JP5917919B2 - ハニカム担体の支持構造 - Google Patents
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Description
特許文献1に開示された技術では、周上2分割される筒状容器内と触媒担体とを、触媒担体の外周に沿って配置される保持材を介在させて係合する。このために、筒状容器の内周面には周方向に沿って係合凹部を形成し、触媒担体の外周には周方向に沿って係合凸部を形成し、保持材を介在させて係合凸部を係合凹部に係合する。
この原因は、容器半体を合わせるときに、容器半体の半周上頂部に位置する係合凸部に次の3つの面圧が作用して局所的にこの部分の面圧が高くなるためである。これにより、当該係合凸部の損傷が引き起こされる。
ここで3つの面圧とは、
(a)保持材が触媒担体の中心方向に押されることに起因する面圧、
(b)保持材が触媒担体の軸方向に引っ張られることに起因する面圧、
(c)保持材が触媒担体の周方向に引っ張られることに起因する面圧、
であり、いずれの面圧も容器半体を触媒担体に被せる際に容器半体から保持材に力が加わるために生じる。
この原因は、容器半体を合わせるときに、保持材が触媒担体の周方向に引っ張られることに伴い、保持材が容器半体の半周上頂部から合わせ部にずれ込み、ずれ込んだ保持材が合わせ部で筒状容器側に盛り上がるためである。これにより、合わせ部において保持材の噛み込みが引き起こされる。
また、合わせ部に位置する環状凸部と環状凹部との間隙を他の部分よりも大きくしたことにより、ケース半体を合わせるときの保持部材がハニカム担体の周方向に引っ張られることに伴いケース半体の半周上頂部から合わせ部にずれ込む保持部材を当該間隙に収容できる。よって、ずれ込んだ保持部材が合わせ部でケース側に盛り上がることを抑制できる。したがって、環状凸部を囲繞する保持部材が合わせ部において噛み込むことを抑制できる。
また例えケースとハニカム担体との位置合わせが多少ずれたとしても、ケース半体を合わせるときに第1の平坦部が第2の平坦部に合うようにハニカム担体が動かされ、ケースとハニカム担体との位置合わせを精度良く行える。
また、ケース半体を合わせるときにケース半体の半周上頂部から合わせ部にずれ込む保持部材を第3の平坦部によって大きくした間隙に収容できる。よって、ずれ込んだ保持部材が合わせ部でケース側に盛り上がることを抑制できる。したがって、環状凸部を囲繞する保持部材が合わせ部において噛み込むことを抑制できる。
また、合口は第1の平坦部と第2の平坦部との間に配置されるので、合口を噛み込み等が生じ得る合わせ部に位置させる場合よりも損傷を抑制できる。
図1は、本実施形態に係るハニカム担体の支持構造を適用したDPF1を示す縦断面図である。図2は、本記実施形態に係るDPF1を示す横断面図である。図3は、本実施形態に係るDPF1の概略構成を示す斜視図である。
DPF1は、内燃機関の排気通路に配置され、内燃機関から排出される排気中の排気微粒子(PM)を捕集するものである。
DPF1は、ハニカム担体2と、保持部材としてのシールマット3と、ケース4と、を備える。
ハニカム担体2は、排気流れ方向に隔壁で区画された多数のセルを有し、セルの両端面は隣接するセルと交互に一方の端面及び他方の端面が封止されている。ハニカム担体2には、円柱形状における排気流れ方向上流側に開口したセルから排気が流入し、隣接するセル間の隔壁を排気が通過する際に排気微粒子が捕集され、隔壁を通過し排気微粒子が除去された排気が円柱形状における排気流れ方向下流側に開口したセルから流出する。
第1の平坦部22及び第3の平坦部23は、環状凸部21の他の部分よりも外径方向の突出量を少なくして設けられる。
シールマット3には、耐熱、耐振性、シール機能及び振動吸収能力を有するアルミナ繊維、シリカ繊維、アルミナシリカ繊維、ガラス繊維等のセラミック繊維を用いる。
シールマット3には合口31があり、合口31を構成する両端部32,33は相互に組み合わされるL型に形成されている(図5(i)参照)。L型の端部とは、端部の中央を2分して一方の半分が突出し他方の半分が後退しているものである。
ケース半体41,42の合わせ部分には、溶接固定のためのフランジ部41a,41b,42a,42bが形成されている。
このケース4には、図4に示すように外周面の軸線方向の略中央に、ハニカム担体2の環状凸部21を受容する外周を1周して外径方向に凹んだ環状凹部43が設けられている。
環状凹部43は、ハニカム担体2の環状凸部21を受け入れ、ハニカム担体2のケース4に対する相対的な軸線方向のずれをなくし、ハニカム担体2がケース4に固定されるために設けられる。
また環状凹部43がハニカム担体2の環状凸部21を受け入れる際に、シールマット3を介在させることで、シールマット3はシール機能や振動吸収能力を発揮する。
第2の平坦部44は、環状凹部43の他の部分よりも外径方向の凹み量を少なくして設けられる。第2の平坦部44は、ハニカム担体2の環状凸部21に形成された第1の平坦部22に対応しており、第2の平坦部44の大きさは、第2の平坦部44と対向する第1の平坦部22とほぼ等しいものである。
また同時にケース4は、ハニカム担体2に対し、両ケース半体41,42を合わせた合わせ部46にハニカム担体の第3の平坦部が位置すると、合わせ部46に位置する環状凸部21と環状凹部43との間隙が他の部分よりも大きくなるように、合わせ部46の位置が外側へ膨らんでいる。
つまり、第1の平坦部22と第2の平坦部44とが対向したケース半体41,42の半周上頂部45に位置する環状凸部21と環状凹部43との間隙、及び、第3の平坦部が配置される合わせ部46に位置する環状凸部21と環状凹部43との間隙が、他の部分よりも大きい。
このとき図2に示すように、ケース半体41,42の第2の平坦部44とハニカム担体2の第1の平坦部22の位置が合わせられ、第1の平坦部22と第2の平坦部44とが対向したケース半体41,42の半周上頂部45に位置する環状凸部21と環状凹部43との間隙が他の部分よりも大きくなっている。
また図2に示すように、両ケース半体41,42を合わせた合わせ部46にハニカム担体2の第3の平坦部23が位置し両ケース半体41,42が外側へ膨らんでいるので、合わせ部46に位置する環状凸部21と環状凹部43との間隙が他の部分よりも大きくなっている。
また図2に示すように、シールマット3の合口31は、第1の平坦部22と第2の平坦部44との間に配置される。
以上の構成を備えるDPF1は、次のように製造される。図5は、本実施形態に係るDPF1の製造方法を示す図である。
言い換えると、ハニカム担体2の環状凸部21の第1の平坦部22及び第3の平坦部23は、切削加工がなるべく必要ないように、ブロック8の外壁面をなるべくそのまま用いて形成される。
言い換えると、ブロック8におけるハニカム担体2の環状凸部21の第1の平坦部22及び第3の平坦部23以外の曲面である他の部分に対応する角部81を、第1の平坦部22及び第3の平坦部23が残るように削る。
これにより、ハニカム担体2が完成する。
この際、シールマット3の合口31を構成するL型の両端部32,33が、ハニカム担体2の環状凸部21の第1の平坦部22の位置で、一端部32の半分が突出した部分を他端部33の半分が後退した部分に合わせ、同様に他端部33の半分が突出した部分を一端部32の半分が後退した部分に合わせ、相互に組み合わす。これにより、シールマット3の合口31がハニカム担体2の環状凸部21の第1の平坦部22に配置される。
またこのとき、ケース4とハニカム担体2との位置合わせが多少ずれたとしても、ケース半体41,42を合わせるときに第1の平坦部22が第2の平坦部44に合うようにハニカム担体2が動かされ、ケース4とハニカム担体2とが精度良く位置合わせされる。
ここで3つの面圧とは、
(a)シールマット3がハニカム担体2の中心方向に押されることに起因する面圧、
(b)シールマット3がハニカム担体2の軸方向に引っ張られることに起因する面圧、
(c)シールマット3がハニカム担体2の周方向に引っ張られることに起因する面圧、
であり、いずれの面圧もケース半体41,42をハニカム担体2に被せる際にケース半体41,42からシールマット3に力が加わるために生じる。
したがって、環状凸部がケース半体の半周上頂部の位置において損傷することを抑制できる。
また、合口31は第1の平坦部22と第2の平坦部44との間に配置されるので、合口31を噛み込み等が生じ得る合わせ部46に位置させる場合よりも損傷が抑制される。
(1)ケース半体41,42の半周上頂部45に位置する環状凸部21と環状凹部43との間隙を他の部分よりも大きくしたことにより、ケース半体41,42をハニカム担体2に被せる際にケース半体41,42からシールマット3に加わる力が低減する。よって、ケース半体41,42を合わせるときにシールマット3からケース半体41,42の半周上頂部45に位置する環状凸部21に作用する種々の面圧を小さくできる。したがって、環状凸部21がケース半体41,42の半周上頂部45の位置において損傷することを抑制できる。
また、合わせ部46に位置する環状凸部21と環状凹部43との間隙を他の部分よりも大きくしたことにより、ケース半体41,42を合わせるときのシールマット3がハニカム担体2の周方向に引っ張られることに伴いケース半体41,42の半周上頂部45から合わせ部46にずれ込むシールマット3を当該間隙に収容できる。よって、ずれ込んだシールマット3が合わせ部46でケース4側に盛り上がることを抑制できる。したがって、環状凸部21を囲繞するシールマット3が合わせ部46において噛み込むことを抑制できる。
また例えケース4とハニカム担体2との位置合わせが多少ずれたとしても、ケース半体41,42を合わせるときに第1の平坦部22が第2の平坦部44に合うようにハニカム担体2が動かされ、ケース4とハニカム担体2との位置合わせを精度良く行える。
また、ケース半体41,42を合わせるときにケース半体41,42の半周上頂部45から合わせ部46にずれ込むシールマット3を第3の平坦部23によって大きくした間隙に収容できる。よって、ずれ込んだシールマット3が合わせ部46でケース4側に盛り上がることを抑制できる。したがって、環状凸部21を囲繞するシールマット3が合わせ部46において噛み込むことを抑制できる。
また、合口31は第1の平坦部22と第2の平坦部44との間に配置されるので、合口31を噛み込み等が生じ得る合わせ部46に位置させる場合よりも損傷を抑制できる。
図6及び図7は、本発明の他の実施形態に係るDPF1a,1bを示す横断面図である。
図6に示すDPF1aは、ハニカム担体2及びケース4の横断面が楕円形状であり、ケース半体41,42の半周上頂部45の位置に第2の平坦部44を設けていない。
図7に示すDPF1bは、ハニカム担体2及びケース4の横断面が真円形状であり、ケース半体41,42の半周上頂部45の位置に第2の平坦部44を設けていない。
これらのように、ケース半体の半周上頂部45に位置する環状凸部21と環状凹部43との間隙を他の部分よりも大きく設けてあればよい。
またこれらのように、DPFの横断面は真円形状や楕円形状であるとよい。
ハニカム担体の材料は、上記実施形態では炭化ケイ素であったが、コーディエライト、ムライト、アルミノチタネートであってもよい。
保持部材は、上記実施形態ではアルミナ繊維、シリカ繊維、アルミナシリカ繊維、ガラス繊維等のセラミック繊維からなるとしたが、ワイヤメッシュからなるものであってもよい。ただし、保持部材にワイヤメッシュを用いた場合には、ハニカム担体とケースとの間に別途シール部材を設けてガスリークを防止することが望ましい。
保持部材としてのシールマットの端部は、上記実施形態ではL型の端部であったが、一端部が凸型であり他端部がこの凸型の一端部に組み合わされる凹型であってもよい。またシールマットの両端部は、相互に組み合わさり合口を構成できるものであればこれに限られない。
ハニカム担体の環状凸部の第1の平坦部及び第3の平坦部は、ブロック、すなわち接合したセグメントの外壁面を利用して構成されるとの意味には、外壁面をそのまま利用する場合だけでなく、少し外壁面を削ってもよい。つまり、接合したセグメントの外壁面を第1の平坦部及び第3の平坦部に対応させることができればよい。
2…ハニカム担体
21…環状凸部
22…第1の平坦部
23…第3の平坦部
3…シールマット(保持部材)
31…合口
4…ケース
41,42…ケース半体
41a,41b,42a,42b…フランジ部
43…環状凹部
44…第2の平坦部
45…半周上頂部
46…合わせ部
6…セグメント
7…接合材
8…ブロック(接合したセグメント)
81…角部
Claims (5)
- 外周を1周して外径方向に突出する環状凸部を有するハニカム担体と、
前記環状凸部を囲繞する保持部材と、
前記ハニカム担体を覆うケースであって、前記環状凸部を受容する外径方向に凹んだ環状凹部を有し、周上2分割可能なケースと、を備え、
前記環状凸部を、前記保持部材を介在させて前記環状凹部に保持するハニカム担体の支持構造であって、
前記ケースを2分割したケース半体を合わせる合わせ部と、前記ケース半体の半周上頂部と、に位置する前記環状凸部と前記環状凹部との間隙を他の部分よりも大きくしたことを特徴とするハニカム担体の支持構造。 - 前記ケース半体の半周上頂部に位置する前記環状凸部に、他の部分よりも外径方向の突出量を少なくした第1の平坦部を設けると共に、
当該第1の平坦部が設けられた前記環状凸部を受容する前記環状凹部に、他の部分よりも外径方向の凹み量を少なくした第2の平坦部を設けたことを特徴とする請求項1に記載のハニカム担体の支持構造。 - 前記合わせ部に位置する前記環状凸部に、他の部分よりも外径方向の突出量を少なくした第3の平坦部を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載のハニカム担体の支持構造。
- 前記保持部材は、合口を有し、
前記合口は、前記第1の平坦部と前記第2の平坦部との間に配置されることを特徴とする請求項2に記載のハニカム担体の支持構造。 - 前記ハニカム担体は、複数のセグメントを接合して構成され、
前記合わせ部に位置する前記環状凸部には、他の部分よりも外径方向の突出量を少なくした第3の平坦部が設けられ、
前記第1の平坦部又は前記第3の平坦部は、接合したセグメントの外壁面を利用して構成されることを特徴とする請求項2又は4のいずれかに記載のハニカム担体の支持構造。
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