JP5931421B2 - 高甘味度甘味料の味質改善方法 - Google Patents
高甘味度甘味料の味質改善方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5931421B2 JP5931421B2 JP2011264754A JP2011264754A JP5931421B2 JP 5931421 B2 JP5931421 B2 JP 5931421B2 JP 2011264754 A JP2011264754 A JP 2011264754A JP 2011264754 A JP2011264754 A JP 2011264754A JP 5931421 B2 JP5931421 B2 JP 5931421B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- taste
- dextrin
- sweetness
- sucralose
- improving
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Tea And Coffee (AREA)
- Seasonings (AREA)
- Non-Alcoholic Beverages (AREA)
Description
特に、本発明は高甘味度甘味料の味質改善として、甘味の後引き感の改善し、ショ糖に似た良質のコク味(ボディ感)を付与し、又は苦味、雑味を減少する方法に関する。
甘味とコク味(ボディ感)を有し、保湿性、粘度の付与等の特性も優れていることから
、広く利用されている。しかし、ショ糖は良質な甘味とコク味を有するものの、肥満や虫
歯の原因となるので、最近の健康志向や低カロリー志向から敬遠されるようになってきて
いる。特に、飲料や菓子などの嗜好品においては、低カロリー化が進んでおり、これらに
ついて、ショ糖と同等の良質な甘味を有し、かつ、低カロリー化できる甘味料が望まれて
いる。
、これらの多くはショ糖より強い甘味を有するため、少ない使用量で甘味を付与すること
ができる、低カロリー甘味料としての特徴を併せ持っている。しかし、高甘味度甘味料の
多くは、ショ糖と同等の良質な甘味とコク味(ボディ感)を有しているものは少なく、独
特の苦味や渋味を有している、甘味の立ち上がりが遅れる、甘味が後を引く(甘味の後引
き感がある)等といった欠点を持つものが多い。
善、殊に甘味の後引き感などを改善するには十分ではなく、さらに酸味などの余分な味も
同時に付与されてしまうため、好ましいものではなかった。そのため、高甘味度甘味料の
味質を改善する技術の開発が望まれていた。
甘味料に対して、馬鈴薯由来でDEが2以上5未満のデキストリンを添加することにより
、高甘味度甘味料の味質を改善できることを見出した。
項1.高甘味度甘味料に対して、馬鈴薯由来でDEが2以上5未満であるデキストリンを
添加することを特徴とする、高甘味度甘味料の味質改善方法。
項2.高甘味度甘味料が、スクラロース、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、ステビア抽出物、又はネオテームである、項1に記載の高甘味度甘味料の味質改善方法。
項3.高甘味度甘味料の味質改善が、甘味の後引き感の改善、コク味(ボディ感)の付与、又は苦味、雑味の減少である、項1又は2に記載の高甘味度甘味料の味質改善方法。
与えるという問題点があったが、本発明により、高甘味度甘味料特有の甘味の後引き感を改善でき、またショ糖に類似した良質のコク味(ボディ感)を付与することができ、さらに苦味や雑味も減少させることができる。
リンを添加することを特徴とする。
ステビア抽出物、ソーマチン、グリチルリチン、ネオテーム、ラカンカ(羅漢果)抽出物
、サッカリン、サッカリンナトリウムなどを例示することができ、これらの中で、スクラロース、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、ステビア抽出物、ネオテームが好ましく、スクラロースがさらに好ましい。
スクラロースは、1−α−D−ガラクトピラノシル−2−β−D−フルクトフラノシド分子(D−ガラクトースとD−フルクトースとが還元基どうしで互いにグリコシド結合した非還元性二糖分子)内のフルクトース残基の1、6位およびガラクトース残基の4位の三つの水酸基が塩素分子で置換された構造の高甘味度甘味料で、砂糖の約600倍の甘味を有する。
分解して得ることができる。現在市販されているデキストリンの原料には、馬鈴薯、コーン、ワキシーコーン、小麦、米、もち米、タピオカ等が存在するが、馬鈴薯以外を由来澱粉とするデキストリンを用いた場合は、DEが2以上5未満のデキストリンを用いた場合であっても、由来澱粉が持つ風味が影響し、十分な高甘味度甘味料の味質改善効果が得られず、また最終食品の風味にも好ましくない影響を与えてしまう。
好ましくは3.5以上4.5以下の範囲であることを特徴とする。
DEとは、一般には澱粉の分解程度を還元糖の割合で示すものである。全ての還元糖を
ぶどう糖(dextrose)の量に換算し、その割合を全体の乾燥固形分に対する質量%で表わし
たものである。DE値が大きい程、還元糖の含有量が多く、逆にDE値が小さい程、還元
糖の含有量が少ないことを意味する。本発明ではDEが2以上5未満の範囲であるデキス
トリンを用いることを特徴とするが、DEが5以上であるデキストリンを用いた場合は、
十分な高甘味度甘味料の味質改善効果が得られない。
本発明で用いるデキストリンは、さらに次の性質を有するものが好ましい。
「25℃の蒸留水で調製したデキストリン30質量%水溶液を、25℃で5分間静置した時の粘度が20mPa・s以上100mPa・s以下、好ましくは30mPa・s以上70mPa・s以下である。」
上記粘度は、25℃の蒸留水で調製したデキストリンの30質量%水溶液を、25℃で5分間静置した後、25℃条件下で、BL型回転粘度計(ローターNo.2)を用いて回転数12rpmで1分間測定することによって求めることができる。
できる。加水分解は酵素処理、酸処理等を用いて実施することができ、DEを指標として
分解の程度を調整可能である。また、本デキストリンは商業上入手可能であり、例えば三
栄源エフ・エフ・アイ(株)製の「スマートテイスト(登録商標)」を挙げることができる。
用する製品の種類などによって異なるが、高甘味度甘味料1質量部に対し、上記デキスト
リンを0.2〜200質量部、好ましくは1〜100質量部を添加することが望ましい。
高甘味度甘味料1質量部に対して、上記デキストリンの含有量が0.2質量部より少ないと、高甘味度甘味料の甘味の後引き感などの改善効果が十分ではなく、200質量部より多いと、デキストリンの味が感じられ、高甘味度甘味料のバランスの取れた本来の味質が損なわれるため、好ましくない。
中で高甘味度甘味料及び上記デキストリンが共存していれば足りる。
製品であり、例えば、食品やシロップ剤等の医薬品、口内清涼剤、うがい剤、歯磨き等の
医薬品部外品を挙げることができる。本発明の対象となる食品としては、特に制限はされ
ないが、好適には、柑橘果汁や野菜果汁等を含む果実飲料又は野菜ジュース、コーラやジ
ンジャエール又はサイダー等の炭酸飲料、スポーツドリンク、ニアウォーター等の清涼飲
料水、コーヒー、紅茶や抹茶等の茶系飲料、ココアや乳酸菌飲料等の乳飲料などの飲料一
般;ヨーグルト、ゼリー、プディング及びムース等のデザート類;ケーキ、クラッカー、
ビスケット、パイや饅頭等といった洋菓子及び和菓子を含む焼菓子や蒸菓子等の菓子類;
米菓、スナック類;アイスクリームやシャーベット等の冷菓並びに氷菓;チューインガム
、ハードキャンディ、ヌガーキャンデー、ゼリービーンズ、等を含む糖菓一般;果実フレ
ーバーソースやチョコレートソースを含むソース類;バタークリーム、フラワーペースト
やホイップクリーム等のクリーム類;イチゴジャムやマーマレード等のジャム;菓子パン
等を含むパン;焼き肉、焼き鳥、鰻蒲焼き等に用いられるタレ、トマトケチャップ、ソー
ス、麺つゆ等の調味料一般;蒲鉾等の練り製品、ソーセージ等の食肉加工品、レトルト食
品、漬け物、佃煮、珍味、惣菜並びに冷凍食品等を含む農畜水産加工品を広く例示するこ
とができる。特に、本発明の方法は飲料といった、水分含量が高く、高甘味度甘味料特有
の甘味の後引きが食味に大きく影響を与える食品に対して有用である。これらの食品中に
高甘味度甘味料は、その種類によっても異なるが、通常1〜5000ppm含有され、馬
鈴薯由来でDEが2以上5未満であるデキストリンは高甘味度甘味料に対する上記割合で
含有される。
れらに何ら限定されるものではない。
なお、以下の記載において、「*」は三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製を、「※」は三栄源エフ・エフ・アイ株式会社の登録商標をそれぞれ示す。
スクラロース0.014%水溶液に、表1の各種デキストリンを0.3%になるように添加し、官能にて無添加区と比較して甘味質の改善効果を評価した。
なお、実験例1〜6で使用した馬鈴薯由来のDE4のデキストリンの粘度は、40mPa・sである(段落0016に記載の方法で測定)。
砂糖6%水溶液と同等の甘味度を有するスクラロース0.014%溶液を作製し、馬鈴
薯由来のDE4のデキストリンを下記濃度で添加して、パネル5名で味質の改善効果を確認した。
スクラロース0.014%水溶液に馬鈴薯由来デキストリン(DE4)を、表3の濃度で添加し、官能にて、無添加区と比較して甘味質の改善効果について評価を行った。
表4の各甘味料水溶液に、馬鈴薯由来デキストリン(DE4)が0.3%になるように添加し、官能にて、無添加区と比較して甘味質の改善効果を評価した。
表5の処方(数値は質量部を示す)に従い、水にグレープフルーツ香料を除く下記の原
料を溶解させ、93℃まで加熱後、グレープフルーツ香料を加えて容器に充填し、ニアウ
ォーターを調製した。
高甘味度甘味料で甘味を付与したコーヒーに、馬鈴薯由来デキストリン(DE4)を添加し、官能にて無添加区と比較して、甘味質の改善効果について評価を行い、結果を表8 に示した。
(缶コーヒーの製法)
水に、表6及び表7の処方の4〜6の粉体混合物を加え、80℃10分撹拌溶解して、室温まで冷却し、そこに1〜3(3は予め60℃で溶解させておく)を加え、水にて全量を合わせ、pH6.8になるように7を添加した。
次いで、75℃まで加熱し、ホモゲナイザー(14700kPa(150kg/cm2))にて均質化した後、8を加え、容器に充填後、121℃20分レトルト殺菌した。
Claims (1)
- スクラロースに対して、馬鈴薯由来でDEが2以上5未満であるデキストリンを添加することを特徴とする、スクラロースの甘味の後引き感の改善方法、又はコク味(ボディ感)の付与方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011264754A JP5931421B2 (ja) | 2010-12-03 | 2011-12-02 | 高甘味度甘味料の味質改善方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010270841 | 2010-12-03 | ||
JP2010270841 | 2010-12-03 | ||
JP2011264754A JP5931421B2 (ja) | 2010-12-03 | 2011-12-02 | 高甘味度甘味料の味質改善方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2012130336A JP2012130336A (ja) | 2012-07-12 |
JP5931421B2 true JP5931421B2 (ja) | 2016-06-08 |
Family
ID=46646713
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2011264754A Active JP5931421B2 (ja) | 2010-12-03 | 2011-12-02 | 高甘味度甘味料の味質改善方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5931421B2 (ja) |
Families Citing this family (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013252075A (ja) * | 2012-06-05 | 2013-12-19 | Sanei Gen Ffi Inc | 高甘味度甘味料に起因する可食組成物の味質改善方法 |
JP6153778B2 (ja) * | 2013-06-07 | 2017-06-28 | 三栄源エフ・エフ・アイ株式会社 | スクラロースの味質改善剤及び味質改善方法 |
GB201315559D0 (en) * | 2013-08-02 | 2013-10-16 | Tate & Lyle Ingredients | Sweetener compositions |
GB201315558D0 (en) | 2013-08-02 | 2013-10-16 | Tate & Lyle Ingredients | Sweetener compositions |
JP6362843B2 (ja) * | 2013-10-10 | 2018-07-25 | 三栄源エフ・エフ・アイ株式会社 | 高甘味度甘味料の甘味の後引き感の改善剤、及び甘味の後引き感の改善方法 |
JP6557003B2 (ja) * | 2013-12-05 | 2019-08-07 | 三栄源エフ・エフ・アイ株式会社 | 不快味のマスキング方法 |
JP2015128421A (ja) * | 2013-12-05 | 2015-07-16 | 三栄源エフ・エフ・アイ株式会社 | 固体状可食性組成物における酸味、苦味及び渋味からなる群から選択される1種以上の呈味を低減する方法 |
JP6570826B2 (ja) * | 2014-12-08 | 2019-09-04 | 三栄源エフ・エフ・アイ株式会社 | 食感の改良された水産練り製品及びその製造方法 |
JP2016158602A (ja) * | 2015-03-04 | 2016-09-05 | 森永乳業株式会社 | 高タンパク質飲料及びその製造方法 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000037169A (ja) * | 1998-07-24 | 2000-02-08 | Matsutani Chem Ind Ltd | 低エネルギー甘味料製剤 |
JP5329210B2 (ja) * | 2008-12-25 | 2013-10-30 | 三栄源エフ・エフ・アイ株式会社 | フィリング材 |
JP2011030483A (ja) * | 2009-07-31 | 2011-02-17 | Dainippon Sumitomo Pharma Co Ltd | 甘味料組成物 |
-
2011
- 2011-12-02 JP JP2011264754A patent/JP5931421B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2012130336A (ja) | 2012-07-12 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5931421B2 (ja) | 高甘味度甘味料の味質改善方法 | |
JP6972208B2 (ja) | プシコースを含有するシロップ組成物、及びこれを含む食品 | |
CA2949595C (en) | Improved sweetener | |
JP2012070708A (ja) | 高甘味度甘味料に対する呈味改良組成物およびその応用 | |
JPWO2003007734A1 (ja) | 呈味改良組成物及びその応用 | |
JP7082457B2 (ja) | 高甘味度甘味料の味質改善剤及び味質改善方法 | |
JP6084373B2 (ja) | 高甘味度甘味料の味質改善剤 | |
JP2013252075A (ja) | 高甘味度甘味料に起因する可食組成物の味質改善方法 | |
JP6345839B2 (ja) | 甘味料組成物及びステビア抽出物の味質改善方法 | |
JP2011030483A (ja) | 甘味料組成物 | |
EP3823469B1 (en) | Sweetener formulations and uses | |
JP6498455B2 (ja) | 高甘味度甘味料の味質改善剤及び味質改善方法 | |
JP2010279350A (ja) | 高甘味度甘味料の味質改善方法 | |
JP6275807B2 (ja) | 高甘味度甘味料の味質改善剤及び味質改善方法 | |
JP5420335B2 (ja) | 高甘味度甘味料の味質改善剤及び味質改善方法 | |
JP6570605B2 (ja) | 風味改良成分 | |
JP2002101844A (ja) | スクラロースの甘味改質方法及びその応用 | |
JP5318642B2 (ja) | 高甘味度甘味料とモルトエキスを含有する甘味料組成物 | |
JP4271385B2 (ja) | 甘味料組成物及び該組成物を含有する可食性製品並びに甘味増強方法。 | |
JP2011024445A (ja) | ステビア抽出物の味質改善剤及び味質改善方法 | |
JP5848083B2 (ja) | 高甘味度甘味料の味質改善剤 | |
JP4769273B2 (ja) | 甘味組成物およびそれを含有する食品 | |
JP6153778B2 (ja) | スクラロースの味質改善剤及び味質改善方法 | |
JP2005040047A (ja) | 甘味料組成物 | |
WO2018198411A1 (ja) | 甘味料組成物及びステビア抽出物の味質改善方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20141120 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20150924 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20151006 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20151119 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20151224 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20160412 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20160427 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5931421 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |