JP5907049B2 - 表面処理装置およびその処理方法 - Google Patents

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本発明は、基板の金属表面をエッチングする表面処理装置およびその処理方法に関する。
従来から、基板などの表面に金属被膜を形成する際には、金属被膜の密着性を高めるため、基板の金属表面に対して前処理として酸化膜を除去することが一般的である。たとえば、特許文献1には、基板の成膜領域以外の表面をマスキング後、成膜領域のアルカリ脱脂を行い、その後、高圧水流をアルカリ脱脂された表面に噴射して、金属基板の酸化膜(不動態膜)の除去をおこなっている。このように、特許文献1に記載の技術では、物理的に高圧水流で成膜領域の表面に形成された酸化膜を除去することにより、成膜領域に密着性の高い金属被膜を成膜することができる。
また、基板の酸化膜を除去する別の技術として、金属基板の表面に溶液を用いたウエットエッチング法や、反応ガスを用いたドライエッチング法なども幅広く利用されている。たとえば、特許文献2には、強アルカリ性水溶液又はアルカリ電解水でアルミニウム系の金属基板の表面をウエットエッチングする方法が提案されている。この技術の場合も同様に、基板の成膜領域以外の表面をマスキング後、成膜領域に強アルカリ性水溶液又はアルカリ電解水を接触させることにより金属基板の表面を溶出さて、成膜領域のエッチングを行うことができる。
特開2001−073174号公報 特開2007−107069号公報
しかしながら、特許文献1および2等に記載された表面処理技術を用いて、部分的に表面処理しようとした場合には、表面処理をすべき領域以外をマスキング処理する必要があり、処理表面の形状が複雑であればあるほど、その作業は煩雑なものとなる。
さらに、特許文献1および2に記載された表面処理技術の場合には、基板を収容する収容槽や収容チャンバーが必要であり、さらには、特許文献1に記載の技術の場合には、高圧水流を噴射する装置が必要となり、特許文献2に記載の技術の場合には、エッチング溶液の各種条件を制御する装置なども必要となる。このような結果、表面処理装置が大型化し、高コストなものとなる。
さらに、特許文献1および2に記載されたいずれの表面処理技術であっても、処理を行なうために必要以上の量の水、溶液等が必要となり、大量の廃液が発生してしまう。
本発明は、このような点を鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、エッチング時の廃液量を抑えるとともに、基板の所望の表面領域をより安価かつ簡易的にエッチングすることができる表面処理装置およびその処理方法を提供することにある。
このような点を鑑みて、本発明に係る表面処理方法は、基板の金属表面を電気分解によりエッチングする表面処理方法であって、該表面処理方法において、陽極と陰極との間に電解液を含有した固体電解質膜を配置し、該固体電解質膜を前記基板の金属表面に接触させると共に、前記陽極を前記基板の少なくとも金属表面に導通させ、前記陽極と前記陰極との間に電圧を印加することにより、前記基板の金属表面の金属を金属イオンにイオン化させて、前記基板の金属表面をエッチングすることを特徴とする。
本発明によれば、陽極と陰極との間に電解液を含有した固体電解質膜を配置し、該固体電解質膜を基板の金属表面に接触させると共に、前記陽極を前記基板の少なくとも金属表面に導通させ、前記陽極と前記陰極との間に電圧を印加するので、基板の金属表面のうち固体電解質膜と接触した表面のみの金属が、電気分解により金属イオンをイオン化する。これにより、マスキング等を行うことなく、固体電解質膜と接触した基板の表面のみを、部分的に効率良く安価にエッチングすることができる。さらに、固体電解質膜が含有する電解液および陰極に接触する電解液に、エッチングにより生成された金属イオンが含まれるので、これらの電解液のみを入れ替えすればよく、これまでのものよりも、電解液の廃液量を抑えることができる。
より好ましい態様としては、前記陰極として、前記電解液が透過する多孔質体を用い、前記陰極と前記固体電解質膜とを接触させた状態で前記陰極から前記電解液を前記固体電解質膜に供給しながら前記エッチングを行なう。
この態様によれば、陰極は多孔質体であり、この多孔質体からなる陰極は、電解液を内部に透過させることができ、陰極を透過した電解液を陰極に接触した固体電解質膜に供給することができる。これにより、陰極を介して電解液を固体電解質膜に随時供給することができる。
このような結果、陰極側から固体電解質膜に新たな電解液を随時供給し、エッチングにより得られた金属イオンを含む電解液が新たな電解液に入れ替わり、複数の基板を連続してエッチングすることができる。
さらに好ましい態様としては、前記陰極を前記基板に向かって移動させることにより、前記固体電解質膜で前記基板の金属表面を加圧する。この態様によれば、陰極を介して固体電解質膜を加圧することができるので、固体電解質膜を基板の金属表面に均一に倣わせて、この金属表面をエッチングすることができる。
さらに好ましい態様としては、前記基板の金属表面は、アルミニウム系材料である。この態様によれば、金属表面であるアルミニウム(不動態膜)がアルミニウムイオンとなり、陰極側では、アルミニウムよりもイオン化傾向の低い水素イオンが水素ガスとなって発生する。これにより、アルミニウムイオンは、アルミニウムとなって析出することなく、電解液中に存在することになり、電解質液を交換すれば、複数の基板を連続的にエッチングすることができる。
本願では、本発明として、基板を好適に表面処理することができる表面処理装置をも開示する。本発明に係る表面処理装置は、基板の金属表面を電気分解によりエッチングする表面処理装置であって、陰極と、前記基板の少なくとも金属表面に導通する陽極と、前記陽極と前記陰極との間に配置され、電解液を含有した固体電解質膜と、前記陽極と前記陰極との間に電圧を印加する電源部と、を少なくとも備えており、前記電解質膜を前記基板の金属表面に接触した状態で、前記電源部により、前記陽極と前記陰極との間に電圧を印加することが可能なように構成されていることを特徴とする。
本発明によれば、まず、陽極と陰極との間に電解液を含有した固体電解質膜を配置し、該固体電解質膜を基板の金属表面に接触させると共に、前記陽極を前記基板に導通させることができる。この状態を保持し、電源部により陽極と陰極との間に電圧を印加することができる。この結果、基板の金属表面のうち固体電解質膜と接触した金属表面のみの金属が、電気分解により金属イオンをイオン化する。これにより、マスキング等を行うことなく、固体電解質膜と接触した基板の金属表面のみを、部分的に効率よく安価にエッチングすることができる。さらに、固体電解質膜に含有する電解液および陰極に接触する電解液に、金属イオンが含まれるので、これらの電解液のみを入れ替えすればよく、これまでのものよりも、電解液の廃液量を抑えることができる。
より好ましい態様としては、前記陰極と前記固体電解質膜が接触しており、前記陰極は、前記電解液が透過する多孔質体からなる。この態様によれば、多孔質体からなる陰極は、電解液を内部に透過させることができ、透過した電解液を陰極に接触した固体電解質膜に供給することができる。これにより、陰極を介して電解液を固体電解質膜に随時供給することができる。このような結果、陰極側から固体電解質膜に新たな電解液を随時供給し、エッチングにより生成された金属イオンを含む電解液が新たな電解液に入れ替わり、複数の基板を連続してエッチングすることができる。
さらに好ましい態様としては、前記表面処理装置は、前記陰極を前記基板に向かって移動させることにより、前記固体電解質膜で前記基板の金属表面を加圧する加圧部を備える。この態様によれば、陰極を介して固体電解質膜を加圧することができるので、固体電解質膜を基板のエッチング領域に均一に倣わせて、この表面をエッチングすることができる。
本発明によれば、エッチング時の廃液量を抑えるとともに、基板の所望のエッチング領域をより安価かつ簡易的にエッチングすることができる。
本発明の実施形態に係る表面処理装置の模式的概念図。 図1に示す表面処理装置による表面処理方法を説明するための図であり、(a)は、表面処理前状態を説明するための模式的断面図であり、(b)は、表面処理時の状態を説明するための模式的断面図。 本発明の第2実施形態に係る表面処理装置の模式的断面図。
以下に本発明の2つの実施形態に係る表面処理方法を好適に実施することができる表面処理装置について説明する。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態に係る表面処理装置の模式的概念図である。図2は図1に示す表面処理装置による表面処理方法を説明するための図であり、(a)は、表面処理前状態を説明するための模式的断面図であり、(b)は、表面処理時の状態を説明するための模式的断面図である。
図1に示すように、本発明に係る表面処理装置1Aは、基板Bの金属表面(エッチング領域f)を電気分解によりエッチングする装置である。ここで、基板Bは、アルミニウム系材料(アルミニウム、またはその合金)などの金属材料からなる基板、または樹脂またはシリコン基板の処理表面に金属下地層が形成されている基板である。基板Bの金属表面(エッチング領域f)の金属は、酸溶解が可能な金属材料からなる。
表面処理装置1Aは、金属製の陰極11と、金属製の陽極12と、陰極11の表面に配置された固体電解質膜13と、陰極11と陽極12との間に電圧を印加する直流の電源部14と、を少なくとも備えている。電源部14は、陰極11と陽極12に電気的に接続されており、固体電解質膜13を基板Bの金属表面(エッチング領域f)に接触した状態で、陽極12と陰極11との間に電圧を1〜20V程度印加することが可能なように構成されている。
さらに、陰極11の上面には、電解液Lを陰極11に供給する、電解液供給部15が配置されている。電解液供給部15の底部には開口が形成され、その内部空間に、陰極11が電解液供給部15の内壁と嵌合した状態で収容可能されている。
電解液供給部15の一方側には、電解液Lが収納された溶液タンク17が、供給管17aを介して接続されており、その他方側には、使用後の廃液を回収する廃液タンク18が、廃液管18aを介して接続されている。
このように構成することにより、溶液タンク17に収納された電解液Lを、供給管17aを介して電解液供給部15の内部に供給し、使用後の廃液を廃液管18aを介して廃液タンク18に送ることができる。
また、電解液供給部15の内部空間に陰極11が内壁と嵌合した状態で収容され、固体電解質膜13と接触しているので、内部空間の上方から供給された電解液Lを、陰極11の背面(固体電解質膜13と接触した面とは反対の面)から、陰極11に供給することができる。
ここで、陰極11は、電源部14のマイナス側に電気的に接続されており、電解液Lが透過する多孔質体からなり、多孔質体を通過した電解液Lが固体電解質膜に供給可能な位置に配置されている。このような多孔質体としては、(1)電解液Lに対して耐食性を有し、(2)陰極として作用可能な導電率を有し、(3)電解液Lを透過することができ、(4)後述する加圧部16により加圧することができるものであれば、特に限定されるものではなく、たとえば、発泡チタンなど、めっき金属イオンよりもイオン化傾向が低く(あるいは、電極電位が高く)、開気孔の連続気泡体からなる発泡金属体などを挙げることができる。
また、上述した(3)の条件を満たすものであれば、特に限定されるものではないが、発泡金属体を用いる場合には、気孔率50〜95体積%程度、孔径50〜600μm程度、厚さ0.1〜50mm程度のものが好ましい。
一方、陽極12は、エッチングされる基板Bの少なくとも金属表面(エッチング領域f)に導通するように構成されており、電源部14のプラス側に電気的に接続されている。なお、基板B自体が陽極でもよい。陽極12は、電解液Lに対して耐食性を有し、かつ陽極12として作用可能な導電性を有するものであればよい。そして、基板Bを載置することができる形状であれば、その大きさおよび形状は特に限定されるものではない。
さらに、電解液供給部15の蓋部15aには、加圧部16が接続されている。加圧部16は、陰極11を基板Bに向かって移動させることにより、固体電解質膜13で基板Bの金属表面のうちエッチング領域fを加圧するものである。例えば、加圧部16としては、油圧式または空気式のシリンダなどを挙げることができる。
また、表面処理装置1Aは、基板Bを固定し、陰極11および陽極12に対して基板Bのアライメントを調整する基台21と、基台21を介して基板Bの温度調整を行う温度制御部を備えている。本実施形態では、基台21の上に載置された基板Bを搬送する搬送装置40が設けられている。
ここで、電解液Lは、溶液の電気伝導度を高め、かつ、陽イオンが陰極側で還元析出しないような液である。電解液には酸溶液が好ましいが、中性、アルカリ溶液でも可能であるこのような電解液Lとしては、たとえば、水、水酸化カリウム溶液、リン酸水溶液、硫酸水溶液などを挙げることができ、陽極12と陰極11の間に電圧を印加して、基板Bの金属表面の金属を金属イオンにイオン化することができるものであれば特に限定されるものではない。
固体電解質膜13は、電解液Lを含有することができる固体電解質からなる膜、フィルム等のものである。固体電解質膜13は、上述した電解液Lに接触させることにより、金属イオンを内部に含浸することができ、電圧を印加したときに陰極側において金属イオン由来の金属が析出することができるのであれば、特に限定されるものではない。固体電解質膜の材質としては、たとえばデュポン社製のナフィオン(登録商標)などのフッ素系樹脂、炭化水素系樹脂、ポリアミック酸膜、旭硝子社製のセレミオン(CMV、CMD,CMFシリーズ)などのイオン交換機能を有した膜を挙げることができる。
以下に本実施形態にかかる表面処理方法について説明する。まず、基台21に基板Bを配置し、陰極11および陽極12に対して基板Bのアライメントを調整し、温度制御部22により、基板Bの温度調整を行う。次に、図2(b)に示すように、多孔質体からなる陰極11の表面に固体電解質膜13を配置し、固体電解質膜13を基板Bに接触させると共に、陽極12の少なくとも金属表面を基板Bに導通させる。
次に、加圧部16を用いて、陰極11を基板Bに向かって移動させることにより、固体電解質膜13を基板Bの金属表面(エッチング領域f)に加圧する。これにより、陰極11を介して固体電解質膜13でエッチング領域fを加圧することができるので、固体電解質膜13をエッチング領域fの基板Bの表面に均一に倣わせることができる。
次に、電源部14を用いて、陰極11と陽極12との間に電圧を印加し、基板Bの金属表面(エッチング領域f)の金属を金属イオンにイオン化させて、基板Bの金属表面(エッチング領域)をエッチングする。
このような結果、多孔質体からなる陰極11を用いることにより、電解液Lをその内部に透過させることができ、透過した電解液Lを、固体電解質膜13に供給することができる。これにより、エッチング時において、多孔質体である陰極11を介して、電解液Lを随時供給することができる。供給された電解液Lは、陰極11内部を透過して、陰極11に隣接する固体電解質膜13に接触し、固体電解質膜13内に含浸される。
そして、陰極11と陽極12との間に、たとえば1V〜20Vの電圧を印加する。これにより、基板Bの金属表面のうち固体電解質膜と接触したエッチング領域fの表面のみの金属が、電気分解により金属イオンをイオン化する。このようにして、マスキング等を行うことなく、固体電解質膜13と接触した基板Bのエッチング領域fの金属表面のみを、部分的に効率良く安価にエッチングすることができる。さらに、固体電解質膜13に含有する電解液Lおよび陰極11に接触する電解液に、エッチングにより生成された金属イオンが含まれるので、これらの電解液のみを入れ替えすればよく、これまでのものよりも、電解液の廃液量を抑えることができる。
また、電解液供給部15に収容された電解液Lを陰極11の背面から供給し、陰極11を透過した電解液Lを陰極11に接触した固体電解質膜13に供給することができる。これにより、陰極11を介して電解液Lを固体電解質膜13に随時供給することができる。
このような結果、陰極11側から固体電解質膜13に新たな電解液を随時供給し、エッチングにより得られた金属イオンを含む電解液が新たな電解液に入れ替わり、複数の基板Bを連続してエッチングすることができる。
さらに、加圧部16で陰極11を基板Bに向かって移動させることにより、固体電解質膜13で基板Bの金属表面を加圧するので、固体電解質膜13を基板Bの金属表面(エッチング領域f)に均一に倣わせて、このエッチング領域fの金属表面をエッチングすることができる。
ここで金属表面がアルミニウム系材料の場合には、電気分解により、基板B側(陽極12側)では、Al→Al3++3eの反応が起こり、陰極11側では、2H+2e→H↑の反応が起こる。すなわち、金属表面であるアルミニウム(不動態膜)がアルミニウムイオンとなり、陰極11側では、アルミニウムよりもイオン化傾向の低い水素イオンが水素ガスとなって発生する。これにより、アルミニウムイオンは、アルミニウムとなって析出することなく、電解液中に存在することになり、電解質液を交換すれば、複数の基板を連続的にエッチングすることができる。
〔第2実施形態〕
図3は、本発明の第2実施形態に係る表面処理装置の模式的断面図であり、第1実施形態に係る表面処理装置と共通する部分に関しては、その詳細な説明は省略する。なお、図3では、第1実施形態に係る表面処理装置と同じ機能を有する構成は、同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。
第2実施形態の表面処理装置1Bが、第1実施形態のものと相違する点は、陰極11の構造とその配置箇所と、固体電解質膜13Aの大きさである。第2実施形態に係る表面処理装置1Bの陰極11Aは、多孔質体ではない金属電極板である。陰極11Aと固体電解質膜13Aとは、離間して配置されており、陰極11Aと固体電解質膜13Aとの間には、電解液Lが供給可能な空間が形成されており、この空間には、電解液Lが充填される。さらに、固体電解質膜13Aは、電解液供給部15の底部には開口を覆うように、電解液供給部15の底面に固着されている。
このように構成することにより、陰極11Aと陽極12との間に電圧を印加することにより、基板Bの金属表面のうち固体電解質膜と接触したエッチング領域fの表面のみの金属が、電気分解により金属イオンをイオン化する。このようにして、マスキング等を行うことなく、固体電解質膜13と接触した基板Bのエッチング領域fの金属表面のみを、部分的に効率良く安価にエッチングすることができる。
さらに、本実施形態では、陰極11Aと固体電解質膜13とが離間して、これらの間の空間に、電解液Lが収容されているので、加圧部16により固体電解質膜13Aを基板Bのエッチングしているエッチング領域に容易に倣わせることができる。
以下に本発明を実施例に基づいて説明する。
上述した第1実施形態に係る表面処理装置を用いて純アルミニウム基板(50mm×50mm×厚さ1mm)の表面のエッチングを行った。陰極に、発泡チタン、電解質膜にデュポン社製のナフィオンN117、電解液に10%硫酸水溶液を用い、純アルミニウム基板の表面のうち10mm×10mmをエッチング領域とした。陽極と陰極との間に電圧を2.0V、120分印加した。この結果、純アルミニウム基板のエッチング領域には凹状の平滑な表面が形成され、エッチング領域と非エッチンク領域との平均段差が2.96μmとなった。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は、前記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。
第1および第2の本実施形態では、直流電源を電源部として用いたが、交流電源を用いた場合には、交流の周期に応じて、陽極と陰極が周期的に反転するので、反転時には、基材表面の酸化皮膜(不動態膜)の金属酸化物が還元するので、より効率よくエッチングを行うことができる。
1A,1B:表面処理装置、11,11A:陰極、12:陽極、13,13A:固体電解質膜、14:電源部、15:電解液供給部、15a:蓋部、16:加圧部、17溶液タンク、17a:供給管、18:廃液タンク、18a:廃液管、21:基台、40:搬送装置、B:基板、f:エッチング領域、L:電解液

Claims (3)

  1. 基板の金属表面を電気分解によりエッチングする表面処理方法であって、
    該表面処理方法において、陽極と陰極との間に電解液を含有した固体電解質膜を配置し、該固体電解質膜を前記基板の金属表面に接触させると共に、前記陽極を前記基板の少なくとも金属表面に導通させ、前記陽極と前記陰極との間に電圧を印加することにより、前記基板の金属表面の金属を金属イオンにイオン化させて、前記基板の金属表面をエッチングし、
    前記陰極として、前記電解液が透過する発泡金属からなる多孔質体を用い、
    前記陰極と前記固体電解質膜とを接触させた状態で、かつ、前記陰極を前記基板に向かって移動させることにより、前記固体電解質膜で前記基板の金属表面を加圧した状態で、前記陰極から前記電解液を前記固体電解質膜に供給しながら前記エッチングを行なうことを特徴とする表面処理方法。
  2. 前記基板の金属表面は、アルミニウム系材料であることを特徴とする請求項1記載の表面処理方法。
  3. 基板の金属表面を電気分解によりエッチングする表面処理装置であって、
    陰極と、前記基板の少なくとも金属表面に導通する陽極と、前記陽極と前記陰極との間に配置され、電解液を含有した固体電解質膜と、前記陽極と前記陰極との間に電圧を印加する電源部と、を少なくとも備えており、前記電解質膜を前記基板の金属表面に接触した状態で、前記電源部により、前記陽極と前記陰極との間に電圧を印加することが可能なように構成されており、
    前記陰極は、前記電解液が透過する発泡金属からなる多孔質体からなり、
    前記陰極と前記固体電解質膜が接触しており、
    前記表面処理装置は、前記陰極を前記基板に向かって移動させることにより、前記固体電解質膜で前記基板の金属表面を加圧する加圧部を備えることを特徴とする表面処理装置。
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