JP5902658B2 - インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法 - Google Patents

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本発明は、負圧を付与するようにインクを密閉空間内に収容するインクタンクと、このインクタンクから供給されるインクを吐出可能な記録ヘッドと、を用いて画像を記録するインクジェット記録装置およびインクジェット記録方法に関するものである。
インクジェット記録装置においては、負圧が付与されたインクをインクタンクから記録ヘッドに供給し、その記録ヘッドが電気熱変換素子(ヒータ)やピエゾ素子などの吐出エネルギー発生素子を用いて、吐出口からインクが吐出される。このような記録装置は、商店のレジカウンターや棚の中、およびオフィスのデスク上などの狭い場所でも使用されるため、その小型化が要求されている。
記録装置の小型化を図る上においては、記録ヘッドとインクタンクとを直結させることが理想的である。また、インクタンクひいては記録装置の小型化を図りつつ、多量のインクを収容する上においては、インクタンクとしては密閉式のインクタンクを用いることが有利となる。この密閉型のインクタンクとしては、特許文献1に記載されているように、インクを収容した可撓性の袋を備えて、その袋を内容積の拡大方向にバネなどによって付勢することにより、記録ヘッドに供給するインクに負圧を付与するものがある。
密閉式のインクタンクにおいて、インクを収容する可撓性の袋は、記録ヘッドのみと連通する密閉空間を形成する。そのため、例えば、インクタンク内にはインクがなくなって可撓性の袋が潰れ、記録ヘッド内にはインクが未だ残っている場合に、記録ヘッドがその内部に残っているインクを吐出したときには、記録ヘッド内の負圧が上昇してしまう。その結果、インクを良好に吐出することができなくなって、画像の記録不良を招くおそれがある。
特開2007−313711号公報
本発明の目的は、密閉型のインクタンクおよび記録ヘッド内のインクを安定的に吐出することができるインクジェット記録装置およびインクジェット記録方法を提供することにある。
本発明のインクジェット記録装置は、記録ヘッドの内部に設けられたインク室内に負圧を付与するよう密閉空間内にインクを収容するインクタンクから前記インク室内供給されインクを吐出可能な記録ヘッドと、前記インク室内連通路を介して連通し前記インク室内をインク吐出が可能な圧力とする気体貯留部と、前記連通路を開閉する開閉手段と、前記インクタンク内のインクを計測する計測手段と、前記計測手段によって計測される前記インクタンク内のインク量に基づいて前記開閉手段によって前記気体貯留部と前記インク室を連通させる制御手段と、を有することを特徴とする。
本発明によれば密閉型のインクタンクおよび記録ヘッド内のインクを安定的に吐出することができる。
本発明の一実施形態のインクジェット記録装置の概略正面図である。 図1のインクジェット記録装置の制御系のブロック図である。 図1のインクジェット記録装置におけるインクの供給系の概略構成図である。 図3におけるインクタンクと記録ヘッドの拡大断面図である。 図3におけるインク保持部材の拡大図である。 図3のインク供給系による負圧緩和処理を説明するためのフローチャートである。 図6の負圧緩和処理におけるインク供給系の動作の説明図である。 インクの消費量と記録ヘッド内の負圧との関係の説明図である。 本発明の他の実施形態における要部の概略構成図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態の記録装置は、フルラインタイプのインクジェット記録装置としての適用例である。
図1は、フルラインタイプのインクジェット記録装置(以下、「プリンタ」ともいう)110の概念的な構成例の説明図である。
プリンタ110は、パーソナルコンピュータなどの形態のホスト装置120に接続されており、このホスト装置120からプリンタ110に画像情報などが送られる。プリンタ110には、インクを吐出可能な4つの記録ヘッド22(22K、22C、22M、22Y)が記録媒体としてのロール紙Pの搬送方向(矢印A方向)に並ぶように配置されている。記録ヘッド22K、22C、22M、22Yは、それぞれブラック、シアン、マゼンタ、イエローのインクを吐出するための記録ヘッドである。それぞれの記録ヘッド22には、電気熱変換素子(ヒータ)やピエゾ素子などの吐出エネルギー発生素子を用いて、複数の吐出口から対応するインクを吐出する構成となっている。電気熱変換素子を用いて場合には、その発熱によりインクを発泡させ、その発泡エネルギーを利用して吐出口からインクを吐出することができる。これらの吐出口は、矢印Aの搬送方向と交差(本例の場合は、直交)する方向に配列されている。これらの記録ヘッド22は所謂長尺なラインヘッドであり、記録ヘッド22K、22C、22M、22Yは、矢印Aの搬送方向する方向に並んで配置されている。これらの記録ヘッド22の長さは、プリンタ110において記録可能な記録媒体の最大の幅(図1の紙面に直交する方向の長さ)よりもやや長い。また、これらの記録ヘッド22は、画像の記録動作中は所定の記録位置に位置決めされている。
記録ヘッド22Kの回復動作(インクの吐出状態を良好に維持する動作)のために、プリンタ110には回復ユニット400が組み込まれている。回復ユニット400には、それぞれの記録ヘッド22K、22C、22M、22Yにおける吐出口の形成面(吐出口形成面)からインクを除去するためのキャッピング機構50が備えられている。キャッピング機構50は、それぞれの記録ヘッド22K、22C、22M、22Y毎に独立して設けられている。キャッピング機構50には、吐出口形成面をワイピングするためのワイパー、そのワイパーを保持するワイパー保持部材、ワイパーに付着したインクを除去するためのインク除去部材、および吐出口面に密着するキャップ等が備えられている。
ロール紙Pは、供給ユニット25から供給されて、プリンタ110に組み込まれた搬送機構26によって矢印A方向に搬送される。搬送機構26は、ロール紙Pを載置して搬送する搬送ベルト26a、この搬送ベルト26aを回転させるための搬送モータ26b、および搬送ベルト26aに張力を与えるローラ26cなどから構成されている。搬送機構26は、搬送ローラを用いてロール紙Pを搬送する構成であってもよく、またユニット化した搬送ユニットを構成するものであってもよい。
ロール紙Pに画像を記録する際には、搬送中のロール紙Pにおける記録開始位置が記録ヘッド22Kの下に到達した後に、記録データ(画像情報)に基づいて、記録ヘッド22Kにおける複数の吐出口からブラックインクを選択的に吐出する。同様に記録ヘッド22C、記録ヘッド22M、記録ヘッド22Yの順に、各色のインクを吐出してカラー画像をロール紙Pに記録する。プリンタ110には、それぞれの記録ヘッド22(22K、22C、22M、22Y)にインクを供給するインクタンク28(28K、28C、28M、28Y)が備えられている。さらに、プリンタ110には、それぞれの記録ヘッド22K、22C、22M、22Yに対するインクの供給動作および回復動作をするための各種ポンプなどが備えられている。
図2は、プリンタ110の制御系のブロック構成図である。
ホストPC120から送信された記録データやコマンドなどの情報は、インターフェイスコントローラ102を介してCPU100に受信される。CPU100は、プリンタ110の記録データの受信、記録動作、ロール紙Pのハンドリング等のプリンタ110における制御の全般を掌る演算処理装置である。CPU100は、受信したコマンドを解析した後に、記録データの各色成分のイメージデータをイメージメモリ106にビットマップ展開して描画する。
画像を記録する場合には、まず、出力ポート114とモータ駆動部116を介してキャッピングモータ122およびヘッド昇降モータ118を駆動制御して、それぞれの記録ヘッド22を対応するキャッピング機構50から離して記録位置に移動させる。キャッピングモータ122は、キャッピング機構50を図1中の矢印B1,B2方向に移動させるためのモータであり、ヘッド昇降モータ118は、記録ヘッド22を図1中の矢印C1,C2方向の昇降させるためのモータである。その後、出力ポート114とモータ駆動部116を介して、ロール紙Pを繰り出すためのロールモータ(図示せず)、および定速度でロール紙Pを搬送するための搬送モータ26b等を駆動制御して、ロール紙Pを矢印A方向に搬送する。一定速度で搬送されるロール紙Pに対してインクを吐出し始めるタイミング(記録タイミング)は、不図示の先端検知センサ(図示せず)によるロール紙Pの先端の検出タイミングに基づいて決定される。CPU100は、ロール紙Pの搬送に同期して、インク色毎に対応する記録データをイメージメモリ106から順次に読み出し、この読み出したデータを記録ヘッド制御回路112を介して対応する記録ヘッド22K、22C、22M、22Yに転送する。弁17、弁20及び弁33は、CPU100に接続されており、CPU100によって開閉の動作が行われる。また、インク検知センサ24は、CPU100に接続されており、インク検知センサ24からの出力に基づいて、CPU100は、後述する液室内に所定量のインクがあるか否かを判断する。
CPU100は、プログラムROM104に記憶された処理プログラムに基づいて、後述する負圧緩和処理(図6参照)を含む種々の処理を実行する。プログラムROM104には、制御フローに対応する処理プログラム及びテーブルなどが記憶されている。ワークRAM108は、作業用のメモリなどとして使用される。CPU100は、それぞれの記録ヘッド22のクリーニング動作や回復動作時には、出力ポート114とモータ駆動部116を介してポンプモータ124を駆動制御し、インクの加圧および吸引等を行わせる。
図3は、インクタンク28と記録ヘッド22との間のインクの供給系の説明図、図4は、インクタンク28と記録ヘッド22の拡大断面図である。
インクタンク28は、その内部の液室6がジョイント部5のみによって外部に連通する、実質的な密閉空間を形成する密閉型のインクタンクであり、密閉空間を形成する液室6は、少なくとも一部が柔軟性の部材によって形成されている。液室6には、それを拡張する方向に付勢するバネ7Aが備えられている。このバネ7Aによって、液室6内に所定の負圧が発生する。したがって、インクタンク28は、負圧を付与するようにインクを密閉空間内に収容することになる。本例のバネ7Aは、液室6の内部空間を拡大させるように、圧力板7Bを介して液室6を内部から外部に向かって付勢する。バネ7A及び圧力板7Bによって、負圧発生部が形成されている。ジョイント部5には不織布のフィルタ8が取り付けられている。
記録ヘッド22のジョイント部31には、フィルタ13とインク保持部材14が取り付けられている。フィルタ13は、SUS製のメッシュにより形成されている。そのメッシュは金属繊維を織り込んだ構成であり、フィルタ13の目(インク導通部)の平均的な幅は10μm程度である。フィルタ13は、このような細かな目を持つことにより、外部からのゴミが記録ヘッド22内に侵入することを防止する。インク保持部材14には、図5のように、内部に円筒状の流路14Aが複数形成されており、それらの流路14Aの内径は1.0mm程度である。記録ヘッド22側のフィルタ13に対して、インクタンク28側のフィルタ8が圧接することによって、記録ヘッド22とインクタンク28が接続されて、インクタンク28の液室(インク室)6が記録ヘッド22の液室(インク室)10とが連通する。
記録ヘッド22には、液室10内のインクを吐出口9から吐出するための不図示の吐出エネルギー発生素子が備えられている。吐出エネルギー発生素子としては、電気熱変換素子(ヒータ)やピエゾ素子などを用いることができる。電気熱変換体を用いた場合には、その発熱によりインクを発泡させ、その発泡エネルギーを利用して吐出口9からインクを吐出することができる。液室10内には、インク層11が形成される空間部と、インク層11とインクタンク28との間に位置する、空気層12が形成される空間部と、がある。
インクタンク28から記録ヘッド22内に導入されたインクは、インク保持部材14の流路14A内に保持されて、その流路14Aの下端においてインクのメニスカスを形成する。記録ヘッド22の吐出口9からインクが吐出されて、液室10内のインクが消費されると、インク層11の減少および空気層12が増大により液室10内の圧力が低下する。液室10内が所定圧よりも低下したときに、流路14Aの下端に形成されているインクのメニスカスが破れて、インクタンク28から記録ヘッド22内にインクが供給される。このようなインクの供給によって液室10内が元の所定圧に戻ると、インクタンク28から記録ヘッド22内にインクの供給が止まって、流路14Aの下端にインクのメニスカスが再び形成される。このように、インクの消費に伴う液室10内の圧力低下を解消するように、保持部材14の流路14Aを通してインクタンク28から記録ヘッド22内にインクが供給される。流路14Aは、インクタンク28の密閉空間内の記録ヘッド22の液室10内との間の差圧によるインクタンク28から記録ヘッド22へのインクの供給を許容することになる。
液室10内には、インク層11の高さを検知するためのインク検知センサ24が備えられている。インク検知センサ24には、2つの金属製の電極板24A,24Bが並列に配備されている。インク層11の液面が電極板24A,24Bの下端の高さ以上の位置にあるときは、電極板24A,24B同士が電気的に導通し、インク層11の液面が電極板24A,24Bの下端よりも下に位置するときは、電極板24A,24B間が電気的に絶縁される。このような電極板24A,24Bの間の電気的な変化に基づいて、CPU100により、インク層11の液面の高さが所定の高さ(電極板24A,24Bの下端位置)以下であるか否かを検知することができる。
記録ヘッド22には、ジョイント部31とは別に、外部と連通するための連通路15が形成されており、その連通路15の開口部にはフィルタ27が備えられている。連通路15は、開閉可能な第1の弁17を介してバッファ室(気体貯留部)16に連通されている。バッファ室16は30ml程度の空間を成しており、ポンプ18に連通している。本例のポンプ18は、正逆回転可能なチューブポンプである。バッファ室16には、大気に連通する流路19が接続されており、その流路19には開閉可能な第2の弁20が備えられている。ポンプ18には、廃インクタンク32が接続されている。
バッファ室16には、開閉可能な第3の弁33を介してキャップ34が接続されている。キャップ34は、記録ヘッド22における吐出口9の形成面(吐出口形成面)に密着可能である。キャップ34が吐出口形成面に密着して、吐出口9をキャッピングした状態において、キャップ34の内部をポンプ18によって吸引することにより、吐出口9からキャップ34内にインクを吸引排出(吸引回復動作)させることができる。また、画像の記録に寄与しないインクを吐出口9からキャップ34内に吐出する予備吐出動作、および、記録ヘッド22内のインクを加圧して、それを吐出口9からキャップ34内に強制的にインクを排出させる加圧回復動作を実施することもできる。その加圧回復動作においては、バッファ室16および第1の弁17を通して、ポンプ18によって発生させた加圧力を記録ヘッド22内に作用させることができる。このような回復処理によりキャップ34内に受容されたインクは、ポンプ18によって発生させた吸引力によって、バッファ室16を通して廃インクタンク32に排出することができる。
各色のインクタンク28には、種々の情報を記憶可能な記憶素子41(記憶部)が各色に備えられている。インクタンク28を記録ヘッド22に接続させるように、そのインクタンク28を記録装置の本体(装置本体)に装着したときに、インクタンク28の記憶素子41の記憶情報は、装置本体側の情報読取り部40によって読み取られる。CPU100は、その読み取った情報に基づいて制御を実施することができ、またインクタンク28の記憶素子41に情報を記憶させることも可能である。
インクタンク28内のインクが無くなってから、インクの使用量が多い画像を記録する場合には、インクタンク28から記録ヘッド22にインクが供給されずに、記録ヘッド22内のインクが消費されることになる。そのため、インクの吐出不良が生じるレベルにまで記録ヘッド22の液室10内の負圧が上昇するおそれがある。インクの使用量が多い画像を記録する場合としては、ロール紙Pに対する1ページ分の画像サイズが大きい場合、および1ページ分の画像の記録密度が高い場合がある。また、記録媒体として1ページ単位の用紙を用いる場合も同様である。
本例の場合は、負圧緩和処理を行うことによって、インクタンク28内のインクが無くなってからの記録動作においても記録ヘッド22の液室10内の負圧の上昇を抑えることによって、インクの吐出状態を良好に維持して、高品位の画像の記録を可能とする。
図6は、負圧緩和処理を説明するためのフローチャートであり、図7は、負圧緩和処理における記録ヘッド22内の負圧の調整状態の説明図である。
記録装置は、記録動作時に記録ヘッド22から吐出されるインクの吐出回数を記録データに基づいてカウントすることにより、インクタンク28を使用し始めてからのインクの消費量を順次計測して累積する。さらに、このような記録動作によるインクの消費量に、回復動作(吸引回復動作、予備吐出動作、および加圧回復動作を含む)などによるインクの消費量を加味することにより、より正確にインクの消費量を計測することができる。このようにして計算したインクの消費量は、インクタンク28に備わる記憶素子に記憶させる。したがって、記憶素子には、それが備わるインクタンク28内のインクの累積消費量Dが記憶される。その記憶素子に記憶されるインクの累積消費量Dが所定量以上となったときに、インクタンク28内にインクがなくなったと判断して、図6の負圧緩和モードに移行する。
負圧緩和モードに移行したときは、まず、ロール紙Pに対する次の1ページ分の画像(単位記録画像)の記録に必要なインクの消費量D1を記録データに基づいて予測する(ステップS1)。具体的には、次の1ページ分の画像を記録するためのインクの吐出回数を記録データに基づいてカウントし、そのカウント値と、インクの1回の吐出当たりのインク量と、に基づいて消費量D1を予測する。次に、その消費量D1と前述した累積消費量Dとの合計の消費量(D+D1)が所定量DA以上か否かを判定する(ステップS2)。所定量DAは、その程度にまで合計の消費量(D+D1)が達しても、インクの良好な吐出状態が維持できなくなるまでには、記録ヘッド22の液室10内の負圧が上昇しない量である。しかし、合計の消費量(D+D1)が所定量DAをある程度超えたときには、インクの良好な吐出状態が維持できなくなる程、液室10内の負圧が上昇するおそれがある。インクの吐出回数とインクの消費量とを対応付けておくことにより、負圧緩和モードに移行してからのインクの吐出回数が規定回数に達したか否かの判定によって、合計の消費量(D+D1)が所定量DA以上か否かを判定することもできる。
合計の消費量(D+D1)が所定量DA未満のときは、次の1ページ分の画像を記録する(ステップS3)。一方、合計の消費量(D+D1)が所定量DA以上のときには、記録ヘッド22の液室10とバッファ室16とを連通するための一連の処理を行う(ステップS11,S12,S13,S14)。すなわち、まずは図7(a)のように、第1および第3の弁17,33を閉じたまま第2の弁20を開いて、バッファ室16内を大気圧にする(ステップS11)。その後、図7(b)のように第2の弁20を閉じてから(ステップS12)、図7(c)のように、バッファ室16内の空気を排出させる方向にポンプ18を回転させて(ステップS13)、バッファ室16内を負圧にする。その後、バッファ室16内の負圧を記録ヘッド22の液室10内の負圧と同等にしてから、図7(d)のように第1の弁17を開く(ステップS14)。そして、このようにバッファ室16と記録ヘッド22の液室10とを連通してから、次の1ページ分の画像を記録する(ステップS3)。バッファ室16の内圧は、例えば、ポンプ18としてのチューブポンプの回転量、あるいはバッファ室16内の圧力を検知するセンサの検知信号に基づいて、記録ヘッド22の液室10内の負圧と同等に調整することができる。このようにバッファ室16内を圧力調整することにより、バッファ室16と記録ヘッド22の液室10とを連通した際の、液室10内の圧力変動を小さく抑えることができる。
このように、バッファ室16と記録ヘッド22の液室10とを連通することにより、記録ヘッド22の液室10内の空気層12は、バッファ室16の内部を含む領域に及ぶように形成される。つまり、記録ヘッド22の液室10内の空気が存在する空間部の容積を実質的に拡大することになる。したがって、インクタンク28内のインクが無くなってからの記録動作(ステップS4)においては、実質的に拡大させた液室10内の空気により、その液室10内の負圧の上昇を抑えてインクの良好な吐出状態を維持することができる。
図8は、合計の消費量(D+D1)が所定量DA以上となってからの記録動作に伴うインクの消費量と、記録ヘッド22の液室10内の負圧と、の関係の説明図である。本例のように、液室10内の空間を実質的に拡大させることにより、曲線Eのように液室10内の負圧の上昇を小さく抑えることができた。記録ヘッド22の液室10内をバッファ室16に連通させなかった場合、つまり液室10内の空間を実質的に拡大させなかった場合には、曲線Fのように液室10内の負圧が上昇した。
記録動作(ステップS3)の後は、インク検知センサ24が導通しているか否か、つまり記録ヘッド22内のインク量が所定量を越えているか否かを判定する(ステップS4)。インク検知センサ24がインクを検知している場合には、全ての画像の記録が終了したか否かを判定する(ステップS5)。画像の記録が終了していなければ、消費量(D+D1)を累積消費量Dとして更新してから(ステップS6)、先のステップS1に戻って前述した処理を繰り返す。画像の記録が終了していれば、図6の負圧緩和処理を終了する。
ステップS4において、インク検知センサ24がインクを検知していない場合、つまり記録ヘッド22内のインク量が所定量以下の場合には、吸引動作によって記録ヘッド22の液室10内を減圧する(ステップS7)。これにより、インクタンク28内のインクを可能な限り記録ヘッド22の液室内(インク室内)に吸引する。具体的には、第1の弁17を開いて、記録ヘッド22の液室10内を減圧させる方向にポンプ18を回転させる。その後、再度、インク検知センサ24がインクを検知するか否かを判定し(ステップS8)、インクを検知した場合にはステップS6に進み、それを検知しない場合には、ユーザにインクタンク28の交換を促す(ステップS10)。
このように、密閉型のインクタンク内のインクが無くなったときに、記録ヘッドの液室内の空間部を実質的に拡大して、その空間部内の空気量を実質的に増大させる。これにより、その後の記録時における記録ヘッドの液室内の負圧の上昇を抑えて、インクの良好な吐出状態を維持することができる。この結果、画像の記録不良を生じさせることなく、インクタンクおよび記録ヘッド内のインクを最大限使用することが可能となる。また、実質的に拡大される前の前記録ヘッドの液室内の比較的小さな空間は、前述したように、その液室内の圧力低下に適確に反応して、インク保持部材を通してインクタンクから記録ヘッド内にインクを確実に供給させることができる。このように、インクタンク内にインクが存在する通常時は、比較的小さい記録ヘッド内の空間がインクを確実に供給するために圧力低下に適確に反応する。一方、インクタンク内のインクが無くなったときは、実施的に拡大された記録ヘッド内の空間が記録ヘッド内の負圧の上昇を緩和する。
(他の実施形態)
図9のように、1つのバッファ室に対して複数の記録ヘッドを共通に接続してもよい。他の部分は、先述の実施形態と同様の構成なので説明は省略する。本例の場合は、1つバッファ室16に対して、4つの記録ヘッド22(22Y,22M,22C,22K)が対応する第1の弁17(17Y,17M,17C,17K)を介して接続されている。インクタンク28Y内のインクが無くなったときは、CPU100が第1の弁17Yを開くことにより、記録ヘッド22Yの液室を実質的に拡大させるように記録ヘッド22Yの液室とバッファ室16とを連通させる。他の記録ヘッド22M,22C,22Kについても同様である。
10 液室(インク室)
16 バッファ室(気体貯留部)
17 第1の弁(開閉手段)
22 記録ヘッド
28 インクタンク
110 プリンタ(インクジェット記録装置)

Claims (10)

  1. 記録ヘッドの内部に設けられたインク室内に負圧を付与するよう密閉空間内にインクを収容するインクタンクから前記インク室内供給されインクを吐出可能な記録ヘッドと、
    前記インク室内連通路を介して連通し前記インク室内をインク吐出が可能な圧力とする気体貯留部と、
    前記連通路を開閉する開閉手段と、
    前記インクタンク内のインクを計測する計測手段と、
    前記計測手段によって計測される前記インクタンク内のインク量に基づいて前記開閉手段によって前記気体貯留部と前記インク室を連通させる制御手段と、
    有することを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記制御手段は、前記インクタンク内のインク量との記録に必要なインクに基づいて前記連通路を開くことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記次の記録に必要なインク量は、記録媒体に記録される1ページ分の画像に基づいて設定されることを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記気体貯留部の内圧を調整するための圧力調整手段を備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記インク室内のインク量を検出する検出手段と、
    前記検出手段によって検出されるインク量が所定量以下のときに、前記インクタンクから前記記録ヘッドのインク室内にインクを吸引するように前記インク室内を減圧する減圧手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記減圧手段は、前記気体貯留部を通して前記インク室内を減圧することを特徴とする請求項5に記載のインクジェット記録装置。
  7. 前記インクタンクと前記記録ヘッドとの間に、前記密閉空間内と前記インク室内との間の差圧による前記密閉空間内から前記インク室内へのインクの供給を許容する流路を備えることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  8. 1つの前記気体貯留部に対して、複数の前記記録ヘッドのインク室個別の前記連通路を介して連通することを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  9. 記録ヘッドの内部に設けられたインク室内に負圧付与するようにインクタンクの密閉空間内に収容されたインクを記録ヘッドのインク室内に供給し、前記記録ヘッドが前記インク室内のインクを吐出することによって画像を記録するインクジェット記録方法であって、
    前記インクタンク内のインクが所定量以下となってからの画像の記録時に、前記インク室内を、前記インク室内と連通することにより前記インク室内をインク吐出が可能な圧力とする気体貯留部に連通させることを特徴とするインクジェット記録方法。
  10. 前記インク室に前記気体貯留部を連通させるときに、前記気体貯留部の圧力を前記インク室の圧力と略同一とすることを特徴とする請求項に記載のインクジェット記録方法。
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