以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の遊技機の一実施形態に係るパチンコ遊技機1について説明する。
[パチンコ遊技機1の概略構成]
まず、パチンコ遊技機1の概略構成について説明する。図1は、パチンコ遊技機1の概略正面図である。図1に示されるように、パチンコ遊技機1は、遊技球が打ち出される遊技盤2と、遊技盤2を囲む枠部材3とを備えている。枠部材3は、遊技盤2の表面側(図1の紙面手前側)に遊技盤2と所定の間隔を隔てて平行に配置された透明なガラス板(不図示)を支持する部材であり、遊技盤2に対して蝶番(不図示)を介して開閉可能に構成されると共に、遊技盤2に対して着脱可能に構成されている。
枠部材3に支持されたガラス板と遊技盤2との間には、遊技球が移動する遊技領域20が形成されている。遊技者がハンドル31を握ってレバー32を時計方向へ回転させると、ハンドル31の回転角度に応じた打球力で不図示の発射装置から遊技球が発射される。図には示されていないが、遊技盤2には、発射装置から発射された遊技球を遊技領域20へ案内するガイド部材が設けられており、遊技球は、このガイド部材によって遊技領域20の上部位置へ案内される。遊技球は、遊技領域20に配置された不図示の遊技クギや風車等に接触することでその移動方向を変化させながら、遊技盤2の表面に沿って落下する。
遊技領域20には、入賞や抽選に関する役物として、第1始動口21、第2始動口22、大入賞口23、普通入賞口24、及びゲート25が設けられている。また、遊技領域20における大入賞口23の下方には、始動口21,22、又は大入賞口23,24に入らなかった遊技球を遊技領域20の外へ排出する排出口26が設けられている。
第1始動口21及び第2始動口22は、後述する液晶表示器5の下方に設けられている。第1始動口21及び第2始動口22は、第1始動口21を第2始動口22の上側として所定の間隔を隔てて上下に並んで配置されている。パチンコ遊技機1では、第1始動口21又は第2始動口22に遊技球が入賞することで、大当たり抽選が実行される。なお、以下の説明では、第1始動口21への遊技球の入賞を契機として実行される大当たり抽選を第1特別図柄抽選と呼び、第2始動口22への遊技球の入賞を契機として実行される大当たり抽選を第2特別図柄抽選と呼び、第1特別図柄抽選及び第2特別図柄抽選を総称して特別図柄抽選と呼ぶものとする。
なお、後述により明らかとなるが、パチンコ遊技機1は、特別図柄抽選の抽選結果に応じて、特別図柄抽選時に大当たりが抽選される大当たり確率が変動することがある。例えば、パチンコ遊技機1は、大当たり確率が相対的に低い状態(低確率遊技状態;例えば大当たり確率が300分の1)から上記大当たり確率が相対的に高い状態(高確率遊技状態;例えば大当たり確率が30分の1)へ変動することがある。また、パチンコ遊技機1は、特別図柄抽選の抽選結果に応じて、特別図柄抽選時の特別図柄変動時間が短縮されたり、普通図柄抽選時の当選する確率が高まったり、普通図柄抽選時の普通図柄変動時間が短縮されたり、電動チューリップ27の羽根部の開時間が延長されたり、電動チューリップ27の羽根部が開閉する回数が増えたりする場合がある。
低確率遊技状態には、通常遊技状態と時短遊技状態とがある。通常遊技状態は、パチンコ遊技機1の状態が初期化されたときの通常の状態であり、特別図柄変動時間の短縮(時短)や電動チューリップ27の羽根部の開時間の延長および電動チューリップ27の羽根部の開閉回数の増加(開時間の延長および開閉回数の増加を合わせて「電サポ」ということがある)は行われない。一方、時短遊技状態は低確率遊技状態であるが、時短遊技状態では特別図柄変動時間の短縮および電サポが行われる。時短遊技状態は、特別図柄抽選が、所定回数(例えば、100回)行われると、通常遊技状態に移行する。
また、高確率遊技状態には、確率変動(確変)遊技状態と潜伏遊技状態とがある。確変遊技状態では、大当たり確率が相対的に高く設定されており(例えば、30分の1)、特別図柄変動時間が短縮される。また、確変遊技状態では、通常遊技状態とは異なる演出が行われ、遊技者は現在の遊技状態が確変遊技状態であることを容易に認識することができる。潜伏遊技状態では、大当たり確率が相対的に高く設定されているが、特別図柄変動時間は短縮されない。潜伏遊技状態では、通常遊技状態と同様の演出が行われ、遊技者は現在の遊技状態が潜伏遊技状態なのか通常遊技状態なのかを識別することが困難である。
第1始動口21と第2始動口22との間には、チューリップの花を模した一対の羽根部材を有する電動チューリップ27が配置されている。電動チューリップ27は、一対の羽根部材が閉じた閉姿勢(図1参照)と、一対の羽根部材が開いた開姿勢(不図示)との間で姿勢変化可能に構成されており、不図示の電動ソレノイドが作動することによって姿勢変化する。
電動チューリップ27の一対の羽根部材が閉姿勢の状態では、第1始動口21を構成する部材及び電動チューリップ27によって第2始動口22への遊技球の進入経路が塞がれており、遊技球が第2始動口22へ入ることはない。これに対して、遊技球がゲート25を通過すると、普通図柄抽選(電動チューリップ27の開閉抽選)が実行され、この普通図柄抽選に当選すると、電動チューリップ27の一対の羽根部材が規定時間だけ開姿勢を維持した後に閉姿勢に戻る動作が規定回数行われる。このように、普通図柄抽選に当選することで、第2始動口22への遊技球の進入経路が開放されて、遊技球が第2始動口22に入賞可能となる。すなわち、第2特別図柄抽選の実行が可能な状態となる。なお、電動チューリップ27の動作に関する規定時間及び規定回数は、パチンコ遊技機1の遊技状態に応じて変更されることがある。
普通入賞口24は、ゲート25の下方に配置されている。普通入賞口24に遊技球が入賞した場合、抽選は実行されないが、第1始動口21や第2始動口22に遊技球が入賞した場合よりも多い賞球が払い出される。
大入賞口23は、第2始動口22の下方に配置されている。大入賞口23は、特別図柄抽選の結果に応じて開放される。大入賞口23の開口部には、大入賞口23を開閉するプレートが設けられている。特別図柄抽選に当選していない状態では、このプレートが遊技盤2の表面と同一平面を形成する姿勢となっているために、大入賞口23に遊技球が入らない閉状態となっている。これに対して、特別図柄抽選に当選すると、プレートの下端側を軸としてプレートの上端側が遊技盤2の表面側へ傾倒して、大入賞口23が開放される開状態となる。
なお、特別図柄抽選の結果には、大当たり、小当たり、及び、ハズレがある。大当たりには、長当たりと短当たりとがある。長当たりでは、大入賞口23は、所定条件(例えば、30秒経過または遊技球が10個入賞する)を満たすまで開状態が維持されるラウンドを、所定回数(例えば、15回)だけ繰り返す。短当たりでは、大入賞口23は、所定条件(例えば、開放累積時間が1.8秒以内)を満たすまで開状態が維持されるラウンドを、所定回数(例えば、2回)だけ繰り返す。また、小当たりでは、開放累積時間が所定時間(例えば、1.8秒以内)となるようにして、大入賞口23が所定回数(例えば、2回)だけ開放される。このように、小当たりのときの大入賞口23の開放パターンは、短当たりのときの大入賞口23の開放パターンと同じである。
また、上記遊技状態は、特別図柄抽選の結果に応じて変動する。具体的には、遊技状態は、特別図柄抽選の結果が大当たりである場合に変動する。例えば、特別図柄抽選の結果が短当たりである場合、大入賞口23が開放する大当たり遊技が行われた後、上記潜伏遊技状態に遷移することがある。このような大当たりを「潜伏大当たり」と呼ぶことがある。また、特別図柄抽選の結果が短当たりである場合、大入賞口23が開放する大当たり遊技が行われた後、上記通常遊技状態に遷移することがあり、このような大当たりを「通常短当たり」と呼ぶことがある。なお、特別図柄抽選の結果が小当たりである場合やハズレである場合は、遊技状態の変動は行われない。また、時短遊技状態の場合は、特別図柄抽選が所定回数(例えば、100回)行われると、特別図柄抽選の結果が大当たりでなくても通常遊技状態に移行する。
大当たりの種類に応じて、確変長当たり、確変短当たり、潜伏大当たり、通常長当たり、及び、通常短当たり等ということがある。確変長当たりは、長当たりであって確変遊技状態に移行する大当たりであり、確変短当たりは、短当たりであって確変遊技状態に移行する大当たりである。また、潜伏大当たりは、短当たりであって潜伏遊技状態に移行する大当たりである。また、通常長当たりは、長当たりであって通常遊技状態(時短遊技状態)に移行する大当たりであり、通常短当たりは、短当たりであって通常遊技状態に移行する大当たりである。
ここで、賞球の払い出しについて説明する。第1始動口21、第2始動口22、大入賞口23、及び普通入賞口24に遊技球が入って入賞すると、入賞した場所に応じた個数の賞球(遊技球)が払い出される。例えば、第1始動口21又は第2始動口22に遊技球が入賞すると4個の賞球が払い出され、大入賞口23に遊技球が入賞すると13個の賞球が払い出され、普通入賞口24に遊技球が入賞すると10個の賞球が払い出される。なお、遊技球がゲート25を通過しても賞球が払い出されることはない。
遊技盤2の中央部には、演出のための各種の画像を表示する液晶表示器5及び有機EL(Electro-Luminescence)表示器6(以下、単にEL表示器6という)が設けられている。EL表示器6は、後述する駆動機構10によって、移動可能に構成されている。液晶表示器5及びEL表示器6については、後に詳述する。
液晶表示器5と近接する位置に、各種の演出に用いられる盤ランプ8及び可動役物7が設けられている。盤ランプ8は、遊技者による遊技の進行に応じて発光することによって光による各種の演出を行う。可動役物7は、遊技盤2に対して可動に構成されており、例えば内蔵された発光素子を発光させながら回動することによって各種の演出を行う。なお、本実施形態では、遊技盤2に対して可動に構成された装飾役物が可動役物7のみである場合について説明するが、更に他の可動役物が設けられていてもよい。
図2は、パチンコ遊技機1の一部を示す概略平面図である。図1及び図2に示されるように、枠部材3には、上記ハンドル31及びレバー32の他に、停止ボタン33、取り出しボタン34、スピーカ35、枠ランプ36、演出ボタン37、演出キー38、及び皿39が設けられている。
皿39は、枠部材3からパチンコ遊技機1の正面側へ突出するように設けられており、上述の発射装置へ供給される遊技球を一時的に溜めるものである。この皿39には、上述のように払い出された賞球が排出される。遊技者がハンドル31を握ってレバー32を時計方向へ回転させると、皿39に溜められた遊技球が発射装置へ供給されて、遊技領域20へ所定の時間間隔で発射される。この遊技球の発射は、遊技者が停止ボタン33を押下することによって一時的に停止される。
取り出しボタン34は、皿39と近接する位置に設けられている。遊技者が取り出しボタン34を操作すると、皿39の下面の一部が開口されて、皿39に溜まった遊技球が皿39の下方に配置された不図示の箱へ落下する。なお、この皿39は、1つの皿によって構成されてもよいし、発射装置へ供給される遊技球及び賞球を溜める上皿と、賞球のみを溜める下皿との2つの皿によって構成されてもよい。
スピーカ35は、楽曲や音声、効果音等を出力して音による演出を行う。枠ランプ36は、点灯又は点滅のパターンの変更、発光色の変更、光の照射方向の変更等の光による各種の演出を行う。
演出ボタン37及び演出キー38は、それぞれ遊技者が演出に対する操作入力を行うために設けられている。演出ボタン37は、皿39の横に設けられており、演出キー38は、中央キーと中央キーの周辺に配列された複数(ここでは4つ)の周辺キーとを有しており、演出ボタン37に隣接配置されている。後述するが、遊技者が周辺キーのいずれかを押下することによって、EL表示器6を遊技盤2に対して移動させることができる。すなわち、遊技者が演出キー38の周辺キーを操作することによって、EL表示器6の移動方向(上下左右)を指示することができる。また、遊技者が演出キー38の周辺キーを操作することによって、液晶表示器5に表示された複数の選択肢の中からいずれかを選択指示することができる。このように、演出キー38は、遊技者が操作情報を入力するための入力手段として機能する。
図3は、図1における表示器4の拡大図である。表示器4は、上述した特別図柄抽選や普通図柄抽選の結果や保留数に関する情報を表示するものである。図3に示されるように、表示器4は、第1特別図柄表示器41、第2特別図柄表示器42、第1特別図柄保留表示器43、第2特別図柄保留表示器44、普通図柄表示器45、普通図柄保留表示器46、及び遊技状態表示器47を備えている。
第1特別図柄表示器41は、第1始動口21への遊技球の入賞を契機として特別図柄を変動表示してから第1特別図柄抽選の結果を示す特別図柄を停止表示する。第1特別図柄保留表示器43は、第1特別図柄抽選の保留数を表示する。第2特別図柄表示器42は、第2始動口22への遊技球の入賞を契機として特別図柄を変動表示してから第2特別図柄抽選の結果を示す特別図柄を停止表示する。第2特別図柄保留表示器44は、第2特別図柄抽選の保留数を表示する。普通図柄表示器45は、遊技球がゲート25を通過したことを契機として普通図柄を変動表示してから普通図柄抽選の結果を示す普通図柄を停止表示する。普通図柄保留表示器46は、普通図柄抽選の保留数を表示する。遊技状態表示器47は、パチンコ遊技機1の電源投入時点における遊技状態(例えば、通常遊技状態、確変遊技状態、時短遊技状態、潜伏遊技状態)を表示する。
ここまでパチンコ遊技機1の概略構成について説明したが、上述したパチンコ遊技機1の構成は単なる一例であって、遊技盤2の盤面構成(入賞や抽選に関する役物の配置)等は、適宜変更されてもよい。例えば本発明に係る遊技機が右打ちが必要なパチンコ遊技機に適用される場合には、大入賞口23やゲート25等を液晶表示器5に対して右側の遊技領域20に配置するといった変更が行われる。
[画像演出の概要]
次に、液晶表示器5の液晶画面50およびEL表示器6のEL画面60に表示される画像による演出について説明する。上述のように、遊技球が第1始動口21または第2始動口22に入賞すると特別図柄抽選が行われる。当該特別図柄抽選の結果に応じて、所定の演出が開始されて特別図柄抽選の抽選結果が液晶画面50に表示される。例えば、特別図柄抽選の結果が潜伏遊技状態に遷移する大当たり(潜伏大当たり)である場合、遊技者が潜伏大当たりであることを認識することが困難なような演出が行われる。具体的には、例えば、特別図柄抽選の結果が小当たりである場合、特別図柄抽選の結果が大当たりか否かを遊技者が容易に認識することができない画像が液晶画面50に表示される。また、例えば、特別図柄抽選の結果が潜伏大当たりである場合、特別図柄抽選の結果が大当たりか否かを遊技者が容易に認識することができない画像が液晶画面50に表示される。また、例えば、特別図柄抽選の結果が大当たりであっても、遊技状態が通常遊技状態に遷移する短当たり(通常短当たり)である場合、特別図柄抽選の結果が大当たりか否かを遊技者が容易に認識することができない画像が液晶画面50に表示されることがある。このように、特別図柄抽選の結果が潜伏大当たりである場合、遊技者は液晶画面50を見ただけでは、それが潜伏大当たりなのか、小当たりなのか、通常短当たりなのかを容易に識別することができない。そして、特別図柄抽選の結果が表示された後、当該特別図柄抽選の結果が潜伏大当たりである場合は、パチンコ遊技機1の遊技状態は潜伏遊技状態となり、それまでの演出とは異なる演出が行われる。また、特別図柄抽選の結果が表示された後、当該特別図柄抽選の結果が小当たりである場合は、通常遊技状態が維持され、特別図柄抽選の結果が通常短当たりである場合は、遊技状態は通常遊技状態となり、それまでの演出とは異なる演出が行われる。
具体的には、潜伏大当たり後の潜伏遊技状態においては、遊技者に潜伏遊技状態(すなわち、高確率遊技状態)であることを期待させる特別な演出(特別演出)が行われる特別演出モードとなる。また、上記小当たり又は通常短当たり後の通常遊技状態においても、潜伏遊技状態における演出と同様に特別演出モードとなる。より具体的には、特別演出モードでは、第1演出と第2演出という2つの演出が行われることがある。第1演出が行われる場合は、遊技状態が潜伏遊技状態である可能性よりも通常遊技状態である可能性の方が高い。一方、第2演出が行われる場合は、遊技状態が通常遊技状態である可能性よりも潜伏遊技状態である可能性の方が高い。例えば、第1演出が行われる場合、遊技状態が潜伏遊技状態である確率が20%に設定され、第2演出が行われる場合、遊技状態が潜伏遊技状態である確率が60%に設定される。
例えば、上記特別演出モードでは、まず、第1演出が選択されて実行される。図4(A)は、第1演出が実行される場合において、液晶画面50に表示される画像の一例を示す図である。図4(A)に示されるように、第1演出では、例えば、所定のキャラクタ501が液晶表示器5に表示される。また、当該第1演出が行われていることを表示する表示画像511(選択演出表示画像)が、液晶画面50に表示される。図4(A)に示すように、第1演出が行われている場合、第2演出を表示する表示画像512も表示され、表示画像511は表示画像512よりも強調表示される。なお、第1演出が行われている場合、第2演出を表示する表示画像512は表示されなくてもよい。第1演出が行われている間に、遊技球が第1始動口21または第2始動口22に入賞して特別図柄抽選が行われると、キャラクタ501が所定の動作を行う様子が表示されるとともに、特別図柄を示す装飾図柄が変動する様子が表示される。そして、特別図柄抽選の結果に応じた演出が行われた後、特別図柄抽選の結果が表示され、特別図柄抽選の結果が大当たりであれば、大当たり時の演出が行われて大当たり遊技の状態となる。その後、遊技状態が変更される。
一方、第1演出が行われている間に、特別図柄抽選が所定回数(例えば、20回)行われて遊技状態が変更されない場合(すなわち、大当たりとならない場合)、第2演出が実行されることがある。図4(B)は、第2演出が実行される場合において、液晶画面50に表示される画像の一例を示す図である。図4(B)に示されるように、第2演出では、例えば、キャラクタ501に加えて、キャラクタ502が液晶表示器5に表示される。また、当該第2演出が行われていることを表示する表示画像512(選択演出表示画像)が、液晶画面50に表示される。なお、第2演出は、遊技状態が通常遊技状態である場合は、実行されないことがある。この場合において、第1演出が行われている間に特別図柄抽選が上記所定回数行われると、特別演出モードが終了し、通常の演出モードとなる。また、遊技状態が潜伏遊技状態である場合であっても、第2演出が実行されないことがある。また、第1演出が行われてから特別図柄抽選が上記所定回数行われた場合でも、第1演出が継続して行われることがある。
このように、潜伏遊技状態および通常遊技状態(小当たり又は通常短当たり後の通常遊技状態)において同様の特別演出が行われることにより、遊技者は現在の遊技状態を容易に認識することができず、興趣性を向上させている。また、第2演出が行われている場合は、第1演出が行われている場合よりも潜伏遊技状態に対する信頼度(確率)が高いため、遊技者は、より期待感を持って遊技をすることができ、これにより興趣性を向上させることができる。しかしながら、遊技者は、第1演出および第2演出の情報(潜伏遊技状態である可能性)を予め知っておく必要がある。当該情報を知らない遊技者には、第1演出又は第2演出が行われた場合でも、潜伏遊技状態であることを期待させることができない。従って、本実施形態に係るパチンコ遊技機1では、上記第1演出および第2演出の情報を遊技者に提供する。具体的には、EL画面60が上記表示画像511又は512の表示位置に移動した場合、当該EL画面60に上記情報を示す画像を表示する。
図4(C)は、第1演出が行われている場合において、EL画面60の移動によってEL画面60に画像が表示される様子を示す図である。図4(C)に示されるように、EL画面60を通して液晶画面50に表示された表示画像511を視認可能な位置にEL表示器6が移動した場合、当該表示画像511(当該表示画像511に対応する第1演出)に関連する文字情報(文字画像)がEL画面60に表示される。当該文字情報は、例えば、第1演出の演出内容に関する説明や、第1演出が実行された場合における潜伏遊技状態に対する期待値(確率)等である。遊技者は、演出キー38を操作して、表示画像511が表示された位置にEL画面60を移動させる。これにより、遊技者は、現在行われている演出の説明等を視認することができる。なお、EL画面60に第1演出又は第2演出の演出内容に関する説明が表示される場合、当該説明の一部がEL画面60に表示され、演出キー38の中央キーが押されたことに応じて、画面がスクロールされてもよい。
また、第1演出が行われている間に、第2演出を示す表示画像512が表示された位置にEL画面60が移動された場合、EL画面60には当該表示画像512(当該表示画像512に対応する第2演出)に関連する情報が表示されてもよい。以下、このような有益な情報を提供するためのパチンコ遊技機1の構成及び動作について説明する。
[液晶表示器5の構成]
液晶表示器5(本発明の第1画像表示器の一例)は、遊技盤2を支持するパチンコ遊技機1の筐体に固定されている。このため、液晶表示器5は、遊技盤2に対して固定されている。液晶表示器5としては、例えば垂直方向11の画素数が「600」で、水平方向12の画素数が「800」という画面解像度(垂直画素数×水平画素数)の液晶画面50(本発明の第1表示画面の一例)を有する液晶ディスプレイが使用される。液晶表示器5は、後述する画像音響制御部140から出力される画像を液晶画面50に表示する。液晶画面50には、例えば、特別図柄抽選の結果を報知するための装飾図柄、予告演出を行うキャラクタやアイテム、特別図柄抽選が保留されていることを示す保留表示画像等が表示される。
図5は、液晶画面50の概略構成を示す図である。図5に示されるように、液晶画面50は、多数の画素ユニット51を有して構成されている。画素ユニット51は、垂直方向11に600個、水平方向12に800個並んで配置されているが、説明の便宜上、図5(A)では、実際よりも少なく画素ユニット51が表記されている。
画素ユニット51は、カラー液晶素子52及び光センサ56を有している。カラー液晶素子52は、3原色のそれぞれの色を表示するR(Red)色液晶素子53、G(Green)色液晶素子54、及びB(Blue)色液晶素子55から構成されている。光センサ56は、液晶画面50の前方からの光を検知する受光素子であり、R色液晶素子53、G色液晶素子54、及びB色液晶素子55と隣接するように配置されている(図5(B)参照)。このように、光センサ56は、各カラー液晶素子52のそれぞれに近接配置されている。
光センサ56が光を受光すると、受光した光の輝度に応じた電気信号が生成される。液晶画面50が有する各光センサ56は、後述する演出制御部130に接続されており、各光センサ56で生成された電気信号は演出制御部130に出力される。演出制御部130は、各光センサ56から出力される電気信号に基づいて、EL表示器6のEL画面60の位置を検出する。具体的には、後述するEL表示器6のフレーム61(図7参照)は、液晶表示器5の液晶画面50と対向する面が黒色に形成されており、液晶画面50においてフレーム61によって覆われた領域に設けられている光センサ56からは、フレーム61によって覆われていない領域に設けられている光センサ56から出力される電気信号とは異なるレベルの電気信号が出力される。図6には、液晶表示器5の液晶画面50に対してEL表示器6のEL画面60が左下方に位置したときにフレーム61によって覆われた領域16(ハッチングされた領域)が示されている。演出制御部130は、各光センサ56から出力される電気信号のレベルの違いに基づいて、フレーム61の位置、すなわちEL画面60の位置を検出することができる。
図5(B)に示されるように、画素ユニット51には、画素ユニット51と隣接する他の画素ユニットとを区画する外壁57、及び画素ユニット51を構成するカラー液晶素子52と光センサ56とを区画する内壁58が設けられている。外壁57は、カラー液晶素子52及び光センサ56の外側を囲み、且つ画素ユニット51の基部から液晶画面50の前方へ向けて突出するように形成されている。内壁58は、カラー液晶素子52と光センサ56との間に画素ユニット51の基部から液晶画面50の前方へ向けて突出するように形成されている。この外壁57及び内壁58が設けられていることにより、光センサ56に対して近接するカラー液晶素子52からの光が直接入射することが防止されるので、液晶画面50の前方からの光を各光センサ56で正確に検知して、EL表示器6の位置を精度良く検出することができる。
[EL表示器6の構成]
EL表示器6(本発明の第2画像表示器の一例)は、液晶表示器5の前面側に液晶画面50と所定の間隔を隔てて配置されており、後述する駆動機構10によって遊技盤2及び液晶表示器5に対して上下左右に移動可能である。本実施形態におけるEL表示器6は、透明なEL画面60(本発明の第2表示画面の一例)に画像をカラー又は単色表示する透明ELディスプレイである。EL画面60は、樹脂製のフレーム61に形成された開口部に嵌め込まれることによってフレーム61に固定されている。EL画面60としては、例えば垂直方向11の画素数が「240」で、水平方向12の画素数が「320」という画面解像度を有するものが使用される。したがって、EL画面60よりも液晶画面50の方が画面解像度が高くなるように構成されている。
EL表示器6として透過型のELディスプレイが使用されるので、EL画面60に画像が表示された状態であっても、遊技者がEL表示器6の裏面側に位置するオブジェクト(液晶画面50に表示されたキャラクタやアイテムといった表示オブジェクト、可動役物7等)をEL画面60を通して視認することができる。なお、EL表示器6のフレーム61の裏面(液晶画面50と対向する面)は、上述のように、黒色に形成されている。
[駆動機構10の構成及び動作]
次に、図7〜図10を参照しつつ、EL表示器6を移動させる駆動機構10について説明する。図7は、駆動機構10の構成を示す斜視図であり、液晶画面50に表示された表示オブジェクトをEL画面60を通して視認可能な位置にEL表示器6が位置した状態を示している。図8は、駆動機構10の構成を示す斜視図であり、可動役物7の一部をEL画面60を通して視認可能な位置にEL表示器6が位置した状態を示している。図9は、駆動機構10の分解斜視図である。図10は、EL表示器6の拡大斜視図である。
駆動機構10は、EL表示器6を液晶表示器5の液晶画面50に沿って上下左右に移動させるものである。本実施形態においては、駆動機構10は、第1ステッピングモータ29(図11参照)の駆動力をEL表示器6に伝達して、EL表示器6を液晶画面50に沿って垂直方向11(図1参照)に移動させる昇降駆動機構200と、第2ステッピングモータ30(図11参照)の駆動力をEL表示器6に伝達して、EL表示器6を液晶画面50に沿って水平方向12(図1参照)に移動させるスライド駆動機構220とから構成されている。
昇降駆動機構200は、大別して、第1支持部材201、ガイド部材202、ガイド部材203、第1回転軸204、第2回転軸205、第1駆動ベルト206、及び第2駆動ベルト207を備えている。
第1支持部材201は、水平方向12を長手方向とする薄い板状部材である。この第1支持部材201は、図1に示されるように、液晶表示器5の液晶画面50の手前に配置されるため、液晶画面50に表示された画像の視認性の低下を最低限に抑えるために、透明な樹脂で形成されている。EL表示器6のフレーム61には、水平方向12に貫通する挿通孔62(図9及び図10参照)が形成されており、第1支持部材201は、挿通孔62に挿通されることによってフレーム61を水平方向12へ移動可能に支持する。
図10に示されるように、第1支持部材201は、その一端側に連結部材194が固定されると共に、その他端側に連結部材197が固定されている。連結部材194は、ガイド部材202(図9参照)が挿通される円筒状の挿通孔195と、第1駆動ベルト206(図9参照)を挟持する挟持片196とを有している。ガイド部材202は、断面外形が円形の棒状部材であり、その長手方向が垂直方向11と一致するようにパチンコ遊技機1の筐体に固定されている。ガイド部材202の外径寸法は、挿通孔195の内径寸法よりも若干小さく設定されており、連結部材194は、挿通孔195にガイド部材202が挿通されることによって、垂直方向11へ移動可能にガイド部材202によって支持される。
連結部材197は、連結部材194と同形状の部材であって、ガイド部材203(図9参照)が挿通される挿通孔198と、第2駆動ベルト207(図9参照)を挟持する挟持片199とを有している。ガイド部材203は、ガイド部材202と同形状の部材であって、ガイド部材202と所定の間隔を隔てて対向するようにパチンコ遊技機1の筐体に固定されている。連結部材197は、挿通孔198にガイド部材203が挿通されることによって、垂直方向11へ移動可能にガイド部材203によって支持される。
このように連結部材194及び連結部材197がガイド部材202及びガイド部材203に支持されているので、第1支持部材201は、垂直方向11へスライド可能である。
ガイド部材202,203の上側に第1回転軸204が設けられると共に、ガイド部材202,203の下側に第2回転軸205が設けられている(図7及び図8参照)。第1回転軸204及び第2回転軸205は、それぞれ軸方向が水平方向12と一致するように、不図示の軸受けに回転可能に支持されている。図9に示されるように、第1回転軸204は、その一端側にギヤ212及びプーリ208が固定されると共に、その他端にプーリ209が固定されている。第2回転軸205は、その一端にプーリ210が固定されると共に、その他端にプーリ211が固定されている。
プーリ208とプーリ210との間には、内側に歯が形成された無端環状の第1駆動ベルト206が張り渡されている。プーリ209とプーリ211との間には、第1駆動ベルト206と同じ構成の第2駆動ベルト207が張り渡されている。
第1回転軸204のギヤ212(図7参照)には、第1ステッピングモータ29(図11参照)の駆動力が入力される。これにより、ギヤ212が固定された第1回転軸204が回転する。プーリ208〜211の外周には、第1駆動ベルト206及び第2駆動ベルト207の歯と噛合する歯が形成されており、第1回転軸204の回転力がプーリ208,209を介して第1駆動ベルト206及び第2駆動ベルト207に伝達される。その結果、第1駆動ベルト206及び第2駆動ベルト207が周運動すると共に、第1回転軸204及び第2回転軸205が同期回転する。この第1駆動ベルト206及び第2駆動ベルト207には、第1支持部材201の両端に固定された連結部材194,197が挟持片196,199によって固定されているので、第1ステッピングモータ29の駆動力が第1支持部材201にも伝達されて、第1支持部材201に支持されたEL表示器6が垂直方向11へ移動する。なお、第1ステッピングモータ29の回転方向を正回転又は逆回転に切り換えることで、垂直方向11におけるEL表示器6の移動方向を切り換えることができる。
一方、スライド駆動機構220は、大別して、第2支持部材221、ガイド部材222、ガイド部材223、第1回転軸224、第2回転軸225、第1駆動ベルト226、及び第2駆動ベルト227を備えている。
第2支持部材221は、垂直方向11を長手方向とする薄い板状部材である。この第2支持部材221は、第1支持部材201と同様に、透明な樹脂で形成されている。EL表示器6のフレーム61には、垂直方向11に貫通する挿通孔63(図9及び図10参照)が形成されており、第2支持部材221は、挿通孔63に挿通されることによってフレーム61を垂直方向11へ移動可能に支持する。
図10に示されるように、第2支持部材221は、その一端側に連結部材214が固定されると共に、その他端側に連結部材217が固定されている。連結部材214は、ガイド部材222(図9参照)が挿通される円筒状の挿通孔215と、第2駆動ベルト227(図9参照)を挟持する挟持片216とを有している。ガイド部材222は、断面外形が円形の棒状部材であり、その長手方向が水平方向12と一致するように、パチンコ遊技機1の筐体に固定されている。ガイド部材222の外径寸法は、挿通孔215の内径寸法よりも若干小さく設定されており、連結部材214は、挿通孔215にガイド部材222が挿通されることによって、水平方向12へ移動可能にガイド部材222によって支持される。
連結部材217は、連結部材214と同形状の部材であって、ガイド部材223(図9参照)が挿通される挿通孔218と、第1駆動ベルト226(図9参照)を挟持する挟持片219とを有している。ガイド部材223は、ガイド部材222と同形状の部材であって、ガイド部材222と所定の間隔を隔てて対向するようにパチンコ遊技機1の筐体に固定されている。連結部材217は、挿通孔218にガイド部材223が挿通されることによって、水平方向12へ移動可能にガイド部材223によって支持される。
このように連結部材214及び連結部材217がガイド部材222及びガイド部材223に支持されているので、第2支持部材221は、水平方向12へスライド可能である。
水平方向12におけるガイド部材222,223の外側に、第1回転軸224及び第2回転軸225が設けられている(図7及び図8参照)。第1回転軸224及び第2回転軸225は、それぞれ軸方向が垂直方向11と一致するように、不図示の軸受けに回転可能に支持されている。図9に示されるように、第1回転軸224は、その一端側にギヤ232及びプーリ228が固定されると共に、その他端にプーリ229が固定されている。第2回転軸225は、その一端にプーリ230が固定されると共に、その他端にプーリ231が固定されている。
プーリ228とプーリ230との間には、内側に歯が形成された無端環状の第1駆動ベルト226が張り渡されている。プーリ229とプーリ231との間には、第1駆動ベルト226と同じ構成の第2駆動ベルト227が張り渡されている。
第1回転軸224のギヤ232(図7参照)には、第2ステッピングモータ30(図11参照)の駆動力が入力される。これにより、ギヤ232が固定された第1回転軸224が回転する。プーリ228〜231の外周には、第1駆動ベルト226及び第2駆動ベルト227の歯と噛合する歯が形成されており、第1回転軸224の回転力がプーリ228,229を介して第1駆動ベルト226及び第2駆動ベルト227に伝達される。その結果、第1駆動ベルト226及び第2駆動ベルト227が周運動すると共に、第1回転軸224及び第2回転軸225が同期回転する。この第1駆動ベルト226及び第2駆動ベルト227には、第2支持部材221の両端に固定された連結部材214,217が挟持片216,219によって固定されているので、第2ステッピングモータ30の駆動力が第2支持部材221にも伝達されて、第2支持部材221に支持されたEL表示器6が水平方向12へ移動する。なお、第2ステッピングモータ30の回転方向を正回転又は逆回転に切り換えることで、水平方向12におけるEL表示器6の移動方向を切り換えることができる。
このように、EL表示器6は、昇降駆動機構200によって垂直方向11へ移動し、スライド駆動機構220によって水平方向12へ移動する。なお、本実施形態では、演出キー38から入力される操作情報に応じてEL表示器6が移動するので、遊技者は、所望の位置へEL表示器6を移動させることができる。なお、第1支持部材201及び第2支持部材221を除く駆動機構10の各構成部材は、液晶表示器5等が設けられた領域と遊技領域20とを区画する化粧カバー14(図1参照)によって覆われているために、図1には現れていない。
[パチンコ遊技機1の制御装置の構成]
遊技盤2の裏面側(図1の紙面奥側)には、賞球として払い出される遊技球を溜めておく球タンクの他に、パチンコ遊技機1の動作を制御する制御装置が設けられている。図には示されていないが、この制御装置は、メイン基板及びサブ基板を有している。メイン基板は、内部抽選や当選の判定等を行う遊技制御部100として機能するメイン制御基板、賞球の払い出しを制御する払出制御部120として機能する払出制御基板等から構成されている。このメイン基板は、メイン基板が改変された場合にその痕跡が残るように、透明部材で構成されたケース内に密閉状態で配置されている。一方のサブ基板は、演出を統括的に制御する演出制御部130として機能する演出制御基板、画像や音による演出を制御する画像音響制御部140として機能する画像音響制御基板、及び各種のランプ(枠ランプ36や盤ランプ8)や可動役物7による演出を制御するランプ制御部150として機能するランプ制御基板等から構成されている。
以下、図11を参照しつつ、パチンコ遊技機1の制御装置の構成について説明する。ここで、図11は、パチンコ遊技機1の制御装置の構成の一例を示すブロック図である。図11に示されるように、パチンコ遊技機1の制御装置は、遊技制御部100、払出制御部120、演出制御部130、画像音響制御部140、及びランプ制御部150を備えている。
[遊技制御部100の構成]
遊技制御部100は、CPU101、ROM102、及びRAM103を備えている。CPU101は、ROM102に記憶されたプログラムに基づいて、内部抽選や当選の判定等の払い出し賞球数に関連する各種の演算処理を行う。RAM103は、CPU101が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理などの作業領域として使用される。この遊技制御部100の主な機能は以下の通りである。
遊技制御部100は、第1始動口21又は第2始動口22に遊技球が入賞すると特別図柄抽選を実行し、特別図柄抽選の抽選結果を示すデータ、特別図柄の変動パターン(例えば、30秒で特別図柄が変動する等)を示すデータ、リーチの有無を示すコマンドを演出制御部130へ送信する。また、遊技制御部100は、特別図柄抽選に応じて決定した当選確率の変動設定(例えば300分の1から30分の1への変動設定)を示すデータ、特別図柄変動時間の短縮設定を示すデータ、普通図柄抽選に応じて決定した普通図柄変動時間の短縮設定を示すデータ等を演出制御部130へ送信する。
遊技制御部100は、電動チューリップ27の羽根部材が開姿勢となる開時間、羽根部材が開閉する回数、及び羽根部材が閉じてから次に開くまでの開閉時間間隔を制御する。また、遊技制御部100は、遊技球が第1始動口21又は第2始動口22へ入賞したことによる特別図柄抽選の保留数、及び遊技球がゲート25を通過したことによる普通図柄抽選の保留数を管理する。
遊技制御部100は、特別図柄抽選の結果に応じて、大入賞口23の開閉動作を制御する。例えば、所定条件(例えば、大入賞口23が開いてから30秒が経過、大入賞口23への10個の遊技球の入賞、又は大入賞口23の開放累積時間が1.8秒以内)を満たすまで、大入賞口23のプレートが突出傾倒して大入賞口23の開状態を維持するラウンドを所定回数(例えば15回)繰り返す。
遊技制御部100は、第1始動口21、第2始動口22、大入賞口23、及び普通入賞口24に遊技球が入賞すると、入賞した場所に応じた所定数の賞球の払い出しを払出制御部120に指示する。払出制御部120が遊技制御部100の指示に応じて賞球の払い出しを行った場合、払い出された賞球の個数に関する情報が払出制御部120から遊技制御部100へ送られる。遊技制御部100は、払出制御部120から取得した情報に基づいて、払い出す賞球の個数を管理する。
これらの機能を実現するために、遊技制御部100には、第1始動口スイッチ(SW)111、第2始動口スイッチ(SW)112、電動チューリップ開閉部113、ゲートスイッチ(SW)114、大入賞口スイッチ(SW)115、大入賞口制御部116、及び普通入賞口スイッチ(SW)117が接続されている。
第1始動口スイッチ111は、第1始動口21に遊技球が入賞したことを検出して、その検出信号を遊技制御部100へ送る。第2始動口スイッチ112は、第2始動口22に遊技球が入賞したことを検出して、その検出信号を遊技制御部100へ送る。電動チューリップ開閉部113は、電動チューリップ27の一対の羽根部材に駆動伝達可能に連結された電動ソレノイドを有している。遊技制御部100からの制御信号に応じて電動ソレノイドが作動して、電動チューリップ27の一対の羽根部材が姿勢変化する。ゲートスイッチ114は、ゲート25を遊技球が通過したことを検出して、その検出信号を遊技制御部100へ送る。大入賞口スイッチ115は、大入賞口23に遊技球が入賞したことを検出して、その検出信号を遊技制御部100へ送る。大入賞口制御部116は、大入賞口23のプレートに駆動伝達可能に連結された電動ソレノイドを有している。遊技制御部100からの制御信号に応じて電動ソレノイドが作動して、大入賞口23が開閉される。普通入賞口スイッチ117は、普通入賞口24に遊技球が入賞したことを検出して、その検出信号を遊技制御部100へ送る。
また、遊技制御部100には、表示器4が接続されている(図3参照)。遊技制御部100は、第1特別図柄抽選の結果を第1特別図柄表示器41に表示させ、第1特別図柄抽選を保留している保留数を第1特別図柄保留表示器43に表示させる。遊技制御部100は、第2特別図柄抽選の結果を第2特別図柄表示器42に表示させ、第2特別図柄抽選の保留数を第2特別図柄保留表示器44に表示させる。遊技制御部100は、普通図柄抽選の結果を普通図柄表示器45に表示させ、普通図柄抽選の保留数を普通図柄保留表示器46に表示させる。遊技制御部100は、遊技状態表示器47にパチンコ遊技機1の遊技状態を表示させる。
[払出制御部120の構成]
払出制御部120は、CPU121、ROM122、及びRAM123を備えている。CPU121は、ROM122に記憶されたプログラムに基づいて、賞球の払い出しを制御する際の演算処理を行う。RAM123は、CPU121が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理などの作業領域として使用される。
払出制御部120は、遊技制御部100からの指示に基づいて、遊技球が入賞した場所に応じた所定数の賞球が皿39へ払い出されるように払出モータ125を制御する。ここで、払出モータ125は、遊技盤2の裏面側に配置された球タンクから遊技球を送り出すモータである。
払出制御部120には、払出モータ125の他に、払出球検出部126、球有り検出部127、及び満タン検出部128が接続されている。払出球検出部126は、払出モータ125により球タンクから皿39へ払い出された賞球の数を検出する。球有り検出部127は、球タンクにおける遊技球の有無を検出する。満タン検出部128は、皿39が遊技球で満タンになったことを検出する。払出制御部120は、払出球検出部126、球有り検出部127、及び満タン検出部128の検出結果に応じて所定の処理を実行する。
[演出制御部130の構成]
演出制御部130は、CPU131、ROM132、RAM133、及びRTC(リアルタイムクロック)134を備えている。CPU131は、ROM132に記憶されたプログラムに基づいて、演出を制御する際の演算処理を行う。RAM133は、CPU131が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理などの作業領域として使用される。RTC134は、現時点の日時を計測する。
演出制御部130は、遊技制御部100から送られる特別図柄抽選結果等を示すデータに基づいて、演出内容を設定する。その際、演出ボタン37又は演出キー38からの操作情報の入力を受け付けて、その操作情報に応じた演出内容を設定する場合もある。さらに、特別図柄抽選の当選確率の変動設定を示すデータを遊技制御部100から受信した場合、特別図柄抽選の変動時間の短縮設定を示すデータを遊技制御部100から受信した場合、及び普通図柄抽選の変動時間の短縮設定を示すデータを遊技制御部100から受信した場合には、これらのデータに応じて演出内容を設定する。演出制御部130は、このようにして設定した演出内容の演出の実行を指示するコマンドを画像音響制御部140及びランプ制御部150へ送信する。
演出制御部130には、液晶表示器5が備える光センサ56が接続されている。演出制御部130のCPU131は、各光センサ56から入力される電気信号に基づいて、EL表示器6のEL画面60の位置を検出する。
[ランプ制御部150の構成]
ランプ制御部150は、CPU151、ROM152、及びRAM153を備えている。CPU151は、盤ランプ8や枠ランプ36の発光、及び可動役物7の動作を制御する際の演算処理を行う。ROM152には、CPU151によって実行されるプログラムや各種データ等が記憶されている。RAM153は、CPU151が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理などの作業領域として使用される。
ランプ制御部150のCPU151は、ROM152に記憶されている発光パターンデータの中から、演出制御部130から送信されたコマンドに対応する発光パターンデータを読み出して、盤ランプ8、枠ランプ36、及び可動役物7の発光を制御する。また、CPU151は、演出制御部130から送信されたコマンドにEL表示器6の移動が可能な状態になったことを示す情報が含まれている場合に、遊技者に対して演出キー38の操作を促すために、演出キー38に内蔵されているボタンランプ40の発光を制御する。また、CPU151は、ROM152に記憶されている動作パターンデータの中から、演出制御部130から送信されたコマンドに対応する動作パターンデータを読み出して、可動役物7を動作させるモータ(不図示)の回転を制御する。
ランプ制御部150は、演出制御部130から送信されたコマンドに演出キー38の操作情報が含まれていた場合、その操作情報に基づいて、第1ステッピングモータ29及び第2ステッピングモータ30の回転を制御する。第1ステッピングモータ29は、その回転軸が昇降駆動機構200のギヤ212(図7参照)と噛合するように配置されており、第1ステッピングモータ29の駆動力がギヤ212に入力されることによって、EL表示器6が垂直方向11へ移動する。一方、第2ステッピングモータ30は、その回転軸がスライド駆動機構220のギヤ232(図7参照)と噛合するように配置されており、第2ステッピングモータ30の駆動力がギヤ232に入力されることによって、EL表示器6が水平方向12へ移動する。本実施形態においては、第1ステッピングモータ29、第2ステッピングモータ30、昇降駆動機構200、スライド駆動機構220、及びステッピングモータ29,30を動作させるCPU151が、EL表示器6を移動させる移動手段として機能する。
[画像音響制御部140の構成]
図12は、画像音響制御部140の構成を例示するブロック図である。画像音響制御部140は、図12に示されるように、各種演出の実行を指示するための制御信号を生成するCPU141と、CPU141によって生成された制御信号に応じた演出を表現するための画像を生成するVDP(Video Display Processor)142と、CPU141によって生成された制御信号に応じた演出を実現するための音響データを生成する音響DSP(Digital Signal Processor)143とを備えている。
CPU141には、制御用ROM144、及びRAM145が接続されている。制御用ROM144には、CPU141によって実行されるプログラムや各種データ等が記憶されている。RAM145は、CPU141が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理などの作業領域として使用される。CPU141は、演出制御部130から受信したコマンドに基づいて、VDP142及び音響DSP143の動作を制御するための制御信号を生成して、その制御信号をVDP142及び音響DSP143に出力する。
音響DSP143には、音響用ROM146、及びSDRAM147が接続されている。音響用ROM146には、スピーカ35から出力させる楽曲や音声、効果音等に関する各種音響データが記憶されている。SDRAM147は、音響DSP143によるデータ処理等の作業領域として使用される。
音響DSP143は、CPU141によって生成された制御信号に対応する音響データを音響用ROM146からSDRAM147に読み出し、その音響データに対して必要なデータ処理を行う。そして、液晶画面50やEL画面60による画像表示と同期させて、又は画像表示とは非同期に、データ処理後の音響データを不図示の増幅器を介してスピーカ35に出力する。
VDP142は、CPU141から入力された制御信号に基づいて画像を描画して、液晶表示器5及びEL表示器6に出力する表示制御手段として機能する。このVDP142は、CPU I/F1421、デコーダ1422、ROM I/F1423、描画エンジン1424、VRAM_RS1425、VRAM_FB1426、及び出力回路1427を備えている。
VDP142には、内部バス1428及び内部バス1429が設けられている。CPU I/F1421、デコーダ1422、ROM I/F1423、描画エンジン1424、及びVRAM_RS1425は、内部バス1428を介して通信可能に接続されている。また、描画エンジン1424、VRAM_FB1426、及び出力回路1427は、内部バス1429を介して通信可能に接続されている。
CPU I/F1421は、VDP142とCPU141とを通信可能に接続するインターフェースである。CPU141によって生成された制御信号は、CPU I/F1421を介してVDP142に入力される。ROM I/F1423は、画像用ROM148から画像データを読み出すためのインターフェースである。
画像用ROM148には、液晶表示器5及びEL表示器6に表示される画像演出を構成する素材となる素材データが記憶されている。例えば、上記特別演出モードの第1および第2演出で用いられる画像データや通常遊技状態において実行される演出で用いられる画像データ、確変遊技状態において実行される演出で用いられる画像データ等が、画像用ROM148に記憶される。具体的には、所定の画像演出を行うためのキャラクタやアイテム等に関する画像データ、特別図柄抽選の抽選結果を予告する予告画像の画像データ、特別図柄抽選の抽選結果を示す装飾図柄の画像データ所定の、液晶表示器5に背景画面として表示される背景画像に関する画像データ、「リーチ」、「激アツ」等の文字に関する画像データといった、いわゆるスプライト機能を実現するための素材データが記憶されている。
VRAM_RS1425は、画像用ROM148から読み出された素材データを一時的に記憶する記憶領域や描画エンジン1424が実行する描画処理などの作業領域として使用されるメモリである。なお、例えばMPEG2(Moving Picture Experts Group phase 2)方式で符号化された画像データが画像用ROM148から読み出される場合には、デコーダ1422によって復号された画像データが素材データとしてVRAM_RS1425に格納される。VRAM_RS1425に格納された素材データは、描画エンジン1424が行う描画処理に使用される。このため、描画処理で頻繁に使用される素材データをVRAM_RS1425にバッファリングしておくことによって、描画エンジン1424による描画処理を効率良く実行することができる。
描画エンジン1424は、CPU141からの制御信号に基づいて、液晶表示器5の液晶画面50及びEL表示器6のEL画面60に表示すべき画像を生成してVRAM_FB1426に格納(描画)する。具体的には、CPU141からの制御信号、及びVRAM_RS1425に格納された素材データに基づいて、各ピクセルの色を計算し、計算した色の値をVRAM_FB1426に書き込むレンダリング処理を行う。VRAM_FB1426に描画された画像は、1フレーム分の画像に対応する複数の画素データから構成されており、各画素データは、R(Red)、G(Green)、B(Blue)を示す色情報と、画素の透過度を示すアルファ値とを含んでいる。出力回路1427は、VRAM_FB1426に描画された画像を所定の表示タイミングで液晶表示器5及びEL表示器6に出力して、液晶画面50及びEL画面60に画像を表示させる。なお、液晶表示器5のみを使用する場合には、描画エンジン1424は、液晶画面50に表示するための画像のみをVRAM_FB1426に描画して、その画像を液晶表示器5に出力する。
図13は、VRAM_FB1426の構成について説明するための説明図である。図13に示されるように、VRAM_FB1426は、描画エンジン1424によって描画される1フレーム分の画像をそれぞれ記憶する第1フレームバッファ1426A及び第2フレームバッファ1426Bを備えるダブルバッファ方式のメモリである。描画エンジン1424は、第1フレームバッファ1426A内の画像を液晶表示器5及びEL表示器6に出力している間には、次のフレームの画像を第2フレームバッファ1426Bに描画する。一方、第2フレームバッファ1426B内の画像を液晶表示器5及びEL表示器6に出力している間には、次のフレームの画像を第1フレームバッファ1426Aに描画する。このように、描画エンジン1424は、一方のフレームバッファから画像を出力している間に他方のフレームバッファに描画処理を行うことで、高いフレームレートで描画処理を行うことができる。
ところで、第1フレームバッファ1426A及び第2フレームバッファ1426Bは、本実施形態においては、いずれも垂直方向11に720ドット、水平方向12に960ドットの画素データを格納可能なメモリ領域を有している(図16(A)参照)。これに対して、液晶表示器5の液晶画面50に表示される画像(以下「メイン画像」と呼ぶ)は、垂直方向11に600ドット、水平方向12に800ドットの画素データから構成されている(図16(A)参照)。このため、EL表示器6のEL画面60には画像を表示せずに液晶表示器5の液晶画面50にのみ画像を表示する場合には、何ら問題なく描画処理を行うことができる。しかしながら、EL表示器6のEL画面60に表示される画像(以下「サブ画像」と呼ぶ)が垂直方向11に240ドット、水平方向12に320ドットの画素データから構成されており(図16(C)参照)、メイン画像及びサブ画像を並べて描画した場合に垂直方向11又は水平方向12の画素数が第1フレームバッファ1426Aに格納可能な画素データの画素数を超えるため、そのままでは、第1フレームバッファ1426Aにメイン画像及びサブ画像を一緒に(同時に)描画することは不可能である。これは、第2フレームバッファ1426Bについても同様である。そこで、本実施形態に係るVDP142は、第1フレームバッファ1426Aにメイン画像を描画した後にできる空き領域(図16(B)参照)にサブ画像を複数の領域に分割した状態で描画することによって、第1フレームバッファ1426A(又は第2フレームバッファ1426B)にメイン画像及びサブ画像を一緒に(同時に)描画することを可能にしている。以下、このような描画処理を実現するためのパチンコ遊技機1の動作について詳細に説明する。なお、以下の説明では、第1フレームバッファ1426Aを使用して描画処理が行われる場合を例に説明するが、第2フレームバッファ1426Bを使用して描画処理を行う場合にも同様の処理が行われる。
[分割画像サイズ及び分割数の設定]
第1フレームバッファ1426A及び第2フレームバッファ1426Bは、メイン画像が描画された場合に、描画処理に使用されていない空き領域が生じる(図15(D)参照)。サブ画像は、この空き領域に描画されるが、空き領域にそのまま描画できない場合には、複数の領域に分割されて、分割画像として空き領域に描画される。サブ画像を分割画像として描画する処理は、予め設定された分割画像サイズSS及び分割数SNに基づいて行われる。
以下、図14〜図16を参照しつつ、分割画像サイズSS及び分割数SNを設定する処理について説明する。ここで、図14は、画像音響制御部140のCPU141によって実行される設定処理の一例を示すフローチャートである。図15は、メイン画像サイズ、サブ画像サイズ、フレームバッファサイズ、及び空き領域のサイズについて説明するための説明図である。図16は、画像音響制御部140のCPU141によって実行される設定処理について説明するための説明図である。なお、図14以降のフローチャートに基づいて説明する画像音響制御部140で行われる処理は、制御用ROM144に記憶されているプログラムに基づいてCPU141が発行する命令に従って行われる。
例えばパチンコ遊技機1の電源が投入されたとき、液晶表示器5を用いた1画面表示から液晶表示器5及びEL表示器6を用いた2画面表示に切り替えられるときに、分割画像サイズ及び分割数の設定処理を指示する設定指示コマンドが演出制御部130から画像音響制御部140へ送信される。これに対して、画像音響制御部140のCPU141は、設定指示コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS1)。設定指示コマンドを受信していないとCPU141によって判定された場合(ステップS1:NO)、待機状態となる。
CPU141は、設定指示コマンドを受信したと判定した場合(ステップS1:YES)、メイン画像サイズ、サブ画像サイズ、及びフレームバッファ(FB)サイズを取得する(ステップS2)。具体的には、VDP142から第1フレームバッファ1426A及び第2フレームバッファ1426Bのフレームバッファサイズを取得してRAM145に格納すると共に、液晶画面50の画面解像度及びEL画面60の画面解像度をメイン画像サイズ及びサブ画像サイズとしてVDP142を介して液晶表示器5及びEL表示器6から取得してRAM145に格納する。ここで、フレームバッファサイズは、図15(A)に示されるように、第1フレームバッファ1426A(或いは第2フレームバッファ1426B)に格納可能な画素データの垂直方向11の画素数L1及び水平方向12の画素数C1を示す情報であり、本実施形態では720×960(垂直画素数L1×水平画素数C1)である(図16(A)参照)。メイン画像サイズは、図15(B)に示されるように、メイン画像を構成する画素データの垂直方向11の画素数L2及び水平方向12の画素数C2を示す情報であり、液晶画面50の画面解像度と等しく、本実施形態では600×800(垂直画素数L2×水平画素数C2)である(図16(A)参照)。サブ画像サイズは、図15(C)に示されるように、サブ画像を構成する画素データの垂直方向11の画素数L3及び水平方向12の画素数C3を示す情報であり、EL画面60の画面解像度と等しく、本実施形態では240×320(垂直画素数L3×水平画素数C3)である(図16(C)参照)。
次に、CPU141は、取得したメイン画像サイズ、及びフレームバッファサイズに基づいて、第1フレームバッファ1426Aにメイン画像を描画した後に生じる空き領域のサイズを算出する(ステップS3)。具体的には、以下の演算式を用いて、空き領域に描画可能な画素データの最低垂直画素数L4(図15(D)参照)、及び最低水平画素数C4(図15(D)参照)を算出する。
最低垂直画素数L4=垂直画素数L1−垂直画素数L2
最低水平画素数C4=水平画素数C1−水平画素数C2
本実施形態では、図16に示されるように、垂直画素数L1が「720」であり、垂直画素数L2が「600」であるため、最低垂直画素数L4として「120」が算出され、水平画素数C1が「960」であり、水平画素数C2が「800」であるため、最低水平画素数C4として「160」が算出される(図16(B)参照)。
続いて、CPU141は、以下の演算式を用いて、サブ画像を構成する画素データの総数ST、及び空き領域に描画可能な画素データの総数VTを算出し、総数STが総数VTよりも小さいか否かを判定する(ステップS4)。
総数ST=垂直画素数L3×水平画素数C3
総数VT=垂直画素数L4×水平画素数C1+水平画素数C4×(垂直画素数L1−垂直画素数L4)
ここで、垂直画素数L3は、サブ画像を構成する画素データの垂直方向11の画素数であり、水平画素数C3は、サブ画像を構成する画素データの水平方向12の画素数である。総数ST及び総数VTを算出すると、CPU141は、総数STが総数VTよりも小さいか否かを判定する。総数STが総数VTよりも小さければ、サブ画像をそのまま或いは分割して第1フレームバッファ1426Aに描画することができると判断することができる。一方、総数STが総数VTよりも大きければ、サブ画像を分割したとしてもそのままでは第1フレームバッファ1426Aに描画することはできないと判断することができる。
分割判定手段として機能するCPU141は、総数STが総数VTよりも小さいと判定した場合(ステップS4:YES)、サブ画像を空き領域に描画するためにサブ画像を分割する必要があるか否かを判定する(ステップS5)。具体的には、サブ画像を構成する画素データの垂直画素数L3(図15(C)参照)が空き領域の最低垂直画素数L4(図15(D)参照)よりも小さいか、又はサブ画像を構成する画素データの水平画素数C3(図15(C)参照)が空き領域の最低水平画素数C4(図15(D)参照)よりも小さいかの少なくとも一方の条件を満たしているか否かを判定する。ここで、垂直画素数L3が最低垂直画素数L4よりも小さいか、又は水平画素数C3が最低水平画素数C4よりも小さければ、サブ画像を分割することなく空き領域に描画することが可能であると判定することができる。一方、垂直画素数L3が最低垂直画素数L4よりも大きく且つ水平画素数C3が最低水平画素数C4よりも大きい場合、サブ画像を空き領域にそのまま描画できないので、サブ画像を分割して描画する必要があると判定することができる。このように、CPU141は、空き領域のサイズ、及びサブ画像サイズに基づいて、サブ画像の分割の必要性を判定する。
CPU141は、分割が不要であると判定した場合(ステップS5:NO)、分割数SNを「0」に設定する(ステップS6)。ここで、分割数SNは、空き領域に描画される分割画像の数を示す情報である。言い換えれば、分割数SNは、サブ画像を構成する分割画像の数を示す情報である。このステップS6で設定された分割数SNは、設定情報としてRAM145に格納される。この設定情報は、VDP142へ出力される制御信号に含まれて、VDP142へと送られる。後に詳述するが、分割数SNが「0」に設定された場合、空き領域には分割画像が描画されず、サブ画像がそのまま描画されることになる。
CPU141は、分割が必要であると判定した場合(ステップS5:YES)、空き領域サイズ及びサブ画像サイズに基づいて、分割画像サイズSS及び分割数SNを算出する(ステップS7)。ここで、分割画像サイズSSは、サブ画像が分割数SNで示される個数の分割画像に分割された場合に、1個の分割画像のサイズ(垂直画素数、及び水平画素数)を示す情報である。ステップS7では、以下の演算式を用いて、分割画像サイズSS(分割画像の垂直画素数SSLと分割画像の水平画素数SSC)及び分割数SNを算出する。
分割画像の垂直画素数SSL=最低垂直画素数L4
分割画像の水平画素数SSC=最低水平画素数C4
分割数SN=(垂直画素数L3/最低垂直画素数L4)×(水平画素数C3/最低水平画素数C4)
図16(B)及び(C)に示されるように、本実施形態では、最低垂直画素数L4として「120」が算出され、最低水平画素数C4として「160」が算出される。このため、ここでの分割画像サイズSSは、120×160(垂直画素数SSL×水平画素数SSC)となる。また、分割数SNは、(240/120)×(320/160)により「4」が算出される。
CPU141は、分割画像サイズSS及び分割数SNを算出した後、算出した分割画像サイズSS及び分割数SNを設定情報としてRAM145に格納する(ステップS8)。の設定情報は、VDP142へ出力される制御信号に含まれて、VDP142へと送られる。なお、ステップS8の設定処理に代えてステップS6の設定処理が行われた場合には、サブ画像を分割する必要がないので分割画像サイズSSは算出されず、分割数SNが「0」であることを示す情報のみが設定情報としてVDP142へ送られる。
ここで、分割画像サイズSS及び分割数SNを変化させた場合の分割画像サイズSSと空き領域サイズとの関係について図16(C)に基づいて説明する。垂直画素数L3が「240」であり水平画素数C3が「320」であるサブ画像に対して、仮に分割数SNが「0」に設定された場合(ステップS6の処理が行われた場合)、図16(B)及び図16(C)から明らかなように、垂直画素数L3が最低垂直画素数L4を超え且つ水平画素数C3が最低水平画素数C4を超えているので、第1フレームバッファ1426Aの空き領域にサブ画像をそのまま描画することはできない。
また、仮に分割数SNが「2」に設定された場合、サブ画像を垂直画素数が「240」で水平画素数が「160」である2個の分割画像として空き領域に描画する第1の方法と、サブ画像を垂直画素数が「120」で水平画素数が「320」である2個の分割画像として空き領域に描画する第2の方法とが考えられる(図16(C)の真ん中の図を参照)。しかしながら、第1の方法でサブ画像を描画することを考えた場合、空き領域内の垂直方向11に延びる領域(図16(B)参照)に2個の分割画像を描画することは可能であるが、空き領域内の水平方向12に延びる領域に分割画像を描画することはできない。なぜなら、分割画像の垂直画素数「240」が、空き領域の最低垂直画素数L4(=120)を超えているからである。また、第2の方法でサブ画像を描画することを考えた場合、空き領域内の横方向に延びる領域(図16(B)参照)に2個の分割画像を描画することは可能であるが、空き領域内の垂直方向11に延びる領域に2個の分割画像を描画することはできない。なぜなら、分割画像の水平画素数「320」が、空き領域の最低水平画素数C4(=160)を超えているからである。このように、本実施形態で例示したサブ画像を分割画像として空き領域に描画する際に分割数SNを「2」に設定すると、分割画像を描画する位置によっては、分割画像を空き領域に描画できないケースが生じ得る。
これに対して、上述のように分割数SNが「4」に設定された場合、図16(B)及び図16(C)の右側の図から明らかなように、垂直画素数SSLが空き領域の最低垂直画素数L4と同じ「120」に設定され、且つ水平画素数SSCが空き領域の最低水平画素数C4と同じ「160」に設定される。そして、この分割画像サイズSSの分割画像が空き領域に4個描画されることになる。この場合、各分割画像は、空き領域内の垂直方向11に延びる領域と水平方向12に延びる領域とのいずれにも描画可能である。したがって、分割数SNが「2」に設定された場合とは異なり、分割画像を描画する位置によって空き領域に分割画像を描画できないケースが生じることはない。このように、分割数SN及び分割画像サイズSSは、分割画像をどのような配列で空き領域に描画したとしても確実に空き領域に収まるように、適切な値に設定される。
一方、上記ステップS4において総数STが総数VTよりも大きいとCPU141に判定された場合(ステップS4:NO)、たとえサブ画像を分割したとしても、サブ画像を構成する全ての画素データを空き領域に描画することは不可能である。このため、CPU141は、総数STが総数VTよりも大きいと判定した場合(ステップS4:NO)、縮小倍率を算出して(ステップS9)、算出した縮小倍率を設定情報としてRAM145に格納する(ステップS10)。そして、ステップS7,S8へ処理が進められて、分割画像サイズSS及び分割数SNが設定される。
ここで、縮小倍率の設定方法について説明する。例えばステップS9で縮小倍率が「0.5」に設定された場合、垂直画素数L3が「240」であり水平画素数C3が「320」であるサブ画像(図16(C)の左側の図を参照)が、垂直画素数L3が「120」(=240×0.5)であり水平画素数C3が「160」(=320×0.5)であるサブ画像として、ステップS7,S8の処理が行われる。この場合、描画処理に際して、VRAM_RS1425上で垂直方向11及び水平方向12の画素数を1/2にしたサブ画像が生成されて、そのサブ画像が、分割画像サイズSS及び分割数SNに基づく分割画像として第1フレームバッファ1426Aの空き領域に描画される。そして、これらの分割画像は、垂直方向11及び水平方向12の画素数を2倍にするスケーリング処理(拡大処理)が出力回路1427によって行われてからEL表示器6へ出力される。これにより、分割したとしても空き領域に描画できないサブ画像を空き領域に描画することが可能になる。したがって、空き領域サイズに対して画面解像度が大きい画像表示器を備えるパチンコ遊技機において、従来の描画処理ではその画像表示器に画像を表示することができないという問題を、分割画像サイズSS及び分割数SNに加えて縮小倍率を設定することで解決することができる。
なお、縮小倍率は、例えば縮小後のサブ画像の総画素数(=垂直画素数×水平画素数)が、空き領域に描画可能な画素データの総数VT以下(好ましくは総数VTより所定数以上小さい値)となるように設定すればよい。これにより、サブ画像を分割画像として空き領域に描画することが可能となる。ただし、縮小倍率を小さくし過ぎると、スケーリング処理の結果としてEL表示器6に表示される画像の画質が低下するおそれがあるので、縮小倍率は、縮小後のサブ画像の総画素数が総数VTを超えない範囲で、できるだけ大きな値に設定することが好ましい。
以上説明した図14のフローチャートに基づく設定処理が行われることにより、第1フレームバッファ1426Aへのメイン画像及びサブ画像の描画に際してサブ画像の縮小が必要か否かを示す情報、縮小が必要な場合には縮小倍率、サブ画像の分割が必要か否かを示す情報、分割が必要な場合には分割画像サイズSS及び分割数SN(分割数SN=0の場合は分割数SNのみ)が、設定情報としてRAM145に格納される。後述するVDP142による2画面表示のための描画処理は、この設定情報に基づいて実行される。
以上のように、設定処理が行われることにより、例えばEL表示器6のリユースによってEL画面60の画面解像度、すなわちサブ画像サイズが変化した場合でも、第1フレームバッファ1426A又は第2フレームバッファ1426Bの空き領域へのサブ画像の描画を適切に行うことができる。
[遊技制御部100の主要動作]
次に、遊技制御部100において行われる主要動作について説明する。図17は、遊技制御部100によって行われる主要動作の一例を示すフローチャートである。遊技制御部100は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、図17に示されている一連の処理を一定時間(例えば4ミリ秒)毎に繰り返し実行する。なお、図17以降のフローチャートに基づいて説明する遊技制御部100の処理は、ROM102に記憶されているプログラムに基づいてCPU101が発行する命令に従って行われる。
乱数更新処理(ステップS11)では、遊技制御部100は、大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数、及び普通図柄乱数の各種の乱数の更新を行う。ここで、大当たり乱数は、特別図柄抽選の結果(大当たり、小当たり、又は、ハズレ)を決定するための乱数である。図柄乱数は、特別図柄抽選の結果が大当たりである場合に、大当たりの種類(確変長当たり、確変短当たり、潜伏大当たり、通常長当たり、通常短当たり等)を決定するための乱数である。リーチ乱数は、特別図柄抽選の結果がハズレである場合に、リーチ有りの演出を行うか或いはリーチ無しの演出を行うかを決定するための乱数である。変動パターン乱数は、特別図柄が変動表示される際の変動パターンを決定するための乱数である。普通図柄乱数は、普通図柄抽選の当選又は落選を決定するための乱数である。大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数、及び普通図柄乱数は、このステップS11の処理が行われる毎に「1」だけ加算される。そして、各抽選(第1及び第2始動口への遊技球の入賞やゲート25への遊技球の通過)が行われた時点の値がステップS12の始動口スイッチ(SW)処理やステップS13のゲートスイッチ(SW)処理で取得され、ステップS14の特別図柄処理やステップS15の普通図柄処理で使用される。なお、各乱数は、それぞれに設定されている最大値に達した後は、「0」に戻り、再び1ずつ加算される。
始動口スイッチ(SW)処理(ステップS12)では、遊技制御部100は、第1始動口スイッチ111及び第2始動口スイッチ112の状態を監視し、いずれかのスイッチから検出信号が出力された場合に、第1特別図柄抽選の保留数U1や第2特別図柄抽選の保留数U2に関する処理や乱数(大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数)を取得する処理等を実行する。具体的には、遊技制御部100は、第1始動口スイッチ111又は第2始動口スイッチ112が遊技球の入賞を検出した場合、保留数U1又は保留数U2を所定数(例えば、4)を上限に1だけ増加させる。また、遊技制御部100は、上記乱数を取得し、保留数U1又はU2を増加させた保留玉に対応する乱数として記憶する。さらに、遊技制御部100は、取得した乱数に基づいて、事前判定処理を行う。事前判定処理では、取得した乱数に基づいて、特別図柄抽選の結果、大当たりであった場合の大当たりの種類(長当たり、短当たり、遊技状態への移行等)、リーチの有無、変動パターン等が判定され、事前判定情報として記憶される。
ゲートスイッチ(SW)処理(ステップS13)では、遊技制御部100は、ゲートスイッチ114の状態を監視し、遊技球がゲート25を通過してゲートスイッチ114から検出信号が出力された場合に、普通図柄抽選の保留数が上限値未満であるか否かを判断する。そして、保留数が上限値未満であると判断した場合に、ステップS15の普通図柄処理に使用される普通図柄乱数を取得する。
特別図柄処理(ステップS14)では、遊技制御部100は、特別図柄抽選を実行し、液晶表示器5に特別図柄を変動表示してから特別図柄抽選の結果を示す特別図柄を停止表示するための処理を実行する。具体的には、遊技制御部100は、大当たり中でなく、かつ、特別図柄の変動が開始されていない場合、上記保留数U1又はU2を1だけ減少させて、保留玉を消化する。より具体的には、遊技制御部100は、消化させた保留玉に係る、始動口SW処理で記憶した乱数を取得して、大当たり判定を行う。大当たり判定では、遊技制御部100は、取得した大当たり乱数が予め定められた大当たりを示す値と等しいか否かを判定することにより、特別図柄抽選の結果が大当たりか否かを判定する。また、大当たり判定では、遊技制御部100は、取得した図柄乱数に基づいて、大当たりの種類(確変長当たり、確変短当たり、潜伏大当たり、通常長当たり、通常短当たり等)を判定する。また、遊技制御部100は、上記大当たり判定の結果に応じて、特別図柄を変動させる変動パターンを決定し、変動パターンを示す変動開始コマンドを設定するとともに、特別図柄の変動を開始する。また、遊技制御部100は、特別図柄の変動が開始されている場合は、変動の開始から所定時間が経過したか否かを判定し、所定時間が経過している場合は、特別図柄を停止させるとともに、変動の停止を示す変動停止コマンドを設定する。
普通図柄処理(ステップS15)では、遊技制御部100は、ステップS13のゲートスイッチ処理で取得された普通図柄乱数がその当選値と一致するか否かを判定する。そして、表示器4の普通図柄表示器45(図3参照)に普通図柄を変動表示させた後に判定結果を示す普通図柄を停止表示させる。
大入賞口処理(ステップS16)では、遊技制御部100は、特別図柄抽選に当選(大当たり、又は、小当たり)した場合に、大入賞口制御部116を介して大入賞口23の開閉を制御する。具体的には、遊技制御部100は、大当たりの種類に応じて、大入賞口23の開閉を制御する。例えば、長当たりの場合、遊技制御部100は、所定条件(例えば、30秒経過または遊技球が10個入賞する)を満たすまで大入賞口23の開状態が維持されるラウンドを、所定回数(例えば、15回)だけ繰り返す。また、遊技制御部100は、当たり遊技(大当たり遊技において上記ラウンドが繰り返される動作や小当たり遊技において大入賞口23が開閉される動作)が終了したか否かを判定する。当たり遊技が終了した場合は、遊技制御部100は、大当たりであった場合は当該大当たりの種類に応じて遊技状態(通常遊技状態、確変遊技状態、潜伏遊技状態等)を設定し、小当たりであった場合は遊技状態を維持する。
電動チューリップ処理(ステップS17)では、遊技制御部100は、ステップS15の普通図柄処理において普通図柄乱数がその当選値と一致すると判定された場合に、電動チューリップ開閉部113を介して電動チューリップ27の一対の羽根部材を作動させる。電動チューリップ27が作動することによって第2始動口22へ遊技球が入賞可能な状態となり、第2始動口22に遊技球が入賞することで第2特別図柄抽選が始動する。
賞球処理(ステップS18)では、遊技制御部100は、上述したように、遊技球の入賞個数の管理及び入賞に応じた賞球の払い出しを制御する。
出力処理(ステップS19)では、遊技制御部100は、ステップS12の始動口SW処理やステップS14の特別図柄処理等でRAM103にセットされた各種コマンドや演出に必要な情報を演出制御部130へ送る。また、ステップS18の賞球処理でRAM103にセットされた賞球の払い出しを指示するコマンドを払出制御部120へ送る。
以上が遊技制御部100において行われる処理の説明である。以上のように、遊技制御部100では、遊技球の入賞に応じて特別図柄抽選が行われ、大当たりか否かや大当たり後の遊技状態が判定される。
[演出制御処理]
次に、図18及び図19を参照しつつ、演出制御部130で行われる演出の演出制御処理について説明する。ここで、図18は、演出制御部130のCPU131によって実行される演出制御処理の一例を示すフローチャートである。図18に示す処理は、上記潜伏大当たり、小当たり、又は、通常短当たり対応する当たり遊技が終了して、潜伏遊技状態又は通常遊技状態に移行した後に実行される。図19は、EL表示器6のEL画面60に演出に関連する情報が表示されるまでの流れについて説明するための説明図である。なお、図18のフローチャートで示される演出制御部130で行われる処理は、ROM132に記憶されているプログラムをCPU131が実行することによって行われる。また、図18では、本発明と直接関係しない処理については、記載を省略している。
ステップS21において、演出制御部130のCPU131は、特別演出モードを選択する。具体的には、CPU131は、潜伏遊技状態または通常遊技状態において実行される特別演出モードを実行するように、画像音響制御部140に対してコマンドを送信する。次に、CPU131は、ステップS22の処理を実行する。
ステップS22において、演出制御部130のCPU131は、特別演出における第1演出を選択し当該第1演出の実行を開始する。具体的には、CPU131は、画像音響制御部140に対して、第1演出の実行を指示するコマンドを送信する。次に、CPU131は、ステップS23の処理を実行する。
ステップS23において、CPU131は、ランプ制御部150へボタンランプ40の発光を指示するコマンドを送信して、演出キー38に内蔵されたボタンランプ40を発光させる(図19(A)参照)。このステップS23の処理によって、遊技者に対して演出キー38の操作によってEL表示器6の移動が可能な状態になったことが報知される。以降、ステップS24〜S33の処理ループが所定時間毎に繰り返されることによって、遊技演出が進行していく。次に、CPU131は、ステップS24の処理を実行する。
ステップS24において、CPU131は、演出キー38からの操作情報の入力の有無に基づいて、演出キー38が操作されたか否かを判定する。判定結果が肯定の場合、CPU131は、次にステップS25の処理を実行する。一方、判定結果が否定の場合、CPU131は、次にステップS27の処理を実行する。
ステップS25において、CPU131は、演出キー38から入力された操作情報に基づいて、EL表示器6を移動させる。具体的には、第1ステッピングモータ29及び第2ステッピングモータ30の駆動を指示するコマンドをランプ制御部150へ送信する。このコマンドには、演出キー38から入力された操作情報が含まれており、ランプ制御部150のCPU151は、この操作情報に基づいて第1ステッピングモータ29及び第2ステッピングモータ30の駆動を制御する。これにより、駆動機構10(図7参照)が駆動して、演出キー38の操作に応じた位置へEL表示器6が移動する(図19(B)参照)。このように、CPU151は、演出キー38からの操作情報に基づいてEL表示器6を移動させる。次に、CPU131は、ステップS26の処理を実行する。
ステップS26において、CPU131は、EL画面60の位置情報を更新する。演出制御部130のRAM133には、液晶画面50に対するEL画面60の位置を示す位置情報が記憶されている。CPU131は、ステップS24の処理が行われた場合に、このRAM133に記憶されたEL画面60の位置情報を更新する。具体的には、CPU131は、液晶画面50に設けられた各光センサ56による検知結果(各光センサ56から出力される電気信号の変化)に基づいてEL表示器6の最新の位置を検出して、その検出結果に基づいてEL画面60の位置情報を更新する。次に、CPU131は、ステップS27の処理を実行する。
ステップS27において、CPU131は、EL画面60の位置が、当該EL画面60を通して表示画像を視認可能な位置か否かを判定する。具体的には、CPU131は、EL画面60の位置に基づいて、液晶画面50に表示された表示画像511又は512をEL画面60を通して視認可能か否かを判定する。判定結果が肯定の場合、CPU131は、次にステップS28の処理を実行する。一方、判定結果が否定の場合、CPU131は、次にステップS29の処理を実行する。
ステップS28において、CPU131は、2画面表示のコマンドを画像音響制御部140に送信する。画像音響制御部140がこのコマンドを受信したことに応じて、画像音響制御部140のVDP142が後述する描画処理を行い、液晶画面50およびEL画面60に画像が表示される。これにより、EL画面60を通して視認可能な表示画像511又は512に関連する情報(第1演出又は第2演出に関連する情報)が、EL画面60に表示される(図19(C)参照)。ステップS28の処理の後、CPU131は、ステップS30の処理を実行する。
一方、ステップS29において、CPU131は、1画面表示のコマンドを画像音響制御部140に送信する。画像音響制御部140がこのコマンドを受信したことに応じて、画像音響制御部140のVDP142が後述する描画処理を行い、液晶画面50にのみ画像が表示される。ステップS28の処理の後、CPU131は、ステップS30の処理を実行する。
ステップS30において、CPU131は、特別図柄抽選が所定回数以上行われたか否かを判定する。具体的には、CPU131は、潜伏遊技状態又は通常遊技状態に移行した後に実行される本フローチャートによる処理が開始されてから特別図柄抽選が行われた回数をカウントし、当該回数が所定回数以上か否かを判定する。判定結果が肯定の場合、CPU131は、次にステップS31の処理を実行する。一方、判定結果が否定の場合、CPU131は、次にステップS24の処理を実行する。
ステップS31において、CPU131は、第2演出を実行するか否かを決定する。具体的には、CPU131は、現在の遊技状態に基づいて、第2演出を実行するか否かを抽選により決定する。より具体的には、CPU131は、現在の遊技状態が潜伏遊技状態である場合、通常遊技状態である場合よりも第2演出の実行を決定する割合が高くなるように、抽選を行う。例えば、現在の遊技状態が潜伏遊技状態である場合、第2演出を実行する割合が80%に定められ、第2演出を実行しない割合が20%に予め定められる。また、例えば、現在の遊技状態が通常遊技状態である場合、第2演出を実行する割合が30%に定められ、第2演出を実行しない割合が70%に予め定められる。このように、CPU131は、現在の遊技状態に応じて抽選を行うことで第2演出を実行するか否かを決定する。CPU131は、第2演出を実行すると決定した場合、次にステップS32の処理を実行する。一方、CPU131は、第2演出を実行しないと決定した場合、本フローチャートによる処理を終了する。
ステップS32において、CPU131は、第2演出を選択し当該第2演出の実行を開始する。具体的には、CPU131は、画像音響制御部140に対して、第2演出の実行を開始するコマンドを送信する。次に、CPU131は、ステップS33の処理を実行する。
ステップS33において、CPU131は、特別演出を終了するか否かを判定する。CPU131は、現在の遊技状態等に基づいて、特別演出を終了するか否かを判定する。例えば、現在の遊技状態が通常遊技状態である場合において、第2演出が開始されてから特別図柄抽選が所定回数行われたとき、CPU131は特別演出を終了し、本フローチャートによる処理を終了する。なお、本フローチャートによる処理が終了すると、特別演出モードは終了し、通常の演出が実行されることになる。CPU131は、特別演出を終了しないと判定した場合、次にステップS24の処理を実行する。
[描画処理]
以下、図20〜図23を参照しつつ、VDP142によって行われる描画処理について説明する。ここで、図20は、VDP142によって行われる描画処理の詳細フローチャートである。図21は、分割数SNが「0」に設定されている場合にVDP142によって行われる描画処理について説明するための説明図である。図22は、分割数SNが「4」に設定されている場合にVDP142によって行われる描画処理について説明するための説明図である。図23は、分割画像の出力処理について説明するための説明図である。なお、図20のフローチャートに基づいて説明するVDP142で行われる描画処理は、制御用ROM144に記憶されているプログラムを実行するCPU141が生成する制御信号に基づいて行われる。また、以下の説明では、第1フレームバッファ1426A及び第2フレームバッファ1426Bのうち、第1フレームバッファ1426Aを使用して描画処理が行われる場合を例に説明するが、第2フレームバッファ1426Bを使用した描画処理も第1フレームバッファ1426Aを使用した描画処理と同様に行われる。
まず、ステップS101において、CPU141からの制御信号がVDP142に入力されると、描画エンジン1424は、図19に示されるように、メイン画像及びサブ画像の描画処理に使用するフレームバッファを選択する。具体的には、第1フレームバッファ1426A及び第2フレームバッファ1426Bのうち、液晶表示器5又はEL表示器6へ画像を出力しているフレームバッファを特定して、画像を出力していないフレームバッファを今回のフレームの描画処理に使用するフレームバッファとして選択する。
次に、ステップS102において、ステップS101で例えば第1フレームバッファ1426Aを選択した場合、描画エンジン1424は、液晶表示器5に表示されるメイン画像を第1フレームバッファ1426Aに描画する。例えば、表示画像と、キャラクタを示すキャラクタ画像と、装飾図柄を示す装飾図柄画像と、背景を示す背景画像とを画像用ROM148からVRAM_RS1425に読み出して、これらの画像を合成した画像(重ね合わせた画像)であるメイン画像を生成し、第1フレームバッファ1426Aに格納する(図21、図22参照)。次に、ステップS103の処理が実行される。
ステップS103において、VDP142は、2画面表示のコマンドを受信したか否かを判定する。ここでは、上述したステップS28において、演出制御部130から2画面表示のコマンドが送信されたか否かが判定される。判定結果が肯定の場合、VDP142は、ステップS104の処理を実行する。一方、判定結果が否定の場合、VDP142は、ステップS117の処理を実行する。
ステップS104において、描画エンジン1424は、第1フレームバッファ1426Aに描画されたメイン画像のうち、EL画面60の位置に対応する領域をコピーしてコピー画像を生成する。演出制御部130によってEL画面60の位置が検出されると、EL画面60の最新の位置情報が画像音響制御部140へ送信され、画像音響制御部140のCPU141は、そのEL画面60の位置情報を含む制御信号をVDP142へ出力する。描画エンジン1424は、当該位置情報に基づいて、メイン画像のうち、EL画面60の位置に対応する領域をコピーしたコピー画像を生成する。具体的には、第1フレームバッファ1426Aに描画されたメイン画像の中から、上記位置情報に対応する240×320(垂直画素数×水平画素数)の領域(図21又は図22で示す領域18)をコピーして、VRAM_RS1425にコピー画像として格納する。図20および図21には、メイン画像に対するコピー画像の位置が、破線18で示されている。本実施形態では、上述したように、垂直画素数L3が「240」で水平画素数C3が「320」の画像がコピーされる。
次に、ステップS105において、描画エンジン1424は、図21および図22に示されるように、液晶画面50には表示されず、EL画面60にのみ表示される表示内容を示す差分画像(画像演出に関連する情報を示す画像)をコピー画像に合成して(重ね合わせて)サブ画像を生成する。ここで、差分画像とは、上記画像演出に関する説明や信頼度を示す文字画像である。なお、差分画像は文字画像に限らず、例えば、画像演出に関連するキャラクタ等の画像であってもよい。具体的には、描画エンジン1424は、EL画面60の位置情報に応じて差分画像(例えば、図19(C)に示す第1演出に関する説明を示す文字情報)を画像用ROM148からVRAM_RS1425に読み出す。そして、描画エンジン1424は、読み出した差分画像をVRAM_RS1425上で例えばZバッファ法等を用いてコピー画像に合成することによって、サブ画像を生成する。なお、演出キー38の中央キーが押されたか否かに応じて、EL画面60に表示される差分画像(文字情報)が決定されてもよい。例えば、EL画面60に表示される文字情報がEL画面60に1画面で表示できない場合、演出キー38の中央キーが押された回数に応じて、EL画面60に表示される文字がスクロールされてもよい。
このように、描画エンジン1424は、メイン画像からEL画面60の位置に対応する領域をコピーして得られるコピー画像に対して差分画像を合成して、EL画面60に表示するためのサブ画像を生成する。
次に、ステップS106において、描画エンジン1424は、CPU141から出力された制御信号にステップS10の処理によって設定された縮小倍率を示す情報が含まれているか否かに基づいて、縮小倍率が設定されているか否かを判定する。縮小倍率が設定されていると判定した場合(ステップS106:YES)、描画エンジン1424は、ステップS107の処理を実行する。一方、縮小倍率が設定されていないと判定した場合(ステップS106:NO)、描画エンジン1424は、ステップS108の処理を実行する。
ステップS107において、描画エンジン1424は、ステップS105の処理で生成されたサブ画像に対して、制御信号から抽出した縮小倍率を示す情報に基づいて、サブ画像の縮小処理を行う。例えば縮小倍率が「0.5」に設定されている場合、描画エンジン1424は、垂直画素数L3が「240」で水平画素数C3が「320」のサブ画像から垂直画素数L3が「120」(=240×0.5)で水平画素数C3が「160」(=320×0.5)のサブ画像を生成する。次に、ステップS108が実行される。
ステップS108において、描画エンジン1424は、CPU141から出力された制御信号に含まれている分割数SNが「0」であるか否かを判定する。分割数SNが「0」であると判定した場合(ステップS108:YES)、VRAM_RS1425内のサブ画像を分割することなく第1フレームバッファ1426Aの空き領域に描画することができるので、サブ画像をそのまま空き領域に描画する(ステップS109)。このように、描画エンジン1424は、分割が不要であるとCPU141によって予め判定されている場合には、サブ画像を分割することなく、メイン画像の描画によってできた第1フレームバッファ1426A内の空き領域に描画する。
図20には、サブ画像が分割されることなく第1フレームバッファ1426Aの空き領域に描画される例が示されている。図20に例示されているように、垂直画素数L2が「600」で水平画素数C2が「800」のメイン画像に対して上述した例とは異なり垂直画素数L1が「840」で水平画素数C1が「1120」であるフレームバッファが用意されている場合、そのフレームバッファの空き領域の最低垂直画素数L4は「240」(=840−600)で、最低水平画素数C4は「320」(=1120−800)であり、サブ画像の垂直画素数L3が最低垂直画素数L4と等しく、且つ水平画素数C3が最低水平画素数C4と等しくなっている。このような場合には、描画エンジン1424は、サブ画像を分割することなく第1フレームバッファ1426Aの空き領域に描画することが可能である。
ステップS109の処理の後、ステップS110において、描画エンジン1424は、第2フレームバッファ1426Bに格納されている前のフレームの画像を表示する処理が完了して、ステップS102,S109の処理で第1フレームバッファ1426Aに描画した次のフレームの画像を表示するタイミングになったか否かを判定する。表示タイミングになっていない場合(ステップS110:NO)、処理がステップS110へ戻されて待機状態となる。
表示タイミングになったと描画エンジン1424によって判定された場合(ステップS110:YES)、出力回路1427は、図20に示されているように、サブ画像を第1フレームバッファ1426Aから読み出してEL表示器6へ出力する(ステップS111)。ステップS111の処理の後、ステップS117の処理が実行される。
一方、描画エンジン1424は、CPU141から出力された制御信号に含まれている分割数SNが「0」ではない(2以上の偶数)であると判定した場合(ステップS108:NO)、ステップS112の処理を実行する。
ステップS112において、描画エンジン1424は、ステップS105の処理でVRAM_RS1425に生成したサブ画像を分割画像として第1フレームバッファ1426Aの空き領域に描画(格納)する。
図22には、分割数SNが「4」であり、分割画像サイズSSが120×160(垂直画素数×水平画素数)に設定されている場合に(図16(C)の右側の図を参照)、第1フレームバッファ1426Aにメイン画像を描画した場合に生じた空き領域に対して、サブ画像が4個の分割画像として描画される様子が示されている。描画エンジン1424は、図22に例示されるように、サブ画像を複数の領域に分割して得られる分割画像(ここでは4個の分割画像)として第1フレームバッファ1426Aの空き領域に描画する。
このように、描画エンジン1424は、CPU141によって分割が必要であると判定されて分割画像サイズSS及び分割数SNが予め設定されている場合、その設定に基づいてサブ画像を分割数SNで分割し、分割画像として第1フレームバッファ1426Aの空き領域に描画する。
次に、ステップS113において、描画エンジン1424は、ステップS110の処理と同様に、ステップS102,S112の処理で第1フレームバッファ1426Aに描画した次のフレームの画像を表示するタイミングになったか否かを判定する。表示タイミングになっていない場合には(ステップS113:NO)、処理がステップS113へ戻されて待機状態となる。一方、表示タイミングになったと描画エンジン1424によって判定された場合、ステップS114の処理が実行される。
ステップS114において、描画エンジン1424は、CPU141からの制御信号に縮小倍率を示す情報が含まれているか否かに基づいて、縮小倍率が設定されているか否かを判定する。縮小倍率が設定されていないと描画エンジン1424によって判定された場合(ステップS114:NO)、すなわち図14に例示される設定処理でステップS9,S10の処理が行われていない場合、出力回路1427は、分割画像を第1フレームバッファ1426Aから読み出して、サブ画像としてEL表示器6に出力する(ステップS115)。ステップS115の処理の後、ステップS117の処理が実行される。
ところで、メイン画像は、液晶画面50を構成する画素(カラー液晶素子52)と同じ配列で第1フレームバッファ1426Aに格納されている。このため、メイン画像を構成する各画素データに関しては、そのままの順番で液晶表示器5に出力すればよい。また、サブ画像が分割されることなく第1フレームバッファ1426Aに描画された場合(図21参照)、このサブ画像は、EL画面60を構成する画素と同じ配列で第1フレームバッファ1426Aに格納されている。このため、このサブ画像を構成する各画素データに関しては、そのままの順番でEL表示器6に出力すればよい。
これに対して、サブ画像が分割画像として第1フレームバッファ1426Aに描画された場合(図22参照)、このサブ画像は、EL画面60を構成する画素とは異なる配列で第1フレームバッファ1426Aに格納されている。そこで、サブ画像がEL画面60に正しく表示されるように、出力回路1427は、サブ画像を構成する各画素データが本来出力されるべき順序で出力されるように、分割画像を構成する各画素データを読み出す。例えば図21に例示された配列で4個の分割画像が第1フレームバッファ1426Aに格納されている場合、出力回路1427は、図23に示されるように、サブ画像の左上方の領域と同じ表示内容を示す第1分割画像に対して、水平方向12に1ライン分の画素データを読み出して出力する処理と、サブ画像の右上方の領域と同じ表示内容を示す第2分割画像に対して、水平方向12に1ライン分の画素データを読み出して出力する処理とを交互に繰り返す。これにより、サブ画像の上半分に対応する画素データが出力されたことになる。続いて、サブ画像の左下方の領域と同じ表示内容を示す第3分割画像に対して、水平方向12に1ライン分の画素データを読み出して出力する処理と、サブ画像の右下方の領域と同じ表示内容を示す第4分割画像に対して、水平方向12に1ライン分の画素データを読み出して出力する処理とを交互に繰り返す。これにより、分割画像の下半分に対応する画素データが出力されたことになる。
このように、出力回路1427は、サブ画像が分割画像として描画された場合であってもそのサブ画像が正しくEL画面60に表示されるように、分割画像の読み出しを行う。
一方、縮小倍率が設定されていると描画エンジン1424によって判定された場合(ステップS114:YES)、描画エンジン1424は、分割画像を拡大してから、サブ画像としてEL表示器6に出力する(ステップS116)。具体的には、縮小倍率の逆数を拡大倍率として第1フレームバッファ1426A内の各分割画像に対して拡大処理を行い、拡大処理された分割画像を出力回路1427に出力させる。その結果、EL画面60の画面解像度と同じ画素数の画素データが出力される。例えば縮小倍率が「0.5」に設定されている場合、描画エンジン1424は、拡大倍率2倍(=1/0.5)に設定する。そして、第1フレームバッファ1426Aに格納されている各分割画像をVRAM_RS上で2倍に拡大して、拡大処理した各分割画像を、サブ画像として出力回路1427に出力させる。ステップS116の処理の後、ステップS117の処理が実行される。
上述したステップS111、ステップS115、ステップS116、又は、ステップS103でNOと判定された後、ステップS117の処理が実行される。
ステップS117において、出力回路1427は、図21および図22に示されるように、メイン画像を第1フレームバッファ1426Aから読み出して液晶表示器5に出力する。以上で、描画処理が終了する。
[本実施形態の作用効果]
以上のように、本実施形態によれば、潜伏遊技状態、又は、小当たり或いは通常短当たり後の通常遊技状態における特別演出モードにおいて、当該特別演出モードにおける第1演出および第2演出の情報(説明等)をEL画面60を通して見ることができる。
すなわち、本実施形態によれば、現在行われている演出を示す表示画像(選択演出表示画像)の位置にEL画面60を移動させた場合に、EL画面60に当該演出に関する情報を表示することによって、液晶画面50に表示された画像の視認を妨げることなく、直感的な操作によって遊技者に情報を提供することができる。すなわち、遊技者の操作に拠らずに自動で液晶画面50に演出に関する情報が表示されると、当該パチンコ遊技機を熟知している遊技者にとって当該情報は不要な情報であり、液晶画面50に表示される画像演出を視認し難くなる。一方、当該情報を所望する遊技者は、EL画面60を表示画像の位置に移動させることによって、演出に関する情報を視認することができる。また、液晶画面50に情報が重畳表示されるのではなく、EL画面60に情報が表示されるため、遊技者は当該情報が演出の一部なのか、演出に関する情報なのかを容易に識別することができる。
また、本実施形態によれば、サブ画像が第1フレームバッファ1426Aの空き領域に収まるように分割された状態で描画される。このため、液晶表示器5、及びEL表示器6用にそれぞれVDPを用意する必要がなく、製造コストの上昇を抑制することができる。すなわち、上記画像処理方法によって、1つのVDPを用いて2つの画像表示器にそれぞれ異なる画像を表示することができる。従って、2つの画像表示器を有する遊技機であってもVDPを1つだけ備えるだけでよく、製造コストの上昇を抑制することができる。
また、本実施形態によれば、サブ画像が第1フレームバッファ1426Aの空き領域に収まるように分割されるため、必要以上に容量の大きいフレームバッファを設けることなく、液晶画面50に表示されるメイン画像と、EL画面60に表示されるサブ画像とを1個の描画エンジン1424によって1つのフレームバッファ(第1フレームバッファ1426A又は第2フレームバッファ1426B)に描画することが可能となる。その結果、2個の画像表示器を備えることによる製造コストの上昇を抑制することができる。
すなわち、メイン画像およびサブ画像を分割せず、そのまま2つの画像をフレームバッファに描画(格納)することも考えられるが、その場合は、より高性能なVDPを用いる必要がある。例えば、図20に示すようにサブ画像を分割しない場合、図21に示すようにサブ画像を分割する場合と比べて、より容量の大きなフレームバッファが必要になり、従って、そのフレームバッファの容量に応じた処理能力を有するVDP(描画エンジン)が必要になる。その結果、サブ画像を分割しない場合、2個の画像表示器を備えることによって製造コストが上昇するおそれがある。しかしながら、本実施形態によれば、フレームバッファを効率的に利用することができ、必要以上に高性能なVDPを用いる必要がない。従って、2個の画像表示器を備える場合であっても製造コストの上昇を抑制することができる。
また、本実施形態によれば、サブ画像はEL画面60の位置情報に応じたメイン画像の領域をコピーしたコピー画像に、EL画面60にのみ表示される表示内容を示す差分画像を合成することによって生成される。このため、サブ画像を描画する際の描画エンジン1424の負荷を低減することができる。すなわち、サブ画像は、メイン画像の一部の領域を切り取った画像に付加的な情報を示す差分画像を追加した画像であるが、当該画像をメイン画像の一部の領域からコピーせずに描画する場合、描画エンジン1424の負荷が上昇する。しかしながら、一度描画したメイン画像の一部の領域をコピーしたコピー画像を用いることで、当該一部の領域を描画する処理が不要となる。このため、サブ画像を生成する際の描画エンジン1424の負荷を低減することができる。
また、本実施形態によれば、EL画面60の位置に応じて、液晶画面50に表示される画像の一部(EL画面60を通して視認可能な液晶画面50に表示される画像の一部)と、EL画面60にのみ表示される差分画像とが合成されて(重ね合わされて)EL画面60に表示される。これにより、差分画像のみがEL画面60に表示される場合と比較して、遊技者にとって見やすい表示となる。すなわち、遊技者がEL画面60を通して液晶画面50に表示された画像を見ると、EL画面60によって液晶画面50から発せられた光の一部が吸収されたり、EL画面60に外部からの光が反射したりするため、当該画像が見難い場合がある。また、EL画面60に差分画像のみが表示された場合において、遊技者が当該EL画面60を見ると、手前に差分画像が見えるとともに、EL画面60の背後に液晶画面50に表示された画像の一部(例えば、表示画像511の一部や背景の一部)が見える。そうすると、遊技者の目の焦点が合いにくい場合がある。しかしながら、本実施形態では、EL画面60に差分画像に加えて液晶画面50に表示される画像が表示されるため、遊技者にとって見やすい表示となる。
また、本実施形態によれば、光センサ56の検知結果に基づいて検出されたEL画面60の位置に基づいて、サブ画像として表示される画像の表示内容が決定されるので、EL画面60の位置に応じた適切な画像をEL画面60に表示することができる。
また、本実施形態によれば、メイン画像を描画した後の第1フレームバッファ1426Aの空き領域にサブ画像を分割しなければ描画できない場合にのみサブ画像が分割画像として描画され、分割が不要な場合にはサブ画像が空き領域にそのまま描画される。このため、第1フレームバッファ1426Aの空き領域に対するサブ画像のサイズに応じた適切な描画処理を行うことができる。
ところで、装飾図柄等を表示するメインの液晶表示器とは別の画像表示器を追加した遊技機を製造する場合、その画像表示器の画面解像度(サブ画像の垂直画素数×水平画素数)は、どのようなサイズの画像表示器が追加されるかによって異なるものと考えられる。本実施形態によれば、第1フレームバッファ1426Aの空き領域に収まるように分割画像サイズ及び分割数が算出されて、その算出結果に基づいてサブ画像が分割画像として描画される。このため、追加される画像表示器の画面解像度が変化したとしても、第1フレームバッファ1426Aへの描画処理を適切に行うことができる。
また、本実施形態によれば、EL画面60が固定されたEL表示器6のフレーム61の実際の位置を光センサ56が検知することによってEL画面60の位置が検出されるので、例えばステッピングモータ29,30のステップ数に基づいてEL画面60の位置を検出する場合に比べて、EL画面60の位置を正確に検出することができる。例えば、ステッピングモータに脱調が発生した場合、ステッピングモータを動作させることによって移動したであろうEL画面60の位置と、EL画面60の実際の位置との間にずれが生じる場合がある。しかしながら本実施形態によれば、光センサ56が検知したEL画面60の位置に基づいて、EL画面60に表示される画像が決定されるため、液晶画面50に表示された画像とのズレが少ない最適なサブ画像をEL画面60に表示することができる。
[変形例]
本実施形態では、特別演出モードにおいて、第1演出(第1ステージ)および第2演出(第2ステージ)が実行されることとしたが、これらに加えて第3演出が実行されてもよい。また、他の実施形態では、特別演出モードが終了してから、特別図柄抽選が所定回数行われた後、再び特別演出モードに移行してもよい。
また、本実施形態では、まず第1演出が行われた後に、第2演出が行われた。他の実施形態では、特別演出モードに移行してから第1又は第2演出が抽選により行われてもよい。
また、本実施形態では、第1演出が実行されていることを表示する表示画像511等が、液晶画面50の所定の位置に固定されて表示された。他の実施形態では、表示画像は、当該演出が行われている間、液晶画面50上を移動してもよい。そして、表示画像が移動するライン上にEL画面60を移動させた場合に、当該画像演出に関連する情報がEL画面60に表示されてもよい。
また、本実施形態では、潜伏球技状態又は通常遊技状態において行われる特別演出を例に説明した。他の実施形態では、他の任意の遊技状態において行われる演出を表示する表示画像をEL画面60を通して見た場合に、EL画面60に当該演出に関する情報(説明等)を表示してもよい。例えば、確変遊技状態において行われる演出が液晶画面50に表示されている場合において(確変演出モード)、当該確変演出が行われていることを表示する表示画像の位置にEL画面60を移動させたとき、EL画面60に確変演出に関する情報(確変演出に関する説明等)を表示してもよい。また、通常遊技状態において行われる演出が液晶画面50に表示されている場合において(通常演出モード)、当該通常演出が行われていることを表示する表示画像の位置にEL画面60を移動させたとき、EL画面60に通常演出に関する情報(通常演出に関する説明等)を表示してもよい。
また、本実施形態では、液晶表示器5が有する光センサ56によってEL画面60の位置を検出し、検出した位置に応じた画像をEL画面60に表示した。他の実施形態では、演出キー38からの操作情報に基づいて、EL画面60に表示するサブ画像を決定してもよい。演出制御部130のCPU131は、遊技者によって演出キー38への入力が行われると、その入力に応じた操作情報を取得し、EL画面60を移動させる(ステップS26)。CPU131は、当該操作情報に基づいたEL画面60の制御上の位置を知ることができる。ここで、EL画面60の制御上の位置とは、ランプ制御部150のCPU151が第1ステッピングモータ29および第2ステッピングモータ30に送信したステップ数に応じた位置であり、実際のEL画面60の位置とは異なる場合がある。CPU131は、第1ステッピングモータ29及び第2ステッピングモータ30の駆動を指示するコマンドをランプ制御部150に送信するため、送信したコマンドに基づいて、EL画面60の制御上の位置を知ることができる。そして、画像音響制御部140は、操作情報に基づいたEL画面60の位置に対応するメイン画像の領域をコピーし(ステップS103)、コピーした画像に差分画像を合成してサブ画像を生成する(ステップS104)。従って、光センサ56を有する液晶表示器5を用いなくても、演出キー38からの操作情報に基づいて、EL画面60に表示する画像を生成することができる。
なお、この場合において、EL画面60の制御上の位置と、EL画面60の実際の位置とがずれることがある。例えば、第1ステッピングモータ29や第2ステッピングモータ30の脱調により、操作情報に基づくEL画面60の制御上の位置に、EL画面60が移動しない場合がある。このようにEL画面60の制御上の位置と実際の位置とがずれると、EL画面60に表示される画像と、液晶画面50に表示される画像とがずれてしまい、遊技者が2つの画面を見ると違和感を感じるおそれがある。従って、液晶表示器5が有する光センサ56によって検出されたEL画面60の実際の位置と、EL画面60の制御上の位置とに所定以上のずれが生じた場合、上記操作情報に基づくEL画面60の位置を補正してもよい。すなわち、EL画面60の実際の位置に基づいて、サブ画像が生成され、EL画面60に表示されてもよい。また、上記実施形態のような光センサ56を有する液晶表示器5を用いない場合は、EL画面60の実際の位置を検出するセンサを複数配置することが望ましい。
例えば、図24に示されるように、非接触で連結部材194および連結部材214の存否を検出する近接センサ233(例えば、光センサ、磁気センサ等)をガイド部材202およびガイド部材222に配設することにより、EL画面60の実際の位置を検出してもよい。図24は、他の実施形態におけるEL画面60の実際の位置を検出するための構成を示す図である。この場合において、近接センサ233は連結部材194および連結部材214の長手方向に沿って複数配設されてもよい。そして、EL画面60の制御上の位置と近接センサ233によって検出されたEL画面60の実際の位置とにずれが発生した場合、EL画面60の制御上の位置を補正し、補正後の位置に基づいて、EL画面60に表示する画像を決定してもよい。なお、近接センサ233に限らず、接触型のセンサが用いられてもよい。
また、本実施形態では、サブ画像は、メイン画像の一部の領域をコピーしたコピー画像と差分画像とが合成されて(重ね合わされて)、生成された。すなわち、本実施形態では、EL画面60には、液晶画面50に表示される画像の一部の画像と、EL画面60にのみ表示される差分画像とが合成されて、表示された。他の実施形態では、差分画像(画像演出に関連する情報を示す画像)のみがEL画面60に表示されてもよい。これにより、コピー画像と差分画像とを合成するといった処理が不要であるため、VDPの処理負荷を低減することができる。この場合、EL画面60を遊技者が見ると、EL画面60に表示される差分画像が見えるとともに、液晶画面50に表示される画像がEL画面60を通して見える。
また、本実施形態では、液晶画面50に表示されるメイン画像をフレームバッファにそのまま描画して、EL画面60に表示されるサブ画像をフレームバッファの空き領域に分割して描画した。他の実施形態では、液晶画面50に表示されるメイン画像をフレームバッファに分割して描画し、EL画面60に表示されるサブ画像をフレームバッファにそのまま描画してもよい。
また、他の実施形態では、EL画面60に表示されるサブ画像が分割されてフレームバッファに描画されるとともに、液晶画面50に表示されるメイン画像もまた分割されてフレームバッファに描画されてもよい。
また、本実施形態では、液晶表示器5とは異なる第2の画像表示器として、透過型のEL表示器6が用いられたが、透過型EL表示器に限らず、透過型液晶表示器が用いられてもよい。
また、本実施形態では、2つの画像表示器を有することとしたが、他の実施形態では、3つ以上の画像表示器を有してもよい。