JP7075718B2 - 浄水汚泥処理剤、浄水汚泥処理方法及び浄水汚泥処理装置 - Google Patents

浄水汚泥処理剤、浄水汚泥処理方法及び浄水汚泥処理装置 Download PDF

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Description

本発明は、浄水汚泥処理剤及びそれを用いた汚泥処理方法と汚泥処理装置に関するものであり、より詳しくは、汚泥の濃縮性や脱水効率が向上した浄水汚泥処理剤、汚泥処理方法及び汚泥処理装置に関するものである。
従来より、浄水処理においては、懸濁物質を含有する被処理水(以下「原水」ともいう)に硫酸バンドやポリ塩化アルミニウム(PAC)等の無機凝集剤を注入し、懸濁物質を取り込んだ凝集フロックを形成させ、この凝集フロックを沈降分離させることによって、懸濁物質を除去していた。沈降分離された懸濁物質は汚泥(浄水汚泥)として沈殿槽から引き抜かれ、通常は濃縮槽で濃縮した後、天日乾燥や機械脱水で処分していた。
ところで、原水として湖沼水やダム水を使用している場合には、高温時にアオコなどの藻類が発生し凝集不良を引き起こすことがある。凝集不良時の凝集フロックは、沈降性も不良であり、沈殿槽で十分沈降しないので発生する汚泥も濃度が低いものとなる。そのため、濃縮槽でも満足できる濃度まで濃縮できず、低濃度のまま機械脱水しなければならない。特に、脱水機がフィルタプレスの場合には、打ち込み時間が長くなり、かつ脱水ケーキも含水率が高く、フィルタからの脱水ケーキの剥離性が悪くなるという問題があり、更には、フィルタの洗浄に時間が掛かるといった問題も生じていた。
特開平7-308700号公報 特開平9-225208号公報 特開昭55-84505号公報 特公昭34- 612号公報
上述した従来の浄水汚泥の処理方法では、浄水汚泥の濃縮性を改善するために、ポリアクリルアミド系のアニオン系高分子凝集剤を濃縮槽で併用することが検討されている。この方法によれば、確かに、汚泥の濃縮性は著しく改善され、高濃度の汚泥が得られる。しかし、この濃縮汚泥を構成する凝集フロックは粘性の高いものとなり、この濃縮汚泥をフィルタプレスにより脱水した場合、フィルタからの脱水ケーキの剥離性が悪くなる恐れがある。
また、浄水処理では汚泥脱水工程で脱水ケーキと分離した脱離水についても全量が着水井に返送されて再利用されるため、脱離水中の残留ポリマーは系外に排出されることなく循環して再び浄水処理工程に戻ってくる。したがって、この残留ポリマーが浄水処理におけるろ過工程のろ抗(ろ過抵抗)上昇に影響を与える恐れがあった。
特許文献1では、浄水工程から生じる濃縮された汚泥にポリアクリル酸ソーダを添加しているが、濃縮汚泥は一般に高濃度である為、凝集剤との均一な混合が困難であり、汚泥と未反応の余剰凝集剤が残留する場合がある。凝集剤は粘着性を有するため、特にフィルタプレスで脱水した場合、ろ布からの脱水ケーキの剥離性が悪くなるおそれがある。
本発明は、上記課題を鑑み成されたものであり、その目的は、浄水処理工程、特にろ過処理工程に悪影響を与えることなく、高濃度の濃縮汚泥を脱水や乾燥した場合に脱水ケーキの剥離性を向上させ、適度な含水率の乾燥汚泥を生成する浄水汚泥の処理剤、浄水汚泥の処理方法及びその処理装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明は以下の構成とすることができる。
(1)本発明の浄水汚泥処理剤はポリカルボン酸系重合体を含有するものであれば特に限定されないが、浄水汚泥処理剤全体で次の特性(a)~(c)を全て充足する。(a)1mol/L塩化ナトリウム溶液に溶解した場合の0.1質量%塩粘度が2mPa・s~5mPa・s、(b)25g/L塩化ナトリウム溶液に溶解した場合の0.1質量%溶液粘度が6mPa・s以下、(c)アニオン当量が4.5meq/g以上。
(2)ポリカルボン酸系重合体は特に限定されないが、ポリ(メタ)アクリル酸又はその塩を含むことが好ましく、より好ましくはポリ(メタ)アクリル酸又はその塩を主成分とし、特に好ましくはポリ(メタ)アクリル酸とポリ(メタ)アクリル酸塩のいずれか一方又は両方からなるものを用いる。
(3)本発明は浄水汚泥処理剤に限定されず、浄水処理工程と、濃縮工程と、脱水工程と、供給工程とを有する浄水汚泥処理方法にも関するものであって、浄水処理工程は被処理水を凝集沈殿した後、ろ過して浄水を得、濃縮工程は浄水処理工程から分離した凝集沈殿汚泥と、ろ過に用いる装置から排出されるろ過洗浄排水の少なくとも一方を含む浄水汚泥を濃縮して濃縮汚泥を得、脱水工程は濃縮汚泥を脱水し、更に、供給工程は浄水汚泥と濃縮汚泥のいずれか一方又は両方に、前述の浄水汚泥処理剤を添加する工程である。
(4)上記各工程は特に限定されないが、脱水工程は、フィルタプレスを用いた機械脱水であることが好ましい。
(5)本発明は更に浄水汚泥処理装置にも関するものであって、この浄水汚泥処理装置は浄水処理手段と、濃縮手段と、脱水手段と、供給手段とを有し、浄水処理手段は被処理水を凝集沈殿し、ろ過して浄水を得、濃縮手段は浄水処理手段で分離した凝集沈殿汚泥と、ろ過用の装置から排出されるろ過洗浄排水の少なくとも一方を含む浄水汚泥を濃縮し、脱水手段は濃縮汚泥を脱水し、供給手段は浄水汚泥および濃縮汚泥の何れか一方又は両方に前述の浄水汚泥処理剤を添加する。
(6)上記各手段は特に限定されないが、脱水手段にはフィルタプレス型脱水手段を用いることが好ましい。
本発明によれば、浄水汚泥の濃縮性が改善され、高濃度汚泥を得ることができる。また、濃縮汚泥の剥離性が向上し、機械脱水の際に装置やフィルタの汚染が防止される上、適度な含水率の脱水ケーキを得ることができる。さらに、汚泥の濃縮や脱水で発生する離脱水を着水井に返送しても、浄水処理工程でのろ過障害が抑制される。
本発明による浄水汚泥処理を説明するフロー図である。 本発明の浄水汚泥処理装置の一例を示す模式図である。
以下、本発明を具体的に説明するが、本発明は特定の具体例に限定されるものではない。
図1は浄水汚泥処理の一例を示すフローであり、被処理水は凝集、沈殿、ろ過などの浄水処理を経て処理水(浄水)となる。他方、浄水処理で発生する汚泥は濃縮、脱水などの汚泥処理を経て脱水ケーキとなり、固液分離した上澄水や離脱水は浄水処理で再処理する。本発明の浄水汚泥処理剤は、上記のような汚泥処理に特に適している。
先ず、上記浄水汚泥処理で用いる薬剤、すなわち、浄水処理の工程でフロック生成に用いる凝集剤と、汚泥処理で用いる本発明の浄水汚泥処理剤について具体例を説明する。
[フロック生成用の凝集剤]
この凝集剤はフロック生成に適したものであれば特に限定されないが、一般に無機凝集剤を使用する。
無機凝集剤は特に限定されず、浄水処理に通常使用される無機凝集剤を使用することができる。具体的には、鉄系凝集剤とアルミニウム系凝集剤のいずれか一方あるいは両方を使用可能であり、より具体的には、硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム(PAC)、塩化アルミニウム、ポリ硫酸第二鉄(ポリ鉄)、塩化第二鉄及びこれらの混合物からなる群より選択されるいずれか1種以上を用いることができる。
なお、フロック成長促進の目的で、凝集助剤、pH調整剤、緩衝剤、高分子凝集剤、沈降促進剤から選択される1種以上の助剤を、無機凝集剤と一緒に或いは無機凝集剤とは別に添加してもよい。フロック成長用の高分子凝集剤は、無機凝集剤を添加、急速撹拌した後の被処理水に添加することが好ましい。
この高分子凝集剤は特に限定されないが、ポリ(メタ)アクリル酸系、ポリ(メタ)アクリルアミド系、ポリ(メタ)アクリルアミド共重合体系、ポリ(メタ)アクリル酸エステル系、ポリ(メタ)アクリル酸エステル共重合体系など多様なものを用いることができるが、好ましくは、下記の浄水汚泥処理剤と同じものを使用する。
[浄水汚泥処理剤]
汚泥濃縮および汚泥脱水の用途に用いる浄水汚泥処理剤は、ポリカルボン酸系重合体を含むものであって、好ましくはポリカルボン酸系重合体を主成分(50質量%)とするが、ポリカルボン酸系重合体の含有量は70質量%以上が好ましく、より好ましくは90質量%以上とすることも可能であり、実質的にポリカルボン酸系重合体からなる浄水汚泥処理剤が最も好ましい。
ポリカルボン酸系重合体は、天然物、合成品のいずれも用いることができる。例えば、合成品の場合は、カルボン酸とカルボン酸塩の少なくとも一方を用いて生成した重合体の他、カルボン酸又はその塩以外の他のモノマーで重合体を生成後、その重合体の置換基の少なくとも一部を加水分解などの化学変性でカルボキシル化したものも含む。
すなわち、ポリカルボン酸系重合体は、カルボン酸とカルボン酸塩の少なくとも一方を構造単位として有する重合体であれば特に限定されず、ホモポリマーでもよいし、コポリマーでもよい。以下、カルボン酸又はその塩をカルボン酸(塩)と略記し、他の化合物についても塩を使用可能な場合は同様に略記する。
ポリカルボン酸系重合体の原料となるカルボン酸(塩)は特に限定されず、不飽和カルボン酸(塩)、飽和カルボン酸(塩)の一方又は両方を用いることができるが、例えば、(メタ)アクリル酸(塩)、マレイン酸(塩)、イタコン酸(塩)、クロトン酸(塩)、ビニル安息香酸(塩)などの不飽和カルボン酸(塩)から選択される1種以上を用いることができる。
最も好ましいカルボン酸(塩)は(メタ)アクリル酸(塩)、すなわち、アクリル酸とその塩、メタクリル酸とその塩から選択される。塩としてはナトリウムやカリウム等のアルカリ金属塩の他、アンモニウム塩も用いることができるが、アルカリ金属塩、特にナトリウムが好ましい。
カルボン酸(塩)と、カルボン酸(塩)以外のコモノマーを共重合させてポリカルボン酸系(共)重合体を生成する場合、コモノマーの種類は特に限定されないが、例えば、ビニルスルホン酸(塩)などの1種以上のアニオン性モノマー:(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリレート(塩)又はこれらの誘導体から選択される1種以上のノニオン性モノマー:窒素含有(メタ)アクリレート(塩)、アミノ基含有エチレン性不飽和化合物(塩)、アミンイミド基含有化合物(塩)から選択される1種以上のカチオン性モノマーなどを用いることができる。
上記のようなコモノマーは1種以上を組み合わせて使用することが可能であり、その量も特に限定されない。しかし、後述するように処理剤全体のアニオン当量を高くするためには、カチオン性モノマーの使用量はモノマー原料全体の5mol%未満にすべきであり、好ましくはカチオン性モノマーを使用しない。また、ノニオン性モノマーを用いる場合も、アニオン当量が後述する最適値になるようその使用量を制限する。更に、アニオン性モノマーのみを用いることもできる。
ノニオン性モノマーのうち、(メタ)アクリルアミドのように毒性があるものは、その使用量をモノマー原料全体の10mol%以下とすることが好ましく、より好ましくは5mol%以下とする。また、(メタ)アクリルアミドを使用せずにカルボン酸系重合体を製造しても、本発明の処理剤の汚泥濃縮能力への影響は少ない。なお、(メタ)アクリルアミドとは、アクリルアミドとメタクリアミドの両方を含む概念である。
上記のようにモノマーを重合させた合成品とは別に、または合成品と共に天然物(抽出物、化学変性品を含む)を用いる場合も、その種類は特に限定されない。天然物由来のポリカルボン酸系重合体としては、例えば、アルギン酸(塩)、カルボキシメチルセルロース(塩)、ポリグルタミン酸(塩)、ペクチン(塩)などから1種以上を選択することができる。
このように、ポリカルボン酸系重合体としては、合成品、天然物、コポリマー、ホモポリマー、化学変性物など多様な種類を1種以上選択して使用することができるが、安全性を考慮すると、食品添加物としても使用できるポリカルボン酸系重合体、具体的には、ポリ(メタ)アクリル酸(塩)、アルギン酸(塩)、カルボキシメチルセルロース(塩)、ポリグルタミン酸(塩)からなる群より1種以上が選択される。
これらの中でも、汚泥濃縮性能の高いポリ(メタ)アクリル酸(塩)が最も好ましく、ポリ(メタ)アクリル酸(塩)と1種以上の他の好適なポリカルボン酸系重合体を組み合わせて使用することもできるが、ポリ(メタ)アクリル酸(塩)がポリカルボン酸系共重合体全体に占める割合を50質量%以上とすることが好ましく、より好ましくは75質量%以上、更に好ましくは80質量%以上、特に好ましくは90質量%以上であり、実質的にポリ(メタ)アクリル酸(塩)のみをポリカルボン酸系共重合体として使用することもできる。
ポリ(メタ)アクリル酸(塩)は特に限定されず、例えば、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸カリウム、ポリアクリル酸アンモニウム、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸ナトリウム、ポリメタクリル酸カリウム、ポリメタクリル酸アンモニウムからなる群より選択されるいずれか1種以上を用いることが可能であるが、特に好ましくはポリアクリル酸ナトリウムである。
上記のようなポリカルボン酸系重合体以外の浄水汚泥処理剤成分は特に限定されず、1種以上の他の高分子凝集剤、1種以上の添加剤を添加することも可能である。他の高分子凝集剤の具体例は、ポリ(メタ)アクリルアミド、アミン縮合系、DADMAC(ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリド)、メラミン酸コロイド、スルホン酸系、ポリ(メタ)アクリルエステル系、ジシアンジアミド系などがある。しかし、より好ましくは、ポリカルボン酸系重合体以外の高分子凝集剤は使用しない。
このように、本発明の浄水汚泥処理剤は、ポリカルボン酸系重合体を必須として含むのであれば、1種または2種以上のポリカルボン酸系重合体のみからなる場合、ポリカルボン酸系重合体以外の物質(他の高分子凝集剤、添加剤など)をも含む場合などが考えられるが、いずれの場合も浄水汚泥処理剤全体では、0.1質量%塩粘度が2mPa・s~5mPa・s、0.1質量%溶液粘度が6mPa・s以下、かつ、アニオン当量が4.5meq/g以上になるように、ポリカルボン酸系重合体の種類及び量、並びにポリカルボン酸系重合体以外の物質の種類及び量を調整する。
ここで、0.1質量%塩粘度とは、塩化ナトリウム1mol(約58.44g)を、1Lの水に溶解した塩化ナトリウム水溶液(1mol/L)に、浄水汚泥処理剤をその固形分濃度が0.1質量%になるよう溶解して試料を作成し、この試料をB型粘度計にて25℃の条件で測定した値であり、単位はmPa・sである。
上記の0.1質量%塩粘度は凝集フロックの凝集性の指標となるもので、0.1質量%塩粘度が2mPa・s未満では、凝集フロックがさほど大きくならず沈降性の改善が望めない。他方、0.1質量%塩粘度が5mPa・sを超えると、脱水時の剥離不良や、ケーキ含水率上昇の原因となる。
アニオン当量は以下の測定法で求めることができる値であって、単位はmeq/gである。浄水汚泥処理剤1g(固形分)を水1Lに溶解した水溶液(1g/L)を調整し、N/200メチルグリコールキトサン溶液を5ml添加し、攪拌後、トルイジンブルー指示薬を2~3滴添加し、PVSK溶液(N/400ポリビニル硫酸カリウム溶液)で滴定し、変色して10秒以上保持する時点を終点とする。同上の操作で試料を添加せずにブランク試験を行い、下記式によりアニオン当量Avを算出する。
アニオン当量(Av)[meq/g] =
(ブランクの滴定量[ml]-サンプルの滴定量[ml])×1/2×PVSK溶液の力価
なお、アニオン性の高分子重合体は負にコロイド荷電しており、コロイド当量値にマイナスの符号を付したコロイド荷電量として表記する方法も用いられてはいるが、ここでは、非負数のアニオン当量として表記する。すなわち、アニオン当量が大きいほど高(強)アニオンであり、アニオン当量が小さいほど低(弱)アニオン、すなわちノニオン性に近づくことになる(例:アニオン当量0~0.7はノニオン性)。
本発明の浄水汚泥処理剤はアニオン当量が4.5以上であり、好ましいアニオン当量は4.5~11.0であり、特に好ましいアニオン当量は9.0以上である。アニオン当量が4.5より小さい値となると、強固なフロック(例えば粗大凝集汚泥フロック)が形成されず、脱水時の剥離不良やケーキ含水率上昇の原因となる。
0.1質量%溶液粘度とは、塩化ナトリウムの量を1molから25gに変更して塩化ナトリウム水溶液(25g/L)を調整した以外は、上記0.1質量%塩粘度と同じ方法で測定した粘度であり、単位はmPa・sである。
前述の0.1質量%塩粘度やアニオン当量は、従来より高分子凝集剤の凝集性能の評価に利用される場合があったが、これらの指標は浄水処理工程におけるろ過装置(砂ろ過池)のろ過抵抗との関連で論じられることはなかった。本願発明者らが鋭意検討した結果、高分子凝集剤が使用されたときのろ過抵抗への影響度は、25g/Lの塩化ナトリウムで測定した0.1質量%溶液粘度で評価することが最適であることを見出した。
この0.1質量%溶液粘度は、汚泥処理の離脱水や上澄水を浄水処理工程(例:着水井)に返送して再処理する場合の、砂ろ過池のろ過抵抗の指標となる。すなわち、高分子凝集剤(浄水汚泥処理剤)の0.1質量%溶液粘度が6mPa・s以下であると、高分子凝集剤を使用しない場合と同程度かそれ以下のろ抗(ろ過抵抗)上昇ですむ。これに対し、浄水汚泥処理剤の0.1質量%溶液粘度が6mPa・sを超えると、ろ抗上昇率が速くなり、ろ過障害を招く要因となる。
このように、本発明では、浄水汚泥処理剤の0.1質量%塩粘度及びアニオン当量を好適範囲にすることで、汚泥の脱水性や濃縮性、脱水ケーキの剥離性を向上させ、かつ、浄水汚泥処理剤の0.1質量%溶液粘度を好適範囲とすることで、離脱水や上澄水によるろ過障害の抑制をも可能にする。
次に、浄水汚泥処理剤が用いられる浄水汚泥処理装置と、浄水汚泥処理剤を用いた浄水汚泥処理法について具体的に説明する。
[浄水汚泥処理装置]
本発明が適用できる浄水汚泥処理設備(浄水汚泥処理装置)は特に限定されず、実用化されている通常の設備を全て採用することが可能であるが、具体的には浄水処理設備と汚泥処理設備を兼ね備えたものであり、例えば横流式沈殿設備を有する浄水施設、高速凝集沈殿設備を有する浄水設備が挙げられる。
高速凝集沈殿設備としてはスラリー循環型、スラッジ・ブランケット型いずれも適用可能である。また、マイクロサンドのような、通常の凝集フロックよりも比重が大きい沈降促進剤を併用する超高速凝集沈殿設備の適用も可能である。ただし、いずれの場合も、本発明の浄水汚泥処理剤は、ろ過池などろ過装置を有する浄水汚泥処理装置に特に適している。
以下に、横流式沈殿設備を有する装置を例として具体的に説明する。図2は浄水汚泥処理装置の一例を示しており、この浄水汚泥処理装置15は、浄水処理を行う浄水処理手段20と、浄水汚泥を濃縮する濃縮手段30とを有し、浄水処理手段20内に、または、浄水処理手段20とは別にろ過池25等のろ過装置が設置されている。
より具体的には、浄水処理手段20は、着水井21と、凝集混和池(凝集混和槽)22と、フロック形成池(フロック形成槽)23と、沈殿池(沈殿槽)24と、ろ過池25とを有しており、着水井21には、水源から取水された被処理水1(原水)が導入され、場合により、後段の処理で分離される上澄水5、8、離脱水10、ろ過洗浄排水4、凝集沈殿汚泥3(又は沈殿前の粗大化フロック)のいずれか1種以上も着水井21に導入され、浄水処理に再利用される。
以下、原水のみならず、再利用されるものを含めて「被処理水」として説明する。凝集混和池22は着水井21の下流側に設置されており、被処理水1は着水井21から凝集混和池22に導入される。凝集混和池22には、直接又は間接的に薬剤の供給手段が接続され、この供給手段から被処理水1に無機凝集剤12が注入される。
凝集混和池22には、攪拌羽、攪拌ポンプなどの攪拌手段が設置されている。この攪拌手段は、所定の撹拌エネルギーを付与する撹拌速度(回転数)が設定され、無機凝集剤が注入された被処理水を急速撹拌する。撹拌エネルギーの指標は特に限定されないが、その一例はG値(単位時間単位体積あたりの仕事量Pから被処理水の粘性係数μを除した値の平方根、日本水道協会水道施設設計指針2000、P188より)である。
凝集混和池22における急速撹拌の結果、被処理水中の濁質が凝集して微細フロック(マイクロフロック)として成長し、微細フロックを含む被処理水1が下流側に設置されたフロック形成池23に導入される。
凝集混和池22と同様、フロック形成池23には、攪拌羽、攪拌ポンプなどの攪拌手段が設置されている。この撹拌手段は、凝集混和池22の撹拌手段よりも低攪拌エネルギー(低G値)を付与するように撹拌速度が設定され、微細フロックが崩壊することなく、フロック同士が接触を繰り返して粗大フロックが形成される。
沈殿池24はフロック形成池23の下流側に設置されており、粗大フロックを含む被処理水は、重力沈降により凝集沈殿汚泥3と沈殿上澄水に固液分離される。沈殿池24の構造は特に限定されないが、一般的に、その内部に傾斜板又は傾斜管を設置して粗大フロックの沈殿を促進させる。通常、凝集沈殿汚泥3は集積されて沈殿池24の底部から排出され、濃縮手段30へ送られる。
ろ過池25は沈殿池24の下流側に設置されており、沈殿池24で固液分離した沈殿上澄水は沈殿池24の終端部からろ過池25に送水される。ろ過池25はろ過材を有しており、例えばろ過材は粒状、繊維状、又は膜状であって、その種類や形状は特に限定されない。
好ましいろ過材は粒状であって、例えば、ろ過砂(珪砂)(有効径0.35~1.0mm、均等係数1.7以下、比重2.57~2.67)、アンスラサイト(有効径0.7~4.0mm、均等係数1.4以下、比重1.4~1.6)、ガーネット(有効径約0.3mm、均等係数1.5以下、比重3.8~4.1)、マンガン砂(有効径0.35~0.60mm、均等係数1.5以下、比重2.58~2.65)、セラミック(有効径0.3~2.0mm、比重1.0~1.2)のうち、1種以上を用いることができるが、上水道用途の場合は、珪砂とアンスラサイトのいずれか一方又は両方を含むものが最も好ましく、これらのろ過材に他のろ過材を更に組み合わせることも可能である。ろ過材は単層又は多層構造とし、これらろ過材とフィルターとを組み合わせることも可能である。
沈殿上澄水中の残留フロックや過剰な添加剤(例:高分子凝集剤)は上記ろ過材によりろ過除去され、清浄なろ過水となる。このろ過水には、必要に応じて塩素剤13(例えば、次亜塩素酸ナトリウム、液体塩素)が供給手段を介して添加され、処理水2(浄水)が得られる。
なお、浄水処理手段20は上記構成に限定されない。例えば、塩素剤13はろ過池25の上流側や着水井21に添加してもよい。また、伏流水のような低濁度の被処理水2を処理対象とする場合には、沈殿池24を経由せず、凝集混和池22又はフロック形成池23の下流側に直接ろ過池25を配置してもよい。
また、オゾン接触池と活性炭吸着池の組合せをろ過池25の上流側あるいは下流側のいずれか一方又は両方に設置してもよい。さらに、近年ろ過膜の発展が目覚ましいことから、固液分離手段として、ろ過池25の代わりに、または、ろ過池25と併用して、ろ過膜を使用することもできる。
いずれの態様の固液分離手段(ろ過池25)を使用する場合でも、使用により残留フロックや過剰な添加剤(高分子凝集剤など)が集積すると、ろ過抵抗が上昇してろ過効率が低下するため、必要に応じて洗浄が行われる。洗浄方法は特に限定されないが、ろ過池25は通常逆洗により洗浄され、洗浄後の排水はろ過洗浄排水4として濃縮手段30に送られる。また、ろ過洗浄排水4はそのまま着水井21に送られ再度浄水処理に供される場合もある。
次に、濃縮手段30について具体的に説明する。濃縮手段30は、排水池31と、排泥池32と、濃縮池33とを有しており、ろ過洗浄排水4は排水池31に送水され、重力沈降により排水池上澄水5と汚泥スラリー6に分離され、排水池上澄水5は浄水処理手段20(例:着水井21)に返送され、再度浄水処理に供される。排水池31は排泥池32に接続されており、排泥池32にはろ過洗浄排水4とろ過洗浄排水4由来の汚泥スラリー6のいずれか一方又は両方が送られる。
排泥池32は沈殿池24にも接続されており、ろ過洗浄排水4(汚泥スラリー6)の他、沈殿池24から凝集沈殿汚泥3も排泥池32に導入することが可能である。排泥池32には撹拌手段が設置されており、排泥池32は、凝集沈殿汚泥3とろ過洗浄排水4(汚泥スラリー6)の少なくとも一方を含む浄水汚泥7を撹拌しながら貯蔵する。浄水汚泥7は所定量が、所定間隔を空けてまたは連続して排泥池32からその下流側の濃縮池33へ送られる。
濃縮池33は浄水汚泥7を濃縮可能な装置であれば特に限定されないが、重量濃縮と機械濃縮のいずれか一方又は両方、好ましくは重量濃縮により浄水汚泥7を濃縮する。濃縮された浄水汚泥7(濃縮汚泥9)は、例えば濃縮池33の底部に沈降して固液分離し、濃縮池上澄水8は浄水処理手段20(例:着水井21)へ返送され、濃縮汚泥9は脱水手段50へ送られる。
脱水手段50は濃縮汚泥9から過剰水分を除去するものであれば特に限定されず、機械脱水と乾燥(天日や熱乾燥)のいずれか一方又は両方により脱水を行うことができるが、効率面からは少なくとも機械脱水を行う脱水装置51を有する。
この機械脱水は多様な方法を採用可能であり、例えば、ベルトプレス型、遠心脱水型、スクリュープレス型、真空脱水型などを単独で或いは2種以上を組み合わせて使用することができるが、処理能力が高く、ランニングコストも低いという点でフィルタプレス型の脱水装置51が最も好ましい。
フィルタプレス型の脱水装置51は、ろ布走行式、ろ布固定式、ダイヤフラム型等特に限定されないが、いずれも、加圧により、ろ布(フィルタ)を介して汚泥固形分から水分を分離する装置である。
フィルタは特に限定されないが、例えば、単繊維径が0.1~0.3mm程度の繊維を、不織布又は織布(朱子織、平織、綾織、杉綾織、フェルト、二重織等)としてシート状に成形したものであって、その材質も特に限定されず、例えば、ナイロン、ポリエステル、ポリプロピレン、レーヨン、アセテート、プロミックス、キュプラ、ビニロン、ビニリデン、ポリ塩化ビニル、アクリル、ポリエチレン、ポリウレタン、炭素繊維、フッ素繊維、ポリアミド等から選択されるいずれか1種以上の繊維を用いることができる。
いずれのフィルタを使用した場合も、浄水汚泥の水分は加圧によりフィルタを通過して脱水離脱水10となるが、固形分はフィルタを通過せず、脱水ケーキ11としてとして排出される。一方、脱水離脱水10は浄水処理手段20(例:着水井21)に返送される。
この浄水汚泥処理装置15は、更に浄水汚泥処理剤14の供給手段40を有しており、この供給手段40は、排泥池32から脱水装置51までの間のいずれか一カ所以上、例えば、排泥池32を濃縮池33に接続する配管、濃縮池33を脱水装置51へ接続する配管のいずれか一カ所以上に接続され、浄水汚泥7と濃縮汚泥9のいずれか一方又は両方に浄水汚泥処理剤14を添加する。なお、浄水汚泥処理剤14の添加位置または添加位置の下流側に混合槽を設置し、この混合槽で浄水汚泥処理剤14と、汚泥7、9を混合してもよい。
供給手段40は特に限定されないが、好ましくは溶解槽を設置し、この溶解槽に浄水汚泥処理剤14を溶解又は分散させた水溶液を収容する。この水溶液と被処理汚泥のいずれか一方又は両方の流量を流量制御手段で調整すれば、所望量の浄水汚泥処理剤14を注入することができる。
次に、この浄水汚泥処理装置15を用いた浄水汚泥処理方法について説明する。
[浄水汚泥処理方法]
本発明で処理する被処理水1は特に限定されず、工場排水、家庭排水、海水などの処理も可能ではあるが、特に適しているのは河川水、湖沼水、貯水地水、雨水、伏流水、地下水、井水である。
必要であれば被処理水1の水質をジャーテストなどで予め調べ、水質に合わせて無機凝集剤の注入量を予め設定しておき、被処理水1リットルあたり5~200mg、好ましくは10~100mgの添加量で無機凝集剤12を注入し、凝集混和池22で急速撹拌する。なお、上記添加量は、無機凝集剤が硫酸アルミニウムや塩化第二鉄の場合は固形分の質量であり、無機凝集剤がPAC(酸化アルミニウムAl換算10質量%のポリ塩化アルミニウム溶液)の場合は、その液体質量である。
次いで、微細フロックが生成した被処理水をフロック形成池23で緩速攪拌し、フロックを粗大化させる。緩速攪拌の開始前または緩速攪拌の間、必要であれば、フロック成長用の高分子凝集剤を適量(1リットルの被処理水1当たり0.05~20mg程度)添加してもよい。更に、無機凝集剤若しくは高分子凝集剤と一緒に又はこれら凝集剤とは別に、pH調整剤、緩衝剤、凝集助剤、殺菌剤、沈降促進剤の1種以上の添加剤を添加してもよい。
粗大フロックが成長した被処理水1は、沈殿池24で固液分離し、分離した沈殿上澄水はろ過池25でろ過されて清澄なろ過水となり、さらに塩素消毒などを経て処理水2(浄水)となる。一方、沈殿分離された凝集沈殿汚泥3は排泥池32に送泥される。
他方、ろ過池25は定期的に、または、検査結果によりろ抗が一定以上になったと判断される時に洗浄(逆洗)する。そのろ過洗浄排水4はろ過材から剥離された固形分(残留フロック、過剰添加剤)と共に排水池31に送られ、排水池上澄水5と汚泥スラリー6に固液分離される。排泥池32では、任意に汚泥スラリー6(ろ過洗浄排水4)と凝集沈殿汚泥3を混合して浄水汚泥7とする。
浄水汚泥7は排泥池32で撹拌され、固形分が均一分散した状態で濃縮池33へ送られる。この浄水汚泥7に浄水汚泥処理剤14を添加しておくと、濃縮池33での汚泥の沈降性が向上するので、重力濃縮や機械濃縮により高濃度の濃縮汚泥9が得られ、しかも濃縮池上澄水8の清澄度が改善される。汚泥濃縮時の浄水汚泥処理剤14の添加量は、例えば、浄水汚泥7の乾燥汚泥換算重量(SS)に対し0.01~3質量%、好ましくは0.1~1質量%程度であるが、濃縮条件により適宜変更可能である。
濃縮汚泥9は、加圧ろ過、加圧圧搾ろ過、真空ろ過、遠心分離、造粒脱水などの機械脱水法と、乾燥、から選択される1以上の機械脱水法と、添付や熱乾燥による乾燥法のいずれか1以上の方法で脱水されるが、好ましくは機械脱水、より好ましくは加圧ろ過又は加圧圧搾ろ過により脱水する。
いずれの脱水法でも、濃縮汚泥が浄水汚泥処理剤14を含む場合、脱水性が向上して脱水汚泥(脱水ケーキ11)の含水率が低下する上、脱水汚泥のろ布剥離性も向上するので、脱水工程を効率良く行うことができる。
脱水工程に利用される浄水汚泥処理剤14は、汚泥濃縮に利用した浄水汚泥7由来の残留物であってもよいし、汚泥濃縮後の濃縮汚泥9に添加してもよい。濃縮汚泥9に添加する場合、浄水汚泥処理剤14の添加量は、例えば、濃縮汚泥9の乾燥汚泥換算重量(SS)に対し0.005~2質量%、好ましくは0.05~0.5質量%程度であるが、脱水条件により適宜変更可能である。
脱水後の濃縮汚泥9は脱水ケーキ11として排出され、路盤材、土壌改良剤、セメント原料などにリサイクル利用可能であり、廃棄物として焼却処分あるいは埋立て処分することもある。
他方、濃縮手段30や脱水手段50で生じる上澄水や離脱水、具体的には、排水池上澄水5、濃縮池上澄水8、脱水離脱水10はいずれも浄水処理手段20(例:着水井21)に返送され、被処理水1やろ過洗浄排水4と共に、或いは、被処理水1やろ過洗浄排水4とは別に浄水処理工程に付される。
従って、上澄水5、8や離脱水10を、浄水汚泥処理装置15の処理系外部には流出させずに再処理可能であるため、上澄水5、8や離脱水10に浄水汚泥処理剤14やその添加剤(高分子凝集剤)が残留していても、これら残留物質の処理系外部へ流出させず、補足することができる。しかも、上澄水5、8や離脱水10残留する浄水汚泥処理剤14は、凝集フロックの粗大化にも寄与し、強固な粗大化フロックを形成させるため、水処理用(高分子)凝集剤の使用量を抑制することも可能である。
上澄水5、8や離脱水10を再処理する場合、従来は残留物質によるろ過池25のろ抗上昇が問題になった。本発明の浄水汚泥処理剤14は上澄水5、8や離脱水10に残留しても、ろ抗上昇の影響が無機凝集剤のみで凝集、沈殿、ろ過した場合と同程度かそれ以下に抑制される。すなわち、従来の汚泥処理剤を使用した場合と比較して、本発明の浄水汚泥処理剤14を使用すれば、上澄水5、8や離脱水10の再処理によるろ過障害が起こり難い。
以下、実施例および比較例により、本発明を具体的に説明する。本発明の浄水汚泥処理剤として6種類のポリマI~VIを用意し、比較対象として5種類の比較ポリマI~Vを用意した。その組成を下記表1、2に記載する。
Figure 0007075718000001
上記表1中、成分Aはポリアクリル酸Na(ホモポリマー)を示し、成分Bはポリアクリル酸Naとアルギン酸Naとの混合物であり、成分Cはポリアクリル酸NaとカルボキシメチルセルロースNaとの混合物であり、成分Dはポリアクリル酸NaとポリアクリルアミドNaの混合物であって、成分DのポリアクリルアミドNaはそのアニオン構造単位にカルボキシル基を含むアニオン系のポリカルボン酸共重合体である(アクリルアミドとアクリル酸Naの共重合体)。
Figure 0007075718000002
上記表2の成分Dは、表1の成分Dと同様、ポリアクリル酸Naと、アニオン系のポリカルボン酸共重合体であるポリアクリルアミドNaとの混合物である。
<汚泥スラリー濃縮試験>
上記ポリマI~VI及び比較ポリマI~Vを用いて汚泥スラリーの濃縮試験を行った。浄水汚泥処理剤としてのポリマI~VI、比較ポリマI、IIの種類及び注入率を、試験結果と共に下記表3に記載する。
Figure 0007075718000003
<比較例1>
和光純薬株式会社製の試薬カオリン(以下、カオリンと記す)および多木化学株式会社製のポリ塩化アルミニウムA-250(以下、PACと記す)を質量比1:2の割合で袖ヶ浦市水に添加して混合し、水酸化ナトリウムでpH7に中和して汚泥スラリー原液を調製した。この汚泥スラリー原液の固形物濃度(SS)を測定し、この値を基に袖ヶ浦市水で希釈してSS濃度1.3g/Lの汚泥スラリーを調製した。
この汚泥スラリー200mLをビーカーに採取し、ポリマI~VI(比較ポリマI~V)を添加せずにジャーテスターによりインペラ回転数150rpmで2分間撹拌後、共栓メスシリンダーに移して混合静置し、2分経過後の沈降スラリーの占める容積をスラリー界面から計測した。このスラリー容積%(以下、SVと記す)を求めたところ85%であった。さらに静置を継続し、30分経過後に上澄水(以下、濃縮上澄水と記す)を100mL採取し、日本電色工業社製の濁度計WA 6000を用いて濁度を測定したところ、濁度は30度を超えていた。
ついで、径150mmのNo.5種A定量ろ紙を16分割ヒダ折にしたものをロートに設置し、上記の静置30分後上澄水100mLを全量一気に注ぎ入れ、30秒間にろ過される水量(mL)を計量(以下この計量値を、濃縮上澄水ろ過指数と記す)したところ65mL/30秒であった。
<実施例1>
浄水汚泥処理剤として、ポリマIを表3の注入率で汚泥スラリーに添加した以外は、比較例1と同じ条件で汚泥スラリー濃縮試験を行ったところ、SVは28%、濃縮上澄水濁度は8.3度、濃縮上澄水ろ過指数は72mL/30秒であった。すなわち、実施例1は比較例1よりもSV、濃縮上澄水濁度とも低下し、汚泥スラリーの濃縮性、上澄水の清澄度は著しく改善されており、しかも比較例1と同等以上の高いろ過指数が得られている。比較例1はポリマが添加されておらず、無機凝集剤のみを使用して浄水処理(凝集、沈殿、ろ過)を行った場合に該当すると考えられており、本発明はこのような比較例1よりもろ抗が軽減されることが確認された。
<実施例2>
浄水汚泥処理剤であるポリマIの注入率を0.3質量%(対SS)に変更した以外は実施例1と同じ条件で汚泥スラリー濃縮試験を行ったところ、SVは27%、濃縮上澄水濁度は1.5度、濃縮上澄水ろ過指数は81mL/30秒であり、SV、濃縮上澄水濁度および濃縮上澄水ろ過指数の何れも、比較例1や実施例1よりも改善された。
<実施例3~実施例7>
浄水汚泥処理剤をポリマII~VIに変えて上記表3の注入率で添加した以外は、実施例1と同じ条件で汚泥スラリー濃縮試験を行ったところ、実施例3、実施例4、実施例5、実施例6、実施例7のSVはそれぞれ27%、27%、28%、21%、22%、濃縮上澄水濁度はそれぞれ4.5度、5.4度、5.2度、1.6度、1.8度、濃縮上澄水ろ過指数はそれぞれ78mL/30秒、70mL/30秒、66mL/30秒、75mL/30秒、66mL/30秒であり、SV、濃縮上澄水濁度および濃縮上澄水ろ過指数の何れも比較例1より改善された。ただし、同量の注入率(0.3%)で比較すると、実施例4~7は実施例2、3よりも濃縮上澄水のろ過指数の点で劣っており、ろ抗抑制が特に要求される場合は、ポリ(メタ)アクリル酸塩を主成分とする浄水汚泥処理剤が適していることが分かる。
<比較例2、比較例3>
浄水汚泥処理剤として、比較ポリマIを上記表3の注入率で添加した以外は、実施例1と同じ条件で汚泥スラリー濃縮試験を行ったところ、比較例2、比較例3のSVはそれぞれ26%、23%、濃縮上澄水濁度はそれぞれ2.0度、2.3度であり、これらの結果は比較例1よりも改善されたものの、濃縮上澄水ろ過指数はそれぞれ48mL/30秒、35mL/30秒と比較例1よりも著しく少なくなっており、ろ過障害リスクが比較例1よりも更に高いことが確認された。
<比較例4、比較例5>
浄水汚泥処理剤として、比較ポリマIIを上記表3の注入率で添加した以外は、実施例1と同じ条件で汚泥スラリー濃縮試験を行ったところ、比較例4、比較例5のSVはそれぞれ24%、23%、濃縮上澄水濁度はそれぞれ3.2度、0.3度と比較例1よりも改善されたものの、濃縮上澄水ろ過指数はそれぞれ35mL/30秒、36mL/30秒と比較例1よりも著しく少なくなっており、比較例4、5は比較例2、3と同様に、ろ過障害リスクが高いことが確認された。
次に、汚泥スラリーの濃度を高めて濃縮試験を行った。浄水汚泥処理剤としてのポリマI~VI、比較ポリマI~Vの種類を、試験結果と共に下記表4に記載する。
Figure 0007075718000004
<比較例6>
SS濃度2.0g/Lに調製した汚泥スラリーを試験に供した以外は、比較例1と同じ条件で汚泥スラリー濃縮試験を行ったところ、SVは99%、濃縮上澄水濁度は30度を超え、濃縮上澄水ろ過指数は61mL/30秒であった。
<実施例8~13>
浄水汚泥処理剤として、それぞれポリマI~ポリマVIを汚泥スラリーに0.3質量%対SSの注入率で添加した以外は、比較例6と同じ条件で汚泥スラリー濃縮試験を行ったところ、実施例8、実施例9、実施例10、実施例11、実施例12、実施例13のSVはそれぞれ39%、37%、35%、35%、55%、50%、濃縮上澄水濁度はそれぞれ1.7度、1.0度、8.2度、7.2度、0.4度、0.4度、濃縮上澄水ろ過指数はそれぞれ86mL/30秒、82mL/30秒、67mL/30秒、62mL/30秒、68mL/30秒、68mL/30秒であり、これら実施例8~13は比較例6よりも汚泥スラリーの濃縮性、上澄水の清澄度は著しく改善された上に、比較例6よりもろ過指数が高く、ろ抗が軽減されることが確認された。
また、SS濃度が高い場合においても、ポリアクリル酸Naを単独で用いた実施例8、9は他のポリマーとの混合物を用いた実施例10~13よりもろ過指数の点で各段に優れており、ろ抗の抑制が特に要求される場合は、ポリ(メタ)アクリル酸塩を主体とする浄水汚泥処理剤が特に適していることが分かる。
<比較例7~比較例11>
浄水汚泥処理剤として、それぞれ比較ポリマI~比較ポリマVを汚泥スラリーに0.3質量%対SSの注入率で添加した以外は、比較例6と同じ条件で汚泥スラリー濃縮試験を行ったところ、比較例7、比較例8、比較例9、比較例10、比較例11のSVはそれぞれ31%、33%、24%、25%、57%、濃縮上澄水濁度はそれぞれ0.4度、1.7度、2.1度、2.4度、0.5度、濃縮上澄水ろ過指数はそれぞれ49mL/30秒、48mL/30秒、45mL/30秒、43mL/30秒、48mL/30秒であり、SVおよび濃縮上澄水濁度が比較例6よりも改善されたものの、濃縮上澄水ろ過指数は比較例6よりも低く、ろ過障害のリスクが高いことが確認された。
<脱水試験>
次に、浄水汚泥処理剤の濃縮汚泥の脱水性について検討した。脱水条件、脱水試験結果を下記表5に記載する。
Figure 0007075718000005
<比較例12>
カオリンおよびPACを重量比1:2の割合で袖ヶ浦市水に添加して混合し、水酸化ナトリウムでpH7に中和して汚泥スラリー原液を調製した。この汚泥スラリー原液の固形物濃度(SS)を測定し、その測定値を基に袖ヶ浦市水で希釈してSS濃度20g/Lの濃縮汚泥を調製し、濃縮汚泥脱水試験に供した。
上記濃縮汚泥200mLを容器に採取し、別容器との間で移し替えを5回行って混合(後述の「移し替え5回凝集法」凝集操作に相当)後、トミー工業株式会社製の高速遠心機MX-307を用い、回転数5000rpm×2分の条件で固液分離を行い、上澄液と沈殿汚泥を採取した。
上澄液については、径150mmのNo.5種A定量ろ紙を16分割ヒダ折にしたものをロートに設置し、前記上澄液100mLを全量一気に注ぎ入れて濃縮汚泥遠心分離液ろ過指数(30秒間にろ過される水量(mL))を計量したところ、58mL/30秒であった。
沈殿汚泥については、40メッシュ篩網付き円錐形ろ過器(自社製)に入れて重力ろ過による水切を行い、水切後の汚泥をポリエステルろ布に挿み入れ、ピストン型加圧脱水機(自社製:面圧0.04MPa)で2分間脱水後、ろ布をから剥離させた脱水ケーキについてろ布からの汚泥剥離性評価と含水率を測定したところ、汚泥剥離性は「不良」、含水率は83.5質量%であった。
<実施例14、15>
浄水汚泥処理剤として、表1に記載の本発明のポリマIを濃縮汚泥にそれぞれ0.15質量%対SS、0.20質量%対SSの注入率で添加してから「移し替え5回凝集法」による凝集操作を実施した以外は、比較例12と同じ条件で濃縮汚泥脱水試験を行ったところ、実施例14、実施例15の濃縮汚泥遠心分離液ろ過指数はそれぞれ60mL/30秒、77mL/30秒、脱水汚泥ケーキの汚泥剥離性はいずれも「良」、含水率はそれぞれ76.5質量%、73.2質量%であった。すなわち、比較例12と比較して、実施例14、15は、汚泥脱水性、汚泥剥離性が改善された上、脱水離脱水(遠心分離上澄液)を浄水処理系に返送した場合のろ過池閉塞リスクも、無機凝集剤のみを使用して凝集沈殿ろ過を行う場合(比較例12)よりむしろ軽減されることが確認された。
<実施例16、実施例17>
浄水汚泥処理剤として、表1に記載の本発明のポリマIIを濃縮汚泥にそれぞれ0.15質量%対SS、0.20質量%対SSの注入率で添加した以外は、上記実施例14、15と同じ条件で濃縮汚泥脱水試験を行ったところ、実施例16、実施例17の濃縮汚泥遠心分離液ろ過指数はそれぞれ66mL/30秒、76mL/30秒、脱水汚泥ケーキの汚泥剥離性はいずれも「良」、含水率はそれぞれ73.1質量%、72.5質量%であり、いずれの指標も比較例12より改善された。
<実施例18、実施例19>
浄水汚泥処理剤として、表1に記載の本発明のポリマIII、IVを濃縮汚泥にそれぞれ0.20質量%対SSの注入率で添加した以外は、上記実施例14、15と同じ条件で濃縮汚泥脱水試験を行ったところ、実施例18、実施例19の濃縮汚泥遠心分離液ろ過指数はそれぞれ76mL/30秒、68mL/30秒、脱水汚泥ケーキの汚泥剥離性はいずれも「良」、含水率はそれぞれ78.0質量%、78.5質量%であり、いずれの指標も比較例12より改善された。
<実施例20、実施例21>
浄水汚泥処理剤として、表1に記載の本発明のポリマVを濃縮汚泥にそれぞれ0.15質量%対SS、0.20質量%対SSの注入率で添加した以外は、上記実施例14、15と同じ条件で濃縮汚泥脱水試験を行ったところ、実施例20、実施例21の濃縮汚泥遠心分離液ろ過指数はそれぞれ70mL/30秒、62mL/30秒、脱水汚泥ケーキの汚泥剥離性はいずれも「良」、含水率はそれぞれ72.0質量%、71.5質量%であり、いずれの指標も比較例12より改善された。
<実施例22、実施例23>
浄水汚泥処理剤として、表1に記載の本発明のポリマVIを濃縮汚泥にそれぞれ0.15質量%対SS、0.20質量%対SSの注入率で添加した以外は、上記実施例14、15同じ条件で濃縮汚泥脱水試験を行ったところ、実施例22、実施例23の濃縮汚泥遠心分離液ろ過指数はそれぞれ66mL/30秒、65mL/30秒、脱水汚泥ケーキの汚泥剥離性はいずれも「良」、含水率はそれぞれ72.2質量%、76.5質量%であり、いずれの指標も比較例12より改善された。
<比較例13、比較例14>
浄水汚泥処理剤として、比較ポリマIを濃縮汚泥にそれぞれ0.15質量%対SS、0.20質量%対SSの注入率で添加した以外は、実施例14、15と同じ条件で濃縮汚泥脱水試験を行ったところ、比較例13、比較例14の濃縮汚泥遠心分離液ろ過指数はそれぞれ39mL/30秒、30mL/30秒、脱水汚泥ケーキの汚泥剥離性はいずれも「良」、含水率はそれぞれ76.5質量%、73.5質量%であり、汚泥剥離性および含水率は比較例12より改善されたものの、濃縮汚泥遠心分離液ろ過指数は比較例12よりも低く、脱水離脱水(遠心分離上澄液)を浄水処理系に返送した場合のろ過池に与えるろ過閉塞リスクは比較例12よりも高くなった。
<比較例15、比較例16>
浄水汚泥処理剤として、比較ポリマIIを濃縮汚泥にそれぞれ0.15質量%対SS、0.20質量%対SSの注入率で添加した以外は、実施例14、15と同じ条件で濃縮汚泥脱水試験を行ったところ、比較例15、比較例16の濃縮汚泥遠心分離液ろ過指数はそれぞれ45mL/30秒、40mL/30秒、脱水汚泥ケーキの汚泥剥離性はいずれも「良」、含水率はそれぞれ76.5質量%、72.5質量%であり、汚泥剥離性および含水率は比較例12より改善されたものの、脱水離脱水(遠心分離上澄液)を浄水処理系に返送した場合のろ過池に与えるろ過閉塞リスクは比較例12よりも高くなった。
<比較例17、比較例18>
浄水汚泥処理剤として、比較ポリマIIIを濃縮汚泥にそれぞれ0.15質量%対SS、0.20質量%対SSの注入率で添加した以外は実施例14、15と同じ条件で濃縮汚泥脱水試験を行ったところ、比較例17、比較例18の濃縮汚泥遠心分離液ろ過指数はそれぞれ45mL/30秒、34mL/30秒、脱水汚泥ケーキの汚泥剥離性はいずれも「良」、含水率はそれぞれ80.0質量%、80.2質量%であり、汚泥剥離性および含水率は比較例12より改善されたものの、脱水離脱水(遠心分離上澄液)を浄水処理系に返送した場合のろ過池に与えるろ過閉塞リスクは比較例12よりも高くなった。
<比較例19、比較例20>
浄水汚泥処理剤として、比較ポリマIVを濃縮汚泥にそれぞれ0.15質量%対SS、0.20質量%対SSの注入率で添加した以外は実施例14、15と同じ条件で濃縮汚泥脱水試験を行ったところ、比較例19、比較例20の濃縮汚泥遠心分離液ろ過指数はそれぞれ44mL/30秒、28mL/30秒、脱水汚泥ケーキの汚泥剥離性はいずれも「良」、含水率はそれぞれ74.5質量%、72.5質量%であり、汚泥剥離性および含水率は比較例12より改善されたものの、脱水離脱水(遠心分離上澄液)を浄水処理系に返送した場合のろ過池に与えるろ過閉塞リスクは比較例12よりも高くなった。
<比較例21>
浄水汚泥処理剤として、比較ポリマVを濃縮汚泥に0.20質量%対SSの注入率で添加して以外は実施例14、15と同じ条件で濃縮汚泥脱水試験を行ったところ、比較例21の濃縮汚泥遠心分離液ろ過指数はそれぞれ45mL/30秒、脱水汚泥ケーキの汚泥剥離性は「良」、含水率は72.3質量%であり、汚泥剥離性および含水率は比較例12より改善されたものの、脱水離脱水(遠心分離上澄液)を浄水処理系に返送した場合のろ過池に与えるろ過閉塞リスクは比較例12よりも高くなった。
上述のとおり、本発明の浄水汚泥処理剤を使用すれば、汚泥スラリーの濃縮性および濃縮汚泥の脱水性を改善できるだけでなく、従来のアクリルアミド系高分子凝集剤併用時の問題点であった濃縮池上澄水や脱水離脱水が浄水処理系に返送された場合のろ過池でろ過障害を引き起こすリスクを画期的に軽減することができる。
1 被処理水(原水)
2 処理水(浄水)
3 凝集沈殿汚泥
4 ろ過洗浄排水
5 排水池上澄水
6 汚泥スラリー
7 浄水汚泥
8 濃縮池上澄水
9 濃縮汚泥
10 脱水離脱水
11 脱水ケーキ
12 無機凝集剤
13 塩素剤
14 浄水汚泥処理剤
15 浄水汚泥処理装置
20 浄水処理手段
21 着水井
22 凝集混和池
23 フロック形成池
24 沈澱池
25 ろ過池
30 濃縮手段
31 排水池
32 排泥池
33 濃縮池
40 供給手段
50 脱水手段
51 脱水装置

Claims (6)

  1. ポリカルボン酸系重合体から選択される少なくとも2種から成り
    1mol/L塩化ナトリウム溶液に溶解した場合の0.1質量%塩粘度が2~5mPa・sであり、25g/L塩化ナトリウム溶液に溶解した場合の0.1質量%溶液粘度が6mPa・s以下であり、かつ、アニオン当量が4.5meq/g以上であることを特徴とする浄水汚泥処理剤であって、
    前記ポリカルボン酸系重合体は、ポリ(メタ)アクリル酸(塩);(メタ)アクリル酸(塩)と、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリレート(塩)又はこれらの誘導体から選択される1種以上のノニオン性モノマーとを共重合させて得られる共重合体;アルギン酸(塩);カルボキシメチルセルロース(塩);及びポリグルタミン酸(塩)より選択される、
    前記浄水汚泥処理剤。
  2. 前記ポリカルボン酸系重合体がポリ(メタ)アクリル酸又はその塩を含むことを特徴とする請求項1に記載の浄水汚泥処理剤。
  3. 被処理水を凝集沈殿した後、ろ過して浄水を得る浄水処理工程と、
    前記浄水処理工程から分離された凝集沈殿汚泥と、前記ろ過に用いる装置から排出されるろ過洗浄排水の少なくとも一方を含む浄水汚泥を、濃縮して濃縮汚泥を得る濃縮工程と、
    前記濃縮汚泥を脱水する脱水工程と、を有し、
    前記浄水汚泥と前記濃縮汚泥のいずれか一方又は両方に、請求項1又は請求項2に記載の浄水汚泥処理剤を添加する浄水汚泥処理剤の供給工程を更に有することを特徴とする浄水汚泥処理方法。
  4. 前記脱水工程は、フィルタプレスを用いた機械脱水であることを特徴とする請求項3に記載の浄水汚泥処理方法。
  5. 被処理水を凝集沈殿し、ろ過して浄水を得る浄水処理手段と、
    前記浄水処理手段で分離された凝集沈殿汚泥と、前記ろ過に用いる装置から排出されるろ過洗浄排水の少なくとも一方を含む浄水汚泥を濃縮し、濃縮汚泥を得る濃縮手段と、
    前記濃縮汚泥を脱水する脱水手段と、
    前記浄水汚泥および前記濃縮汚泥の何れか一方又は両方に、請求項1又は請求項2に記載の浄水汚泥処理剤を添加する供給手段と、
    を有することを特徴とする浄水汚泥処理装置。
  6. 前記脱水手段は、フィルタプレス型脱水手段であることを特徴とする請求項5に記載の浄水汚泥処理装置。
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