JP5939589B2 - 配向膜材料 - Google Patents

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Description

本発明は、光配向法を適用する配向膜材料とこの配向膜材料を用いて形成した配向膜を備えた液晶表示装置に関する。
通常、液晶表示装置の表示は、一対の基板間に挟まれた液晶層の液晶分子に電界を印加することにより液晶分子の配向方向を変化させ、それにより生じた液晶層の光学特性の変化により行われる。
従来、画素毎に薄膜トランジスタ等のスイッチング素子を備えた、所謂アクティブ駆動型液晶表示装置は、液晶層を挟持する一対の基板のそれぞれに電極を設け、液晶層に印加する電界の方向が基板界面に対してほぼ垂直になるように設定され、液晶層を構成する液晶分子の光旋光性を利用して表示を行うツイステッドネマチック(Twisted Nematic:TN)表示方式に代表される。このTN方式の液晶表示装置においては視野角が狭いことが最大の課題とされている。
一方、一対の基板の一方に形成した櫛歯電極を用いて発生する電界が当該基板面にほぼ平行な成分を有するようにして液晶層を構成する液晶分子をほぼ基板と平行な面内で回転動作させ、液晶層の複屈折性を用いて表示を行うIPS方式が、下記特許文献1、特許文献2等に開示されている。このIPS方式は液晶分子の面内スイッチングに起因して従来のTN方式に比べて視野角が広く、低負荷容量である、などの利点があり、TN方式に代わる新たな液晶表示装置として有望視され近年急速に進歩している。
なお、下記特許文献1には、スペーサビーズと液晶層との間に、偏光照射により液晶配向能を付与する材料を用いて配向膜を形成することによって、コントラストを320とした液晶表示装置が記載され、また、下記特許文献2には、直線偏光を高分子膜に照射する配向方法によりコントラストを250とした液晶表示装置が記載されている。
このような視角特性(輝度コントラスト比、階調・色調反転)に優れ、表示の明るいIPS方式の液晶表示装置(以下「IPS−TFT−LCD」という。)は、表示領域が大きなモニターやテレビなどへ向けた有力な技術である。
液晶表示装置では、液晶層を挟持する一対の基板の当該液晶層との界面には液晶配向制御能を付与した配向制御膜が形成される。しかし、今後20型以上のより大きな画面に対応したIPS−TFT−LCDを実用化するには、サイズの大きい表示装置(大型パネル)用の新しい構造やプロセスの開発が必要である。
特に、液晶層に対面する表面に段差構造が多いIPS−TFT−LCDにおいては、配向制御膜に大画面にわたって均一な配向処理を施すことは困難である。配向制御膜に配向処理を施す際のマージンは、従来型のTN方式、とりわけ現在主流のノーマリオープン型TN方式(低電圧で明表示、高電圧で暗表示)に比べて著しく狭い。マージンが狭い理由は以下の(1)(2)(3)に説明する3点である。
(1)段差構造
IPS−TFT−LCDにおいては、原理上数μm程度の幅を持つ細長い電極(櫛歯電極(Inter digital electrode )と称する場合もある)を多数配設する必要がある。そのため、微細な段差構造が形成される。
段差の大きさは、電極の厚みやその上に形成される各種の膜の形状により決まるが、通常10nm以上である。高透過率画素構造では、無機絶縁膜が厚く形成されており、無機絶縁膜以下の段差凹凸はある程度平坦化されている。
したがって、高透過率画素構造の配向制御膜の段差は、主に有機絶縁膜上の電極に起因している。これらの膜の最上層にポリイミド等の高分子膜からなる配向制御膜(配向膜とも称する)が形成される。
従来の量産技術においては、この配向制御膜上をラビング処理し、液晶配向能(初期配向)を付与する。一方で、ラビング用の布は、太さが10〜30μm程度の細い繊維を束ねて構成されており、実質的にはこの細い繊維一本一本が、配向膜の局所的な部分に一定方向の剪断力を与えることで液晶配向能を付与する処理がなされる。
繊維としては、数ミクロン程度の極細繊維も存在するが、ラビング用としてはある程度の摩擦力を付与するための剛性が要求されることから、このような極細繊維を用いたものは実用化されていない。
IPS方式での電極間隔も上記繊維の径と同程度の10〜30μm程度であるため、段差近傍のラビングは十分になされず、配向が乱れやすい。この配向の乱れは黒レベルの上昇、ならびにそれによるコントラスト比の低下や、輝度の不均一性といった画質の低下を引き起こす。
(2)配向角
IPS−TFT−LCDにおいては、初期配向方向は原理上電極が伸びた方向、或いはそれと垂直な方向からある一定以上の角度をもってずらして設定する必要がある。ここで電極とは、信号配線電極、画素内の共通電極、画素電極を指す。
初期配向の方向をラビングで規定するには、前述のように10〜30μm程度の繊維で所定角度方向に擦る必要があるが、信号配線電極、画素内の共通電極、画素電極といった一定方向に伸びた配線とその端部の段差により、設定の角度から段差方向に繊維が引きずられてしまい配向が乱れ、それによる黒レベルの上昇などの画質低下を引き起こす。
(3)暗レベルの沈み込み
IPS−TFT−LCDの特徴の一つとして、暗レベル(黒表示)の沈み込みが良好である点が挙げられる。そのため、他の方式に比較して配向の乱れが目立ちやすい。
従来のノーマリオープン型TN方式では、暗レベルが高電圧を印加した状態で得られる。この場合、高電圧では、液晶分子のほとんどが基板面に垂直な一方向である電界方向に揃っており、その液晶分子配列と偏光板の配置との関係で、暗レベルが得られている。したがって、暗レベルの均一性は原理上低電圧時の初期配向状態にはあまり依存しない。
さらに、人間の目は、輝度のムラを輝度の相対的な比率として認識し、かつ対数スケールに近い反応をするため、暗レベルの変動には敏感である。この観点からも高電圧で、強制的に一方向に液晶分子を配列させる従来のノーマリオープン型TN方式では、初期配向状熊に鈍感になり有利である。
一方、IPS方式では、低電圧或いは電圧ゼロにおいて暗レベルの表示をするため、初期配向状態の乱れには敏感である。特に、液晶分子配向方向を上下基板上で互いに平行とするホモジニアス配列とし、かつ一方の偏光板の光透過軸をその液晶分子配向方向に平行、他方の偏光板を直交とした配置(複屈折モードと呼ばれる)では、液晶層に入射した偏光光は、直線偏光をほとんど乱されずに伝搬する。このことは暗レベルを沈み込ませるのに有効である。複屈折モードの透過率Tは、一般に、次の式で表せる。
T=T0・sin2{2θ(E)}・sin2{(π・deff・Δn)/λ}
ここで、T0は係数で、主として液晶パネルに使用される偏光板の透過率で決まる数値、θ(E)は液晶分子の配向方向(液晶層の実効的な光軸)と偏光透過軸のなす角度、Eは印加電界強度、deffは液晶層の実効的な厚さ、Δnは液晶の屈折率異方性、λは光の波長を表す。
また、ここで、液晶層の実効的な厚さdeff 液晶の屈折率異方性Δnの積、すなわちdeff・Δnをリタデーションという。なお、ここでの液晶層の厚さdeffは液晶層全体の厚さではなく、電圧が印加されたとき、実際に配向方向を変える液晶層の厚さに相当する。
何故なら、液晶層の界面近傍の液晶分子は、界面でのアンカリングの影響により、電圧が印加されてもその配向方向を変えないためである。したがって、基板によって挟持された液晶層全体の厚さをdLCとすると、この厚さdLCとdeffの間には、常にdeff<dLCの関係があり、その差は液晶パネルに用いる液晶材料と、液晶層と接する界面、例えば、配向膜材料の種類によって異なるが、概ね20nm〜40nm程度と見積もることができる。
上記の式から明らかなように、電界強度に依存するのはsin{2θ(E)}の項であり、角度θを電界強度Eに応じて変えることで輝度が調整できる。
ノーマリークローズ型にするには、電圧無印加時にθ=0度となるよう偏光板を設定するため、初期配向方向の乱れに敏感になるように作用する。
このようにIPS方式では、配向均一性が非常に重要な要素であり、現在用いられているラビング法の問題が明らかになってきている。
一般的に、ラビング配向処理には摩擦により発生する静電気によるTFT破損やラビング布の毛先の乱れや塵による配向乱れによる表示不良、さらにはラビング布の交換頻度が多いなどラビング処理法に関わる問題が多い。
これらのラビング配向処理の問題を解決する目的で、ラビングなしで液晶の配向させるいわゆる「ラビングレス」配向法が検討され、様々な方法が提案されている。そのなかでも、偏光した紫外線等を高分子膜の表面に照射し、ラビング処理をすることなく液晶分子を配向させる光配向法が提案されている。
その例として、下記非特許文献1に開示された方法は、従来のラビング処理を必要とせず、偏光した光照射により一定方向に液晶を配向させることが特徴である。
この光配向法によれば、ラビング法による膜表面の傷や静電気等の問題がなく、また工業的な生産を考慮した際の製造プロセスとしてより簡便であることが利点であり、今後のラビング処理を用いない新たな液晶配向処理方法として注目されている。
これまでの報告で使用されている液晶配向膜材料として、偏光した光に対する光化学的感度を得る必要性から、高分子の側鎖に光反応性基を導入した高分子化合物を用いることが提案されている。
その代表的な例として、ポリビニルシンナメートが挙げられるが、この場合光照射による側鎖部分での二量化により高分子膜中に異方性を発現し液晶を配向させるものと考えられている。
また、その他として、高分子材料中に低分子の二色性アゾ色素を分散し、この膜表面に対して偏光した光を照射することで一定の方向に液晶分子を配向させうることが提案されている。
またさらには、特定のポリイミド膜に偏光した紫外線等を照射することによって液晶分子が配向することが報告されている。この場合光照射により、一定方向のポリイミド主鎖が分解することにより液晶配向を発現しているものと考えられる。
特許第3303766号明細書 特開平11-218765号公報
ギボンズら、「ネイチャー」351巻、49ページ(1991年)(W.M. Gibbons et al., Nature, 351, 49(1991) )
このようにラビング配向法の問題点を解決するラビングレス配向法として光照射による光配向法が提案、検討されているが、実用上以下のような問題点を抱えている。
ポリビニルシンナメート等に代表される高分子側鎖に光反応性基を導入した高分子材料系では、配向の熱安定性が十分ではなく実用性の面ではまだ十分な信頼性が得られてはいない。
またこの場合、液晶の配向を発現させる構造部位が高分子の側鎖部分であると考えられることから、液晶分子をより均一に配向させ、かつより強い配向を得る上では必ずしも好ましいとは言えない。
また、低分子の二色性色素を高分子中に分散した場合には、液晶を配向させる色素自体が低分子であり、実用的な観点からみて熱的、あるいは光に対する信頼性の面で課題が残されている。
さらに、特定のポリイミドに偏光した紫外線を照射する方法においては、ポリイミド自体としては、耐熱性等の信頼性は高いものの、その配向機構が光による分解に起因していると考えられることから、実用面において十分な信頼性を確保するのが困難である。
すなわち、今後この偏光照射を用いた液晶配向を実際に応用する場合には、液晶を単に初期的に配向させるだけでなく、信頼性の観点から、より安定な配向を発現させることが必要とされる。
また、実際の工業的な応用を考えた場合、熱的にも安定な高分子構造を選択することが望まれている。これらの点で、従来光照射による液晶配向に対して提案されている高分子材料は、配向力及びその安定性の面で必ずしも十分ではなく、光照射によるラビングレス配向を実現する大きな課題となっているのが実情である。
したがって、本発明の目的は、以上のようなIPS−TFT−LCDの固有の問題である配向処理の製造マージンが狭いという問題を解決し、初期配向方向の変動による表示不良の発生を低減し、かつ安定な液晶配向を実現し、コントラスト比を高めた高品位な画質を有する特に大型の液晶表示装置を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、量産性に優れた高画質・高精細度の液晶表示装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明は、少なくとも一方が透明な一対の基板と、前記一対の基板間に配置された液晶層と、前記一対の基板の一方の基板に形成され、前記液晶層に印加するための電極群及びこれらの電極に接続された複数のアクティブ素子と、前記液晶層と前記一対の基板の少なくともどちらか一方の基板の間に配置された配向制御膜と、前記一対の基板の少なくともどちらか一方の基板に形成され前記液晶層の分子配向状態に応じて光学特性を変える偏光手段とを有し、前記配向制御膜の少なくとも一方が、光反応性のポリイミド及び/又はポリアミック酸からなり、ほぼ直線に偏光した光を照射して配向制御膜を形成することを特徴とする。
また、本発明は、前記液晶層に印加される電界が、前記電極群の形成された基板面に対してほぼ平行であることを特徴とする。
また、本発明は、配向制御膜上の液晶層中の液晶分子の長軸方向が、光照射したほぼ直線に偏光した偏光軸と平行又は直交(垂直)していることを特徴とする。特に、光反応性の配向制御膜が、酸無水物として少なくともシクロブタンテトラカルボン酸二無水物、ジアミンとして少なくとも芳香族ジアミン化合物から構成されるポリアミック酸又はポリイミドであることが望ましい。
また、前記シクロブタンテトラカルボン酸二無水物及びその誘導体が、下記一般式〔化合物1〕〜〔化合物3〕で示される化合物であることを特徴とする。
Figure 0005939589
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(但し、R1,R2,R3,R4はそれぞれ独立に水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、フェニル基又は炭素数1〜6のアルキル基、アルコキシ基又はビニル基[−(CH2)m−CH=CH2,m=0,1,2]、又はアセチル基[−(CH2)m−CH≡CH2,m=0,1,2])
また、前記芳香族ジアミン化合物が、下記一般式〔化合物4〕〜〔化合物22〕からなる化合物群から選択される化合物の少なくとも1種を含有することを特徴とする。
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(但し、化合物4から化合物19のR1〜R8及び化合物20のR1、R2はそれぞれ独立に水素原子、フッ素原子、塩素原子、又は炭素数1〜6のアルキル基、アルコキシ基、又はビニル基[−(CH2)m−CH=CH2,m=0,1,2]、又はアセチル基[−(CH2)m−CH≡CH2,m=0,1,2]を示す。また、化合物10〜12においてXは−CH2−,−NH−,−CO−,−O−,−S−の結合基を示す。また、化合物20のR3、R4及び化合物21、22のR1はそれぞれ独立に炭素数1〜6のアルキル基を示す。)
また、配向制御膜の膜厚を1nmから100nmのように薄膜にすることにより、光の透過性が向上すること、さらに偏光照射による光反応の効率が向上し効果的である。また、液晶表示装置を作製した場合にも、液晶を駆動する電圧を有効に液晶層に印加するのに効果的である。
さらに、電極上の配向制御膜の膜厚が1nm〜50nm、さらに1nm〜30nmと薄膜化することにより液晶表示装置の各画素内の電極/配向制御膜/液晶層/配向制御膜/電極の間に残留する直流電圧成分(いわゆる残留DC電圧)を低減することが可能となり、ひいては残像、焼き付き特性が向上するなど効果的である。
また、本発明は、液晶表示装置の液晶層のプレチルト角が1度以下であることに特徴がある。また、従来のラビング配向法では、電極段差端部がラビング布の繊維のガイドとして作用し、段差部が伸びた方向に繊維が引き込まれたり、段差のコーナー部に繊維が届かず配向処理ができず配向不良が生じたりする。
特に、画素電極、又は共通電極、又は共通電極配線の少なくとも一方が透明な電極で構成されている場合には、電極段差近傍の配向状態が目立つため、本発明が有効である。
特に、透明電極がイオンドープ酸化チタン膜、又はイオンドープ酸化亜鉛膜(ZnO)で構成されている場合には、本発明が有効に作用する。
また、一方で画素電極及びそれと対向する共通電極が、お互いに平行に配置されジグザグな屈曲構造からなる場合には、液晶配向膜が下地の有機絶縁膜との密着性に劣る場合があり、従来のラビング配向処理を施すと、配向膜の剥がれなどの表示不良を引き起こす場合がある。このような場合には本発明は有効である。
また、本発明は、共通電極及び/又は画素電極が、有機絶縁膜上に形成され、その有機絶縁膜及び電極上に液晶配向膜が形成されている場合に、特に有効である。
また、本発明は、液晶層と前記一対の基板上に形成されている配向制御膜との二つの界面における液晶分子の配向制御方向がほぼ同一方向であることに特徴を有する。
そして、本発明は、液晶配向膜に偏光照射することにより液晶配向処理を付与することを特徴とする。
本発明によれば、配向処理に用いる偏光の光波長が200から400nmの範囲であることを特徴とする。さらに、本発明は、配向処理に用いるほぼ直線に偏光した第一の波長の光と、第二の波長の光の少なくとも2種類の波長の偏光を用いる場合にさらに有効である。
また、本発明は、液晶配向制御膜のガラス転移温度が250℃以上であることを特徴とする。
さらに、本発明は、液晶配向膜に偏光照射により液晶配向能を付与する場合に、加熱、赤外線照射、遠赤外線照射、電子線照射、放射線照射のうち少なくとも一つの処理を加えることにより、さらに有効に作用する。配向制御膜に偏光照射することにより液晶配向能を付与する際に、加熱、赤外線照射、遠赤外線照射、電子線照射、放射線照射を加えることにより、偏光照射による液晶配向能付与を加速、さらには架橋反応などを誘起することにより、液晶配向能を促進、安定化するのに効果的である。
特に、加熱、赤外線照射、遠赤外線照射、電子線照射、放射線照射のうち少なくとも一つの処理を偏光照射処理と時間的な重なりをもって行うことにより、本発明はさらに有効に作用する。
また、配向制御膜のイミド化焼成処理と偏光照射処理を時間的な重なりをもって行うことによっても、本発明は有効に作用する。特に、液晶配向膜に偏光照射に加え、加熱、赤外線照射、遠赤外線照射、電子線照射、放射線照射のうち少なくとも一つの処理を行う場合に、配向制御膜の温度が100°C〜400°Cの範囲であること、さらには150°C〜300°Cの範囲であることが望ましい。
また、加熱、赤外線照射、遠赤外線照射の処理は、配向制御膜のイミド化焼成処理と兼用することも可能であり有効である。
また、本発明において、目標とするコントラストは、500:1以上であり、目標とする残像が解消される時間は、5分以内であることとする。なお、残像の解消される時間は下記の実施形態において定義される方法にて決定される。なお、本発明は、目標とするコントラストが500:1以上の高コントラストにより高画質化されているために、従来の目標とするコントラストが約200:1の低コントラストの残像評価に比べて残像の消失の判断基準が厳しく、目標とする残像が解消される時間を5分以内とした。
以上説明したように、本発明によれば、IPS方式の液晶表示装置において、配向処理の製造マージンが狭いという固有の問題を解決し、初期配向方向の変動による表示不良の発生を低減し、かつ安定な液晶配向を実現し、量産性に優れ、かつコントラスト比を高めた高品位な画質を有する液晶表示装置を提供することができる。
以上説明したように、本発明によれば、IPS方式の液晶表示装置において、配向処理の製造マージンが狭いという固有の問題を解決し、初期配向方向の変動による表示不良の発生を低減し、かつ安定な液晶配向を実現し、量産性に優れ、かつコントラスト比を高めた高品位な画質を有する液晶表示装置を提供することができる。
本発明による液晶表示装置の第1の実施の形態の画素構成を説明する画素部分の断面図。 本発明による液晶表示装置の第1の実施の形態の画素構成を説明する画素部分の平面図及び断面図。 本発明による液晶表示装置の第2の実施の形態の画素構成を説明する画素部分の断面図。 本発明による液晶表示装置の第2の実施の形態である液晶表示装置の画素構成を説明する画素部分の平面図及び断面図。 本発明による液晶表示装置の第3の実施の形態の画素構成を説明する画素部分の断面図。 本発明による液晶表示装置の第4の実施の形態の画素構成を説明する画素部分の断面図。 本発明による液晶表示装置の第5の実施の形態である液晶表示装置の画素構成を説明する画素部分の断面図。 本発明による液晶表示装置の第5の実施の形態である液晶表示装置の画素構成を説明する画素部分の平面図。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下では薄膜トランジスタ等のアクティブ素子を形成した基板をアクティブマトリクス基板という。また、その対向基板にカラーフィルタを有する場合は、これをカラーフィルタ基板ともいう。
また、本発明において、目標として望ましいコントラストは、500:1以上であり、目標とする残像が解消される時間は、5分以内が望ましい。なお、残像の解消される時間は下記の実施の形態において定義される方法にて決定される。なお、本発明は、目標とするコントラストが500:1以上の高コントラストにより高画質化されているために、従来の目標とするコントラストが約200:1の低コントラストの残像評価に比べて残像の消失の判断基準が厳しく、目標とする残像が解消される時間を5分以内とした。
図1は、本発明による液晶表示装置の第1の実施の形態を説明する一画素付近の模式断面図である。
また、図2は本発明による液晶表示装置の第1の実施の形態を説明する一画素付近の構成を説明するアクティブマトリクス基板の模式図であり、図2(a)は平面図、図2(b)は図2(a)のA−A'線に沿った断面図、図2(c)は図2(a)のB−B'線に沿った断面図を示す。
また、図1は図2(a)のA−A'線に沿った断面の一部に対応する。なお、図2(b)と図2(c)の断面図は、要部構成を強調して模式的に示すもので、図2(a)のAA'線、B−B'線の切断部に一対一で対応しない。例えば、図2(b)では図1に示す半導体膜116は図示せず、図2(c)では対向電極とコモン配線120を接続するスルーホールは一箇所のみを代表して示してある。
本実施の形態の液晶表示装置では、アクティブマトリクス基板としてガラス基板101上には、Cr(クロム)からなるゲート電極(走査信号電極)104及びコモン配線(共通電極配線)120(図2)が配置され、このゲート電極104及び共通電極配線120を覆うように窒化シリコンからなるゲート絶縁膜107が形成されている。
また、ゲート電極104上には、ゲート絶縁膜107を介してアモルファスシリコン又はポリシリコンからなる半導体膜116が配置され、アクティブ素子として薄膜トランジスタ(TFT)の能動層として機能するようにされている。
また、半導体膜116のパターンの一部に重畳するようにCr・Mo(クロム/モリブデン)よりなるドレイン電極(映像信号配線)106とソース電極(画素電極)105が配置され、これら全てを被覆するように窒化シリコンよりなる保護絶縁膜108が形成されている。
また、図2(c)に模式的に示したように、ゲート絶縁膜107と保護絶縁膜108を貫通して形成されたスルーホール118を介して共通電極配線120に接続するコモン電極(共通電極)103がオーバーコート層(有機保護膜)112上に配置されている。
また、図2(a)から分かるように、平面的には一画素の領域においてその画素電極105に対向するように、共通電極配線120よりスルーホール118を介して引き出されている共通電極103が形成されている。
したがって、本発明の第1の実施の形態においては、画素電極105は有機保護膜112の下層の保護絶縁膜108のさらに下層に配置され、有機保護膜112上に共通電極103が配置された構成となっている。これらの複数の画素電極105と共通電極103とに挟まれた領域で、一画素が構成される構造となっている。
また、以上のように構成した単位画素をマトリクス状に配置したアクティブマトリクス基板の表面、すなわち、共通電極103が形成された有機保護膜112上には配向制御膜109が形成されている。
一方、図1に示されたように、対向基板を構成するガラス基板102には、カラーフィルタ層111が、遮光部(ブラックマトリクス)113で画素毎に区切られて配置され、また、カラーフィルタ層111及び遮光部113上は、透明な絶縁性材料からなる有機保護膜112で覆われている。さらに、その有機保護膜112上にも配向制御膜109が形成されてカラーフィルタ基板を構成している。
これらの配向制御膜109は、高圧水銀ランプを光源とし、石英板を積層したパイル偏光子を用いて取り出される紫外線の直線偏光照射により液晶配向能が付与されている。
アクティブマトリクス基板を構成するガラス基板101と対向電極を構成するガラス基板102が、配向制御膜109の面で対向配置され、これらの間に液晶分子110で構成される液晶層(液晶組成物層)110'が配置されているように構成されている。
また、アクティブマトリクス基板を構成するガラス基板101及び対向電極を構成するガラス基板102の外側の面のそれぞれには、偏光板114が形成されている。
以上のようにして薄膜トランジスタを用いたアクティブマトリクス型液晶表示装置(すなわち、TFT液晶表示装置)が構成される。
このTFT液晶表示装置では、液晶組成物層110'を構成する液晶分子110は、電界無印加時には、対向配置されている基板101,102面にほぼ平行に配向された状態となり、光配向処理で規定された初期配向方向に向いた状態でホモジニアス配向している。
ここで、ゲート電極104に電圧を印加して薄膜トランジスタ(TFT)をオンにすると、画素電極105と共通電極103の間の電位差により液晶組成物層に電界117が印加され、液晶組成物が持つ誘電異方性と電界との相互作用により液晶組成物層を構成する液晶分子110は電界方向にその向きを変える。このとき液晶組成物層の屈折異方性と偏光板114の作用により本液晶表示装置の光透過率を変化させ表示を行うことができる。
また、有機保護膜112は、絶縁性、透明性に優れるアクリル系樹脂、エポキシアクリル系樹脂、又はポリイミド系樹脂などの熱硬化性樹脂を用いればよい。また、有機保護膜112として、光硬化性の透明な樹脂を用いてもよいし、ポリシロキサン系の樹脂など無機系の材料を用いてもよい。さらには、有機保護膜112が配向制御膜109を兼ねるものであってもよい。
以上のように、第1の実施の形態によれば、配向制御膜109の液晶配向制御能をバフ布で直接摩擦するラビング配向処理ではなく、非接触の光配向法を用いることにより、電極近傍に局所的な配向の乱れがなく、表示領域全面に渡り均一な配向を付与することが可能となる。
次に、本発明による液晶表示装置の第2の実施の形態を説明する。図3は、本発明による液晶表示装置の第2の実施の形態を説明する一画素付近の模式断面図である。
また、図4は、本発明による液晶表示装置の第2の実施の形態を説明する一画素付近の構成を説明するアクティブマトリクス基板の模式図であり、図4(a)は平面図、図4(b)は図4(a)のA−A'線に沿った断面図、図4(c)は図4(a)のB−B'線に沿った断面図を示す。
また、図3は図4(a)のA−A'線に沿った断面の一部を示している。なお、図4(b)と図4(c)の断面図は、要部構成を強調して模式的に示すもので、図4(a)のA−A'線、B−B'線の切断部に一対一で対応しない。例えば、図4(b)では図3に示す半導体膜116は図示していない。
本発明の第2の実施の形態の液晶表示装置では、アクティブマトリクス基板を構成するガラス基板101上には、Crよりなるゲート電極104及び共通電極配線120が配置され、ゲート電極104と共通電極配線120を覆うように窒化シリコンからなるゲート絶縁膜107が形成されている。
また、ゲート電極104上には、ゲート絶縁膜107を介してアモルファスシリコン或いはポリシリコンからなる半導体膜116が配置され、アクティブ素子である薄膜トランジスタ(TFT)の能動層として機能するようにされている。
また、半導体膜116のパターンの一部に重畳するようにクロム・モリブデンよりなるドレイン電極106,ソース電極(画素電極)105が配置され、これら全てを被覆するように窒化シリコンよりなる保護絶縁膜108が形成されている。
この保護絶縁膜108上には、有機保護膜112が配置されている。この有機保護膜112は、例えばアクリル樹脂などの透明な材料から構成する。
また、画素電極105はITO(In2O3:Sn)などの透明電極から構成されている。
共通電極103は、ゲート絶縁膜107、保護絶縁膜108、有機保護膜112を貫通するスルーホール118を介し、共通電極配線120に接続している。
液晶を駆動する電界を与える場合に、画素電極105と対をなす共通電極103は、平面的に一画素の領域を囲うように形成されている。
また、この共通電極103は、有機保護膜(オーバーコート層)112の上に配置されている。そして、この共通電極103は、上部から見たときに下層に配置しているドレイン電極106、走査信号配線104及び能動素子である薄膜トランジスタ(TFT)を隠すように配置され、半導体膜116を遮光する遮光層を兼ねている。
なお、以上のように構成した単位画素(一画素)をマトリクス状に配置したアクティブマトリクス基板を構成するガラス基板101の表面、すなわち、有機保護膜112上及びその上に形成された共通電極103の上には、配向制御膜109が形成されている。
一方、対向基板を構成するガラス102にも、カラーフィルタ層111及びその上に形成される有機保護膜112、配向制御膜109が形成されている。
また、第1の実施の形態と同様に、高圧水銀ランプを光源とし、石英板を積層したパイル偏光子を用いて取り出される紫外線の直線偏光照射により、これらの配向制御膜109に液晶配向能が付与されている。
そして、ガラス基板101と対向基板102が、配向制御膜109の形成面で対向配置され、これらの間に液晶分子110で構成された液晶組成物層110'が配置されているように構成されている。また、ガラス基板101及び対向基板102の外側の面のそれぞれには偏光板114が形成されている。
このように、本発明の第2の実施の形態においても、先に述べた第1の実施の形態と同様に、画素電極105は有機保護膜112及び保護絶縁膜108の下層に配置され、画素電極105と有機保護膜112との上に共通電極103が配置された構成となっている。
また、共通電極103の電気抵抗が十分低い場合には、当該共通電極103は最下層に形成されている共通電極配線120も兼ねることができる。その際には、最下層に配置している共通電極配線120の形成及びそれに伴うスルーホールの加工を省くことができる。
この第2の実施の形態では、図4(a)に示すように格子状に形成された共通電極103に囲まれた領域で一画素が構成され、画素電極105とあわせて一画素を4つの領域に分割するように配置されている。
また、画素電極105及びそれと対向する共通電極103がお互いに平行に配置されたジグザグな屈曲構造からなり、一画素が2つ以上の複数の副画素を形成している。これにより面内での色調変化を相殺する構造となっている。
また、図5は、本発明による液晶表示装置の第3の実施の形態を説明する一画素付近の模式断面図である。図中、前記した各実施例の図面と同一符号は同一機能部分に対応する。
図5に示すように、本実施の形態では、保護絶縁膜108の下層に配置した画素電極105を、スルーホール118を介して有機保護膜112上に引き上げて共通電極103と同層に配置した。この構成とした場合には、液晶を駆動する電圧をさらに低減することが可能である。
以上のように構成されたTFT液晶表示装置では、電界無印加時には、液晶組成物層110'を構成する液晶分子110は、対向配置されているガラス基板101と102の面にほぼ平行な状態となり、光配向処理で規定された初期配向方向に向いた状態でホモジニアス配向している。
ここで、ゲート電極104に電圧を印加して薄膜トランジスタ(TFT)をオンにすると、画素電極105と共通電極103の間の電位差により液晶組成物層110'に電界117が印加され、液晶組成物が持つ誘電異方性と電界との相互作用により液晶分子110は電界方向にその向きを変える。このとき液晶組成物層110'の屈折異方性と偏光板114の作用により液晶表示装置の光透過率を変化させ表示を行うことができる。
また、上記した本発明の各実施の形態においては、1つの画素における共通電極と画素電極から構成される表示領域は、複数組設けることが可能である。このように複数組設けることによって、1つの画素が大きい場合でも、画素電極と共通電極との間の距離を短くできるので、液晶を駆動させるために印加する電圧を小さくできる。
また、上記した本発明の各実施の形態においては、画素電極と共通電極の少なくとも一方を構成する透明導電膜の材料としては、特に制限はないが、加工の容易さ、信頼性の高さ等を考慮して、インジウム−チン−オキサイド(ITO)のようなチタン酸化物にイオンドープされた透明導電膜又はイオンドープされた亜鉛酸化物を用いるのが望ましい。
一般的に、IPS方式においては、従来のTN方式に代表される縦電界方式と異なり基板面との界面チルトが原理的に必要なく、界面チルト角が小さいほど視角特性がよいことが知られており、光反応性の配向制御膜においても小さい界面チルト角が望ましく、特に1度以下が効果的である。
次に、本発明による液晶表示装置における液晶配向制御膜のラビングレス配向法を用いた配向制御膜の形成について説明する。本発明による配向制御膜の形成工程のフローは以下の(1)〜(4)のようになる。
(1)配向制御膜の塗膜・形成(表示領域全面にわたり均一な塗膜を形成する)。
(2)配向制御膜のイミド化焼成(ワニス溶剤の除去と耐熱性の高いポリイミド化を促進する)。
(3)偏光照射による液晶配向能付与(表示領域に均一な配向能を付与する)。
(4)(加熱、赤外線照射、遠赤外線照射、電子線照射、放射線照射) による配向能の促進・安定化。
以上の4段階のプロセスを介して配向制御膜を形成するが、上記(1)〜(4)のプロセスの順番に限定されるものではなく、以下(I)(II)のような場合には、さらなる効果が期待される。
(I)上記(3)、(4)を時間的に重なるように処理することにより液晶配向能付与を加速し架橋反応などを誘起することで、さらに効果的に配向制御膜を形成することが可能となる。
(II)上記(4)の加熱、赤外線照射、遠赤外線照射などを用いる場合には、上記(2)、(3)、(4)を時間的にオーバーラップさせることにより、上記(4)のプロセスが上記(2)のイミド化プロセスを兼ねることも可能となり、短時間に配向制御膜の形成が可能となる。
次に、本発明による液晶表示装置の製造方法の具体的な実施例について説明する。
第1実施例は、前記した本発明の第1の実施形態で説明した液晶表示装置に対応する。以下、本発明の第1実施例について、図1及び図2を参照して詳細に説明する。
本発明の第1実施例である液晶表示装置を製造する場合において、アクティブマトリクス基板を構成するガラス基板101及び対向基板(カラーフィルタ基板)を構成するガラス基板102として、厚みが0.7mmで表面を研磨したガラス基板を用いる。
ガラス基板101に形成する薄膜トランジスタはソース電極(画素電極)105、ドレイン電極(信号電極)106、ゲート電極(走査電極)104及び半導体膜(アモルファスシリコン)116から構成される。
走査電極104、共通電極配線120及び信号電極106、画素電極105は、全てクロム膜をパターニングして形成し、画素電極105と共通電極103との間隔は7μmとした。
なお、共通電極103と画素電極105については、低抵抗でパターニングの容易なクロム膜を使用したが、ITO膜を使用し透明電極を構成して、より高い輝度特性の達成することも可能である。
ゲート絶縁膜107と保護絶縁膜108は窒化珪素からなり、膜厚はそれぞれ0.3μmとした。その上にはアクリル系樹脂を塗布し、220°C、1時間の加熱処理により透明で絶縁性のある有機保護膜112を形成した。
次に、フォトリソグラフィ、エッチング処理により、図2(c)に示すように共通電極配線120までスルーホールを形成し、共通電極配線120と接続する共通電極103をパターニングして形成した。
その結果、単位画素(一画素)内では、図2(a)に示すように、画素電極105が3本の共通電極103の間に配置されている構成となり、画素数は1024×3(R、G、Bに対応)本の信号電極106と768本の走査電極104とから構成される1024×3×768個とするアクティブマトリクス基板を形成した。
次に、配向制御膜として、下記一般式〔化合物23〕に示す1,4−ジアミノピリジンと下記一般式〔化合物24〕に示す1−メチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物からなるポリアミック酸ワニスを、樹脂分濃度5重量%、NMP60重量%、γブチルラクトン20重量%、ブチルセロソルブ15重量%に調整し、上記アクティブマトリクス基板の上に印刷形成して220°Cで30分の熱処理によりイミド化し、約70nmの緻密なポリイミド配向制御膜109を形成する。
Figure 0005939589
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同様に、ITOを成膜した、もう一方のガラス基板102の表面にも同様のポリアミック酸ワニスを印刷形成し、220°Cで30分の熱処理を行い、約70nmの緻密なポリイミド膜からなる配向制御膜109を形成した。
その表面に液晶配向能を付与するために、偏光UV(紫外線)光をポリイミド配向制御膜109に照射した。光源には高圧水銀ランプを用い、干渉フィルタを介して、240nm〜380nmの範囲のUV光を取り出し、石英基板を積層したパイル偏光子を用いて偏光比約10:1の直線偏光とし、約5J/cmの照射エネルギーで照射した。
その結果、配向制御膜表面の液晶分子の配向方向は、照射した偏光UVの偏光方向に対し、直交方向であることがわかった。
次に、これらの2枚のガラス基板101、102を、それぞれの液晶配向能を有する配向制御膜109を有する表面を相対向させて、分散させた球形のポリマビ−ズからなるスペ−サを介在させ、周辺部にシ−ル剤を塗布し、液晶表示装置となる液晶表示パネル(セルとも称する)を組み立てた。2枚のガラス基板の液晶配向方向は、互いにほぼ並行で、かつ印加電界方向とのなす角度を75゜とした。
このセルに誘電異方性Δεが正で、その値が10.2(1kHz、20°C)であり、屈折率異方性Δnが0.075(波長590nm、20°C)、ねじれ弾性定数K2が7.0pN、ネマティック−等方相転移温度T(N−I)が約76°Cのネマティック液晶組成物Aを真空で注入し、紫外線硬化型樹脂からなる封止材で封止した。液晶層の厚み(ギャップ)は4.2μmの液晶パネルを製作した。
この液晶表示パネルのリタデーション(Δnd)は、約0.31μmとなる。また、このパネルに用いた配向制御膜と液晶組成物と同等のものを用いてホモジニアス配向の液晶表示パネルを作製し、クリスタルローテーション法を用いて液晶のプレチルト角を測定したところ約0.2度を示した。
この液晶表示パネルを2枚の偏光板114で挾み、一方の偏光板の偏光透過軸を上記の液晶配向方向とほぼ平行とし、他方をそれに直交するように配置した。
その後、駆動回路、バックライトなどを接続してモジュール化し、アクティブマトリクス型の液晶表示装置を得た。本実施例では低電圧で暗表示、高電圧で明表示となるノーマリークローズ特性とした。
次に、本発明の第1実施例である上記の液晶表示装置の表示品位を評価したところ、コントラスト比600対1の高品位の表示が確認されるとともに、中間調表示時における広視野角が確認された。
また次に、本発明の第1実施例である液晶表示装置の画像の焼き付け、残像を定量的に測定するため、ホトダイオードを組合せたオシロスコープを用いて評価した。
まず、画面上に最大輝度でウインドウパターンを30分間表示し、その後、残像が最も目立つ中間調表示、ここでは輝度が最大輝度の10%となるように全面を切り換え、ウインドウパターンのエッジ部のパターンが消えるまでの時間を残像緩和時間として評価した。ただし、ここで許容される残像緩和時間は5分以下である。
その結果、使用温度範囲(0°C〜50°C)において、残像の緩和時間は1分以下であり、目視による画質残像検査においても、画像の焼き付け、残像による表示むらも一切見られず、高い表示特性が得られた。
従来、光配向では液晶の配向性を付与することはできるが、アンカリングエネルギー、すなわち、配向した液晶分子を配向膜表面に束縛するエネルギーが、一般のラビング配向に比べ弱いといわれている。
このアンカリングエネルギーが弱いと液晶表示装置の製品としての信頼性が不足するとも言われている。特に、ホモジニアス配向の場合には、極角方向のアンカリングエネルギーよりも方位角方向のアンカリングエネルギーが重要といわれている。
そこで、この様にして得た液晶表示装置と同一の配向膜材料を用い、同一プロセスでガラス基板上に配向膜を形成、配向処理し、同一の液晶組成物を封入して液晶セルを作製し、トルクバランス法(長谷川ほか、液晶学会討論会講演予行集3B12(2001)p.251)により、界面における液晶分子と配向膜表面とのねじれ結合の強さ、方位角方位アンカリングエネルギーA2を測定すると、7.0×10−4N/mであった。以下で示す比較例1では、このA2は8.6×10−5N/mである。
第2実施例で用いた配向制御膜以外は第1実施例と同様にして、酸二無水物として、下記一般式〔化合物25〕に示したテトラカルボン酸二無水物と、下記一般式〔化合物26〕に示したジアミン化合物として3,4−ジアミノチオフェンからなるポリアミック酸を基板表面に印刷形成して、220°Cで30分の焼成でイミド化を行い、膜厚約40nmに成膜した。その後、その表面にKrFエキシマレーザの波長248nmと窒素レーザの337nmの偏光UVを用いた光照射による光配向処理を行った。
Figure 0005939589
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その後、第1実施例と同様にネマティック液晶組成物Aを封入後、100°Cで10分のアニーリングを施し、上記の照射偏光方向に対してほぼ垂直方向に良好な液晶配向を得た。
このようにして、液晶層の厚みdが4.0μmの液晶表示パネルを得た。また、この液晶表示パネルに用いた配向制御膜と液晶組成物と同等のものを用いて、ホモジニアス配向の液晶表示パネルを作製し、クリスタルローテーション法を用いて液晶のプレチルト角を測定したところ約0.5度を示した。
次に、第1実施例同様の方法で、液晶表示装置の表示品位を評価したところ、第1実施例の液晶表示装置とほぼ同等のコントラスト比が、全面に渡り500:1を越える高品位の表示が確認されるとともに、中間調表示時における広い視野角も確認された。
また、第1実施例と同様にして、この液晶表示装置の画像の焼き付け、残像の緩和時間を定量評価したところ、0°C〜50°Cの使用温度範囲において、残像の緩和時間は約1分であり、目視による画質残像検査においても、画像の焼き付け、残像による表示むらも一切見られず、実施例1同等の高い表示特性が得られた。
〔比較例1〕
本実施例の効果を説明するための比較例として、配向制御膜以外は第1実施例の場合と同様にして、酸二無水物として、下記一般式〔化合物27〕に示したピロメリット酸二無水物と、ジアミン化合物として、下記一般式〔化合物28〕に示したm−フェニレンジアミンからなるポリアミック酸ワニスを用いて液晶表示パネルを構成した。
Figure 0005939589
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これを第1実施例と同様の方法で表示品位を評価したところ、第1実施例の液晶表示装置とほぼ同等の広い視野角が確認されたものの、コントラスト比が、全面に渡り100:1を下回る表示であることが確認された。
また、第1実施例と同様にして、この液晶表示装置の画像の焼き付け、残像の緩和時間を定量評価したところ、0°C〜50°Cの使用温度範囲において残像の緩和時間が、約20分と、目視による画質残像検査においても残像の緩和時間が遅く、実施例1同等の高い表示特性は得られなかった。なお、方位角方位アンカリングエネルギーA2の値は約8.6×10−5N/mであった。
第3実施例で用いた配向制御膜以外は第1実施例と同様にして、酸二無水物として、下記一般式〔化合物29〕に示す1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物と、下記一般式〔化合物30〕に示すピロメリット酸二無水物をモル比にして7:3とし、ジアミン化合物として、下記一般式〔化合物31〕に示すp−フェニレンジアミンを用いて、ポリアミック酸ワニスを調整し液晶表示パネルを作製した。その際、配向制御膜の膜厚は約50nmとした。
Figure 0005939589
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次に、第1実施例と同様の方法で、液晶表示装置の表示品位を評価したところ、第1実施例の液晶表示装置とほぼ同等のコントラスト比が、全面に渡り550:1を越える高品位の表示が確認されるとともに、中間調表示時における広い視野角も確認された。
また、本発明の第1実施例と同様にして、この液晶表示装置の画像の焼き付け、残像の緩和時間を定量評価したところ、0°C〜50°Cの使用温度範囲において残像の緩和時間は、約1分であり、目視による画質残像検査においても、画像の焼き付け、残像による表示むらも一切見られず、実施例1同等の高い表示特性が得られた。
さらに、配向制御膜に用いたポリアミック酸ワニスの上記2種類の酸無水物1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物とピロメリット酸二無水物の組成比を1:1と3:7した2種類のポリアミック酸ワニスを調整し、それぞれを用いて2種類の液晶表示パネルを作製した。この液晶表示パネルを用いた液晶表示装置のコントラスト比は、それぞれ約450:1、180:1の結果を得た。
また、残像の緩和時間は、それぞれ約3分と8分という結果が得られ、酸無水物1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物とピロメリット酸二無水物の組成比3:7の場合にはその他の場合に比べ表示特性が著しく低下した。
次に、本発明の第2の実施形態である液晶表示装置の具体的構成として、第4実施例を図3及び図4を用いて説明する。本発明の第4実施例である液晶表示装置を製造する場合において、ガラス基板101及び102としては、厚みが0.7mmで表面を研磨したガラス基板を用いる。
薄膜トランジスタはソース電極(画素電極)105、ドレイン電極(信号電極)106、ゲート電極(走査電極)104及び半導体膜(アモルファスシリコン)116から構成される。走査電極104は、アルミニウム膜をパターニングし、共通電極配線120及び信号電極106は、クロム膜をパターニングし、画素電極105は、ITO膜をパターニングし、図4(a)に示すように、走査電極104以外はジグザグに屈曲した電極配線パターンに形成した。その際屈曲の角度は10度に設定した。ゲート絶縁膜107と保護絶縁膜108は窒化珪素からなり、膜厚はそれぞれ0.3μmとした。
次に、フォトリソグラフィ法とエッチング処理により、図4(c)に示すように、共通電極配線120まで約10μm径の円筒状にスルーホール118を形成し、その上にはアクリル系樹脂を塗布し、220°C、で1時間の加熱処理により透明で絶縁性のある誘電率約4の層間絶縁膜112を約1μm厚に形成した。この層間絶縁膜112により表示領域の画素電極105の段差起因の凹凸ならびに隣接する画素間のカラーフィルタ層111の境界部分の段差凹凸を平坦化した。
その後、約7μm径にスルーホール118を再度エッチング処理し、その上から共通電極配線120と接続する共通電極103をITO膜をパターニングして形成した。その際、画素電極105と共通電極103との間隔は7μmとした。さらに、この共通電極103は、映像信号配線106、走査信号配線104及び薄膜トランジスタの上部を覆い画素を囲むように格子状に形成し、遮光層を兼ねるようにした。
その結果、単位画素内では図4(a)に示すように、画素電極105が3本の共通電極103の間に配置されている構成となり、画素数は1024×3(R、G、Bに対応)本の信号電極106と768本の走査電極104とから構成される1024×3×768個とするアクティブマトリクス基板が得られた。
次に、配向制御膜109として、下記一般式〔化合物32〕に示す1,2,3,4−テトラメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物と、下記一般式〔化合物33〕に示すm−フェニレンジアミンからなるポリアミック酸ワニスを用い、膜厚約60nmの配向制御膜を作製し、その配向処理方法は、実施例1と同様の偏光UVを約3Jcm-2の照射エネルギーで照射した。ただし、偏光UV照射中に、配向制御膜の形成してある基板をホットプレート上で約150℃に加熱処理も同時に実施した。
Figure 0005939589
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次に、これらの2枚のガラス基板を、それぞれの液晶配向膜を有する表面を相対向させて、分散させた球形のポリマービーズからなるスペーサを介在させて、周辺部にシール剤を塗布し、液晶表示パネルを組み立てた。2枚のガラス基板の液晶配向方向は、互いにほぼ並行で、かつ印加電界方向とのなす角度を75゜とした。
この液晶表示パネルに誘電異方性Δεが正で、その値が10.2(1kHz、20°C)であり、屈折率異方性Δnが0.075(波長590nm、20°C)、ねじれ弾性定数K2が7.0pN、ネマティック−等方相転移温度T(N−I)が約76°Cのネマティック液晶組成物Aを真空で注入し、紫外線硬化型樹脂からなる封止材で封止した。液晶層の厚み(ギャップ)は4.2μmの液晶パネルを製作した。このパネルのリタデーション(Δnd)は、約0.31μmとなる。
また、この液晶表示パネルに用いた配向制御膜と液晶組成物と同等のものを用いてホモジニアス配向の液晶表示パネルを作製し、クリスタルローテーション法を用いて液晶のプレチルト角を測定したところ約0.2度を示した。
このパネルを2枚の偏光板114で挾み、一方の偏光板の偏光透過軸を上記の液晶配向方向とほぼ平行とし、他方をそれに直交するように配置した。その後、駆動回路、バックライトなどを接続してモジュール化し、アクティブマトリクス型の液晶表示装置を得た。本実施例では低電圧で暗表示、高電圧で明表示となるノーマリークローズ特性とした。
次に、本発明の第4実施例である液晶表示装置の表示品位を評価したところ、第1の実施例の液晶表示装置に比べて開口率が高く、コントラスト比600:1の高品位の表示が確認されるとともに、中間調表示時における広視野角も確認された。
また、本発明の第1実施例と同様にして、この液晶表示装置の画像の焼き付け、残像の緩和時間を定量評価したところ、0°C〜50°Cの使用温度範囲において残像の緩和時間は、約1分であり、目視による画質残像検査においても、画像の焼き付け、残像による表示むらも一切見られず、実施例1同等の高い表示特性が得られた。
また、本実施例と同様の方法でガラス基板上に作製した配向制御膜を削り取り、示差走査熱量計(DSC;Differential Scanning Calorimetry )を用いて、配向制御膜のガラス転移温度を評価したところ、50°C〜300°Cまでの温度範囲では明確なガラス転移点を確認することができなかった。したがって、本実施例の配向制御膜のガラス転移温度は測定温度上限の300°C以上と考えられる。
配向制御膜として、下記一般式〔化合物34〕に示す1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物と、下記一般式〔化合物35〕に示す2,7−ジアミノカルバゾールからなるポリアミック酸ワニスを用い、膜厚約100nmの配向制御膜を作製し、その配向処理方法は、第1実施例と同様の高圧水銀ランプからの光を干渉フィルタと石英のパイル偏光子を用いて、240nm〜380nmの波長範囲で10:1の偏光比の偏光UVとし、照射エネルギーは約5J/cm2 で照射した。それ以外は第4実施例と同様にして第5実施例の液晶表示パネルを作製した。
Figure 0005939589
Figure 0005939589
この液晶表示パネルを用いて得た液晶表示装置の表示品位を評価したところ、第4実施例の液晶表示装置と同等の高品位の表示が確認された。また中間調表示時における広視野角も確認された。
また、本発明の第1実施例と同様にして、この第5実施例の液晶表示装置の画像の焼き付け、残像の緩和時間を定量評価したところ、0°C〜45°Cの使用温度範囲において、残像の緩和時間は、第4実施例4同様に1分以下であり、目視による画質残像検査においても、画像の焼き付け、残像による表示むらも一切見られず、高い表示特性が得られた。
また、第4実施例と同様の方法でガラス基板上に作製した配向制御膜を削り取り、示差走査熱量計(DSC;Differential Scanning Calorimetry )を用いて、配向制御膜のガラス転移温度を評価したところ、50°C〜300°Cまでの温度範囲では明確なガラス転移点を確認することができなかった。したがって、本実施例の配向制御膜のガラス転移温度は測定温度上限の300°C以上と考えられる。
また、酸無水物として1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物を用い、照射エネルギーを約3J/cm2として本実施例と同様に液晶表示装置を作製、評価したところ、本実施例と同等の表示特性を持つ液晶表示装置が得られた。
また、酸無水物として1,2,3,4−テトラメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物を用い、照射エネルギーを約2J/cm2として本実施例と同様に液晶表示装置を作製したところ、本実施例と同等の表示特性を持つ液晶表示装置が得られた。
液晶表示装置のセルギャップ制御に用いているポリマービーズからなるスペーサの代わりに、予めアクティブマトリクス基板の配向制御膜を形成する前にネガ型の感光性のアクリル系樹脂を塗布・露光・現像処理により、約10μm径の柱状にパターニングして、各画素のTFT部分の近傍で走査配線104の上層の遮光層である共通電極103上に形成し、その後に配向制御膜として、ジアミン化合物として、下記一般式〔化合物36〕に示した1−アミノ−2−(4’−アミノフェニル)−エテンと、下記一般式〔化合物37〕に示した3,6−ジアミノインダセンをモル比1:2の割合とし、酸無水物として、下記一般式〔化合物38〕に示した1,3−ジクロロ−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物を用いてポリアミック酸ワニスを調整し、膜厚約40nmに製膜した。
Figure 0005939589
Figure 0005939589
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また、その配向処理方法は実施例5と同様の高圧水銀ランプからの光を干渉フィルタと石英のパイル偏光子を用いて240nm〜310nmの波長範囲で10:1の偏光比の偏光UVとし、照射エネルギーは約3J/cm2 で照射した。また同時に軟X線発生装置を用い軟X線を近距離から照射した。
以上の工程以外は第5実施例と同様にして第6の実施例となる液晶表示装置を作成し、本発明の第6実施例である液晶表示装置の表示品位を評価したところ、第5実施例の液晶表示装置に比べて高いコントラスト比を示す高品位の表示が確認された。
また、中間調表示時における広視野角も確認された。これは第5実施例の液晶表示装置に見られる画素内にランダムに分布するスペーサビーズ周りの液晶の配向の乱れに起因した光漏れが完全に除去されたためと考えられる。
また、本発明の第1実施例と同様にして、この第6実施例の液晶表示装置の画像の焼き付け、残像の緩和時間を定量評価したところ、残像の緩和時間は実施例5と同様に1分以下であり、目視による画質残像検査においても、画像の焼き付け、残像による表示むらも一切見られず、高い表示特性が得られた。
第7実施例で用いた配向制御膜及びその配向処理条件以外は第4実施例4同様にして、下記一般式〔化合物39〕に示したジアミン化合物として2,7−ジアミノジベンゾチオフェンと、下記一般式〔化合物40〕に示した酸二無水物として1,2,3−トリメチル−1、2、3、4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物からなるポリアミック酸を基板表面に印刷形成して、230°Cで30分の焼成してイミド化を行い、膜厚約30nmに成膜した。
Figure 0005939589
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その後、その表面に遠赤外線を照射しながら、窒素レーザの337nmの偏光UVを照射エネルギー約4J/cm2で照射することにより光配向処理を行った。そのときの配向制御膜の温度は約200°Cであった。
その後、第4実施例と同様にネマティック液晶組成物Aを封入後、100°Cで10分のアニーリングを施し、上記の照射偏光方向に対してほぼ垂直方向に良好な液晶配向を得た。
このようにして、液晶層の厚みdが4.0μmの液晶表示装置を得た。また、このパネルに用いた配向制御膜と液晶組成物と同等のものを用いてホモジニアス配向のセルを作製し、クリスタルローテーション法を用いて液晶のプレチルト角を測定したところ約0.3度を示した。
次に、第1実施例と同様の方法で、本発明の第7実施例である液晶表示装置の表示品位を評価したところ、第1の実施例の液晶表示装置とほぼ同等のコントラスト比が全面に渡り600:1を越える高品位の表示が確認されるとともに、中間調表示時における広い視野角も確認された。
また、本発明の第1実施例と同様にして、この第7実施例の液晶表示装置の画像の焼き付け、残像の緩和時間を定量評価したところ、残像の緩和時間は1分以下であり、目視による画質残像検査においても、画像の焼き付け、残像による表示むらも一切見られず、高い表示特性が得られた。
第8実施例で用いた配向制御膜及びその配向処理条件以外は第4実施例と同様にして、ジアミン化合物として、下記一般式〔化合物41〕に示した2,7−ジアミノフェナジンと、酸二無水物として、下記一般式〔化合物42〕に示した1−メチル−1、2、3、4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物からなるポリアミック酸を基板表面に印刷形成して、230°C、30分の焼成、イミド化を行い、膜厚約20nmに製膜した。
Figure 0005939589
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その後、その表面に遠赤外線を照射しながら、窒素レーザの337nmの偏光UVを用いた光照射による光配向処理を行った。そのときの配向制御膜の温度は約200°Cであった。その後、第4実施例と同様にネマティック液晶組成物Aを封入後、100°Cで10分のアニーリングを施し、上記の照射偏光方向に対してほぼ垂直方向に良好な液晶配向を得た。
このようにして、液晶層の厚みdが4.0μmの液晶表示装置を得た。また、このパネルに用いた配向制御膜と液晶組成物と同等のものを用いてホモジニアス配向のセルを作製し、クリスタルローテーション法を用いて液晶のプレチルト角を測定したところ約0.3度を示した。
次に、第1実施例と同様の方法で、本発明の第8実施例である液晶表示装置の表示品位を評価したところ、第4実施例の液晶表示装置とほぼ同等のコントラスト比が全面に渡り600:1を越える高品位の表示が確認されるとともに、中間調表示時における広い視野角も確認された。
また、本発明の第1実施例と同様にして、この第8実施例の液晶表示装置の画像の焼き付け、残像の緩和時間を定量評価したところ、残像の緩和時間は2分以下であり、目視による画質残像検査においても、画像の焼き付け、残像による表示むらも一切見られず、高い表示特性が得られた。
また、本実施例で用いた配向制御膜は、遠赤外線照射及び窒素レーザの偏光UV照射の組み合わせ以外にも、例えば高圧水銀ランプからの光を干渉フィルタ、石英のパイル偏光子を介して300nm〜380nmの波長範囲の偏光UVを照射エネルギー約3J/cm2で照射した場合にも、上記のような高い表示特性が得られることが分かった。
さらに、10.5μmの炭酸ガスレーザーを200mJ照射しながら上記300〜380nmの偏光UVを照射した場合にも上記同様の高い表示特性が得られることが分かった。
以下、本発明の第9実施例について、図5を用いて説明する。本発明の第9実施例である液晶表示装置を製造する場合において、基板101、102としては、厚みが0.7mmで表面を研磨したガラス基板を用いる。
薄膜トランジスタはソース電極(画素電極)105、ドレイン電極(信号電極)106、ゲート電極(走査電極)104及び半導体膜(アモルファスシリコン)116から構成される。走査電極104はアルミニウム膜をパターニングし、共通電極配線120、信号電極106及び画素電極105はクロム膜をパターニングして形成した。
ゲート絶縁膜107と保護絶縁膜108は窒化珪素からなり、膜厚はそれぞれ0.3μmとした。その上にアクリル系樹脂を塗布し、220°C、1時間の加熱処理により透明で絶縁性のある誘電率約4の有機保護膜112を約1.0μm厚に形成した。この有機保護膜112により表示領域の画素電極105の段差起因の凹凸ならびに隣接する画素間の段差凹凸を平坦化した。
次に、フォトリソグラフィ法とエッチング処理により、図5に示すように画素電極105まで約10μm径の円筒状にスルーホール118を形成し、その上からソース電極105と接続する画素電極105をITO膜をパターニングして形成した。
また、共通電極配線120についても約10μm径の円筒状にスルーホール118を形成し、その上からITO膜をパターニングして共通電極103を形成した。その際、画素電極105と共通電極103との間隔は7μmとし、走査電極104以外はジグザグに屈曲した電極配線パターンに形成した。その際、屈曲の角度は10度に設定した。
さらに、この共通電極103は映像信号配線106、走査信号配線104及び薄膜トランジスタの上部を覆い画素を囲むように格子状に形成し、遮光層を兼ねるようにした。
その結果、単位画素内に2種類のスルーホール118が形成されている以外は実施例4とほぼ同様に、画素電極105が3本の共通電極103の間に配置されている構成となり、画素数は1024×3(R、G、Bに対応)本の信号電極106と768本の走査電極104とから構成される1024×3×768個とするアクティブマトリクス基板を形成した。
以上のように画素構造、用いる配向制御膜以外は第4実施例と同様として、図5に示すように第9実施例の液晶表示装置を作製した。
本実施例で用いた配向制御膜はジアミンとして、下記一般式〔化合物43〕に示した1,4−ジアミノ−2―ビニルベンゼンと、下記一般式〔化合物44〕に示した4,4’ジアミノジフェニルアミンをモル比2:1の割合とし、酸二無水物として、下記一般式〔化合物45〕に示した1、2、3、4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物と、下記一般式〔化合物46〕に示した1−アミノ−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸ニ無水物をモル比1:2の割合として合成したポリアミック酸ワニスを用い、膜厚約30nmの配向制御膜を作製した。
Figure 0005939589
Figure 0005939589
Figure 0005939589
Figure 0005939589
次に、本実施例の液晶表示装置の表示品位を評価したところ、第1実施例の液晶表示装置と同等の高品位の表示が確認されるとともに、中間調表示時における広視野角も確認された。
次に、本発明の第1実施例と同様にして、本実施例の液晶表示装置の画像の焼き付け、残像の緩和時間を定量評価したところ、残像の緩和時間は1分以下であり、目視による画質残像検査においても、画像の焼き付け、残像による表示むらも一切見られず、高い表示特性が得られた。
図5に示すように、TFTに直接接続されている画素電極が基板最表面に形成され、その上には薄い配向制御膜が形成される場合には、通常のラビング配向処理を行うと摩擦による帯電が発生し、場合によっては表面近傍の画素電極を介してTFT素子がダメージを受けることがある。このような場合は、本実施例のようなラビングレスの光配向処理が非常に有効である。
図6は、本発明による液晶表示装置の第4の実施の形態を説明する一画素付近の模式断面図である。本実施例の液晶表示装置を製造する場合において、ガラス基板101と102としては、厚みが0.7mmで表面を研磨したガラス基板を用いる。
薄膜トランジスタはソース電極(画素電極)105、ドレイン電極(信号電極)106、ゲート電極(走査電極)104及び半導体膜(アモルファスシリコン)116から構成される。走査電極104、共通電極配線120及び信号電極106、画素電極105及び共通電極103は、全てクロム膜をパターニングして形成し、画素電極105と共通電極103との間隔は7μmとした。
ゲート絶縁膜107と保護絶縁膜108は窒化珪素からなり、膜厚はそれぞれ0.3μmとした。その上には配向制御膜としてジアミン化合物に、下記一般式〔化合物47〕に示した2,5−ジアミノピロールと、酸二無水物として、下記一般式〔化合物48〕に示した1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物からなるポリアミック酸ワニスを基板表面に印刷形成して、230°C、30分の焼成、イミド化を行い、膜厚約50nmに成膜した。
Figure 0005939589
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その後、真空中でその表面に5eV、約0.5μC/cm2の電子線を照射しながら、高圧水銀ランプからの光を干渉フィルタ、石英のパイル偏光子を介して220nm〜380nmの波長範囲の偏光UVを照射エネルギー約3J/cm2で照射し光配向処理を施した。
その結果、画素数は1024×3(R、G、Bに対応)本の信号電極106と768本の走査電極104とから構成される1024×3×768個とするアクティブマトリクス基板を形成した。
以上のように画素構造以外は実施例1と同様として図6に示すような本実施例の液晶表示装置を作製した。
本実施例の液晶表示装置の表示品位を評価したところ、第1実施例の液晶表示装置と同等の高品位の表示が確認されるとともに、中間調表示時における広視野角も確認された。
次に、本発明の第1実施例と同様にして、この本実施例の液晶表示装置の画像の焼き付け、残像の緩和時間を定量評価したところ、残像の緩和時間は2分以下であり、目視による画質残像検査においても、画像の焼き付け、残像による表示不良は認められなかった。
また、本実施例で用いたジアミン化合物の誘導体である下記一般式〔化合物49〕に示した2,5−ジアミノ−3−ビニルピロールをモル比で50%導入し合成したポリアミック酸ワニスを用いた場合には、偏光UVの照射エネルギーが約2J/cm2において同等の高い表示特性が得られた。
Figure 0005939589
第11実施例で用いた配向制御膜の組成ならびに配向制御膜形成、配向処理方法以外は第10実施例と同様にし、本実施例の配向制御膜のジアミン化合物として、下記一般式〔化合物50〕に示したチミン誘導体と、酸二無水物として、下記一般式〔化合物51〕に示す1,2,3,4−テトラメチル−1、2、3、4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物からなるポリアミック酸ワニスを基板表面に印刷形成して、90°C、2分の熱処理によるレベリングを行い、膜厚約35nmに成膜した。
Figure 0005939589
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その後、その表面に遠赤外線を照射し、膜表面を約230°Cに保持しながら、高圧水銀ランプからの光を干渉フィルタ、石英のパイル偏光子を介して220〜380nmの波長範囲の偏光UVを照射エネルギー約5J/cm2で照射し光配向処理を施した。処理後の配向制御膜の膜厚は約25nmであった。
その後、第10実施例と同様に図6に示すような本実施例の液晶表示装置を作製し、ネマティック液晶組成物Aを封入後、100°C、10分のアニーリングを施し、上記の照射偏光方向に対してほぼ垂直方向に良好な液晶配向を得た。このようにして、液晶層の厚みdが4.0μmの液晶表示装置を得た。
また、このパネルに用いた配向制御膜と液晶組成物と同等のものを用いてホモジニアス配向のセルを作製し、クリスタルローテーション法を用いて液晶のプレチルト角を測定したところ約0.1度を示した。
次に、第1実施例と同様の方法で、本実施例の液晶表示装置の表示品位を評価したところ、一般にラビング配向処理で見られる電極段差近傍の配向不良による光漏れがなく、第1の実施例の液晶表示装置とほぼ同等のコントラスト比が、全面に渡り600:1を越える高品位の表示が確認されるとともに、中間調表示時における広い視野角も確認された。
また、本発明の第1実施例と同様にして、この第11実施例の液晶表示装置の画像の焼き付け、残像の緩和時間を定量評価したところ、残像の緩和時間は1分以下であり、目視による画質残像検査においても、画像の焼き付け、残像による表示むらも一切見られず、高い表示特性が得られた。
また、波長範囲220〜260nmの偏光紫外線を3J/cm照射し、別光源から260〜400nmの無偏光の紫外線を5J/cm照射した以外は本実施例と同様にして液晶表示装置を作製、評価したところ、上記本実施例と同等の表示特性を持つ液晶表示装置が得られた。
第12実施例用いた配向制御膜の組成ならびに配向制御膜形成、配向処理方法以外は実施例9と同様にして、本実施例の配向制御膜のジアミン化合物として、下記一般式〔化合物52〕に示したケイ皮酸エステル誘導体と、酸二無水物として、下記一般式〔化合物53〕に示した1、2、3、4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物からなるポリアミック酸ワニスを基板表面に印刷形成して90°C、2分の熱処理によるレベリングを行い、膜厚約40nmに製膜した。
Figure 0005939589
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その後、その表面に遠赤外線を照射し、膜表面を約250°Cに保持しながら、高圧水銀ランプからの光を干渉フィルタ、石英のパイル偏光子を介して220〜280nmの波長範囲の偏光UVを照射エネルギー約3J/cmで照射し、イミド化焼成処理ならびに光配向処理を施した。処理後の配向制御膜の膜厚は約25nmであった。
その後、実施例9と同様に図5に示すような本実施例12の液晶表示装置を作製し、ネマティック液晶組成物Aを封入後、100°C、10分のアニーリングを施し、上記の照射偏光方向に対してほぼ平行な方向に良好な液晶配向を得た。このようにして、液晶層の厚みdが4.0μmの液晶表示装置を得た。
また、このパネルに用いた配向制御膜と液晶組成物と同等のものを用いてホモジニアス配向のセルを作製し、クリスタルローテーション法を用いて液晶のプレチルト角を測定したところ約0.1度を示した。
次に、第1実施例と同様の方法で、本発明の第7実施例である液晶表示装置の表示品位を評価したところ、一般にラビング配向処理で見られる電極段差近傍の配向不良による光漏れがなく、第1実施例の液晶表示装置とほぼ同等のコントラスト比が、全面に渡り600:1を越える高品位の表示が確認されるとともに、中間調表示時における広い視野角も確認された。
また、本発明の第1実施例と同様にして、この第12実施例の液晶表示装置の画像の焼き付け、残像の緩和時間を定量評価したところ、0°C〜50°Cの使用温度範囲において残像の緩和時間は1分以下であり、目視による画質残像検査においても、画像の焼き付け、残像による表示むらも一切見られず、高い表示特性が得られた。
次に、本発明の第5の実施形態である液晶表示装置の具体的構成として第13実施例を図7及び図8を用いて説明する。本発明の第13実施例である液晶表示装置を製造する場合において、基板101としては、厚みが0.7mmで表面を研磨したガラス基板を用いる。
図7は、図8のA−A'線に沿った断面図であって、基板101上には電極103,105,106,104の短絡を防止するための絶縁膜107,薄膜トランジスタ及び電極105,106を保護する保護絶縁膜108を形成してTFT基板とする。
図8は、薄膜トランジスタ及び電極103,105,106の構造を示す。薄膜トランジスタはソース電極(画素電極)105,ドレイン電極(信号電極)106,ゲート電極(走査電極)104及び半導体膜(アモルファスシリコン)116から構成される。
走査電極104はアルミニウム膜をパターニングし、信号電極106はクロム膜をパターニングし、そして共通電極103と画素電極105とはITOをパターニングして形成する。
絶縁膜107と保護絶縁膜108は窒化珪素からなり、膜厚はそれぞれ0.2μmと0.3μmとした。容量素子は画素電極105と共通電極103で絶縁膜107,108を挟む構造として形成する。
画素電極105は、ベタ形状の共通電極103の上層に重畳する形で配置されている。画素数は1024×3(R,G,Bに対応)本の信号電極106と768本の走査電極104とから構成される1024×3×768個とする。
基板102上には、本発明の第1実施例である液晶表示装置と同様の構成のブラックマトリクス113付きカラーフィルタ111を形成し、対向カラーフィルタ基板とした。
次に、配向制御膜として、ジアミン化合物に下記一般式〔化合物54〕に示す2,5−ジアミノピリミジンと、下記一般式〔化合物55〕に示す1,2−ジアミノエテンをモル比3:1の割合とし、酸無水物として、下記一般式〔化合物56〕に示す1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物と、下記一般式〔化合物57〕に示す1,2,3,4−テトラメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物のモル比2:1からなるポリアミック酸ワニスを、樹脂分濃度5重量%、NMP60重量%、γブチルラクトン20重量%、ブチルセロソルブ15重量%に調整し、上記アクティブマトリクス基板の上に印刷形成して220°Cで30分の熱処理によりイミド化し、約110nmの緻密なポリイミド配向制御膜109を形成する。
Figure 0005939589
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同様に、ITOを成膜した、もう一方のガラス基板102の表面にも同様のポリアミック酸ワニスを印刷形成し、220°Cで30分の熱処理を行い、約110nmの緻密なポリイミド膜からなる配向制御膜109を形成した。
その表面に液晶配向能を付与するために、遠赤外線を照射しながら、偏光UV(紫外線)光をポリイミド配向制御膜109に照射した。光源には高圧水銀ランプを用い、干渉フィルタを介して、240nm〜380nmの範囲のUV光を取り出し、石英基板を積層したパイル偏光子を用いて偏光比約10:1の直線偏光とし、約2J/cmの照射エネルギーで照射した。そのときの配向制御膜の温度は約120°Cであった。
その結果、配向制御膜表面の液晶分子の配向方向は、照射した偏光UVの偏光方向に対し、直交方向であることがわかった。
TFT基板及びカラーフィルタ基板における配向制御膜109の配向方向は互いにほぼ平行とし、かつ印加電界117の方向とのなす角度を15度とした。これらの基板間に平均粒径が4μmの高分子ビーズをスペーサとして分散し、TFT基板とカラーフィルタ基板との間に液晶110を挟み込んだ。液晶110は、第1実施例と同じ液晶組成物Aを用いた。
TFT基板とカラーフィルタ基板とを挟む2枚の偏光板114はクロスニコルに配置した。そして、低電圧で暗状態,高電圧で明状態をとるノーマリークローズ特性を採用した。
そして、本発明の第13実施例である液晶表示装置を駆動するシステムの構成は第1実施例と同様であるので、構成の詳細は省略する。
次に、本発明の第13実施例である液晶表示装置の表示品位を評価したところ、第1実施例の液晶表示装置に比べて開口率が高く、コントラスト比650:1の高品位の表示が確認されるとともに、中間調表示時における広視野角も確認された。
また、本発明の第1実施例と同様にして、この液晶表示装置の画像の焼き付け、残像の緩和時間を定量評価したところ、0°C〜50°Cの使用温度範囲において残像の緩和時間は約1分であり、目視による画質残像検査においても、画像の焼き付け、残像による表示むらも一切見られず、実施例1同等の高い表示特性が得られた。
また、第1実施例と同様の方法で液晶配向膜界面の方位角方向アンカリングエネルギーA2を評価したところ、約1.0x10-3N/m以上の値が得られた。
101,102…ガラス基板、103…共通電極(コモン電極)、104…走査電極(ゲ−ト電極)、105…画素電極(ソ−ス電極)、106…信号電極(ドレイン電極)、107…ゲート絶縁膜、108…保護絶縁膜、109…配向制御膜、110…液晶分子、110'…液晶層(液晶組成物層)、111…カラーフィルタ、112…有機保護膜(層間絶縁膜)、113…遮光膜(ブラックマトリクス)、114…偏光板、116…半導体膜、117…電界方向、118…スルーホール、120…共通電極配線。

Claims (7)

  1. 液晶表示装置の光配向膜に用いられる配向膜材料であって、
    下記一般式29で示される化合物29と、
    下記一般式30で示される化合物30と、
    下記一般式で示される化合物4(但し、化合物4のR1及びR2はそれぞれ独立に水素原子、フッ素原子、塩素原子、または炭素数1〜6のアルキル基、アルコキシ基、又はビニル基[−(CH2)m−CH=CH2、 m=0,1,2]、またはアルキニル基[−(CH2)m−C≡CH,m=0,1,2]を示す。)と、をモノマーとして用いた、配向膜材料。
    Figure 0005939589
    Figure 0005939589
    Figure 0005939589
  2. 前記化合物4は下記一般式31で示される化合物である、請求項1に記載の配向膜材料。
    Figure 0005939589
  3. 前記化合物30に対する前記化合物29のモル比が1より大きい、請求項1又は2に記載の配向膜材料。
  4. 前記配向膜材料は、ポリアミック酸ワニスであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の配向膜材料。
  5. 前記ポリアミック酸ワニスは、NMP、γブチロラクトンまたはブチルセロソルブを含むことを特徴とする請求項4に記載の配向膜材料。
  6. 前記配向膜材料は、偏光光を照射することで前記液晶表示装置の前記光配向膜となることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の配向膜材料。
  7. 前記配向膜材料は、一方の基板上に画素電極と共通電極とが設けられたIPS方式の前記液晶表示装置の前記光配向膜に用いられることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の配向膜材料。
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