JP5907702B2 - 注出口付き包装袋 - Google Patents
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Description
また、この種のパウチの注出口部には、易開封性手段として、上部のノッチと、流路を横断するレーザー光照射によるハーフカット線と、ノッチからハーフカット線の端部まで引き裂くためのミシン目線とを組み合わせ、上部のノッチから下方に引き裂きを開始した後、注出口の付け根付近で、流路に沿った斜め上方に開封の向きが曲がるように設けられている(例えば特許文献1参照)。
前記コーナー部は円弧状であり、前記コーナー部が前記第1の部分の延長線上から突出する幅が、前記コーナー部の円弧の半径の1/2倍以上であることが好ましい。
前記コーナー部の開始側が前記第1の部分の終了側から屈曲する角度が、90〜120°であることが好ましい。
前記第1の部分の終了側から屈曲する前記コーナー部の開始側の方向が、包装袋の上辺に垂直な方向に対して成す角度が、90〜120°であることが好ましい。
前記開封補助線が、前記第1の部分に非貫通部を有する切り抜き線であり、前記コーナー部の全体が、注出口を構成する複数のフィルムを貫通する貫通部により形成されていることが好ましい。
図1に示すように、本形態例の包装袋10は、互いに平面形状が同一である2枚の胴部フィルム11,11と、折り線12aを中心線にして2つ折りにされた底部フィルム12とから構成されたスタンディングパウチである。図1に示すように、底部フィルム12は、折り線12aが内向きとなるように折り重ねられて一対の胴部フィルム11,11の下部同士の間に介装されている。
包装袋10は、左右両側の側端に沿ってそれぞれ側端シール部11a,11bが形成されているとともに、包装袋10の下部には、各胴部フィルム11,11と底部フィルム12とが互いに対向する対向面の下端縁部同士でヒートシールされることにより底シール部12bが形成されている。
内容物は、特に限定されるものではないが、液状物、粉体や顆粒体等の固体、あるいは粘稠体、液体等、あるいはこれらの混合物などが挙げられる。
本形態例の場合、注出口14は、開封後に流路の両側を構成する流路形成シール部15a,15bと、開封前に流路を封止する流路封止シール部15cと、開封中につまみとなるプルタブ16が、側端シール部11bの上部から連続して胴部フィルム11,11同士をヒートシールすることにより形成されている。
一方の流路形成シール部15aは、未シール部15の上方(上辺14aとの間)に設けられ、他方の流路形成シール部15bは、未シール部15の側方(側端14bとの間)に設けられている。
未シール部15の先端部は、流路封止シール部15cによって閉鎖されている。流路形成シール部15aと側端シール部11aとの間にはシール部13が形成されているが、このシール部13を閉鎖する前に充填口として用いることが可能である。シール部13は、内容物の充填後、充填口の周縁において胴部フィルム11,11同士をヒートシールすることにより形成される。
未シール部15の上方のシール部14cは、開封補助線17により、未シール部15との間に所定幅の流路形成シール部15aを残して切り取ることができる。開封補助線17が流路に沿って延設された部分は、未シール部15と開封補助線17との間に流路形成シール部15aのシール幅を確保しつつ、開封後に突出した注出口が形成されるように、未シール部15の近傍に設けられる。
また、開封補助線17が上辺14aで開始する位置には、例えばV字状の切欠などからなるノッチ17nが設けられている。
これにより、上辺14aから下方へ直進する力を分散させ、第1の部分17aの延長でそのまま下方へ引き裂かれにくくなり、注出口の下部や胴部本体への引き裂きを効果的に防止することができる。
コーナー部17cの形状は、図示例のような円弧状の他、略半円状、V字状、コ字状などに形成されてもよい。また、その大きさは適宜設定可能である。
また、図3に示す例では、円弧状のコーナー部17cが第1の部分17aの延長線上から突出する幅D2が、コーナー部17cの円弧の半径Rの1/2倍である。この場合、コーナー部17cの開始側が第1の部分17aの終了側から屈曲する角度θ2が、約120°となる。
コーナー部17cが曲線である場合、第1の部分17aからの屈曲角は、第1の部分17aとコーナー部17cとの交点Pにおける接線方向として求めることができる。
さらに、開封補助線17が開封案内線18の開封開始側の端部18aに向けて延設された終端部に至るまで、貫通部により形成されていることが好ましい。この場合、開封補助線17は、第1の部分17aにのみ、非貫通部17jを有する構成とすることができる。
ジョイント17jを設けることにより、未使用時にプルタブ16の引っ掛かりによって開封案内線18が不用意に引き裂かれることが防止できる。開封時にプルタブ16を引き出してつまむことにより、開封案内線18に沿った注出口14の引き裂きを開始するときに、手の引き裂き力を胴部フィルム11に十分に良く伝えることができる。
本形態例においては、ジョイント17jを破断するために必要な力(開封強度)が比較的大きい場合でも、コーナー部17cの形状を工夫することで、下方への意図しない引き裂けを防ぐことができる。また、コーナー部17cから下方への引裂強度が、開封案内線18の引裂強度よりも大きいことにより、開封補助線17を引き裂いてから開封案内線18を引き裂く間に、引裂方向の違いを意識しなくても、自然に開封案内線18へと引き裂きを続けることができ、開封を失敗しにくい注出口付き包装袋となる。
開封案内線18の開封終了側の端部18bは、側端14bに達していてもよく、端部18bと側端14bとの間に若干の未シール部を介在させることもできる。
保形材の形状としては、円筒体、楕円筒体、断面が四角形等の多角形である角筒体などの両端が開口したチューブに限定されるものではなく、このほか、断面が円形、楕円形、三角形や四角形等の多角形等である棒状体、断面コ字状、H字状、T字状の部材など、種々の形態が採用可能である。保形材は、流路を閉塞しないように断面が長手方向にわたって一定である形状(筒状体や棒状体など)が好ましく、フィルムに固定する作業が容易で、内容物の流動を妨げないので筒状体がより好ましく、中でも円筒体は固定される面が自在であり、フィルムに固定する際の位置決めが容易なので、さらに好ましい。そして、固定に際しては、保形材の長手方向を流路の方向に揃えることが望ましい。
なお、本発明において、保形材やその周囲の膨らみ部は必須のものではなく、保形材を省略した構成とすることもできる。保形材を設ける場合は、開封案内線18が保形材と交差しない位置に設けられていることが好ましい。これにより、開封時に保形材が引っかかったり露出されたりすることがない。
保形材の位置は、開封案内線18から少なくとも0.3mm以上離れていることが好ましく、保形材と開封案内線18との間の最も近い距離が0.3〜10mmの範囲内であることが好ましい。
例えば、包装袋の注出口は、その先端部が包装袋の上辺から突出している形状であってもよい。この場合の注出口は、上記形態例の包装袋10の上辺14aおよび側端14bと同様に、注出口の両側を略垂直な辺で囲む形状が好ましい。
底部フィルムは必須のものではなく、包装袋は三方シール袋や四方シール袋などの平袋から構成されるものであってもよい。あるいは、底部フィルム12のような2つ折りのフィルムを包装袋の側部、例えば注出口14とは反対側(図1の右側)に介装してもよい。
図2に示すように、開封補助線17のコーナー部17cが第1の部分17aから屈曲した突出部17dを有する実施例1の包装袋10と、図4に示すように、開封補助線17のコーナー部17cが第1の部分17aから連続して延長された比較例1の包装袋100とを作製した。突出部17dの有無およびコーナー部17cの形状以外は、同様の材料および寸法とした。
比較例1の包装袋100では、コーナー部17cが第1の部分17aとの交点Pから滑らかに円弧を開始した。すなわち、交点Pにおいて、コーナー部17cの円弧の接線を、第1の部分17aの直線に一致させた(図4(b)参照)。
図5および図6に示すように、開封補助線17の第1の部分17aの左右を、第1の部分17aに対して平行となるように配置した別々のつかみ具21,22で挟み込み、2つのつかみ具21,22の引張方向(図5〜6の矢印AおよびB)を、いずれも包装袋の成す平面に対して略垂直で、かつ互いに反対向きとして、300mm/minの速度で引っ張り、注出口14の下部や胴部本体に向かって下方に(図5〜6の引き裂け部20参照)引き裂けるまで力を増加させた。このときサンプルに加えた引裂力(単位:ニュートン)を計測し、その引裂力の値をコーナー部引裂強度(単位:ニュートン)とした。
ジョイント17jの破断に要する力が引裂力に影響しないよう、第1の部分17aに設けたジョイント17jは、あらかじめ破断しておいた。
2つのつかみ具を、開封案内線18のハーフカット線に対して平行となるように配置し、開封案内線18が引き裂けるまで力を増加させたこと以外は、コーナー部引裂強度と同様に測定した。
Claims (5)
- 包装袋の上側の隅部に注出口の流路となる未シール部が設けられた包装袋であって、
前記未シール部の上方のシール部には、開封を開始するための開封補助線として、前記包装袋の上辺から流路へ向けて下方に延設され、流路近傍で方向を変えて前記流路に沿って斜め上方に延設され、さらに方向を変えて開封案内線の開封開始側の端部に向けて延設された平面形状を有する開封補助線が設けられ、
前記開封補助線のうち、前記上辺から流路へ向けて下方に延設された第1の部分と、前記流路に沿って斜め上方に延設された第2の部分との間で方向を変えるコーナー部に、前記第1の部分よりも注出口から遠ざかるように屈曲して突出する突出部を有することを特徴とする注出口付き包装袋。 - 前記コーナー部は円弧状であり、前記コーナー部が前記第1の部分の延長線上から突出する幅が、前記コーナー部の円弧の半径の1/2倍以上であることを特徴とする請求項1に記載の注出口付き包装袋。
- 前記コーナー部の開始側が前記第1の部分の終了側から屈曲する角度が、90〜120°であることを特徴とする請求項1または2に記載の注出口付き包装袋。
- 前記第1の部分の終了側から屈曲する前記コーナー部の開始側の方向が、包装袋の上辺に垂直な方向に対して成す角度が、90〜120°であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の注出口付き包装袋。
- 前記開封補助線が、前記第1の部分に非貫通部を有する切り抜き線であり、前記コーナー部の全体が、注出口を構成する複数のフィルムを貫通する貫通部により形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の注出口付き包装袋。
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