JP5934542B2 - 基板保持装置、および、基板処理装置 - Google Patents

基板保持装置、および、基板処理装置 Download PDF

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Description

本発明は、半導体基板、プリント基板、カラーフィルタ用基板、液晶表示装置やプラズマ表示装置に具備されるフラットパネルディスプレイ用ガラス基板、光ディスク用基板、太陽電池用パネルなどの各種基板(以下、単に「基板」と称する)を保持する技術に関する。
基板に対して様々な処理(例えば、基板に形成された感光材料への光の照射、基板への各種塗布液の塗布、等)を行う各種の基板処理装置(例えば、特許文献1参照)、あるいは、基板の移送を行う基板搬送装置等において、基板を保持する技術は必須である。
当該技術に関して、例えば特許文献2には、基板の下面側を真空吸着ノズル(保持面に形成された穴から気体を吸引することにより当該穴に負圧(吸引圧)を形成して基板を吸着するノズル)を用いて吸着保持する構成が開示されている。また例えば特許文献3には、ベルヌーイの原理を用いたベルヌーイノズル(保持面に形成された穴からガスを噴出することによりベルヌーイ効果を利用して基板を吸着するノズル)を用いて基板を吸着保持する構成が開示されている。また例えば特許文献4には、ベルヌーイノズルと真空吸着ノズルとを併用して基板を吸着保持する構成が開示されている。
特開平5−150175号公報 特開2005−19637号公報 特開2005−142462号公報 特開2006−80289号公報
特許文献2〜4に開示された構成のように、基板と保持面との間に負圧を形成することによって基板を保持面に吸着保持する態様においては、保持面と基板の裏面との間に十分な吸引圧が形成されないと、吸着不良となり、基板が保持面に対して位置ずれ等を起こす可能性が高くなってしまう。吸着力を高めるためには、例えば、ベルヌーイノズルの搭載数を多くする、大型の真空ポンプで真空吸着ノズルを強く吸引する、等の対応が考えられるが、これらの対応では、装置の大型化、コストアップが避けられない。そこで、装置の大型化、コストアップを抑制しつつ、簡易な構成で、基板を適切に吸着保持できる技術が必要とされていた。
この発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、簡易な構成で、基板を適切に吸着保持できる技術を提供することを目的とする。
第1の態様は、基板を保持する基板保持装置であって、基板の裏面に対向する保持面が形成された保持板と、前記保持面に形成され、真空吸引により前記基板を前記保持面に吸引する真空吸引口と、前記保持面に形成され、ベルヌーイ吸引により前記基板を前記保持面に吸引するベルヌーイ吸引口と、前記保持面の外縁に沿って立設された外縁土手部と、前記外縁土手部で取り囲まれる前記保持面内の領域において、前記ベルヌーイ吸引口を包囲するように立設された面内土手部と、を備え、前記外縁土手部の頂部と、前記面内土手部の頂部とが面一に形成され、前記面内土手部で包囲される領域の面積が、前記ベルヌーイ吸引口の開口面積よりも大きく、前記保持板の裏面側に形成され、深さ方向の底面において前記ベルヌーイ吸引口と連通する凹部と、前記凹部の内部に配置されたベルヌーイ吸引ユニットと、を備え、前記ベルヌーイ吸引ユニットが、円柱状の凹空間が形成された本体部と、前記円柱状の凹空間に気体を噴出して前記円柱状の凹空間に旋回流を形成する噴出ノズルと、を備え、前記本体部が、前記凹部の深さ方向の底面および前記凹部の壁面との間に隙間を形成しつつ、前記凹部内に固定的に支持される。
の態様は、第1の態様に係る基板保持装置であって、前記外縁土手部により包囲された前記保持面内の領域に立設された複数の突起部、を備え、前記複数の突起部のうちの少なくとも一つの突起部が、前記面内土手部により包囲された前記保持面内の領域に立設され、前記外縁土手部の頂部と、前記複数の突起部それぞれの頂部とが面一に形成される。
の態様は、第1の態様に係る基板保持装置であって、前記外縁土手部により包囲された前記保持面内の領域であって、前記面内土手部により包囲された領域を除く領域に立設された複数の突起部、を備え、前記外縁土手部の頂部と、前記複数の突起部それぞれの頂部とが面一に形成される。
の態様は、基板処理装置であって、第1から第のいずれかの態様に係る基板保持装置と、前記基板保持装置にて保持された基板に光を照射してパターンを描画する光照射部と、前記光照射部と前記基板保持装置とを相対的に移動させる駆動部と、を備える。
第1の態様によると、面内土手部で包囲される領域の面積が、ベルヌーイ吸引口の開口面積よりも大きいので、ベルヌーイ吸引口に引き込まれる風の流れが妨げられにくくなり、ベルヌーイ吸引口における吸引力の低下が抑制される。したがって、簡易な構成で、基板を適切に吸着保持することができる。また、ベルヌーイ吸引ユニットが備える本体部が、保持板に形成された凹部の深さ方向の底面および壁面との間に隙間を形成しつつ、凹部内に固定的に支持されるので、円柱状の凹空間内から溢れ出た気体が本体部の周囲の隙間に沿って流れて保持板の裏面側に排出されることになる。この構成によると、ベルヌーイ吸引口が基板の裏面によって塞がれた状態となっても、ベルヌーイ吸引口の吸引圧を維持し続けることができる。
の態様によると、基板の裏面を外縁土手部の頂部と複数の突起部とによって支持することができるので、基板を保持面と平行な姿勢で安定して支持することができる。特に、面内土手部により包囲された領域にも突起部が形成されるので、基板に局所的な撓みが発生することを抑制することができる。
の態様によると、基板の裏面を外縁土手部の頂部と複数の突起部とによって支持することができるので、基板を保持面と平行な姿勢で安定して支持することができる。その一方で、面内土手部により包囲された領域には突起部が形成されないので、ベルヌーイ吸引口における吸引力の低下が効果的に抑制される。
の態様によると、基板保持装置において、ベルヌーイ吸引口における吸引力の低下が抑制され、基板を適切に吸着保持することができるので、高精度な描画処理を担保することができる。

描画装置の側面図である。 描画装置の平面図である。 基板保持部の平面図である。 基板保持部を真空吸引口の形成位置で切断した部分断面図である。 基板保持部をベルヌーイ吸引口の形成位置で切断した部分断面図である。 基板保持部が備える配管系統を模式的に示す図である。 制御部のハードウエア構成を示すブロック図である。 描画装置にて実行される基板に対する処理の流れを示す図である。 基板保持部が基板保持面に吸着保持する処理の流れを示す図である。 基板保持部を真空吸引口およびベルヌーイ吸引口の形成位置で切断した部分断面図の様子を模式的に示す図である。 基板保持部を真空吸引口およびベルヌーイ吸引口の形成位置で切断した部分断面図の様子を模式的に示す図である。 保持面におけるベルヌーイ吸引口の形成位置付近の様子を拡大して模式的に示す平面図である。 保持面におけるベルヌーイ吸引口の形成位置付近の様子を拡大して模式的に示す側断面図である。 描画処理を説明するための図である。 変形例に係る基板保持部の平面図である。
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
<1.装置構成>
描画装置1の構成について、図1、図2を参照しながら説明する。図1は、描画装置1の構成を模式的に示す側面図である。図2は、描画装置1の構成を模式的に示す平面図である。
描画装置1は、レジスト等の感光材料の層が形成された基板Wの上面に光を照射して、パターンを露光する装置である。なお、基板Wは、半導体基板、プリント基板、カラーフィルタ用基板、液晶表示装置やプラズマ表示装置に具備されるフラットパネルディスプレイ用ガラス基板、光ディスク用基板、太陽電池用パネルなどの各種基板のいずれであってもよい。図においては、円形の半導体基板が示されている。
描画装置1は、本体フレーム101で構成される骨格の天井面および周囲面にカバーパネル(図示省略)が取り付けられることによって形成される本体内部と、本体フレーム101の外側である本体外部とに、各種の構成要素を配置した構成となっている。
描画装置1の本体内部は、処理領域102と受け渡し領域103とに区分されている。処理領域102には、主として、基板保持部10、保持部駆動機構20、計測部30、2個の光学ユニット40,40、および、撮像ユニット50が配置される。受け渡し領域103には、処理領域102に対する基板Wの搬出入を行う搬送装置60と、プリアライメント部70とが配置される。
描画装置1の本体外部には、撮像ユニット50に照明光を供給する照明ユニット80が配置される。また、描画装置1の本体外部であって、受け渡し領域103に隣接する位置には、カセットCを載置するためのカセット載置部104が配置される。受け渡し領域103に配置された搬送装置60は、カセット載置部104に載置されたカセットCに収容された未処理の基板Wを取り出して処理領域102に搬入するとともに、処理領域102から処理済みの基板Wを搬出してカセットCに収容する。カセット載置部104に対するカセットCの受け渡しは外部搬送装置(図示省略)によって行われる。
また、描画装置1には、描画装置1が備える各部と電気的に接続されて、これら各部の動作を制御する制御部90が配置される。
以下において、描画装置1が備える各部の構成について説明する。
<1−1.基板保持部10>
基板保持部10は、基板Wを水平姿勢に吸着保持する装置である。基板保持部10の構成について、図1、図2に加えて図3〜図6を参照しながら説明する。図3は、基板保持部10の平面図である。図4は、基板保持部10を真空吸引口12の形成位置で切断した部分断面図である。図5は、基板保持部10をベルヌーイ吸引口13の形成位置で切断した部分断面図である。図6は、基板保持部10が備える配管系統を模式的に示す図である。
基板保持部10は、平板状の外形を有し、その上面に基板Wの裏面に対向する保持面111が形成される保持板11を備える。保持面111の平面度は、光学ユニット40における焦点深度に対して十分に小さい値(例えば約2μm以下)となるように形成される。また、保持面111は、少なくとも基板Wの露光領域をカバーするサイズに形成される。ただし、この実施形態においては、基板Wは円形状であるとし、保持面111も平面視円形状に形成される。
<吸引口12,13,13,・・,13>
保持面111には、複数の吸引口12,13,13,・・,13が形成される。複数の吸引口12,13,13,・・,13のうちの一個の吸引口12は、真空吸引により基板Wを保持面111に吸引する吸引口(以下「真空吸引口」という)12であり、残りの各吸引口13は、ベルヌーイ吸引により基板Wを保持面111に吸引する吸引口(以下「ベルヌーイ吸引口」という)13である。ベルヌーイ吸引口13は複数個(図示の例では、5個)形成される。ただし、複数のベルヌーイ吸引口13,13,・・,13は、保持面111の全域に満遍なく配置されることが好ましい。この実施の形態においては、複数のベルヌーイ吸引口13,13,・・,13のうちの1個のベルヌーイ吸引口13は、保持面111の中心(幾何学中心)に配置される。また、残りのベルヌーイ吸引口13,13,・・,13は、保持面111の中心と同心の仮想円の円周上に、当該円周に沿って等間隔で、配列される。
次に、真空吸引口12について、図4を参照しながら具体的に説明する。真空吸引口12は、配管121を介して、気体を吸引する気体吸引部(例えば真空ポンプ)122と接続されている。また、配管121の途中には開閉弁(例えば電磁弁)123が介挿されている。気体吸引部122が稼働されるとともに開閉弁123が開放されると、配管121を介して真空吸引口12に負圧(吸引圧)が形成される。
次に、ベルヌーイ吸引口13について、図5を参照しながら具体的に説明する。保持板11の裏面側であって、複数のベルヌーイ吸引口13のそれぞれと対応する各位置には、凹部112が形成される。凹部112は、保持板11の裏面側に開口し、深さ方向の底面において対応するベルヌーイ吸引口13と連通する。
凹部112の内部には、ベルヌーイ吸引ユニット130の本体部131が配置される。ただし、凹部112は、本体部131よりも一回り大きな寸法とされており、本体部131の端面133および側面は、凹部112の深さ方向の底面および壁面との間に微小な隙間(例えば、数百μm程度の隙間)Qを形成しつつ、凹部112内に固定的に支持される。
本体部131における、凹部112の深さ方向の底面と対向する側の端面133は平坦に形成されており、この端面133には、円柱状の凹空間(円柱状凹空間)132が形成されている。ただし、本体部131は、円柱状凹空間132の中心部がベルヌーイ吸引口13と対向するような姿勢で凹部112内に配置されている。ここで、ベルヌーイ吸引口13の径サイズd13は、円柱状凹空間132の径サイズd132よりも小さく形成される。
ベルヌーイ吸引ユニット130は、さらに、円柱状凹空間132の内周壁に沿って開口する一対の噴出ノズル134,134を備える。各噴出ノズル134は、配管135を介して、圧縮空気等の気体を供給する気体供給部(例えばコンプレッサ)136と接続されている。また、配管135の途中には開閉弁(例えば電磁弁)137とフィルタ(図示省略)が介挿されている。気体供給部136が稼働されるとともに開閉弁137が開放されると、配管135を介して各噴出ノズル134から圧縮気体が噴出される。一対の噴出ノズル134,134から円柱状凹空間132の内周壁に沿って噴出された気体は、円柱状凹空間132の内周壁に沿うように流れ、強い旋回流となって円柱状凹空間132の開放端から流出する。このとき、旋回流の中心部(すなわち、円柱状凹空間132の中心部)を通り、鉛直上方向に延在する円柱状の空間領域に、ベルヌーイの定理に従って負圧が生じ、これによって、ベルヌーイ吸引口13に負圧(吸引圧)が形成される。なお、円柱状凹空間132から溢れ出た気体は、本体部131と凹部112との間に形成された隙間Qに沿って流れ、保持板11の裏面側に排出される。
<外縁土手部14、突起部15>
保持面111には、その外縁に沿って外縁土手部14が立設される。また、外縁土手部14により包囲された保持面111内の領域であって、後述する面内土手部16により包囲された領域を除く領域には、複数の突起部15が満遍なく立設される。
外縁土手部14の頂部と各突起部15の頂部とは、全て面一に形成されており、これら各頂部が配置される平面の平面度も、光学ユニット40における焦点深度に対して十分に小さい値(例えば2μm程度)となるように形成される。保持面111に平坦な基板Wが載置されると、当該基板Wの裏面が、外縁土手部14の頂部全域、および、全ての突起部15の頂部と当接し、外縁土手部14とこれに包囲された保持面111内の領域と基板Wの裏面との間に密閉空間が形成される。この状態で、保持面111に開口された真空吸引口12に負圧が形成されると、当該密閉空間が減圧され、基板W(具体的には、少なくとも基板Wにおける露光領域を含む部分)は、その裏面が保持面111から外縁土手部14の高さ分だけ離間した位置において、平坦状態で保持面111に吸着保持されることになる。
<面内土手部16>
外縁土手部14に包囲された保持面111内の領域には、各ベルヌーイ吸引口13を取り囲む面内土手部16が立設される。ここでは、面内土手部16は、平面視円環状の形状とされる。すなわち、面内土手部16は、ベルヌーイ吸引口13と同心の仮想円の円周に沿って立設される。
各面内土手部16は、当該面内土手部16で包囲される領域の面積が、ベルヌーイ吸引口13の開口面積よりも大きくなるように形成される。上述したとおり、ここでは、面内土手部16は平面視円環状の形状とされているところ、面内土手部16の内直径(すなわち、平面視における面内土手部16の内直径であり、別の言い方をすると、仮想円(その円周に沿って面内土手部16が立設される仮想円)の直径)d16が、ベルヌーイ吸引口13の開口直径d13より大きく形成される。面内土手部16の内直径d16は、好ましくは、例えば、ベルヌーイ吸引口13の開口直径d13の2倍の寸法とされる(d16=2×d13))。
各面内土手部16の頂部は、外縁土手部14の頂部と面一に形成されている。すなわち、各面内土手部16の頂部と、外縁土手部14の頂部と、各突起部15の頂部とは、全て面一に形成されている。そして、これら各頂部が配置される平面の平面度も、光学ユニット40における焦点深度に対して十分に小さい値となるように形成される。したがって、保持面111に平坦な基板Wが載置されると、当該基板Wの裏面が、外縁土手部14の頂部全域、全ての突起部15の頂部、および、各面内土手部16の頂部と当接する。つまり、各面内土手部16は、保持面111に平坦な基板Wが載置されて、外縁土手部14とこれに包囲された保持面111内の領域と基板Wの裏面との間に密閉空間が形成された状態において、当該密閉空間とベルヌーイ吸引口13とが連通しないように遮蔽する壁としての役割を果たす。これによって、当該密閉空間が形成された状態において真空吸引口12に負圧が形成された場合に、ベルヌーイ吸引口13から負圧が逃げることがないように担保されている。
<圧力センサ17>
保持面111には、圧力センサ17が配置される。圧力センサ17は保持面111上の圧力を検出する。
<ピン孔18>
基板保持部10は、保持面111に対して基板Wを昇降させるための複数のリフトピン181を備える。また、保持面111には、各リフトピン181を挿通可能なピン孔18が形成されている。各リフトピン181はリフトピン駆動機構(図示省略)と接続されており、各ピン孔18を介して保持面111に対して同期して出没可能に設けられる。各リフトピン181は、搬送装置60と保持面111との間で基板Wの受け渡しが行われる場合に、その先端が保持面111から突出した上方位置(突出位置)と、その先端が保持面111以下となる下方位置(待避位置)との間を往復移動される。
ただし、各ピン孔18には、その外縁に沿って、ピン縁土手部180が立設されている。このピン縁土手部180の頂部も、外縁土手部14の頂部と面一に形成されている。すなわち、各ピン縁土手部180の頂部と、外縁土手部14の頂部と、各突起部15の頂部と、各面内土手部16の頂部とは、全て面一に形成されている。そして、これら各頂部が配置される平面の平面度も、光学ユニット40における焦点深度に対して十分に小さい値となるように形成される。したがって、保持面111に平坦な基板Wが載置されると、当該基板Wの裏面が、外縁土手部14の頂部全域、全ての突起部15の頂部、各面内土手部16の頂部、および、各ピン縁土手部180の頂部と当接する。つまり、各ピン縁土手部180は、保持面111に平坦な基板Wが載置されて、外縁土手部14とこれに包囲された保持面111内の領域と基板Wの裏面との間に密閉空間が形成された状態において、当該密閉空間とピン孔18とが連通しないように遮蔽する壁としての役割を果たす。これによって、当該密閉空間が形成された状態において真空吸引口12に負圧が形成された場合に、ピン孔18から負圧が逃げることがないように担保されている。
<吸着制御部19>
基板保持部10は、さらに、基板保持部10が備える各部を制御する吸着制御部19を備える。吸着制御部19は、後に具体的に説明する制御部90において、例えばCPU91がプログラムPに従って所定の演算処理を行うことによって、あるいは、専用の論理回路等でハードウエア的に実現される(図7)。
吸着制御部19は、圧力センサ17と電気的に接続されており、圧力センサ17からの検知信号を取得可能に構成されている。また、吸着制御部19は、開閉弁123および開閉弁137のそれぞれと電気的に接続されており、圧力センサ17から得られる検知信号等に基づいて、各開閉弁123,137を独立して開閉制御する。つまり、吸着制御部19は、圧力センサ17から得られる検知信号等に基づいて、保持面111に形成された複数の吸引口(真空吸引口12および複数のベルヌーイ吸引口13,13,・・,13)のそれぞれにおける吸引圧の形成を制御する。この制御態様については後に具体的に説明する。
<1−2.保持部駆動機構20>
再び図1、図2を参照する。保持部駆動機構20は、基板保持部10を基台105に対して移動させる機構であり、基板保持部10を主走査方向(Y軸方向)、副走査方向(X軸方向)、および回転方向(Z軸周りの回転方向(θ軸方向))に移動させる。保持部駆動機構20は、具体的には、基板保持部10を回転させる回転機構21(図1)を備える。保持部駆動機構20は、さらに、回転機構21を介して基板保持部10を支持する支持プレート22と、支持プレート22を副走査方向に移動させる副走査機構23とを備える。保持部駆動機構20は、さらに、副走査機構23を介して支持プレート22を支持するベースプレート24と、ベースプレート24を主走査方向に移動させる主走査機構25とを備える。
回転機構21は、図1に示すように、基板保持部10の上面(保持面111)の中心を通り、保持面111に垂直な回転軸Aを中心として基板保持部10を回転させる。回転機構21は、例えば、上端が保持面111の裏面側に固着され、鉛直軸に沿って延在する回転軸部211と、回転軸部211の下端に設けられ、回転軸部211を回転させる駆動部(例えば、回転モータ)212とを含む構成とすることができる。この構成においては、駆動部212が回転軸部211を回転させることにより、基板保持部10が水平面内で回転軸Aを中心として回転することになる。
副走査機構23は、支持プレート22の下面に取り付けられた移動子とベースプレート24の上面に敷設された固定子とにより構成されたリニアモータ231とを有している。また、ベースプレート24には、副走査方向に延びる一対のガイド部材232が敷設されており、各ガイド部材232と支持プレート22との間には、ガイド部材232に摺動しながら当該ガイド部材232に沿って移動可能なボールベアリング233が設置されている。つまり、支持プレート22は、当該ボールベアリング233を介して一対のガイド部材232上に支持される。この構成においてリニアモータ231を動作させると、支持プレート22はガイド部材232に案内された状態で副走査方向に沿って滑らかに移動する。
主走査機構25は、ベースプレート24の下面に取り付けられた移動子と描画装置1の基台105上に敷設された固定子とにより構成されたリニアモータ251を有している。また、基台105には、主走査方向に延びる一対のガイド部材252が敷設されており、各ガイド部材252とベースプレート24との間にはエアベアリング253が設置されている。エアベアリング253にはユーティリティ設備から常時エアが供給されており、ベースプレート24は、エアベアリング253によってガイド部材252上に非接触で浮上支持される。この構成においてリニアモータ251を動作させると、ベースプレート24はガイド部材252に案内された状態で主走査方向に沿って摩擦なしで滑らかに移動する。
<1−3.計測部30>
計測部30は、基板保持部10の位置を計測する機構であり、基板保持部10外から基板保持部10に向けてレーザ光を出射するとともにその反射光を受光し、当該反射光と出射光との干渉から基板保持部10の位置(具体的には、主走査方向に沿うY位置、および、回転方向に沿うθ位置)を計測する、干渉式のレーザ測長器により構成される。
計測部30は、例えば、基板保持部10の−Y側の側面に取り付けられるとともに、−Y側の面に主走査方向に垂直な反射面を備えるプレーンミラー31と、ステージの−Y側において基台105に対して固定される各部(具体的には、レーザ光源32、スプリッタ33、第1リニア干渉計34、第1レシーバ35、第2リニア干渉計36および第2レシーバ37)とを備える構成とすることができる。
この計測部30においては、レーザ光源32から出射されたレーザ光は、スプリッタ33により2分割され、一方の一部が第1リニア干渉計34を介してプレーンミラー31上の第1の部位に入射し、プレーンミラー31からの反射光が、第1リニア干渉計34において元のレーザ光の一部(これが参照光として利用される)と干渉して第1レシーバ35により受光される。第1レシーバ35における、反射光と参照光との干渉後の強度変化に基づいて、第1リニア干渉計34とプレーンミラー31との主走査方向における距離が特定される。この第1レシーバ35からの出力に基づいて、専門の演算回路(図示省略)にて基板保持部10の主走査方向における位置が求められる。
一方、レーザ光源32から出射されてスプリッタ33により分割された他方のレーザ光の一部は、取付台38の内部を+X側から−X側へと通過し、第2リニア干渉計36を介してプレーンミラー31に入射する。ここで、第2リニア干渉計36からのレーザ光は、プレーンミラー31上の第1の部位から副走査方向に一定距離だけ離間したプレーンミラー31上の第2の部位に入射することになる。プレーンミラー31からの反射光は、第2リニア干渉計36において元のレーザ光の一部と干渉して第2レシーバ37により受光される。第2レシーバ37における、反射光と参照光との干渉後の強度変化に基づいて、第2リニア干渉計36とプレーンミラー31との主走査方向における距離が特定される。第2レシーバ37からの出力と上述した第1レシーバ35からの出力に基づいて、専門の演算回路(図示省略)にて基板保持部10の回転角度が求められる。
<1−4.光学ユニット40>
光学ユニット40は、基板保持部10上に保持された基板Wの上面に光を照射して露光するための機構である。上述したとおり、描画装置1は2個の光学ユニット40,40を備える。一方の光学ユニット40は、例えば基板Wの+X側半分の露光を担当し、他方の光学ユニット40は、例えば基板Wの−X側半分の露光を担当する。これら2個の光学ユニット40,40は、基板保持部10および保持部駆動機構20を跨ぐようにして基台105上に架設されたフレーム107に、間隔をあけて固設される。なお、2個の光学ユニット40,40の間隔は必ずしも一定に固定されている必要はなく、光学ユニット40,40の一方あるいは両方の位置を変更可能とする機構を設けて、両者の間隔を調整可能としてもよい。
2個の光学ユニット40,40はいずれも同じ構成を備える。すなわち、各光学ユニット40は、天板を形成するボックスの内部に配置されたレーザ駆動部41、レーザ発振器42および照明光学系43と、フレーム107の+Y側に取り付けられた付設ボックスの内部に収容されたヘッド部400とを備える。ヘッド部400は、空間光変調部44と投影光学系45とを主として備える。
レーザ発振器42は、レーザ駆動部41からの駆動を受けて、出力ミラー(図示省略)からレーザ光を出射する。照明光学系43は、レーザ発振器42から出射された光(スポットビーム)を、強度分布が均一な線状の光(光束断面が線状の光であるラインビーム)とする。レーザ発振器42から出射され、照明光学系43にてラインビームとされた光は、ヘッド部400に入射し、パターンデータD(図7参照)に応じた空間変調を施された上で基板Wに照射される。
ヘッド部400に入射した光は、具体的には、ミラー46を介して、定められた角度で空間光変調部44に入射する。空間光変調部44は、当該入射光を空間変調して、パターンの描画に寄与させる必要光と、パターンの描画に寄与させない不要光とを、互いに異なる方向に反射させる。ただし、光を空間変調させるとは、具体的には、光の空間分布(振幅、位相、および偏光等)を変化させることを意味する。
空間光変調部44は、具体的には、電気的な制御によって入射光を空間変調させる空間光変調器441を備える。空間光変調器441は、その反射面の法線が、ミラー46を介して入射する入射光の光軸に対して傾斜して配置され、当該入射光を制御部90の制御に基づいて空間変調させる。空間光変調器441は、例えば、回折格子型の空間変調器(例えば、GLV(Grating Light Valve:グレーチング・ライト・バルブ)(「GLV」は登録商標)等を利用して構成される。回折格子型の空間変調器は、格子の深さを変更することができる回折格子であり、例えば、半導体装置製造技術を用いて製造される。
空間光変調器441は、複数の空間光変調素子を一次元に並べた構成となっている。各空間光変調素子の動作は、電圧のオン/オフで制御される。すなわち、例えば電圧がオフされている状態においては空間光変調素子の表面は平面となっており、この状態で空間光変調素子に光が入射すると、その入射光は回折せずに正反射する。これにより、正反射光(0次回折光)が発生する。一方、例えば電圧がオンされている状態においては、空間光変調素子の表面には平行な溝が周期的に並んで複数本形成される。この状態で空間光変調素子に光が入射すると、正反射光(0次回折光)は打ち消しあって消滅し、他の次数の回折光(±1次回折光、±2次回折光、および、さらに高次の回折光)が発生する。より正確には、0次回折光の強度が最小となり、他の次数の回折光の強度が最大となる。空間光変調器441は、複数の空間光変調素子のそれぞれに対して独立に電圧を印加可能なドライバ回路ユニットを備えており、各空間光変調素子の電圧が独立して切り換え可能となっている。
投影光学系45は、空間光変調器441にて空間変調された光のうち、パターンの描画に寄与させるべきでない不要光を遮断するとともにパターンの描画に寄与させるべき必要光のみを基板Wの表面に導いて、当該表面に結像させる。ただし、空間光変調器441にて空間変調された光には、0次回折光と、0次以外の次数の回折光(具体的には、±1次回折光、±2次回折光、および、比較的微量の±3次以上の高次回折光)とが含まれており、0次回折光はパターンの描画に寄与させるべき必要光であり、それ以外の回折光はパターンの描画に寄与させるべきでない不要光である。これら必要光と不要光とは互いに異なる方向に沿って出射される。すなわち、必要光はZ軸に沿って−Z方向に、不要光はZ軸から±X方向に僅かに傾斜した軸に沿って−Z方向に、それぞれ出射される。投影光学系45は、例えば、遮断板によって、Z軸から±X方向に僅かに傾斜した軸に沿って進行する不要光を遮断するとともに、Z軸に沿って進行する必要光のみを通過させる。投影光学系45は、この遮断板の他に、入射光の幅を広げる(あるいは狭める)ズーム部を構成する複数のレンズ、入射光を定められた倍率として基板W上に結像させる対物レンズ、等をさらに含む構成とすることができる。
光学ユニット40に描画動作を実行させる場合、制御部90は、レーザ駆動部41を駆動してレーザ発振器42から光を出射させる。出射された光は照明光学系43にてラインビームとされ、ミラー46を介して空間光変調部44の空間光変調器441に入射する。空間光変調器441においては、複数の空間光変調素子が、副走査方向(X軸方向)に沿って並んで配置されており、入射光はその線状の光束断面を空間光変調素子の配列方向に沿わせるようにして、一列に配列された複数の空間光変調素子に入射する。制御部90は、パターンデータDに基づいてドライバ回路ユニットに指示を与え、ドライバ回路ユニットが指示された空間光変調素子に対して電圧を印加する。これによって、各空間光変調素子にて個々に空間変調された光が形成され、基板Wに向けて出射されることになる。空間光変調器441が備える空間光変調素子の個数を「N個」とすると、空間光変調器441からは、副走査方向に沿うN画素分の空間変調された光が出射されることになる。空間光変調器441にて空間変調された光は、投影光学系45に入射し、ここで、不要光が遮断されるとともに必要光のみが基板Wの表面に導かれ、定められた倍率とされて基板Wの表面に結像される。
後に明らかになるように、光学ユニット40は、副走査方向に沿うN画素分の空間変調された光を断続的に照射し続けながら(すなわち、基板Wの表面にパルス光を繰り返して投影し続けながら)、主走査方向(Y軸方向)に沿って基板Wに対して相対的に移動される。したがって、光学ユニット40が主走査方向に沿って基板Wを1回横断すると、基板Wの表面に、副走査方向に沿ってN画素分の幅をもつ一本のパターン群が描画されることになる。この、N画素分の幅をもつ1本のパターン描画領域を、以下の説明では「1ストライプ分の領域」ともいう。
なお、ヘッド部400には、空間光変調部44と投影光学系45との間に、空間光変調部44で変調された光の経路を副走査方向に沿って僅かにシフトさせる光路補正部をさらに設けてもよい。この場合、必要に応じて光路補正部に光の経路をシフトさせることによって、基板Wに照射される光の位置を副走査方向に沿って微調整することが可能となる。光路補正部は、例えば、2個のウェッジプリズム(非平行な光学面を備えることにより入射光の光路を変更できるプリズム)と、一方のウェッジプリズムを、他方のウェッジプリズムに対して、入射光の光軸の方向(Z軸方向)に沿って直線的に移動させるウェッジプリズム移動機構とから実現することができる。この構成においては、ウェッジプリズム移動機構を駆動制御して、2個のウェッジプリズム間の離間距離を調整することによって、必要な量だけ入射光をシフトさせることができる。
<1−5.撮像ユニット50>
撮像ユニット50は、基板Wの上面に形成されたアライメントマークを撮像する。撮像ユニット50は、鏡筒、対物レンズ、および、例えばエリアイメージセンサ(二次元イメージセンサ)により構成されるCCDイメージセンサ(いずれも図示省略)を備える。また、撮像ユニット50は、照明ユニット80から延びるファイバ81と接続される。照明ユニット80から出射される光はファイバ81によって鏡筒に導かれ、鏡筒を介して基板Wの上面に導かれる。そして、その反射光が、対物レンズを介してCCDイメージセンサで受光される。これによって、基板Wの上面の撮像データが取得されることになる。CCDイメージセンサは、制御部90からの指示に応じて撮像データを取得するとともに、取得した撮像データを制御部90に送信する。なお、撮像ユニット50はオートフォーカス可能なオートフォーカスユニットをさらに備えていてもよい。
<1−6.搬送装置60>
搬送装置60は、基板Wを支持するための2本のハンド61,61と、ハンド61,61を独立に移動させるハンド駆動機構62とを備える。各ハンド61は、ハンド駆動機構62によって駆動されることにより進退移動および昇降移動されて、基板保持部10の保持面111に対する基板Wの受け渡しを行う。
<1−7.プリアライメント部70>
プリアライメント部70は、基板Wの回転位置を粗く補正する装置である。プリアライメント部70は、例えば、回転可能に構成された載置台と、載置台に載置された基板Wの外周縁の一部に形成された切り欠き部(例えば、ノッチ、オリエンテーションフラット等)の位置を検出するセンサと、載置台を回転させる回転機構とから構成することができる。この場合、プリアライメント部70におけるプリアライメント処理は、まず、載置台に載置された基板Wの切り欠き部の位置をセンサで検出し、続いて、回転機構が、当該切り欠き部の位置が定められた位置となるように(例えば、切り欠きの方向が基板保持部10の移動方向(例えば、X方向))と平行になるように)載置台を回転させることによって行われる。
<1−8.制御部90>
制御部90は、描画装置1が備える各部と電気的に接続されており、各種の演算処理を実行しつつ描画装置1の各部の動作を制御する。
図7は、制御部90のハードウエア構成を示すブロック図である。制御部90は、例えば、CPU91、ROM92、RAM93、外部記憶装置94等がバスライン95を介して相互接続された一般的なコンピュータによって構成されている。ROM92は基本プログラム等を格納しており、RAM93はCPU91が所定の処理を行う際の作業領域として供される。外部記憶装置94は、フラッシュメモリ、あるいは、ハードディスク装置等の不揮発性の記憶装置によって構成されている。外部記憶装置94にはプログラムPが格納されており、このプログラムPに記述された手順に従って、主制御部としてのCPU91が演算処理を行うことにより、各種機能が実現されるように構成されている。プログラムPは、通常、予め外部記憶装置94等のメモリに格納されて使用されるものであるが、CD−ROMあるいはDVD−ROM、外部のフラッシュメモリ等の記録媒体に記録された形態(プログラムプロダクト)で提供され(あるいは、ネットワークを介した外部サーバからのダウンロードなどにより提供され)、追加的または交換的に外部記憶装置94等のメモリに格納されるものであってもよい。なお、制御部90において実現される一部あるいは全部の機能は、専用の論理回路等でハードウエア的に実現されてもよい。
また、制御部90では、入力部96、表示部97、通信部98もバスライン95に接続されている。入力部96は、各種スイッチ、タッチパネル等により構成されており、オペレータから各種の入力設定指示を受け付ける。表示部97は、液晶表示装置、ランプ等により構成されており、CPU91による制御の下、各種の情報を表示する。通信部98は、LAN等を介したデータ通信機能を有する。
外部記憶装置94には、基板Wに露光すべきパターンを記述したデータ(パターンデータ)Dが格納される。パターンデータDは、例えば、CADを用いて生成されたCADデータをラスタライズしたデータであり、回路パターンなどを表現している。制御部90は、基板Wに対する一連の処理に先立ってパターンデータDを取得して外部記憶装置94に格納している。なお、パターンデータDの取得は、例えばネットワーク等を介して接続された外部端末装置から受信することにより行われてもよいし、記録媒体から読み取ることにより行われてもよい。
<2.基板Wに対する処理の流れ>
次に、描画装置1において実行される基板Wに対する一連の処理の流れについて、図8を参照しながら説明する。図8は、当該処理の流れを示す図である。以下に説明する一連の動作は、制御部90の制御下で行われる。
まず、搬送装置60が、カセット載置部104に載置されたカセットCから未処理基板Wを取り出して描画装置1(具体的には、プリアライメント部70)に搬入する(ステップS1)。
続いて、プリアライメント部70にて、基板Wに対するプリアライメント処理が行われる(ステップS2)。プリアライメント処理は、上述したとおり、例えば、載置台に載置された基板Wの切り欠き部の位置をセンサで検出し、当該切り欠き部の位置が定められた位置となるように載置台を回転させることによって行われる。これによって、載置台に載置された基板Wが定められた回転位置におおまかに位置合わせされた状態におかれることになる。
続いて、搬送装置60が、プリアライメント処理済みの基板Wをプリアライメント部70から搬出してこれを基板保持部10の保持面111に載置する(ステップS3)。この処理は、具体的には次のように行われる。まず、保持部駆動機構20が、基板保持部10を定められた受け渡し位置まで移動させる。基板保持部10が受け渡し位置に配置されると、続いて、リフトピン駆動機構が一群のリフトピン181を下方位置から上方位置に移動させる。これによって、保持面111から一群のリフトピン181が突出した状態となる。続いて、搬送装置60が、プリアライメント処理済みの基板Wを支持したハンド61を保持面111に沿って差し込んで、さらにハンド61を下方に移動させる。これによって、ハンド61上に載置されていた基板Wが一群のリフトピン181上に移載される。続いて、ハンド61が引き抜かれると、リフトピン駆動機構が、一群のリフトピン181を上方位置から下方位置に移動させる。これによって、基板Wが保持面111に載置された状態となる。
保持面111に基板Wが載置されると、続いて、基板保持部10が基板Wを吸着保持する(ステップS4)。この処理の流れについて、図9〜図11を参照しながら具体的に説明する。図9は、当該処理の流れを示す図である。図10、図11は、当該処理を説明するための図であり、基板保持部10を真空吸引口12およびベルヌーイ吸引口13の形成位置で切断した部分断面図の様子が模式的に示されている。
保持面111に基板Wが載置されると、吸着制御部19は、まず、開閉弁123を開放する。すると、真空吸引口12に負圧(吸引圧)が形成される(ステップS41)。
基板Wが反りのない平坦な形状である場合、外縁土手部14の頂部全域、全ての突起部15の頂部、全ての面内土手部16の頂部、および、全てのピン縁土手部180の頂部のそれぞれと基板Wの裏面とが当接し、外縁土手部14と、これに包囲されている保持面111と、基板Wの裏面との間に密閉空間が形成される。ただし、当該密閉空間は、各面内土手部16によって、各ベルヌーイ吸引口13と連通しないように遮断されている。また、当該密閉空間は、各ピン縁土手部180によって、各ピン孔18と連通しないように遮断されている。したがって、この場合、真空吸引口12に負圧が形成されると当該密閉空間の圧力が低下し、基板Wは、その裏面が保持面111から外縁土手部14の高さ分だけ離間した位置において、平坦状態で保持面111に吸着保持される(図10に示される状態)。保持面111上の吸引圧が所定値より低圧側(真空圧側)となったことが圧力センサ17の出力情報から確認されると(すなわち、圧力センサ17の検知圧力が所定値(例えば−60kPa)より小さくなると)(ステップS42でYES)、吸着制御部19は、基板Wは適切に吸着保持されたと判断して基板Wを吸着保持する一連の処理を終了する。
一方、基板Wに反りが生じており平坦な形状ではない場合、基板Wの裏面と外縁土手部14の頂部の少なくとも一部との間に隙間が生じる。したがって、この場合、真空吸引口12に負圧が形成されても、この隙間から負圧が逃げてしまい、保持面111上の圧力はなかなか低下しない。真空吸引口12からの吸引を開始してから一定の時間が経過しても、保持面111上の吸引圧が所定値より低圧側となったことが圧力センサ17の出力情報から確認されない場合(すなわち、圧力センサ17の検知圧力が所定値(例えば−60kPa)以上の場合)(ステップS42でNO)、吸着制御部19は、基板Wは保持面111に適切に吸着保持されていない(吸着不良)と判断し、開閉弁137を開放する。すると、複数のベルヌーイ吸引口13,13,・・,13の全てに負圧(吸引圧)が形成される(図11に示される状態)(ステップS43)。
各ベルヌーイ吸引口13に負圧が形成されると、基板Wは各ベルヌーイ吸引口13が形成する負圧によって保持面111に対して強く吸引され、基板Wは平坦化される。ここで、上述したとおり、各面内土手部16は、当該面内土手部16で包囲される領域の面積が、ベルヌーイ吸引口13の開口面積よりも大きくなるように形成されており、これによって、ベルヌーイ吸引口13に十分な吸引力が形成される。その理由について、図12、図13を参照しながら説明する。図12は、保持面111におけるベルヌーイ吸引口13の形成位置付近の様子を拡大して模式的に示す平面図であり、図13は同側断面図である。
上述したとおり、ベルヌーイ吸引ユニット130においては、一対の噴出ノズル134,134から圧縮気体が噴出されると、円柱状凹空間132内に強い旋回流が形成され、当該旋回流の中心部(すなわち、円柱状凹空間132の中心部)を通り、鉛直上方向に延在する円柱状の空間領域に、ベルヌーイの定理に従って負圧が生じる。さらに、当該負圧に引き寄せられる風の流れが形成される。基板Wの裏面は、円柱状の空間領域に形成されるこの負圧と、当該負圧に引き寄せられる風の流れとによって、ベルヌーイ吸引口13に向けて(すなわち、保持面111に向けて)、引き寄せられることになる。
ここにおいて、本発明者は、保持面111内の領域であってベルヌーイ吸引口13の周囲に、風の流れの妨げとなる凹凸が少ない領域(平坦に近い領域)が、なるべく広く確保されるほど、ベルヌーイ吸引口13において高い吸引力が得られることを見いだした。その理由は、次のように考えられる。すなわち、ベルヌーイ吸引口13の吸引力を形成する要素の一つは、保持面111と略水平な方向に沿って流れてそのままベルヌーイ吸引口13に引き込まれる風の流れであるところ、当該風の流れが速いほど、吸引力は強くなる。ここで、例えば、保持面上のベルヌーイ吸引口付近の領域に風の妨げとなる凹凸がある場合、当該風の流れがベルヌーイ吸引口に引き込まれる直前で当該凹凸によって妨げられて、その流速が低下してしまう。その結果、ベルヌーイ吸引口の吸引力が低下してしまう。一方、ベルヌーイ吸引口13の周囲に、平坦な領域が広く確保されると、当該風の流れが妨げられず、ベルヌーイ吸引口13に引き込まれる直前の風の流速が十分速い状態となる。その結果、ベルヌーイ吸引口13に十分な吸引力が形成される。
上述したとおり、ここでは、ベルヌーイ吸引口13を取り囲む面内土手部16は、当該面内土手部16で包囲される領域の面積が、ベルヌーイ吸引口13の開口面積よりも大きくなるように形成される。また、面内土手部16により包囲された領域には、突起部15が形成されない。したがって、保持面111内の領域であってベルヌーイ吸引口13の周辺に、平坦な領域Fが形成される。この平坦な領域Fが形成されることによって、当該平坦な領域Fに沿って流れてそのままベルヌーイ吸引口13に引き込まれる風の流れが形成される。これによって、ベルヌーイ吸引口13に引き込まれる直前の風の流速が十分速い状態となり、ベルヌーイ吸引口13に十分な吸引力が形成される。その結果、基板Wが保持面111に対して強く吸引され、スムースかつ十分に平坦化される。
再び図9〜図11を参照する。各ベルヌーイ吸引口13に形成された負圧によって基板Wが平坦な形状とされると、上述したとおり、基板Wの裏面が外縁土手部14の頂部全域、全ての突起部15の頂部、全ての面内土手部16の頂部、および、全てのピン縁土手部180の頂部のそれぞれと当接し、外縁土手部14と、これに包囲されている保持面111と、基板Wの裏面との間に密閉空間が形成される。したがって、真空吸引口12に形成される負圧によって当該密閉空間の圧力が低下し、基板Wは、その裏面が保持面111から外縁土手部14の高さ分だけ離間した位置において、平坦状態で保持面111に吸着保持される。保持面111上の吸引圧が所定値より低圧側となったことが圧力センサ17の出力情報から確認されると(すなわち、圧力センサ17の検知圧力が所定値(例えば−60kPa)より小さくなると)(ステップS44でYES)、吸着制御部19は、開閉弁137を閉鎖して各ベルヌーイ吸引口13からの吸引を停止させる(ステップS45)。上述したとおり、基板Wは既に平坦な形状となっており、外縁土手部14とこれに包囲されている保持面111と基板Wの裏面との間には密閉空間が形成されているため、各ベルヌーイ吸引口13からの吸引を停止しても、真空吸引口12に形成される負圧によって基板Wが適切に吸着保持された状態が維持される(図10に示される状態)。以上で、吸着制御部19は、基板Wを吸着保持する一連の処理を終了する。
再び図8を参照する。基板Wが吸着保持された状態となると、続いて、当該基板Wが適正な回転位置にくるように精密に位置合わせする処理(ファインアライメント)が行われる(ステップS5)。具体的には、まず、保持部駆動機構20が、基板保持部10を受け渡し位置から撮像ユニット50の下方位置まで移動させる。基板保持部10が撮像ユニット50の下方に配置されると、続いて、撮像ユニット50が、基板W上のアライメントマークを撮像して、当該撮像データを取得する。続いて、制御部90が、撮像ユニット50により取得された撮像データを画像解析してアライメントマークの位置を検出し、その検出位置に基づいて基板Wの回転位置の適正位置からのずれ量を算出する。ずれ量が算出されると、回転機構21が、当該算出されたずれ量だけ基板保持部10を回転させる。これによって、基板Wが適正な回転位置にくるように位置合わせされる。
基板Wが適切な回転位置におかれると、続いて、パターンの描画処理が行われる(ステップS6)。描画処理について、図14を参照しながら説明する。図14は、描画処理を説明するための図である。
描画処理は、保持部駆動機構20が基板保持部10に載置された基板Wを光学ユニット40,40に対して相対的に移動させつつ、光学ユニット40,40のそれぞれから基板Wの上面に空間変調された光を照射させることによって行われる。
具体的には、保持部駆動機構20は、まず、撮像ユニット50の下方位置に配置されている基板保持部10を主走査方向(Y軸方向)に沿って+Y方向に移動させることによって、基板Wを光学ユニット40,40に対して主走査方向に沿って相対的に移動させる(主走査)。これを基板Wからみると、各光学ユニット40は基板W上を主走査方向に沿って−Y方向に横断することになる(矢印AR11)。主走査が行われる間、各光学ユニット40は、パターンデータDに応じた空間変調が形成された光(具体的には、副走査方向に沿うN画素分の空間変調された光)を、基板Wに向けて断続的に照射し続ける(すなわち、基板Wの表面にパルス光が繰り返して投影され続ける)。つまり、各光学ユニット40は、副走査方向に沿うN画素分の空間変調された光を断続的に照射し続けながら基板W上を主走査方向に沿って横断する。したがって、光学ユニット40が主走査方向に沿って基板Wを1回横断すると、基板Wの表面に、副走査方向に沿ってN画素分の幅をもつ一本のパターン群が描画されることになる。ここでは、2個の光学ユニット40が同時に基板Wを横断するので、一回の主走査により2本のパターン群が描画されることになる。
1回の主走査が終了すると、保持部駆動機構20は、基板保持部10を副走査方向(X軸方向)に沿って+X方向に、1ストライプの幅に相当する距離だけ移動させることによって、基板Wを光学ユニット40,40に対して副査方向に沿って相対的に移動させる(副走査)。これを基板Wからみると、各光学ユニット40は副走査方向に沿って−X方向に、1ストライプの幅分だけ移動することになる(矢印AR12)。
副走査が終了すると、再び主走査が行われる。すなわち、保持部駆動機構20は、基板保持部10を主走査方向に沿って−Y方向に移動させることによって、基板Wを光学ユニット40,40に対して主走査方向に沿って相対的に移動させる。これを基板Wからみると、各光学ユニット40は、基板W上における、先の主走査で描画された1ストライプ分の描画領域の隣を、主走査方向に沿って+Y方向に移動して横断することになる(矢印AR13)。ここでも、各光学ユニット40は、パターンデータDに応じた空間変調が形成された光を、基板Wに向けて断続的に照射し続けながら基板W上を主走査方向に沿って横断する。これによって、先の主走査で描画された1ストライプ分の描画領域の隣に、さらに1ストライプ分の領域の描画が行われることになる。以後、同様に、主走査と副走査とが繰り返して行われ、基板Wの表面の全域にパターンが描画されると描画処理が終了する。
再び図8を参照する。描画処理が終了すると、保持部駆動機構20が、基板保持部10を受け渡し位置まで移動させる。基板保持部10が受け渡し位置に配置されると、吸着制御部19が、開閉弁123を閉鎖して真空吸引口12からの吸引を停止させる。これによって、真空吸引口12より気体が密閉空間に流入し、基板Wの吸着状態が解除される(ステップS7)。
基板Wの保持面111に対する吸着状態が解除されると、続いて、搬送装置60が、保持面111に載置された処理済みの基板Wを受け取って描画装置1から搬出し、カセット載置部104に載置されたカセットCに収容する(ステップS8)。搬送装置60が保持面111から基板Wを受け取る処理は、具体的には次のように行われる。まず、リフトピン駆動機構(図示省略)が、一群のリフトピン181を下方位置から上方位置に移動させる。これによって、基板Wの下面は一群のリフトピン181により支持されて基板保持部10から持ち上げられて保持面111から引きはがされた状態となる。続いて、搬送装置60が、ハンド61を保持面111と基板Wの下面との間に差し込み、さらにハンド61を上昇させる。これによって、一群のリフトピン181の上に支持されていた基板Wがハンド61上に移載される。続いてハンド61が引き抜かれると、リフトピン駆動機構が、一群のリフトピン181を上方位置から下方位置に移動させる。
<3.効果>
上記の実施の形態によると、ベルヌーイ吸引口13を包囲する面内土手部16が形成される。この構成によると、保持面111に基板Wが載置されて、外縁土手部14で取り囲まれる保持面111内の領域と基板Wの裏面との間に密閉空間が形成された状態において、面内土手部16によって、当該密閉空間とベルヌーイ吸引口13とが連通しないように遮蔽することができる。ここにおいて、面内土手部16で包囲される領域の面積が、ベルヌーイ吸引口13の開口面積よりも大きいので、上述したとおり、保持面111と略水平な方向に沿って流れてそのままベルヌーイ吸引口13に引き込まれる風の流れが妨げられにくくなり、ベルヌーイ吸引口13における吸引力の低下が抑制される。つまり、装置の大型化、コストアップを抑制しつつ、簡易に、ベルヌーイ吸引口13において十分な吸引力を実現することができる。ベルヌーイ吸引口13において十分な吸引力が実現されることによって、基板Wがスムースかつ十分に平坦化され、基板Wを保持面111に対して適切に吸着保持することができる。その結果、基板Wに対する一連の処理が行われる間に、保持面111に対して基板Wが位置ずれを起こすといった事態の発生が回避され、描画装置1において、基板Wに対する一連の処理を適切に行うことができる。すなわち、描画装置1において高精度な描画処理を担保することができる。
また、上記の実施の形態によると、基板Wの裏面を外縁土手部14の頂部と複数の突起部15,15,・・,15とによって支持することができるので、基板Wを保持面111と平行な姿勢で安定して支持することができる。さらに、基板Wは、その裏面が保持面111から外縁土手部14の高さ分だけ離間した位置において、平坦状態で保持面111に対して吸着保持されることになるため、基板Wの裏面に真空吸引口12の吸引跡がつくおそれがない。その一方で、上記の実施の形態においては、面内土手部16により包囲された領域には突起部15が形成されない。この構成によると、保持面111と略水平な方向に沿って流れてそのままベルヌーイ吸引口13に引き込まれる風の流れが特に妨げられにくくなり、ベルヌーイ吸引口13における吸引力の低下が効果的に抑制される。
また、上記の実施の形態においては、ベルヌーイ吸引ユニット130の本体部131と保持板11に形成された凹部112との間に隙間Qが形成されており、円柱状凹空間132から溢れ出た気体は隙間Qに沿って流れて保持板11の裏面側に排出されるようになっている。したがって、基板Wの裏面がベルヌーイ吸引口13の外縁に形成された面内土手部16の頂部と当接した状態(すなわち、ベルヌーイ吸引口13が基板Wの裏面によって塞がれた状態)となっても、円柱状凹空間132内に強い旋回流を形成し続けることができる。すなわち、ベルヌーイ吸引口13の負圧を維持し続けることができる。
<4.変形例>
上述したとおり、基板保持部10においては、保持面111内の領域であってベルヌーイ吸引口13の周囲に、風の障害となる凹凸が少ない領域(平坦に近い領域)がなるべく広く確保されるほど、ベルヌーイ吸引口13において高い吸引力が実現される。したがって、面内土手部16により包囲された領域の面積はなるべく大きい方が好ましい。ただし、その一方で、当該面積が大きくなると、保持面111に基板Wが載置された状態において、面内土手部16により包囲された領域の部分で基板Wが自重等によって撓む恐れがでてくる。このような場合、図15に例示されるように、面内土手部16により包囲された領域にも、1以上の突起部15を形成する構成としてもよい。この構成によると、面内土手部16により包囲された領域においても、基板Wの裏面を突起部15によって支持することができるので、基板Wに上述のような局所的な撓みが発生することを抑制して、基板Wを安定して支持することができる。なお、突起部15はベルヌーイ吸引口13を取り囲む形状ではないので、風の流れを比較的妨げにくい。したがって、保持面111と略水平な方向に沿って流れてそのままベルヌーイ吸引口13に引き込まれる風の流れが、突起部15によって大きく妨げられることはない。しかしながら、ベルヌーイ吸引口13の周囲には風の流れの妨げとなり得る凹凸がなるべく少ない方が好ましいので、面内土手部16に包囲された領域に形成する突起部15の個数は、撓みを抑制するために必要な最小数としておくことも好ましい。また、面内土手部16に包囲された領域に形成する突起部15を、ベルヌーイ吸引口13に近づくにつれて分布密度が小さくなるように配列することも好ましい。
また、上記の実施の形態においては、面内土手部16は平面視円環状であるとしたが、面内土手部16の形状は必ずしもこれに限られるものではない。例えば、面内土手部16は、平面視矩形状であってもよい。
また、上記の実施の形態においては、吸引力を高めるためにベルヌーイ吸引口13の径サイズd13は、円柱状凹空間132の径サイズd132よりも小さく形成されていたが、ベルヌーイ吸引口13の径サイズは円柱状凹空間132の径サイズd132と略同一に形成されてもよい。この構成によると、円柱状凹空間132の中心部に形成された負圧をそのまま保持面111上に作用させることができる。
また、上記の実施の形態においては、真空吸引口12からの吸引を行っても保持面111上の吸引圧が所定値より低圧側とならない場合に、ベルヌーイ吸引口13からの吸引を開始していたが、ベルヌーイ吸引口13からの吸引を開始するタイミングはこれに限らない。ただし、上記の実施の形態に係る構成によると、例えば保持面111に載置された基板Wがはじめから反りのない平坦な形状である場合は、ベルヌーイ吸引口13からの吸引は行われないので、無駄な空気の消費が抑制されるとともに、基板Wの裏面が汚染されにくいという利点が得られる。
また、上記の実施の形態においては、ベルヌーイ吸引口13からの吸引を開始した後に保持面111上の吸引圧が所定値より低圧側となると、ベルヌーイ吸引口13からの吸引を停止していたが、ベルヌーイ吸引口13からの吸引を停止するタイミングはこれに限らない。ただし、上記の実施の形態に係る構成によると、ベルヌーイ吸引口13からの吸引によって基板Wの反りが平坦化されて基板Wが適切に吸着保持されると、以後は真空吸引口12からの吸引のみで基板Wを吸着保持することになり、ベルヌーイ吸引口13からの吸引が必要最小限に抑えられる。したがって、無駄な空気の消費が抑制されるとともに、基板Wの裏面が汚染されにくいという利点が得られる。
また、上記の実施の形態においては、真空吸引口12からの吸引が行われている状態で各ベルヌーイ吸引口13からの吸引を開始するが、各ベルヌーイ吸引口13からの吸引を行う間は真空吸引口12からの吸引を停止ししてもよい。ただし、上記の実施の形態に係る構成によると、基板Wの少なくとも一部が真空吸引口12からの吸引圧によって保持面111に吸引された状態で各ベルヌーイ吸引口13からの吸引を開始することになるので、各ベルヌーイ吸引口13からの吸引を開始した際に基板Wが位置ずれを起こすといった事態が生じにくいという利点が得られる。
また、上記の各実施形態では、空間光変調器441として変調単位である固定リボンと可動リボンとが一次元に配設された回折格子型の空間光変調器であるGLVが用いられていたが、このような形態には限られない。例えば、GLVに限らず、ミラーのような変調単位が、一次元に配列されている空間光変調器が利用される形態であってもよい。また、例えば、DMD(Digital Micromirror Device:デジタルマイクロミラーデバイス:テキサスインスツルメンツ社の製)のような変調単位であるマイクロミラーが二次元的に配列された空間光変調器が利用されてもよい。
また、上記の各実施の形態においては、基板保持部10が、基板Wに対して光を照射して基板Wにパターンを形成する基板処理装置(描画装置)に搭載された態様を示していたが、基板保持部10は、描画装置1以外の各種の基板処理装置、あるいは、基板搬送装置等に組み込むことができる。
1 描画装置
10 基板保持部
11 保持板
111 保持面
12 真空吸引口
13 ベルヌーイ吸引口
14 外縁土手部
15 突起部
16 面内土手部
19 吸着制御部
90 制御部
W 基板

Claims (4)

  1. 基板を保持する基板保持装置であって、
    基板の裏面に対向する保持面が形成された保持板と、
    前記保持面に形成され、真空吸引により前記基板を前記保持面に吸引する真空吸引口と、
    前記保持面に形成され、ベルヌーイ吸引により前記基板を前記保持面に吸引するベルヌーイ吸引口と、
    前記保持面の外縁に沿って立設された外縁土手部と、
    前記外縁土手部で取り囲まれる前記保持面内の領域において、前記ベルヌーイ吸引口を包囲するように立設された面内土手部と、
    を備え、
    前記外縁土手部の頂部と、前記面内土手部の頂部とが面一に形成され、
    前記面内土手部で包囲される領域の面積が、前記ベルヌーイ吸引口の開口面積よりも大きく、
    前記保持板の裏面側に形成され、深さ方向の底面において前記ベルヌーイ吸引口と連通する凹部と、
    前記凹部の内部に配置されたベルヌーイ吸引ユニットと、
    を備え、
    前記ベルヌーイ吸引ユニットが、
    円柱状の凹空間が形成された本体部と、
    前記円柱状の凹空間に気体を噴出して前記円柱状の凹空間に旋回流を形成する噴出ノズルと、
    を備え、
    前記本体部が、前記凹部の深さ方向の底面および前記凹部の壁面との間に隙間を形成しつつ、前記凹部内に固定的に支持される、基板保持装置。
  2. 請求項1に記載の基板保持装置であって、
    前記外縁土手部により包囲された前記保持面内の領域に立設された複数の突起部、
    を備え、
    前記複数の突起部のうちの少なくとも一つの突起部が、前記面内土手部により包囲された前記保持面内の領域に立設され、
    前記外縁土手部の頂部と、前記複数の突起部それぞれの頂部とが面一に形成される、
    基板保持装置。
  3. 請求項1に記載の基板保持装置であって、
    前記外縁土手部により包囲された前記保持面内の領域であって、前記面内土手部により包囲された領域を除く領域に立設された複数の突起部、
    を備え、
    前記外縁土手部の頂部と、前記複数の突起部それぞれの頂部とが面一に形成される、
    基板保持装置。
  4. 基板処理装置であって、
    請求項1から3のいずれかに記載の基板保持装置と、
    前記基板保持装置にて保持された基板に光を照射してパターンを描画する光照射部と、
    前記光照射部と前記基板保持装置とを相対的に移動させる駆動部と、
    を備える、基板処理装置。
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