JP5915005B2 - 水平多関節ロボット - Google Patents
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Description
水平多関節ロボットのアーム端には、上下および回転駆動される上下回転軸が設けられ、この上下回転軸に各種ツールが取り付けられている。そして、このツールを用いて被対象物のピックアップ、搬送、加工などの作業が行なわれる。
具体的には、連結されているアームの回動軸の近くに、一方のアームに一つのネジを止め、他方のアームに位置決めした2つのネジを止めて、ネジの頭部同士が当接することで、一方のアームの回動範囲を規制している。
また、ストッパー部の形成位置は上下回転軸に設けられる各種ツールの大きさについても考慮されているものの、一定以上の大きさのツールを利用する場合には、ツールとロボット自身とが干渉する場合があり、ツールが破損することがある。
このように、第1突起部および第2突起部がそれぞれ第1アームおよび第2アームに一体成形されていることから、メンテナンスなどによりこれらの突起部を取り外すことができない。このため、確実にアームの回動に規制がかかり、アームの回動範囲を超えてロボット自身を破損させることがない。
また、第1突起部から離れた位置に形成された第1ネジ穴および第2ネジ穴を利用することで、上下回転軸に設けられる各種ツールの大きさに応じてロボット自身との干渉を防止し、ツールが破損するのを防止することができる。具体的には、第1ネジ穴および第2ネジ穴にネジ止めして、ネジの頭部と第2突起部とを当接させてアームの回動を規制することができる。
このことから、第1突起部および第2突起部は両者の当接による力に耐える強度を有し、また優れた寸法精度で形状を形成することができる。
このように、2段階の回動範囲の規制が可能であり、第1の回動範囲で第2アームとロボット自身との干渉を防止し、第2の回動範囲で第2アームに取り付けられるツールとロボット自身とが干渉することができる。
(実施形態)
図1に示されるように、水平多関節ロボット10は、基台20と、第1アーム30と、第2アーム40と、上下回転軸50と、ロボットコントローラー60と、を有している。
基台20は、装置などにおける設置面に固定され、基台20の上部には、鉛直方向に沿う回動軸の軸心C1を中心にして回動する第1アーム30がその基端部にて連結されている。そして、第1アーム30の先端部には、鉛直方向に沿う回動軸の軸心C2を中心にして回動する第2アーム40がその基端部にて連結されている。
第1アーム30および第2アーム40は鋳鉄、ダイカストなどの金属材料で形成され、その長さ方向および旋回方向などに高い剛性を有している。
このようにして、モーターM1の駆動力が減速機22を介して第1アーム30に伝達され、軸心C1を中心にして第1アーム30が水平方向に旋回する。
そして、第2アーム40は、モーターM2の駆動力が減速機45を介して第2アーム40に伝達され、軸心C2を中心にして第2アーム40が水平方向に旋回する。
図2は本実施形態の第1アームの構成を示す部分平面図であり、第2アーム側から見た平面図である。図3は本実施形態の第2アームの構成を示す部分平面図であり、第1アーム側から見た平面図である。
また、軸穴31の外周に沿って第1突起部32から離れた位置に、装填部材としてのネジが係合する、係合部としての第1ネジ穴35aおよび第2ネジ穴35bが形成されている。
この第1ネジ穴35aおよび第2ネジ穴35bは、第2アームが回動する回動軸方向からの平面視で第2突起部42の軌道上に形成されている。
なお、第1突起部32および第1ネジ穴35a、第2ネジ穴35bは第1アーム30の第2アーム40と対向する面(第1の面)に形成されている。
なお、第2突起部42は第2アーム40の第1アーム30と対向する面(第2の面)に形成されている。
上下回転軸50は、そのスプライン溝が第2アーム40の先端部に配置されたボールスプラインナット51の中心に嵌め合わされるように挿通され、そのボールネジ溝がこれも第2アーム40の先端部に配置されたボールネジナット52の中心に螺合されるように挿通されている。これにより上下回転軸50は、第2アーム40に対して回転可能に、かつ、上下方向に移動可能に支持される。
そして、第2アーム40の基端部から先端部にかけて覆うアームカバー55が設けられている。アームカバー55は例えば樹脂材料で形成され、モーターM2,M3,M4などを保護している。
次に、第2アームの回動範囲の規制について説明する。
図4は第2アームの回動範囲の規制を示す説明図である。本図では第1アームの平面図に、第2突起部の動きのみを示して図示してある。
また、第2アームが反時計方向に回動して行くと、第2アームの第2突起部42が第1アーム30の突起32bの端部33と当接し、第2アームは、それ以上の回動ができなくなる。
このように、第2アームの第2突起部42と第1アーム30の第1突起部32a,32bとが当接することで、図中のS1の範囲における回動ができず、第2アームは第1の回動範囲A1に規制される。
さらに、第2突起部42と当接する第1突起部32a,32bの端部33は曲面形状であることから、接触面積が小さくなり、当接する位置を正確に決めることができる。
図4(b)に示すように、係合部としての第1ネジ穴35a、第2ネジ穴35bには装填部材としてのネジが止められ、ネジ頭部36a,36bが第1アーム30の平面から突出している。
第2アームが時計方向に回動して行くと、第2アームの第2突起部42が第1アーム30のネジ頭部36aと当接し、第2アームは、それ以上の回動ができなくなる。
また、第2アームが反時計方向に回動して行くと、第2アームの第2突起部42が第1アーム30のネジ頭部36b当接し、第2アームは、それ以上の回動ができなくなる。
このように、第2アームの第2突起部42と第1アーム30のネジ頭部36a,36bとが当接することで、図中のS2の範囲における回動ができず、第2アームは第1の回動範囲A1より狭い第2の回動範囲A2に規制される。
また、第1突起部32から離れた位置に形成された第1ネジ穴35aおよび第2ネジ穴35bを利用することで、上下回転軸50に設けられる各種ツールの大きさに応じてロボット自身との干渉を防止し、ツールが破損するのを防止することができる。具体的には、第1ネジ穴35aおよび第2ネジ穴35bにネジ止めして、ネジ頭部36a,36bと第2突起部42とを当接させてアームの回動を規制することができる。
(変形例)
図5は本実施形態の変形例を示す第1アームの構成を示す部分平面図である。なお、上記実施形態と同様の構成については同符号を付し、説明を省略する。
上記の実施形態では第1突起部は2つの突起にて構成したが、本変形例では図5に示すように、1つの第1突起部38で構成されている。
このように、第1突起部の形状は第2突起部と当接する2つの面が確保されていれば、どのような形状であっても実施が可能である。
さらに、本実施形態では第1ネジ穴35a、第2ネジ穴35bにネジ止めして、ネジの円形の頭部を突起部として利用したが、ネジ頭部を他の形状に設計して配置することもできる。この場合、第2突起部との当接位置を、ネジ頭部を利用する場合から変更することができ、任意の位置を設定できる。
Claims (5)
- 基台に回動可能に連結される第1アームと、前記第1アームに回動可能に連結される第2アームと、を有する水平多関節ロボットであって、
前記第1アームと一体成型され、前記第2アームの回動範囲を規制する第1突起部と、
前記第2アームと一体成型され、前記第1突起部と当接可能な第2突起部と、
前記第1アームに形成され、前記第2アームが回動する回動軸方向からの平面視で第2突起部の移動軌道上であり、前記第1突起部から離れた位置に形成された係合部と、を備え、
前記係合部は、装填部材と係合可能であり、
前記装填部材が前記係合部に係合している場合、前記装填部材は前記第2突起部と当接可能である
ことを特徴とする水平多関節ロボット。 - 請求項1に記載の水平多関節ロボットにおいて、
前記第1アームおよび前記第2アームはダイカストで形成されていることを特徴とする水平多関節ロボット。 - 請求項1または2に記載の水平多関節ロボットにおいて、
前記第2突起部と当接する前記第1突起部の端部は曲面形状であることを特徴とする水平多関節ロボット。 - 請求項1乃至3の何れか一項に記載の水平多関節ロボットにおいて、
前記装填部材は2個で対となっており、前記係合部は2箇所に設けられていることを特徴とする水平多関節ロボット。 - 請求項1乃至4の何れか一項に記載の水平多関節ロボットにおいて、
前記装填部材はネジであり、前記係合部はネジ穴であることを特徴とする水平多関節ロボット。
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