JP5939804B2 - 輝炎バーナ及びその燃焼方法 - Google Patents
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Description
軸方向の一端側が閉塞された筒状の燃焼空間内に、燃料ガスと、前記燃料ガスを燃焼させるための酸素含有ガスとを供給して、前記燃焼空間の軸方向の他端側において旋回輝炎を形成する輝炎バーナであって、その特徴構成は、
前記燃料ガスを供給する燃料ガス供給手段を、前記一端側を閉塞する底面に設けるとともに、前記酸素含有ガスを供給する酸素含有ガス供給手段を、前記燃焼空間を形成する燃焼筒に設け、
当該酸素含有ガス供給手段は、前記軸方向に沿って設けられ、前記燃焼筒の内周面に沿って前記酸素含有ガスを噴出するスリット状開口を備えて構成され、
前記燃料ガス供給手段は、前記底面を貫通し、前記燃焼空間内に開口する燃料ガス供給口を備えた燃料ガス供給管を有して構成され、前記燃料ガス供給口が、前記軸方向に移動自在とされ、
前記燃料ガス供給口の前記軸方向に於ける位置を制御する燃焼制御手段を備え、
前記燃焼制御手段は、前記燃料ガス供給口を、燃焼開始時に前記一端側である燃焼開始位置に位置させ、前記燃焼開始後の定常燃焼時に前記一端側より他端側に移動した定常燃焼位置に位置させる点にある。
一方、燃焼空間の一端側を閉塞する底面に設けられた燃料ガス供給手段から、旋回ガス流内に燃料ガスを供給することで、円筒状の旋回流となっている酸素含有ガスと中心側を他端に向かって流れる燃料ガスとが混合して混合気が形成される。結果、この混合気の燃焼が中心側で良好に発生する。この構造では、中心側で燃料ガスの熱分解が発生し、形成される煤を他端側に導いて燃焼させることとなるため、良好に輝炎を形成できる。
即ち、この構成の輝炎バーナは、燃焼空間の軸方向に沿って燃料ガスを供給する燃料ガス供給手段を設ける必要がないため、コンパクトな構成とでき、低コストとすることができる。
一方、燃料噴射口の位置を他端側(下流側)に移動させると、燃焼空間内において酸素含有ガスと燃料ガスとの混合が比較的促進されない状態とすることができる。そして、この混合気が燃焼することで、拡散燃焼における燃焼が比較的多くなって、火炎長さが比較的長い赤火状の輝炎を強く出す旋回輝炎を形成することができるとともに、その旋回輝炎からの燃焼騒音の発生を抑制することができる。
従って、このように燃料噴射口の位置を変化させることで、煤および燃焼騒音の発生量を調整することが可能となる。
この構成を採用すると、バーナリム内の開孔から吹き出す状態で燃焼空間の外部に向かう旋回輝炎が形成される。この旋回輝炎の開孔からの吹き出しにより、バーナリムの燃焼空間の外側面に負圧が発生する。この負圧により旋回輝炎を保炎することができ、容易に消炎することを防止して安定して旋回輝炎を形成することができる。結果、この要因からも発生する騒音も低減できる。
前記燃料ガス供給口の前記軸方向での位置が、前記軸方向における前記スリット状開口の範囲内で少なくとも移動自在に設けられている点にある。
軸方向の一端側が閉塞された筒状の燃焼空間内に、燃料ガスと、前記燃料ガスを燃焼させるための酸素含有ガスとを供給して、前記燃焼空間の軸方向の他端側において旋回輝炎を形成する輝炎バーナの燃焼方法であって、その特徴構成は、
前記燃料ガスを供給する燃料ガス供給手段を、前記一端側を閉塞する底面に設けるとともに、前記酸素含有ガスを供給する酸素含有ガス供給手段を、前記燃焼空間を形成する燃焼筒に設け、
当該酸素含有ガス供給手段は、前記軸方向に沿って設けたスリット状開口から前記燃焼筒の内周面に沿って前記酸素含有ガスを噴出するように構成し、
前記燃料ガス供給手段が、前記底面を貫通する燃料ガス供給管と前記燃焼空間内に開口する燃料ガス供給口とを備えた輝炎バーナを使用し、
燃焼開始時に、前記燃料ガス供給口を前記一端側である燃焼開始位置に位置させ、前記燃焼開始後の定常燃焼時に、前記一端側より前記他端側に移動した定常燃焼位置に位置させて旋回輝炎を形成する点にある。
図1に、本発明に係る輝炎バーナ50の斜視図を示す。この輝炎バーナ50は、軸方向(図1中上下方向)の一端側(上流側)が閉塞された筒状の燃焼空間2内に、燃料ガスFと、燃料ガスFを燃焼させるための空気A(酸素含有ガスに相当)とを、それぞれ燃料ガス供給手段3と、空気供給手段5(酸素含有ガス供給手段に相当)から供給して、軸方向の他端側(下流側)において旋回輝炎4を形成するように構成されている。
さらに、燃料ガス供給手段3は、モータ10の回転がモータ軸10aを介して伝えられるモータ側ギア10bが、燃料ガス供給管3aに設けられたラック3cに噛み合わせて構成されており、これによりモータ10を回転させることで、燃料ガス供給手段3を軸方向に上下に移動させることができる。ここで、モータ10の回転量は制御装置8によって制御されている。
また、本実施形態に係る輝炎バーナ50は、燃焼空間2内に設けられて空気Aと燃料ガスFとの混合気に着火する着火手段9および旋回輝炎4の温度を検出する温度検出手段11を備えおり、制御装置8によって、着火手段9を制御して燃焼空間2内で生成した混合気へ着火することができるとともに、着火によって形成される旋回輝炎4の温度を温度検出手段11によって検出することができるように構成されている。また、この温度検出手段11により、旋回輝炎4の失火についても検出することもできる。
そして、制御装置8により、その混合気に着火手段9で着火すると燃焼空間2の内部で火炎が形成され、その火炎が燃焼空間2の他端側に形成された中心開孔2cに向かって、旋回しながら全体として軸方向に流動して、燃焼空間2の外側に向う旋回輝炎4が形成された状態となる。
制御装置8は、モータ10を制御して、燃焼開始時に、燃料ガス供給口3bを一端側である燃焼開始位置Xに位置させ、燃焼開始後の定常燃焼時に、一端側より他端側に移動した定常燃焼位置Yに位置させるように構成されている。ここで、定常燃焼の判断は、例えば、温度検出手段11により検出された旋回輝炎4の火炎温度や、旋回輝炎4が形成されてからの経過時間、着火手段9による着火動作からの経過時間などによって判断することができる。
これにより、旋回輝炎4の形成開始時となる燃焼開始時は、燃料ガス供給口3bを燃焼空間2内の上流側の燃焼開始位置Xに位置させて、燃焼空間2内を旋回する空気Aと燃料ガスFとの混合状態を比較的促進した状態として燃焼を開始することで、主に予混合燃焼による燃焼が行われる状態として、着火性を確保するとともに煤の発生を抑えて燃焼を開始することができる。そして、旋回輝炎4を形成する燃焼の状態が所定の定常燃焼状態となると、燃料ガス供給口3bの位置を燃焼空間2内の下流側の定常燃焼位置Yに移動させて、旋回する空気Aと燃料ガスFとの混合を比較的抑制した状態として、主に拡散燃焼による燃焼が行われる状態として燃焼騒音が少なく火炎長さが比較的長い赤火状の輝炎を強く出す旋回輝炎4を形成することができる。
(A)上記実施形態においては、燃料ガス供給手段3を底面2aの径方向の中心に設けたが、これに限らず、燃料ガス供給手段3を底面2aの径方向の中心から外れた位置に設けてもよい。燃料ガス供給手段3を底面2aの径方向の中心から外れた位置に設けることで、旋回する空気Aの影響により、混合がより促進されて、青炎の割合を増加して燃焼騒音が増加するが、煤の発生を抑制する状態とすることができる。従って、底面2aにおいて燃料ガス供給手段3を設ける位置を調整することで、混合気の生成状態を変化させて、煤と燃焼騒音との発生量を調節することができる。
(D)火炎検知手段としては、上記温度センサーのほか、フレームロッドや紫外線光電管を利用することもできる。
(E)空気流量の制御手段としては、上記弁によるもののほか、送風機そのものの回転数変更にて、吐出量を変更して行うことも可能である。
(F)上記実施形態においては、酸素含有ガス供給手段を一対設ける例を示したが、酸素含有ガス供給手段の数は、単数でも3以上であってもよい。
空気の供給をスリット状として燃焼室内面全体を空冷できる構造としたため、バーナ自体の昇温が抑えられ、耐久性の良い輝炎バーナを得ることができた。
1a スリット状開口
2 燃焼空間
2a 底面
2b バーナリム
2c 中心開孔
2e 内周面
3 燃料ガス供給手段
3a 燃料ガス供給管
3b 燃料ガス供給口
4 旋回輝炎
5 酸素含有ガス供給手段(空気供給手段)
5a ガス噴出手段(空気噴出手段)
8 制御装置(燃焼制御手段)
50 輝炎バーナ
A 酸素含有ガス(空気)
F 燃料ガス
X 燃焼開始位置
Y 定常燃焼位置
Claims (5)
- 軸方向の一端側が閉塞された筒状の燃焼空間内に、燃料ガスと、前記燃料ガスを燃焼させるための酸素含有ガスとを供給して、前記燃焼空間の軸方向の他端側において旋回輝炎を形成する輝炎バーナであって、
前記燃料ガスを供給する燃料ガス供給手段を、前記一端側を閉塞する底面に設けるとともに、前記酸素含有ガスを供給する酸素含有ガス供給手段を、前記燃焼空間を形成する燃焼筒に設け、
当該酸素含有ガス供給手段は、前記軸方向に沿って設けられ、且つ前記燃焼筒の内周面に沿って前記酸素含有ガスを噴出するスリット状開口を備えて構成され、
前記燃料ガス供給手段は、前記底面を貫通し、前記燃焼空間内に開口する燃料ガス供給口を備えた燃料ガス供給管を有して構成され、前記燃料ガス供給口が、前記軸方向に移動自在とされ、
前記燃料ガス供給口の前記軸方向に於ける位置を制御する燃焼制御手段を備え、
前記燃焼制御手段は、前記燃料ガス供給口を、燃焼開始時に前記一端側である燃焼開始位置に位置させ、前記燃焼開始後の定常燃焼時に前記一端側より他端側に移動した定常燃焼位置に位置させる輝炎バーナ。 - 前記燃焼空間の他端側に、燃焼筒の内径より小径の開孔を備えたバーナリムを設けた請求項1記載の輝炎バーナ。
- 前記燃料ガス供給口の前記軸方向での位置が、前記軸方向における前記スリット状開口の範囲内で少なくとも移動自在に設けられている請求項1または2に記載の輝炎バーナ。
- 軸方向の一端側が閉塞された筒状の燃焼空間内に、燃料ガスと、前記燃料ガスを燃焼させるための酸素含有ガスとを供給して、前記燃焼空間の軸方向の他端側において旋回輝炎を形成する輝炎バーナの燃焼方法であって、
前記燃料ガスを供給する燃料ガス供給手段を、前記一端側を閉塞する底面に設けるとともに、前記酸素含有ガスを供給する酸素含有ガス供給手段を、前記燃焼空間を形成する燃焼筒に設け、
当該酸素含有ガス供給手段は、前記軸方向に沿って設けたスリット状開口から前記燃焼筒の内周面に沿って前記酸素含有ガスを噴出するように構成し、
前記燃料ガス供給手段が、前記底面を貫通する燃料ガス供給管と前記燃焼空間内に開口する燃料ガス供給口とを備えた輝炎バーナを使用し、
燃焼開始時に、前記燃料ガス供給口を前記一端側である燃焼開始位置に位置させ、前記燃焼開始後の定常燃焼時に、前記燃料ガス供給口を前記一端側より前記他端側に移動した定常燃焼位置に位置させて旋回輝炎を形成する輝炎バーナの燃焼方法。 - 前記燃焼空間の他端側に、燃焼筒の内径より小径の開孔を備えたバーナリムを設けた請求項4に記載の輝炎バーナの燃焼方法。
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