JP5945037B2 - 偏光板 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリビニルアルコール系樹脂層にヨウ素が吸着配向している偏光子を含む偏光板に関する。
偏光板は、液晶表示装置等の表示装置、とりわけ近年ではスマートフォン、スレートPCのような各種モバイル機器に広く用いられている。モバイル機器への展開に伴い、偏光板の薄肉軽量化が益々求められており、また一方で、耐熱性に優れることも要求されている。
しかしながら、従来の偏光板は、耐熱試験(通常、80〜85℃で500〜750時間)を実施すると、偏光板から赤色領域の光が漏れる「赤変」という不具合を生じたり、偏光度が大きく低下したりする傾向にあった。例えば赤変を抑制する方法としては、偏光子に亜鉛イオンを含有させる方法が知られている(例えば、特許文献1及び2)。しかしながらこの方法は、偏光子表面に亜鉛が析出したり、亜鉛の濃度管理が煩雑であったり、使用する薬剤に皮膚刺激性があるといった問題を有している。
特公昭60−033245号公報 特公平02−034001号公報
本発明は、耐熱試験によっても赤変及び偏光度の低下が生じにくい、耐熱性に優れた偏光板の提供を目的とする。
本発明は、以下に示す偏光板を提供する。
[1] ポリビニルアルコール系樹脂層にヨウ素が吸着配向している偏光子を含み、
ヨウ素の位相差値Riが160nm以上であり、
単体透過率Tyが41〜43%、偏光度Pyが99.9%以上であり、かつ、波長400nmでの直交透過率T400と波長700nmでの直交透過率T700との比T400/T700が0.5以上である、偏光板。
[2] 直交色相のb値が−2.5〜−0.5である、[1]に記載の偏光板。
[3] 85℃で500時間加熱する耐熱試験前後の前記偏光度の変化率が0.05%以下である、[1]又は[2]に記載の偏光板。
[4] 前記偏光子は、厚みが15μm以下である、[1]〜[3]のいずれかに記載の偏光板。
[5] 前記偏光子の少なくとも一方の面に積層される保護フィルムをさらに含む、[1]〜[4]のいずれかに記載の偏光板。
本発明の偏光板によれば、耐熱試験による赤変及び偏光度の低下を抑制することができる。
本発明に係る偏光板の層構成の一例を示す概略断面図である。 本発明に係る偏光板の層構成の他の一例を示す概略断面図である。
(1)偏光板の構成
図1は、本発明に係る偏光板の層構成の一例を示す概略断面図である。図1に示される偏光板1のように本発明の偏光板は、偏光子5と、その一方の面に第1接着剤層15を介して積層される第1保護フィルム10と、他方の面に第2接着剤層25を介して積層される第2保護フィルム20とを備える両面保護フィルム付偏光板であることができる。偏光板1は、第1保護フィルム10及び/又は第2保護フィルム20上に積層される他の光学層や粘着剤層等をさらに有していてもよい。
また本発明の偏光板は、図2に示される偏光板2のように、偏光子5と、その一方の面に第1接着剤層15を介して積層される第1保護フィルム10とを備える片面保護フィルム付偏光板であってもよい。偏光板2は、第1保護フィルム10及び/又は偏光子5上に積層される他の光学層(又は光学フィルム)や粘着剤層等をさらに有していてもよい。
他の光学層(又は光学フィルム)としては、ある種の偏光光を透過し、それと逆の性質を示す偏光光を反射する反射型偏光フィルム;表面に凹凸形状を有する防眩機能付フィルム;表面反射防止機能付フィルム;表面に反射機能を有する反射フィルム;反射機能と透過機能とを併せ持つ半透過反射フィルム;視野角補償フィルム等が挙げられる。
(2)偏光板の光学特性
本発明に係る偏光板1,2は、下記の光学特性:
〔a〕偏光板1,2において、ヨウ素の位相差値Riが160nm以上である、
〔b〕単体透過率Tyが41〜43%である、
〔c〕偏光度Pyが99.9%以上である、及び
〔d〕波長400nmでの直交透過率T400と波長700nmでの直交透過率T700との比T400/T700が0.5以上、好ましくは0.9以上である
を充足する偏光板である。これらの光学特性はいずれも耐熱試験前のものである。なお、下記の実施例の項で詳述するように、本明細書における単体透過率、偏光度及び直交透過率は、視感度補正されたものである。
偏光板の偏光性能は、主に単体透過率Ty及び偏光度Pyによって表すことができる。偏光板を液晶表示装置のような表示装置に適用したときに良好な画像明瞭性を確保するためには、偏光板1,2は、単体透過率Tyが40%以上であることが好ましく、41%以上であることがより好ましく、かつ、偏光度Pyが99%以上であることが好ましく、99.9%以上であることがより好ましい。
偏光板の耐熱性を向上させる(赤変及び偏光度の低下を生じにくくさせる)べく種々検討を行い、上記〔b〕及び〔c〕を満たす程度に良好な偏光性能を維持できることを前提にして、上記〔a〕及び〔d〕の双方を充足する偏光板1,2によれば、耐熱性を向上できることを見出した。偏光子5の厚みが15μm以下と小さい場合には、とりわけ赤変や偏光度の低下が生じやすいが、上記〔a〕〜〔d〕を充足する偏光板1,2は、優れた偏光特性を有しながら高い耐熱性を示す。このような高耐熱性は、偏光板1,2を液晶表示装置のような表示装置等に適用し、実使用に供される場合においても長期にわたって持続する。
上記〔a〕におけるヨウ素の位相差値Riは、波長1000nmにおける位相差値であり、ヨウ素の配向性を示す指標となる特性値である。本発明ではこれを160nm以上まで高くする。Riを160nm以上とすることは、耐熱試験下での偏光度の低下を抑制するうえでとりわけ有利である。Riが160nm未満であると、上記〔d〕を充足する場合であっても優れた耐熱性を得ることが難しい。Riは、好ましくは165nm以上であり、より好ましくは170nm以上である。Riは、通常280nm以下であり、好ましくは250nm以下、より好ましくは220nm以下である。ヨウ素の位相差値Riの測定方法等については、下記実施例の項の記載に従う。
下記実施例の項の記載に従ってRiを求めると、実測される偏光子5の位相差値R(λ)を波長依存性を有する項と波長依存性を有しない項とに分離したときの波長依存性を有しない項として、ポリビニルアルコール系樹脂の位相差値Rpvaが併せて求められる。波長依存性を有する項がRiである。ポリビニルアルコール系樹脂の位相差値Rpvaは、偏光子5を構成するポリビニルアルコール系樹脂の配向性を示す指標となる特性値である。Rpvaは通常、250〜450nm程度(例えば300〜400nm程度)の範囲内である。
偏光板1,2の耐熱性向上の観点から、ヨウ素の位相差値Riとポリビニルアルコール系樹脂の位相差値Rpvaとの比Ri/Rpvaは、好ましくは0.30以上であり、より好ましくは0.32以上であり、さらに好ましくは0.35以上である。Ri/Rpvaの上限は特に制限されないが、Ri/Rpvaは例えば0.38未満であってもよい。
優れた耐熱性を得るためには、上記〔d〕のとおり、波長400nmでの直交透過率T400と波長700nmでの直交透過率T700との比T400/T700を0.5以上、好ましくは0.9以上とする必要がある。T400/T700は、0.7以上であってもよく、0.9以上であってもよく、1以上であってもよく、さらに1.5以上であってよい。T400/T700を0.5以上、とりわけ0.9以上とすることは、耐熱試験下での赤変を抑制するうえでとりわけ有利である。偏光板のT700は、長波長側(赤色領域)の吸収帯の裾野における直交透過率に、T400は、短波長側(青色領域)の吸収帯の裾野における直交透過率に対応しているところ、本発明者は、耐熱試験前の長波長側及び短波長側の吸収帯の強度をそれぞれT700及びT400によって評価でき、かつこのような吸収帯強度の代替評価物性としての偏光板におけるT700及びT400を用いて、それらの比T400/T700を0.5以上、好ましくは0.9以上とすることが耐熱性向上、とりわけ赤変抑制に有利であることを見出したものである。T400/T700が0.9未満、とりわけ0.5未満であると、上記〔a〕を充足する場合であっても優れた耐熱性を得ることが難しい。T400/T700は、通常30以下である。T400/T700の測定方法等については、下記実施例の項の記載に従う。
400は、通常0.0003〜0.3%、例えば0.0005〜0.2%程度の範囲内であることができる。T700もまた、通常0.0003〜0.3%、例えば0.0005〜0.2%程度の範囲内であることができる。
本発明に係る偏光板1,2は、単体透過率Tyが41〜43%、かつ、偏光度Pyが99.9%以上という優れた偏光性能を示す。単体透過率Tyが高いと赤変を生じやすい傾向にあるが、本発明によれば、このような場合であっても、例えば単体透過率Tyが42%程度以上であっても耐熱性に優れた偏光板1,2を提供することができる。また、単体透過率Tyが43%以下、好ましくは42.8%以下である偏光板1,2は、耐熱試験後の偏光度を高く維持する点で有利である。Ty及びPyの測定方法等については、下記実施例の項の記載に従う。
本発明に係る偏光板1,2は耐熱性に優れており、耐熱試験(通常、80〜85℃で500〜750時間)による偏光度Pyの低下が小さい。本発明によれば、下記実施例の項に記載の式で定義される耐熱試験前後の偏光度の変化率Zが0.05%以下、さらには0.04%以下、なおさらには0.03%以下の偏光板1,2を提供することができる。
本発明に係る偏光板1,2は、下記実施例の項の記載に従って測定される直交色相のb値が−2.5〜−0.5の範囲内であることが好ましく、−2.0〜−0.6の範囲内であることがより好ましい。直交色相のb値がこの範囲内にある偏光板1,2は、赤変をより効果的に抑制し、初期状態の黒表示をニュートラル付近に保つという点で有利である。
(3)偏光子
偏光子5としては、ポリビニルアルコール系樹脂層にヨウ素が吸着配向しているものが用いられる。かかる偏光子としては、例えば、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを一軸延伸する工程;ポリビニルアルコール系樹脂フィルムをヨウ素で染色することにより、ヨウ素を吸着させる工程;ヨウ素が吸着されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムをホウ酸水溶液で処理する工程;及び、ホウ酸水溶液による処理後に水洗する工程を含む方法によって製造できる偏光フィルムを用いることができる。
ポリビニルアルコール系樹脂としては、ポリ酢酸ビニル系樹脂をケン化したものを用いることができる。ポリ酢酸ビニル系樹脂としては、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニルの他、酢酸ビニルと共重合可能な他の単量体との共重合体等が挙げられる。酢酸ビニルに共重合可能な他の単量体の例は、不飽和カルボン酸類、オレフィン類、ビニルエーテル類、不飽和スルホン酸類及びアンモニウム基を有する(メタ)アクリルアミド類等を含む。本明細書において「(メタ)アクリル」とは、アクリル及びメタクリルから選択される少なくとも一方を意味する。「(メタ)アクリロイル」についても同様である。
ポリビニルアルコール系樹脂のケン化度は通常、85〜100mol%程度であり、98mol%以上が好ましい。ポリビニルアルコール系樹脂は変性されていてもよく、例えば、アルデヒド類で変性されたポリビニルホルマール又はポリビニルアセタール等を用いることもできる。ポリビニルアルコール系樹脂の平均重合度は通常、1000〜10000程度であり、1500〜5000程度が好ましく、1500〜4000程度がより好ましい。ポリビニルアルコール系樹脂の平均重合度は、JIS K 6726に準拠して求めることができる。
このようなポリビニルアルコール系樹脂を製膜したものが、偏光子5(偏光フィルム)の原反フィルムとして用いられる。ポリビニルアルコール系樹脂を製膜する方法は、特に限定されるものではなく、公知の方法が採用される。ポリビニルアルコール系原反フィルムの膜厚は、例えば10〜150μm程度である。
ポリビニルアルコール系樹脂フィルムの一軸延伸は、ヨウ素の染色前、染色と同時、又は染色の後に行うことができる。一軸延伸を染色の後で行う場合、この一軸延伸は、ホウ酸処理の前又はホウ酸処理中に行ってもよい。また、これらの複数の段階で一軸延伸を行ってもよい。
一軸延伸にあたっては、周速の異なるロール間で一軸に延伸してもよいし、熱ロールを用いて一軸に延伸してもよい。また一軸延伸は、大気中で延伸を行う乾式延伸であってもよいし、溶剤を用いてポリビニルアルコール系樹脂フィルムを膨潤させた状態で延伸を行う湿式延伸であってもよい。延伸倍率は通常、3〜8倍程度である。
ポリビニルアルコール系樹脂フィルムをヨウ素で染色する方法としては、例えば、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムをヨウ素が含有された水溶液(染色浴)に浸漬する方法が採用される。なお、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムは、染色処理の前に水への浸漬処理を施しておくことが好ましい。
ヨウ素による染色処理としては通常、ヨウ素及びヨウ化カリウムを含有する染色浴に、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを浸漬する方法が採用される。この染色浴におけるヨウ素の含有量は、水100重量部あたり0.01〜1重量部程度であることができる。ヨウ化カリウムの含有量は、水100重量部あたり0.5〜20重量部程度であることができる。また染色浴の温度は、20〜40℃程度であることができる。
ヨウ素による染色後のホウ酸処理としては通常、染色されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムをホウ酸含有水溶液(架橋浴)に浸漬する方法が採用される。この架橋浴は、ヨウ化カリウムを含有することが好ましい。架橋浴におけるホウ酸の量は、水100重量部あたり2〜15重量部程度であることができ、ヨウ化カリウムの量は、水100重量部あたり0.1〜15重量部程度であることができる。架橋浴の温度は、50℃以上であることができ、例えば50〜85℃である。
ホウ酸処理後のポリビニルアルコール系樹脂フィルムは通常、水洗処理される。水洗処理は、例えば、ホウ酸処理されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムを水に浸漬することにより行うことができる。水洗処理における水の温度は通常、5〜40℃程度である。浸漬時間は通常、1〜120秒程度である。
水洗後に乾燥処理を施して、偏光子5が得られる。乾燥処理は、熱風乾燥機や遠赤外線ヒーターを用いて行うことができる。偏光子5の厚みは15μm以下であることが好ましく、10μm以下であることがより好ましい。偏光子5の厚みを15μm以下とすることにより偏光板1,2の薄膜化を実現できる一方、本発明によれば、このような薄膜の偏光子5を用いる場合であっても耐熱試験下での赤変及び偏光度の低下を効果的に抑制することができる。偏光子5の厚みは通常、5μm以上である。
(4)第1及び第2保護フィルム
第1及び第2保護フィルム10,20はそれぞれ、透光性を有する(好ましくは光学的に透明な)熱可塑性樹脂、例えば、鎖状ポリオレフィン系樹脂(ポリプロピレン系樹脂等)、環状ポリオレフィン系樹脂(ノルボルネン系樹脂等)のようなポリオレフィン系樹脂;トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロースのようなセルロースエステル系樹脂;ポリエステル系樹脂;ポリカーボネート系樹脂;(メタ)アクリル系樹脂;ポリスチレン系樹脂;又はこれらの混合物、共重合物等からなるフィルムであることができる。第1保護フィルム10と第2保護フィルム20は、互いに同種の保護フィルムであってもよいし、異種の保護フィルムであってもよい。
第1及び/又は第2保護フィルム10,20は、位相差フィルム、輝度向上フィルムのような光学機能を併せ持つ保護フィルムであることもできる。例えば、上記熱可塑性樹脂からなるフィルムを延伸(一軸延伸又は二軸延伸等)したり、該フィルム上に液晶層等を形成したりすることにより、任意の位相差値が付与された位相差フィルムとすることができる。
鎖状ポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂のような鎖状オレフィンの単独重合体のほか、2種以上の鎖状オレフィンからなる共重合体を挙げることができる。
環状ポリオレフィン系樹脂は、環状オレフィンを重合単位として重合される樹脂の総称である。環状ポリオレフィン系樹脂の具体例を挙げれば、環状オレフィンの開環(共)重合体、環状オレフィンの付加重合体、環状オレフィンとエチレン、プロピレンのような鎖状オレフィンとの共重合体(代表的にはランダム共重合体)、及びこれらを不飽和カルボン酸やその誘導体で変性したグラフト重合体、並びにそれらの水素化物等である。中でも、環状オレフィンとしてノルボルネンや多環ノルボルネン系モノマー等のノルボルネン系モノマーを用いたノルボルネン系樹脂が好ましく用いられる。
セルロースエステル系樹脂は、セルロースと脂肪酸とのエステルである。セルロースエステル系樹脂の具体例は、トリアセチルセルロース(TAC)、ジアセチルセルロースを含む。また、これらの共重合物や、水酸基の一部が他の置換基で修飾されたものを用いることもできる。これらの中でもTACが特に好ましい。
ポリエステル系樹脂はエステル結合を有する、上記セルロースエステル系樹脂以外の樹脂であり、多価カルボン酸又はその誘導体と多価アルコールとの重縮合体からなるものが一般的である。多価カルボン酸又はその誘導体としてはジカルボン酸又はその誘導体を用いることができ、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、ジメチルテレフタレート、ナフタレンジカルボン酸ジメチル等が挙げられる。多価アルコールとしてはジオールを用いることができ、例えばエチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。
ポリエステル系樹脂の具体例は、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリトリメチレンナフタレート、ポリシクロへキサンジメチルテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチルナフタレートを含む。
ポリカーボネート系樹脂は、カルボナート基を介してモノマー単位が結合された重合体からなる。ポリカーボネート系樹脂は、ポリマー骨格を修飾したような変性ポリカーボネートと呼ばれる樹脂や、共重合ポリカーボネート等であってもよい。
(メタ)アクリル系樹脂は、(メタ)アクリロイル基を有する化合物を主な構成モノマーとする樹脂である。(メタ)アクリル系樹脂の具体例は、例えば、ポリメタクリル酸メチルのようなポリ(メタ)アクリル酸エステル;メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸共重合体;メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸エステル共重合体;メタクリル酸メチル−アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合体;(メタ)アクリル酸メチル−スチレン共重合体(MS樹脂等);メタクリル酸メチルと脂環族炭化水素基を有する化合物との共重合体(例えば、メタクリル酸メチル−メタクリル酸シクロヘキシル共重合体、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ノルボルニル共重合体等)を含む。好ましくは、ポリ(メタ)アクリル酸メチルのようなポリ(メタ)アクリル酸C1-6アルキルエステルを主成分とする重合体が用いられ、より好ましくは、メタクリル酸メチルを主成分(50〜100重量%、好ましくは70〜100重量%)とするメタクリル酸メチル系樹脂が用いられる。
第1及び/又は第2保護フィルム10,20の偏光子5とは反対側の表面には、ハードコート層、防眩層、反射防止層、帯電防止層、防汚層のような表面処理層(コーティング層)を形成することもできる。
第1及び第2保護フィルム10,20の厚みは、偏光板1,2の薄型化の観点から、好ましくは90μm以下、より好ましくは50μm以下、さらに好ましくは40μm以下である。当該厚みは、強度及び取扱性の観点から、通常5μm以上である。
(5)第1及び第2接着剤層
第1及び第2接着剤層15,25を形成する接着剤としては、水系接着剤又は活性エネルギー線硬化性接着剤を用いることができる。第1接着剤層15を形成する接着剤と第2接着剤層25を形成する接着剤とは同種であってもよいし、異種であってもよい。
水系接着剤としては、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液からなる接着剤、水系二液型ウレタン系エマルジョン接着剤等が挙げられる。中でもポリビニルアルコール系樹脂水溶液からなる水系接着剤が好適に用いられる。
ポリビニルアルコール系樹脂としては、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニルをケン化処理して得られるビニルアルコールホモポリマーのほか、酢酸ビニルとこれに共重合可能な他の単量体との共重合体をケン化処理して得られるポリビニルアルコール系共重合体、又はそれらの水酸基を部分的に変性した変性ポリビニルアルコール系重合体等を用いることができる。水系接着剤は、多価アルデヒド、水溶性エポキシ化合物、メラミン系化合物、ジルコニア化合物、亜鉛化合物等の添加剤を含むことができる。
水系接着剤を使用する場合は、偏光子5と保護フィルムとを貼合した後、水系接着剤中に含まれる水を除去するために乾燥させる乾燥工程を実施することが好ましい。乾燥工程後、例えば20〜45℃程度の温度で養生する養生工程を設けてもよい。
上記活性エネルギー線硬化性接着剤とは、紫外線のような活性エネルギー線を照射することで硬化する接着剤をいい、例えば、重合性化合物及び光重合開始剤を含むもの、光反応性樹脂を含むもの、バインダー樹脂及び光反応性架橋剤を含むもの等を挙げることができる。重合性化合物としては、光硬化性エポキシ系モノマー、光硬化性(メタ)アクリル系モノマー、光硬化性ウレタン系モノマーのような光重合性モノマーや、光重合性モノマーに由来するオリゴマーを挙げることができる。光重合開始剤としては、紫外線のような活性エネルギー線の照射により中性ラジカル、アニオンラジカル、カチオンラジカルのような活性種を発生する物質を含むものを挙げることができる。重合性化合物及び光重合開始剤を含む活性エネルギー線硬化性接着剤として、光硬化性エポキシ系モノマー及び光カチオン重合開始剤を含むものを好ましく用いることができる。
活性エネルギー線硬化性接着剤を用いる場合は、偏光子5と保護フィルムとを貼合した後、必要に応じて乾燥工程を行い、次いで活性エネルギー線を照射することによって活性エネルギー線硬化性接着剤を硬化させる硬化工程を行う。活性エネルギー線の光源は特に限定されないが、波長400nm以下に発光分布を有する紫外線が好ましく、具体的には、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、マイクロウェーブ励起水銀灯、メタルハライドランプ等を用いることができる。
(6)粘着剤層
図1に示される偏光板1における第1保護フィルム10又は第2保護フィルム20上、図2に示される偏光板2における偏光子5上に、偏光板を他の部材(例えば液晶表示装置に適用する場合における液晶セル)に貼合するための粘着剤層を積層してもよい。粘着剤層を形成する粘着剤は通常、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、シリコーン系樹脂等をベースポリマーとし、そこに、イソシアネート化合物、エポキシ化合物、アジリジン化合物のような架橋剤を加えた粘着剤組成物からなる。さらに微粒子を含有して光散乱性を示す粘着剤層とすることもできる。粘着剤層の厚みは1〜40μmであることができるが、加工性、耐久性の特性を損なわない範囲で薄く形成することが好ましく、具体的には3〜25μmであることが好ましい。
粘着剤層を形成する方法は特に限定されるものではなく、保護フィルム面又は偏光子面に、上記したベースポリマーをはじめとする各成分を含む粘着剤組成物(粘着剤溶液)を塗工し、乾燥して粘着剤層を形成してもよいし、セパレーター(剥離フィルム)上に粘着剤層を形成した後、この粘着剤層を保護フィルム面又は偏光フィルム面に転写してもよい。粘着剤層を保護フィルム面又は偏光子面に形成する際には、必要に応じて保護フィルム面若しくは偏光子面、又は粘着剤層の片面若しくは両面に表面処理、例えばコロナ処理等を施してもよい。
(7)偏光板の製造方法
上述の偏光子5(偏光フィルム)の片面に第1接着剤層15を介して第1保護フィルム10を常法に従って貼合することにより、図2に示される片面保護フィルム付の偏光板2を得ることができる。偏光子5の他面に第2接着剤層25を介して第2保護フィルム20を貼合すれば、図1に示される両面保護フィルム付の偏光板1を得る。両面保護フィルム付の偏光板1を得る場合において、第1及び第2保護フィルム10,20は同時に貼合されてもよいし、逐次的に貼合されてもよい。
単体(単独)フィルムからなる偏光子5に保護フィルムを貼合する方法に限らず、製造工程中のポリビニルアルコール系樹脂層及び偏光子を支持するための基材フィルムを利用して偏光板を作製してもよい。この方法は、例えば特開2012−103466号公報等に記載されている。この場合、片面保護フィルム付の偏光板2は、例えば下記工程:
基材フィルムの少なくとも一方の面にポリビニルアルコール系樹脂を含有する塗工液を塗工した後、乾燥させることによりポリビニルアルコール系樹脂層を形成して積層フィルムを得る樹脂層形成工程、
積層フィルムを一軸延伸して延伸フィルムを得る延伸工程、
延伸フィルムのポリビニルアルコール系樹脂層をヨウ素で染色して偏光子5を形成することにより偏光性積層フィルムを得る染色工程、
偏光性積層フィルムの偏光子5上に第1保護フィルム10を貼合して貼合フィルムを得る第1貼合工程、
貼合フィルムから基材フィルムを剥離除去して片面保護フィルム付の偏光板2を得る剥離工程
をこの順で含む方法によって製造することができる。
図1に示される両面保護フィルム付の偏光板1を作製する場合には、剥離工程の後に、さらに
片面保護フィルム付偏光板2の偏光子5側の面に第2保護フィルム20を貼合する第2貼合工程
を含む。
偏光板1,2の各種光学特性を上記所定の、又は好ましい数値範囲内に調整するための具体的方法について以下に述べる。直交透過率T400、T700及びそれらの比T400/T700、並びに単体透過率、偏光度、ヨウ素の位相差値Ri及び直交色相のb値に影響を与える因子にはいくつかあり、その主な要因の具体例は次のとおりである。
1)染色処理に用いる染色浴のヨウ素濃度、
2)ホウ酸処理に用いる架橋浴のヨウ化カリウム濃度、及び架橋浴への浸漬時間、
3)ポリビニルアルコール系樹脂層又はフィルムの延伸倍率、延伸時のネックイン率、及び延伸温度、
4)ホウ酸処理後の水洗処理における水洗温度、及び水への浸漬時間、
5)水洗処理後の乾燥処理における乾燥温度、及び乾燥時間、
6)ポリビニルアルコール系樹脂層又はフィルムに染色処理、ホウ酸処理、水洗処理及び乾燥処理を施した後の最終的なネックイン率。
中でもとりわけ2)は、直交透過率比T400/T700に大きな影響を及ぼす。偏光板1,2の直交透過率比T400/T700を0.5以上、好ましくは0.9以上とするためには、架橋浴のヨウ化カリウム濃度を水100重量部あたり12重量部以下とし、架橋浴への浸漬時間を適宜調整することが好ましく、10重量部以下とし、架橋浴への浸漬時間を適宜調整することがより好ましく、架橋浴のヨウ化カリウム濃度を9重量部以下とし、架橋浴への浸漬時間を適宜調整することがさらに好ましい。また、架橋浴のヨウ化カリウム濃度を水100重量部あたり7重量部以上とすることが好ましい。
ヨウ素の位相差値Riは、特に3)、6)によって影響を受ける。Riを160nm以上とするためには、延伸倍率、延伸時のネックイン率、延伸温度、及び/又は最終的なネックイン率を高くすることが好ましい。また、偏光度を上げるには延伸倍率を高くするのがよい。延伸倍率が低くなると、配向が不足して高い偏光性能(偏光度)の偏光子が得られにくい。一方、延伸倍率が高すぎると延伸切れが生じやすくなり、また、偏光子が薄くなり過ぎて、続く工程での加工性が低下するおそれがある。ネックイン率を上げるには、染色温度を高くしたり、ホウ酸処理温度を高くしたりするとよい。なお、上記最終的なネックイン率は、未延伸ポリビニルアルコール系樹脂層又はフィルムの幅をW0(mm)、乾燥処理後の偏光子の幅をW1とするとき、下記式:
ネックイン率(%)=100×(W0−W1)/W0
で表される。延伸時のネックイン率は、上記「未延伸ポリビニルアルコール系樹脂層又はフィルムの幅」を「延伸前のポリビニルアルコール系樹脂層又はフィルムの幅」と読み替え、上記「乾燥処理後の偏光子の幅」を「延伸後のポリビニルアルコール系樹脂層又はフィルムの幅」と読み替えて、上記式に基づき算出される。
上記4)に関し、水洗処理における水洗温度が高いほど、また水への浸漬時間が長いほど、直交透過率比T400/T700は0.5以上、さらには0.9以上になりやすい傾向にある。
以上の指針を考慮しつつ、1)〜6)の条件を制御しながら、直交透過率T400、T700及びそれらの比T400/T700、並びに単体透過率、偏光度、ヨウ素の位相差値Ri及び直交色相のb値を上記所定の、又は好ましい数値範囲内に調整する。
例えば、上記3)に関し、延伸倍率があまりに高いと直交透過率T400及びT700の制御が難しくなることから、ポリビニルアルコール系樹脂層又はフィルムの最終的な総延伸倍率は、6.0倍以下であることが好ましく、5.7倍未満であることがより好ましい。一方で、延伸倍率があまりに低い場合には、長波長側の吸収帯そのものが形成されにくくなることから、ポリビニルアルコール系樹脂層又はフィルムの最終的な総延伸倍率は、3倍超であることが好ましい。また、延伸温度があまりに高いと、ポリビニルアルコール系樹脂の結晶化が過度に進行し、直交透過率T400及びT700の制御が難しくなる。直交透過率T400及びT700の制御をより容易にするために、延伸は、好ましくは染色処理とホウ酸処理との両方で行われる。
また、水洗処理における水洗温度があまりに高い場合や、水への浸漬時間があまりに長い場合には、長波長側及び短波長側を含む全体の透過率が高くなり、これに伴い偏光板の偏光性能が低下してしまうだけでなく、直交色相のb値が−2.5〜−0.5の範囲から外れてしまう。したがって水洗処理の温度は、通常1〜50℃程度であり、好ましくは3〜40℃程度であり、より好ましくは5〜30℃程度である。また、水への浸漬時間は通常0.2〜40秒程度であり、好ましくは0.5〜30秒程度であり、より好ましくは1〜20秒程度である。
上述のような影響因子に関する指針及び後述する実施例の項を参照すれば、上記〔a〕〜〔d〕の光学特性を充足し、好ましくはさらに直交色相のb値が−2.5〜−0.5の範囲である偏光板を得るための各種製造条件を当業者は見出すことができる。
以下、実施例及び比較例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。以下の例において、偏光子及び保護フィルムの厚みは、(株)ニコン製のデジタルマイクロメーター「MH−15M」を用いて測定した。
(製造例1:偏光子1の作製)
平均重合度約2400、ケン化度99.9モル%で厚み30μmの未延伸ポリビニルアルコールフィルム〔(株)クラレ製の「VF−PE#3000」〕を、37℃の純水に浸漬した後、ヨウ素/ヨウ化カリウム/水の重量比が0.04/1.5/100の水溶液に30℃で浸漬して染色処理を行った。その後、ヨウ化カリウム/ホウ酸/水の重量比が12/3.6/100の水溶液に56.5℃で浸漬してホウ酸処理を行った。引き続き、10℃の純水で4秒洗浄した後、85℃で乾燥処理を行って、一軸延伸ポリビニルアルコールフィルムにヨウ素が吸着配向された厚み約12μmの偏光子1を作製した。一軸延伸は、主にヨウ素染色及びホウ酸処理の工程で行った。未延伸ポリビニルアルコールフィルムを基準とする延伸倍率は4.9倍であり、上述の式で表される最終的なネックイン率は41%であった。
(製造例2:偏光子2の作製)
未延伸ポリビニルアルコールフィルムを基準とする延伸倍率を5.1倍とし、最終的なネックイン率を42%としたこと以外は製造例1と同様にして、一軸延伸ポリビニルアルコールフィルムにヨウ素が吸着配向された厚み約12μmの偏光子2を作製した。
(製造例3:偏光子3の作製)
未延伸ポリビニルアルコールフィルムを基準とする延伸倍率を4.7倍とし、最終的なネックイン率を39%としたこと以外は製造例1と同様にして、一軸延伸ポリビニルアルコールフィルムにヨウ素が吸着配向された厚み約12μmの偏光子3を作製した。
(製造例4:偏光子4の作製)
未延伸ポリビニルアルコールフィルムを基準とする延伸倍率を4.5倍とし、最終的なネックイン率を38%としたこと以外は製造例1と同様にして、一軸延伸ポリビニルアルコールフィルムにヨウ素が吸着配向された厚み約12μmの偏光子4を作製した。
(製造例5:偏光子5の作製)
平均重合度約2400、ケン化度99.9モル%で厚み30μmの未延伸ポリビニルアルコールフィルム〔(株)クラレ製の「VF−PE#3000」〕を、37℃の純水に浸漬した後、ヨウ素/ヨウ化カリウム/水の重量比が0.04/1.5/100の水溶液に30℃で浸漬して染色処理を行った。その後、ヨウ化カリウム/ホウ酸/水の重量比が12/3.6/100の水溶液に56.5℃で浸漬してホウ酸処理を行った。引き続き、10℃の純水で2秒洗浄した後、85℃で乾燥処理を行って、一軸延伸ポリビニルアルコールフィルムにヨウ素が吸着配向された厚み約12μmの偏光子5を作製した。一軸延伸は、主にヨウ素染色及びホウ酸処理の工程で行った。未延伸ポリビニルアルコールフィルムを基準とする延伸倍率は4.6倍であり、最終的なネックイン率は40%であった。
(製造例6:偏光子6の作製)
平均重合度約2400、ケン化度99.9モル%で厚み30μmの未延伸ポリビニルアルコールフィルム〔(株)クラレ製の「VF−PE#3000」〕を、20℃の純水に浸漬した後、ヨウ素/ヨウ化カリウム/水の重量比が0.04/2/100の水溶液に30℃で浸漬して染色処理を行った。その後、ヨウ化カリウム/ホウ酸/水の重量比が12/4.1/100の水溶液に56℃で浸漬させ、続いてヨウ化カリウム/ホウ酸/水の重量比が9/2.9/100の水溶液に40℃で浸漬させてホウ酸処理を行った。引き続き、5℃の純水で3秒洗浄した後、60℃で乾燥処理を行って、一軸延伸ポリビニルアルコールフィルムにヨウ素が吸着配向された厚み約12μmの偏光子6を作製した。一軸延伸は、主にヨウ素染色及びホウ酸処理の工程で行った。未延伸ポリビニルアルコールフィルムを基準とする延伸倍率は5.8倍であり、上述の式で表される最終的なネックイン率は54%であった。
<実施例1>
(1)接着剤の調製
水100重量部に対し、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール〔(株)クラレ製の「KL−318」〕を3重量部溶解して、ポリビニルアルコール水溶液を調製した。得られた水溶液に水溶性ポリアミドエポキシ樹脂〔田岡化学工業(株)製の「スミレーズレジン650(30)」、固形分濃度30重量%〕を、水100重量部に対し、1.5重量部の割合で混合して、水系接着剤を得た。
(2)両面保護フィルム付偏光板の作製
偏光子に貼合する保護フィルムとして、次の保護フィルム:
第1保護フィルム:ハードコート層付トリアセチルセルロース(TAC)フィルム〔凸版印刷(株)製の「25KCHCN−TC」、厚み32μm〕、
第2保護フィルム:環状ポリオレフィン系樹脂フィルム〔日本ゼオン(株)製の「ZF14」、厚み23μm〕
を用意した。
製造例1で作製した偏光子1の片面に、貼合面にケン化処理を施した第1保護フィルムを上で調製した水系接着剤を介して貼合するとともに、他方の面に、貼合面にケン化処理を施した第2保護フィルムを同じ水系接着剤を介して貼合し、一対の貼合ロール間に通すことにより圧着した。次いで、80℃のオーブンで5分間乾燥させて、両面保護フィルム付偏光板を得た。
<実施例2、比較例1〜4>
偏光子1の代わりに、製造例2で作製した偏光子2(実施例2)、製造例3で作製した偏光子3(比較例1)、製造例4で作製した偏光子4(比較例2)、製造例5で作製した偏光子5(比較例3)、製造例6で作製した偏光子6(比較例4)をそれぞれ用いたこと以外は実施例1と同様にして、両面保護フィルム付偏光板を作製した。
〔偏光板の光学特性の測定〕
(1)ヨウ素の位相差値Ri及びポリビニルアルコールの位相差値Rpvaの測定(初期)
製造直後(初期)の両面保護フィルム付偏光板(すなわち耐熱試験を行っていない偏光板について、波長1000nmにおけるRi及びRpvaの値(単位:nm)を位相差測定装置〔王子計測機器(株)製の「KOBRA−WPR/IR」)を用いて測定した。具体的には、次のとおりである。
i及びRpvaは、ヨウ素の吸収帯のない波長領域における位相差値測定によって求められる。具体的には、上記位相差測定装置を用いて、波長850nm以上の複数の波長λにおける位相差値を測定する。各波長λにおける測定された位相差値R(λ)をプロットし、これを下記のセルマイヤー式:
R(λ)= A+B/(λ2−6002
に最小二乗法でフィッティングさせる。ここで、A及びBはフィッティングパラメータであり、最小二乗法により決定される係数である。
このとき、位相差値R(λ)は、波長依存性のないポリビニルアルコール(PVA)の位相差値Rpvaと、波長依存性の強いヨウ素の位相差値Riとに分離することができ、Rpva及びRiはそれぞれ下記式:
pva=A
i=B/(λ2−6002
で表される。これらの式に基づいて、波長λ=1000nmにおけるRi、及びRpvaの値、並びにRi/Rpvaの値を算出した。結果を表1に示す。
(2)直交透過率T400及びT700、直交色相のb値、視感度補正単体透過率Ty、並びに視感度補正偏光度Pyの測定(初期)
製造直後(初期)の両面保護フィルム付偏光板(すなわち耐熱試験を行っていない偏光板)について、第2保護フィルムの外面にアクリル系粘着剤シート(剥離フィルム付)を貼合して粘着剤層付偏光板を作製した。この粘着剤層付偏光板から縦約30mm×横約30mmサイズの試験片を切り出し、その粘着剤層から剥離フィルムを剥離除去した後、露出した粘着剤層を介してガラス板に貼合して、測定サンプルを作製した。得られた測定サンプルについて、標記の各種光学特性を測定した。結果を表1に示す。測定の際、測定サンプルは、ガラス面側に入射光が入射されるようにセットした。標記の各種光学特性は、下記の定義及び測定方法に基づく。
直交透過率Tは、JlS Z 8701の2度視野(C光源)により視感度補正を行った値であり、積分球付き分光光度計〔日本分光(株)製の「V7100」、2度視野;C光源〕を使用して測定される。この分光光度計を用いて、波長380〜780nmの範囲においてMD透過率とTD透過率を求めた。波長400nmでのTD透過率がT400であり、波長700nmでのTD透過率がT700である。「TD透過率」とは、グラントムソンプリズムから出る偏光の向きと測定サンプルの透過軸を直交にしたときの透過率である。
直交色相とは、2枚の偏光板をそれぞれの吸収軸が直交するように重ねた状態で、一方の面から光をあてたときに他方の面から透過してくる光の色相を意味する。ここでの色相は、Lab表色系で表されるa及びbであり、C光源を備える積分球付き分光光度計〔日本分光(株)製の「V7100」〕を使用して測定した。
偏光板の偏光特性は、単体透過率及び偏光度で表すことができ、それぞれ下記式:
単体透過率(λ)=0.5×(Tp(λ)+Tc(λ))
偏光度(λ)=100×(Tp(λ)−Tc(λ))/(Tp(λ)+Tc(λ))
で定義される。
Tp(λ)は、入射する波長λnmの直線偏光とパラレルニコルの関係で測定した偏光板の透過率(%)であり、Tc(λ)は、入射する波長λnmの直線偏光とクロスニコルの関係で測定した偏光板の透過率(%)である。ただし、各波長毎に求めた単体透過率(λ)及び偏光度(λ)に対して視感度補正を行ったものを、それぞれ視感度補正単体透過率(Ty)及び視感度補正偏光度(Py)といい、本明細書における単体透過率及び偏光度はそれぞれ視感度補正単体透過率(Ty)及び視感度補正偏光度(Py)を指す。Ty、Pyもまた、C光源を備える積分球付き分光光度計〔日本分光(株)製の「V7100」〕を使用して測定した。
〔偏光板の耐熱性評価〕
(1)耐熱試験前後の視感度補正偏光度の変化率Zの測定
初期の各種光学特性を測定した上記測定サンプルについて、85℃(dry)に設定されたオーブンに500時間投入する耐熱試験を実施した後、オーブンから取り出し、上記と同様にして耐熱試験後の視感度補正偏光度Py’を測定した。当該測定結果に基づき、下記式:
視感度補正偏光度の変化率Z(%)=100×(初期の視感度補正偏光度Py−耐熱試験後の視感度補正偏光度Py’)/(初期の視感度補正偏光度Py)
に従って、耐熱試験前後の視感度補正偏光度の変化率Zを算出した。結果を表1に示す。
(2)耐熱試験による赤変の評価
製造直後(初期)の両面保護フィルム付偏光板(すなわち耐熱試験を行っていない偏光板)について、第2保護フィルムの外面にアクリル系粘着剤シート(剥離フィルム付)を貼合して粘着剤層付偏光板を作製した。この粘着剤層付偏光板から5.1インチサイズ(縦約64mm×幅約113mm)の試験片を2枚切り出した。この2枚の試験片の粘着剤層から剥離フィルムを剥離除去した後、これらの試験片を露出した粘着剤層を介してガラス板に貼合して、測定サンプルを作製した。この際、両面に配置した試験片はクロスニコルの位置関係となるようにした。この測定サンプルについて、上記と同じ耐熱試験を実施した後、オーブンから取り出し、暗室にてバックライト上で赤変の目視評価を行った。赤変のレベルの指標は、下記に示すとおりである。Lv3までを合格とした。結果を表1に示す。
Lv1:全く赤変のないレベル、
Lv2:真っ黒の状態を保ち、目視で赤変が認識できないレベル、
Lv3:耐熱試験前のものと並べてみるとやや色が薄くなったように見えるが赤変はほとんどないレベル、
Lv4:全体的に赤っぽく変色してしまっているレベル、
Lv5:完全に赤に変色してしまっているレベル。
Figure 0005945037
1,2 偏光板、5 偏光子、10 第1保護フィルム、15 第1接着剤層、20 第2保護フィルム、25 第2接着剤層。

Claims (4)

  1. ポリビニルアルコール系樹脂層にヨウ素が吸着配向している厚み15μm以下の偏光子を含み、
    波長1000nmにおけるヨウ素の位相差値Riが160nm以上220nm以下であり、
    単体透過率Tyが41〜43%、偏光度Pyが99.9%以上であり、かつ、波長400nmでの直交透過率T400と波長700nmでの直交透過率T700との比T400/T700以上であり、
    前記ヨウ素の位相差値Riは、波長850nm以上の複数の波長λにおける位相差値R(λ)を測定してプロットし、これを下記セルマイヤー式[1]:
    R(λ)= A+B/(λ2−6002) [1]
    に最小二乗法でフィッティングさせたとき、下記式[2]:
    i=B/(λ2−6002) [2]
    (式[2]中、Bは最小二乗法でフィッティングさせたときのフィッティングパラメータであり、λは1000nmである。)
    として求められる、偏光板。
  2. 直交色相のb値が−2.5〜−0.5である、請求項1に記載の偏光板。
  3. 85℃で500時間加熱する耐熱試験前後の前記偏光度の変化率が0.05%以下である、請求項1又は2に記載の偏光板。
  4. 前記偏光子の少なくとも一方の面に積層される保護フィルムをさらに含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の偏光板。
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