JP5945086B1 - 既設水路の補修装置及びその補修方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】既設水路の補修に際して重機の導入や作業用運搬路の造設が不要な補修装置及びその補修方法を提供する。【解決手段】既設水路Cの補修装置1はクレーン本体2と運搬用台車3とを備える。クレーン本体2は、一対の支柱部21及び基台部22と、水平支持部23と、揚重機24と、パネル材Pを保持する保持部25と、揚重機24の水平移動及び保持部25の垂直移動の操作を行うための操作部26と、を備える。基台部22には、水路側壁Wの上面Wtを走行可能な本体用車輪27が設けられる。運搬用台車3は、パネル材Pを載置可能な架台31と、枠体32と、水路側壁Wの上面Wtを走行可能な台車用車輪33と、を備える。運搬用台車3の水路幅方向の幅3wがクレーン本体2の基台部22間の隙間2gより短く、運搬用台車3がクレーン本体2の真下にまで進入可能である。【選択図】図1

Description

本発明は、圃場近くに設置された用水路などの既設水路の補修装置及びその補修方法に関するものである。
(水路の劣化)
農業用水路などの用水路は、セメント、金属製波板(鋼矢板)などによって作られ、田圃と水路とを区画するが、長期間使用されていくと、経年劣化し、セメントにひび割れが入ったり、波板が錆びて所々、穴が開いてしまったりして、望ましくない場所で水が水路から漏れ、田圃に溢れてしまうといった被害が良く起こる。
(従来の補修方法)
このように経年劣化した既設水路を補修するために、従来は、クレーンなどの重機をトラック等の車両を使って現場へ搬入し、その重機で新品(交換用)の補修板を吊持しながら劣化部分にあてがい、劣化部分を補修することが一般的である。
(従来の補修方法で必要な重機と作業運搬路を利用することによる問題点)
しかしながら、現場への重機の搬入や移動には、既設水路脇に沿った田圃の一部を埋め立てて作業運搬路を確保する必要があり、作業運搬路用の土地を補修期間(ある程度長い期間)、田圃保有者から、借り上げなくてはならない。水路周辺の田圃や農地を一旦、埋め立てて作業運搬路としての使用が完了した後、元の借りた状態の農地に戻す作業も必要になる。このように、重機を利用した従来の水路補修には直接役立たない借地や作業運搬路施工のための余分なコストが掛かっていた。
その上、従来方法では、補修完了後、外見上は作業運搬路から農地に戻せたとしても、農地の土壌特性が変化するなど、農地や農作物などへ環境的な影響を与えかねない。
また、重機を利用した従来方法では、稲刈り等の時期に当たると、借上げ交渉は拒否され、作業運搬路の確保が難しくなり、補修計画が立てづらいといった施工計画上の問題も指摘されている。
ところで、既設水路の補修に関連した先行技術として、例えば、特許文献1が既に開示されている。この特許文献1では、パネル材を保持する保持機構と、パネル材とともに保持機構を垂直及び水平に移動可能な揚重機(垂直移動機構)及び水平移動機構とを備えたパネル取付装置が開示されている。特許文献1に開示のパネル取付装置では、開口部下向きのコの字状を成す支持部の両端部を水路脇の地面深くに埋設することで、パネル取付装置を、水路を跨いだ状態で水路脇に立設・固定させている。
しかしながら、水路の一箇所での補修が終了し、少し離れた箇所(例えば、水路の流れ方向に沿って離れた箇所)で再度、新品パネルを使った補修作業を行いたい場合、上記のパネル取付装置を重機やトラックなどの車両で移動させて水路脇の所望の位置に再度設置させる必要がある他、新品パネル等を次の補修箇所の水路脇まで移動させる必要がある。
要するに、特許文献1では、水路のある一箇所での効率的なパネル材の移動・施工を行う機構が開示されているが、水路全体(通常はある程度の長い距離を持つ)に対して連続的な補修作業を行う際でも、パネル材の搬入から水路内への移動及び取付けまでの効率的な移動・取付けを容易く行える機構までは開示されていない。また、特許文献1の技術は、その構造やその説明を見る限り、水路脇の作業用運搬路の造設や、水路脇での重機の利用を完全に排除できるとは言い難い。
特許第3648493号公報
本発明は、上述した従来の実情に鑑みて提案されたものであり、既設水路の補修作業に際して、重機や作業用運搬路の造設が不要な補修装置及びその補修方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討した末、(1)パネル材を水平及び垂直に移動可能なパネル材取付装置(以下、「クレーン本体」とも呼ぶ。)を水路に沿って移動自在にさせる構造と、(2)パネル材を載置可能な架台を備えた運搬用台車を水路に沿って走行可能にさせる構造と、(3)クレーン本体の真下に運搬用台車が絶妙に進入できる構造などを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、例えば、次の構成・特徴を採用するものである。
(態様1)
一対の支柱部と、前記支柱部を水路側壁の上に立設・固定する一対の基台部と、前記支柱部間の距離を前記水路側壁間の距離に保ちながら下向きコ字状の輪郭を形成するように前記支柱部の上部に取り付けられた水平支持部と、前記水平支持部によって水平に移動自在に支持された揚重機と、前記揚重機から垂直に移動自在に吊り下げられてパネル材を保持する保持部と、前記揚重機の水平移動と前記保持部の垂直移動の操作を行うための操作部を備えたクレーン本体と、
前記パネル材を載置可能な架台と、前記架台が前記水路を跨ぐように該架台を保持可能な枠体と、前記水路側壁の上面を走行可能な台車用車輪と、を備えた運搬用台車と、
を備えた既設水路の補修装置であって、
前記クレーン本体の前記基台部には、前記水路側壁の前記上面を走行可能な本体用車輪が設けられ、かつ、
前記運搬用台車の水路幅方向の幅が前記クレーン本体の前記基台部間の隙間より短く、前記運搬用台車が前記クレーン本体の真下に進入可能であることを特徴とする既設水路の補修装置。
(態様2)
前記クレーン本体における前記水平支持部と前記支柱部との間の接続部には、前記水路側壁間の距離に対応して、前記支柱部間及び前記基台部間の距離を調節可能な調節部が設けられ、かつ、
前記運搬用台車には、前記水路側壁間の距離に対応して、前記運搬用台車の前記幅及び前記台車用車輪間の幅を調節可能な調節部が設けられることを態様1に記載の既設水路の補修装置。
(態様3)
前記クレーン本体又は前記運搬用台車の少なくとも一方には、前記クレーン本体又は前記運搬用台車の一部又は全部が前記水路内に落下することを防止する落下防止装置が設けられていることを特徴とする態様1又は2に記載の既設水路の補修装置。
(態様4)
態様1〜3のいずれかに記載の既設水路の補修装置を利用した既設水路の補修方法であって、
前記クレーン本体を前記水路側壁上に立設する本体立設工程と、
前記水路側壁に沿って前記本体用車輪を転動させて前記クレーン本体を補修箇所まで移動させる本体移動工程と、
前記運搬用台車を前記水路側壁上に載置する台車載置工程と、
前記パネル材を前記運搬用台車に積載するパネル材積載工程と、
前記水路側壁に沿って前記台車用車輪を転動させて前記運搬用台車を前記補修箇所の近くに立設した前記クレーン本体の真下に進入させる台車進入工程と、
前記クレーン本体の前記保持部に前記パネル材を取り付けて、前記パネル材が前記補修箇所に接近するように前記保持部及び前記揚重機を移動させるパネル材操作工程と、
前記パネル材を前記補修箇所に接続して補修を行う補修工程と、
を含むことを特徴とする既設水路の補修方法。
(態様5)
前記パネル材の一方の表面には格子状の補強材を配設する剛性強化工程と、
前記補修箇所の近くの前記水路側壁の前記上面に、前記補修箇所まで貫通する貫通孔を設ける穿孔工程と、
をさらに有し、かつ、
前記補修工程では、前記剛性強化工程により剛性強化した前記パネル材の前記表面側を前記補修箇所に当接させつつ、前記貫通孔を介して前記補修箇所と前記パネル材との隙間にセメント又はモルタルを流し込み、前記補修箇所と前記パネル材とを接合することを特徴とする態様4に記載の既設水路の補修方法。
本発明によれば、既設水路の補修装置として、市販の重機や車両に比べて簡素かつ軽量な構成の上記クレーン本体と、上記運搬用台車と、を利用・搬入するだけで補修作業を実行できるため、従来の方法で必須であった重機を利用する必要がない。
そのうえ、本発明では、補修箇所(例えば、パネル材を積んだ車両が停車している田圃脇の道路から離れた田圃の奥まで延びた水路内の補修箇所)までパネル材を運ぶために、運搬用台車の架台にパネル材を積載して該台車を水路側壁に沿って走行させるだけで良いので、水路脇に従来のような重機やパネル材を補修箇所まで運び込んだり、運び出したりするための作業運搬路を造設する必要がないため、これに要するコストや時間を無くすことができる。
作業運搬路を不要とすることは、地主との借地交渉や水路脇の農地を傷めたりすることが殆どないため、農地の土壌特性の改変や悪化を心配することもない。さらには、水路の補修時期を、水路に近接した農作地の種まき時期や収穫時期から避ける必要もないため、一年中を通して補修を行いやすくなり、補修計画も立てやすくなるといったメリットも享受できるようになる。
既存水路に設置した本発明の補修装置を示した斜視図である。 本発明の補修装置の運搬用台車とクレーン本体を示した平面図である。 既存水路の断面と本発明の補修装置の正面を示した図である。 本発明の補修方法の各工程を説明したフローチャートである。
以下、本発明を図面に示す実施例に基づき説明するが、本発明は、下記の具体的な実施例に何等限定されるものではない。なお、各図において同一又は対応する要素には同一符号を用いる。
(補修装置の説明)
図1は、既存水路Cに設置した本発明の補修装置1を示した斜視図である。補修装置1は、大きく分類して、クレーン本体2と運搬用台車3とによって構成される。図2(a)に、水路側壁Wの上面Wt上に設置したクレーン本体2の正面図を示し、図2(b)に水路側壁Wの上面Wt上に設置した運搬用台車3の正面図を示す。
先ず、クレーン本体2の構造について詳しく説明する。クレーン本体2は、一対の支柱部21,21と、支柱部21,21を水路側壁W,Wの上に立設・固定する一対の基台部22,22と、支柱部21,21の上部21t,21tに取り付けられた水平支持部23と、を有する。それゆえ、クレーン本体2の正面視の輪郭は、下向きコ字状に形成される。なお、支柱部21には、図1に示すように、支柱部21や水平支持部23を安定的に固定するための補強材21a,21bを追加してもよい。
クレーン本体2は、さらに、水平支持部23によって水平(つまり、水平方向の左右)に移動自在に支持された揚重機24と、揚重機24から垂直(つまり、垂直方向の上下)に移動自在に吊り下げられてパネル材Pを保持する保持部25と、揚重機24の水平移動と保持部25の垂直移動の操作を行うための操作部26と、を備える。保持部25は、例えば、図3(a)に示すようにフック25aと、チェーン25b、このフック25aに引っ掛けられてパネル材Pに接続可能なロープ25cを備えていてもよい。パネル材Pの表面Psには、ロープ25cを着脱自在に係合可能な係合部Paが設けられていてもよい。
本実施例では、支柱部21、基台部22、及び水平支持部23は、H形鋼で作られており、揚重機24の上部に設けられた移動ローラー24rが、操作部26からの指示によって、水平支持部23のH形鋼の両側に突出した板に沿って走行することで揚重機24の本体が水平に移動可能となる。
クレーン本体2の基台部22,22には、水路側壁W,Wの上面Wt,Wtを走行可能な本体用車輪27,27が設けられる。このような構成のクレーン本体2は、例えば、作業者Oが支柱部21,22を水路Cに沿って平行に押していくことで、水路側壁W,W上を水路Cの長手方向に沿って走行可能となる。
次に、運搬用台車3の構造について詳しく説明する。運搬用台車3は、パネル材Pを載置可能な架台31と、架台31が水路Cを跨ぐように架台31を保持可能な枠体32と、水路側壁W,Wの上面Wt,Wtを走行可能な台車用車輪33,33と、を備える。このような構成の運搬用台車3は、パネル材Pを積載しながら水路側壁W,W上を水路Cの長手方向に沿って走行可能となる。また、運搬用台車3に枠体32の少なくとも一端(図1では矢印の方向における前方端)の隅部から垂直に延びたハンドル部34,34が設けられており、これにより、作業者Oは自身の体を無理に曲げずに運搬用台車3を水路Cに沿って水平移動させられるようになる。なお、クレーン本体2の基台部22,22の少なくとも一端にも、上記ハンドル部34と同様の構造のハンドル部(図示せず)を立設させてもよい。
なお、運搬用台車3の水路幅方向の幅3wがクレーン本体2の基台部22,22間の隙間2gより短くされていることに留意されたい(図2(a)及び図2(b)を参照)。これにより、運搬用台車3がクレーン本体2の真下にまで進入可能である。この台車3の構造は、本装置1を用いた後述する補修方法を実施する上で大変重要となる。
クレーン本体2における水平支持部23と支柱部21との間の接続部には、水路側壁W,W間の距離Cgに対応して、支柱部21,21間及び基台部22,22間の距離2gを調節可能な調節部28が設けられる。図1では、調節部28の例示として、水平支持部23と、支持部21の上部21tとが互いに当接できるように板状となっており、これらの板には距離2gの方向に沿って調整孔28hが複数設けられた構造を成す。これらの調整孔28hのいずれかの位置に水平支持部23と支持部21とを締結するためのボルト(図2(a)中、28bを参照)を一方から挿通し、他方からナット(図2(a)中、28nを参照)で固定することによって、距離2gを所望の長さに調節することができる。
また、運搬用台車3の枠体32のうち、水路Cを跨ぐように置かれた一対の枠体32a,32aには、図2(b)に示すように、幅調節部35が枠体32a,32aに沿って取り付けられており、これにより、幅調節部35の長さ方向に複数設けられた調整孔35hに図示しないボルト・ナットを取り付けて、枠体32の幅方向の長さ3wを水路Cの隙間Cgに対応した所望の長さ(隙間Cgよりやや大きく、かつ、クレーン本体2の支柱部21(基台部22)間の隙間2gより小さい長さ)に設定することが可能となる(図2(a)も参照)。
また、クレーン本体2又は運搬用台車3の少なくとも一方(図示の実施例では双方)には、クレーン本体2又は運搬用台車3の一部又は全部が水路C内に落下することを防止する落下防止装置41,42が設けられていることが好ましい。
ここで、クレーン本体2側の落下防止装置41は、例えば、水路C両側に置かれた夫々の基台部22,22の長手方向の一端(前方端)近くに設けられており、基台部22の内側に一旦延び、その後、水路Cの底に向かって延びた腕部41aと、腕部41aの下端に回転自在に設けられかつ水路側壁Wの側面Wsに沿って走行可能なガイドローラー41bと、を備える。
一方、運搬用台車3側の落下防止装置42は、枠体32のうち、水路側壁Wの側面Wsとは直交する(つまり、図1中の水路Cを跨ぐように矢印方向の前方及び後方に置かれた)一対の枠体32a,32aのそれぞれに設けられた一対の腕部42aと、腕部42aの下端に回転自在に設けられかつ水路側壁Wの側面Wsに沿って走行可能なガイドローラー42bと、を備える。
このような落下防止装置41,42を設けることにより、クレーン本体2や運搬用台車3を水路Cの長手方向に沿って走行させる際に、本体用車輪27,27や台車用車輪33,33の横方向(つまり、水路Cの長手方向と直交する方向)の移動が所定範囲に規制されるため、本体用車輪27,27や台車用車輪33,33を含めたクレーン本体2や運搬用台車3の一部又は全部が水路側壁Wの上面Wtから外れて(脱輪して)、水路Cや水路側壁W外側の水路脇A1や田圃A2や農地A3へ落下することを防止することができる。
なお、クレーン本体2側の落下防止装置41は、基台部22,22の長手方向の一端(前方端)側にだけ設けられることが好ましい。後述の補修方法を実施するにあたり、基台部22の別の一端(後方端)近くでは、水路Cの内側に突出した落下防止装置41が設けられていないため、運搬用台車3の走行路上に障害物は存在せず、運搬用台車3が後方端からクレーン本体2内に進入し、クレーン本体2の真下位置まで走行できるようになる。
(補修方法の説明)
次に、以上説明した本発明の補修装置1を用いて既存水路Cを補修する方法について、図4を参照しながら説明する。なお、図4は本発明の補修方法の各工程S1〜S7を説明したフローチャートである。なお、本補修方法を現場の既存水路Cで実施する際の事前準備として、クレーン本体2、運搬用台車3、パネル材P等の機材をトラック等の大型車両(図示せず)で現場近くの道路脇まで運び込んでおく必要がある。
また、図3(a)は、本補修方法に従って、作業者Oが水路C内で補修作業を行う様子と水路Cの断面構造の概略を示す。水路Cは、その両側の水路脇A1(の土手)との境界を区画する水路側壁Wと、底部Wcと、から構成された上方が開口した有底のコの字状断面構造を成す。水路側壁Wは、上面Wt及び側面(内側側面)Wsを有した笠板Waと、鋼矢板等の側壁本体Wbと、から通常、構成される。経年劣化等により、側壁本体Wbには、錆、孔、ひび割れ等の劣化箇所Bが発生し、補修が必要な補修箇所となる。
本補修方法では、先ず、クレーン本体2を水路側壁W上の任意の位置に立設する(本体立設工程S1、図4も参照)。より具体的には、道路脇から水路側壁Wにクレーン本体2を運び、この本体2を水路側壁Wの上面Wtに垂直に立設させる。
工程S1の実行後、水路側壁Wに沿って本体用車輪27を転動させてクレーン本体2を補修箇所Bまで移動(水平移動)させる(本体移動工程S2)。なお、クレーン本体2の高さ及び幅は、それぞれ、約3〜5m及び約1〜3m(水路Cの幅Cgに対応して調整)であり、簡素なH形鋼で形作られているため従来の重機に比べて格段に軽量であり、複数の作業者Oによる人力だけで、水路側壁W上の補修箇所Bまで容易に水平移動させることが可能となる。
工程S2の実行後、運搬用台車3(より詳しくは、台車用車輪33)を水路側壁W上の任意の位置に載置する(台車載置工程S3)。その後、パネル材Pを運搬用台車3に積載する(パネル材積載工程S4)。その後、水路側壁Wに沿って台車用車輪33を転動させて運搬用台車3を前述の補修箇所B近くの位置に立設したクレーン本体2の真下に進入させる(台車進入工程S5)。
上記工程S1〜S5の実行によって、クレーン本体2と運搬用台車3とが補修のための望ましい位置に配置できたので、作業者Oは、図3(a)及び後述の説明に示すように、被装着部材であるパネル材Pの取付・接着を開始できるようになる。
つまり、クレーン本体2の保持部25(図3(a)では、揚重機24に懸架されているチェーン25bの末端に接続されたフック部25a及びロープ25c)にパネル材Pを取り付けて、操作部26を操作して、パネル材Pが補修箇所Bに接近するように保持部25及び揚重機24を移動させる(パネル材操作工程S6)。具体的には、保持部25の垂直移動によって保持部25に取り付けられたパネル材Pも水路Cの上下に移動させることができ、揚重機24(及び揚重機24に吊り下げられた保持部25)の水平移動により、保持部25に取り付けられたパネル材Pも水平移動させることができる。
すなわち、上記工程S6の実行後は、例えば、パネル材Pは水路C内の補修箇所Bに近接した位置に配置・一時固定できた状態になる。このような状態から、パネル材Pを補修箇所Bに接続して補修を行う(補修工程S7)。
これにて、通常、長い水路C上のある一つの補修箇所Bでの補修を終えることができるが、長時間の使用により、通常、水路C上のそれ以外の複数の劣化箇所Bで補修が必要となる。そのような(別の補修箇所Bでの補修が必要な)場合には、毎回、上述した本体立設工程S1乃至補修工程S7を繰り返すことで、積載車両停車位置や道路から著しく離れた水路C上の奥まった所でも、クレーン本体2と運搬用台車3を利用するだけでパネル材Pを容易く安全に運び込み、補修箇所Bに接合することができるのである。従って、本補修方法では、従来の補修方法で必須であった重機の利用をすることも、重機を水路Cに沿って移動させたり、仮置いたりするための作業運搬路を水路C脇に沿って造設・確保していくことも不要となる。
なお、本発明の補修方法は、さらに、以下に説明する工程S11,S12,S13も含んでいることが好ましい。すなわち、図3(b)に示すように、本方法に利用するパネル材Pの一方の表面Psには、予め補強材Pb(好ましくは、複数の鉄筋を格子状に組んだ構造)を配設しておく(剛性強化工程S11)。そして、図3(a)に示すように、補修工程S7より前の段階で、補修箇所Bの近くの(箇所Bの上方に位置する)水路側壁Wの上面Wtに、補修箇所Bまで到達する貫通孔Hを設ける(穿孔工程S12)。
このような好適な事前処理工程S11,S12を実行しておけば、補修工程S7では、パネル材Pの内表面Ps側を補修箇所Bに当接させつつ、貫通孔Hから補修箇所Bとパネル材Pとの隙間にセメント又はモルタル、その他の結合硬化剤を流し込みことにより、補修箇所Bとパネル材Pとを確実かつ堅固に接合することができる(工程S13)。これにより、補強材Pb(鉄筋)付きパネル材Pで接合・補修された補修箇所Bを含んだ修復部分では、補修前に比べると、その剛性や強度を大幅増強することができる。
本発明によれば、水路C上をそれぞれ別々に走行可能で簡素かつ軽量なクレーン本体と運搬用台車を利用するだけ補修作業が行えるため、従来の方法では必須であった重機の導入や作業用運搬路の造設が不要になり、上述した様々なメリットを補修請負業者や水路脇の農地所有者に提供するのである。このように、本発明は、産業上の利用価値及び産業上の利用可能性が非常に高い。
1 本発明の補修装置
2 クレーン本体
2g 支柱部間又は基台部間の距離
3 運搬用台車
3w 運搬用台車の水路幅方向の幅
21 支柱部
21t 支柱部の上部
22 基台部
23 水平支持部
24 揚重機
24r 揚重機移動用の移動ローラー
25 保持部
26 操作部
27 本体用車輪
28 調整部
31 架台
32 枠体
33 台車用車輪
34 ハンドル部
35 幅調整部
41 クレーン本体側の落下防止装置
41a 腕部
41b ガイドローラー
42 運搬用台車側の落下防止装置
42a 腕部
42b ガイドローラー
C 既存水路
Cg 水路側壁間の距離
P パネル材
Pa 係合部
Pb 補強材(鉄筋)
Ps パネル材の表面(水路に露出させる面)
Ps パネル材の表面(補修箇所に対向させる面)
B 補修箇所
H 貫通孔
O 作業者
W 水路側壁
Wa 水路側壁の笠板
Wb 水路側壁本体
Wc 水路の底部
Ws 水路側壁(笠板)の側面
Wt 水路側壁(笠板)の上面
S1 本体立設工程
S2 本体移動工程
S3 台車載置工程
S4 パネル材載置工程
S5 台車進入工程
S6 パネル材操作工程
S7 補修工程
S11 剛性強化工程
S12 穿孔工程

Claims (5)

  1. 一対の支柱部と、前記支柱部を水路側壁の上に立設・固定する一対の基台部と、前記支柱部間の距離を前記水路側壁間の距離に保ちながら下向きコ字状の輪郭を形成するように前記支柱部の上部に取り付けられた水平支持部と、前記水平支持部によって水平に移動自在に支持された揚重機と、前記揚重機から垂直に移動自在に吊り下げられてパネル材を保持する保持部と、前記揚重機の水平移動と前記保持部の垂直移動の操作を行うための操作部を備えたクレーン本体と、
    前記パネル材を載置可能な架台と、前記架台が前記水路を跨ぐように該架台を保持可能な枠体と、前記水路側壁の上面を走行可能な台車用車輪と、を備えた運搬用台車と、
    を備えた既設水路の補修装置であって、
    前記クレーン本体の前記基台部には、前記水路側壁の前記上面を走行可能な本体用車輪が設けられ、かつ、
    前記運搬用台車の水路幅方向の幅が前記クレーン本体の前記基台部間の隙間より短く、前記運搬用台車が前記クレーン本体の真下に進入可能であることを特徴とする既設水路の補修装置。
  2. 前記クレーン本体における前記水平支持部と前記支柱部との間の接続部には、前記水路側壁間の距離に対応して、前記支柱部間及び前記基台部間の距離を調節可能な調節部が設けられ、かつ、
    前記運搬用台車には、前記水路側壁間の距離に対応して、前記運搬用台車の前記幅及び前記台車用車輪間の幅を調節可能な調節部が設けられることを請求項1に記載の既設水路の補修装置。
  3. 前記クレーン本体又は前記運搬用台車の少なくとも一方には、前記クレーン本体又は前記運搬用台車の一部又は全部が前記水路内に落下することを防止する落下防止装置が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の既設水路の補修装置。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の既設水路の補修装置を利用した既設水路の補修方法であって、
    前記クレーン本体を前記水路側壁上に立設する本体立設工程と、
    前記水路側壁に沿って前記本体用車輪を転動させて前記クレーン本体を補修箇所まで移動させる本体移動工程と、
    前記運搬用台車を前記水路側壁上に載置する台車載置工程と、
    前記パネル材を前記運搬用台車に積載するパネル材積載工程と、
    前記水路側壁に沿って前記台車用車輪を転動させて前記運搬用台車を前記補修箇所の近くに立設した前記クレーン本体の真下に進入させる台車進入工程と、
    前記クレーン本体の前記保持部に前記パネル材を取り付けて、前記パネル材が前記補修箇所に接近するように前記保持部及び前記揚重機を移動させるパネル材操作工程と、
    前記パネル材を前記補修箇所に接続して補修を行う補修工程と、
    を含むことを特徴とする既設水路の補修方法。
  5. 前記パネル材の一方の表面には格子状の補強材を配設する剛性強化工程と、
    前記補修箇所の近くの前記水路側壁の前記上面に、前記補修箇所まで貫通する貫通孔を設ける穿孔工程と、
    をさらに有し、かつ、
    前記補修工程では、前記剛性強化工程により剛性強化した前記パネル材の前記表面側を前記補修箇所に当接させつつ、前記貫通孔を介して前記補修箇所と前記パネル材との隙間にセメント又はモルタルを流し込み、前記補修箇所と前記パネル材とを接合することを特徴とする請求項4に記載の既設水路の補修方法。
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