【0028】図8において、MZI(導波路型光合分回
路)自体は、第1のカプラ(光結合器)804と、第2
のカプラ(光結合器)805と、それを結ぶアーム導波
路801、802からなり、平面基板上の屈折率の高い
コアとその回りのクラッドからなる光導波路を用いて構
成されている。入力導波路803に入射された光は、第
1のカプラ804で2本のアーム導波路801、802
に分波する。アーム間の光路長差ΔLによって一方の信
号光は位相遅れを生じ、両方の信号光が第2のカプラ8
05で再び合波・干渉することにより、群分波が行われ
る。合波の場合、例えば出力導波路806、807に入
射された光は、第2のカプラ805で各々2本のアーム
導波路801、802に分波し、アーム間の光路長差Δ
Lによって一方の信号光が位相遅れを生じた後、両方の
信号光が第1のカプラ804で再び合波・干渉すること
になる。
【0029】ここで、各アーム導波路801、802の
前後両端付近に変曲点が見られるが、アーム導波路80
1、802よりも前の部分は第1のカプラ804の出射
側展開部であり、また、後の部分は第2のカプラ805
の入力側展開部であるから、各アーム導波路801、8
02の円弧は本発明でいう「変曲点を持たない形状」で
ある。カプラの展開部は光遅延を持たせるものではな
く、アーム導波路ではない。
【0030】図8に示した導波路型光合分波回路は、上
述した高い集積度が得られる点に加え、下記に示す作用
効果がある。 (1)複数のアーム導波路801、802が各々1つの
円弧を含み、各円弧は変曲点を持たない形状であり、更
に、各円弧の凸方向がアーム間で互いに同じ方向である
ことから、アーム間隔はアーム導波路801、802の
各々の円弧の間隔Sに依存し、2つのカプラ804、8
05間でほぼ一定になり、従来のように途中で極端に大
きくなるという変動がない。つまり、アーム間隔は円弧
の間隔Sに相当する。 (2)アーム間隔が従来のように途中で極端に大きく変
動しないから、狭チャネル間隔化のため、あるいは、ク
ロストークを避けるためにアーム間隔を大きくしても、
回路サイズは従来のように大きくならず、ウエハ当たり
の収率が従来より向上する。 (3)アーム間隔が2つのカプラ802、805間でほ
ぼ一定であり、大きく変動することがないから、屈折率
分布、コア厚のウエハ面内分布等の製造偏差の影響を受
け難い。 (4)複数のアーム導波路801、802が各々1つの
円弧を含み、各円弧は変曲点を持たない形状であるた
め、光路長差ΔLの式は従来の式(4)のような非線型
方程式にならず、設計が簡単化する。アームの光路長差
ΔLは、各アーム導波路801、802の円弧の曲率半
径R、内角θや、アーム間での円弧の間隔Sを適宜与え
ることにより、あるいは、これと独立または一緒に、円
弧に適宜な長さの直線導波路を隣接させることにより、
設定することができる。 (5)複数のアーム導波路801、802が各々1つの
円弧を含み、各円弧の凸方向がアーム間で互いに同じ方
向であることから、入力導波路803と出力導波路80
6、807は対向しなくなり、これらに光ファイバを接
続した場合に漏れ光あっても、透過スペクトル特性の劣
化がない。
【0031】[第2の実施形態]図10(A)は、本発
明の第2の実施形態として、図8に示した導波路型光合
分回路中のアーム導波路部分の回路構成を示す。2本の
アーム導波路1001、1002うち、アーム導波路1
001は図8の外側のアーム導波路801に相当し、こ
れは1つの円弧導波路1003とそれに前後で隣接する
同じ長さの2本の直線導波路1004、1005で構成
されている。アーム導波路1002は図8の内側のアー
ム導波路802に相当し、これは1つの円弧で構成され
ている。内側の円弧導波路1002と外側の円弧導波路
1003はともに、円弧の形状は変曲点を持たない形状
であり、円弧の曲率半径Rも内角θも互いに等しくして
ある。円弧1003、1002の間隔Sとすると、アー
ムの光路長差ΔLは、前述の式(1)即ち、ΔL=S・
tan(θ/2) で与えられる。円弧の間隔Sは、内側の円弧
導波路1002と外側の円弧導波路1003の中心位置
のずれであり、これにアーム間隔が相当する。光路長差
ΔLは具体的には、外側の円弧導波路1003に隣接す
る直線導波路1004、1005の長さによって与えら
れ、直線導波路1004、1005の長さは各々S・ta
n(θ/2) の1/2に設計されている。
【0032】多段のMZIによって導波路型光合分波回
路を構成するために、MZIの段に応じて光路長差を変
えて設定する場合は、図10(B)に示すように内外各
円弧導波路1002、1003の円弧の間隔を変更する
構成、あるいは、図10(C)に示すように内外各円弧
導波路1002、1003の円弧の内角を変更する構成
が考えられる。図10(B)に示す構成では、図10
(A)と比べると、円弧の曲率半径Rと内角θは同じ
で、円弧の間隔のみSから2Sに変更し、2本の直線導
波路の長さを各々S・tan(θ/2) として、光路長差2Δ
L=2S・tan(θ/2) を得ている。図10(C)に示す
構成では、図10(A)と比べると、円弧の曲率半径R
と間隔Sは同じで、円弧の内角のみθから2θに変更
し、2本の直線導波路の長さを各々S・tan(θ) とし
て、光路長差2ΔL=S・tan(θ) を得ている。
【0033】図10(A)(B)(C)いずれの場合に
おいても、アーム間隔が円弧の間隔Sや2Sにほぼ一定
である。従って、MZIを用いた導波路型光合分波回路
を製造する際、ウエハ面内分布による製造偏差の影響を
受け難いという利点がある。また、光路長差は、アーム
導波路1001の円弧導波路1003に隣接する直線導
波路1004、1005の長さによって与えられるた
め、計算が簡単であり、正確なチャネル間隔Δfを得る
ための設計が容易である。
【0034】ここで、図10では円弧導波路1003の
前後に同じ長さの2本の直線導波路1004、1005
を隣接させてアーム導波路1001を構成しているが、
2本の直線導波路1004、1005の長さが異なって
いても良く、あるいは、円弧導波路1003の前後一方
のみに直線導波路が隣接するようにしても良い。円弧導
波路1003の前後に同じ長さの2本の直線導波路10
04、1005を隣接さる方がアーム間隔がほぼ一定に
近くなるが、要は、円弧導波路1003に隣接する直線
導波路によって光路長差が与えられれば良い。
【0035】[第3の実施形態]図11(A)は、本発
明の第3の実施形態として、図8に示した導波路型光合
分回路中のアーム導波路部分の回路構成を示す。2本の
アーム導波路1101、1102うち、アーム導波路1
101は図8の外側のアーム導波路801に相当し、こ
れは1つの円弧1103のみで構成されている。アーム
導波路1102は図8の内側のアーム導波路802に相
当し、これも1つの円弧1104のみで構成されてい
る。外側のアーム導波路1101の円弧1103と内側
のアーム導波路1102の円弧1104はともに変曲点
を持たない形状である。外側の円弧1103の曲率半径
はR+S、外側の円弧1104の曲率半径はRであり、
互いに異なっていが、それぞれの内角はθであり、互い
に等しくしてある。円弧1103、1104の間隔はS
(=R+S−R)であるから、アームの光路長差ΔL
は、前述の式(2)即ち、ΔL=S・θで与えられる。
つまり、光路長差ΔLは内外2つの円弧1003、10
04の曲率半径の差に比例する。円弧の間隔Sがアーム
間隔に相当する。
【0036】多段のMZIによって導波路型光合分波回
路を構成するために、MZIの段に応じて光路長差を変
えて設定する場合は、図11(B)に示すように内外各
アーム導波路1101、1102円弧の内角を変更する
構成、あるいは、図11(C)に示すように内外各アー
ム導波路1101、1102の円弧の間隔を変更する構
成が考えられる。図11(B)に示す構成では、図11
(A)と比べると、外側円弧の曲率半径R+S、内側円
弧の曲率半径R、内外円弧の間隔Sはいずれも同じで、
内外円弧の内角のみθから2θに変更し、光路長差2Δ
L=2Sθを得ている。図11(C)に示す構成では、
図11(A)と比べると、外側円弧の曲率半径R+S、
内側円弧の曲率半径R、内外円弧の内角θはいずれも同
じで、内外円弧の間隔のみSから2Sに変更し、光路長
差2ΔL=2Sθを得ている。
【0037】図11(A)(B)(C)いずれの場合に
おいても、アーム間隔が円弧の間隔Sや2Sにほぼ一定
である。従って、MZIを用いた導波路型光合分波回路
を製造する際、ウエハ面内分布による製造偏差の影響を
受け難いという利点がある。また、光路長差は、アーム
導波路1101の円弧1103とアーム導波路1102
の円弧1104の曲率関係の差と内角によって与えられ
るため、計算が簡単であり、正確なチャネル間隔Δfを
得るための設計が容易である。
【0038】図12は、導波路型光合分波回路の回路長
と光路長差ΔLとの関係を示す。ここで、「構成1」は
図10に示した第2の実施形態の導波路型光合分波回路
を表し、「構成2」は図11に示した第3の実施形態の
導波路型光合分波回路を表し、「従来例」は図1に示し
た従来の導波路型光合分波回路を表す。いずれの場合
も、アームの最小間隔を250μm、曲率半径Rを5m
mとした。図12より、本発明の「構成1」及び「構成
2」は「従来例」に比べて1/2以下に回路長を短くす
ることができている。
【0039】図13は、導波路型光合分波回路の収率と
光路長差ΔLの関係を示す。ここでは、第2の実施形態
の導波路型光合分波回路、第3の実施形態の導波路型光
合分波回路、並びに、図1に示した従来の導波路型光合
分波回路を、図9に示すように集積化した。その際、ア
ーム間の最小間隔、並びに、回路間の最小間隔を250
μmとし、曲率半径Rを5mmとした。収率は、図1に
示した従来の導波路型光合分波回路による収率を1とし
て規格化した。第2の実施形態、第3の実施形態の導波
路型光合分波回路の収率と光路長差ΔLの関係を同じで
ある。図13より、本発明の構成は従来例に比べて収率
が向上していることが分かる。特に、チャネル間隔が1
00GHzのDWDMの領域では、ΔLが図13に示し
た値よりも長い値であるため、収率に対する本発明の優
位性は更に顕著なものとなる。
【0040】[第4の実施形態]図14に、本発明の第
4の実施形態における導波路型光合分波回路の回路構成
を示す。本実施形態はMZIを多段に構成したラティス
・フィルタを用いた導波路型光合分波回路を、前述の式
(2)即ち、ΔL=S・θを基に設計したものである。
【0041】図14において、1401は入力導波路、
1402、1403及び1404はそれぞれカプラ、1
405及び1406は初段MZIのアーム導波路、14
07及び1408は後段MZIのアーム導波路、140
9は出力導波路クロスポート(♯1)、1410は出力
導波路スルーポート(♯2)を示す。このラティス・フ
ィルタでは、初段のMZIの光路長差をΔL、後段のM
ZIの光路長差を2ΔLとしている。後段のアーム導波
路1407、1408は、図10及び図11の説明で述
べたように、前段に比較して、円弧の内角を2倍にする
ことによって構成している。また、カプラ1402、1
403、1404の結合率はそれぞれ50%、25%、
6.7%として設計した。カプラ1403は初段のMZ
Iと後段のMZIに共用されている。
【0042】例えば、初段のMZIの光路長差ΔLは、
図11(A)の説明で述べた構成により設定し、後段の
MZIの光路長差2ΔLは、図11(B)の説明で述べ
たように、前段のMZIに比較して、円弧の内角を2倍
にすることによって構成している。なお、後段のMZI
の光路長差2ΔLを、図11(C)の説明で述べたよう
に、前段のMZIに比較して、円弧の間隔をSから2S
へと2倍にすることによって構成しても良い。
【0043】具体的には、初段のアーム導波路140
5、1406のうち、アーム導波路1405は図11
(A)の外側アーム導波路1101(変曲点を持たない
形状の1つの円弧)に相当し、アーム導波路1406は
図11(A)の内側アーム導波路1102(変曲点を持
たない形状の1つの円弧)に相当する。2つのアーム導
波路1405、1406の凸方向は同じである。
【0044】また、後段のアーム導波路1407、14
08のうち、アーム導波路1407は図11(B)の外
側アーム導波路1101(変曲点を持たない形状の1つ
の円弧)に相当し、アーム導波路1408は図11
(B)の内側アーム導波路1102(変曲点を持たない
形状の1つの円弧)に相当する。2つのアーム導波路1
407、1408の凸方向は同じである。
【0045】入力導波路1401と出力導波路140
9、1410の配置は、各段のアーム導波路が全て1つ
の円弧を含むことから、対向しない配置になっている。
【0046】図14から分かるように。初段のアーム導
波路1405、1406の間隔も、後段のアーム導波路
1407、1408の間隔もそれぞれ一定(図11を参
照すればS)であるため、ウエハ面内分布による製造偏
差の影響を受けにくい。更に、入力導波路1401と出
力導波路1409、1410が対向しないように配置さ
れているため、光ファイバ接続時の漏れ光による特性劣
化がない。
【0047】次に、本実施形態の導波路型光合分波回路
の作成方法を、図15を用いて説明する。 (1)まず、シリコン基板1501上に火炎堆積法で、
SiO2 を主体にした下部ガラスクラッドスート150
2と、GeO2 を添加したコアガラススート1503を
堆積する(図15(A)参照)。 (2)その後、1000°C以上の高温で、ガラス透明
化を行う。このとき、下部クラッドガラス層1504は
30μm厚、コアガラス1505は7μm厚となるよう
に、ガラスの堆積を行っている(図15(B)参照)。 (3)引き続き、フォトリソグラフィ技術を用いてコア
ガラス1505上にエッチングマスク1506を形成し
(図15(C)参照)、反応性イオンエッチングによっ
てコアガラス1505のパターン化を行う(図15
(D)参照)。このとき用いるエッチングマスク150
6は図14に示した回路構成に対応したマスクであり、
従って、コアガラス1505のパターンも図14に示し
た回路構成に対応したものとなる。 (4)そして、エッチングマスク1506を除去した
後、上部クラッドガラス1507を再度火炎堆積法で形
成する。その際、上部クラッドガラス1507にはB2
3 や、P2 5 などのドーパントを添加してガラス転
移温度を下げ、パターン化したそれぞれのコアガラス1
505とコアガラス1505との狭い隙間にも上部クラ
ッドガラス1507が確実に入り込むようにしている
(図15(E)参照)。
【0048】図16は、図14に示した本実施形態の透
過スペクトル特性を示し、出力導波路クロスポート14
09(♯1)と、出力導波路スルーポート1410(♯
2)に各々群分波していることが分かる。図16に示す
ように、本実施形態では、チャネル間隔Δf=1250
GHz(波長間隔:10nm)の、平坦で低損失な透過
域が得られると共に、阻止域では30dB以上の低いク
ロストークが得られた。ここで示したように、クロスポ
ート1409と、スルーポート1410で群分波するフ
ィルタを、以下、インターリーブ・フィルタと呼ぶ。
【0049】ここで、図14の回路構成では初段のMZ
Iにおけるアーム導波路1405、1406の凸方向
と、後段のMZIにおけるアーム導波路1407、14
08の凸方向とが異なっているが、個々の段内のアーム
導波路間で凸方向が同じでありさえすれば何ら差し支え
ない。
【0050】また、ΔL=S・θなる前述の式(2)を
基に設計する場合、後段のMZIの光路長差2ΔLを、
図11(C)の説明で述べたように、前段のMZIに比
較して、円弧の間隔をθから2θへと2倍にして構成す
ることができる。
【0051】[第5の実施形態]図17に、本発明の第
5の実施形態における導波路型光合分波回路の回路構成
を示す。本実施形態は、上述したインターリーブ・フィ
ルタを多段に構成して導波路型光合分波回路としたもの
であり、前述の式(2)即ち、ΔL=S・θを基に設計
している。
【0052】図17において、1701は入力導波路、
1702はチャネル間隔が20nmの初段インターリー
ブ・フィルタ、1703及び1704は初段インターリ
ーブ・フィルタの出力導波路、1705及び1706は
各々チャネル間隔が40nmの後段インターリーブ・フ
ィルタ、1707及び1708は後段インターリーブ・
フィルタ1705の出力導波路、1709及び1710
は後段インターリーブ・フィルタ1706の出力導波路
を示す。
【0053】各インターリーブ・フィルタ1702、1
705、1706は、図10及び図11の説明で述べた
ように、各インターリーブ・フィルタを構成する複数段
のMZI間でアーム導波路の円弧の内角を変更する設計
としている。
【0054】初段インターリーブ・フィルタ1702は
4段のMZIで構成され、全ての段でアーム導波路は変
曲点を持たない1つの円弧を含む形状である。アームの
凸方向は、1段目から3段目のMZIでいずれも上向き
であり、4段目のMZIで下向きたなっている。
【0055】図18は初段のインターリーブ・フィルタ
1702の透過スペクトル特性を示す。図16に示した
と同様、2つの出力導波路1703と1704に各々偶
チャネルと奇チャネルに群分波されている。偶チャネル
と奇チャネルの間隔は20nmである。
【0056】2つの後段インターリーブ・フィルタ17
05、1706はともに3段のMZIで構成され、全て
の段でアーム導波路は変曲点を持たない1つの円弧を含
む形状である。アームの凸方向は、全てのMZIでいず
れも上向きである。
【0057】図19は後段のインターリーブ・フィルタ
1705、1706の透過スペクトル特性を示す。これ
ら2つの後段のインターリーブ・フィルタ1705、1
706は同じ透過スペクトル特性を持ち、初段のインタ
ーリーブ・フィルタ1702に対して2倍のチャネル間
隔40nmで群分波する様子が分かる。
【0058】つまり、後段のインターリーブ・フィルタ
1705の出力導波路1707(♯1)、1708(♯
3)からは、初段のインターリーブ・フィルタ1702
で分波された出力導波路1703からの偶チャネルのう
ち、偶数番目のチャネル(出力導波路クロスポート17
07)と、奇数番目のチャネル(出力導波路スルーポー
ト1708)に群分波される。
【0059】同様に、後段のインターリーブ・フィルタ
1706の出力導波路1709(♯2)、1710(♯
4)に対しても初段のインターリーブ・フィルタ170
2で分波された出力導波路1704からの奇数チャネル
のうち、偶数番目のチャネル(出力導波路クロスポート
1709)と、奇数番目のチャネル(出力導波路スルー
ポート1710)に群分波される。
【0060】図20は第5の実施形態全体としての透過
スペクトル特性を示す。前述の通り、チャネル間隔20
nmの4分波回路が実現できていることが分かる。♯1
は後段のインターリーブ・フィルタ1705の出力導波
路クロスポート1707における分波特性、♯2は後段
のインターリーブ・フィルタ1705の出力導波路スル
ーポート1708における分波特性、♯3は後段のイン
ターリーブ・フィルタ1706の出力導波路クロスポー
ト1709における分波特性、♯4は後段のインターリ
ーブ・フィルタ1706の出力導波路スルーポート17
10における分波特性を表す。
【0061】[第6の実施形態]図21に本発明の第6
の実施形態における導波路型光合分波回路の回路構成を
示す。本実施形態はMZIを多段に構成したラティス・
フィルタを用いた導波路型光合分波回路を、前述の式
(1)即ち、ΔL=S・tan(θ/2) を基に設計したもの
である。
【0062】図21において、2101は入力導波路、
2102、2103及び2104はそれぞれカプラ、2
105及び2106は初段MZIのアーム導波路、21
07及び2108は後段MZIのアーム導波路、210
9は出力導波路クロスポート(♯1)、2110は出力
導波路スルーポート(♯2)を示す。このラティス・フ
ィルタでは、初段のMZIの光路長差をΔL、後段のM
ZIの光路長差を2ΔLとしている。後段のアーム導波
路2107、2108は、図10及び図11の説明で述
べたように、前段に比較して、円弧の間隔を2倍にする
ことによって構成している。また、カプラ2102、2
103、2104の結合率はそれぞれ50%、25%、
6.7%として設計した。カプラ2103は初段のMZ
Iと後段のMZIに共用されている。
【0063】つまり、初段のMZIの光路長差ΔLは、
図10(A)の説明で述べた構成により設定し、後段の
MZIの光路長差2ΔLは、図10(B)の説明で述べ
たように、前段のMZIに比較して、円弧の間隔をSか
ら2Sへと2倍にすることによって構成し、回路全体と
してZ字形状をなすように構成している。なお、後段の
MZIの光路長差2ΔLを、図10(C)の説明で述べ
たように、前段のMZIに比較して、円弧の内角をθか
ら2θへと2倍にすることによって構成しても良い。
【0064】具体的には、初段のアーム導波路210
5、2106のうち、アーム導波路2105は図10
(A)の外側アーム導波路1001(変曲点を持たない
形状の1つの円弧とそれに隣接する直線導波路)に相当
し、内側アーム導波路2106は図10(A)の内側ア
ーム導波路1002(変曲点を持たない形状の1つの円
弧)に相当する。2つのアーム導波路2105、210
6の凸方向は同じ右向きである。また、後段のアーム導
波路2107、2108のうち、アーム導波路2107
は図10(B)の外側アーム導波路1001(変曲点を
持たない形状の1つの円弧とそれに隣接する直線導波
路)に相当し、アーム導波路2108は図10(B)の
内側アーム導波路1002(変曲点を持たない形状の1
つの円弧)に相当する。2つのアーム導波路1407、
1408の凸方向は同じ左向きになっている。
【0065】入力導波路2101と出力導波路210
9、2110の配置は、各段のアーム導波路が全て1つ
の円弧を含むことから、対向しない配置になっている。
【0066】図21から分かるように、初段MZIのア
ーム導波路2105、2106の間隔も、後段MZIの
アーム導波路2107、2108の間隔もそれぞれ一定
(図10を参照すれば、Sと2S)であるため、ウエハ
面内分布による製造偏差の影響を受けにくい。更に、入
力導波路2101と出力導波路2109、2110が対
向しないように配置されているため、光ファイバ接続時
の漏れ光による特性劣化がない。
【0067】図22は図21に示した本実施形態の透過
スペクトル特性を示し、出力導波路クロスポート210
9(♯1)と、出力導波路スルーポート2110(♯
2)に各々群分波している。図22に示すように、本実
施形態では、チャネル間隔Δf=200GHzの、平坦
で低損失な透過域が得られると共に、阻止域では30d
B以上の低クロストークが得られている。
【0068】更に、第6の実施形態の回路構成では、各
段のMZIのアーム円弧の内角を大きくとって回路全体
がZ字型の配置となっているため、図23に示すよう
に、多数の導波路型光合分回路(MZI)2301を平
面上に集積して製造する場合に、1つの導波路型光合分
波回路2301の湾曲部に、別の導波路型光合分波回路
2301を織り込むことによって、高い集積度を実現す
ることができる。
【0069】図23において、2301は図21に示し
た回路構成の導波路型光合分回路であり、1つの導波路
型光合分回路2301の右向きに凸なアームの左方に、
別の導波路型光合分回路2301の右向きに凸なアーム
を順次織り込んでレイアウトしている。アームが逆に左
向きに凸である場合は、1つの導波路型光合分回路の左
向きに凸なアームの右方に、別の導波路型光合分回路の
左向きに凸なアームを織り込んでレイアウトする。
【0070】[第7の実施形態]図24に本発明の第7
の実施形態における導波路型光合分波回路の回路構成を
示す。MZIでは、通常、光結合器を接続するアーム導
波路は2本であるが(図8参照)、3本以上のMZIも
考えられる。本実施形態の導波路型光合分波回路は3本
のアーム導波路を有するMZIを用いて構成したもので
ある。
【0071】図24において、2401、2402及び
2403は各々アーム導波路、2404は入力導波路、
2405は第1のカプラ(光結合器)、2406は第2
のカプラ(光結合器)、2407及び2408は各々出
力導波路を示し、3本のアーム導波路2401、240
2、2403がカプラ2405、2406間を接続して
いる。
【0072】図24に示す導波路型光合分回路において
も、3本のアーム導波路2401、2402、2403
はともに円弧によって構成されている。つまり、アーム
導波路2401、2402、2403の各々は1つの円
弧を含み、各円弧は変曲点を持たない形状のものであ
り、各円弧の凸方向がアーム間で互いに同じ方向(図で
は上向き)である。
【0073】入力導波路2404に入射された光は、第
1のカプラ2405で3本のアーム導波路2401、2
402、2403に分波する。アーム間の光路長差によ
って3つの信号光間に位相遅れを生じ、これらの信号光
が第2のカプラ2406で再び合波・干渉することによ
り、群分波が行われる。光路長差としては、例えば、ア
ーム導波路2401、2402間でΔL、アーム導波路
2401、2403で2ΔLというように、2種類設定
される。また、これら光路長差の設定にも、第2の実施
形態のようにΔL=S・tan(θ/2) なる式(1)や、第
3の実施形態のようにΔL=S・θなる式(2)を用い
ることができる。
【0074】また、図24に示す導波路型光合分回路
は、アーム導波路の本数が異なるだけで、第1の実施形
態と同様の作用効果を有するものである。更に、3本の
アーム導波路を有するMZIを多段に構成して、第4や
第5、第6の実施形態と同様の導波路型光合分回路を構
成することができる。
【0075】[その他の実施形態]以上述べた第4、第
5、第6の各実施形態ではシリコン基板上の石英系ガラ
ス導波路を用いた多段MZI即ちラティス・フィルタを
示したが、その導波路材料がポリイミド、シリコーン、
半導体、LiNbO3 などであっても、本発明を適用可
能である。また、平面基板もシリコンに限定されるもの
ではない。これらのことは、MZIが1段の導波路型光
合分回路(第1〜第3、第7の各実施形態)でも同様で
ある。更に、図6に示したようなMZIにヒータ電極を
装荷した導波路型光合分回路にも本発明を適用可能であ
る。
【0076】更に、第4の実施形態では全段のMZIに
おいて光路長差の設定にΔL=S・θなる式(2)を適
用し、第6の実施形態では全段のMZIにおいて光路長
差の設定にΔL=S・tan(θ/2) なる式(1)を適用し
ているが、MZIの段毎に、ΔL=S・tan(θ/2) とΔ
L=S・θとを使い分けて導波路型光合分波回路を設計
しても良い。
【0077】要するに、本発明の本質は、円弧の幾何学
的形状に着目し、アーム導波路を各々円弧で構成するこ
とによって、生産性及び設計性の良好な導波路型光合分
波回路を実現したことにある。図8と図1を比較すれば
分かるように、本発明は光路長差が特に微小な導波路型
光合分波回路を対象することができる。
【0078】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
従来技術に比べて、導波路型光合分波回路の小型化、ウ
エハからの収率の向上、製造偏差に対するトレランスの
緩和、設計しやすさ等の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のMZIを用いた導波路型光合分波回路の
回路構成を示す図。
【図2】MZIの透過スペクトル特性を示す図。
【図3】方向性結合器の回路構成を示す図。
【図4】方向性結合器の結合部の長さと結合率の関係を
示す図。
【図5】結合部の長さがゼロの方向性結合器を伝搬する
光の強度分布を示す図。
【図6】ヒータ電極を装荷した従来のMZIを用いた導
波路型光合分波回路の回路構成を示す図。
【図7】図6中のaa’線に沿う2次元断面の熱分布を
示す図。
【図8】本発明の第1の実施形態の回路構成を示す図。
【図9】図8の導波路型光合分波回路と従来の導波路型
光合分波回路との集積度の違いを示す図。
【図10】本発明の第2の実施形態(円弧に付加した直
線導波路によって光路長差ΔLが与えられる導波路型光
合分波回路)の回路構成を示す図。
【図11】本発明の第3の実施形態(円弧の曲率半径に
よって光路長差ΔLが与えられる導波路型光合分波回
路)の回路構成を示す図。
【図12】図10、図11及び図1(従来)の各導波路
型光合分波回路における回路長と光路長差ΔLとの関係
を示す図。
【図13】図10及び図11の各導波路型光合分波回路
における光路長差ΔLと収率との関係を、図1(従来)
の各導波路型光合分波回路を基準に示す図。
【図14】本発明の第4の実施形態の回路構成を示す
図。
【図15】図14の導波路型光合分波回路の作製工程を
示す図。
【図16】図14の導波路型光合分波回路の透過スペク
トル特性を示す図。
【図17】本発明の第5の実施形態の回路構成を示す
図。
【図18】図17中、初段インターリーブ・フィルタの
透過スペクトル特性を示す図。
【図19】図17中、後段インターリーブ・フィルタの
透過スペクトル特性を示す図。
【図20】図17の導波路型光合分波回路全体の透過ス
ペクトル特性を示す図。
【図21】本発明の第6の実施形態の回路構成を示す
図。
【図22】図21の導波路型光合分波回路の透過スペク
トル特性を示す図。
【図23】図21の導波路型光合分波回路を集積化した
様子を示す図。
【図24】本発明の第7の実施形態(アーム導波路が3
本の導波路型光合分波回路)の回路構成を示す図。
【符号の説明】
801、802 アーム導波路 803 入力導波路 804、805 カプラ(光結合器) 806、807 出力導波路 901 導波路型光合分波回路 1001、1002 アーム導波路 1003 円弧 1004、1005 直線導波路 1101、1102 アーム導波路 1103 円弧 1401 入力導波路 1402、1403、1404 カプラ(光結合器) 1405、1406 初段MZIのアーム導波路 1407、1408 後段MZIのアーム導波路 1409 出力導波路(クロスポート) 1410 出力導波路(スルーポート) 1501 シリコン基板 1502 下部クラッドガラススート 1503 コアガラススート 1504 下部クラッドガラス層 1505 コアガラス 1506 エッチングマスク 1507 上部クラッドガラス 1701 入力導波路 1702 初段インターリーブ・フィルタ 1703、1704 初段インターリーブ・フィルタの
出力導波路 1705、1706 後段インターリーブ・フィルタ 1707、1708、1709、1710 後段インタ
ーリーブ・フィルタの出力導波路 2101 入力導波路 2102、2103、2104 カプラ(光結合器) 2105、2106 初段MZIのアーム導波路 2107、2108 後段MZIのアーム導波路 2109 出力導波路(クロスポート) 2110 出力導波路(スルーポート) 2301 導波路型光合分波回路 2401、2402、2403 アーム導波路 2404 入力導波路 2405、2406 カプラ(光結合器) 2407、2408 出力導波路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井上 靖之 東京都千代田区大手町二丁目3番1号 日 本電信電話株式会社内 (72)発明者 日比野 善典 東京都千代田区大手町二丁目3番1号 日 本電信電話株式会社内 Fターム(参考) 2H047 KA04 KA12 LA12 LA18 PA22 PA24 QA02 QA03 QA04 QA05 TA01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平面基板上の屈折率の高いコアとその回
    りのクラッドからなる光導波路を用いて構成され、光結
    合器とその光結合器を結ぶ複数のアームからなるマッハ
    ツエンダ光干渉型フィルタにおいて、前記アームが各々
    1つの円弧を含み、前記円弧は変曲点を持たない形状で
    あり、前記円弧の凸方向がアーム間で互いに同じ方向で
    あることを特徴とする導波路型光合分波回路。
  2. 【請求項2】 アーム間で前記円弧の曲率半径及び内角
    が互いに等しく、アームでの前記円弧の間隔をS、前記
    円弧の内角をθとするとき、前記円弧に隣り合う直線導
    波路によって、光路長差ΔLが ΔL=S・tan(θ/2) ・・・式(1) で与えられることを特徴とする請求項1に記載の導波路
    型光合分波回路。
  3. 【請求項3】 アーム間で前記円弧の曲率半径が互いに
    異なり、かつ、前記円弧の内角が互いに等しく、アーム
    間での前記円弧の間隔をS、前記円弧の内角をθとする
    とき、光路長差ΔLが ΔL=S・θ ・・・式(2) で与えられることを特徴とする請求項1に記載の導波路
    型光合分波回路。
  4. 【請求項4】 前記マッハツエンダ光干渉型フィルタが
    多段に構成されていることを特徴とする請求項1から3
    いずれかに記載の導波路型光合分波回路。
  5. 【請求項5】 前記マッハツエンダ光干渉型フィルタが
    シリコン基板上の石英系ガラス光導波路で構成されてい
    ることを特徴とする請求項1から4いずれかに記載の導
    波路型光合分波回路。
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