JP5927780B2 - ポリカーボネート樹脂及びフィルムの製造方法 - Google Patents
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Description
[1]ガラス転移温度が110℃以上150℃以下、濃度0.6g/dLの塩化メチレン溶液の20℃における還元粘度が0.30以上0.46以下のポリカーボネート樹脂であって、当該樹脂を成形してなるフィルムの波長450nmで測定した位相差(Re450)と波長550nmで測定した位相差(Re550)との比(Re450/Re550)が、0.50以上0.93以下である、ポリカーボネート樹脂。
[2]
前記ポリカーボネート樹脂を成形してなるフィルムの波長450nmで測定した位相差(Re450)と波長550nmで測定した位相差(Re550)との比(Re450/Re550)が、0.50以上0.90以下である、[1]に記載のポリカーボネート樹脂。
[3]測定温度240℃、剪断速度91.2sec−1における溶融粘度が、1500Pa・s以上3500Pa・s以下である、[1]または[2]に記載のポリカーボネート樹脂。
[4]光弾性係数が、40×10−12Pa−1以下である、[1]から[3]のいずれか1つに記載のポリカーボネート樹脂。
[5]前記ポリカーボネート樹脂のガラス転移温度より15℃高い温度条件下で、固定端2.0倍延伸したときの複屈折が、0.001以上である、[1]から[4]のいずれか1つに記載のポリカーボネート樹脂。
[6]前記ポリカーボネート樹脂が、下記式(1)で表されるジヒドロキシ化合物に由来する構造単位を含む[1]から[5]のいずれか1つに記載のポリカーボネート樹脂。
[7]前記式(1)で表されるジヒドロキシ化合物に由来する構造単位を含むポリカーボネート樹脂であって、該ジヒドロキシ化合物に対する、下記式(2)で表される化合物群の合計含有量が400ppm以下である、[6]に記載のポリカーボネート樹脂。
[8]前記式(1)で表されるジヒドロキシ化合物以外に、構造の一部に下記式(3)で表される部位を有するジヒドロキシ化合物に由来する構造単位を含む、[1]から[7]のいずれか1つに記載のポリカーボネート樹脂。
[9]前記式(3)で表される部位を有するジヒドロキシ化合物が、環状構造を有し、かつエーテル構造を有する化合物である[8]に記載のポリカーボネート樹脂。
[10]構造の一部に前記式(3)で表される部位を有するジヒドロキシ化合物が、下記式(4)で表されるジヒドロキシ化合物である、[8]または[9]に記載のポリカーボネート樹脂。
[12]前記ポリカーボネート樹脂が、芳香族モノヒドロキシ化合物を700重量ppm以下含有する、[1]から[11]のいずれか1つに記載のポリカーボネート樹脂。
[13]前記ポリカーボネート樹脂中の、ナトリウム、カリウムおよびセシウムの合計含有量が、前記ポリカーボネート樹脂を構成するジヒドロキシ化合物に由来する構造単位1mol当たり、1μmol以下である、[1]から[12]のいずれか1つに記載のポリカーボネート樹脂。
[14]前記ポリカーボネート樹脂中の、前記ポリカーボネート樹脂を構成するジヒドロキシ化合物に由来する構造単位1mol当たりの全硫黄元素含有量をA[μmol]、長周期型周期表における第1族金属元素および第2族金属元素の合計含有量をB[μmol]とした場合に、Aに対するBの比率(B/A)が2以下である、[1]から[13]のいずれか1つに記載のポリカーボネート樹脂。
[15]前記ポリカーボネート樹脂中の、前記式(1)で表されるジヒドロキシ化合物に由来する構造単位に対する前記式(2)で表される化合物群の合計含有量をa[ppm]、前記ポリカーボネート中の、前記式(1)で表されるジヒドロキシ化合物に由来する構造単位1molに対するポリカーボネート中に含まれる長周期型周期表第1族金属および第2族金属の合計量をb[μmol]とした場合に、bに対するaの比率(a/b)が20以下である、[1]から[14]のいずれか1つに記載のポリカーボネート樹脂。
[16]前記ポリカーボネート樹脂中の前記式(1)で表されるジヒドロキシ化合物に由来する構造単位1molに対して、長周期型周期表第2族金属およびリチウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属化合物を0.5μmol以上50μmol以下含有する、[1]から[15]のいずれか1つに記載のポリカーボネート樹脂。
[17]前記ポリカーボネート樹脂が、脂肪族ジヒドロキシ化合物、脂環式ジヒドロキシ化合物、オキシアルキレングリコールおよび環状アセタール構造を有するジオールからなる群より選ばれた少なくとも1種の化合物に由来する構成単位を、さらに含むことを特徴とする[1]から[16]のいずれか1つに記載のポリカーボネート樹脂。
[18]前記式(1)で表されるジヒドロキシ化合物を含むジヒドロキシ化合物と、前記式(5)で表される炭酸ジエステルとを、溶融重縮合してなる[1]から[17]に記載のポリカーボネート樹脂。
[19]前記ポリカーボネート樹脂を構成するジヒドロキシ化合物に由来する構造単位の、由来となるすべてのジヒドロキシ化合物が、5kPaにおける沸点が200℃以上のジヒドロキシ化合物である、[1]から[18]のいずれか1つに記載のポリカーボネート樹脂。
[20]下記式(1)で表されるジヒドロキシ化合物と、構造の一部に下記式(3)で表される部位を有するジヒドロキシ化合物とを含むジヒドロキシ化合物混合体と、下記式(5)で表される炭酸ジエステルとを、触媒の存在下、重縮合することにより得られるポリカーボネート樹脂であって、該触媒が長周期型周期表における2族金属およびリチウムからなる群より選ばれた少なくとも1種の金属を含む化合物であり、該ポリカーボネート樹脂中の長周期型周期表における第1族金属元素および第2族金属元素の合計含有量が、該ポリカーボネート樹脂を構成するジヒドロキシ化合物に由来する構造単位1mol当たり、20μmol以下である、ことを特徴とするポリカーボネート樹脂。
[21][1]から[20]のいずれか1つに記載のポリカーボネート樹脂を製膜してなる、フィルム。
[22]前記透明フィルムが、少なくとも一方向に延伸されてなるものである、[21]に記載のフィルム。
[23]波長450nmで測定した位相差(Re450)と波長550nmで測定した位相差(Re550)の比(Re450/Re550)が、0.5以上0.93以下である、[21]または[22]に記載のフィルム。
[24]波長450nmで測定した位相差(Re450)と波長550nmで測定した位相差(Re550)の比(Re450/Re550)が、0.5以上0.90以下である、[21]または[22]に記載のフィルム。
[25]光弾性係数が40×10−12Pa−1以下である、[21]から[24]のいずれか1つに記載のフィルム。
(ガラス転移温度)
本発明のポリカーボネート樹脂のガラス転移温度は、110℃以上150℃以下である。ポリカーボネート樹脂のガラス転移温度が低すぎると、使用環境下において必要な耐熱性が不足し、成形後に透明性が低下したり寸法変化を起こしたりする可能性がある。また、光学フィルムとして使用した際には、分子鎖の緩和が生じるなどして、光学特性を保てなくなるおそれがあるため、より好ましくは115℃以上であり、更に好ましくは120℃以上である。
本発明のポリカーボネート樹脂は、濃度0.6g/dLの塩化メチレン溶液の20℃における還元粘度が0.30以上0.46以下であるが、還元粘度が低すぎると、機械物性が低下し、例えば靭性などが低下するとフィルムのような厚さの薄いものの成形や、それを延伸加工することが困難となるため、より好ましくは0.33以上、更に好ましくは0.35以上である。
本発明のポリカーボネート樹脂は特に各種ディスプレイ(液晶表示装置、有機EL表示装置、プラズマ表示装置、FED電界放出表示装置、SED表面電界表示装置)の視野角補償用、外光の反射防止用、色補償用、直線偏光の円偏光への変換用などに用いられる光学補償フィルムとして有用である。この用途には、該ポリカーボネート樹脂を成形してなるフィルムの波長450nmで測定した位相差(Re450)の波長550nmで測定した位相差(Re550)に対する比率(Re450/Re550)が0.50以上、0.93以下となることが好ましく、さらには0.70以上、0.91以下であることが好ましく、特には0.85以上、0.90以下であることが好ましい。
上記の位相差フィルムは、更に適切な範囲の位相差を有していることが好ましい。位相差はフィルムの複屈折と厚みの積によって決まるため、所定の位相差を持ちながらフィルムを薄型とするには、フィルムの複屈折が高いことが好ましい。本発明のポリカーボネート樹脂において、ガラス転移温度+15℃の条件下で固定端2.0倍延伸したときの複屈折は、0.001以上であることが好ましく、さらには0.0015以上、特には0.0020以上が好ましい。
本発明のポリカーボネート樹脂は、光弾性係数が40×10−12Pa−1以下であることが好ましい。さらには35×10−12Pa−1以下であることが好ましく、30×10−12Pa−1以下であることが特に好ましい。光弾性係数が40×10−12Pa−1より大きいと、前記透明フィルムを位相差フィルムとして偏光板に貼り合わせ、さらにこの偏光板を表示装置に搭載させたときに、貼り合わせ時の応力により、視認環境やバックライトの熱で位相差フィルムに部分的応力がかかり、不均一な位相差変化が生じ、画面の周囲が白くぼやけるような画像品質の低下が起きる可能性がある。特に大型の表示装置に用いられる場合にはこの問題が顕著に現れる。
ポリカーボネート樹脂の機械物性や色調、あるいは溶融重合時や成形加工時の流動性などの面から、ポリカーボネート樹脂の溶融粘度は適切な範囲に収める必要がある。溶融粘度が高すぎると、機械物性は向上するものの、高い加工温度が必要となるために、樹脂の着色や熱分解を抑制することが難しくなる。
本発明のポリカーボネート樹脂は、下記式(1)で表されるジヒドロキシ化合物に由来する構造単位を含むことが好ましい。
前記式(1)で表されるジヒドロキシ化合物(以下「フルオレン系ジヒドロキシ化合物」と称する場合がある。)において、m、nがともに1のものが優れた機械物性と耐熱性を発現するため、好適に用いられる。
本発明のポリカーボネートは、前記式(1)で表されるジヒドロキシ化合物を含むジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとを原料として、エステル交換反応により重縮合させて得ることが好ましい。
本発明のポリカーボネートは、上述のようにフルオレン系ジヒドロキシ化合物を含むジヒドロキシ化合物と前記式(5)で表される炭酸ジエステルをエステル交換反応させて製造する。より詳細には、エステル交換させ、副生するモノヒドロキシ化合物等を系外に除去することによって得られる。このエステル交換反応の際には、エステル交換反応触媒存在下で重縮合を行うが、本発明のポリカーボネートの製造時に使用し得るエステル交換反応触媒(以下、単に触媒、重合触媒と言うことがある)は、反応速度や重縮合して得られるポリカーボネートの色調に非常に大きな影響を与え得る。
本発明のポリカーボネート樹脂は、下記式(2)で表される化合物群を合計量で400ppm以下含有するものであることが好ましい。
本発明のポリカーボネート樹脂は通常、ジヒドロキシ化合物と前記式(5)で表される炭酸ジエステルとを触媒の存在下、エステル交換反応により重縮合させることによって得ることができる。
本発明に係るフィルムの製造法としては溶融押出法が生産性の点から好ましい。溶融押出法においては、Tダイを用いて樹脂を押し出し、冷却ロールに送る方法が好ましく用いられる。この時の溶融温度はポリカーボネートの分子量、Tg、溶融流動特性などから決められるが、180℃〜320℃の範囲であることが好ましく、200℃〜300℃の範囲がより好ましい。該温度が高すぎると熱劣化による着色や異物やシルバーの発生による外観不良、Tダイからのダイラインなどの問題が起きやすくなる。該温度が低すぎると粘度が高くなり、ポリマーの配向、応力歪みが残りやすい。
フィルムの製造法としては溶液キャスト法を用いることもできる。溶媒としては、例えば、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、ジオキソラン、ジオキサンなどが好適に用いられる。溶液キャスト法で得られるフィルム中の残留溶媒量は2重量%以下であることが好ましく、より好ましくは1重量%以下である。2重量%以上と残留溶媒量が多いとフィルムのガラス転移温度の低下が著しくなり耐熱性の点で好ましくない。
本発明のフィルムの厚みとしては、30μm〜400μmの範囲が好ましく、より好ましくは40μm〜300μmの範囲である。かかるフィルムをさらに延伸して位相差フィルムとする場合には、該位相差フィルムの所望の位相差値、厚みを勘案して上記範囲内で適宜決めればよい。
かくして得られたフィルムは延伸配向されることにより、位相差フィルムとすることができる。延伸方法としては縦一軸延伸、テンター等を用いる横一軸延伸、あるいはそれらを組み合わせた同時二軸延伸、逐次二軸延伸など公知の方法を用いることができる。バッチ式で行ってもよいが、連続で行うことが生産性において好ましい。さらにバッチ式に比べて、連続の方がフィルム面内の位相差のばらつきの少ない位相差フィルムが得られる。
BHEPF:9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル)フルオレン (大阪ガスケミカル株式会社製)
ISB:イソソルビド (ロケットフルーレ社製、商品名:POLYSORB PS)
CHDM:1,4−シクロヘキサンジメタノール (新日本理化株式会社製)
TCDDM:トリシクロデカンジメタノール(オクセア製)
DEG:ジエチレングリコール (三菱化学株式会社製)
PEG#1000:ポリエチレングリコール数平均分子量1000 (三洋化成株式会社製)
DPC:ジフェニルカーボネート (三菱化学株式会社製)
1)ポリカーボネート樹脂のガラス転移温度
ポリカーボネート樹脂のガラス転移温度は示差走査熱量計(エスアイアイ・ナノテクノロジー社製DSC6220)を用いて測定した。ポリカーボネート樹脂サンプル約10mgを同社製アルミパンに入れて密封し、50mL/分の窒素気流下、昇温速度20℃/分で室温から250℃まで昇温した。3分間温度を保持した後、30℃まで20℃/分の速度で冷却した。30℃で3分保持し、再び200℃まで20℃/分の速度で昇温した。2回目の昇温で得られたDSCデータより、補外ガラス転移開始温度を採用した。
ポリカーボネート樹脂を溶媒として塩化メチレンを用い溶解し、0.6g/dLの濃度のポリカーボネート溶液を調製した。ウベローデ型粘度管(森友理化工業社製)を用いて、温度20.0℃±0.1℃で測定を行い、溶媒の通過時間t0と溶液の通過時間tから次式より相対粘度ηrelを求め、
ηrel=t/t0
相対粘度から次式より比粘度ηspを求めた。
ηsp=(η−η0)/η0=ηrel−1
比粘度を濃度c(g/dL)で割って、還元粘度ηsp/cを求めた。
ポリカーボネート樹脂試料約0.5gを精秤して三角フラスコに入れ、塩化メチレン5mLを加え、攪拌して溶解した後、メタノール45mLと25%水酸化ナトリウム5mLを加えた。溶液を80℃に加熱して、還流下、30分間反応させた。反応後、6N塩酸7mLとTHF10mLを加えて、100mLメスフラスコに溶液を全量移し、純水でメスアップした。調製した溶液を0.2μmディスクフィルターで濾過して、液体クロマトグラフィーの測定を行った。式(1)で表されるジヒドロキシ化合物、および式(2)で表される成分を定量し、式(1)で表されるジヒドロキシ化合物に対する式(2)で表される成分の含有量を計算した。本実施例ではBHEPFを用いて検量線を作成し、絶対検量線法によって定量した。なお、式(2)で表される成分もBHEPFを用いた検量線によって定量したため、該成分の含有量は式(2)で表される化合物群の含有量の絶対値ではなく、BHEPFに換算した数値である。LCチャートを図1に示す。
・装置:(株)島津製作所製
システムコントローラ:CBM−20A
ポンプ:LC−10AD
カラムオーブン:CTO−10ASvp
検出器:SPD−M20A
分析カラム:Cadenza CD−18 Φ4.6mm×250mm
オーブン温度:60℃
・検出波長:300nm
・溶離液:A液:0.1%リン酸水溶液、B液:アセトニトリル、A/B=40/60(vol%)からA/B=0/100(vol%)まで10分間でグラジエント
・流量:1mL/min
・試料注入量:1μL(式(1)で表されるジヒドロキシ化合物の定量の場合)
10μL(式(2)で表される成分の定量の場合)
ポリカーボネート樹脂中の各ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位比は、ポリカーボネート樹脂30mgを秤取し、重クロロホルム約0.7mLに溶解し、溶液とし、これを内径5mmのNMR用チューブに入れ、日本電子社製JNM−AL400(共鳴周波数400MHz)を用いて常温で1H NMRスペクトルを測定した。各ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位に基づくシグナル強度比より各ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位比を求めた。
・装置:日本電子社製JNM−AL400(共鳴周波数400MHz)
・測定温度:常温
・緩和時間:6秒
・積算回数:128回
パーキンエルマー社製マイクロウェーブ分解容器にポリカーボネート樹脂ペレット約0.5gを精秤し、97%硫酸2mLを加え、密閉状態にして230℃で10分間マイクロウェーブ加熱した。室温まで冷却後、68%硝酸1.5mLを加えて、密閉状態にして150℃で10分間マイクロウェーブ加熱した後、再度室温まで冷却を行い、68%硝酸2.5mLを加え、再び密閉状態にして230℃で10分間マイクロウェーブ加熱し、内容物を完全に分解させた。室温まで冷却後、上記で得られた液を純水で希釈し、サーモクエスト社製ICP−MSで定量した。
試料約0.5gを精秤し、塩化メチレン5mLに溶解した後、総量が25mLになるようにアセトンを添加した。溶液を0.2μmディスクフィルターでろ過して、液体クロマトグラフィーにてフェノールとDPCの定量を行った後、含有量を算出した。
・装置:(株)島津製作所製
システムコントローラ:CBM−20A
ポンプ:LC−10AD
カラムオーブン:CTO−10ASvp
検出器:SPD−M20A
分析カラム:Cadenza CD−18 Φ4.6mm×250mm
オーブン温度:40℃
・検出波長:260nm
・溶離液:A液:0.1%リン酸水溶液、B液:アセトニトリル
A/B=40/60(vol%)からA/B=0/100(vol%)まで10分間でグラジエント
・流量:1mL/min
・試料注入量:10μL
・定量法:絶対検量線法
ポリカーボネート樹脂の色相は、ASTM D1925に準拠して、ペレットの反射光におけるイエローインデックス(YI)値を測定して評価した。装置はコニカミノルタ社製分光測色計CM−5を用い、測定条件は測定径30mm、SCEを選択した。シャーレ測定用校正ガラスCM−A212を測定部にはめ込み、その上からゼロ校正ボックスCM−A124をかぶせてゼロ校正を行い、続いて内蔵の白色校正板を用いて白色校正を行った。
内部を空気雰囲気とした120℃のオーブンに樹脂ペレットを入れ、200時間後に取り出し、前記(7)と同じ方法でYI値を測定した。熱老化試験後のYI値と前記(7)のYI値との差をΔYI値として表す。ΔYI値が小さいほど熱安定性が優れることを示す。
ポリカーボネート樹脂試料を白金製ボートに採取し、石英管管状炉(三菱化学株式会社社製AQF−100型)で加熱し、燃焼ガス中の硫黄分を0.03%の過酸化水素水溶液で吸収した。吸収液中のSO4 2−をイオンクロマトグラフ(Dionex社製ICS−1000型)で測定した。
80℃で5時間、真空乾燥をしたポリカーボネート樹脂試料を用いて、キャピラリーレオメーター(東洋精機(株)製)で測定を行った。反応温度と同じ温度に加熱して、剪断速度9.12〜1824sec−1間で溶融粘度を測定し、91.2sec−1における溶融粘度の値を用いた。ダイス径φ1mm×10mmLのオリフィスを使用した。
酸素計(AMI社製:1000RS)を使用し、測定した。
重合反応の留出液3mLを精秤し、アセトニトリルを加えて10mLとした。ガスクロマトグラフィーの測定を行い、留出液中に含有されているジヒドロキシ化合物の含有率を求めた。留出液全量の重量からジヒドロキシ化合物の留出量を計算し、重合反応に用いたジヒドロキシ化合物の仕込み量との比から留出率を求めた。
・装置:アジレント・テクノロジー社製 6850
・カラム:アジレント・テクノロジー社製 DB−1(内径250μm、長さ30m、膜圧0.25μm)
・オーブン温度:50℃ 3分保持 → 昇温10℃/min → 250℃
→ 昇温50℃/min → 300℃ 6分保持
・検出器:水素炎イオン化検出器
・注入口温度:250℃
・検出器温度:320℃
・キャリアガス:ヘリウム
・試料注入量:1μL
・定量法:絶対検量線法
He−Neレーザー、偏光子、補償板、検光子、光検出器からなる複屈折測定装置と振動型粘弾性測定装置(レオロジー社製DVE−3)を組み合わせた装置を用いて光弾性係数を測定した。(詳細は、日本レオロジー学会誌Vol.19,p.93〜97(1991)を参照。)
C=O’/E’
前述の熱プレスで得られたフィルムからから幅6cm、長さ6cmの試料を切り出した。この試料を、バッチ式二軸延伸装置(東洋精機社製)で、延伸温度をポリカーボネート樹脂のガラス転移温度+15℃、延伸速度を720mm/分(ひずみ速度1200%/min)で、延伸倍率2.0倍の一軸延伸を行った。このとき延伸方向に対して垂直方向は、保持した状態(延伸倍率1.0)で延伸を行った。
80℃で5時間、真空乾燥をしたポリカーボネート樹脂を、単軸押出機(いすず化工機社製、スクリュー径25mm、シリンダー設定温度:220℃)、Tダイ(幅200mm、設定温度:220℃)、チルロール(設定温度:120〜130℃)及び巻取機を備えたフィルム製膜装置を用いて、厚み100μmのフィルムを作製した。
前述した方法で製膜した溶融押出フィルムから幅6cm、長さ6cmの試料を切り出した。この試料をバッチ式二軸延伸装置(東洋精機社製)で、延伸温度をポリカーボネート樹脂のガラス転移温度+15℃に設定し、延伸速度720mm/分(ひずみ速度1200%/分)、2.0倍の一軸延伸を行い、透明フィルムを得た。このとき延伸方向に対して垂直方向は、保持した状態(延伸倍率1.0)で延伸を行った。
上記のフィルムを切り出したサンプルを前記位相差測定装置により波長590nmの位相差(Re590)を測定した。前記位相差を前記フィルムの厚み(t)で除し、下記式に従い、複屈折を求めた。
複屈折(Δn)=Re590/t
撹拌翼および100℃に制御された還流冷却器を具備した重合反応装置(1)に、BHEPFとISB、PEG#1000、DPC、および酢酸マグネシウム4水和物を、モル比率でBHEPF/ISB/PEG#1000/DPC/酢酸マグネシウム4水和物=0.445/0.552/0.003/1.015/1.20×10−5となるように仕込んだ。BHEPFは全硫黄元素量として4.1ppm含有するものを使用した。DPCは蒸留精製して塩化物イオン濃度を10ppb以下にしたものを使用した。
BHEPFとISB、PEG#1000、DPC、および酢酸マグネシウム4水和物を、モル比率でBHEPF/ISB/PEG#1000/DPC/酢酸マグネシウム4水和物=0.432/0.556/0.012/1.005/1.20×10−5となるように仕込んだ以外は実施例1−1と同様に行った。得られたポリカーボネート樹脂の物性と評価結果を表1に示す。
BHEPFとISB、TCDDM、DPC、および酢酸カルシウム1水和物を、モル比率でBHEPF/ISB/TCDDM/DPC/酢酸カルシウム1水和物=0.300/0.400/0.300/1.005/6.00×10−6となるように仕込んだ以外は実施例1−1と同様に行った。得られたポリカーボネート樹脂の物性と評価結果を表1に示す。
BHEPFとISB、DEG、DPC、および酢酸カルシウム1水和物を、モル比率でBHEPF/ISB/DEG/DPC/酢酸カルシウム1水和物=0.380/0.435/0.185/1.015/6.00×10−6となるように仕込んだ以外は実施例1−1と同様に行った。得られたポリカーボネート樹脂の物性と評価結果を表1に示す。色調や溶融加工性、および光学特性とも優れたポリカーボネート樹脂が得られた。
重合触媒として炭酸セシウムを用いた。BHEPFとISB、PEG#1000、DPC、および炭酸セシウムを、モル比率でBHEPF/ISB/PEG#1000/DPC/酢酸マグネシウム4水和物=0.445/0.552/0.003/1.005/1.20×10−5となるように仕込んだ以外は実施例1−1と同様に行った。得られたポリカーボネート樹脂の物性と評価結果を表1に示す。得られたポリカーボネート樹脂のYIが37であり、実施例1よりも色調は劣っていた。
BHEPFとISB、DPC、および酢酸マグネシウム4水和物を、モル比率でBHEPF/ISB/DPC/酢酸マグネシウム4水和物=0.400/0.600/1.015/1.20×10−5となるように仕込んだ以外は実施例1−1と同様に行った。得られたポリカーボネート樹脂の物性と評価結果を表1に示す。還元粘度は0.358dL/g、ガラス転移温度は151℃であった。フィルム製膜を行ったところ、フィルムにシルバーが発生し、外観の良好なフィルムが得られなかった。
BHEPFとISB、CHDM、DPC、および酢酸カルシウム1水和物を、モル比率でBHEPF/ISB/CHDM/DPC/酢酸カルシウム1水和物=0.330/0.335/0.335/1.005/6.00×10−6となるように仕込んだ以外は実施例1−1と同様に行った。得られたポリカーボネート樹脂の物性と評価結果を表1に示す。Re450/Re550が0.953であり、波長分散性が不足していた。また、光弾性係数も30×10−12Pa−1であり、若干高い値となった。
表1に示した結果から、適切なジヒドロキシ化合物の組み合わせにより、色調、溶融加工性、および光学特性のバランスに優れたポリカーボネート樹脂が得られることがわかる。
撹拌翼および100℃に制御された還流冷却器を具備した重合反応装置(1)に、BHEPFとISB、DEG、DPC、および酢酸リチウムを、モル比率でBHEPF/ISB/DEG/DPC/酢酸リチウム=0.380/0.435/0.185/1.00/6.00×10−6となるように仕込んだ。BHEPFは全硫黄元素量として4.1ppm含有するものを使用した。
BHEPFとISB、DEG、DPC、および酢酸マグネシウム4水和物を、モル比率でBHEPF/ISB/DEG/DPC/酢酸マグネシウム4水和物=0.380/0.435/0.185/1.00/6.00×10−6となるように仕込んだ。他は実施例2−1と同様に実施し、ポリカーボネート樹脂を得た。得られたポリカーボネート樹脂の物性と評価結果を表2に示す。フルオレン系化合物に対する前記式(2)で表される化合物群の合計含有量は155ppm、a/bは9.6であり、実施例2−1と同様に優れた品質のポリカーボネート樹脂が得られた。
BHEPFとISB、DEG、DPC、および酢酸カルシウム1水和物を、モル比率でBHEPF/ISB/DEG/DPC/酢酸カルシウム1水和物=0.380/0.435/0.185/1.00/6.00×10−6となるように仕込んだ。他は実施例2−1と同様に実施し、ポリカーボネート樹脂を得た。得られたポリカーボネート樹脂の物性と評価結果を表2に示す。フルオレン系化合物に対する前記式(2)で表される化合物群の合計含有量は146ppm、a/bは9.0であり、実施例2−1と同様に優れた品質のポリカーボネート樹脂が得られた。
BHEPFとISB、DEG、DPC、および酢酸バリウムを、モル比率でBHEPF/ISB/DEG/DPC/酢酸バリウム=0.380/0.435/0.185/1.00/6.00×10−6となるように仕込んだ。他は実施例2−1と同様に実施し、ポリカーボネート樹脂を得た。得られたポリカーボネート樹脂の物性と評価結果を表2に示す。フルオレン系化合物に対する前記式(2)で表される化合物群の合計含有量は172ppm、a/bは10.7であり、実施例2−1と同様に優れた品質のポリカーボネート樹脂が得られた。
BHEPFとISB、PEG#1000、DPC、および酢酸マグネシウム1水和物を、モル比率でBHEPF/ISB/PEG#1000/DPC/酢酸マグネシウム1水和物=0.445/0.552/0.003/1.00/1.20×10−5になるように仕込んだ。他は実施例2−1と同様に実施し、ポリカーボネート樹脂を得た。得られたポリカーボネート樹脂の物性と評価結果を表2に示す。フルオレン系化合物に対する前記式(2)で表される化合物群の合計含有量は322ppm、a/bは11.7であり、優れた品質のポリカーボネート樹脂であった。
BHEPFとISB、DPC、および炭酸水素ナトリウムを、モル比率でBHEPF/ISB/DPC/炭酸水素ナトリウム=0.400/0.600/1.00/8.00×10−6となるように仕込んだ。他は実施例2−1と同様に実施し、ポリカーボネート樹脂を得た。得られたポリカーボネート樹脂の物性と評価結果を表2に示す。フルオレン系化合物に対する前記式(2)で表される化合物群の合計含有量は612ppm、a/bは24.1であり、樹脂の色調と耐熱性が劣っていた。
BHEPFとISB、CHDM、DPC、および炭酸水素ナトリウムを、モル比率でBHEPF/ISB/CHDM/DPC/炭酸水素ナトリウム=0.330/0.335/0.335/1.00/6.00×10−6になるように仕込んだ。他は実施例2−1と同様に実施し、ポリカーボネート樹脂を得た。得られたポリカーボネート樹脂の物性と評価結果を表2に示す。フルオレン系化合物に対する前記式(2)で表される化合物群の合計含有量は490ppm、a/bは26.5であり、樹脂の色調と耐熱性が劣っていた。
撹拌翼および100℃に制御された還流冷却器を具備した重合反応装置(1)に、BHEPFとISB、DEG、DPC、および酢酸リチウムを、モル比率でBHEPF/ISB/DEG/DPC/酢酸リチウム=0.380/0.435/0.185/1.00/6.00×10−6になるように仕込んだ。BHEPFは全硫黄元素量として4.1ppm含有するものを使用した。DPCは蒸留精製して塩化物イオン濃度を10ppb以下にしたものを使用した。
BHEPFとISB、DEG、DPC、および酢酸マグネシウム4水和物を、モル比率でBHEPF/ISB/DEG/DPC/酢酸マグネシウム4水和物=0.380/0.435/0.185/1.00/6.00×10−6になるように仕込んだ。他は実施例1と同様に実施し、ポリカーボネート樹脂を得た。得られたポリカーボネート樹脂の物性および評価の結果を表3に示す。
BHEPFとISB、DEG、DPC、および酢酸カルシウム1水和物を、モル比率でBHEPF/ISB/DEG/DPC/酢酸カルシウム1水和物=0.380/0.435/0.185/1.00/6.00×10−6になるように仕込んだ。他は実施例1と同様に実施し、ポリカーボネート樹脂を得た。得られたポリカーボネート樹脂の物性および評価の結果を表3に示す。得られたポリカーボネート樹脂は更に前記11)に記載の熱プレス法で熱プレスフィルムとし、各種光学特性を測定した。結果を表5に示す。
BHEPFとISB、DEG、DPC、および酢酸バリウムを、モル比率でBHEPF/ISB/DEG/DPC/酢酸バリウム=0.380/0.435/0.185/1.00/6.00×10−6になるように仕込んだ。他は実施例1と同様に実施し、ポリカーボネート樹脂を得た。得られたポリカーボネート樹脂の物性および評価の結果を表3に示す。
BHEPFとISB、DEG、DPC、および酢酸カルシウム1水和物を、モル比率でBHEPF/ISB/DEG/DPC/酢酸カルシウム1水和物=0.380/0.435/0.185/1.00/8.00×10−6になるように仕込んだ。他は実施例1と同様に実施し、ポリカーボネート樹脂を得た。重合速度が非常に速かったため、重合反応装置(2)の反応では圧力が133Pa以下に到達する前に所定の攪拌動力に到達してしまった。得られたポリカーボネート樹脂の物性および評価の結果を表3に示す。
BHEPFとISB、DPC、および酢酸カルシウム1水和物を、モル比率でBHEPF/ISB/DPC/酢酸カルシウム1水和物=0.400/0.600/1.00/8.00×10−6になるように仕込んだ。他は実施例1と同様に実施し、ポリカーボネート樹脂を得た。得られたポリカーボネート樹脂の物性および評価の結果を表4に示す。得られたポリカーボネート樹脂は、更に前記11)に記載の熱プレス法で熱プレスフィルムとし、各種光学特性を測定した。結果を表5に示す。
BHEPFとISB、CHDM、DPC、および酢酸カルシウム1水和物を、モル比率でBHEPF/ISB/CHDM/DPC/酢酸カルシウム1水和物=0.330/0.335/0.335/1.00/6.00×10−6になるように仕込んだ。他は実施例1と同様に実施し、ポリカーボネート樹脂を得た。得られたポリカーボネート樹脂の物性および評価の結果を表4に示す。得られたポリカーボネート樹脂は、前記11)に記載の熱プレス法で熱プレスフィルムとし、各種光学特性を測定した。結果を表5に示す。
BHEPFとISB、PEG#1000、DPC、および酢酸マグネシウム4水和物を、モル比率でBHEPF/ISB/CHDM/DPC/酢酸マグネシウム4水和物=0.445/0.552/0.003/1.015/1.20×10−5になるように仕込んだ。他は実施例3−1と同様に実施し、ポリカーボネート樹脂を得た。得られたポリカーボネート樹脂の物性および評価の結果を表4に示す。得られたポリカーボネート樹脂は、前記11)に記載の熱プレス法で熱プレスフィルムとし、各種光学特性を測定した。結果を表5に示す。
BHEPFとISB、DEG、DPC、および炭酸水素ナトリウムを、モル比率でBHEPF/ISB/DEG/DPC/炭酸水素ナトリウム=0.380/0.435/0.185/1.00/6.00×10−6になるように仕込んだ。他は実施例3−1と同様に実施し、ポリカーボネート樹脂を得た。得られたポリカーボネート樹脂の物性および評価の結果を表3に示す。
BHEPFとISB、DEG、DPC、および炭酸セシウムを、モル比率でBHEPF
/ISB/DEG/DPC/炭酸セシウム=0.380/0.435/0.185/1.00/3.00×10−6になるように仕込んだ。他は実施例3−1と同様に実施し、ポリカーボネート樹脂を得た。得られたポリカーボネート樹脂の物性および評価の結果を表3に示す。
BHEPFとISB、DPC、および炭酸水素ナトリウム1水和物を、モル比率でBHEPF/ISB/DPC/炭酸水素ナトリウム=0.400/0.600/1.00/8.00×10−6になるように仕込んだ。他は実施例3−1と同様に実施し、ポリカーボネート樹脂を得た。得られたポリカーボネート樹脂の物性および評価の結果を表4に示す。
BHEPFは全硫黄元素量として10.1ppmのものを使用した。触媒量が実施例6と同量では十分に反応が進行しなかったため、BHEPFとISB、DPC、および酢酸カルシウム1水和物を、モル比率でBHEPF/ISB/DPC/酢酸カルシウム1水和物=0.400/0.600/1.00/2.00×10−5になるように仕込んだ。他は実施例3−6と同様に実施し、ポリカーボネート樹脂を得た。得られたポリカーボネート樹脂の物性および評価の結果を表4に示す。
BHEPFとDPC、および炭酸水素ナトリウムを、モル比率でBHEPF/DPC/炭酸水素ナトリウム=1.00/1.00/3.00×10−5になるように仕込んだ。最終重合温度を260℃にした他は実施例3−1と同様に実施し、ポリカーボネート樹脂を得た。得られたポリカーボネート樹脂の物性および評価の結果を表4に示す。得られたポリカーボネート樹脂は、前記11)に記載の熱プレス法で熱プレスフィルムとし、各種光学特性を測定した。結果を表5に示す。
ISBとDPC、および炭酸水素ナトリウムを、モル比率でISB/DPC/炭酸水素ナトリウム=1.00/1.00/1.50×10−6になるように仕込んだ。他は実施例3−1と同様に実施し、ポリカーボネート樹脂を得た。結果を表4に示す。得られたポリカーボネート樹脂は、前記11)に記載の熱プレス法で熱プレスフィルムとし、各種光学特性を測定した。結果を表5に示す。
Claims (5)
- 下記式(1)で表されるジヒドロキシ化合物と、構造の一部に下記式(3)で表される部位を有するジヒドロキシ化合物とを含むジヒドロキシ化合物混合体と、下記式(5)で表される炭酸ジエステルとを、触媒の存在下で重縮合するポリカーボネート樹脂の製造方法であって、該触媒が長周期型周期表における2族金属およびリチウムからなる群より選ばれた少なくとも1種の金属を含む化合物であり、得られるポリカーボネート樹脂は、長周期型周期表における第1族金属元素および第2族金属元素の合計含有量が、該ポリカーボネート樹脂を構成するジヒドロキシ化合物に由来する構造単位1mol当たり、20μmol以下であり、ガラス転移温度が110℃以上150℃以下であり、濃度0.6g/dLの塩化メチレン溶液を用いて測定された20℃における還元粘度が0.30dL/g以上0.43dL/g以下である、ことを特徴とするポリカーボネート樹脂の製造方法。
- 請求項1に記載の製造方法によりポリカーボネート樹脂を製造し、
該ポリカーボネート樹脂を製膜する、フィルムの製造方法。 - 前記製膜において、フィルムを少なくとも一方向に延伸する、請求項2に記載のフィルムの製造方法。
- 前記製膜により得られるフィルムにおける、波長450nmで測定した位相差(Re450)と波長550nmで測定した位相差(Re550)の比(Re450/Re550)が、0.5以上0.93以下である、請求項2または請求項3に記載のフィルムの製造方法。
- 前記製膜により得られるフィルムの光弾性係数が40×10 −12 Pa −1 以下である、請求項2から請求項4のいずれか1項に記載のフィルムの製造方法。
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