JP5949206B2 - 冷却水ブロー水の処理方法及び処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、冷却水ブロー水の処理方法及び処理装置に関するものであり、特に冷却水ブロー水から逆浸透(RO)膜分離法によって水回収を行う際の前処理プロセスの改良に関する。
近年、経済発展の高い国では、水需給が逼迫しており、下水や工場排水から水回収を行うことが推進されている。特に、大量の冷却水を使用する石油化学等のコンビナートでは、冷却水ブロー水量も多いことから、その水回収が実施されている。
従来、冷却水ブロー水の処理には、通常、RO膜分離処理が採用されており、例えば、特許文献1には、冷却水ブロー水を濾過した後RO膜分離処理する方法が提案されている。また、特許文献2には、冷却水ブロー水を酸性条件下に脱炭酸処理した後、徐濁してRO膜分離処理する方法方が提案されている。更に、特許文献3には、冷却水ブロー水を無機凝集剤で凝集処理した後、濾過処理し、その後RO膜分離処理する方法が提案されている。
このように、冷却水ブロー水のRO膜分離処理では、その前処理として、濾過処理や凝集処理及び濾過処理が行われているが、従来の冷却水ブロー水の前処理システムでは、以下のような問題があった。
冷却水ブロー水は、公共用水域に放流されるため、冷却水処理薬剤として、リン酸系やホスホン酸系の薬剤は忌避され、ポリマー系スケール分散剤による処理が普及している。また、冷却循環水中に生成するスライムや比較的大きな粒子成分は、配管や伝熱面に沈着、付着して腐食要因となるため、冷却循環水の一部を砂濾過装置等のサイドフィルターで濾過している。
この結果、冷却水ブロー水(冷却水循環水と同一水)は、見た目の濁度は少なく、概ね濁度は10度以下、通常5度程度であるが、スケール分散剤で分散、安定化された微粒子成分が多く存在し、その凝集処理には大量の無機凝集剤が必要になる。
即ち、冷却水ブロー水、すなわち循環水中の微粒子は、スケールの分散処理が完全であれば、その径は0.1μm(100nm)以下の超微粒子とされている。この超微粒子の径は、可視光波長範囲を大きく下回るため、濁りとして可視判定することができない。
前記のように、冷却水ブロー水には弱度の濁り(濁度5度程度)があるが、これは、分散が不十分の0.1μmを大きく上回る微粒子やその他の粒子、スライムの微細破片などを主に計測しているものと考えられる。
冷却水ブロー水中の濁度として検知されない極微粒子を含めて、冷却水ブロー水中の汚濁成分を、RO膜分離処理に支障がないように前処理する一般的な技術は、無機凝集剤を用いる凝結・凝集処理であるが、代表的な無機凝集剤であるPAC(ポリ塩化アルミニウム)で、RO膜分離処理に支障がない程度の凝集処理を行うためには、即ち、RO膜分離装置の給水(以下「RO給水」と称す。)として、RO膜のフラックスの低下を引き起こすことのない良好な水質の凝集処理水を得るためには、300mg/L以上、場合によっては1000mg/L以上の薬注量が必要になる。
このような、処理では、凝集物の嵩が膨大になり、処理に伴う汚泥も大量に生成する。当然、凝集物が多いため、濾過処理の前には、沈殿槽や浮上装置で予め固液分離して濾過装置の負荷を軽減する必要が生じる。
このようなことから、冷却水ブロー水のRO膜分離処理の前処理としては、凝集処理と濾過処理では対応できず、新たな汚泥処理設備を含め、設備点数や、そのための投資、設置エリアの増大という問題がある。
凝集処理を行わずに、RO膜分離処理に支障をきたす超微粒子を含む微粒子を除去する前処理として、限外濾過(UF)膜分離処理も提案されている。UF膜の細孔は0.01〜0.03μm(10〜30nm)で、新膜では、超微粒子を含む微粒子は完全に除去することができると考えられる。
しかし、冷却水ブロー水中の超微粒子の粒子径は、UF膜の細孔の大きさに近似し、このため、UF膜の細孔にはまり込み、洗浄困難な閉塞を引き起こす可能性がある。そして、膜の目詰まりが多くなる結果、十数分ないし数10分間隔の定時洗浄の間隔がより短くなり、膜の物理的損傷の進行も加速される。このため、運転初期には高い処理性能が得られても、性能劣化は通常より速く進行すると判断される。
このようなことから、冷却水ブロー水をRO膜分離処理する場合の前処理として、無凝集でのUF膜分離処理は適当とは言えなかった。
なお、UF膜の性能劣化対策として、一般論ではあるが、採用する膜毎の「許容濁度」を見極め、許容以上の濁度が流入する条件では、凝集剤や濾過による負荷軽減が推奨されており(非特許文献1)、UF膜処理であっても、事前の凝集処理の必要性が言及されている。
特開平02−95493号公報 特開2003−1256号公報 特開2011−156483号公報
「膜の劣化とファウリング対策」(発行所:エヌ・ティー・エヌ)第219頁
本発明は、RO膜分離処理の前処理システムとして、古くから確立されており、設備点数も少なく、耐用年数が事実上50年程度期待され、メンテナンスも少なくて済む、凝集処理と濾過処理を採用して水回収を行うに当たり、凝集処理における無機凝集剤の必要量を低減して良好なRO給水を得、長期に亘り安定かつ効率的な処理を行う方法と装置を提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく以下のような検討を行った結果、冷却水ブロー水の凝集処理において、特定のカチオン系有機凝結剤と無機凝集剤とを併用することにより、無機凝集剤の必要量を低減した上で良好なRO給水を得ることができることを見出した。
即ち、一般的な濾過装置である、重力式2層濾過装置、あるいは圧力式2層濾過装置の濾過水のSS測定値はほぼゼロである。言い換えれば、SS測定で使用されるフィルタの細孔径と同等の1μm程度の大きさの粒子であれば、濾過装置で捕捉、除去される。
前記のように、冷却水ブロー水中の微粒子は1μmより十分に小さい超微粒子であり、十分に分散された超微粒子は0.1μm未満である。このため目視の濁度としては認識できず、一部の0.1μmを大きく上回る微粒子が低い濁度として検出されると考えられる。
そこで、本発明者は、冷却水ブロー水中の微粒子が濁度測定光波長である660nm程度以上に成長すれば目視で明確にわかる濁度発生を起こし、また、濾過処理が可能性となると考え、そのための凝集剤、及びその適用条件を探索した結果、固有粘度0.5dL/g以下のカチオン系有機凝結剤を用いると、目視にて明確な濁度上昇が得られ、光学的濁度計測でも数値としても測定できることを確認した。
しかしながら、この状況では、重力式2層濾過装置と同等の濾過性能の濾紙による濾過を行っても、濾過水には目視で確認できる濁質が残留し、濾過装置の濾過可能粒子径1μmを十分に上回る粒子径には成長していないと判断された。
そこで、さらに10〜30mg/Lの少量のPACを反応させたところ、前記濁度成分の微粒子径が成長し、重力式2層濾過装置と同等の濾過性能の濾紙で濾過を行って得られた濾過水のRO膜濾過性指標は十分に良好な値を示し、RO膜分離処理に適当な水準になることを見出した。
本発明はこのような知見に基いて達成されたものであり、以下を要旨とする。
[1] 冷却水ブロー水を逆浸透膜分離処理する際の前処理方法であって、該冷却水ブロー水を凝集処理した後濾過処理する冷却水ブロー水の処理方法において、該凝集処理を、固有粘度0.5dL/g以下のカチオン系有機凝結剤と無機凝集剤とを用いて行うことを特徴とする冷却水ブロー水の処理方法。
[2] [1]において、前記無機凝集剤がポリ塩化アルミニウム及び/又は硫酸アルミニウムであって、該無機凝集剤の前記冷却水ブロー水に対する添加量が30mg/L以下であることを特徴とする冷却水ブロー水の処理方法。
[3] [1]又は[2]において、前記濾過処理を、アンスラサイトと砂を濾過メディアとする濾過装置であって、濾過砂の平均粒子径が0.6mm以下の重力式2層濾過装置又は圧力式2層濾過装置を用いて行うことを特徴とする冷却水ブロー水の処理方法。
[4] [1]ないし[3]のいずれかにおいて、前記カチオン系有機凝結剤を前記冷却水ブロー水に添加量を変化させて添加、反応させた後の該冷却水ブロー水の濁度が最大となるときの濁度増加量(以下「最大濁度増加量」と称す。)を予め求めておき、該カチオン系有機凝結剤を該冷却水ブロー水に添加、反応させた後の該冷却水ブロー水の濁度増加量が該最大濁度増加量の50〜90%の範囲となる該カチオン系有機凝結剤の添加量を、前記凝集処理時のカチオン系有機凝結剤添加量とすることを特徴とする冷却水ブロー水の処理方法。
[5] [1]ないし[4]のいずれかにおいて、前記冷却水ブロー水に前記カチオン系有機凝結剤を添加、反応させた後、前記無機凝集剤を添加することを特徴とする冷却水ブロー水の処理方法。
[6] 冷却水ブロー水を逆浸透膜分離処理する際の前処理装置であって、該冷却水ブロー水が導入される凝集処理手段と、該凝集処理手段からの凝集処理水が導入される濾過装置とを備える冷却水ブロー水の処理装置において、該凝集処理手段は、該冷却水ブロー水に固有粘度0.5dL/g以下のカチオン系有機凝結剤と無機凝集剤とを添加して凝集処理する手段であることを特徴とする冷却水ブロー水の処理装置。
[7] [6]において、前記無機凝集剤がポリ塩化アルミニウム及び/又は硫酸アルミニウムであって、該無機凝集剤の前記冷却水ブロー水に対する添加量が30mg/L以下であることを特徴とする冷却水ブロー水の処理装置。
[8] [6]又は[7]において、前記濾過装置が、アンスラサイトと砂を濾過メディアとする濾過装置であって、濾過砂の平均粒子径が0.6mm以下の重力式2層濾過装置又は圧力式2層濾過装置であることを特徴とする冷却水ブロー水の処理装置。
[9] [6]ないし[8]のいずれかにおいて、前記カチオン系有機凝結剤を前記冷却水ブロー水に添加量を変化させて添加、反応させた後の該冷却水ブロー水の濁度が最大となるときの濁度増加量(以下「最大濁度増加量」と称す。)を予め求めておき、該カチオン系有機凝結剤を該冷却水ブロー水に添加、反応させた後の該冷却水ブロー水の濁度増加量が該最大濁度増加量の50〜90%の範囲となる該カチオン系有機凝結剤の添加量を、前記凝集処理手段におけるカチオン系有機凝結剤添加量として設定する手段を有することを特徴とする冷却水ブロー水の処理装置。
[10] [6]ないし[9]のいずれかにおいて、前記凝集処理手段において冷却水ブロー水に前記カチオン系有機凝結剤を添加、反応させた後、前記無機凝集剤を添加することを特徴とする冷却水ブロー水の処理装置。
本発明によれば、冷却水ブロー水の凝集処理において、固有粘度が0.5dL/g以下のカチオン系有機凝結剤と無機凝集剤とを併用することにより、無機凝集剤の必要量を低減した上で良好なRO給水を得ることができる。このため、凝集汚泥の発生量を増大させることなく、従って、汚泥処理に要する設備点数や設置エリアを増大させることなく、RO膜分離装置のフラックスの低下を抑えて長期に亘り安定かつ効率的な処理を行える。
MFFとSDIとの関係を示すグラフであり、(b)図は(a)図のMFF=1.00〜1.12部分の拡大図である。
以下に本発明の冷却水ブロー水の処理方法及び処理装置の実施の形態を詳細に説明する。
[作用機構]
本発明に従って、冷却水ブロー水を固有粘度0.5dL/g以下のカチオン系有機凝結剤と無機凝集剤とを併用して凝集処理することによる無機凝集剤の必要量の低減効果の作用機構は以下の通り推定される。
冷却水ブロー中の微粒子は、通常の微粒子が微細なマイナス帯電で安定化していることに加え、カルボキシル基を含むポリマー系スケール分散剤により、一般の微粒子より高度にマイナス帯電しているため、凝結値の非常に大きいカチオン系有機凝結剤を用いることにより、その荷電中和→不安定化→超微粒子・微粒子の会合→濁度上昇の結果をもたらすと考えられる。
カチオン系有機凝結剤は、排水処理において、濁度成分を除去し、見た目で清澄な処理水を得るため、PAC等の無機凝集剤で処理する際に、無機凝集剤の除濁効果を補完し、結果として、無機凝集剤の必要添加量を削減する目的に用いられる。この場合、その処理対象の濁度成分を粒子径で表示すれば、濁度測定波長660nm(0.66μm)を中心とする物質である。この場合において、用いられるカチオン系有機凝結剤の分子量指標である固有粘度は、0.15〜1.0dL/gの範囲にあり、一般的には、固有粘度0.5〜1.0dL/gの範囲のものが、前記用途では優れた効果を示す。
一方、本発明で処理対象とする冷却水ブロー水中の汚濁成分の粒子径は、それより1桁小さい0.1μm以下の超微粒子である。このため、カチオン系有機凝結剤としては、分子量のより小さい(固有粘度のより小さい)ものが、反応対象の超微粒子に適合すると考えられ、本発明では、固有粘度0.5dL/g以下のカチオン系有機凝結剤を用いる。なお、カチオン系有機凝結剤の種類(化合物種)による濁度上昇への影響は大きくないと考えられる。
これに対して、従来、一般的な排水処理で用いられている固有粘度の大きい、即ち、分子量の大きいカチオン系有機凝結剤では、冷却水ブロー水中の超微粒子との反応性が乏しく、固有粘度0.5dL/g以下のカチオン系有機凝結剤を用いたときのような濁度の上昇は認められない。なお、粒子径がおおむね100μm(0.1mm)程度以上の有機汚泥の凝集・脱水に用いられるカチオン系有機凝結剤の固有粘度は5dL/g以上であり、このようなカチオン系有機凝結剤では、濁度増加がほとんど検出されない。
また、このようなカチオン系有機凝結剤と併用するPAC等の無機凝集剤は、濁度検出水準までに成長した微粒子を、さらに、濾過装置で確実に捕捉できる、概ね1μm程度以上の粒子に大きくする作用を担う。なお、この無機凝集剤による凝集は、濾過装置で捕捉できる程度であればよく、必ずしも、肉眼で認識できる大きさまでのフロック形成は必要としない。
なお、カチオン系有機凝結剤を用いず、無機凝集剤のみを冷却水ブロー水に反応させた場合には、カチオン系有機凝結剤を反応させたときのような明らかな濁度上昇は見られない。これは、冷却水ブロー水中のアルカリ度成分で、無機凝集剤、例えばPACは直ちに、プラス荷電を失い、イオン性を持たない水酸化アルミニウムとなるため、マイナス荷電で安定化している冷却水ブロー水中の超微粒子を含む微粒子の荷電を奪い、会合させる作用が得られないことによる。
[RO膜濾過性指標の判定方法]
本発明において、凝集処理及び濾過処理で得られるRO給水の水質の良否、即ち、RO膜濾過性指標の判定には、以下の値を採用した。
RO給水の膜汚濁指標の判定は、ASTMD4189に定義されるSDI(Silt density index)、あるいはSI(Silt index)、FI(Fouling index)が採用されている。
SDI、SI、FIは名称が異なるが、以下に示すようにすべて同一の方法で求められる。
<SDI(SI又はFI)の測定方法>
使用濾紙:孔径;0.45μm、濾過口径;47mm、材質;ニトロセルロースとセルロースアセテートの複合物、例えばミリポア社製「ミリポアフィルターHAWP」
濾過条件:2.1kgf/cm2(0.206MPa)
測定項目:最初の0.5Lの試料水の濾過に要する時間f0(sec)、及び15分経過時の0.5Lの試料水の濾過に要する時間f15(sec)
試料水必要量:10L以上、濾過性が非常に良い場合は30L程度
SDI値計算:SDI=(1−f15/f0)/15×100
(濾過時間1分当たりの濾過水量の低下率(%))
数値範囲:最小0.0、最大6.66(濾過15分後には濾過水が得られない状態=15分後の濾過量低下率100%)
これに対して、本発明においては、RO膜濾過性指標として、以下の方法で測定したMFFを採用した。
<MFF(membrane fouling factor)の測定方法>
使用濾紙;SDIに同じ
濾過条件:500mmHgの減圧(吸引濾過)(−0.067MPa)
測定項目:最初の0.5Lの試料水の濾過に要する時間T1(sec)、及び次の0.5Lの試料水の濾過に要する時間T2(sec)
試料水必要量:濾過性によらず1L
MFF値計算:MFF=T2/T1
数値範囲:最小1.00、最大無限大(実用上、約2以上は数値差の意味は小さく、濾過性不良と判定される)
以上の通り、MFFは、SDIと同じMF膜濾紙を使用して、少ない試料水量で、RO膜濾過性指標を判定することができるものである。
MFFとSDIの関係は、本発明者らの試験事例によれば図1の通りであり、その関係式は以下の通りである。
SDI=29.251×MFF−28.002
RO給水として必要とされるSDI値は、3.0以下、あるいは4.0以下とされている。
SDI=4.0に相当するMFF値は、図1の実験データからはMFF=1.094であるので、概ねMFF1.10未満がRO給水として許容されるMFF値となる。
本発明においては、後掲の実施例に示されるように、本発明に従って凝集処理及び濾過処理して得られたRO給水についてMFF値を測定し、MFF値の測定値から上記の関係式により算出されるSDI換算値が4.0以下、好ましくは3.0以下の良好な水質のRO給水を得ることができる。
[冷却水ブロー水]
本発明で処理対象とする冷却水ブロー水については、その発生源などの制約はないが、本発明は特に、リン酸系やホスホン酸系等のリン系スケール分散剤ではなく、非リン系のポリマー系スケール分散剤、例えばアクリル酸ナトリウム、マレイン酸、ヒドロキシエチルメタアクリル酸ナトリウム、アクリルアミド−2メチルスルホン酸ナトリウム(AMPS)などの単独重合体や、これらの単量体の2種以上の共重合物等で処理されている冷却水系のブロー水に対して好適に適用される。
このような冷却水ブロー水の水質は、通常以下の通りである。
pH:7.8〜8.8
Mアルカリ度:120〜350mg/LasCaCO
電気伝導率:100〜250mS/m
カオリン濁度:2〜10度
ホルマジン濁度:3〜15NTU
SS:0.5〜3mg/L
即ち、本発明で処理対象とする冷却水ブロー水は、超微粒子が分散しているため、見た目の濁度は低く、通常5度以下であり、また、SS計で測定されるSS値も低く、通常2.0mg/L以下である。
なお、RO膜分離処理において、RO給水のpHが高過ぎると炭酸カルシウムスケール析出の問題が発生するため、冷却水ブロー水には必要に応じて硫酸、塩酸等の酸を添加して、pH7未満、例えば6.5〜7.0に調整した後凝集処理に供することが好ましい。このpH調整は、後段の濾過水に対して行うこともできるが、本発明のカチオン系有機凝結剤の必要添加量を低減できるため、凝集処理前に行うことが好ましい。
[カチオン系有機凝結剤]
本発明においては、このような冷却水ブロー水に対して固有粘度0.5dL/g以下のカチオン系有機凝結剤を添加する。固有粘度が0.5dL/gを超えるカチオン系有機凝結剤では、当該カチオン系有機凝結剤の分子量が大きいために、冷却水ブロー水中の超微粒子との反応には不適当である。カチオン系有機凝結剤の固有粘度は、市販製品の範囲では小さい程冷却水ブロー水中の超微粒子との反応性の面で好ましいが、固有粘度の過度に小さいカチオン系有機凝結剤は、凝結作用に劣る可能性があり、本発明で用いるカチオン系有機凝結剤の固有粘度は0.05〜0.3dL/g程度であることが好ましい。
なお、ここで、カチオン系有機凝結剤の固有粘度とは、溶媒としてIN硝酸ナトリウム水溶液を用い、キャノン・フェンスケ、ウベローデ等の毛細管粘度計にて30℃で測定した値である。
本発明において用いるカチオン系有機凝結剤は、固有粘度が0.5dL/g以下のものであればよく、その種類(化合物種)には特に制限はない。
カチオン性有機凝結剤は、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリド、ジアルキルアミン/エピクロルヒドリン重縮合物、ポリジメチルアミノエチルメタクリレート塩化アルキル4級化物、ポリエチレンイミン、ジアルキルアミン/アルキレンジクロライド重縮合物などが市販されているが、いずれも、その固有粘度が0.5dL/g以下であれば用いることができる。
なお、カチオン系有機凝結剤は、固有粘度や化合物種の異なるものの2種以上を組み合わせて用いてもよい。
冷却水ブロー水に添加するカチオン性有機凝結剤の適性、及び好ましい添加量の設定は、該カチオン性有機凝結剤を冷却水ブロー水に添加、反応させた時の濁度挙動で判定することができる。
即ち、カチオン系有機凝結剤を冷却水ブロー水に添加、反応させたときの濁度の上昇の大きいもの程、好ましいカチオン系有機凝結剤と判定することができる。
また、冷却水ブロー水に対するカチオン系有機凝結剤の添加量は、該カチオン性凝結剤の添加量を変化させた時の最大濁度増加量の50〜90%、特に70〜80%の濁度上昇が得られるような添加量であることが好ましく、このような添加量でカチオン系有機凝結剤を添加することにより、良好なRO膜濾過性指標の濾過水を得ることができる。
即ち、冷却水ブロー水にカチオン系有機凝結剤を添加、反応させると、カチオン系有機凝結剤と冷却水ブロー水中の超微粒子及び微粒子との反応、会合で濁度上昇が起こる。この濁度上昇は、カチオン系有機凝結剤の添加量を増やしてゆくと、添加量に応じて大きくなり、ある時点になると、カチオン系有機凝結剤により会合し得る冷却水ブロー水中の超微粒子及び微粒子がすべて会合することにより、それ以上の濁度上昇は起こらなくなる。また、カチオン系有機凝結剤の添加量がさらに多くなると、分散効果で逆に濁度が低下してくる。本発明においては、このように、冷却水ブロー水へのカチオン系有機凝結剤の添加量を変化させたときの冷却水ブロー水の濁度が最大となるときの最大濁度増加量(カチオン系有機凝結剤添加後の冷却水ブロー水の最大濁度−カチオン系有機凝結剤添加前の冷却水ブロー水の濁度)に対して、濁度増加量が50〜90%、好ましくは70〜80%の範囲となるような添加量でカチオン系有機凝結剤を冷却水ブロー水に添加することが、良好なRO膜濾過性指標の濾過水を得る上で好ましい。この範囲よりもカチオン系有機凝結剤添加量が少な過ぎても多過ぎても、凝集処理水を濾過処理して得られる濾過水のRO膜濾過性指標が劣る傾向にある。
なお、処理対象とする冷却水ブロー水に用いられている分散剤の種類や添加量、スケール成分含有量、濃縮倍率等によって、冷却水ブロー水中の微粒子の量、大きさ、分散安定性が異なるため、カチオン性有機凝結剤の必要添加量や、最大濁度増加量は、処理対象の冷却水ブロー水毎にかなり異なるが、上記の濁度増加量に応じたカチオン系有機凝結剤の添加量の判定には共通性があることが確認されている。
[無機凝集剤]
本発明においては、無機凝集剤としては、好ましくは、ポリ塩化アルミニウム(PAC)、硫酸アルミニウム(例えば、液体硫酸アルミニウム(LAS))等のアルミニウム系無機凝集剤が用いられる。無機凝集剤としては、鉄系の無機凝集剤を適用することも可能であるが、鉄系無機凝集剤では、鉄水酸化物のコロイドが残留し、RO膜濾過性指標を悪化させることがあるので、アルミニウム系無機凝集剤が好適である。無機凝集剤は1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
冷却水ブロー水に対する無機凝集剤の添加量は、30mg/L以下とすることが好ましい。前述の如く、カチオン系有機凝結剤の適性添加量は、処理対象の冷却水ブロー水毎に異なることがあるが、無機凝集剤については、その適性添加量は、処理対象の冷却水ブロー水が異なってもほとんど変わらない。
無機凝集剤を上記上限を超えて添加しても、凝集処理水を濾過して得られる濾過水のRO膜濾過性指標は、それ以上良くなることはなく、むしろ、水酸化アルミニウム等の凝集フロックを形成し、これは密度が小さく、嵩高い、すなわち、同量の固形物が占める容積が大きくなるため、後段の濾過装置の負荷が大きくなり、通常標準の24時間程度の通水が行えず、これを大きく下回る短時間で濾過装置の逆洗浄が必要になるため、好ましくない。
無機凝集剤の添加量の下限値は通常10ppm程度である。しかし、冷却水ブロー水の水質変動を考慮すると、無機凝集剤添加量をこのような下限値付近とすることは好ましくなく、好適な無機凝集剤の添加量は通常15〜25mg/L程度である。
[凝集処理]
本発明において、冷却水ブロー水の凝集処理は、カチオン系有機凝結剤と無機凝集剤を用いて行われる。
この際、冷却水ブロー水にカチオン系有機凝結剤を添加して20分以上反応させて、冷却水ブロー水中の超微粒子及び微粒子を十分に会合させて濁度を上昇させた後、無機凝集剤を添加して、更に反応させることが好ましい。
[濾過処理]
上記の方法で冷却水ブロー水を凝集処理して得られた凝集処理水は次いで濾過処理する。
この凝集処理水の濾過処理は、アンスラサイトと平均粒子径が0.6mm以下の砂を濾過メディアとする濾過装置、より具体的には、重力式2層濾過装置(アンスラサイトと通常平均粒子径が0.45mmの砂を濾過メディアとする)、又は圧力式2層濾過装置(アンスラサイトと通常平均粒子径が0.60mmの砂を濾過メディアとする)が適用できるが、これと同等の濾過機能があれば、濾過装置の型式に制限はない。
また、この濾過処理は、UF膜分離装置を用いて行うこともできるが、この場合、UF膜への濁度負荷を低減するために、前段に濾過装置を設けることが好ましい。
このような濾過処理で得られた濾過水はRO膜分離処理に供される。
以下に実施例、参考例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
[評価試料]
以下の実施例、参考例及び比較例では、以下の評価試料水1,2を処理対象原水として用いた。
<評価試料水1>
石油化学コンビナートA工場の冷却水ブロー水を採取して、評価試料水1とした。
この工場の冷却水処理は、非リン系のポリマー系分散剤による処理で、濃縮倍数は4倍であり、採取した冷却水ブロー水の水質は表1に示す通りである。
<評価試料水2>
石油コンビナートB工場の冷却水ブロー水を採取して評価試料水2とした。
この工場の冷却水処理は、非リン系のポリマー系分散剤による処理で、濃縮倍数は5倍であり、採取した冷却水ブロー水の水質は表1に示す通りである。
Figure 0005949206
なお、前処理凝集試験に際して、評価試料水1については、硫酸40mg/Lを予め添加してpH6.8とした。また、評価試料水2については、硫酸140mg/Lを予め添加してpH6.5とした。このpH調整はRO膜面での炭酸カルシウムスケールの析出抑制のためにRO給水のpHを7未満とするために行うものである。
[評価したカチオン系有機凝結剤]
カチオン系有機凝結剤としては、下記表2に示すものを用いた。
Figure 0005949206
[使用した無機凝集剤]
PAC(ポリ塩化アルミニウム):Al10.3重量%,塩基度55%
LAS(液体硫酸アルミニウム):Al8.1重量%
[カチオン系有機凝結剤添加時の濁度挙動実験]
100mLの評価試料水1又は評価試料水2を100mLのガラスビーカーに採取し、所定のカチオン系有機凝結剤を添加してスターラで15分間攪拌した後、45分放置したサンプルについて、波長660nm,50mmセルの吸光度を計測し、カオリン濁度検量線に従って、濁度換算した。
カチオン系有機凝結剤添加量を変えて濁度を測定し、カチオン系有機凝結剤添加量と濁度との関係を調べ、濁度が最も大きくなったときの濁度を「最大濁度」、そのときのカチオン系有機凝結剤添加量を「最大濁度時添加量」とし、最大濁度と、カチオン系有機凝結剤添加前の評価試料水1又は評価試料水2の濁度との差を「最大濁度増加量」とした。
[凝集処理]
1100mLの評価試料水1又は評価試料水2を1Lポリビーカーに採取し、ジャーテスター150rpm攪拌下で所定量のカチオン系有機凝結剤を添加し、3分間反応させた。引き続き、150rpm攪拌下で、所定量のPAC又はLASを添加して7分間攪拌し、引き続き50rpmで10分間攪拌した。
なお、PAC及びLASはいずれも水溶液として添加した。
[凝集処理水の濁度測定]
無機凝集剤のみを用いて凝集処理を行った場合には、上記凝集処理水について、45分放置後、波長660nm,50mmセルの吸光度を計測し、カオリン濁度検量線に従って、濁度換算した。
また、カチオン系有機凝結剤と無機凝集剤を用いて凝集処理を行った場合は、前記のカチオン系有機凝結剤添加時の濁度挙動実験で求められたカチオン系有機凝結剤添加量と濁度との関係から、当該添加量の濁度を便宜上凝集処理水の濁度とした。また、その濁度と凝集処理前の評価試料水1又は評価試料水2の濁度との差を「濁度増加量」として算出し、この濁度増加量の表2に示す最大濁度増加量に対する割合を百分率として求め、この値を「濁度増加率」とした。
[濾過処理]
上記凝集処理水を概ね20分静置後、純水で十分洗浄したNo.5A濾紙2枚重ねでこの凝集処理水の全量を濾過した。
なお、この濾過条件は重力式2層濾過装置の濾過条件にほぼ相当する。
[RO膜濾過性指標MFFの測定とSDIの推算]
(1) 上記濾過処理で得られた濾過水を500mLずつ2本のメスシリンダーに入れた。
(2) 濾過水500mLを、ミリポア社製メンブレンフィルター「ミリポアフィルターHAWP」(孔径0.45μm、濾過口径47mm、ニトロセルロース製)を用い、−0.067MPa(500mmHg)の減圧下で濾過し、濾過時間T1を計測した。続いてもう1本の500mLを同様に減圧濾過し、濾過時間T2を測定した。
(3) 下記式でMFFを算出した。
MFF=T2/T1
(4) SDIの推算
図1に示す相関図から、下記式でMFFよりSDIを換算した。
SDI=29.251×MFF−28.002
SDI6.6以上の場合、6.6<と記載する。
[RO膜汚染性評価]
上記で求めたSDI換算値が4.0以下を「○」、4.0を超え6.6未満を「△」、6.6以上を「×」とした。
[凝集フロックの大きさ]
前記の凝集処理水中の凝集フロックの大きさを目視観察により測定した。
[凝集物の嵩及び濃度]
RO膜汚染性評価が「○」(SDI換算値4.0以下)で、沈降可能な凝集物(凝集フロックの大きさ0.2mm程度以上)を形成するものについて、試料(評価試料水)1Lで前記の凝集処理を行い、凝集処理水を一晩静置後に、沈殿物のみを200mLのシリンダーに移し、さらに24時間静置後にスラッジ容積(沈殿スラッジ容積)を計測し、凝集処理水の容積に対する沈殿スラッジ容積の容積%を求めた。
また、スラッジ全量を遠心分離機で濃縮し、一度純水で洗浄して、再度、遠心分離し、分離物を固形物総量として計量し、スラッジ容積と、固形物総量から、沈殿スラッジの固形物濃度をスラッジ濃度として算出した。
[実施例1〜14、参考例1〜9、比較例1〜12]
評価試料水1を用い、カチオン系有機凝結剤の種類及び添加量と無機凝集剤の種類及び添加量を表3,4に示す通りとして、前述の方法で凝集処理し(ただし比較例1では凝集剤添加せず。)、その後濾過処理を行って、各評価結果を表3,4に示した。
なお、表3,4において、カチオン系有機凝結剤及び無機凝集剤の添加量は有効成分としての添加量を示す。後掲の表5においても同様である。
Figure 0005949206
Figure 0005949206
[考察]
(1) 比較例2〜4
PAC20ppm又は50ppmの単独添加では、被処理水の濁度はほとんど上昇せず、PAC200ppmの場合を含めて、濾過水のMFFは非常に不良で、RO給水として不適当である。
(2) 比較例5
PAC400ppmの単独添加で、濾過水のSDI換算値は4.0未満になり、良好である。しかし、多量のPAC添加によりスラッジ量が増加するため、凝集水を直接に濾過装置に通水することは困難である。また汚泥処理設備が新たに必要になる。
(3) 実施例10,12〜14
固有粘度0.5dL/g以下のカチオン系有機凝結剤を、当該カチオン系有機凝結剤での最大濁度増加量を100%として、50〜90%の濁度増加率となる添加量条件とし、PACを10〜30ppm、好ましくは20ppm添加すれば、濾過水のSDI換算値は3.50〜4.76となり、概ね良好と判断される。
詳細に見ると、濁度増加率が約70%となるカチオン系有機凝結剤添加量で、最も良い結果を示し、50%に近い条件、90%に近い条件では、効果が低下する。
絶対効果は、濁度増加量の大きいカチオン系有機凝結剤ほど大きい傾向が認められる。
(4) 比較例1〜3,5〜9
濁度増加率50%未満、及び90%超のカチオン系有機凝結剤添加量では、RO膜汚染性が増加する。濁度増加率90%超で効果が低下するのは、余剰となったカチオン系有機凝結剤の影響と判断される。
(5) 比較例6、参考例4
カチオン系有機凝結剤のみでPACを使用しないと、濾過水のMFFは十分改善しない。一方、PAC添加量を50ppmまで増加すると、MFFは悪化の方向に転ずる。
(6) 実施例11
PACの代わりにLASを使用しても良好な効果が得られる。
(7) 比較例7〜9
固有粘度0.73dL/gのカチオン系有機凝結剤は、濁度上昇があるが、その程度は小さく、濾過水のMFFも改善方向にはあるが不十分である。
(8) 比較例10〜12
固有粘度5.3dL/gのカチオン系有機凝結剤では、濁度上昇はごくわずかで、MFF測定時の2回目の試料水500mLの濾過水生成が途中でほとんど停止し、Tが無限大になるためMFF(T/T)を測定し得ない。
[実施例15〜17、参考例10、比較例13〜17]
評価試料水2を用い、カチオン系有機凝結剤IIの添加量と無機凝集剤PACの添加量を表5に示す通りとして、前述の方法で凝集処理し(ただし、比較例13では凝集剤添加せず。)、その後濾過処理を行って、各評価結果を表5に示した。
Figure 0005949206
[考察]
(1) 比較例13〜17
PAC単独添加では600ppmまで添加しても、濾過水のMFFは不十分である。
PAC添加量1200ppmで濾過水のMFFが良好になる。しかしながら、この時のスラッジ容積は8.2%で、汚泥が大量に発生する。
(2) 実施例15〜17
評価試料水1の場合と同様に、固有粘度0.5dL/g以下のカチオン系有機凝結剤を、該凝結剤での最大濁度増加量を100%として、50〜90%の濁度増加率となる添加量条件とし、PACを20ppm添加すれば、濾過水のMFFのSDI換算値は3.79〜2.27と良好値が得られる。
評価試料水2では評価試料水1に対して、凝結剤添加量が多く、同時に濁度増加量が大きいことから、評価試料水2では、分散された微粒子量が多く、より安定に分散されていると推察される。
また、実施例16のスラッジ容積は0.6%で、比較例17の1/10以下である。またその濃度も7500mg/Lで、比較例17の2400mg/Lの3倍以上で、本発明では生成する汚泥成分の嵩密度が大きいことが示されている。

Claims (10)

  1. 冷却水ブロー水を逆浸透膜分離処理する際の前処理方法であって、該冷却水ブロー水を凝集処理した後濾過処理する冷却水ブロー水の処理方法において、
    該凝集処理を、固有粘度0.5dL/g以下のカチオン系有機凝結剤と無機凝集剤とを用いて行うことを特徴とする冷却水ブロー水の処理方法。
  2. 請求項1において、前記無機凝集剤がポリ塩化アルミニウム及び/又は硫酸アルミニウムであって、該無機凝集剤の前記冷却水ブロー水に対する添加量が30mg/L以下であることを特徴とする冷却水ブロー水の処理方法。
  3. 請求項1又は2において、前記濾過処理を、アンスラサイトと砂を濾過メディアとする濾過装置であって、濾過砂の平均粒子径が0.6mm以下の重力式2層濾過装置又は圧力式2層濾過装置を用いて行うことを特徴とする冷却水ブロー水の処理方法。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項において、前記カチオン系有機凝結剤を前記冷却水ブロー水に添加量を変化させて添加、反応させた後の該冷却水ブロー水の濁度が最大となるときの濁度増加量(以下「最大濁度増加量」と称す。)を予め求めておき、該カチオン系有機凝結剤を該冷却水ブロー水に添加、反応させた後の該冷却水ブロー水の濁度増加量が該最大濁度増加量の50〜90%の範囲となる該カチオン系有機凝結剤の添加量を、前記凝集処理時のカチオン系有機凝結剤添加量とすることを特徴とする冷却水ブロー水の処理方法。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項において、前記冷却水ブロー水に前記カチオン系有機凝結剤を添加、反応させた後、前記無機凝集剤を添加することを特徴とする冷却水ブロー水の処理方法。
  6. 冷却水ブロー水を逆浸透膜分離処理する際の前処理装置であって、該冷却水ブロー水が導入される凝集処理手段と、該凝集処理手段からの凝集処理水が導入される濾過装置とを備える冷却水ブロー水の処理装置において、
    該凝集処理手段は、該冷却水ブロー水に固有粘度0.5dL/g以下のカチオン系有機凝結剤と無機凝集剤とを添加して凝集処理する手段であることを特徴とする冷却水ブロー水の処理装置。
  7. 請求項6において、前記無機凝集剤がポリ塩化アルミニウム及び/又は硫酸アルミニウムであって、該無機凝集剤の前記冷却水ブロー水に対する添加量が30mg/L以下であることを特徴とする冷却水ブロー水の処理装置。
  8. 請求項6又は7において、前記濾過装置が、アンスラサイトと砂を濾過メディアとする濾過装置であって、濾過砂の平均粒子径が0.6mm以下の重力式2層濾過装置又は圧力式2層濾過装置であることを特徴とする冷却水ブロー水の処理装置。
  9. 請求項6ないし8のいずれか1項において、前記カチオン系有機凝結剤を前記冷却水ブロー水に添加量を変化させて添加、反応させた後の該冷却水ブロー水の濁度が最大となるときの濁度増加量(以下「最大濁度増加量」と称す。)を予め求めておき、該カチオン系有機凝結剤を該冷却水ブロー水に添加、反応させた後の該冷却水ブロー水の濁度増加量が該最大濁度増加量の50〜90%の範囲となる該カチオン系有機凝結剤の添加量を、前記凝集処理手段におけるカチオン系有機凝結剤添加量として設定する手段を有することを特徴とする冷却水ブロー水の処理装置。
  10. 請求項6ないし9のいずれか1項において、前記凝集処理手段において冷却水ブロー水に前記カチオン系有機凝結剤を添加、反応させた後、前記無機凝集剤を添加することを特徴とする冷却水ブロー水の処理装置。
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