JP5905496B2 - フルオレノン誘導体の製造方法 - Google Patents

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本発明は、電子材料原料、医農薬中間体として有用な9−フルオレノン及びその誘導体の製造方法の改良に関する。
9−フルオレノン及びその誘導体の製造方法としては、フルオレンを出発原料とし、五酸化バナジウムを触媒としてフルオレンを気相酸化させる方法や、適当な溶媒に溶解させた後、空気や酸素を吹き込み酸化させることにより9−フルオレノンを得る方法が知られている。(例えば特許文献1、2)
しかしながら、気相酸化法は高転化率で反応を行うとフルオレノンの選択性が低下し高収率でかつ安定してフルオレノンを得ることは困難であったり、フルオレンを適当な溶媒に溶解させ空気や酸素を吹き込み酸化させる方法の場合、反応中に気化する有機溶媒が反応で使用する酸素と混合した際に爆発性のある混合気体を生成し防災面上好ましくない。また、これらの方法で9−フルオレノンに置換基を有する誘導体を製造しようとした場合、原料であるフルオレンに所望の置換基を付加した後酸化する方法が考えられるが、この方法の場合、酸化反応を行う際に置換基が反応し所望の誘導体が製造できないといった場合も多く、事実上9−フルオレノン以外の製造法には適用しにくいといった問題もある。
フルオレンを出発原料としない方法として、ビアリールカルボン酸及びその誘導体を分子内Friedel−Crafts型分子内アシル化反応を行うことにより9−フルオレノン及びその誘導体を製造する方法が知られている。(例えば非特許文献1、2)これらの方法の場合、多量のルイス酸触媒が必要であり、反応終了後多量の廃棄物が発生し、環境上及び経済上の観点から工業的優位な方法とは言えない。
米国特許第1,374,695号公報 特開平6−211729号公報
Journal of American Chemical Society,1958,80,6014頁 Journal of Organic Chemistry,1979,44,3724頁
これら従来技術の欠点を解決し、9−フルオレノン及びその誘導体を工業的な規模で、経済的、かつ工業的に有利に製造する方法を提供することである。
本発明者らは、前記課題を解決すべく9−フルオレノン及びその誘導体の製造方法について鋭意検討した結果、ロジウム塩及び/又はロジウム錯体並びに酸無水物存在下でビアリールカルボン酸及びその誘導体を分子内環化反応させることにより、9−フルオレノン及びその誘導体を経済的、かつ工業的に有利に製造することが可能であることを見出した。具体的には以下の発明を含む。
[1]
ロジウム塩及び/又はロジウム錯体並びに酸無水物存在下、以下式(1)
Figure 0005905496
(R及びRは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アシル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルキル基又はアリール基を表し、これら置換基は一部が他の置換基により置換されていても良い。また、R及びRは同一でも異なっていても良い。n及びmは1〜3の整数を表す。)
で表される化合物を分子内環化反応させることを特徴とする以下式(2)
Figure 0005905496
(式中のR、R、n、mの意味は上述のとおりである。)
で表される化合物の製造方法。
[2]
さらにアルカリ金属のハロゲン化物の存在下で分子内環化反応させることを特徴とする[1]記載の製造方法。
[3]
さらに1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタンの存在下で分子内環化反応させることを特徴とする[1]または[2]記載の製造方法。
本発明の方法によれば、様々な誘導体が容易に製造可能なビアリールカルボン酸及びその誘導体を出発原料とし、触媒量のロジウム塩及び/またはロジウム錯体及び安価な酸無水物を用いて9−フルオレノン及びその誘導体が製造可能となる。また、反応終了後、ろ過・水洗・蒸留等、工業的に容易な方法で反応触媒等が除去可能であり、9−フルオレノン及びその誘導体を容易に取り出し・精製可能であることから、工業的優位に様々な9−フルオレノン及びその誘導体が製造可能となる。
本発明で使用される以下式(1)
Figure 0005905496

(R及びRは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アシル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルキル基又はアリール基を表し、これら置換基は一部が他の置換基により置換されていても良い。また、R及びRは同一でも異なっていても良い。n及びmは1〜3の整数を表す。)
で表される。なお、これら置換基の内Rは2’の位置(分子内環化反応でカルボニルが結合する位置)には水素原子以外の置換基は入らない。
これら置換基の具体例として、ハロゲン原子としてはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が、アルキル基としてメチル基、エチル基、プロピル基等分岐を有しても良い炭素数1〜10のアルキル基等が、アルコキシ基としてメトキシ基、エトキシ基等分岐を有しても良い炭素数1〜10のアルコキシ基等が、ハロゲン化アルキル基としてフルオロメチル基、クロロメチル基、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基等分岐を有しても良い炭素数1〜10のハロゲン化アルキル基が、アシル基としてアセチル基、プロピオニル基等分岐を有しても良い炭素数1〜10の脂肪族アシル基及びベンジルカルボニル基、4−メチルベンジルカルボニル基、4−メトキシベンジルカルボニル基、ベンゾイル基、2−メチルベンゾイル基、4−メチルベンゾイル基、4−メトキシベンゾイル基等の芳香族アシル基等が、アリール基としてはフェニル基、1−ナフチル基及び2−ナフチル基、ハロゲン置換フェニル基、アルキル基置換フェニル基等が例示される。更に、これらビアリールカルボン酸の具体例としては、ビフェニル−2−カルボン酸、4’−ハロビフェニル−2−カルボン酸、4−ハロ−1,1−ビフェニル−2−カルボン酸、4,4’−ジハロ−1,1−ビフェニル−2−カルボン酸、4’−アルキルビフェニル−2−カルボン酸、4−アルキルビフェニル−2−カルボン酸、4,4’−ジアルキル−1,1−ビフェニル−2−カルボン酸、4’−ハロゲン化アルキルビフェニル−2−カルボン酸、4−ハロゲン化アルキル−2−カルボン酸、4,4’−ジハロゲン化アルキル−1,1−ビフェニル−2−カルボン酸、4’−アルコキシビフェニル−2−カルボン酸、4−アルコキシ−2−カルボン酸、4,4’−ジアルコキシ−1,1−ビフェニル−2−カルボン酸、4’−アセチルビフェニル−2−カルボン酸、のようなフェニル基に直接置換基が付加したものでなく、2−(2−ナフタレニル)安息香酸のような縮環構造を有する化合物も使用可能である。これらビアリールカルボン酸は、一般的に販売されているものもが使用可能であり、あるいは必要に応じ例えば2−ヨード安息香酸を出発原料とした鈴木・宮浦カップリング反応により容易に合成することも可能である。
本発明で使用されるロジウム塩及び/またはロジウム錯体としては具体的に、塩化ロジウム、アセチルアセトナト(1,5−シクロオクタジエン)ロジウム、アセチルアセトナトジカルボニルロジウム、クロロカルボニルロジウムダイマー、シクロオクタジエンロジウムクロリドダイマー、ヒドロキシシクロオクタジエンロジウムダイマー、ヘキサデカカルボニルヘキサロジウム、ロジウムアセテートダイマー、ジクロロ(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ロジウムダイマー、ヒドリドカルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム、オクタン酸ロジウム、トリフェニル酢酸ロジウムロジウム等が例示され、この中でもシクロオクタジエンロジウム(I)クロリドダイマー、アセチルアセトナト(1,5−シクロオクタジエン)ロジウム、アセチルアセトナトジカルボニルロジウム、ヒドロキシシクロオクタジエンロジウムダイマーが好ましい。これらロジウム塩及び/またはロジウム錯体は1種、または必要に応じ2種以上混合して使用することも可能である。また、これらロジウム塩及び/またはロジウム錯体はビアリールカルボン酸1モルに対し通常0.1〜10モル%使用し、好ましくは1〜5モル%使用する。使用量が0.1モル%より少ない場合、反応が進行せず目的の9−フルオレノン及びその誘導体が製造できない場合があり、10モル%より多い場合、反応は進行するが、経済的有利に目的の9−フルオレノン及びその誘導体が製造できない場合がある。
本発明で使用される酸無水物とは2つのカルボン酸から水分子が脱離した構造のものを示す。これら酸無水物の具体例としては、無水酢酸、プロピオン酸無水物、酪酸無水物、イソ酪酸無水物、吉草酸無水物、イソ吉草酸無水物、ピバル酸無水物等の脂肪族カルボン酸の脱水体、トリフルオロ酢酸無水物やトリクロロ酢酸無水物のような脂肪族カルボン酸の水素原子を一部または全部をハロゲン原子に置換したカルボン酸の脱水体、フタル酸無水物等の芳香族ジカルボン酸の脱水体が例示され、これらカルボン酸無水物の中でも反応性や入手の容易性から無水酢酸やピバル酸無水物が好ましく、反応性の良さからピバル酸無水物がより好ましい。これら酸無水物は1種、あるいは必要に応じ2種以上混合して使用可能である。また、これら酸無水物はビアリールカルボン酸1モルに対し通常50〜500モル%使用し、好ましくは150〜300モル%使用する。使用量が50モル%より少ない場合、反応が進行せず目的の9−フルオレノン及びその誘導体が製造できない場合があり、500モル%より多い場合、反応は進行するが、経済的有利に目的の9−フルオレノン及びその誘導体が製造できない場合がある。
本発明はビアリールカルボン酸、ロジウム塩及び/またはロジウム錯体及び酸無水物を反応器に加え、攪拌することにより所望の9−フルオレノン及びその誘導体を製造する。この際、反応器を窒素やアルゴン等をはじめとする希ガスのような不活性ガスで反応器の気相を置換することが好ましい。また、攪拌する際の温度は特に限定されないが、120〜200℃が好ましく、150℃〜180℃が更に好ましい。120℃より低い場合、反応速度が遅く目的の9−フルオレノン及びその誘導体が工業的有利に製造できない場合があり、200℃より高い場合、副反応が起こり目的の9−フルオレノン及びその誘導体の得量が低下する場合がある。
本発明を実施する際、分子内環化反応時にアルカリ金属のハロゲン化物を添加すると反応率が向上し目的の9−フルオレノン及びその誘導体の得量が増加する。これらアルカリ金属のハロゲン化物の具体例としては、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、塩化カリウム、臭化カリウム、ヨウ化カリウム等が例示され、この中でもヨウ化カリウムが好ましい。またこれらハロゲン化物を添加する場合、ビアリールカルボン酸1モルに対し通常10〜100モル%使用し、好ましくは20〜50モル%使用する。10モル%より使用量が少ない場合添加効果が発現せず、100モル%より多い場合、反応は問題なく進行するが添加量に見合う効果が発現しない。
本発明を実施する際、分子内環化反応時に添加剤として二座ホスフィン配位子として一般的に知られている化合物の内、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン(DPPE)を添加すると特異的に反応率が向上し目的の9−フルオレノン及びその誘導体の得量が増加する。1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタンを添加する場合、ビアリールカルボン酸1モルに対し通常1〜10モル%使用し、好ましくは2〜5モル%使用する。1モル%より使用量が少ない場合添加効果が発現せず、10モル%より多い場合、反応は問題なく進行するが添加量に見合う効果が発現しない。
本発明を実施する際、分子内環化反応時に必要に応じ溶媒を添加することも可能である。溶媒としては本反応を阻害しない溶媒であれば特に限定されず、このような溶媒として例えば脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、エーテル類や石油エーテルが例示される。その使用量は基質や触媒の溶解性、容積効率等から任意に決定可能であるが、例えばビアリールカルボン酸1重量部に対し0.3〜10重量部使用する。
こうして得られた所望の9−フルオレノン及びその誘導体を含む反応液を反応終了後ろ過することにより触媒を除去し、水洗・蒸留・晶析・カラムクロマトグラフィー等の定法を適用することにより容易に目的物である9−フルオレノン及びその誘導体を取り出し・精製することが可能である。
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本実施例における各測定値は、次の方法、測定条件に従った。
〔1〕収率
本実施例及び比較例において記載される収率は特に断りのない限り、下記条件に基づいてガスクロマトグラフィー分析を行い、内部標準法により収率を決定した。
・装置:島津製作所社製 GC−2014
・カラム:Agilent社製 J&W DB−1(外径250μm,長さ30m,膜厚0.25μm)
・キャリアガス:N、流量:3.06mL/min)
・検出器:FID
・カラム温度:60℃(5分)→20℃/minで昇温→250℃(10分)
・気化室温度:250℃
・検出器温度:250℃
・注入量:7μL
・サンプル調製法:反応終了後、反応混合物にヘキサデカン約30mgを加え、クロロホルム約4mLで希釈しサンプルを調製した。




























〔2〕本各実施例及び比較例に記載するビアリールカルボン酸及び9−フルオレノン及びその誘導体の構造、記号は以下の通り。
Figure 0005905496






Figure 0005905496

















〔3〕本各実施例に記載するロジウム塩及び/またはロジウム錯体、比較例に記載するロジウム以外の塩及びまたは/錯体の構造、記号は以下の通り。
Figure 0005905496
なお、上記化学式においてacac=アセチル基、cod=シクロオクタジエン基、CO=カルボニル基、Cp=シクロペンタジエニル基またはペンタメチルシクロペンタジエニル基を表す。
<製造例1>
4’−アセチルビフェニル−2−カルボン酸(1d)の合成
500mLナス型フラスコに撹拌子、2−ヨード安息香酸(13.1g,52.9mmol)、メタノール(300mL)を加え、濃硫酸(30mL)を室温でゆっくり滴下した後に、窒素下にて80℃で2.5時間加熱撹拌を行った。反応終了後、室温まで冷却し、ジエチルエーテルで1回抽出を行った。得られた有機層を水で2回、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、食塩水で1回洗浄した後、硫酸ナトリウムを添加し乾燥した後、これをろ過、減圧濃縮により粗製物を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=5/1)により精製することで、2−ヨード安息香酸メチルエステル(13.7g,有姿収率99%)を得た。
100mLナス型フラスコに撹拌子、得られた2−ヨード安息香酸メチルエステル(1.8g,7.0mmol)、4−アセチルフェニルボロン酸(1.7g,10.4mmol)、テトラヒドロフラン(25mL)、1Mの炭酸ナトリウム水溶液(25mL)を加え、アルゴンガスで溶液の脱気を30分間行った後にビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムジクロライド(PdCl(PPh)(275.0mg,0.4mmol)を加えて60℃で6時間加熱撹拌を行った。反応終了後、水を加え、塩化メチレン2回抽出を行った。得られた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過、減圧濃縮により粗製物を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=10/1)により精製することで、4’−アセチルビフェニル−2−カルボン酸メチルエステル(1.5g,有姿収率86%)を得た。
500mLナス型フラスコに撹拌子、得られた4’−アセチルビフェニル−2−カルボン酸メチルエステル(1.5g)、テトラヒドロフラン(210mL)、1Mの水酸化リチウム水溶液(70mL)を加え、60℃で5時間加熱撹拌を行った。反応終了後、テトラヒドロフランを留去し、得られた残渣がpH1になるまで1Nの塩化水素水溶液を加えた。その後、ジエチルエーテルで3回抽出を行い、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過、減圧濃縮により粗製を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=1/1)により精製することで、4’−アセチルビフェニル−2−カルボン酸(1d,822.4mg,有姿収率57%)を得た。
<実施例1>
5mLのネジ付き試験官に撹拌子、2−ビフェニルカルボン酸(1a,100.3mg,0.51mmol)、ロジウム塩及び錯体としてRh(acac)(cod)(C1,7.9mg,0.026mmol)、酸無水物として無水酢酸(156.2mg,1.53mmol)及びアルカリ金属のハロゲン化物としてヨウ化カリウム(42.1mg,0.25mmol)を加え、アルゴンガスで置換をした後に、160℃で20時間加熱撹拌を行った。反応終了後、室温まで冷却し、ろ過、減圧濃縮により粗製物を得た。得られた粗製物をガスクロマトグラフィーにより分析し、得られた9−フルオレノン2aの収率を求めた。結果を表3に示す。
<実施例2〜8、比較例1〜11>
表4に示す通りロジウム塩及び錯体を変更し、それぞれの使用量を2−ビフェニルカルボン酸に対し5モル%とする以外は実施例1と同様に反応を行った。結果を表4に示す。












Figure 0005905496
実施例1〜8に示す通り、ロジウム錯体を使用した場合反応が進行し9−フルオレン誘導体が製造可能であったが、比較例1〜11に示す通り、一般的に同様の触媒効果を示す白金族元素であるイリジウムやパラジウム、コバルト及びニッケルからなる塩及び錯体を使用した場合、反応が全く進行しなかった。
<実施例9〜15、比較例12>
表5に示す通りロジウム塩及び錯体として[RhCl(cod)](C4)を2−ビフェニルカルボン酸に対し2.5モル%使用し、ヨウ化カリウムの有無及び酸無水物の種類・有無を変更する以外は実施例1と同様に反応を行った。(なお、各酸無水物は無水酢酸と同様、2−ビフェニルカルボン酸に対し300モル%使用した。)結果を表5に示す。










Figure 0005905496
実施例9〜12に示す通り、アルカリ金属のハロゲン化物を添加する場合、添加しない場合に比べ9−フルオレノン誘導体の収率が向上する。また、比較例5に示す通り、酸無水物を添加しなければ全く反応は進行しないが、実施例9〜15に示す通り、酸無水物を添加すれば反応が進行することが判明した。更に、これら酸無水物の内、ピバル酸を用いれば特異的に反応率が向上することが判明した。
<実施例16〜23>
表6に示す通り、添加剤をそれぞれ2−ビフェニルカルボン酸に対し5モル%使用する以外は実施例12と同様に反応を行った。結果を表6に示す。
<実施例24>
触媒の使用量2−ビフェニルカルボン酸に対し1.5モル%、添加剤の使用量を2−ビフェニルカルボン酸に対し3モル%とする以外は実施例16と同様に反応を行った。結果を表6に示す。
<実施例25>
触媒の使用量2−ビフェニルカルボン酸に対し0.5モル%、添加剤の使用量を2−ビフェニルカルボン酸に対し1モル%とする以外は実施例16と同様に反応を行った。結果を表6に示す。









Figure 0005905496
なお、表に示す添加剤の略称等の意味は以下の通り。

Ph:フェニル基、o−Tol:o−トリル基
DPPM、DPPE、DPPP、DPPH:以下式(3)において
Figure 0005905496
n=1:DPPM、n=2:DPPE、n=3:DPPP、n=6:DPPH
DPPF:以下式(4)で表される化合物。
Figure 0005905496
実施例16に示す通り、添加剤としてDPPEを使用した場合にのみ特異的に収率が向上し、他の配位子を使用した場合、実施例17〜23に示す通り、反応は進行するものの、逆に収率が低下することが判明した。また、実施例24に示す通り触媒を1.5モル%、DPPEを3モル%まで削減しても収率は大幅に低下しなかったが、実施例25に示す通り触媒を0.5モル%、DPPEを1モル%まで削減すると収率が大幅に低下することも判明した。
<実施例26〜29>
表7に示す通り、アルカリ金属のハロゲン化物を変更する以外は実施例16と同様に反応を行った。表7に結果を示す。
Figure 0005905496
表7に示す通り、ヨウ化カリウム以外の各種アルカリ金属のハロゲン化物も同様に添加効果を発現することが判明した。
<実施例30〜32>
表8に示す通り、酸無水物の使用量を変更する以外は実施例16と同様に反応を行った。表8に結果を示す。
Figure 0005905496
表8に示す通り、酸無水物の使用量を200〜400mol%の間で変化させても大きく収率が低下することはなかったが、使用量を100mol%まで減らすと収率の低下傾向が見られた。
<実施例33〜34>
表9に示す通り、触媒の使用量を変更する以外は実施例16と同様に反応を行った。表9に結果を示す。
Figure 0005905496
表9に示す通り、触媒の使用量を2.5mol%より少なくするにつれ収率の低下が見られたが、特にその使用量を0.5mol%まで削減すると大幅な収率の低下が見られた。
<実施例35〜36>
表10に示す通り、ヨウ化カリウムの使用量を変更する以外は実施例16と同様に反応を行った。表10に結果を示す。
Figure 0005905496
表10に示す通り、ヨウ化カリウムの使用量を25mol%まで削減しても大幅な収率低下は見られなかった。また、100mol%まで増加させても収率に変化は認められなかった。
<実施例37〜38>
表11に示す通り、添加剤(DPPE)の使用量を変更する以外は実施例16と同様に反応を行った。表11に結果を示す。
Figure 0005905496
表11に示す通り、添加剤であるDPPEの使用量を2.5mol%まで削減した場合収率の低下が認められた。一方、10mol%まで増加させても収率に変化は認められなかった。
<実施例39〜46>
表12に示す通り、ビアリールカルボン酸及び反応温度を適宜変更する以外は実施例16と同様に反応を行った。表12に結果を示す。
Figure 0005905496
表12に示す通り、本反応は置換基としてアルキル基やハロゲン基、アセチル基、ハロゲン化アルキル基及びメトキシ基を持つようなビアリールカルボン酸に対しても同様に適用が可能であり、更には実施例46に示す通り、縮環構造を有する化合物にも適用可能であり、それぞれ対応した9−フルオレノン誘導体が得られることが判明した。
<実施例47〜48>
表13に示す通り、触媒としてロジウム塩を使用し、溶媒を添加し、反応温度を適宜変更した以外は実施例16と同様に反応を行った。表13に結果を示す。
Figure 0005905496
表13に示す通り、触媒としてロジウム塩を用いても反応が進行し9−フルオレノンが得られることが判明した。
<実施例49〜51>
表14に示す通り、溶媒を使用し、攪拌時間を適宜変更した以外は実施例16と同様に反応を行った。表14に結果を示す。
Figure 0005905496
表14に示す通り、本反応において溶媒を用いても問題なく反応が進行し9−フルオレノンが得られることが判明した。
<参考例1>
実施例16で得られた粗製物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=10/1)により精製したところ、フルオレノン(2a、87.3mg、収率95%)を得た。

Claims (3)

  1. ロジウム塩及び/又はロジウム錯体並びに酸無水物存在下、以下式(1)
    Figure 0005905496
    (R及びRは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アシル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルキル基又はアリール基を表し、これら置換基は一部が他の置換基により置換されていても良い。また、R及びRは同一でも異なっていても良く、R及びRが複数ある場合、それぞれのR及びRは同一でも異なっていても良い。n及びmは1〜3の整数を表す。)
    で表される化合物を分子内環化反応させることを特徴とする以下式(2)
    Figure 0005905496
    (式中のR、R、n、mの意味は上述のとおりである。)
    で表される化合物の製造方法。
  2. さらにアルカリ金属のハロゲン化物の存在下で分子内環化反応させることを特徴とする請求項1記載の製造方法。
  3. さらに1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタンの存在下で分子内環化反応させることを特徴とする請求項1または2記載の製造方法。
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