JP5942545B2 - 印字装置、制御方法及び制御プログラム - Google Patents

印字装置、制御方法及び制御プログラム Download PDF

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Description

本発明はサーマルヘッドで印字媒体に印字可能な印字装置、制御方法及び制御プログラムに関する。
従来、複数の発熱体を有するサーマルヘッドを備え、その各発熱体に通電を行うことで発熱させ、感熱紙を発色させるか又は熱溶解性のインクを記録紙に所定のパターンに転写して印字を行う印字装置が知られている(例えば特許文献1参照)。サーマルヘッドの印字制御において、1ドットを印字する印字周期内には、例えば印字を行う為の加熱パルス時間と、加熱終了後にサーマルヘッドを冷やす為の非加熱時間とが夫々必要である。
印字開始時や、印字途中で孤立する孤立ドットには、発熱の為の印加エネルギーが発熱体周辺の初期熱容量加熱に少なからず利用される。故に印加エネルギーは不足気味となる。そのようなエネルギー不足を補う為、例えば印字周期内で補助パルスを通常の加熱パルス前に追加して印字を行っている。サーマルヘッドの一例として、128ドットの発熱体を利用した印字装置の場合、1ライン毎にデータを入れ替えて印字動作を行う。発熱体においては前のラインが印字して連続発熱しているドットに対しては、補助パルスは不要である。その逆に、副走査方向の前のドットが発熱していない場合や、サーマルヘッドの主走査方向の前後が発熱していない場合、補助パルスは必要である。それ故、印字周期内には、補助パルス、加熱パルス、及び非加熱時間が必要であった。
特開平7−89115号公報
しかしながら、上述の印字装置において、印字速度を速くして印字周期を短くした場合、その印字周期内に上記パルスを収めることが困難であった。印字周期に見合ったパルスを形成する為には、サーマルヘッドの発熱体の印加電圧を上げるか、又は発熱体の抵抗値を下げて電流を増やすことが考えられる。この場合、サーマルヘッドのIC部品の耐電圧を上げるか、又はIC回路の電流容量を上げる必要がある。その他に、発熱体の温度を効率よく媒体に伝える為に、熱伝達効率を向上させることも考えられる。しかし何れの方法においてもコストが上昇するという問題点があった。性能面から評価した場合でも、印字速度を速くして印字周期を短くしていくと、印字周期内に加熱時間が占める割合が多くなり、非加熱時間の割合が短くなる。その結果、上昇した発熱体の温度が冷える時間が短くなるので、連続印刷でのヘッド温度の上昇から、印字潰れや、印字の尾引き等の不具合が発生する虞があった。
本発明の目的は、サーマルヘッドの熱効率を向上させ、かつ高密度印字が可能となる印字装置、制御方法及び制御プログラムを提供することである。
本発明の第1態様に係る印字装置は、主走査方向に配列した複数の発熱体を備えたサーマルヘッドと、前記各発熱体に対してドット単位で選択的に加熱パルスを印加することにより、印字媒体に文字等の印字を行う印字制御手段と、前記サーマルヘッドに対して前記印字媒体を前記主走査方向と直交する副走査方向に搬送する搬送機構とを備えた印字装置であって、前記発熱体の前記副走査方向の長さは、前記主走査方向の長さよりも短く、前記印字制御手段は、1ドットの印字命令に対して、前記発熱体に、前記発熱体の前記副走査方向の前記長さを、前記主走査方向の前記長さより短くした比率に相関した印字周期の加熱パルスを2回実行し、前記印字周期における前記発熱体の温度カーブには2つの山があり、時間軸方向における前記温度カーブの一の山の比率は前記印字周期の1/2より小さく、他の山の比率は前記印字周期の1/2より大きいことを特徴とする。
第1態様の印字装置では、発熱体の副走査方向の長さを主走査方向の長さよりも短くしたことにより、発熱体の発熱効率を向上できるので消費電力を節約できる。さらに発熱体の温度を必要以上に上昇させることが無く、スティック等の不具合を防止できる。さらに1ドットの印字に際して、発熱体に、その発熱体の副走査方向の長さを、主走査方向の長さより短くした比率に相関した印字周期の加熱パルスを2回実行するので、副走査方向の印字密度を上昇できる。それ故、高密度印字が可能である。
また第1態様では、前記1ドットの前記印字命令に対して最初に実行する第1加熱パルスと、その後に実行する第2加熱パルスとの長さの比率を変更可能に制御するパルス制御手段を備えてもよい。第1加熱パルスと第2加熱パルスの長さの比率を可変にすることで、例えば、印字装置の環境温度、サーマルヘッド周辺の温度、印字速度、印字開始からの経過時間、電源電圧の大きさ、電源電圧の変動幅に応じて変化させることができる。つまり、印字装置の動作状況に応じて、第1加熱パルスと第2加熱パルスの長さの比率を可変することにより適切な電力消費が可能となり、エネルギーの効率化を図ることができる。
また第1態様では、印字データを取得する印字データ取得手段を備え、前記印字制御手段は、前記印字データ取得手段によって取得された前記印字データに基づき、前記各発熱体に対してドット単位で選択的に加熱パルスを印加し、前記パルス制御手段は、前記印字データ取得手段によって取得された前記印字データに基づき、前記発熱体によって印字する1ドット周囲における各発熱体の発熱状況に応じて、前記第1加熱パルスと前記第2加熱パルスとの前記長さの比率を変更可能に制御してもよい。1ドット周囲における各発熱体の発熱状況に応じて、第1加熱パルスと第2加熱パルスとの長さの比率を可変するので、各発熱体の蓄熱状況に対応した加熱制御が可能となる。発熱体の蓄熱を利用できるので、エネルギーの効率化をさらに図ることができる。
また第1態様では、前記パルス制御手段は、前記印字データ取得手段によって取得された前記印字データに基づき、前記印字媒体に印字する前記副走査方向の発熱が連続する最後の1ドットの印字命令に対して、前記第1加熱パルス及び前記第2加熱パルスの何れかを実行しなくてもよい。最後の1ドット印字においては、何れか一方の印字周期を実行しないことによって、節電効果を得ることができる。また、次に印字データが無い部分に見られる温度エネルギー過多を原因として発生する印字の尾引きや汚れを軽減できる。
また第1態様では、前記サーマルヘッド周囲の温度を検知する温度検知手段を備え、前記パルス制御手段は、前記印字データ取得手段によって取得された前記印字データと、前記温度検知手段によって検知された前記温度とに基づき、前記第1加熱パルスと前記第2加熱パルスとの前記長さの比率を変更可能に制御してもよい。故にサーマルヘッド周囲の蓄熱状況に対応した加熱制御が可能となる。
また第1態様では、前記印字制御手段による印刷開始から印刷終了までの印字速度が一定であってもよい。
本発明の第2態様に係る制御方法は、主走査方向に配列した複数の発熱体を備えたサーマルヘッドと、前記サーマルヘッドに対して印字媒体を前記主走査方向と直交する副走査方向に搬送する搬送機構とを備え、前記発熱体の前記副走査方向の長さは、前記主走査方向の長さよりも短く、前記各発熱体に対してドット単位で選択的に加熱パルスを印加することにより、前記印字媒体に文字等の印字を行う印字装置の制御方法であって、1ドットの印字命令に対して、前記発熱体に、前記発熱体の前記副走査方向の前記長さを、前記主走査方向の前記長さより短くした比率に相関した印字周期の加熱パルスを2回実行する印字制御工程を備え、前記印字制御工程の前記印字周期における前記発熱体の温度カーブには2つの山があり、時間軸方向における前記温度カーブの一の山の比率は前記印字周期の1/2より小さく、他の山の比率は前記印字周期の1/2より大きいことを特徴とする。
第2態様の制御方法では、印字装置が印字制御工程を行うことにより、1ドットの印字に際して、発熱体に、その発熱体の副走査方向の長さを、主走査方向の長さより短くした比率に相関した印字周期の加熱パルスを2回実行するので、副走査方向の印字密度を上昇できる。それ故、高密度印字が可能である。
本発明の第3態様に係る制御プログラムは、主走査方向に配列した複数の発熱体を備えたサーマルヘッドと、前記サーマルヘッドに対して印字媒体を前記主走査方向と直交する副走査方向に搬送する搬送機構とを備え、前記発熱体の前記副走査方向の長さは、前記主走査方向の長さよりも短く、前記各発熱体に対してドット単位で選択的に加熱パルスを印加することにより、前記印字媒体に文字等の印字を行う印字装置を機能させる制御プログラムであって、コンピュータに1ドットの印字命令に対して、前記発熱体に、前記発熱体の前記副走査方向の前記長さを、前記主走査方向の前記長さより短くした比率に相関した印字周期の加熱パルスを2回実行する印字制御ステップを実行させ、前記印字制御ステップの前記印字周期における前記発熱体の温度カーブには2つの山があり、時間軸方向における前記温度カーブの一の山の比率は前記印字周期の1/2より小さく、他の山の比率は前記印字周期の1/2より大きいことを特徴とする。
第3態様の制御プログラムでは、コンピュータが印字制御ステップを実行することにより、1ドットの印字に際して、発熱体に、その発熱体の副走査方向の長さを、主走査方向の長さより短くした比率に相関した印字周期の加熱パルスを2回実行するので、副走査方向の印字密度を上昇できる。それ故、高密度印字が可能である。
テープ印字装置1の斜視図である。 カセット装着部8にテープカセット30が装着されるテープ印字装置1の斜視図である。 テープカセット30の内部構造を示す図である。 サーマルヘッド10の各寸法を示す図である。 A制御における加熱パルスイメージと温度カーブを示す図である。 B制御における加熱パルスイメージと温度カーブを示す図である。 C制御における加熱パルスイメージと温度カーブを示す図である。 D制御における加熱パルスイメージと温度カーブを示す図である。 E制御における加熱パルスイメージと温度カーブを示す図である。 テープ印字装置1の電気的構成を示すブロック図である。 基本定数テーブル9511の概念図である。 デシマルデータテーブル9521の概念図である。 各ラインのドット毎の通電制御の一例を示す図である。 メイン処理のフローチャートである。 制御パターン決定処理のフローチャートである。 通電制御処理のフローチャートである。 A制御ドット用転送用データ更新処理のフローチャートである。 E制御ドット用転送用データ更新処理のフローチャートである。 各制御用C更新処理のフローチャートである。 温度補正テーブル9551の概念図である。 各制御用C更新処理の変形例のフローチャートである。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。参照する図面は、本開示が採用し得る技術的特徴を説明する為に用いるものである。記載している装置の構成等はそれのみに限定する趣旨ではなく単なる説明例である。以下説明において、図1,図2の左斜め下方、右斜め上方、右斜め下方、左斜め上方を、テープ印字装置1の前方、後方、右方、左方とする。
先ず、テープ印字装置1の構造について簡単に説明する。図1に示すように、テープ印字装置1の上面の前側部分にはキーボード3が設けられている。キーボード3はキャラクタを入力する為の入力装置である。キャラクタは、例えば、文字、記号、図形、及び数字等である。キーボード3の後方には機能キー群4が設けられている。機能キー群4は、例えば電源キー、決定キー、及び印刷キーを含む入力装置である。なお以下説明において、キーボード3と機能キー群4とを総称する場合は入力部2と呼ぶ。
機能キー群4の後方にはディスプレイ5が設けられている。ディスプレイ5は例えばテープ印字装置1のテープ排出方向に対して平行に延設した横長長方形状である。テープ排出方向は、例えば後述する排出口15(図2参照)からテープ印字装置1の左側に向かう方向である。ディスプレイ5のサイズについては限定しない。ディスプレイ5は、各種画像を表示可能である。
テープ印字装置1の上面の後方部分にはカバー6が設けられている。カバー6は平面視略長方形状である。カバー6の後端部はテープ印字装置1の上面の後部に軸支されている。図2に示すように、カバー6は後端部を中心に開閉可能である。カバー6を上方に開くと、カセット装着部8が露出する。使用者はカバー6を開いた状態で、カセット装着部8にテープカセット30を装着する。テープカセット30は、例えば感熱タイプ、レセプタータイプ、ラミネートタイプ等、各種のテープ種類に実装可能な汎用カセットを備える。テープカセット30は例えばラミネートタイプのテープ70を排出する。テープカセット30は感熱タイプ、レセプタータイプ等を送出するものでもよい。
テープ印字装置1の右側面の後方にはUSB接続部16が設けられている。USB接続部16には図示外のUSBケーブルの端子が接続可能である。テープ印字装置1はUSBケーブルを介して例えばPC装置200(図10参照)を接続可能である。図2に示すように、テープ印字装置1の左側面の後方側には排出口15が設けられている。排出口15はカッター機構(図示略)で切断された印刷済みのテープ70を外部に排出する。排出口15の近傍にはテープトレイ7が設けられている。テープトレイ7は排出口15から送出された印刷済みのテープ70を受けることができる。
次に、カセット装着部8の内部構造について、図2を参照して説明する。カセット装着部8は、印刷機構と、テープ送り機構と、カッター機構とを備える。これらの機構は周知の機構である。印刷機構は、サーマルヘッド10(図10参照)と、プラテンホルダ(図示略)とを備える。サーマルヘッド10はヘッドホルダ11に支持されている。ヘッドホルダ11はカセット装着部8の前側に設けられている。サーマルヘッド10は発熱素子を有し、テープカセット30から引き出された後述するフィルムテープ59の印刷面にインクリボン60を圧接して画像を印刷する。プラテンホルダはヘッドホルダ11の前方に設けられている。プラテンホルダ(図示略)は、左端側にプラテンローラと搬送ローラとを回転可能に保持する。プラテンホルダは右端を中心に回動可能である。プラテンホルダが後方に回動すると、プラテンローラはサーマルヘッド10に圧接される。搬送ローラはテープカセット30のテープ駆動ローラ46(図3参照)に圧接される。
テープ送り機構は、例えばリボン巻取軸9とテープ駆動軸(図示略)とを備える。リボン巻取軸9はカセット装着部8の略中央に立設されている。リボン巻取軸9はテープ送りモータ15(図10参照)の駆動により図示しない駆動機構を介して回転する。リボン巻取軸9は、テープカセット30の後述するリボンスプール42から引き出されて印刷に使用された後のインクリボン60を巻き取る。テープ駆動軸も、テープ送りモータ15の駆動により図示しない駆動機構を介して回転する。故にリボン巻取軸9と、テープ駆動軸とは互いに同期して駆動する。テープ駆動軸にはテープカセット30のテープ駆動ローラ46が嵌挿される。テープ印字装置1は、テープ駆動ローラ46と搬送ローラとの協働により、フィルムテープ59をテープカセット30から引き出してサーマルヘッド10で画像を印刷する。さらにテープ印字装置1はフィルムテープ59の印刷面に両面粘着テープ58を貼り合わせてテープ70を形成し、排出口15に向けて搬送する。
カッター機構は、サーマルヘッド10と排出口15との間であるテープ70の送り経路の途中に設けられている。カッター機構は、図示しない移動刃と、固定刃と、カッターモータ12(図10参照)とを備える。移動刃は例えばテープ70の送り経路の上側に、固定刃は送り経路の下側に位置する。移動刃と固定刃の位置は逆でもよい。使用者の入力部2の操作により、カッターモータ12が駆動すると、移動刃が固定刃に向けて移動する。これにより移動刃と固定刃との間に位置する印刷済みのテープ70が幅方向に切断される。
また、カセット装着部8の前方には、光学式センサ25(図10参照)と、カセット識別センサ26(図4参照)とが設けられている。光学式センサ25は、テープカセット30のアーム部34に設けられたスリット81(図2参照)を介して、テープカセット30内を搬送されるフィルムテープ59に設けられた例えばエンドマーク(図示略)等を検出する。エンドマークは例えばフィルムテープ59の終端を示す。カセット識別センサ26は例えば複数の貫通孔と検出センサ基板を備える。検出センサ基板は検出スイッチを備える。検出スイッチは複数のスイッチ端子軸を備える。複数のスイッチ端子軸は複数の貫通孔から後方に突出している。検出スイッチは、テープカセット30のアーム部34に設けられた複数の識別孔82(図2参照)との組合せにより、カセット装着部8に装着されたテープカセット30の種類を検出する。
次に、テープカセット30の構造について、図2,図3を参照して説明する。テープカセット30は例えばラミネートタイプである。図2に示すように、テープカセット30は、カセットケース31を備える。カセットケース31は略直方体状の筐体である。平面視で見た角部は丸みを帯びている。カセットケース31は、下ケース31Bと、上ケース31Aとを備える。上ケース31Aは、下ケース31Bの上部に固定される。上ケース31A及び下ケース31Bには、それぞれ後述のスプール類を回転可能に支持する支持孔65、66、67が設けられている。
図3に示すように、カセットケース31は、例えば両面粘着テープ58、透明なフィルムテープ59、及びインクリボン60の3種類のテープロールを収納する。カセットケース31内には、第一テープスプール40、第二テープスプール41、リボンスプール42、及びリボン巻取スプール44等が設けられている。第一テープスプール40はカセットケース31内の左側後部において、先述の支持孔65を介して回転可能に配置されている。第二テープスプール41は、カセットケース31内の右側後部において、先述の支持孔66を介して回転可能に配置されている。リボンスプール42は、カセットケース31内の右側前部において回転可能に配置されている。リボン巻取スプール44は第一テープスプール40とリボンスプール42との間において、先述の支持孔67を介して回転可能に配置されている。
両面粘着テープ58は第一テープスプール40に巻回されている。両面粘着テープ58は、一面に剥離紙が貼着された両面テープである。両面粘着テープ58は、剥離紙を外側に向けて第一テープスプール40に巻回されている。両面粘着テープ58は、印刷済みのフィルムテープ59の印刷面側に貼り合わされる。フィルムテープ59は第二テープスプール41に巻回されている。インクリボン60はリボンスプール42に巻回されている。以下の説明では、フィルムテープ59の搬送方向の上流側および下流側を、それぞれ搬送方向上流側及び搬送方向下流側という。
リボン巻取スプール44は、その内部に挿嵌されるリボン巻取軸9(図2参照)によって回転駆動される。後述するヘッド挿入部39の搬送方向下流側には、テープ駆動ローラ46が回転可能に軸支されている。テープ駆動ローラ46は、その内部に挿嵌されるテープ駆動軸(図示略)によって回転駆動される。
カセットケース31はアーム部34を備える。アーム部34は、テープカセット30の前面の右側角部から左側方に延びる部位である。アーム部34内には、第二テープスプール41から引き出されたフィルムテープ59と、リボンスプール42から引き出されたインクリボン60とが共に案内される。アーム部34の先端部は後方へやや屈曲している。アーム部34の先端には開口34Aが設けられている。フィルムテープ59とインクリボン60とは、開口34Aで重ね合わされ、露出部77に向けて排出される。露出部77はテープカセット30の前面側に設けられた空間である。
ヘッド挿入部39は、カセットケース31の前面とアーム部34の背面とにより囲まれた空間である。ヘッド挿入部39は、露出部77を介して、テープカセット30の前面側で外部とつながっている。ヘッド挿入部39には、ヘッドホルダ11が挿入される。ヘッドホルダ11はサーマルヘッド10(図10参照)を支持する部材である。露出部77では、開口34Aから排出されたフィルムテープ59の一面が前方に露出される。他面は後方のサーマルヘッド10に対向する。フィルムテープ59の他面はインクリボン60を挟んでサーマルヘッド10に対向する。露出部77では、サーマルヘッド10によるフィルムテープ59への印刷がインクリボン60を介して行われる。
次に、テープ印字装置1による印刷動作について、図2,図3を参照して簡単に説明する。ラミネートタイプのテープカセット30が装着されている場合について説明する。先ず、テープ駆動軸を介して回転駆動されるテープ駆動ローラ46が、搬送ローラとの協働によって、第二テープスプール41からフィルムテープ59を引き出す。リボン巻取軸9を介して回転駆動されるリボン巻取スプール44が、印刷スピードと同期してリボンスプール42から未使用のインクリボン60を引き出す。引き出されたフィルムテープ59は、リボンスプール42の外側を通過しながらアーム部34内の搬送経路に沿って搬送される。
さらに、フィルムテープ59はその表面にインクリボン60が重合された状態で開口34Aからヘッド挿入部39に供給され、サーマルヘッド10とプラテンローラとの間に搬送される。そして、サーマルヘッド10によってフィルムテープ59の印刷面に対して、搬送方向下流側からキャラクタが印刷される。その後、使用済みのインクリボン60は印刷済みのフィルムテープ59から剥がされ、リボン巻取スプール44に巻き取られる。
一方、テープ駆動ローラ46と搬送ローラとの協働によって、第一テープスプール40から両面粘着テープ58が引き出される。引き出された両面粘着テープ58は、テープ駆動ローラ46と搬送ローラとの間にガイドされて巻き込まれながら、印刷済みのフィルムテープ59の印刷面に重ねられて貼着される。両面粘着テープ58が貼着された印刷済みのフィルムテープ59はテープ70となり、テープ排出口49に向かって搬送される。
次に、サーマルヘッド10の発熱体71のサイズについて、図4を参照して説明する。例えば従来例であるサーマルヘッド100は複数の発熱体61を備える。複数の発熱体61は例えば主走査方向に所定ピッチで列設されている。発熱体61は長方形状である。主走査方向の長さは例えば130μmである。副走査方向の長さは例えば195μmである。副走査方向は主走査方向に直交する方向であり、かつテープ70の搬送方向である。所定ピッチは例えば互いに隣り合う2つの発熱体61の中心から中心までの距離である。所定ピッチは例えば141μm(180dpi)である。つまり従来の発熱体61のサイズは、副走査方向の長さの方が主走査方向の長さよりも長い。
これに対し、本実施形態のサーマルヘッド10の発熱体71は、従来の発熱体61と各寸法が異なる。サーマルヘッド10は複数の発熱体71を備える。複数の発熱体71も主走査方向に所定ピッチで列設されている。発熱体71も長方形状である。発熱体71の主走査方向の長さは発熱体61と同じである。副走査方向の長さは例えば95μmである。つまり発熱体71の副走査方向の長さは主走査方向の長さよりも短い。それ故、本実施形態は発熱体71の発熱効率を従来例に比して向上できる。従って消費電力を節約できる。さらに発熱体71の温度を必要以上に上昇させる必要が無いので、例えばスティック等の不具合を防止できる。
次に、本実施形態における1ドット印字における通電制御と、その通電パターンについて、図5〜図9を参照して説明する。テープ印字装置1は、例えば印字周期t内の1ドット印字に対して、少なくとも2回の加熱パルスで印字を行う。2回の加熱パルスは例えば加熱パルスP1と加熱パルスP2である。加熱パルスP1,P2の大きさや、両者の比は、例えば、印刷ドット周辺データ、テープ印字装置1の環境温度、発熱体71の温度、印字速度、1ラインのONドット数、印字開始からの時間経過、電源電圧の大きさ、電源電圧の変動幅等に応じて変化させるとよい。加熱パルスP1,P2で1ドット印字する通電制御は例えば5つのA〜E制御を備える。A〜E制御は加熱パルスP1,P2の通電パターンが夫々異なる。
本実施形態では、加熱パルスP1,P2の通電時間を変化させる為に、データの入れ替えが必要となる。印字周期t内でデータを入れ替えることで、副走査方向の印字密度を上げることができる。故に高品位印字が可能となる。以下、各A〜E制御について詳細に説明する。なお図5〜図9に示すt〜tは、印字周期t内における各タイミングを示すものである。例えばt<t<t<tの関係である。
先ず、A制御について、図5を参照して説明する。A制御は、印字周期t内において、前半で加熱パルスP1を印加し、後半で加熱パルスP2を印加する。加熱パルスP1,P2は例えば同比率である。故にA制御における温度カーブは、同じ大きさの二山の曲線を描く。この場合、tでサーマルヘッド10に対して1回目のデータ転送を行う。続いてtで2回目のデータ転送を行う。tは例えば印字周期tの1/2経過時である。A制御の温度カーブの一山目はtで最高温度に達し、二山目はtで最高温度に達する。tはtとtの間である。tはt以降である。
次に、B制御について、図6を参照して説明する。B制御も、印字周期t内において、前半で加熱パルスP1を印加し、後半で加熱パルスP2を印加する。加熱パルス1の比率は加熱パルス2の比率よりも大きい。故にB制御における温度カーブは、最初の一山目の方が二山目よりも大きい。この場合、tでサーマルヘッド10に対して1回目のデータ転送を行う。続いてtで2回目のデータ転送を行う。B制御の温度カーブの一山目はtで最高温度に達し、二山目はtで最高温度に達する。tはtとtの間である。tはt以降である。B制御は、例えば発熱体71周辺、又はサーマルヘッド10全体の印字開始時のエネルギー不足を補うことができる。
次に、C制御について、図7を参照して説明する。C制御も、印字周期t内において、前半で加熱パルスP1を印加し、後半で加熱パルスP2を印加する。加熱パルス1の比率は加熱パルス2の比率よりも小さい。故にC制御における温度カーブは、一山目が二山目よりも小さくなる。この場合、tでサーマルヘッド10に対して1回目のデータ転送を行う。続いてtで2回目のデータ転送を行う。C制御の温度カーブの一山目はtで最高温度に達し、二山目はtで最高温度に達する。tはtとtの間である。tはt以降である。C制御は例えばサーマルヘッド10周辺の蓄熱初期に対応した加熱が可能となる。
次に、D制御について、図8を参照して説明する。D制御も、印字周期t内において、前半で加熱パルスP1を印加し、後半で加熱パルスP2を印加する。加熱パルスP1と加熱パルスP2のパルス幅を共に小さくする。故にD制御における温度カーブは、一山目と二山目の間が大きく開く。この場合、tでサーマルヘッド10に対して1回目のデータ転送を行う。続いてtで2回目のデータ転送を行う。D制御の温度カーブの一山目はtで最高温度に達し、二山目はtで最高温度に達する。tはtとtの間である。tはt以降である。D制御は例えばサーマルヘッド10周辺の蓄熱後期に対応した加熱が可能となる。
次に、E制御について、図9を参照して説明する。E制御は、印字周期t内において、前半で加熱パルスP1を印加し、後半では加熱パルスP2を印加しない。故にE制御における温度カーブは、最初の一山のみとなる。この場合、tでサーマルヘッド10に対して1回目のデータ転送のみを行う。制御の温度カーブはtで最高温度に達する。tはtとtの間である。E制御は例えば印字終了時又は発熱体71の温度が所定温度以上になった場合に、後半の加熱パルスP2を打たないことで、消費電力を節約できる。
次に、テープ印字装置1の電気的構成について、図10を参照して説明する。テープ印字装置1は、CPU91、ROM92、CGROM93、RAM94、及びフラッシュメモリ95等を備える。CPU91はテープ印字装置1の動作を統括制御する。ROM92、CGROM93、RAM94、フラッシュメモリ95は、CPU91に電気的に接続されている。CPU91には、さらに上述の入力部2、LCDC51、駆動回路52〜55、上述のカセット識別センサ26、環境温度センサ27、発熱体温度センサ28、及びUSB接続部16等が接続されている。LCDC51はディスプレイ5を駆動する。駆動回路52はサーマルヘッド10を駆動する。駆動回路53はテープ送りモータ15を駆動する。駆動回路54はカッターモータ12を駆動する。駆動回路55は光学式センサ25を駆動する。環境温度センサ27は例えばカセット装着部8に設けられる。環境温度センサ27はテープ印字装置1の環境温度を検出する。発熱体温度センサ28は例えばサーマルヘッド10の発熱体71(図4参照)の近傍に設けられる。発熱体温度センサ28は例えば発熱体71近傍の温度を検出する。
ROM92はプログラム記憶領域921等を備える。プログラム記憶領域921は、テープ印字装置1を制御する為の各種プログラム等を記憶する。CGROM93はキャラクタをディスプレイ5に表示させる為のサイズ情報、キャラクタを印刷する為の印刷用ドットパターンデータ等を記憶する。
RAM94は印刷バッファ941、時間パラメータ記憶領域942、A制御フラグ記憶領域943、B制御フラグ記憶領域944、C制御フラグ記憶領域945、D制御フラグ記憶領域946、E制御フラグ記憶領域947等を備える。印刷バッファ941は印刷時に使用される画像データの印刷ドットパターンを記憶する。時間パラメータ記憶領域942は時間パラメータnを記憶する。A〜E制御フラグ記憶領域943〜947は、制御フラグを記憶する。制御フラグは、例えば1印字周期に2回通電するA〜E制御において、前半(通電1回目)であるか又は後半(通電2回目)であるかを設定する為の情報である。制御フラグとして、例えば前半である場合は1、後半である場合は2が設定される。
フラッシュメモリ95は、例えば基本定数テーブル記憶領域951、デシマルデータテーブル記憶領域952、文書データ記憶領域953、テープ情報記憶領域954等を備える。基本定数テーブル記憶領域951は、テープの種類毎に、後述する基本定数テーブル9511(図11参照)を記憶する。デシマルデータテーブル記憶領域952は、テープの種類毎に、後述するデシマルデータテーブル9521(図12参照)を記憶する。文書データ記憶領域953は文書データを記憶する。文書データは例えばフィルムテープ59に印刷する画像データを含む。例えばユーザが入力部2によって作成した各種パターンの文書データは、文書データ記憶領域953に記憶される。またPC装置200から受信した文書データも、文書データ記憶領域953に記憶される。テープ情報記憶領域954はテープ情報を記憶する。テープ情報は、テープカセット30の種類毎に、例えばテープの種類(感熱タイプ、レセプタータイプ、ラミネートタイプ等)、テープ幅、材質等の基本情報を含む。
次に、基本定数テーブル9511について、図11を参照して説明する。基本定数テーブル9511は例えばAテープに関するものである。Aテープはテープ印字装置1で印字可能なテープ種の一例である。基本定数テーブル9511はAテープの基本定数Cを記憶する。基本定数Cは印字媒体の種類(又はカセットの種類)に応じて変わる。故に印加時間の変更が可能となる。本実施形態の通電制御は、上記の通り、印字周期t内において前半と後半で少なくとも2回の通電パルスを夫々印加する。故に基本定数Cは前半と後半で入れ変える必要がある。さらにA〜E制御で加熱パルスP1,P2の印加時間が各々異なるので、各A〜E制御に対応する基本定数Cを設定する必要がある。基本定数テーブル9511は、通電制御であるA〜E制御毎に、印字周期の前半と後半の各基本定数を夫々記憶する。
例えば、制御Aの前半の基本定数(以下「前半定数」と呼ぶ)は27700、後半の基本定数(以下「後半定数」と呼ぶ)は27700である。制御Bの前半定数は36933、後半定数は18467である。制御Cの前半定数は18467、後半定数は36933である。制御Dの前半定数は18467、後半定数は18467である。制御Eの前半定数は18467、後半定数は0である。なお各通電制御における前半定数と後半定数の比率は、例えば各通電制御の加熱パルスP1,P2のパルス幅に夫々対応している。
次に、デシマルデータテーブル9521について、図12を参照して説明する。デシマルデータテーブル9521はAテープ用であり、各印加電圧に対応するデシマルデータを夫々記憶する。例えば印加電圧が低い場合は小さな値、印加電圧が高い場合は大きい値となる。なお後述するが、通電制御毎の基本定数Cから印加電圧に対応するデシマルデータを0以下になるまで減算することで印加時間が制御される。故に例えば印加電圧が低い場合は、印加エネルギーの不足を補う為に通電時間が長くなる。その逆に、印加電圧が高い場合は印加エネルギーの過剰を抑える為に通電時間が短くなる。
次に、印字ドット周辺のデータとの関係による通電制御パターンの決定方法の一例について、図13を参照して説明する。図13は、例えば或る画像データの印刷ドットパターンの一部を示している。1つ1つの丸印は1ドットに相当する。サーマルヘッド10においては、例えば主走査方向に並ぶ複数の発熱体71がライン毎に夫々通電制御される。その結果、ライン毎に白黒のドットパターンが形成される。黒丸のドットは発熱体71を加熱、白丸のドットは発熱体71を非加熱した結果である。なおそれ以外のドット(ハッチを入れたもの)は本実施例では加熱非加熱の何れでもよい。黒丸のドット上に記載したA〜Eのアルファベットは、上記の通電制御パターンであるA制御からE制御を夫々示している。本実施例は一例として、ライン1〜10のK、K+1、K+2の3列のみに限定して説明する。
ライン3のK列目の黒ドットはB制御である。これはK列目の前ラインのドットと、ライン3のK―1列目のドットが白であり、発熱体71周辺、又はサーマルヘッド10全体のエネルギーが不足する可能性があるからである。そこでB制御とすることで、そのエネルギー不足を解消できる。なおライン4のK+2列目の黒ドットも、前ラインのドットが白であるのでB制御とする。またライン3のK+1列目の黒ドットは、同ラインのK+2列目のドットが白であるので、発熱体71周辺、又はサーマルヘッド10全体のエネルギーが不足する可能性がある。そこでB制御とすることで、そのエネルギー不足を解消できる。なおライン6のK列目の黒ドットも、同ラインのK+1列目のドットが白であるのでB制御とする。
ライン4、5、7のK列目の各黒ドットはA制御である。これは前後のドットと同ラインのK+1列目、K―1列目の各ドットが何れも黒であるので、A制御とすることで安定した高品位印字が可能となる。なおライン4のK+1列目の黒ドット、及びライン5のK+2列目の黒ドットも同様の理由からA制御とする。
ライン8のK列目の黒ドットはC制御である。これは前後のドットと同ラインのK+1列目、K−1列目の各ドットが何れも黒である上に、同列において黒が連続して所定数(例えば5つ)並んでおり、発熱体71周辺、又はサーマルヘッド10は蓄熱した状態である。この場合C制御とすることで、副走査方向の印字密度を上げ、かつ安定した高品位印字が可能となる。
ライン5のK+1列目の黒ドット、及びライン9のK列目の黒ドットはD制御である。これはライン6のK+1列目のドット、及びライン10のK列目のドットが白であるので、次の印字の為に発熱体71周辺、又はサーマルヘッド10を蓄熱する必要がない。この場合D制御とし、加熱パルスP1と加熱パルスP2のパルス幅を共に小さくすることで消費電力を節約できる。
このように、B制御は、印字開始時のエネルギー不足を低減させる為に、1ドットの印字に対して発熱体71のピーク温度を第1加熱パルスP1に比重をかける。C制御は、後半の第2加熱パルスP2に比重を置いて、発熱体71のピーク温度を後半にずらし、前ラインの蓄熱温度を低減させる。
過去ラインにおいて、黒ドットが連続した場合の蓄熱した状態では、黒ドットから白ドットの切替部分で、印字尾引きを生じる可能性がある。そこで、印字尾引きや印字潰れを低減させる為に、過去ラインが白ドットの条件と黒ドットが連続した程度に応じて、D制御とE制御を使い分ける。
次に、CPU91が実行するメイン処理について、図14のフローチャートを参照して説明する。CPU91は例えば電源がONするとROM92に記憶した制御プログラムを読み込み、本処理を実行する。先ずCPU91は印字データ取得処理を実行する(S1)。印字データ取得処理は、例えばユーザが印字データを入力部2で作成し、又はPC装置200から転送することによって印字データを取得する処理である。なお、取得した印字データについて、例えばディスプレイ5に表示し、編集可能とし、又はエラーの表示、処理等を行うようにしてもよい。次いで、CPU91は印刷開始か否か判断する(S2)。使用者はディスプレイ5に表示された印字データを確認し、例えば入力部2の電源キーを押下する。CPU91は電源キーが押下されて印刷が開始されるまで(S2:NO)、待機状態となる。
CPU91は印刷開始と判断した場合(S2:YES)、環境温度センサ27にて環境温度を検出する(S3)。CPU91は検出した環境温度を例えばRAM94に記憶する。CPU91は検出した環境温度に応じたサーマルヘッド10の通電制御を行う。CPU91はテープ種類を特定する(S4)。CPU91はカセット識別センサ26によってテープカセット30の種類を検出する。さらにCPU91はフラッシュメモリ95に記憶されたテープ情報を参照し、テープカセット30のテープ種類(例えばAテープ)を特定する。そして、CPU91は、印刷バッファ941に、画像データの印刷ドットパターンを展開する。例えば、文書データ記憶領域953に記憶されている文書データが文字列であれば、テキストコードで記憶されているので、それを印刷ドットパターンに変換する。
CPU91はテープ送りモータ15をONする(S5)。CPU91は余白量を送ったか否か判断する(S6)。CPU91は余白量を送った場合(S6:YES)、S5に戻り、テープ搬送を続行する。故にテープ70に余白が作成される。CPU91は余白送りが終了した場合(S6:NO)、印刷対象のラインとして注目する1ラインとその前後のラインのデータを取得する(S7)。取得するデータは、各印字ドットのON/OFF情報である。例えば印字ドットが黒の場所はON、白の場所はOFFである。CPU91は発熱体温度センサ28にて発熱体温度を検出する(S8)。CPU91は検出した発熱体温度を例えばRAM94に記憶する。なおS8は無くてもよい。CPU91は制御パターン決定処理を実行する(S9)。
制御パターン決定処理について、図15のフローチャートを参照して説明する。本処理は、A制御〜E制御の各作業用データを夫々作成する処理である。先ず、CPU91はパラメータであるdを初期化する(S21)。dは各ラインの何列目かを示すパラメータである。dはRAM94に記憶する。このとき、CPU91はA制御〜E制御の作業用データの全ドット分をOFFに設定する。
CPU91はS7で取得した1ラインのd列目から1ドットずつ抽出し、印字ドットがONか否か判断する(S22)。CPU91は抽出した1印字ドットがONである場合(S22:YES)、その周囲のドット情報を取得する。CPU91は前ラインの印字ドットがOFFか否か判断する(S23)。CPU91は前ラインの印字ドットがOFFであると判断した場合(S23:YES)、B制御に決定する(S29)。
またCPU91は前ラインの印字ドットがONであると判断した場合(S23:NO)、上ドットがOFFか否か判断する(S24)。CPU91は上ドットがOFFと判断した場合(S24:YES)、B制御に決定する。またCPU91は上ドットがONと判断した場合(S24:NO)、下ドットがOFFか否か判断する(S25)。CPU91は下ドットがOFFと判断した場合(S25:YES)、B制御に決定する(S29)。CPU91は例えばRAM94に記憶するB制御フラグをONする。
またCPU91は例えば前ラインの印字ドット、上ドット、下ドットの何れもONと判断した場合(S23:NO、S24:NO、S25:NO)、過去ラインがOFFか否か判断する(S26)。CPU91は過去ラインがONであると判断した場合(S26:NO)、連続条件に該当するか否か判断する(S27)。ここでの連続条件とは、例えば過去ライン以降においてONドットがm個(例えば3個)以上連続する条件である。CPU91は連続条件に該当しないと判断した場合(S27:NO)、A制御に決定し、A制御の作業用データとして、該ドットをONに設定する(S28)。CPU91は例えばRAM94に記憶するA制御フラグをONする。CPU91は連続条件に該当すると判断した場合(S27:YES)、C制御に決定し、C制御の作業用データとして、該ドットをONに設定する(S33)。CPU91は例えばRAM94に記憶するC制御フラグをONする。
またCPU91は例えば前ラインの印字ドット、上ドット、下ドットの何れもONであり(S23:NO、S24:NO、S25:NO)、過去ラインがOFFであると判断した場合(S26:YES)、連続条件に該当するか否か判断する(S30)。ここでの連続条件とは、例えば過去ライン以降においてOFFドットがm個(例えば3個)以上連続する条件である。CPU91は連続条件に該当しないと判断した場合(S30:NO)、D制御に決定し、D制御の作業用データとして、該ドットをONに設定する(S32)。CPU91は例えばRAM94に記憶するD制御フラグをONする。CPU91は連続条件に該当すると判断した場合(S30:YES)、E制御に決定し、E制御の作業用データとして、該ドットをONに設定する(S31)。CPU91は例えばRAM94に記憶するE制御フラグをONする。
各制御パターンの決定後、CPU91はdに1加算する(S34)。なおCPU91は抽出した1印字ドットがOFFである場合(S22:NO)、そのままdに1加算する(S34)。CPU91はdの値に基づき、全データが終了したか否か判断する(S35)。なお、ここでの判断処理は、例えば1ラインが128ドットである場合、dは128以上か否かで判断する。例えばサーマルヘッド10が128の発熱体を備え、画像データの印刷ドットパターンも1ラインが128ドットであればよい。仮にサーマルヘッド10の幅よりも狭い画像データの場合は、その幅に相当する値以上か否かで判断する。例えば、画像データが1ライン100ドットである場合、dは100以上か否かで判断する。サーマルヘッド10の幅よりも狭い画像データを印刷する場合、印字に使用しない発熱体があるが、それは白ドットとみなせばよい。CPU91は全データが終了していないと判断した場合(S35:NO)、S21に戻り、各列に対応するドットの全データについて処理を繰り返す。CPU91は全データが終了したと判断した場合(S35:YES)、A制御〜E制御の各作業用データが完成したので、本処理を終了し、処理を図14のS12に進める。
図14のフローに戻り、CPU91は通電制御処理を実行する(S12)。通電制御処理は通電非安定制御である。
通電制御処理について、図16のフローチャートを参照して説明する。先ず、CPU91はRAM94の時間パラメータ記憶領域942に記憶されたnを初期化する(S41)。なお、詳述しないが、本実施形態では、ストローブをLowアクティブに保持した状態で、データとラッチだけでサーマルヘッド10を制御している。CPU91は各制御用Cに前半定数を夫々セットする(S43)。各制御用Cは、A制御用C、B制御用C、C制御用C、及びD制御用C、E制御用Cを有し、例えばRAM94に記憶される。各制御用Cは、例えばA〜E制御において発熱体71の通電をOFFするタイミングを計る際に利用される。例えば図14のS4の処理においてテープ種類がAテープと特定された場合、CPU91はAテープに対応する基本定数テーブル9511(図11参照)を参照する。CPU91は制御パターン決定処理(図15参照)で決定したA〜E制御に対応する前半定数を、各制御用Cに夫々セットする。例えばA制御用Cには27700をセットする。B制御用Cには36933をセットする。C制御用Cには18467をセットする。D制御用Cには18467をセットする。E制御用Cには18467をセットする。
CPU91は、RAM94のA〜E制御フラグ記憶領域943〜947に制御フラグ「1」を夫々設定する(S44)。上述の通り、1は通電制御が前半であることを示す制御フラグである。次いで、CPU91は上述の制御パターン決定処理(S9)で作成した1ライン分のA制御〜E制御の各作業用データを、転送用データとして設定する(S45)。S9で取得した1ライン分のデータは、A制御〜E制御の各作業用データである。CPU91は転送用データをサーマルヘッド10に転送する(S47)。1ライン分の転送データの内、値が1の部分は発熱し、値が0の部分は非発熱となる。
次いで、CPU91はA制御ドット用転送用データ更新処理を実行する(S48)。A制御ドット用転送用データ更新処理は、A制御を行う印字ドットについて、サーマルヘッド10に転送する転送用データを適宜更新することで、通電のON/OFFを切り替える為の処理である。CPU91は更にB制御ドット用転送用データ更新処理を実行する(S49)。CPU91は更にC制御ドット用転送用データ更新処理を実行する(S50)。CPU91は更にD制御ドット用転送用データ更新処理を実行する(S51)。CPU91は更にE制御ドット用転送用データ更新処理を実行する(S52)。これらB〜E制御ドット用転送用データ更新処理についても同様に、B〜E制御を行う各印字ドットについて、サーマルヘッド10に転送する転送用データを適宜更新することで、通電のON/OFFを切り替える為の処理である。ここで各更新処理(S48〜S52)について説明する。
先ず、A制御ドット用転送用データ更新処理について、図17のフローチャートを参照して説明する。先ず、CPU91はA制御ドットが有るか否か判断する(S61)。A制御ドットとは、A制御の印字ドットである。A制御ドットが有ると判断した場合(S61:YES)、RAM94の時間パラメータ記憶領域942に記憶されたnが16か否か判断する(S62)。なおnは後述する各制御用C更新処理(S55)において250μs経過毎に1加算される。故にnは250μs経過毎に随時更新される。
CPU91はnが16でないと判断した場合(S62:NO)、転送用データをサーマルヘッド10に転送してからの経過時間がtか否か判断する(S66)。上述の通り、tはA制御の温度カーブの一山目の最大値のときの時間である。故に印加エネルギーの過剰を抑える為には、tで通電をOFFするのが好ましい。経過時間がtか否かの判断は、例えばRAM94のA制御フラグ記憶領域943に制御フラグ「1」が記憶され、且つA制御用Cが0以下であるか否かで判断できる。通電制御が前半で且つA制御用Cが0以下であれば、十分な印加電圧によって発熱体71は最高温度に達したと推測できる。この場合、経過時間はtであると判断できる。
CPU91は経過時間がtではないと判断した場合(S66:NO)、続いて、経過時間はtか否か判断する(S68)。経過時間がtでもないと判断した場合(S68:NO)、本処理を終了し、処理を図16のS49に進める。
一方、CPU91は経過時間がtと判断した場合(S66:YES)、A制御の作業用データを転送用データとして準備する(S67)。ここで準備する作業用データは、A制御ドットのみをOFFし、他の印字ドットはそのままとするデータである。例えばA制御ドットの部分を全てデータ0にすればよい。このデータは、後述する図16に示すS54においてサーマルヘッド10に転送される。CPU91は本処理を終了し、処理を図16のS49に進める。
また、CPU91はRAM94の時間パラメータ記憶領域942に記憶されたnが16であると判断した場合(S62:YES)、経過時間は図5に示すtに相当する。CPU91は、A制御の作業用データを転送用データとして準備する(S63)。ここで準備する作業用データは、A制御ドットのみをONし、他の印字ドットはそのままとするデータである。
次いで、CPU91はRAM94のA制御フラグ記憶領域943に制御フラグ「2」を設定する(S64)。「2」は通電制御が後半であることを示す制御フラグである。更にCPU91はA制御用Cに後半定数をセットする(S65)。CPU91はAテープに対応する基本定数テーブル9511(図11参照)を参照する。A制御の後半定数は27700である。CPU91は本処理を終了し、処理を図16のS49に進める。なおCPU91はA制御ドットが無いと判断した場合(S61:NO)、何もせずに本処理を終了し、処理を図16のS49に進める。
なお、CPU91は、通電制御の後半においても、上記した通電制御の前半と同様に処理を実行する。例えば通電制御の後半において、経過時間がtであるか否か判断する(S68)。図5に示すように、tはA制御の温度カーブの二山目の最大値のときの時間である。故に印加エネルギーの過剰を抑える為には、通電をOFFするのが好ましい。経過時間がtか否かの判断は、例えばRAM94のA制御フラグ記憶領域943に制御フラグ「2」が記憶され、且つA制御用Cが0以下であるか否かで判断できる。通電制御が後半で且つA制御用Cが0以下であれば、十分な印加電圧によって発熱体71は最高温度に達したと推測できる。この場合、経過時間はtであると判断できる。
CPU91は経過時間がtと判断した場合(S68:YES)、A制御の作業用データを転送用データとして準備する(S69)。ここで準備する作業用データは、A制御ドットのみをOFFし、他の印字ドットはそのままとするデータである。CPU91は本処理を終了し、処理を図16のS49に進める。
図16に戻り、CPU91は、B〜D制御ドット用転送用データ更新処理を順に実行する(S49〜S51)。なおB〜D制御ドット用転送用データ更新処理は、上述のA制御ドット用転送用データ更新処理と同様の処理であるので、図17のフローを参照して、簡単に説明する。
B制御ドット用転送用データ更新処理(S49)では、例えばS62の処理におけるnは24(図6参照)である。S66の処理におけるtはtである。S68の処理におけるtはtである。それ以外の各処理において使用される各種データはB制御に関するものであればよい。
C制御ドット用転送用データ更新処理(S50)では、例えばS62の処理におけるnは8(図7参照)である。S66の処理におけるtはtである。S68の処理におけるtはtである。それ以外の各処理において使用される各種データはC制御に関するものであればよい。
D制御ドット用転送用データ更新処理(S51)では、例えばS62の処理におけるnは24(図8参照)である。S66の処理におけるtはtである。S68の処理におけるtはtである。それ以外の各処理において使用される各種データはD制御に関するものであればよい。
図16に戻り、CPU91は、E制御ドット用転送用データ更新処理を実行する(S52)。E制御ドット用転送用データ更新処理について、図18のフローチャートを参照して説明する。先ず、CPU91はE制御ドットが有るか否か判断する(S71)。E制御が無いと判断した場合(S71:NO)、本処理をそのまま終了し、処理を図16の後述するS53に進める。
一方、CPU91はE制御ドットが有ると判断した場合(S71:YES)、経過時間がtか否か判断する(S72)。上述の通り、tはE制御の温度カーブの最大値のときの時間である。故に印加エネルギーの過剰を抑える為には、通電をOFFするのが好ましい。経過時間がtか否かの判断は、例えばE制御用Cが0以下であるか否かで判断できる。E制御用Cが0以下であれば、十分な印加電圧によって発熱体71は最高温度に達したと推測できる。この場合、経過時間はtであると判断できる。
CPU91は経過時間がtではないと判断した場合(S72:NO)、本処理を終了し、処理を図16のS53に進める。CPU91は経過時間がtであると判断した場合(S72:YES)、E制御の作業用データを転送用データとして準備する(S73)。ここで準備する作業用データは、E制御ドットのみをOFFし、他の印字ドットはそのままとするデータであるCPU91は本処理を終了し、処理を図16のS53に進める。
図16に戻り、CPU91は転送用データに変化が有るか否か判断する(S53)。ここでは、例えば前回サーマルヘッド10に転送したときの転送用データをRAM94等に記憶しておき、それと比較して変化が有るか否かで判断すればよい。CPU91は、転送用データに変化が有る場合(S53:YES)、その転送用データをサーマルヘッド10に転送する(S54)。サーマルヘッド10に転送するデータが入れ替わる。転送用データはS48〜S52で夫々準備されたA制御〜E制御の各作業用データである。
例えば、転送用データが、A制御ドット用転送用データ更新処理においてS67で準備されたA制御の作業用データであれば、A制御ドットに対応する部分は非発熱となる。それ故、印加エネルギーの過剰を抑えることができる。また、転送用データがS63で準備されたA制御の作業用データであれば、他の制御ドットはそのままでA制御ドットがONする。A制御ドットに対応する部分が発熱する。また、転送用データがS69で準備されたA制御の作業用データであれば、他の制御ドットはそのままでA制御ドットがOFFする。A制御ドットに対応する部分は非発熱となる。それ故、印加エネルギーの過剰を抑えることができる。なおB〜E制御用の作業用データが転送された場合も同様である。
CPU91は各制御用C更新処理を実行する(S55)。なお転送用データに変化が無い場合(S53:NO)、そのまま各制御用C更新処理を実行する(S55)。
各制御用C更新処理について、図19のフローチャートを参照して説明する。先ず、CPU91は、S54で転送用データをサーマルヘッド10に転送してから250μs経過したか否か判断する(S81)。CPU91はまだ250μs経過していないと判断した場合(S81:NO)、S81に戻って待機状態となる。CPU91は250μs経過したと判断した場合(S81:YES)、C(V)を読み取る(S82)。C(V)はデシマルデータである。CPU91は、例えばAテープに対応するデシマルデータテーブル9521(図12参照)を参照し、電圧を読み取る。例えば読み取った電圧が5.11の場合、デシマルデータは1241である。CPU91はRAM94に記憶された各制御用CからC(V)を夫々減算する(S83)。例えばA制御用Cには、A制御の前半に対応する27700が最初にセットされている。故にC=27700−1241=26459となる。なおB制御用C、C制御用C、D制御用C、E制御用Cについても同様に各々算出する。
上述の通り、電圧が高ければ高いほど、各制御用Cが0以下になるまでの時間は短くなる。即ち、電圧が高ければ高いほど通電時間は短くなるので、印加エネルギーの過剰を抑制できる。その反対に、電圧が低ければ低いほど、各制御用Cが0以下になるまでの時間は長くなる。即ち、電圧が低ければ低いほど通電時間は長くなるので、印加エネルギーの不足を補うことができる。CPU91はRAM94の時間パラメータ記憶領域942に記憶されたnに1加算する(S84)。CPU91は本処理を終了し、処理を図16のS56に進める。
図16に戻り、CPU91は周期tが経過したか否か判断する(S56)。周期tがまだ経過していない場合(S56:NO)、S48に戻り、周期tが経過するまで、引き続き処理を繰り返す。CPU91は周期tが経過したと判断した場合(S56:YES)、1ライン分の処理が終了したので、1ライン分の通電制御処理を終了し、処理を図14のS13に進める。周期tが経過したか否かは、nが所定値に達したか否かで判断する。
ところで、図14のS13では、CPU91はエラーを生じているか否か判断する。エラーを生じている場合(S13:YES)、S1に戻って最初から処理をやり直す。エラーを生じていない場合(S13:NO)、全ラインが終了したか否か判断する(S14)。全ラインをまだ終了していない場合(S14:NO)、S7に戻って、次ラインについて、上記同様に処理を繰り返す(S7〜S13)。
そして、CPU91は全ライン終了と判断した場合(S14:YES)、余白量送りが終了したか否か判断する(S15)。CPU91は余白量の送りが終了していないと判断した場合(S15:YES)、余白送りが終了するまでS15に戻ってテープ送りモータ15を駆動したまま待機状態となる。CPU91は余白送りが終了したと判断した場合(S15:NO)、テープ送りモータ15の駆動をOFFし、S1に戻って処理を繰り返す。CPU91は電源がOFFするまではメイン処理を繰り返し実行する。
上記説明において、図14のS9、S12の処理を実行するCPU91が本発明の「パルス制御手段」の一例である。図14のS1の処理を実行するCPU91が本発明の「印字データ取得手段」の一例である。発熱体温度センサ28(又は環境温度センサ27)が本発明の「温度検知手段」の一例である。図2に示すテープ70が本発明の「印字媒体」の一例である。図10に示すテープ送りモータ15が本発明の「搬送機構」の一例である。図14に示すメイン処理のS9、S12、S14の処理を実行するCPU91は「印字制御手段」の一例である。
以上説明したように、本実施形態のテープ印字装置1は、サーマルヘッド10を備える。サーマルヘッド10は複数の発熱体71を備える。複数の発熱体71は主走査方向に所定ピッチで列設されている。発熱体71も平面視長方形状である。発熱体71の副走査方向の長さは主走査方向の長さよりも短い。それ故、発熱体71の発熱効率を従来に比して向上できる。従って消費電力を節約できる。さらに発熱体71の温度を必要以上に上昇させる必要が無い。従って、例えばスティック等の不具合を防止できる。
さらに上記実施形態では特に、印字周期t内の1ドット印字に対して、少なくとも2回の加熱パルスで印字を行う。2回の加熱パルスは例えば加熱パルスP1と加熱パルスP2である。それ故、副走査方向の印字密度を上昇できるので、高密度印字が可能である。さらに加熱パルスP1,P2の大きさや、両者の比は、例えば印刷ドット周辺データに応じて変化させる。それ故、適切な電力消費が可能となり、エネルギーの効率化を図ることができる。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、様々な変形が可能である。例えば、上記実施形態では、E制御において、前半の加熱パルスP1のみで、後半の加熱パルスP2を実行していないが、前半の加熱パルスP1を実行せずに、後半の加熱パルスP2のみを実行するようにしてもよい。また、上記実施形態では、A制御〜E制御までを行っているが、A制御〜D制御としてE制御を行わなくともよい。その場合、図15においてS30の連続条件を判断せず、S26:YESでは全てD制御に決定すればよい。
また上記実施形態では、印字周期t内において、2回の加熱パルスを印加しているが、それ以上の回数の加熱パルスを印加するようにしてもよい。
また上記実施形態では、印刷開始から印刷終了までの印字速度は一定で、1印字周期を8msとしているが、印字速度はこれに限らず、速くても遅くてもよい。その場合、図19に示す各制御用C更新処理のS81において250μsの経過を判断しているが、例えば印字速度が速くなれば250μsよりも短い時間で判断すればよい。
更に、本発明は、印刷開始から印刷終了までの印字速度が変化するものにも適用可能である。例えば印刷開始直後は速度を遅く、徐々に速度を上げて、印刷途中は速く、印字終了間際に徐々に落とし、最後は遅くなって終了する印字制御にも適用できる。更に、高速であった印刷途中において、印字密度に応じて速度を変えるものにも適用できる。
また上記実施形態では、印刷ドット周辺のドット情報に基づき、通電制御のパターンを決定しているが、例えば発熱体温度を更に考慮してもよい。そこで発熱体温度をさらに考慮した変形例について、図20,図21を参照して説明する。なお変形例は上記実施形態の構成、制御等を基本とするので、上記実施形態と異なる点を中心に説明する。
先ず、温度補正テーブル9551について、図20を参照して説明する。温度補正テーブル9551は例えばフラッシュメモリ95(図10参照)に記憶してもよい。温度補正テーブル9551は例えば発熱体温度、A/D値、補正値を夫々対応付けて記憶する。本変形例では、発熱体温度は5℃間隔であるが例えば1℃間隔で記憶してもよい。その他に例えばその間の温度であれば補正値を計算で求めるようにしてもよい。温度とA/D値又は補正値とが比例関係を持つようにするとよい。
次に、各制御用C更新処理について、図21のフローチャートを参照して説明する。本変形例の各制御用C更新処理は、上記実施形態の各制御用C更新処理(図19参照)の内容の一部が異なるのみである。上記の通り、CPU91は発熱体温度を検出してRAM94に記憶する(図14のS8)。図21に示すように、CPU91は各制御用C更新処理において、例えばS82とS83の間に、S91,S92の各処理を追加して実行する。
CPU91はデシマルデータC(V)を読み取った後(S82)、さらに補正値K(t)を読み取る(S91)。例えば温度A/D値が173であった場合、温度補正テーブル9551を参照すると、温度は10℃、補正値K(t)は0.910である。CPU91はC(V)に補正値を乗じる(S82)。CPU91は補正値を乗じて得られたC(V)を、各制御用Cから夫々減算する(S92)。これにより変形例は、印刷ドット周辺のドット情報に加え、発熱体温度を考慮して、通電制御のパターンを決定できる。例えば発熱体温度が非常に高い温度であれば、補正値は高くなるので、C(V)も大きくなる。その結果、各制御用Cは0以下になる時間が早くなり、通電時間は短くなる。従って、サーマルヘッド10の周囲の蓄熱状況に対応した加熱制御が可能となる。
なお本変形例の場合、発熱体温度センサ28を搭載しないテープ印字装置であれば、環境温度センサ27で代用してもよい。その場合、環境温度センサ27で検出した温度に対応する補正値を設定する為の温度補正テーブルを記憶すればよい。
1 テープ印字装置
10 サーマルヘッド
15 テープ送りモータ
27 環境温度センサ
28 発熱体温度センサ
70 テープ
71 発熱体
91 CPU
P1,P2 加熱パルス

Claims (7)

  1. 主走査方向に配列した複数の発熱体を備えたサーマルヘッドと、前記各発熱体に対してドット単位で選択的に加熱パルスを印加することにより、印字媒体に文字等の印字を行う印字制御手段と、前記サーマルヘッドに対して前記印字媒体を前記主走査方向と直交する副走査方向に搬送する搬送機構とを備えた印字装置であって、
    前記発熱体の前記副走査方向の長さは、前記主走査方向の長さよりも短く、
    前記印字制御手段は、1ドットの印字命令に対して、前記発熱体に、前記発熱体の前記副走査方向の前記長さを、前記主走査方向の前記長さより短くした比率に相関した印字周期の加熱パルスを2回実行し、
    前記印字周期における前記発熱体の温度カーブには2つの山があり、時間軸方向における前記温度カーブの一の山の比率は前記印字周期の1/2より小さく、他の山の比率は前記印字周期の1/2より大きいことを特徴とする印字装置。
  2. 前記1ドットの前記印字命令に対して最初に実行する第1加熱パルスと、その後に実行する第2加熱パルスとの長さの比率を変更可能に制御するパルス制御手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の印字装置。
  3. 印字データを取得する印字データ取得手段を備え、
    前記印字制御手段は、前記印字データ取得手段によって取得された前記印字データに基づき、前記各発熱体に対してドット単位で選択的に加熱パルスを印加し、
    前記パルス制御手段は、前記印字データ取得手段によって取得された前記印字データに基づき、前記発熱体によって印字する1ドット周囲における各発熱体の発熱状況に応じて、前記第1加熱パルスと前記第2加熱パルスとの前記長さの比率を変更可能に制御することを特徴とする請求項2に記載の印字装置。
  4. 前記サーマルヘッド周囲の温度を検知する温度検知手段を備え、
    前記パルス制御手段は、
    前記印字データ取得手段によって取得された前記印字データと、前記温度検知手段によって検知された前記温度とに基づき、前記第1加熱パルスと前記第2加熱パルスとの前記長さの比率を変更可能に制御することを特徴とする請求項に記載の印字装置。
  5. 前記印字制御手段による印刷開始から印刷終了までの印字速度が一定であることを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の印字装置。
  6. 主走査方向に配列した複数の発熱体を備えたサーマルヘッドと、前記サーマルヘッドに対して印字媒体を前記主走査方向と直交する副走査方向に搬送する搬送機構とを備え、前記発熱体の前記副走査方向の長さは、前記主走査方向の長さよりも短く、前記各発熱体に対してドット単位で選択的に加熱パルスを印加することにより、前記印字媒体に文字等の印字を行う印字装置の制御方法であって、
    1ドットの印字命令に対して、前記発熱体に、前記発熱体の前記副走査方向の前記長さを、前記主走査方向の前記長さより短くした比率に相関した印字周期の加熱パルスを2回実行する印字制御工程を備え
    前記印字制御工程の前記印字周期における前記発熱体の温度カーブには2つの山があり、時間軸方向における前記温度カーブの一の山の比率は前記印字周期の1/2より小さく、他の山の比率は前記印字周期の1/2より大きいことを特徴とする制御方法。
  7. 主走査方向に配列した複数の発熱体を備えたサーマルヘッドと、前記サーマルヘッドに対して印字媒体を前記主走査方向と直交する副走査方向に搬送する搬送機構とを備え、前記発熱体の前記副走査方向の長さは、前記主走査方向の長さよりも短く、前記各発熱体に対してドット単位で選択的に加熱パルスを印加することにより、前記印字媒体に文字等の印字を行う印字装置を機能させる制御プログラムであって、
    コンピュータに
    1ドットの印字命令に対して、前記発熱体に、前記発熱体の前記副走査方向の前記長さを、前記主走査方向の前記長さより短くした比率に相関した印字周期の加熱パルスを2回実行する印字制御ステップを実行させ
    前記印字制御ステップの前記印字周期における前記発熱体の温度カーブには2つの山があり、時間軸方向における前記温度カーブの一の山の比率は前記印字周期の1/2より小さく、他の山の比率は前記印字周期の1/2より大きいことを特徴とする制御プログラム。
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