JP5928351B2 - 車両又は移動体の空力制御装置及び空力制御装置を備えた車両又は移動体 - Google Patents

車両又は移動体の空力制御装置及び空力制御装置を備えた車両又は移動体 Download PDF

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Description

本発明は、自動車等の車両又は航空機、ホバークラフト、リニアモータカー、船舶などのその他の移動体の空力制御装置に係り、より詳細には、車両又はその他の移動体の走行中に車両又はその他の移動体が受ける空気力を変更するための装置に係る。
自動車等の車両又はその他の移動体の走行中、その車体又は胴体の周囲を流れる空気の流れから受ける力(空気力又は空力)によって車両又はその他の移動体の走行安定性、燃費等が大きく影響を受ける。そこで、従前より、走行中の車両又はその他の移動体の車体又は胴体周りの流れを制御するために、車体又は胴体側面に整流部材(エアスポイラ)を配置するなどして、車体又は胴体の挙動の安定化が図られている(非特許文献1)。例えば、特許文献1に於いては、車体表面に取り付けた翼の舵角を固定し或いは任意に変えて車体に働く力をコントロールする構成や翼の他にボディ溝を形成して車体の姿勢を制御する構成が開示されている。また、特許文献2には、車両のフロントバンパに縦スリットを設けて裏側に空気の流れるダクト(エアロスリット)を形成し、車両が横風を受けたときには、ダクト出入り口間の圧力差によりスリットから流れを吹き出させてフロント風の下側の流れを積極的に剥離させ、空気流によるヨーイングモーメントを小さくする構成(横風のないときには、ダクト出入り口間の圧力差が生じないので、スリットから流れの吹き出しがなく、空気流の剥離は生じない)を提案している。
特開平5−176413号公報 特開2005−306237
「自動車と流体力学:車体周り流れと空力特性」 炭谷圭二他2名、ながれ23(2004)445−454頁
ところで、一般に、車両又はその他の移動体の車体又は胴体周り流れの制御又は空力特性制御は、車体又は胴体周りの流れの剥離域又は付着域が適切に得られるよう構成される。そこで、車体又は胴体に装着される空力デバイスは、車体又は胴体上にて予測される流れに対応して剥離域又は付着域が適切となるよう設計される。しかしながら、走行中の車両又はその他の移動体が受ける空気流は、しばしば、非定常的な或いは過渡的な流れとなる場合があり、そのような非定常空気流が生じた場合には、車体又は胴体表面に生ずる剥離、再付着、渦などの過渡流れ現象が生ずるところ、従前の空力デバイスは、その制御幅が比較的狭く、非定常的な或いは過渡的な流れには適切に対応し切れない場合がある。また、従前提案されている車体又は胴体周りの流れの制御は、例えば、定常CY(ヨーモーメント係数)の適合等による定常的な空力特性を考慮して構成された制御であり、過渡流れ現象に対しては、あまり有効ではない場合がある。
かくして、本発明の一つの目的は、自動車等の車両又はその他の移動体の車体又は胴体周り流れを制御する装置であって、非定常的な或いは過渡的な流れ現象が生ずる状況に於いても、車両又はその他の移動体の車体又は胴体周り流れの剥離域を適切に制御できるよう構成された装置を提供することである。
本発明によれば、一つの態様に於いて、上記の課題は、車両の空力制御装置であって、同一の回転軸周りにて互いに独立の回転速度にて回転される少なくとも二つの回転部材にして車体表面にて回転軸方向に縦列された少なくとも二つの回転部材から構成される回転体と、少なくとも二つの回転部材の回転を制御する回転制御部とを含む装置によって達成される。上記の構成に於いて、少なくとも二つの回転部材は、典型的には、筒状部材であってよく、回転部材毎に独立してモータ等のアクチュエータにより回転駆動されてよい。また、一つの空力制御装置は、複数の回転体を含んでいてよく、複数の回転体は、例えば、それぞれの回転軸を互いに平行な状態で車体表面に並置されてよい。回転制御部は、任意の態様にて空力制御が要求されたときに、回転部材の駆動モータに制御指令を与え、回転部材の回転作動を制御するよう構成されてよい。
上記の構成に於いては、端的に述べれば、少なくとも二つの回転部材から成る回転体が、車体表面に配置され、回転制御部の制御の下で、回転部材が回転される。かかる回転部材が走行中の車両の車体表面に於いて回転すると、車体表面周りを流れる空気流が、少なくとも二つの回転部材の回転の態様に依存して、変化し、車体周りの流れの剥離域又は付着域の範囲に変化が生ずることとなる。そこで、本発明に於いては、車両の走行状態、特に、車体周りの流れの状況に応じて、回転部材の回転を能動的に制御し、これにより、車体周りの流れの剥離域又は付着域の制御が図られる。より具体的には、回転部材の回転の態様として、まず、車体表面上の空気の流れに沿った方向に回転部材を回転する場合には、空気流を車体表面上から剥離せずに車体表面に沿って流れるよう制御することが可能となる。また、車体表面上の空気の流れと逆方向に回転部材を回転する場合には、空気流を車体表面上から或る程度剥離して流すことが可能となる。更にまた、縦列した少なくとも二つの回転部材に於いて、互いに反対の方向に回転すると、空気流を車体表面上から大きく剥離して流すことが可能となる。これは、二つの回転部材の境界に於いて、せん断流れが形成され、これにより、渦流が形成されることによる。そして、空気流が車体表面上から剥離すればするほど、車体に対する空気力の作用が低減されるので、車体周りの流れの状況に応じて、回転部材の回転の態様を種々選択することにより、車体周りの流れによる車両の走行挙動の作用を制御することが可能となる。
車体表面に於ける回転体の配置は、車体の構造や車両に要求される挙動等に応じて適宜決定されてよい。一つの態様に於いて、本発明の装置は、典型的には、車体のヨー挙動制御の空力的な支援に有利に用いられ、その場合、車体に対して水平方向の空気流がヨー挙動に空力的に影響を及ぼすので、水平方向の空気流を変化させるべく、回転体は、その回転軸が略鉛直方向に延在するよう配置されてよい。また、ヨー挙動に空力的に影響を及ぼす空気の流れは、横風であり、横風は、走行中の車両に於いては、斜め前方から車体に当たるので、回転体は、好適には、車両の前方の角領域に配設される。また、更に、空気流に対する回転体の回転作用は、車体表面にできるだけ近いところで発生させる方が有利であるので、一つの実施形態に於いて、好ましくは、回転体は、バンパやフロントフェンダーパネル前方などの、車両の前方部材の角領域の外表面より内側に配設され、少なくとも二つの回転部材の回転する表面が車両の側面に於ける前方部材の外表面外に露出された状態にて配置されてよい。なお、この場合、回転体の配置されている側の回転体よりも後方の車体表面を流れる空気流が制御されることとなる。
また、もう一つの態様に於いて、回転体が、回転軸を略鉛直方向に向けた状態で、車両の車体の前方部分の角領域の上側表面から上方へ突出した状態で配置されよい。この場合、車両の一方の側から車体上面を通過して他方の側へ流れる空気流の状態の制御が可能となる。なお、かかる構成に於いては、回転体を、車体の前方部分の上側表面から上方へ突出した突出位置と、車両の車体の前方部分の上側表面よりも内側に収納した収納位置との間にて移動するための機構(回転体移動部)が設けられ、回転体を適宜突出又は収納して空気流の制御が選択的に実行できるようになっていてよい。また、回転体が車体の前方側部に設けられるコーナーポールとして利用されてよい。
かくして、本発明によれば、上記のいずれかの態様にて構成された空力制御装置を備えた車両が提供されることとなる。
なお、上記の空力制御装置の構成は、航空機、ホバークラフト、リニアモータカー、船舶などのその他の移動体にも適用可能である。従って、本発明のもう一つの態様によれば、移動体の空力制御装置であって、同一の回転軸周りにて互いに独立の回転速度にて回転される少なくとも二つの回転部材にして胴体表面にて回転軸方向に縦列された少なくとも二つの回転部材から構成される回転体と、少なくとも二つの回転部材の回転を制御する回転制御部とを含む装置及びかかる空力制御装置を備えた移動体が提供される。
総じて、上記の本発明によれば、車体又は胴体表面に適宜配設された回転体の能動的な回転による車体又は胴体表面の空気流の制御によって、走行中の車体又は胴体の空力特性の改善が図られる。特に、本発明に於いては、回転体の回転部材の回転の態様を種々変更でき、また、空気流の制御の要否に応じて制御を適切な時期に実行可能となる。従って、単に予め想定される定常的な空気流に対応すべく固定的に配置される従前の整流部材や整流構造とは異なり、本発明によれば、非定常的な或いは過渡的な流れ現象が生ずる状況に於いても、生じた現象に応じた空気流の制御を選択的に実行可能である。
本発明のその他の目的及び利点は、以下の本発明の好ましい実施形態の説明により明らかになるであろう。
図1(A)は、本発明の空力制御装置の第一の実施形態の模式的な斜視図と制御構成図である。図1(B)は、本発明の空力制御装置の回転体の配置を説明する図である。図1(C)は、本発明の空力制御装置が装備された車両の前方斜視図である。図1(D)は、本発明の空力制御装置の第一の実施形態の作動によって達成される、受容する風の偏揺角に対するヨーモーメント係数CYの変化をグラフの形式で表した図である。 図2は、車体の右前方から風を受けた場合の本発明の空力制御装置の第一の実施形態の回転体の作動状況と車体周りの空気流の流れを模式的に表した図である。(A)左右の回転体の回転方向を、風の向きと一致させた場合。(B)風の向きの逆方向に左の回転体の下の回転部材を回転した場合。(C)風の向きの逆方向に左の回転体の上下の回転部材を回転した場合。(D)左の回転体の上下の回転部材を互いに逆向きに回転した場合。 図3(A)は、本発明の空力制御装置の第二の実施形態が装備された車両の前方斜視図である。図3(B)は、本発明の空力制御装置の第二の実施形態の構成を模式的に表す図である。図3(C)は、本発明の空力制御装置の第二の実施形態の制御構成図である。図3(D)は、本発明の空力制御装置の第二の実施形態の作動によって達成される、受容する風の偏揺角に対するヨーモーメント係数CYをグラフの形式で表した図である。 図4は、車体の左前方から風を受けた場合の本発明の空力制御装置の第二の実施形態の回転体の作動状況と車体周りの空気流の流れを模式的に表した車両の斜視図(左)と上面図(右)である。(A)空力制御装置が作動していない場合。(B)二つの回転体を回転せずに突出させた場合。(C)四つの回転体を回転せずに突出させた場合。(D)四つの回転体を突出させて回転した場合。
1、10…回転体
2、3、12、13…回転部材の回転モータ
4、14…上回転部材
5、15…下回転部材
6…中間支持枠
7…支持枠
12a…回転軸
20…支持台
22…ギヤ
23…回転体上下動モータ
以下に添付の図を参照しつつ、本発明を幾つかの好ましい実施形態について詳細に説明する。図中、同一の符号は、同一の部位を示す。
第一の実施形態
(1)装置の構成
図1(A)〜(C)を参照して、本発明の車両の空力制御装置の第一の実施形態は、車体が受ける風又は空気流に接触してその状態を制御する回転体1と、かかる回転体の回転作動を制御する制御部100とから構成される。まず、回転体1に於いては、概ねコの字状の支持枠7の両端部の間に、上回転部材4と下回転部材5とが、円形の中間支持枠6を介して、縦列され、それぞれ、モータ2、3(図示せず)により、回転軸Z周りに回転可能となっている。そして、回転体1は、図1(B)、(C)に例示されている如く、典型的には、回転軸Zが略鉛直方向に延在するように、車両前方の角領域、例えば、バンパやフロントフェンダーパネル前方などの、車両の前方部材の内側に埋設され、回転部材の表面の一部が車体表面外部に露出されるよう、前方部材にスリットが形成される。なお、空力制御装置は、車両の左右両側にそれぞれ設けられていてよく、また、一つの側に、複数個(図中、a〜dの四個)の回転体1が、車両の前方部材の表面に沿って、羅列されていてよい。
一方、制御部100に於いては、回転体1の上回転部材4と下回転部材5とのそれぞれの回転を制御するよう構成される。具体的には、まず、上回転部材4を回転の要否と回転の方向とを指示する上ローラ回転指令信号と下回転部材5を回転の要否と回転の方向とを指示する下ローラ回転指令信号とが、それぞれ、対応するモータコントローラへ与えられる。そして、モータコントローラは、指令信号に応答して、モータドライバを通じて、モータ電源からの電力によりモータ2、3を適宜回転する。なお、上ローラ回転指令信号と下ローラ回転指令信号とは、運転者の指示により、或いは、車両の走行状態に応じて、適宜発せられるようになっていてよい。回転部材の回転の態様に関して、後に詳細に説明される如く、車両に装備された各回転体1のうち、回転される回転体の数、上下回転部材の回転方向、車体が受ける風の方向等によって、回転体よりも後方の空気流の状態、剥離域の範囲等が変化し、これにより、車両の挙動に及ぼす空気流の作用が変化することとなる。そこで、本実施形態に於いては、空気流の作用を適切にするべく、回転される回転体の数、上下回転部材の回転方向を適宜選択できるようになっていてよい。
(2)装置の作動
既に触れた如く、車体の前方部材に回転体1を配備した本発明の空力制御装置に於いて、回転体1の上下回転部材の回転状態を種々変更することにより、車体周りの空気流の制御が可能となる。以下、図2を参照して、上下回転部材の回転状態に対応した車体周りの空気流の状況を説明する。なお、図2の例に於いては、全て、車両の走行中に右から横風が到来し、これにより、横風と走行風との合成風の空気流が車両の右前方から車体周りを流れる場合が説明されている。横風が左から到来する場合には、上下回転部材の回転状態と空気流の変化は、図2の場合と左右対称となる。
まず、図2(A)の如く、車体左右に於いて、回転体1の上下回転部材の露出表面の移動方向が空気流の向きと一致するよう上下回転部材4、5を回転させた場合、車体のタイヤハウス近傍を流れる空気流が整流され、空気抵抗が低減できることとなる。即ち、一般に、タイヤハウス近傍に於いては、タイヤの上半分の表面に於いて移動方向が空気流の向きと逆向きとなるため、空気流が乱れ、空気抵抗の増大を惹起することとなる。しかしながら、図2(A)の如く、回転体1の上下回転部材の回転を空気流に沿う方向にすると、タイヤの回転による空気流の乱れが抑制される効果が得られる。
次に、図2(B)、(C)の如く、車体左側の回転体1の回転部材の露出表面の移動方向が空気流の向きと逆向きとなるよう上下回転部材4、5を回転させた場合、回転部材後方の車体周りの空気流に於いて渦が発生し、剥離域が形成されることとなる。ここで、図2(B)の右図の車両の斜視図に示されている如く、下回転部材のみを回転させた場合には、その流れ制御域(影響を受ける空気流の範囲)は、タイヤの略下半分の高さの範囲となり、図2(C)の右図の車両の斜視図に示されている如く、上下回転部材を回転させた場合には、その流れ制御域は、タイヤの略全域高さの範囲となる。従って、剥離域の大きさの程度は、下回転部材のみを回転させた場合に比して、上下回転部材を回転させた方が、大きくなる。そして、かかる剥離域が形成され、その範囲が大きくなるほど、空気流による車体のヨー方向への作用が低減され、これにより、車両のヨー挙動が風の影響を受け難くなる。
更に、図2(D)の如く、車体左側の回転体1の回転部材の露出表面の移動方向が上下の回転部材4、5とで互いに逆向きにすると、その流れ制御域に於いて渦が大きくなり、剥離域が拡大されることが見出された。これは、上下の回転部材4、5の回転方向が異なることにより、それらの境界領域でせん断流れが発生し、この作用によって、風下の渦が大きくなったためと考えられる。
かくして、上記の如く、回転体1の上下回転部材の回転の態様を変更することにより、車体の側方を流れる空気流に於ける剥離域の大きさが制御され、これにより、車両のヨー挙動に対する風の作用の制御が可能となる。図1(D)は、車体が受容する風の偏揺角(車体正面前方を0度として、車体のヨー方向に図った風の角度)に対するヨーモーメント係数CYが回転体1の上下回転部材の回転状態によって変化することを示したグラフである。(ヨーモーメント係数CYは、CY=M/(1/2ρV・A・WB)により与えられ、風による発生するヨーモーメントの大きさを無次元化した量である。ここで、Mは、ヨーモーメント、ρは、空気密度、Vは、相対風速、Aは、前面投影面積、WBは、ホイールベース長である。)同図を参照して理解される如く、回転体1に於いて、回転体の回転動作なしの場合に比して、回転体1の下回転部材のみ空気流と逆方向に回転させた場合(a〜d下回転)、回転体1の上下回転部材を空気流と逆方向に回転させた場合(a〜d上下回転)、回転体1の上下回転部材を互いに逆方向に回転させた場合(a〜d上下反転回転)となるにつれて、ヨーモーメント係数CYが低下することとなる。ヨーモーメント係数CYが低下するほど、風によるヨー挙動の影響が低減するので、同図は、上下回転部材の回転の態様を変更することにより、横方向安定性を調節することが可能となることを示している。即ち、本発明の車両の空力制御装置の第一の実施形態によれば、回転体1の上下回転部材の回転の態様を制御することにより、車体周りの空気力の制御及び横方向安定性の調節が可能となる。
第二の実施形態
(1)装置の構成
図3(A)を参照して、本発明の車両の空力制御装置の第二の実施形態に於いては、図示の如く、車両前方の上側表面から突出する支柱状の部材10が設けられる。かかる支柱状部材10は、図3(B)に例示されている如く、第一の実施形態の場合と同様に、上回転部材14と下回転部材15とからなる回転体10であってよく、また、同図左の如く、回転体10全体が車体表面より下に収納された収納状態と、同図右の如く、回転体10の略全体が車体表面より上に突出した突出状態との間にて上下動できるようになっていてよい。かかる構成について、より詳細には、回転体10の下部には、ギヤ22と係合する溝が形成された支持台20が連結され、上下動モータ23によりギヤ22が適宜回転することにより、支持台20が上下に移動し、回転体10が収納状態又は突出状態に位置決めされるようになっていてよい。また、回転体10の上回転部材14と下回転部材15は、それぞれ、回転モータ12、13により、独立に回転可能であってよい。更に、図3(A)の如く、回転体10は、車両の前方角領域の左右両側にそれぞれ設けられていてよく、また、一つの側に、複数個(図中、a〜dの四個)の回転体10が、車両の前方角領域の上表面に沿って、羅列されていてよい。なお、回転体10は、典型的には、コーナーポールと類似の形状を有しているので、コーナーポールとして利用されてもよい。(或いは、コーナーポールを本発明の空力制御装置として利用できるよう改良してもよい。)
上記の回転体10の上下動と、回転体10の上回転部材14と下回転部材15の回転作動とは、図3(C)に例示されている如き、制御部にて制御されてよい。同図の制御部に於いては、まず、回転体10が収納状態にある時に、回転体10を突出状態にする場合には、そのための上下動制御指令が、モータコントローラへ与えられる。そして、この場合、モータコントローラは、モータドライバを通じて、モータドライバを通じて、モータ電源からの電力により、各回転体10に対応する上下動モータ23を作動し、これにより、回転体10が車体表面上に突出する。また、回転体10の上回転部材14と下回転部材15を回転させるときには、モータコントローラへ回転制御指令が与えられ、モータコントローラは、モータドライバを通じて、モータドライバを通じて、各回転体10の上回転部材14及び/又は下回転部材15に対応する回転モータを作動し、上回転部材14及び/又は下回転部材15を回転する。なお、上下動制御指令と回転制御指令とは、運転者の指示により、或いは、車両の走行状態に応じて、適宜発せられるようになっていてよい。回転体の突出と回転部材の回転の態様に関して、後に詳細に説明される如く、車両に装備された各回転体1のうち、突出又は回転される回転体の数、上下回転部材の回転の有無とそれらの回転方向、車体が受ける風の方向等によって、回転体から車体上面を通過して反対の側へ回り込む空気流の状態、剥離域の範囲等が変化し、これにより、車両の挙動に及ぼす空気流の作用が変化することとなる。そこで、本実施形態に於いては、空気流の作用を適切にするべく、突出又は回転される回転体の数、上下回転部材の回転の有無とそれらの回転方向を適宜選択できるようになっていてよい。
(2)装置の作動
車体の前方角領域に回転体10を配備した本発明の空力制御装置に於いては、車体上面に突出される回転体10の数、突出された上下回転部材の回転状態を種々変更することにより、車体周りの空気流の制御が可能となる。以下、図4を参照して、回転体10の突出状態及び上下回転部材の回転状態に対応した車体周りの空気流の状況を説明する。なお、図4の例に於いては、全て、車両の走行中に左から横風が到来し、これにより、横風と走行風との合成風の空気流が車両の左前方から車体上面を通って右後方を流れる場合が説明されている。横風が右から到来する場合には、回転体10の突出状態及び上下回転部材の回転状態と空気流の変化の態様は、図4の場合と左右対称となる。
まず、図4(A)の如く、回転体10が突出していない場合には、合成風の空気流は、車両上面から右後方へ向かって車体表面に付着した状態で流れる。次に、図4(B)〜4(C)の如く、回転体10を回転させずに、回転体10を突出させると、回転体10を通過した後の空気流に於いて、渦が発生し、空気流の剥離域が形成される。かかる構成に於いて、回転体10の突出数を増やすと、流れ制御域が拡大し、渦の発生領域と程度は増大し、車体表面上に於ける空気流の剥離域も拡大される。更に、図4(D)の如く、回転体10を突出させた状態で、上下回転部材を互いに逆方向に回転させると、それらの界面に於いてせん断流れに起因する渦が発生し、この影響により、風下の空気流の剥離域が更に拡大されることとなる。
既に第一の実施形態の説明に於いても述べた如く、車体表面上に於ける空気流の剥離域が拡大されるほど、車体に作用する負圧が低減され、車体に作用する風によるヨーモーメントが低減される。図3(D)は、本実施形態による回転体の突出数と回転状態を種々変更した場合の、車体が受容する風の偏揺角に対するヨーモーメント係数CYの変化を示したグラフである。同図を参照して理解される如く、回転体を突出させていない場合(動作なし)に比して、車体表面上に突出させる回転体の数を増大すると、ヨーモーメント係数CYは、低減し、更に、回転体の上下回転部材の回転(互いに逆方向の回転)を実行すると、回転体を回転させていない場合よりも、更に、ヨーモーメント係数CYは、低減される。既に述べた如く、ヨーモーメント係数CYが低下するほど、風によるヨー挙動の影響が低減するので、同図は、回転体の突出数と上下回転部材の回転の態様を変更することにより、横方向安定性を調節することが可能となることを示している。また、回転体を突出させると、空気抵抗は増大することとなるので、回転体の突出は、空気制動として利用されてもよい。
以上の説明は、本発明の実施の形態に関連してなされているが、当業者にとつて多くの修正及び変更が容易に可能であり、本発明は、上記に例示された実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の概念から逸脱することなく種々の装置に適用されることは明らかであろう。
特に、少なくとも二つの縦列された回転部材を逆向きにして回転し、これにより、その境界にせん断流れを生ずる構成によれば、その風下に於いて、渦が発生することにより、車体表面からの剥離域を形成することが可能となる。かかる原理による回転体は、図1又は図3に例示された部位以外の位置又は向きに設けられてもよく、そのような場合も本発明の範囲に属すると理解されるべきである。
また、第二の実施形態に於いて、支柱状の部材10は、回転しない支柱であってもよい。その場合、回転のための機構は省略される(即ち、回転体10は、単なる上下可能な支柱部材10となる。)。支柱状の部材10が回転しなくても、その突出した支柱の数によって剥離域の形成と調節が或る程度可能であることは理解されるべきである。
更に、上記に説明された一連の空力制御装置の構成は、航空機、ホバークラフト、リニアモータカー、船舶などのその他の移動体の胴体に適用され、胴体周囲の空力の制御に用いられてもよく、そのような場合も本発明の範囲に属すると理解されるべきである。

Claims (9)

  1. 車両の空力制御装置であって、略鉛直方向に延在する同一の回転軸周りにて互いに独立の回転速度にて回転される少なくとも二つの回転部材にして車体表面にて前記回転軸方向に縦列された少なくとも二つの回転部材から構成される回転体と、前記少なくとも二つの回転部材の回転を制御する回転制御部とを含み、前記回転体に於いて前記少なくとも二つの回転部材が互いに反対の方向に回転される装置。
  2. 請求項1の装置であって、前記回転体が前記車両の前方の角領域に配設されている装置。
  3. 請求項1又は2の装置であって、前記回転体が前記車両の前方部材の角領域の外表面より内側に配設され、前記少なくとも二つの回転部材の回転する表面が前記前方部材の外表面外に露出されている装置。
  4. 請求項1又は2の装置であって、前記回転体が、前記回転軸を略鉛直方向に向けた状態で、前記車両の車体の前方部分の角領域の上側表面から上方へ突出している装置。
  5. 請求項4の装置であって、前記回転体を、車体の前方部分の上側表面から上方へ突出した突出位置と前記車両の車体の前方部分の上側表面よりも内側に収納した収納位置との間にて移動する回転体移動部を含む装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれかの空力制御装置を備えた車両。
  7. 請求項1乃至6のいずれかの装置であって、前記回転体が前記車両のコーナーポールである装置。
  8. 移動体の空力制御装置であって、略鉛直方向に延在する同一の回転軸周りにて互いに独立の回転速度にて回転される少なくとも二つの回転部材にして胴体表面にて前記回転軸方向に縦列された少なくとも二つの回転部材から構成される回転体と、前記少なくとも二つの回転部材の回転を制御する回転制御部とを含み、前記回転体に於いて前記少なくとも二つの回転部材が互いに反対の方向に回転される装置。
  9. 請求項8の空力制御装置を備えた移動体。
JP2013004905A 2013-01-15 2013-01-15 車両又は移動体の空力制御装置及び空力制御装置を備えた車両又は移動体 Expired - Fee Related JP5928351B2 (ja)

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