JP5938074B2 - 絞り成形方法及び装置 - Google Patents
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Description
平板状のブランクからプレス成形によりハット型断面形状の製品を得るプレス成形装置であって、
プレス成形装置本体に固定されるパンチと、
該パンチを収容して曲げ絞り成形を行うためのダイであって、該ダイと略一体的なスライドにより往復駆動されるダイと、
を備え、
ダイをスライドの上死点から下死点まで移動させることで、パンチを収容し上下動可能に構成されたブランクホルダに支持された板状のブランクをパンチとダイにより曲げ絞り成形する一方、
その際に、
ダイの動きから独立してパンチ上面に対してブランクを押さえ付けることが可能なしわ押さえ機構によりブランクの天井部のしわ押さえを行うと共に、
上下動可能なブランクホルダとダイとの間でブランクのフランジ部のしわ押さえを行いつつ曲げ絞り成形を行い、
その後に、スライドの下死点位置においてダイをスライドから独立して上方に移動可能な状態とする一方、前記しわ押さえ機構によりブランクの天井部のしわ押さえを行うと共に、ブランクホルダとダイとの間でブランクのフランジ部のしわ押さえを行いつつ、ブランクホルダと共にダイを上方に移動させて圧縮成形を行う
ことを特徴とする。
ダイをスライドに対して上方向への移動を許容しつつ所定位置で懸垂支持する構成として、
スライドとダイの間に挿入されて往復移動されるカムと、
該カムの往復移動により上下方向に往復移動されるドッグと、
を備えたカム機構により、
前記カムを一方向に移動させたときに、ドッグを下方向に突出させてダイと当接させることで、スライドに対するダイの上方向への移動を規制する一方、
前記カムを他方向に移動させたときに、ドッグを退避させることで、ダイをスライドから独立して上方に移動可能な状態とすることを特徴とすることができる。
上述した本発明に係るプレス成形装置を用いて、平板状のブランクからプレス成形によりハット型断面形状の製品を得るプレス成形方法であって、
ダイをスライドの上死点から下死点まで移動させることで、パンチを収容し上下動可能に構成されたブランクホルダに支持された板状のブランクをパンチとダイにより曲げ絞り成形する一方、
その際に、
ダイの動きから独立してパンチ上面に対してブランクを押さえ付けることが可能なしわ押さえ機構によりブランクの天井部のしわ押さえを行うと共に、
上下動可能なブランクホルダとダイとの間でブランクのフランジ部のしわ押さえを行いつつ曲げ絞り成形を行い、
その後に、スライドの下死点位置においてダイをスライドから独立して上方に移動可能な状態とする一方、前記しわ押さえ機構によりブランクの天井部のしわ押さえを行うと共に、ブランクホルダとダイとの間でブランクのフランジ部のしわ押さえを行いつつ、ブランクホルダと共にダイを上方に移動させて圧縮成形を行う
ことを特徴とする。
また、ダイ13は、ダイホルダ19の下面に密着した位置からストリッパボルト20に懸垂支持される位置まで、ダイホルダ19と略一体でダイホルダ19の下面から所定に突出したガイドピン21によって上下方向に摺動自在にガイドされている。ガイドピン21とダイ13との間にはブッシュ等の軸受を介装した構成とすることができる。
すなわち、ダイ13は、その上面と、ダイホルダ19の下面と、の間に所定量の隙間を持つ位置(ストリッパボルト20により下方への移動を規制された位置)に、ガスクッション14によりダイホルダ19に対して離間する方向に押圧付勢(押し下げられている)。
このクサビカム12は、図1、図9に示すように、ダイホルダ19の中間プレート19Bに刻設される溝19Dに摺動可能に挿入されている。なお、溝19Dの底部には、ドッグ23を上下方向に摺動自在に収容する収容穴19B1が開口されている。
すなわち、ダイ13がダイホルダ19に対して所定間隙をもって下方向にも上方向にも移動規制された状態とされる。
これにより、ダイ13を上方に持ち上げることで、図9(B)のように、ダイ13の上面と、ダイホルダ19の下部プレート19Cの下面と、を密着させた状態とすることができるように構成されている。
このため、プレス成形工程において、ブランク17を載置するブランクホルダ15によってダイ13に上向きの力を作用させても、ダイ13の上面がダイホルダ19の下面から下に突出したドッグ23の下端23Cに当接するので、ダイ13はダイホルダ19の下面に対しクサビカム12のカム高さ分下降した位置(所定間隙をもった位置)から上昇できない状態とすることができる。
図1、図11に示すように、ブランクホルダ15の上面に平板状のブランク(加工素材:被加工物)17が載置される(ブランク17については、図13参照)
成形開始前、プレススライド2の上死点位置で、シリンダ11にてクサビカム12を図9(A)中左方向へ移動させて図9(A)の状態とすることで、ドッグ23を下降させてダイホルダ19の下面から下に突出したままドッグ23延いてはダイ13を上昇できない状態とする(図1参照)。
図2に示すように、図1の状態から、プレススライド2延いては上型プレート3を下降させて、曲げ絞り成形を開始する。
ダイ13とノックアウト16は、プレス上死点から共にプレススライド2と同速度で下降する。曲げ絞り成形時には、ブランク17にしわが発生するのを防止するために、ブランクホルダ15及びノックアウト16にブランク17を押圧する力を発生させる。ブランクホルダ15による押圧力は、油圧サ−ボクッション15Aにより発生させる。ノックアウト16による押圧力はガスクッション22により発生させる。ガスクッション22は、ガスなどの気体圧を利用した機構に限らず、油圧などの流体圧を利用した機構や、弾性スプリングなどを利用した機構とすることも可能である。
ここで、ノックアウト16、ガスクッション22等が、本発明に係るしわ押え機構に相当する。
図2に示したように、ノックアウト16が、ボルスタ上の下型プレートに載置されたパンチホルダ24に固定されたパンチ18との間に挟まれているブランク17に当接すると、ノックアウト16はそれ以上下降できないので、その後のプレススライド2の下降に伴いガスクッション22のピストン22Aは縮み側(図2上方)にストロークする。
このとき、ブランホルダ15は、油圧サーボクッション15Aによりダイ13と共に下降するブランク17のフランジ部17Cを下側から押圧し、曲げ絞り成形時(ブランク17を図3、図14(A)に示されている形状に成形する際)にフランジ部17Cにしわが発生するのを防止する。
曲げ絞り成形完了後(ブランク17を図3、図14(A)に示されている形状に成形後)、プレススライド2を下死点で停止させる。
下死点(図3の下死点1)でプレススライド2のストロークにより前記ガスクッション22のピストン22Aが縮み側のストロークエンド(最小ストローク位置)に達するように構成しているので、下死点(図3の下死点1)では、ノックアウト16と、パンチ18と、は胴突き状態(ブランク17の天井部(天面)17Aを挟んで密着した状態)となっている。
それにより、ドッグ23の頭部23Aが、クサビカム12を押し上げようとする力は解放され、シリンダ11によりクサビカム12の位置を比較的小さな力で容易に、図9(B)の状態へ切り替える(戻す)ことが可能な状態になる。
クサビカム12が図9(A)の状態に移った時点で、油圧サ−ボクッション15Aを位置制御、もしくは力制御することにより、図4に示すように、ダイ13とブランクホルダ15でフランジ部17Cを挟みながらブランクホルダ15を上昇させる。
これにより、曲げ絞り成形により形成された天井部(天面:製品底面)17Aとフランジ部17Cとの間の高さ方向の距離(縦壁部17BやC面部など)が縮められ(図14(B)参照)、ブランクホルダ15を介した油圧ダイクッション力による圧縮成形が行われる。
ステップ4の圧縮成形完了後、図5に示すように、油圧サーボクッション15Aの圧力を再び下して(脱圧して)、ブランクホルダ15を下降させる。
そして、ブランクホルダ15の上昇力が0となった時点で、図6に示すように、プレススライド2延いてはダイ13等を上死点へ戻す。プレススライド2の上昇とともに、ブランクからプレス成形された製品17は、ガスクッション22により付勢されたノックアウト16によりダイ13からノックアウトされる(図6参照)。
製品17とダイ13との干渉のおそれがない位置までプレススライド2が上昇したら、油圧サーボクッション15Aによりブランクホルダ15を上昇させ、製品17をパンチ18からノックアウトするとともに製品送り線高さ(製品搬送基準レベル)まで上昇させて成形を完了する(図7参照)。
2 プレススライド(スライド)
11 シリンダ
12 クサビカム(カム)
12A 凹部
13 ダイ(上型)
14 ガスクッション
15 ブランクホルダ
15A 油圧サ−ボクッション
16 ノックアウト
17 ブランク(板状の素材、材料)
17A 天井部(天面、製品底面)
17B 縦壁(側壁)
17C フランジ部
18 パンチ
19 ダイホルダ
20 ストリッパボルト
22 ガスクッション
23 ドッグ
23A 頭部
23B 鍔部
23C 下端
Claims (5)
- 平板状のブランクからプレス成形によりハット型断面形状の製品を得るプレス成形装置であって、
プレス成形装置本体に固定されるパンチと、
該パンチを収容して曲げ絞り成形を行うためのダイであって、該ダイと略一体的なスライドにより往復駆動されるダイと、
を備え、
ダイをスライドの上死点から下死点まで移動させることで、パンチを収容し上下動可能に構成されたブランクホルダに支持された板状のブランクをパンチとダイにより曲げ絞り成形する一方、
その際に、
ダイの動きから独立してパンチ上面に対してブランクを押さえ付けることが可能なしわ押さえ機構によりブランクの天井部のしわ押さえを行うと共に、
上下動可能なブランクホルダとダイとの間でブランクのフランジ部のしわ押さえを行いつつ曲げ絞り成形を行い、
その後に、スライドの下死点位置においてダイをスライドから独立して上方に移動可能な状態とする一方、前記しわ押さえ機構によりブランクの天井部のしわ押さえを行うと共に、ブランクホルダとダイとの間でブランクのフランジ部のしわ押さえを行いつつ、ブランクホルダと共にダイを上方に移動させて圧縮成形を行う
ことを特徴とするプレス成形装置。 - 前記しわ押え機構は、ダイの動きから独立して上下方向移動可能なノックアウトと、該ノックアウトをパンチ方向に所定の押圧力で加圧されるクッション機構と、を含んで構成されることを特徴とする請求項1に記載のプレス成形装置。
- ダイをスライドに対して上方向への移動を許容しつつ所定位置で懸垂支持する構成として、
スライドとダイの間に挿入されて往復移動されるカムと、
該カムの往復移動により上下方向に往復移動されるドッグと、
を備えたカム機構により、
前記カムを一方向に移動させたときに、ドッグを下方向に突出させてダイと当接させることで、スライドに対するダイの上方向への移動を規制する一方、
前記カムを他方向に移動させたときに、ドッグを退避させることで、ダイをスライドから独立して上方に移動可能な状態とすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のプレス成形装置。 - 前記カムを少なくとも前記他方向に移動させる際に、ダイをスライドから離間させる方向に押圧して、前記カムの移動を円滑化することを特徴とする請求項3に記載のプレス成形装置。
- 請求項1〜請求項4に記載の何れか1つに記載のプレス成形装置を用いて、平板状のブランクからプレス成形によりハット型断面形状の製品を得るプレス成形方法であって、
ダイをスライドの上死点から下死点まで移動させることで、パンチを収容し上下動可能に構成されたブランクホルダに支持された板状のブランクをパンチとダイにより曲げ絞り成形する一方、
その際に、
ダイの動きから独立してパンチ上面に対してブランクを押さえ付けることが可能なしわ押さえ機構によりブランクの天井部のしわ押さえを行うと共に、
上下動可能なブランクホルダとダイとの間でブランクのフランジ部のしわ押さえを行いつつ曲げ絞り成形を行い、
その後に、スライドの下死点位置においてダイをスライドから独立して上方に移動可能な状態とする一方、前記しわ押さえ機構によりブランクの天井部のしわ押さえを行うと共に、ブランクホルダとダイとの間でブランクのフランジ部のしわ押さえを行いつつ、ブランクホルダと共にダイを上方に移動させて圧縮成形を行う
ことを特徴とするプレス成形方法。
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