JP5924434B1 - クリンカ組成物、セメント組成物及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】クリンカ組成物中のフリーライム量が低く、高い初期強度を示し、かつ長期強度も高いセメント硬化体を得ることができるクリンカ組成物、当該クリンカ組成物を含むセメント組成物及びその製造方法を提供する。【解決手段】Ni含有量が20〜200ppm、Li含有量が10〜100ppmであり、前記Ni含有量と前記Li含有量との質量比(Ni/Li)が1以上であり、ボーグ式で算出されるC3Sが55〜70質量%であるクリンカ組成物、当該クリンカ組成物を含むセメント組成物及びその製造方法である。【選択図】なし

Description

本発明はクリンカ組成物、セメント組成物及びその製造方法に関する。
近年回収資源のリサイクルや廃棄物の有効利用という観点から、各種の廃棄物をセメント原料として利用する動きが急速に進行している。
ここで、セメント組成物の原料となるセメントクリンカ(「クリンカ組成物」ともいう)は、石灰石や珪石等を混合・粉砕した原料を予熱した後、仮焼し、仮焼された原料をロータリーキルン等の焼成炉で焼成後、冷却することによって製造される。
近年、種々の廃棄物を、上記焼成炉において原料の一部として、あるいは、燃料の一部として利用することが進められている。
一方で、セメントクリンカ中のフリーライム(「f−CaO」と表記する場合がある)の量が多いと当該クリンカやセメント品質にさまざまな影響を与えることが知られている。例えば、特許文献1では、フリーライムの量が多くなることにより、コンクリートのスランプが低下することが開示されている。また、特許文献2では、フリーライムの量が多くなることにより、クリンカの被微粉砕性が低下することが開示されている。さらに、特許文献3では、フリーライムの量が多くなることにより、長期強度が低下することが開示されている。
特許文献4では、セメント原料としてリチウム(Li)を含有する廃棄物や副産物を使用することで、初期強度を向上させることができることが開示されている。しかしながら、この方法では、フリーライム量が増加するため、クリンカ物性や長期強度発現への影響が懸念される。
特開平5−294686号公報 特開平7−267699号公報 特開2011−63460号公報 特開2014−189456号公報
以上から、廃棄物の有効利用を図りながら、クリンカ組成物中のフリーライム量が低減され、初期強度だけでなく長期強度も高いセメント硬化体を得ることができれば、経済的にも工業的にも非常に有意である。
以上から本発明は、クリンカ組成物中のフリーライム量が少なく、高い初期強度を示し、かつ長期強度も高いセメント硬化体を得ることができるクリンカ組成物、当該クリンカ組成物を含むセメント組成物及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、クリンカ組成物中のNi含有量及びLi含有量を所定量とし、かつこれらの比を所定範囲とし、さらに、鉱物組成のうちCSの割合を適切な範囲とすることで、当該課題が解決できることを見出し、本発明を完成した。すなわち、本発明は下記の通りである。
[1]Ni含有量が20〜200ppm、Li含有量が10〜100ppmであり、
前記Ni含有量と前記Li含有量との質量比(Ni/Li)が1以上であり、
ボーグ式で算出されるCSが55〜70質量%であるクリンカ組成物。
[2]CSが5〜20質量%、CAが5〜12質量%、及びCAFが5〜12質量%である上記[1]記載のクリンカ組成物。
[3]上記[1]又は[2]記載のクリンカ組成物と石膏とを含むセメント組成物。
[4]SOが2.5〜3.5質量%、ブレーン比表面積が4000〜5000cm/gである上記[3]記載のセメント組成物。
[5]クリンカ組成物において、Ni含有量が20〜200ppm、Li含有量が10〜100ppmで、前記Ni含有量と前記Li含有量との質量比(Ni/Li)が1以上、かつ、ボーグ式で算出されるCSが55〜70質量%となるように、石灰石、珪石、石炭灰、粘土、高炉スラグ、建設発生土、汚泥、及び鉄源の少なくともいずれかと、Niを含有する廃棄物及びLiを含有する廃棄物とを配合し、粉砕する原料工程と、粉砕後の原料を焼成してクリンカ組成物を製造する焼成工程と、クリンカ組成物と石膏とを混合し粉砕を行う仕上工程を含むセメント組成物の製造方法。
[6]前記原料工程において、製造される前記クリンカ組成物1トンあたり、石灰石500〜1500kg、珪石10〜200kg、石炭灰0〜300kg、粘土0〜100kg、高炉スラグ0〜100kg、建設発生土0〜200kg、汚泥0〜100kg、及び鉄源0〜100kgと、前記Niを含有する廃棄物及び前記Liを含有する廃棄物とを配合する上記[5]記載のセメント組成物の製造方法。
本発明によれば、クリンカ組成物中のフリーライム量が低く、高い初期強度を示し、かつ長期強度も高いセメント硬化体を得ることができるクリンカ組成物、当該クリンカ組成物を含むセメント組成物及びその製造方法を提供することができる。
[1.クリンカ組成物]
本発明のクリンカ組成物は、Ni含有量が20〜200ppm、Li含有量が10〜100ppmであり、Ni含有量とLi含有量との質量比(Ni/Li)が1以上で、ボーグ式で算出されるCSが55〜70質量%となっている。
LiはCS(エーライト)に優先的に固溶するため、初期強度を増加させると推察される。また、NiはCS(ビーライト)に優先的に固溶するため、長期強度を増加させると推察される。そこで、Ni及びLiの量を適切な割合(Ni/Li)とすることにより、クリンカ物性(フリーライム量)及びセメント品質(初期強度、長期強度)が改善される。
組成物中のNi含有量が20ppm未満であると、フリーライム量の低減効果は見られない。Ni含有量が200ppmを超えると、フリーライム量の低減効果は見られるが、初期の強度発現が低下する。Ni含有量は、20〜200ppmであることが好ましく、さらに、20〜150ppm、20〜100ppm、50〜100ppmの順により好ましい。
組成物中のNi含有量は、フレーム原子吸光法、ICP発光分光分析法、ジメチルグリオキシム吸光光度法等により測定することができる。これら3つの測定方法のうちICP発光分光分析法が最も好ましい測定方法である。
組成物中のLi含有量が10ppm未満であると、初期強度の向上効果が見られないことがある。Li含有量が100ppmを超えると、初期強度発現は良化するが、フリーライム量が増加する。Li含有量は、10〜100ppmであることが好ましく、さらに、20〜100ppm、20〜75ppm、20〜50ppmの順により好ましい。
組成物中のLi含有量は、硝酸、塩酸、硫酸、過塩素酸、フッ化水素酸等を用いて溶解した溶液を、フレーム原子吸光法、ICP発光分光分析法等で測定することにより定量することができる。これら2つの測定方法のうちICP発光分光分析法が最も好ましい測定方法である。
Ni含有量とLi含有量との質量比(Ni/Li)が1未満では、フリーライム量の低減効果が得られない。Ni/Liは、1〜20であることが好ましく、1〜10であることがより好ましく、1〜5であることがさらに好ましい。
ここで、Ni含有量とLi含有量とを上記の範囲とし、かつNi/Liをも上記範囲とするには、Ni源となるNiを含有する廃棄物(以下、「Ni含有廃棄物」ということがある)中のNi含有量、及び、Li源となるLiを含有する廃棄物(以下、「Li含有廃棄物」ということがある)中のLi含有量を予め測定しておき、その他の原料との配合量のバランスを考慮して、Ni含有廃棄物及びLi含有廃棄物の配合量を設定してこれらを混合すればよい。
なお、Ni含有廃棄物及びLi含有廃棄物以外の原料にもNi及びLiが含まれている場合は、それらの量を含めてNi含有廃棄物及びLi含有廃棄物の配合量を調整すればよい。
ボーグ式で算出される鉱物組成において、CSが55〜70質量%となっていることが好ましい。CSが55質量%未満では初期強度が低くなり、70質量%を超えるとフリーライム低減効果が得られず、長期強度が低くなる。CSは55〜70質量%であることが好ましく、60〜70質量%であることがより好ましい。
また、ボーグ式で算出されるCSは5〜20質量%であることが好ましく、10〜20質量%であることがより好ましい。CAは5〜12質量%であることが好ましく、6〜10質量%であることがより好ましい。CAFは5〜12質量%であることが好ましく、6〜10質量%であることがより好ましい。
S、CA、及びCAFが上記範囲にあることで、Ni及びLiを適切な配合に調整することにより、フリーライム量を低減させ、強度発現(初期・長期強度)を改善することができる。
上記ボーグ式による鉱物組成の算出は、例えば下記のようにして求める。
S量=(4.07×CaO)−(7.60×SiO)−(6.72×Al)−(1.43×Fe
S量=(2.87×SiO)−(0.754×CS)
A量=(2.65×Al)−(1.69×Fe
AF量=3.04×Fe
上記式中の「CaO」、「SiO」、「Al」及び「Fe」は、それぞれ、セメントクリンカにおけるCaO、SiO、Al及びFeのセメント組成物全体質量に対する含有割合(質量%)である。
これらの含有割合は、JIS R 5202「ポルトランドセメントの化学分析方法」により測定することができる。
さらに、本発明のクリンカ組成物中にCo及びMnが存在すると、Niの効果が阻害されることがある。
本発明者らは、特願2014−230787において、クリンカ組成物中にCo及びMnが含有している場合について下記の点を明らかにしている。すなわち、クリンカ組成物中にCoを少量含有させた場合(Niなし)、フリーライム量の低減効果は見られなかったのに対し、CoとともにNiを含有させることでフリーライムの低減効果が見られたが、Niだけの場合(Co及びMnを含まない場合)ほどではなかった。すなわち、Coの存在により、Niの効果が抑えられたと推察された。
また、Mnを少量含有させた場合(Niなし)についても、フリーライム量の低減効果は見られなかったのに対し、MnとともにNiを含有させることでフリーライムの低減効果が見られたが、Niだけの場合(Co及びMnを含まない場合)ほどではなかった。すなわち、Mnの存在により、Niの効果が抑えられたと推察された。
したがって、本発明においては、Co含有量は0.002質量%未満とすることが好ましく、0.001質量%以下とすることがより好ましい。Co含有量が0.002質量%未満であることで、Niによる効果、すなわち、フリーライムの量を少なくする効果を発揮させやすくすることができる。
Co含有量を上記の範囲にするには、Coを含有する原料および廃棄物の配合量を制御すればよい。
また、Mn含有量は、0.1質量%未満であることが好ましく、0.05質量%以下であることがより好ましい。Mn含有量が0.1質量%未満であることで、Niによる効果、すなわち、フリーライムの量を少なくする効果を発揮させやすくすることができる。
Mn含有量を上記の範囲にするには、Mnを含有する原料および廃棄物の配合量を制御すればよい。
また、本発明に係るクリンカ組成物のフリーライムの量は、0.8質量%以下であることが好ましく、0.7質量%以下であることがより好ましい。フリーライム量を低減することで、クリンカの被微粉砕性を良好なものとし、セメント硬化体とした場合に高い長期強度発現性を発揮することができる。
フリーライム量はJCAS I−01 「遊離酸化カルシウムの定量方法」に準拠して測定することができる。
[2.セメント組成物]
本発明のセメント組成物は、既述の本発明のクリンカ組成物と石膏とを含む。本発明のセメント組成物は、フリーライムの量の少ないクリンカ組成物を含有するため、これを用いたセメント硬化体の長期強度は高い値を示す。
なお、セメント組成物に係るクリンカ組成物としては、セメントの製造に適する程度に粉末化されていることが好ましい。
セメント組成物中の石膏の割合は、セメント組成物中のSO値が2.5〜3.5質量%であることが好ましく、2.8〜3.3質量%であることがより好ましい。
セメント組成物中のSO値は、JIS R 5202「ポルトランドセメントの化学分析方法」に準じて測定することができる。
本発明のセメント組成物のブレーン比表面積は、セメント物性としての強度及び流動性の影響を考慮して、4000〜5000cm/gであることが好ましく、4300〜4800cm/gであることがより好ましい。ブレーン比表面積はJIS R 5201 「セメントの物理試験方法」に準拠した粉末度試験(比表面積試験)により測定することができる。
本発明のセメント組成物は、必要に応じて少量添加成分や粉砕助剤を含んでいてもよい。
少量添加成分としては、石灰石、高炉スラグ、シリカ質混合材、フライアッシュI種及びII種等が挙げられ、その含有量は5質量%以下であることが好ましい。
また、粉砕助剤としては、多価アルコール(例えば、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等)、アミノアルコール(例えば、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン等)等が挙げられ、その含有量は1質量%未満であることが好ましい。
[3.クリンカ組成物及びセメント組成物の製造方法]
本発明のクリンカ組成物の製造方法は、下記の原料工程及び焼成工程を順次含む。以下、各工程について説明する。
(原料工程)
原料工程では、まず、製造されるクリンカ組成物において、Ni含有量が20〜200ppm、Li含有量が10〜100ppmで、Ni含有量とLi含有量との質量比(Ni/Li)が1以上、かつ、ボーグ式で算出されるCSが55〜70質量%となるように、そして、好ましくは、CSが5〜20質量%、CAが5〜12質量%、及びCAFが5〜12質量%となるように、石灰石、珪石、石炭灰、粘土、高炉スラグ、建設発生土、汚泥、及び鉄源の少なくともいずれかと、Niを含有する廃棄物及びLiを含有する廃棄物とを配合する。
このとき、製造されるセメントクリンカ1トンあたり、石灰石500〜1500kg、珪石10〜200kg、石炭灰0〜300kg、粘土0〜100kg、高炉スラグ0〜100kg、建設発生土0〜200kg、汚泥0〜100kg、及び鉄源0〜100kgと、Niを含有する廃棄物及びLiを含有する廃棄物とを配合することが好ましい。
ここで、Ni含有廃棄物としては、ニッケル含有ステンレス鋼、ニッケル水素電池、被覆遮蔽系合金等が挙げられる。配合量は、クリンカ組成物中のNi含有量が20〜200ppmとなるように設定することが好ましい。
Li含有廃棄物としては、リチウムイオン電池、除湿剤等が挙げられる。配合量は、クリンカ組成物中のLi含有量が10〜100ppmとなるように設定することが好ましい。
また、Co含有量を20ppm未満、Mn含有量を1000ppm未満とするために、この原料工程で、CoおよびMnを含有する原料および廃棄物の配合量を制御することが好ましい。
配合する際には、所定の原料(配合物)をミルにより粉砕することが好ましい。粉砕した後は、混合槽に導入する。混合槽では例えば、攪拌用の空気を導入して内部の原料を空気によって攪拌することで均一なクリンカ組成物用の原料となるように混合する。混合された原料は原料サイロ中に貯留する。
(焼成工程)
次に、原料サイロに貯留した原料を、多段サイクロンと仮焼炉とを備えた予熱加熱装置を用いて、熱交換および仮焼によって予備加熱する。
多段サイクロンのうち、最上段のサイクロンに、原料サイロからの原料を投入し、サイクロン内部で原料と高温ガスとを熱交換し、順次下段のサイクロンへ移送し、下段のサイクロンを経て、仮焼炉に原料を移送する。
多段サイクロンのうち、最上段のサイクロン内部の温度は約300〜400℃であり、下段のサイクロンにいくにつれてサイクロン内部の温度は高くなる。仮焼炉の直前に設けられたサイクロンの内部は約800〜900℃であることが好ましい。
仮焼炉には、例えば、原料を加熱して脱炭酸させるために仮焼炉内に石炭等の燃料を噴出させるバーナーを設け、このバーナーで仮焼炉内の原料を加熱することが好ましい。仮焼炉の温度は通常約900〜1000℃であること好ましい。
仮焼後、原料を、窯尻を通しキルン内へ導入する。キルンには石炭等の燃料を噴出させるバーナーが設けられており、このバーナーによって約1300〜1500℃で原料が焼成される。
キルンで焼成された原料をキルンからクリンカクーラーへ移送し、キルンで焼成された原料を冷却してクリンカ組成物が製造される。
また、このようにして製造された本発明のクリンカ組成物は、下記仕上工程を経て、本発明のセメント組成物とされる。
(仕上工程)
仕上工程では、焼成工程で製造したクリンカ組成物と石膏と任意の混合材(既述の少量添加成分や粉砕助剤)とを混合し粉砕を行う。すなわち、冷却されたセメントクリンカは、さらに石膏等と混合しミル等で粉砕して、本発明のセメント組成物が製造される。
以下、本発明を具体的に説明するが本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例1〜16及び比較例1〜14]
電気炉に下記調合原料を、下記表1に示す鉱物組成及びNi含有量、Li含有量、Ni/Liとなるように投入して1000℃で30分間の焼成を行った後、1000℃から1450℃まで30分間かけて昇温させ、さらに1450℃で15分間の焼成を行った後、焼成物を急冷して、実施例1〜16及び比較例1〜14に係るクリンカ組成物を作製した。電気炉焼成にて作製したクリンカの鉱物組成(既述のボーグ式より算出)を下記表1に示す。
・調合原料:
二酸化ケイ素、酸化鉄(III)、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、塩基性炭酸マグネシウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、酸化ニッケル、炭酸リチウム
(全て関東化学株式会社製)
作製したクリンカ組成物に対して、フリーライム量、Ni含有量、Li含有量を求めた。結果を下記表1に示す。
ここで、フリーライム量はJCAS I−01 遊離酸化カルシウムの定量方法により求めた。ニッケル量はセメント協会標準試験方法I−52(ICP)により求めた。リチウム量は硝酸溶解したものをICP分析により定量した。
得られたクリンカと石膏とをボールミルで混合粉砕し、実施例1〜16及び比較例1〜14に係るセメント組成物を作製した。石膏添加量はセメントのSOが3.0±0.1質量%となるように調合した。セメントのブレーン値は4500±50cm/gになるように調整した。これらのセメント組成物について、モルタル強さ(3d、7d、28d)を「JIS R 5201 セメントの物理試験」により求めた。結果を下記表1に示す。
Figure 0005924434
実施例1〜16は、鉱物組成が本発明にかかる所定の範囲にあり、かつ、Ni及びLi含有量、及びこれらの比が所定の範囲にあることで、比較例に比べて、フリーライム量は低減し、かつ初期強度及び長期強度(28d)のいずれも高い結果が見られた。
比較例1はNi及びLiが添加されてなかったため、フリーライム量が多く、全材齢における強度が低かった。比較例2,3ではフリーライム量の低減効果は認められたが、Liが添加されてなかったため初期の強度発現性が低かった。比較例4,5では強度発現性は良いが、Niが添加されてなかったため、無添加と比較してフリーライム量の増加が認められた。
比較例6,7,8はCSが低いため、フリーライム量は少ないが、強度発現が低かった。比較例9,10,11はCSが高いため、初期の強度発現は良いが、フリーライムが多く、また、長期強度発現が低かった。
比較例12,13,14ではLiの比率が高い(Ni/Li<1.0)ため、強度発現は良いが、フリーライム量の低減効果が見られなかった。
なお、本実施例では、各成分について試薬を用いて行ったが、実用的には廃棄物を使用できるため、その有効利用という点で経済的にも工業的にも本発明は意義がある。

Claims (5)

  1. Ni含有量が20〜200ppm、Li含有量が10〜100ppm、Mn含有量が0.05質量%未満であり、
    前記Ni含有量と前記Li含有量との質量比(Ni/Li)が1以上であり、
    ボーグ式で算出されるCSが55〜70質量%、C Sが5〜20質量%、C Aが5〜12質量%、及びC AFが5〜12質量%であるクリンカ組成物。
  2. 請求項1に記載のクリンカ組成物と石膏とを含むセメント組成物。
  3. SOが2.5〜3.5質量%、ブレーン比表面積が4000〜5000cm/gである請求項2に記載のセメント組成物。
  4. クリンカ組成物において、Ni含有量が20〜200ppm、Li含有量が10〜100ppmで、前記Ni含有量と前記Li含有量との質量比(Ni/Li)が1以上、かつ、ボーグ式で算出されるCSが55〜70質量%、C Sが5〜20質量%、C Aが5〜12質量%、及びC AFが5〜12質量%となるように、石灰石、珪石、石炭灰、粘土、高炉スラグ、建設発生土、汚泥、及び鉄源の少なくともいずれかと、Niを含有する廃棄物及びLiを含有する廃棄物とを配合し、粉砕する原料工程と、粉砕後の原料を焼成してクリンカ組成物を製造する焼成工程と、クリンカ組成物と石膏とを混合し粉砕を行う仕上工程を含み、
    前記Niを含有する廃棄物及び前記Liを含有する廃棄物の配合量を調整することによって前記Ni含有量と前記Li含有量との質量比(Ni/Li)を1以上とすることを特徴とするセメント組成物の製造方法。
  5. 前記原料工程において、製造される前記クリンカ組成物1トンあたり、石灰石500〜1500kg、珪石10〜200kg、石炭灰0〜300kg、粘土0〜100kg、高炉スラグ0〜100kg、建設発生土0〜200kg、汚泥0〜100kg、及び鉄源0〜100kgと、前記Niを含有する廃棄物及び前記Liを含有する廃棄物とを配合する請求項4に記載のセメント組成物の製造方法。
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