JP5901305B2 - 光干渉システム、基板処理装置及び測定方法 - Google Patents

光干渉システム、基板処理装置及び測定方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5901305B2
JP5901305B2 JP2012010380A JP2012010380A JP5901305B2 JP 5901305 B2 JP5901305 B2 JP 5901305B2 JP 2012010380 A JP2012010380 A JP 2012010380A JP 2012010380 A JP2012010380 A JP 2012010380A JP 5901305 B2 JP5901305 B2 JP 5901305B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
measurement
light
measurement object
main surface
max
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012010380A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013117507A (ja
Inventor
健治 永井
健治 永井
龍夫 松土
龍夫 松土
輿水 地塩
地塩 輿水
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokyo Electron Ltd
Original Assignee
Tokyo Electron Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokyo Electron Ltd filed Critical Tokyo Electron Ltd
Priority to JP2012010380A priority Critical patent/JP5901305B2/ja
Publication of JP2013117507A publication Critical patent/JP2013117507A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5901305B2 publication Critical patent/JP5901305B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Instruments For Measurement Of Length By Optical Means (AREA)
  • Length Measuring Devices By Optical Means (AREA)
  • Radiation Pyrometers (AREA)
  • Measuring Temperature Or Quantity Of Heat (AREA)

Description

本発明の種々の側面及び実施形態は、光干渉システム、基板処理装置及び測定方法に関するものである。
特許文献1には、一種の光干渉システムが記載されている。特許文献1に記載された光干渉システムは、光源、スプリッタ、コリメータ、ミラー、駆動手段及び受光手段を備えている。光源から出射された光は、スプリッタにより測定光と参照光とに分離される。測定光は、測定対象物の両端面により、それぞれ反射され、スプリッタを介して受光手段へ到達する。一方、参照光は、ミラーにより反射され、スプリッタを介して受光手段へ到達する。駆動手段によりミラーが参照光の入射方向に平行な一方向へ移動し、スプリッタからミラーまでの距離がスプリッタから測定対象物の一端面までの距離と同一となるとき、干渉ピークが生じる。干渉ピーク間の距離が、測定対象物の両端面間の光路長となる。得られた光路長から測定対象物の温度が測定される。
特開2010−199526号公報
特許文献1記載の光干渉システムにおいては、測定対象物の厚さを計測するために測定対象物の表裏面からの反射光の干渉ピークを測定している。このような干渉ピークをフーリエ変換して測定対象物の光学厚さを測定する場合、測定可能な厚さの範囲は分光器の分解能で決定される。このため、測定対象物の厚さによっては、より優れた分解能の分光器を用意する必要がある。当技術分野においては、光干渉システムが有する分光器の分解能を変更することなく当該光干渉システムの測定可能な厚さの範囲を拡張することが望まれている。
本発明の一側面に係る光干渉システムは、測定対象物の厚さ又は温度を計測するシステムである。測定対象物は、第1主面及び第1主面に対向する第2主面を有する。このシステムは、光源、スプリッタ、第1コリメータ、参照ミラー、第2コリメータ、分光器及び計測部を備える。この光源は、測定対象物を透過する波長を有する光の光源である。スプリッタは、光源に接続され、光源からの光を測定光と参照光とに分ける。第1コリメータは、スプリッタからの測定光を測定対象物の第1主面へ出射するとともに、第1主面及び第2主面からの反射光を入射する。参照ミラーは光を反射する。第2コリメータは、スプリッタからの参照光を参照ミラーへ出射するとともに、参照ミラーからの反射光を入射する。分光器は、スプリッタに接続され、波長に依存した強度分布であって第1主面、第2主面及び参照ミラーからの反射光の強度分布である干渉強度分布を測定する。計測部は、分光器に接続され、干渉強度分布をフーリエ変換して得られる波形に基づいて測定対象物の厚さ又は温度を計測する。スプリッタから測定対象物までの第1光路長をL、スプリッタから参照ミラーまでの第2光路長をLとすると、L<Lを満たすようにスプリッタ、第1コリメータ、測定対象物、第2コリメータ及び参照ミラーが配置される。計測部は、分光器の分解能により規定される最大計測光学厚さをXmax、測定対象物の厚さをd、測定対象物の測定光に対する屈折率をnとすると、Xmax<2・n・d<2・Xmaxの場合には、第1光路長と第2光路長との光路差により生じる干渉ピークの間隔に基づいて測定対象物の厚さ又は温度を計測する。
通常、干渉強度分布をフーリエ変換して得られる波形に基づいて測定対象物の厚さ又は温度を計測する場合には、分光器の分解能により規定される最大計測光学厚さをXmaxとすると、0<2・n・d<Xmaxの範囲において出現した測定対象物の表裏面からの干渉ピークを用いて行われる。すなわち、Xmax<2・n・dの範囲となる厚さの測定対象物については厚さ又は温度を測定することができない。一方、参照ミラーと測定対象物との光路差により生じる干渉ピークについては、L<Lの場合、負の位置(横軸を位置、縦軸を強度とする波形の第2象限)に現れるべきピークが折り返されて正の位置(横軸を位置、縦軸を強度とする波形の第1象限)に出現する。本発明の一側面に係る光干渉システムでは、Xmax<2・n・d<2・Xmaxの場合には、折り返されて表示された干渉ピークの間隔に基づいて測定対象物の厚さ又は温度を計測することで、Xmax<2・n・d<2・Xmaxの範囲の膜厚も測定することができる。すなわち、分光器の分解能を変更することなく当該光干渉システムの測定可能な厚さの範囲を拡張することが可能となる。
一実施形態では、スプリッタ、第1コリメータ、測定対象物、第2コリメータ及び参照ミラーは、−Xmax<2・(L−L)<0<2・(L−L+n・d)<Xmaxを満たすように配置されてもよい。この範囲で配置されることで、Xmax<2・n・d<2・Xmaxの範囲を満たす測定対象物の膜厚を適切に測定することができる。
一実施形態では、計測部は、|2・(L−L)|の位置に出現する干渉ピークと、2・(L−L+n・d)の位置に出現する干渉ピークとを用いて測定対象物の厚さ又は温度を計測してもよい。上記位置に出現する干渉ピークが参照ミラーと測定対象物との光路差により生じる干渉ピークであり、これらの干渉ピークを用いて計測することで、測定対象物の膜厚を適切に測定することができる。
一実施形態では、計測部は、2・n・d<Xmaxの場合には、第1主面及び第2主面からの反射光により生じる干渉ピークの間隔に基づいて測定対象物の厚さ又は温度を計測してもよい。このように、測定対象物の膜厚によって測定モードを変更することで、測定可能な範囲を拡張することができる。
一実施形態では、駆動信号に基づいてコリメータの傾き位置を調整する調整機構をさらに備え、計測部は、駆動信号を生成する信号生成部と、干渉強度分布をフーリエ変換して得られるピーク強度を取得するピーク強度取得部と、ピーク強度に基づいて傾き位置の調整位置を導出する調整位置導出部と、を有してもよい。
測定した反射光の強度が最大となるコリメータの傾き位置は、第1主面及び第2主面からの両方の反射光の強度が最大となる位置とは限らない。本発明の一側面に係る光干渉システムは、反射光の強度をそのまま利用してコリメータの位置決めをするのではなく、干渉強度分布の強度をフーリエ変換して得られるピーク強度を利用してコリメータの位置決めをする。すなわち、ピーク強度に基づいて調整位置を導出することで、干渉光の強度が大きくなる位置へコリメータを調整することができる。よって、測定対象物の第1主面及び第2主面の平行度が悪く、第1主面からの反射光の強度が最大となる位置と、第2主面からの反射光の強度が最大となる位置とがずれている場合であっても、適切にコリメータの調整位置を導出することが可能となる。
一実施形態においては、調整位置導出部は、ピーク強度が最大となる傾き位置を調整位置として導出してもよい。このように調整位置を導出することで、干渉光の強度が最大となる傾き位置にコリメータを調整することができる。
一実施形態においては、調整機構は、コリメータの出射方向に直交するとともに互いに直交する第1軸及び第2軸のそれぞれの回転角度である第1角度及び第2角度を調整してもよい。このように構成することで、第1角度及び第2角度を用いてコリメータを調整することができる。
一実施形態においては、調整位置導出部は、第1角度及び第2角度を座標軸とするマップにマッピングされたピーク強度に基づいて調整位置を導出してもよい。このように構成することで、干渉光の強度が最大となる第1角度及び第2角度を容易に導出することができる。
一実施形態においては、ピーク強度取得部は、所定の光路長差の位置に出現するピークの強度を取得してもよい。
本発明の他の側面に係る基板処理装置は、測定対象物の厚さ又は温度を計測する光干渉システムを備える基板処理装置である。測定対象物は、第1主面及び第1主面に対向する第2主面を有する。この基板処理装置は、処理室を有する。処理室は、真空排気可能に構成され、測定対象物を収容する。光干渉システムは、光源、スプリッタ、第1コリメータ、参照ミラー、第2コリメータ、分光器及び計測部を備える。この光源は、測定対象物を透過する波長を有する光の光源である。スプリッタは、光源に接続され、光源からの光を測定光と参照光とに分ける。第1コリメータは、スプリッタからの測定光を前記測定対象物の前記第1主面へ出射するとともに、前記第1主面及び前記第2主面からの反射光を入射する。参照ミラーは光を反射する。第2コリメータは、スプリッタからの参照光を参照ミラーへ出射するとともに、参照ミラーからの反射光を入射する。分光器は、スプリッタに接続され、波長に依存した強度分布であって前記第1主面、前記第2主面及び前記参照ミラーからの前記反射光の強度分布である干渉強度分布を測定する。計測部は、分光器に接続され、干渉強度分布をフーリエ変換して得られる波形に基づいて前記測定対象物の厚さ又は温度を計測する。前記スプリッタから前記測定対象物までの第1光路長をL、前記スプリッタから前記参照ミラーまでの第2光路長をLとすると、L<Lを満たすように前記スプリッタ、前記第1コリメータ、前記測定対象物、前記第2コリメータ及び前記参照ミラーが配置される。計測部は、前記分光器の分解能により規定される最大計測光学厚さをXmax、前記測定対象物の厚さをd、前記測定対象物の前記測定光に対する屈折率をnとすると、Xmax<2・n・d<2・Xmaxの場合には、前記第1光路長と前記第2光路長との光路差により生じる干渉ピークの間隔に基づいて前記測定対象物の厚さ又は温度を計測する。
この基板処理装置は、処理室内に収容された測定対象物の厚さ又は温度を計測する際に、光干渉システムを用いる。光干渉システムにより得られる波形において、参照ミラーと測定対象物との光路差により生じる干渉ピークについては、L<Lの場合、負の位置(横軸を位置、縦軸を強度とする波形の第2象限)に現れるべきピークが折り返されて正の位置(横軸を位置、縦軸を強度とする波形の第1象限)に出現する。該光干渉システムでは、Xmax<2・n・d<2・Xmaxの場合には、折り返されて表示された干渉ピークの間隔に基づいて測定対象物の厚さ又は温度を計測することで、Xmax<2・n・d<2・Xmaxの範囲の膜厚も測定することができる。すなわち、分光器の分解能を変更することなく当該光干渉システムの測定可能な厚さの範囲を拡張することが可能となる。
本発明の他の側面に係る測定方法は、測定対象物の厚さ又は温度を計測するシステムを用いた測定方法である。測定対象物は、第1主面及び前記第1主面に対向する第2主面を有する。該光干渉システムは、光源、スプリッタ、第1コリメータ、参照ミラー、第2コリメータ、分光器及び計測部を備える。この光源は、前記測定対象物を透過する波長を有する光の光源である。スプリッタは、光源に接続され、光源からの光を測定光と参照光とに分ける。第1コリメータは、スプリッタからの測定光を前記測定対象物の前記第1主面へ出射するとともに、前記第1主面及び前記第2主面からの反射光を入射する。参照ミラーは光を反射する。第2コリメータは、スプリッタからの参照光を参照ミラーへ出射するとともに、参照ミラーからの反射光を入射する。分光器は、スプリッタに接続され、波長に依存した強度分布であって前記第1主面、前記第2主面及び前記参照ミラーからの前記反射光の強度分布である干渉強度分布を測定する。計測部は、分光器に接続され、干渉強度分布をフーリエ変換して得られる波形に基づいて前記測定対象物の厚さ又は温度を計測する。前記スプリッタから前記測定対象物までの第1光路長をL、前記スプリッタから前記参照ミラーまでの第2光路長をLとすると、L<Lを満たすように前記スプリッタ、前記第1コリメータ、前記測定対象物、前記第2コリメータ及び前記参照ミラーが配置される。測定方法は、前記分光器の分解能により規定される最大計測光学厚さをXmax、前記測定対象物の厚さをd、前記測定対象物の前記測定光に対する屈折率をnとすると、Xmax<2・n・d<2・Xmaxの場合には、フーリエ変換ステップと、計測ステップとを備える。フーリエ変換ステップでは、前記干渉強度分布をフーリエ変換して波形を取得する。計測ステップでは、前記第1光路長と前記第2光路長との光路差により生じる干渉ピークの間隔に基づいて前記測定対象物の厚さ又は温度を計測する。
この測定方法は、処理室内に収容された測定対象物の厚さ又は温度を計測する際に、光干渉システムを用いる。光干渉システムにより得られる波形において、参照ミラーと測定対象物との光路差により生じる干渉ピークについては、L<Lの場合、負の位置(横軸を位置、縦軸を強度とする波形の第2象限)に現れるべきピークが折り返されて正の位置(横軸を位置、縦軸を強度とする波形の第1象限)に出現する。本発明の一側面に係る測定方法では、Xmax<2・n・d<2・Xmaxの場合には、折り返されて表示された干渉ピークの間隔に基づいて測定対象物の厚さ又は温度を計測することで、Xmax<2・n・d<2・Xmaxの範囲の膜厚も測定することができる。すなわち、分光器の分解能を変更することなく当該光干渉システムの測定可能な厚さの範囲を拡張することが可能となる。
以上説明したように、本発明の種々の側面及び実施形態によれば、光干渉システムが有する分光器の分解能を変更することなく当該光干渉システムの測定可能な厚さの範囲を拡張することができる光干渉システム、基板処理装置及び測定方法が提供される。
一実施形態に係る光干渉システムを概略的に示す図である。 分光器及び制御部の機能ブロック図である。 入射光スペクトル及び反射光スペクトルを説明する概要図である。 反射光スペクトルのフーリエ変換を説明する概要図である。 最大計測厚さを説明する概要図である。 最小空間分解能を説明する概要図である。(a)は、位置に依存した強度分布を示すスペクトルである。(b)は、波数に依存した強度分布を示すスペクトルである。 アライメント調整動作を示すフローチャートである。 走査位置を説明する概要図である。(a)は、初期位置である。(b)は、走査位置である。 (a)は、ピーク強度のマップである。(b)は、θの最大値を説明する概要図である。 アライメント調整動作を示すフローチャートである。 走査位置を説明する概要図である。 (a)は、ピーク強度のマップである。(b)は、θの最大値を説明する概要図である。 温度計測動作を示すフローチャートである。 温度計測動作を説明するためのグラフである。(a)が波長に依存した強度分布を示す光源スペクトルである。(b)が波長に依存した強度分布を示す反射光スペクトルである。(c)が波長の逆数に依存した強度分布を示す反射光スペクトルである。 温度計測動作を説明するためのグラフである。(a)が波長の逆数に依存した強度分布を示す反射光スペクトルを線形補間したスペクトルである。(b)が(a)の反射光スペクトルを高速フーリエ変換したスペクトルである。(c)が(b)の一部拡大図である。 温度校正データの一例である。 従来のアライメント調整を説明するためのグラフである。(a)〜(d)は、表面と裏面との反射強度を説明するためのグラフである。 一実施形態に係る光干渉システムを概略的に示す図である。 図18に示す分光器及び制御部の機能ブロック図である。 図18に示す光干渉システムの光路長を説明する図である。 干渉ピークの出現位置を示す概要図である。(a)は、2・n・d<XmaxかつL<Lかつ2・(L−L+n・d)>Xmaxの場合、(b)は、2・n・d<XmaxかつL<Lかつ2・(L−L+n・d)<Xxmaxの場合、(c)は、2・n・d<xmaxかつL<LかつL−L+n・d>0の場合、(d)は、2・n・d<XmaxかつL<LかつL−L+n・d<0の場合である。 干渉ピークの出現位置を示す概要図である。(a)は、Xmax<2・n・dかつL>Lかつ2・(L−L)>Xmaxの場合、(b)は、Xmax<2・n・dかつL>Lかつ0<2・(L−L)<Xmaxの場合、(c)は、Xmax<2・n・dかつL>LかつL−L+n・d>0であって、−Xmax<2・(L−L)<0<Xmax<2・(L−L+n・d)の場合、(d)は、Xmax<2・n・dかつL>LかつL−L+n・d>0であって、−Xmax<2・(L−L)<0<2・(L−L+n・d)<Xmaxの場合である。 干渉ピークの出現位置を示す概要図である。(a)は、Xmax<2・n・dかつL>LかつL−L+n・d>0であって、2・(L−L)<−Xmax<0<2・(L−L+n・d)<Xmaxの場合、(b)は、Xmax<2・n・dかつL>LかつL−L+n・d>0であって、2・(L−L)<−Xmax<2・(L−L+n・d)<0<Xmaxの場合である。 測定前動作を示すフローチャートである。 測定動作を示すフローチャートである。 測定パターン1の動作を示すフローチャートである。 測定パターン2,4の動作を示すフローチャートである。 測定パターン3の動作を示すフローチャートである。 計測可能厚さを説明する概要図である。 計測可能厚さを説明する概要図である。 一実施形態に係る基板処理装置の一例である。 他の実施形態に係る光干渉計システムの一例である。 他の実施形態に係る光干渉計システムの一例である。 図33に示す光干渉計システムの干渉ピークの一例である。 他の実施形態に係る光干渉計システムの一例である。 図35に示す光干渉計システムの干渉ピークの一例である。 他の実施形態に係る光干渉計システムの一例である。 図35に示す光干渉計システムの干渉ピークの一例である。
以下、図面を参照して種々の実施形態について詳細に説明する。なお、各図面において同一又は相当の部分に対しては同一の符号を附すこととする。
(第1実施形態)
図1は、一実施形態に係る光干渉システムの一例を示す構成図である。図1に示すように、光干渉システム1は、光干渉を利用して測定対象物13の厚さ又は温度を計測するシステムである。なお、以下では、説明理解の容易性を考慮して光干渉システム1が測定対象物13の温度を計測する場合を例に説明する。
光干渉システム1は、光源10、光サーキュレータ11、コリメータ12、コリメータホルダ(調整機構)12a、分光器14及び制御部15を備えている。なお、光源10、光サーキュレータ11、コリメータ12及び分光器14のそれぞれの接続は光ファイバーケーブルを用いて行われる。
光源10は、測定対象物13を透過する波長を有する測定光を発生させる。光源10として、例えばSLD(Super Luminescent Diode)が用いられる。なお、測定対象物13は、例えば板状を呈し、第1主面13a及び第1主面13aに対向する第2主面13bを有している。以下では、必要に応じて、第1主面13aを表面13a、第2主面13bを裏面13bと称して説明する。計測対象とする測定対象物13としては、例えばSi(シリコン)の他にSiO(石英)又はAl(サファイア)等が用いられる。Siの屈折率は、波長4μmにおいて3.4である。SiOの屈折率は、波長1μmにおいて1.5である。Alの屈折率は、波長1μmにおいて1.8である。
光サーキュレータ11は、光源10、コリメータ12及び分光器14に接続されている。光サーキュレータ11は、光源10で発生した測定光をコリメータ12へ出射する。コリメータ12は、測定光を測定対象物13の表面13aへ出射する。コリメータ12は、平行光線として調整された測定光を測定対象物13へ出射する。そして、コリメータ12は、測定対象物13からの反射光を入射する。反射光には、表面13aの反射光だけでなく裏面13bの反射光が含まれる。コリメータ12は、反射光を光サーキュレータ11へ出射する。光サーキュレータ11は、反射光を分光器14へ出射する。
コリメータ12は、コリメータホルダ12aにより出射方向を制御可能に構成されている。コリメータホルダ12aは、コリメータ12の傾き位置を調整する。コリメータホルダ12aは、例えば、コリメータ12の出射方向(z方向)に直交するとともに互いに直交する第1軸(x方向)及び第2軸(y方向)のそれぞれの回転角度である第1角度θ及び第2角度θを調整可能に構成されている。コリメータホルダ12aは、例えば、制御部15に接続され、駆動信号によって駆動する圧電素子を備えている。この場合、制御部15から駆動信号に基づいて、傾き位置(第1角度θ及び第2角度θ)が調整される。
分光器14は、光サーキュレータ11から得られた反射光のスペクトル(干渉強度分布)を測定する。反射光スペクトルは、反射光の波長又は周波数に依存した強度分布を示す。図2は、分光器14及び制御部15の機能ブロック図である。図2に示すように、分光器14は、例えば、光分散素子141及び受光部142を備える。光分散素子141は、例えば、回折格子等であり、光を波長ごとに所定の分散角で分散させる素子である。受光部142は、光分散素子141によって分散された光を取得する。受光部142としては、複数の受光素子が格子状に配列されたCCD(Charge Coupled Device)が用いられる。受光素子の数がサンプリング数となる。また、光分散素子141の分散角及び光分散素子141と受光素子との距離に基づいて、波長スパンが規定される。これにより、反射光は波長又は周波数ごとに分散され、反射光スペクトルとして波長又は周波数ごとに強度が取得される。分光器14は、この反射光スペクトルを制御部15へ出力する。受光部142について、上記ではCCDを用いた場合で説明したが、受光部142は光スペクトラムアナライザ、又は、チューナブルフィルターとフォトダイオードとを用いたものでもよい。
制御部15は、反射光スペクトルに基づいて測定対象物13の温度を計測する。制御部15は、光路長算出部16、温度算出部20、温度校正データ21、ピーク強度取得部151、調整位置導出部152及び信号生成部153を備えている。
光路長算出部16は、フーリエ変換部17、データ補間部18及び重心計算部19を備えている。フーリエ変換部17は、反射光スペクトルを高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)によりフーリエ変換する。例えば、時間領域におけるフーリエ変換であれば、周波数(単位時間あたりの振動数)に依存した強度分布を示す反射光スペクトルを、時間に依存した強度分布を示す反射光スペクトルへ変換する。また、例えば、空間領域におけるフーリエ変換であれば、空間周波数(単位長さあたりの振動数)に依存した強度分布を示す反射光スペクトルを、位置に依存した強度分布を示す反射光スペクトルへ変換する。データ補間部18は、フーリエ変換後の反射光スペクトルの所定のピーク値を含む範囲において、データ点を補間する。重心計算部19は、フーリエ変換後の反射光スペクトルの所定のピーク値の重心位置を計算する。光路長算出部16は、重心位置に基づいて光路長を算出する。
温度算出部20は、光路長に基づいて、測定対象物13の温度を算出する。温度算出部20は、温度校正データ21を参照して測定対象物13の温度を算出する。温度校正データ21は、予め測定されたデータであり、温度と光路長との関係を示すものである。
ピーク強度取得部151は、フーリエ変換された反射光スペクトルのピーク強度を取得する。例えば、ピーク強度取得部151は、所定の光路長差の位置に出現するピークの強度を取得する。所定の光路長差として、測定対象物13の厚さをd、屈折率(測定光に対する屈折率)をnとすると2・n・dが用いられる。なお、2・n・d以外の位置(例えば4nd)であってもよいし、ピーク強度取得部151が予め定められた範囲もしくは入力部(不図示)を介して入力された範囲をスキャンし、当該範囲のピーク強度を取得してもよい。
信号生成部153は、コリメータホルダ12aの駆動信号を生成する。調整位置導出部152は、ピーク強度取得部151によって取得されたピーク強度に基づいて、信号生成部153に駆動信号を生成させて、コリメータホルダ12aの傾き位置を調整する。例えば、調整位置導出部152は、ピーク強度が最大となる傾き位置を調整位置として導出する。また、調整位置導出部152は、第1角度θ及び第2角度θを座標軸とするマップにピーク強度をマッピングし、ピーク強度の最大値に基づいて調整位置を導出してもよい。
上記構成を有する光干渉システムによって、測定対象物13の表面13aと裏面13bとの光干渉を利用して温度を測定する(FFT周波数領域法)。以下、光干渉の原理について説明する。図3は、入射光スペクトル及び反射光スペクトルを説明する概要図である。図3に示すように、光源10からの測定光を入射光とする。入射光スペクトルの強度S(k)は、空間周波数1/λ(単位長さあたりの振動数)に依存する。光源10の波長をλとすると波数kは2π/λである。測定対象物13の厚さをd、屈折率をn、反射率をRとする。反射光Eは、複数の反射成分を重ねたものになる。例えば、Eは、表面13aにおける反射成分である。Eは、裏面13bにおける反射成分である。Eは、表面13aで一回、裏面13bで2回反射された反射成分である。なお、E以降の反射成分は省略している。複数の成分が重なり、反射光スペクトルの強度I(k)が得られる。例えば、成分E,Eのみを考慮すると、反射スペクトルの強度Iは以下の式で表すことができる。

ここで、反射スペクトルの強度Iにおける第3項及び第4項が表裏面干渉の項である。このように、表裏面干渉は表面13a及び裏面13bの積となるため、表面13a及び裏面13bからの何れか一方の反射が小さい場合には干渉を観測することが困難となる。なお、多重反射を考慮した場合、反射光スペクトルの強度I(k)は、入射光スペクトルの強度S(k)と以下の数式で示す関係となる。

上記の式(1)において、第2項は表裏面干渉の項である。第3項は表裏面多重干渉の項である。式(1)をフーリエ変換すると、位置に依存した反射光スペクトルを得ることができる。
図4は、反射光スペクトルI(k)のフーリエ変換を説明する概要図である。図4に示すように、空間領域フーリエ変換により、空間周波数1/λを位置xに変換している。位置xに変換された反射光スペクトルの強度I(x)は、式(1)をフーリエ変換することにより、以下の通りとなる。

上記の式(2)に示すように、2・n・dごとにピーク値が出現する。2・n・dは表裏面の光路差である。すなわちn・dは、表裏面間の光路長である。予め計測された光路長n・dと温度との関係から、光路長n・dを特定することで温度を算出することができる。なお、上記説明では空間領域フーリエ変換を用いたが、時間領域フーリエ変換を用いてもよい。周波数をvとすると位置xとは以下の関係を満たす。
ここで、FFT周波数領域法を用いて、測定対象物の厚さを測定する場合と、測定対象物の温度を測定する場合との違いを説明する。一般的には、FFT周波数領域法により測定される測定対象物の厚さは、数百μmのオーダーの精度で測定可能である。しかしながら、温度を1℃単位で測定する場合には、数百Åのオーダーの精度が必要となる。すなわち、単純に厚さ測定システムを光干渉システムとすることは困難であり、光源や分光器等、条件を満たす機器を用いて計測する必要がある。以下では各構成機器の条件について説明する。
最初に、光干渉システム1の測定可能な最大の厚さ(最大計測厚さ)と反射光スペクトルのフーリエ変換後のデータ間隔について説明する。図5は、反射光について説明する概要図である。図5に示すように、厚さd、屈折率nの測定対象物13において、表面の位置を0、裏面の位置をxとしている。このとき、FFTにおける時間Δτと角周波数Δωとの関係は、以下のように表される。

ここで、角周波数ω,Δωを、光源スペクトルの波長λ、半値半幅Δλで表現すると、以下のようになる。

周波数は正の値であるから、

従って、

である。
屈折率n(平均屈折率nave)の測定対象物13中を光が時間Δτで移動する距離をΔx’とすると、距離Δx’は、上記式(3)及び式(5)を用いて、以下のように表現される。

表面を透過し裏面で反射するため、往復距離を考慮してΔx’=2Δxとする。以上より、FFT後の反射スペクトルのデータ間隔Δxは以下の通りとなる。

周波数領域法では、実際のスペクトル強度I(k)は、波長軸方向のサンプリング数Nの離散的な値となる。従って、FFT後のデータは、Δx間隔のN/2個の離散的なデータとなる。従って、最大計測光学厚さxmaxは、以下の式で表すことができる。
これは実空間の座標に変換したときの値であり、FFT後の分光スペクトルのデータはこの値の2nave倍となる。従って、FFT後の空間における最大計測光学厚さXmax、及びデータ間隔ΔXは、以下の式で表すことができる。

これらは媒質の屈折率によらない一般式であり、測定系の条件のみで決定される。実際の測定系においては、ΔλはFFTの最小周期と考えることができるため、ここでは、Δλは分光器の測定波長範囲、または波長スキャンレンジと考えることができる。波長スパンをΔw、分光器の中心波長をλとすると、式(10),(11)は以下の式で表される。


従って、分光器の波長範囲Δwを広くすれば、FFT後のデータ間隔ΔXを小さくすることができる。またサンプリング数Nを大きくすれば、より厚い媒質を計測することができる。これにより、データ間隔を小さくすることと、計測可能厚さを厚くすることとは、両立しないことがわかる。以上は、屈折率によらない一般式である。よって、屈折率naveの媒質中においての実スケールに変換する場合は、それぞれ2naveで除すればよい。
ここで、最小空間分解能について考察する。図6は、最小空間分解能を説明する概要図である。図6の(b)は、ガウス関数で近似できる光源の波数kに依存した強度分布を示すスペクトルである。図6の(b)に示すスペクトルの強度S(k)は、ピーク値の波数をk、ピーク値の強度を1/Δk・(π)1/2、半値半幅をΔkすると、以下の式で表すことができる。

なお、

である。また、

との関係が成立する。式(15),(16)を用いて半値半幅Δkは以下のように表現できる。
一方、図6の(b)に示すスペクトルをFFT変換すると図6の(a)に示すスペクトルとなる。図6の(a)は、位置xに依存した強度分布を示すガウス関数のスペクトルである。図6の(a)に示すスペクトルの強度S(x)は、ピーク値の位置を0、ピークの強度を1とすると、以下の式で表すことができる。

なお、波長領域スペクトルの半値半幅Δkと、空間領域スペクトルのS(x)の半値半幅Δxは以下の関係を満たす。

半値半幅をlとすると、式(19)に基づいて、S(x)の半値半幅Δxは以下の式で表現できる。

強度S(x)のスペクトルの半値半幅lがコヒーレンス長となる。空間の最小分解能は、lであり、光源10のスペクトルの中心波長と半値幅で決定される。
次に、上述した最大計測光学厚さxmaxに基づいて、分光器14に必要なサンプリング数Nの条件を導出する。光源10の中心波長をλ、光源スペクトルの半値半幅をΔλ、分光器14の波長スパンをΔw、測定対象物13の屈折率をnとすると、式(9)に基づいて、最大計測光学厚さxmaxは以下の式で表される。

ここで、最大計測厚さdと最大計測光学厚さxmaxとは、以下の条件を満たす必要がある。

すなわち、以下の関係を満たすサンプリング数Nが必要となる。

例えば、最大計測厚さd=0.775mm、光源10の中心波長λ=1550nm、測定対象物13の屈折率n=3.7であれば、以下のようになる。

なお、波長スパンΔw[m]をΔw’[nm]へ変換して表現すると、以下のようになる。

光干渉システム1は、式(25)に示す関係を満たす波長スパンΔw’[nm]とサンプリング数Nの分光器14を備える。例えば、波長スパンΔw’[nm]が40nmである場合には、サンプリング数Nが200より大きい値を有する。すなわち、波長スパンΔw’[nm]が40nmである場合には、200よりも大きな数の受光素子を配列させた受光部142が必要となる。
次に、光干渉システム1のアライメント調整動作について説明する。図7は、光干渉システム1のアライメント調整動作を示すフローチャートである。図7に示す制御処理は、例えば、温度計測動作の前に実行される。なお、コリメータ12の最初の傾き位置をP1として説明する。
最初に、光干渉システム1は、傾き位置の初期化処理を行う(S10)。この処理では、原点位置へコリメータ12を移動させる。例えば、調整位置導出部152が信号生成部153に対して原点位置へ移動させる駆動信号を生成させる。図8の(a)は、コリメータ12の傾き位置を示すグラフである。横軸が第1軸x周りの回転位置(回転角度)θ、縦軸が第2軸y周りの回転位置(回転角度)θである。図8の(a)に示すように、初期化処理では、最初の任意の傾き位置P1から原点位置へ移動させる。すなわち、θ,θがそれぞれ0となるように、横軸方向に移動させ(M1),その後縦軸方向に移動させる(M2)。S10の処理が終了すると、ピーク強度測定処理へ移行する(S12)。
S12の処理では、光干渉システム1が例えば位置x=2・n・dのピーク強度を測定する。まず、光源10が測定光を発生させ、サーキュレータ11及びコリメータ12を介して測定対象物13へ出射する。測定対象物13から反射された光は、コリメータ12及びサーキュレータ11を介して分光器14へ出力される。分光器14では、反射光のスペクトルを測定する。制御部15のフーリエ変換部17は、反射光のスペクトルの座標軸を、波長λから空間周波数(1/λ)へ変換する。そして、スペクトルをフーリエ変換する。これにより、位置xに依存したスペクトルを得ることができる。その後、X=0のピーク値をフィルタリングする。例えば、x=0からx=Z(所定値)までの範囲の強度データyに0を代入する。そして、得られたスペクトルからx=2・n・dのピーク強度を抽出する。
なお、データポイント間隔がまばらな場合には、以下に示す2つの手法を採用することでピーク強度を精度よく導出することができる。
第1の手法は、最小二乗法を用いる。ピーク波形が左右非対称の場合に有効である。まず、データ点を以下の通りとする。

ピーク形状が左右非対象であるため、以下に示す多項式(3次式)で近似することができる。

係数a,b,c,dは、任意の数である。位置xにおける関数f(x)とyとの差の二乗の総和Tは、以下の数式で表される。

総和Tが最小となる係数a,b,c,dを求めることで近似曲線を求めることができる。総和Tが最小となる条件は以下で表すことができる。

すなわち、総和Tを(a,b,c,d)それぞれで微分して0となるとき、総和Tは最小となる。この条件から以下のように変形できる。

上記式を解くと、(a,b,c,d)は以下のようになる。

このように、最小二乗法から近似式を求めて、ピーク強度を導出することができる。
第2の手法は、多項式フィッティングを用いる。まず、データ点を以下の通りとする。

n個のデータ点を通る数式は、(n−1)次の多項式でフィッティングすることができる。多項式は例えば以下のように表すことができる。

ここで、係数a,a,…、an−1,aは任意の数である。上記式より、以下の連立方程式が与えられる。

上記連立方程式を解くことで、係数a,a,…、an−1,aが得られる。このように、フィッティングする多項式を求めて、ピーク強度を導出することができる。
位置x=2・n・dのピーク強度を測定すると、調整位置導出部152は、現在の傾き位置と関連付けて位置x=2・n・dのピーク強度を記録する。例えば、図9の(a)に示すマップにピーク強度をプロットする。図9は、横軸が第1軸x周りの回転位置(回転角度)θ、縦軸が第2軸y周りの回転位置(回転角度)θとするマップである。図9の(a)では強度の大きさが大きいほど黒くなるように示している。S12の処理が終了すると、θ方向移動処理へ移行する(S14)。
S14の処理では、コリメータ12の傾き位置をθ方向へ所定量移動させる。図8の(b)は、コリメータ12の傾き位置を示すグラフである。横軸が第1軸x周りの回転位置(回転角度)θ、縦軸が第2軸y周りの回転位置(回転角度)θである。図8の(b)に示すように、θ方向移動処理では、θが正の方向に増加するように所定量移動させる(M3)。S14の処理が終了すると、θ位置判定処理へ移行する(S16)。
S16の処理では、S14の処理で移動させた後のθ位置がθ方向の傾き位置の限界位置θx_Limitであるか否かを判定する。S16の処理において、θ位置が限界位置θx_Limitでないと判定した場合には、ピーク強度測定処理へ再度移行する(S12)。このように、原点位置から限界位置θx_Limitに到達するまでの間、ピーク強度が測定されてプロットされる。これにより、例えば図9の(a)に示すように、一番下に位置する行L1のマップが完成する。一方、S16の処理において、θ位置が限界位置θx_Limitであると判定した場合には、θ位置初期化処理へ移行する(S18)。
S18の処理では、コリメータ12のθの傾き位置を原点へ移動させる。例えば、図8の(b)に示すように、θの傾き位置を原点へ移動させる(M4)。S18の処理が終了すると、θ方向移動処理へ移行する(S20)。
S20の処理では、コリメータ12の傾き位置をθ方向へ所定量移動させる。図8の(b)に示すように、θが正の方向に増加するように所定量移動させる(M5)。S20の処理が終了すると、θ位置判定処理へ移行する(S22)。
S22の処理では、S20の処理で移動させた後のθ位置がθ方向の傾き位置の限界位置θy_Limitであるか否かを判定する。S22の処理において、θ位置が限界位置θy_Limitでないと判定した場合には、ピーク強度測定処理へ再度移行する(S12)。そして、S12〜S16までの一連の処理が繰り返し実行される。このように、θ位置が移動された後、θの原点位置から限界位置θx_Limitに到達するまでの間、ピーク強度が測定されてプロットされる。これにより、例えば図9の(a)に示すように、行L2〜6に示すマップが完成する。一方、S22の処理において、θ位置が限界位置θy_Limitであると判定した場合には、コリメータ12の動作限界位置まで移動したことなるため、図7に示す制御処理を終了する。
以上で図7に示す制御処理を終了する。図7に示す制御処理を実行することにより、傾き位置を全走査することができる。
なお、図8の(b)に示すように、実際のピーク位置P0が必ず走査線上に位置するとは限らない。このため、光干渉システム1は、図7に示す制御処理を実行して得られたマップに基づいてまずはθの最大値を算出する。光干渉システム1は、図9の(a)に示すマップにおいて、各行L1〜L6のピーク強度の最大値を取得する。その後、各行L1〜L6のピーク強度の最大値を比較して、最も大きなピーク強度を有する行を特定する。ここでは例えば行L5のピーク強度の最大値が最大であるとする。この場合、特定された行L5におけるピーク強度を図9の(b)に示すようにプロットする。そして、最小二乗法を用いて、図9の(b)に示す波形の最大値θx_maxを特定する。
次に、図7に示す制御処理を実行して得られたマップに基づいてθの最大値θy_maxを算出する。図10は、最大値θy_maxの算出動作を説明するフローチャートである。
図10に示すように、最初に傾き位置の初期化処理を行う(S30)。この処理では、原点位置へコリメータ12を移動させる。S30の処理が終了すると、θ方向移動処理へ移行する(S32)。
S32の処理では、コリメータ12の傾き位置をθx_maxへ移動させる。図11に示すように、θがθx_maxとなる位置に移動させる(M7)。S32の処理が終了すると、θ位置判定処理へ移行する(S34)。
S34の処理では、光干渉システム1が例えば位置x=2・n・dのピーク強度を測定する。この処理は、図7のS12の処理と同様である。位置x=2・n・dのピーク強度を測定すると、調整位置導出部152は、現在の傾き位置と関連付けて位置x=2・n・dのピーク強度を記録する。例えば、図12の(a)に示すマップにピーク強度をプロットする。図12は、横軸が第1軸x周りの回転位置(回転角度)θ、縦軸が第2軸y周りの回転位置(回転角度)θとするマップである。図12の(a)では強度の大きさが大きいほど黒くなるように示している。S34の処理が終了すると、θ方向移動処理へ移行する(S36)。
S36の処理では、コリメータ12の傾き位置をθ方向へ所定量移動させる。図11に示すように、θが正の方向に増加するように所定量移動させる(M8)。S36の処理が終了すると、θ位置判定処理へ移行する(S38)。
S38の処理では、S36の処理で移動させた後のθ位置がθ方向の傾き位置の限界位置θy_Limitであるか否かを判定する。S38の処理において、θ位置が限界位置θy_Limitでないと判定した場合には、ピーク強度測定処理へ再度移行する(S34)。このように、θの原点位置から限界位置θy_Limitに到達するまでの間、ピーク強度が測定されてプロットされる。これにより、例えば図12の(a)に示すマップが完成する。一方、S38の処理において、θ位置が限界位置θy_Limitであると判定した場合には、θ位置初期化処理へ移行する(S40)。
S40の処理では、コリメータ12のθの傾き位置を原点へ移動させる。S40の処理が終了すると、θ方向移動処理へ移行する(S42)。
S42の処理では、コリメータ12の傾き位置をθy_maxへ移動させる。図12の(b)に示すように、θがθy_maxとなる位置に移動させる(M9)。S42の処理が終了すると、図10に示す制御処理を終了する。
以上で図10に示す制御処理を終了する。図10に示す制御処理を実行することにより、フーリエ変換した干渉光のピーク強度が最大となる傾き位置(θx_max,θy_max)が特定される。そして、特定された傾き位置にコリメータ12を移動させることができる。なお、図7,10の制御処理が、一実施形態に係るアライメント調整方法の調整ステップに該当する。
次に、光干渉システム1の温度計測動作について説明する。図13は、光干渉システム1の動作を示すフローチャートである。図13に示す制御処理は、図7,10に示すアライメント調整動作の実行後に、所定の間隔で繰り返し実行される。
図13に示すように、反射光スペクトルの入力処理から開始する(S50)。光源10は、測定光を発生する。例えば、図14の(a)に示すスペクトルの測定光となる。分光器14は、測定対象物13の表面13a及び裏面13bで反射した反射光のスペクトルを取得する。例えば、図14の(b)に示すスペクトルの反射光となる。光路長算出部16は、分光器14から反射光のスペクトルを入力する。S50の処理が終了すると、座標変換処理へ移行する(S52)。
S52の処理では、光路長算出部16が、S50の処理で得られたスペクトルの座標軸を、波長λから空間周波数(1/λ)へ変換する。例えば、図14の(c)に示すスペクトルとなる。S52の処理が終了すると、第1データ補間処理へ移行する(S54)。
S54の処理では、光路長算出部16が、S52の処理で得られたスペクトルのデータ補間を行う。例えば、光路長算出部16は、データ間を線形補間する。例えば、サンプリング数をNとし、スペクトルのデータとして、空間周波数の配列を(x,x,x,…,xN−1)とし、強度の配列を(y,y,y,…,yN−1)とする。まず、光路長算出部16は、空間周波数の配列を等間隔に再配列する。例えば、再配列後の空間周波数の配列に含まれる空間周波数をXとすると、以下の式を用いて再配列を行う。

次に、光路長算出部16は、再配列後の空間周波数Xにおける強度を、線形補間で計算する。このときの強度をYとすると、以下の式を用いて算出する。

ただし、jはX>xとなる最大の整数である。これにより、例えば図15の(a)に示すスペクトルとなる。S54の処理が終了すると、FFT処理へ移行する(S56)。
S56の処理では、フーリエ変換部17が、S54の処理で補間されたスペクトルをフーリエ変換する。これにより、例えば、図15の(b)に示すように、縦軸が振幅、横軸が位相のスペクトルとなる。S56の処理が終了すると、フィルタリング処理へ移行する(S58)。
S58の処理では、光路長算出部16が、S56の処理で得られたスペクトルからX=0のピーク値をフィルタリングする。例えば、X=0からX=Z(所定値)までの範囲の強度データYに0を代入する。S58の処理が終了すると、抽出処理へ移行する(S60)。
S60の処理では、光路長算出部16が、S58の処理で得られたスペクトルからX=2・n・dのピーク値を抽出する。例えば、ピークの最大値をYとした場合、Yi−10からデータ点を20点抽出する。これは、ピークの中心から裾までのデータを抽出するためである。例えば、ピークの最大値を1としたときに、最大値から0.5までの範囲が含まれるように抽出する。例えば、図15の(c)に示すスペクトルが抽出される。S60の処理が終了すると、第2データ補間処理へ移行する(S62)。
S62の処理では、データ補間部18が、S60の処理で得られた2・n・dピークのデータを補間する(データ補間工程)。データ補間部18は、例えばデータ点間を補間数Nで等間隔に線形補間する。補間数Nは、例えば必要な温度精度に基づいて予め設定される。
ここで、補間数Nについて概説する。例えば、測定対象物13が半径300mmのSi基板である場合には、FFT後のピーク間隔Δ2・n・ddが0.4μm/℃となる。したがって、1℃の精度が必要な場合には、データ間隔が0.4μmとなるように補間数Nを設定する。システムが有するノイズレベルを考慮して補間数Nを決定してもよい。ここで、分光器14が、波長スパンΔw=42nm、サンプリング数N=640であるとする。また、光源10が、中心波長λ=1560nmであるとする。この場合、FFT後のデータ間隔は、式8を用いてΔx=56nmとなる。よって、0.4μmのデータ間隔となるように、各点の間隔を140点補間する必要がある(補間数N=140)。また、ノイズレベルが0.1℃程度の場合には、0.1℃以下の分解能は不要である。なお、Δx=56nmのまま計算すると、分解能が140℃となることからもデータ補間の重要性が理解できる。例えば、以下の数式を用いてデータ補間を行う。

ここで、jは強度の配列に用いた指標である。データ補間部18は、上記式32をi=0〜N−1の範囲で実行する。すなわち、S20の処理で得られた20点の間隔全てを対象にして算出する。このように、フーリエ変換後のデータ間隔を、必要な分割数(補間数N)で分割し、分割数に応じたデータ数を線形補間する。S62の処理が終了すると、抽出処理へ移行する(S64)。
S64の処理では、重心計算部19が、S62の処理で補間されたデータから重心の計算に利用するデータ範囲のみを抽出する。例えば、重心計算部19は、重心計算に使用する閾値をA%とし、ピークの最大強度YMAX×A以下の強度データYに0を代入する。S64の処理が終了すると、重心計算処理へ移行する(S66)。
S66の処理では、重心計算部19が、S64の処理で補間されたデータから重み付け重心を計算する。例えば、以下の式を用いる。

なお、Nは重心範囲抽出後のデータ点数である。これにより、光路長n・dを算出することができる。S66の処理が終了すると、温度計算処理へ移行する(S68)。
S68の処理では、温度算出部20が、S66の処理で得られた光路長n・dを用いて温度を算出する。温度算出部20は、例えば図16に示す温度校正データ21を用いて温度を算出する。図16は、横軸が光路長n・dであり、縦軸が温度である。温度校正データ21は予め測定対象物13ごとに取得される。以下では、温度校正データ21の事前作成例について説明する。例えば、温度制御に黒体炉を使用して実測する。温度Tと、温度Tにおける光路長ndを同時に計測する。温度Tは、熱電対等の温度計を用いて測定する。また、光路長ndは、上述したFFTを利用した手法で測定する。そして、温度計の測定値が40℃の時の光路長nd40を1000として光路長ndを規格化する。そして、温度と規格化された光路長ndを100℃ごとに区分して、3次式で近似することで、近似曲線の係数を導出する。図13の左上に示す数式が3次式の数式である。なお、温度Tに依存した規格化された光路長ndの関数を以下式で表す。

また、f(T)の逆関数を以下のように示す。

光路長nd40は、イニシャル温度T0とその時の光路長ndT0に基づいて以下の数式により算出される。

式28に基づいて得られた光路長nd40及び光路長ndに基づいて、温度Tを上述した式27の数式を用いて導出する。S68の処理が終了すると、図13に示す制御処理を終了する。
以上で図13に示す制御処理を終了する。図13に示す制御処理を実行することで、少ないデータ点であっても高精度に温度を測定することができる。また、温度精度に合わせてデータ点を補間することができるので、精度よく安定な温度計測をすることができる。
以上、一実施形態に係る光干渉システム1及びその方法によれば、反射光の強度をそのまま利用してコリメータ12の位置決めをするのではなく、反射光のスペクトルの強度をフーリエ変換して得られるピーク強度を利用してコリメータ12の位置決めをする。ここで対比のために、従来のアライメント調整方法を概説する。例えば従来の光干渉システムを、参照光を利用するミラースキャン方式のシステムであるとする。この場合、図17の(a)に示すように、測定対象物の表面と裏面との反射強度を直接取得してn・dを導出する。この場合、表面からの反射光強度は、表裏面干渉光等の複数の成分が重なり合わさった強度となる。従って、表面と裏面とが平行でない場合には、図17の(b)に示すように裏面における干渉が弱い場合や、あるいは図17の(c)に示すように、裏面における干渉が見えない場合がある。この場合、裏面での干渉が最大になるように参照ミラーを走査しながら調整する必要があるが、図17の(d)に示すように表面での干渉が小さくなる等の事象が発生する場合がある。このため、従来の光干渉システムでは光学調整を最適化することが困難である。これに対して、一実施形態に係る光干渉システム1及びその方法によれば、反射光のスペクトルの強度をフーリエ変換して得られるピーク強度を利用することで、干渉光の強度が大きくなる位置へコリメータを調整することができる。
また、一実施形態においては、調整位置導出部152が、ピーク強度が最大となる傾き位置(θx_max,θy_max)を調整位置として導出するため、干渉光の強度が最大となる傾き位置にコリメータ12を調整することができる。
一実施形態においては、調整位置導出部152が、第1角度及び第2角度を座標軸とするマップにマッピングされたピーク強度に基づいて調整位置を導出することで、干渉光の強度が最大となる第1角度θx_max及び第2角度θy_maxを容易に導出することができる。
(第2実施形態)
図18は、一実施形態に係る光干渉システムの一例を示す構成図である。図18に示すように、光干渉システム1は、光干渉を利用して測定対象物13の厚さ又は温度を計測するシステムである。この光干渉システム1は、第1実施形態に係る光干渉システム1とほぼ同様に構成されており、第1実施形態に係る光干渉システム1と比較して、光サーキュレータ11がスプリッタ500に置換されている点、コリメータ501(第2コリメータ)、参照ミラー502及び駆動部503を備える点、コリメータホルダ12aを備えていない点のみが相違する。従って、本実施形態では第1実施形態との相違点を中心に説明し、重複する説明は省略する。なお、以下では、説明理解の容易性を考慮して光干渉システム1が測定対象物13の温度を計測する場合を例に説明する。
光干渉システム1は、光源10、スプリッタ500、コリメータ12、コリメータ501、参照ミラー502、駆動部503、分光器14及び制御部(計測部)15を備えている。なお、光源10、スプリッタ500、コリメータ12、コリメータ501及び分光器14のそれぞれの接続は光ファイバーケーブルを用いて行われる。
スプリッタ500は、光源10で発生した光を測定光と参照光に分離する。そして、コリメータ12(第1コリメータ)へ測定光を出射するとともに、コリメータ501へ参照光を出射する。コリメータ501は、平行光線として調整された参照光を参照ミラー502へ出射する。そして、コリメータ501は、参照ミラー502からの反射光を入射する。参照ミラー502は参照光をコリメータ501へ反射する。コリメータ501は、反射光をスプリッタ500へ出射する。同様に、コリメータ12もスプリッタ500へ測定対象物13からの反射光を出射する。コリメータ12及びコリメータ501を介して得られた反射光は分光器14へ出射され、制御部15で計測される。制御部15は、駆動部503へ所定の制御信号を出力することによりコリメータ501を駆動する。なお、駆動部503は必要に応じて備えればよい。例えば、スプリッタ500から参照ミラー502までの光路長が目標設定値となるように配置されている場合には駆動部503は不要である。その他の構成は、第1実施形態に係る光干渉システム1と同様である。なお、制御部15は、図19に示すように、図2に示したピーク強度取得部151、調整位置導出部152、信号生成部153及びコリメータホルダ12aを備えなくてもよい。また、必要に応じてコリメータホルダ12aを備え、図2に示す制御部15としてもよい。
上記構成を有する光干渉システムによって、測定対象物13の表面13aと裏面13bとの光干渉を利用して温度を測定する(FFT周波数領域法)。以下、光干渉の原理について説明する。図20は、図18に示す光干渉システムの光路長及び反射光を説明するための概要図である。図20に示すように、スプリッタ500での干渉を数式で検討する。ここで、スプリッタ500から測定対象物13までの光路長(第1光路長)をL、スプリッタ500から参照ミラー502までの光路長(第2光路長)をLとし、測定対象物13の厚さをd、屈折率をn、表面の反射率をr01、裏面の反射率をr12とし、空気から測定対象物への透過率と、測定対象物から空気への透過率をそれぞれt01、t10とし、表面13aにおける反射成分をEs1、裏面13bにおける反射成分をEs2、参照ミラーの表面の反射率をr、反射成分をEとする。なお、説明理解の容易性を考慮して、ここでは測定対象物13からの反射は1回とし、2回目以降の反射は省略している。この場合、スプリッタ500での光の電界の振幅E及び反射成分Es1、Es2、Eは、以下の式で表すことができる。

ここで、

であり、反射スペクトルの強度をIとすると、

となる。なお、cは光速であり、εは真空の誘電率である。上記より、反射スペクトルの強度ピークを求めるためには、式29で示す振幅Eを二乗して検討すればよい。その結果、反射光スペクトルの強度I(k)は、入射光スペクトルの強度S(k)と以下の数式で示す関係となる。

式30において、S(k)をガウシアンとしてフーリエ変換すると、以下のようになる。

上記式より、強度Iは、x=0に対して対象な信号となることがわかる。しかし対象に信号が出現するのは数式上であって実際はx>0の実空間のみに出現することとなる。すなわち、以下のパターンに示すように強度Iは変化することとなる。
(1)L−L>0の場合
(2)L−L<0、L+n・d−L>0の場合
(3)L−L<0、L+n・d−L<0の場合
ここで、2・n・d<Xmaxの場合、すなわち薄いサンプルの場合の干渉ピークを考察する。
(A−1)
−L>0かつ2・(L+n・d−L)>Xmaxの場合、式31より、

となる。上記式の結果を図21の(a)に示す。点線で示すピークが測定対象物13の表裏面からの反射光の干渉ピークである(自己相関信号)。実線で示すピークがスプリッタ500から測定対象物13までの光路長Lと、スプリッタ500から参照ミラー502までの光路長Lとの光路差によって生じる干渉ピークである(相互相関信号)。以下では自己相関信号及び相互相関信号を同様の手法で示す。図21の(a)に示すように、自己相関信号としては、0、2・n・dの位置、相互相関信号としては、2・(L−L)、2・(L−L+n・d)の位置に出現している。一方、相互相関信号としては、2・(L−L)の位置に出現しているが、2・n・dのピークを確認することはできない。このため、自己相関信号に基づいて測定対象物の厚さを計測することになる。
(A−2)
−L>0かつ2・(L+n・d−L)<Xmaxの場合、式31の通りとなる。上記式の結果を図21の(b)に示す。図21の(b)に示すように、自己相関信号としては、0、2・n・dの位置、相互相関信号としては、2・(L−L)、2・(L−L+n・d)の位置に出現している。このため、自己相関信号又は相互相関信号に基づいて測定対象物の厚さを計測することができる。なお、相互相関信号を用いて2・n・dは以下のように表すことができる。
(A−3)
−L<0かつL+n・d−L>0の場合、2(L−L)<0<2・(L+n・d−L)<2・n・d<Xmaxとなる。この場合、式32の通りとなる。上記式の結果を図21の(c)に示す。図21の(c)に示すように、自己相関信号としては、0、2・n・dの位置、相互相関信号としては、−2・(L−L)、2・(L−L+n・d)の位置に出現している。このように、実空間では、第2象限の2・(L−L)のピークが折り返されて、第1象限に出現する。このため、自己相関信号又は相互相関信号に基づいて測定対象物の厚さを計測することができる。なお、相互相関信号を用いて2・n・dは以下のように表すことができる。
(A−4)
−L<0かつL+n・d−L<0の場合、2(L−L)<2・(L+n・d−L)<0<2・n・d<Xmaxとなる。この場合、式33の通りとなる。上記式の結果を図21の(d)に示す。図21の(d)に示すように、自己相関信号としては、0、2・n・dの位置、相互相関信号としては、−2・(L−L)、−2・(L−L+n・d)の位置に出現している。このように、実空間では、第2象限の2・(L−L)、2・(L−L+n・d)のピークが折り返されて、第1象限に出現する。このため、自己相関信号又は相互相関信号に基づいて測定対象物の厚さを計測することができる。なお、相互相関信号を用いて2・n・dは以下のように表すことができる。
次に、2・n・d>Xmaxの場合、すなわち厚いサンプルの場合の干渉ピークを考察する。
(B−1)
−L>0かつ2・(L−L)>Xmaxの場合、式31より、

となる。上記式の結果を図22の(a)に示す。図22の(a)に示すように、自己相関信号(位置0)のみの信号となる。このため、厚さを計測することはできない。
(B−2)
−L>0かつ0<2・(L−L)<Xmaxの場合、式31より、

となる。上記式の結果を図22の(b)に示す。図22の(b)に示すように、自己相関信号としては、0の位置、相互相関信号としては、2・(L−L)の位置に出現している。その他のピークは出現しないため、厚さを計測することはできない。
(B−3)
−L<0かつL+n・d−L>0の場合、かつ、−Xmax<2(L−L)<0<Xmax<2・(L+n・d−L)の場合、式32より

となる。上記式の結果を図22の(c)に示す。図22の(c)に示すように、自己相関信号としては、0の位置、相互相関信号としては、−2・(L−L)の位置に出現している。その他のピークは出現しないため、厚さを計測することはできない。
(B−4)
−L<0かつL+n・d−L>0の場合、かつ、−Xmax<2(L−L)<0<2・(L+n・d−L)<Xmaxの場合、式32より

となる。上記式の結果を図22の(d)に示す。図22の(d)に示すように、自己相関信号としては、0の位置、相互相関信号としては、−2・(L−L)、2・(L−L+n・d)の位置に出現している。このように、実空間では、第2象限の2・(L−L)のピークが折り返されて、第1象限に出現する。このため、相互相関信号に基づいてのみ測定対象物の厚さを計測することができる。なお、相互相関信号を用いて2・n・dは以下のように表すことができる。
(B−5)
−L<0かつL+n・d−L>0の場合、かつ、2(L−L)<−Xmax<0<2・(L+n・d−L)<Xmaxの場合、式32より

となる。上記式の結果を図23の(a)に示す。図23の(a)に示すように、自己相関信号としては、0の位置、相互相関信号としては、2・(L−L+n・d)の位置に出現している。その他のピークは出現しないため、厚さを計測することはできない。
(B−6)
−L<0かつL+n・d−L>0の場合、かつ、2(L−L)<−Xmax<2・(L+n・d−L)<0<Xmaxの場合、式32より

となる。上記式の結果を図23の(b)に示す。図23の(b)に示すように、自己相関信号としては、0の位置、相互相関信号としては、−2・(L−L+n・d)の位置に出現している。その他のピークは出現しないため、厚さを計測することはできない。
(B−7)
−L<0かつL+n・d−L>0の場合、かつ、2(L−L)<2・(L+n・d−L)<−Xmaxの場合、式32より

となる。上記式の結果は、図22の(a)と同様である。このため、厚さを計測することはできない。
(B−8)
−L<0かつL+n・d−L<0の場合、かつ、−Xmax<2・(L+n・d−L)<0の場合、式33より、

となる。上記式の結果は、図23の(b)と同様である。このため、厚さを計測することはできない。
(B−9)
−L<0かつL+n・d−L<0の場合、かつ、2・(L+n・d−L)<−Xmaxの場合、式33より、

となる。上記式の結果は、図22の(a)と同様である。このため、厚さを計測することはできない。
以上、全てのパターンを検討すると、2・n・d<Xmaxの場合には、どのような条件でも測定することができ、Xmax<2・n・dの場合には、(B−4)の条件を満たす場合のみ測定することができる。
次に、光干渉システムの計測前の調整動作を説明する。図24は、計測前の調整動作を説明するフローチャートである。まず、測定対象物13の膜厚はおおよそどの程度であるか分かっているものとする。あるいは、イニシャル位置計測時において、コリメータ又は参照ミラーの位置を前後に振って、干渉ピークがどのように動くかに基づいて厚さが判断されていてもよい。また、2・n・d<2・Xmaxを満たすものとする。この場合、図24に示すように、最初に測定対象物13の膜厚が2・n・d<Xmaxの条件を満たすか否かを判定する(S70)。S70の処理で2・n・d<Xmaxの条件を満たすと判定した場合には、参照ミラーを利用するか否かを判定する(S72)。S72の処理で参照ミラーを利用しないと判定した場合には、第1実施形態と同様に測定すればよいため、特に光路差を調整することなく図24に示す処理を終了する。
一方、S72の処理で参照ミラーを利用すると判定した場合には、光路長の調整処理へ移行する(S74:パターン1〜3)。パターン1では、上記(A−2)の条件を満たすように光路長L、Lを設定する。すなわち、0<2・(L−L)<2・(L+n・d−L)<Xmaxを満たすように光ファイバの長さを変更する。あるいは、駆動部503を用いて調整してもよい。パターン2では、上記(A−3)の条件を満たすように光路長L、Lを設定する。すなわち、2・(L−L)<0<2・(L+n・d−L)<Xmaxを満たすように光ファイバの長さを変更する。あるいは、駆動部503を用いて調整してもよい。パターン3では、上記(A−4)の条件を満たすように光路長L、Lを設定する。すなわち、−Xmax<2(L−L)<2・(L+n・d−L)<0を満たすように光ファイバの長さを変更する。あるいは、駆動部503を用いて調整してもよい。
一方、S70の処理で2・n・d<Xmaxの条件を満たさないと判定した場合、すなわち、Xmax<2・n・d<2・Xmaxを満たす場合には、光路長の調整処理へ移行する(S76:パターン4)。S76の処理において、(B−4)の条件を満たすように光路長L、Lを設定する。すなわち、−Xmax<2(L−L)<0<2・(L+n・d−L)<Xmaxを満たすように光ファイバの長さを変更する。あるいは、駆動部503を用いて調整してもよい。
以上で図24に示す処理を終了する。図24に示す処理は、厚さ計測、温度計測の何れの場合でも行う。また、何れの調整処理においても、調整位置において測定光及び参照光を出射して、自己相関信号がX=0の位置に出現し、相互相関信号の2つのピークが出現していることを確認してもよい。また、光路長L、Lを微少に動かして、相互相関信号の2つのピークが逆方向に動くことを確認してもよい。測定対象物が多層構造であったり、測定対象物との間に窓等がある場合には、多数のピークや無関係なピークが出現することがある。上記のようにピークの確認処理を行うことで、確実に干渉ピークを判断することができる。
次に、光干渉システムの計測動作を説明する。図25は、計測動作を示すフローチャートである。なお、膜厚を測定する場合には、測定環境の温度は一定で、屈折率の温度依存性も取得済みであるとする。また、図25の実行前に、図24に示す処理が完了しているものとする。
図25に示すように、最初に測定対象物13の膜厚が2・n・d<Xmaxの条件を満たすか否かを判定する(S80)。S80の処理で2・n・d<Xmaxの条件を満たすと判定した場合には、参照ミラーを利用するか否かを判定する(S82)。S82の処理で参照ミラーを利用しないと判定した場合には、測定パターン0で測定する(S84)。なお測定パターン0の場合は第1実施形態と同様であるので省略する。
一方、S82の処理で参照ミラーを利用すると判定した場合には、測定パターン1〜3で測定する(S86)。図26は、測定パターン1の測定動作のフローチャートである。図26に示すように、ピーク抽出処理を実行する(S90)。S90の処理では、2・(L−L)、2・(L−L+n・d)の位置に相互相関信号のピークが出現するため、この位置の最大値を取得する。S90の処理が終了すると、重み付け重心処理へ移行する(S92)。S92の処理は、図13のS66の処理と同一である。例えば、それぞれの最大値に対して半分の高さまでの範囲で重み付け重心を計算する。その後、2・(L−L)の重心を2・n・d、2・(L−L+n・d)の重心を2・n・dとすると、L=2・n・d−2・n・dを計算する(S94)。膜厚dはL/2・nであるため、S94の結果に基づいて膜厚dを算出する(S96)。以上で図26に示す測定パターン1を終了する。
図27は、測定パターン2の測定動作のフローチャートである。図27に示すように、ピーク抽出処理を実行する(S100)。S100の処理では、|2・(L−L)|、2・(L−L+n・d)の位置に相互相関信号のピークが出現するため、この位置の最大値を取得する。S100の処理が終了すると、重み付け重心処理へ移行する(S102)。S102の処理は、図13のS66の処理と同一である。その後、|2・(L−L)|の重心を2・n・d、2・(L−L+n・d)の重心を2・n・dとすると、L=2・n・d+2・n・dを計算する(S104)。膜厚dはL/2・nであるため、S104の結果に基づいて膜厚dを算出する(S106)。以上で図27に示す測定パターン2を終了する。
図28は、測定パターン3の測定動作のフローチャートである。図28に示すように、ピーク抽出処理を実行する(S110)。S110の処理では、|2・(L−L)|、|2・(L−L+n・d)|の位置に相互相関信号のピークが出現するため、この位置の最大値を取得する。S110の処理が終了すると、重み付け重心処理へ移行する(S112)。S112の処理は、図13のS66の処理と同一である。その後、|2・(L−L)|の重心を2・n・d、|2・(L−L+n・d)|の重心を2・n・dとすると、L=2・n・d−2・n・dを計算する(S114)。膜厚dはL/2・nであるため、S114の結果に基づいて膜厚dを算出する(S116)。以上で図28に示す測定パターン3を終了する。
図25に戻る。S86の処理が終了すると、図25の処理を終了する。一方、S80の処理で2・n・d<Xmaxの条件を満たさないと判定した場合、すなわち、Xmax<2・n・d<2・Xmaxを満たす場合には、測定パターン4で測定する(S88)。なお測定パターン4は、図27に示す動作となる。S88の処理が終了すると、図25に示す処理を終了する。
以上で図25に示す処理を終了する。図25に示す制御処理は、厚さ計測の場合を説明したが、図13で示すように温度計測を行ってもよい。
以上、第2実施形態に係る光干渉システム1によれば、分光器の分解能を変更することなく当該光干渉システムの測定可能な厚さの範囲を拡張することが可能となる。対比のために、まずは参照ミラーを用いない場合を説明する。図29は、最大計測光学厚さXmaxを説明する概要図である。通常、参照ミラーを用いないで計測した場合には、0<2・n・d<Xmaxの範囲、より詳細にはコヒーレンス長をΔlとすると、2Δl<2・n・d<Xmax−Δlの範囲において出現した測定対象物の表裏面からの干渉ピークを用いて膜厚測定が行われる。なお、2Δl<2・n・dの条件は、0位置のピークと信号が分離している必要があるからである。ここで、例えば波長域40nm、CCD素子512個とした場合には、ΔλHWHMは5nmとなる。この場合、式10、式20よりXmax〜15mm、Δlc〜100umとなる。このため、光路長として計測できる範囲は、0.2mm〜15mmとなる。n=3.65(Si)の場合には、0.027mm〜2mmとなる。
一方、図30に参照ミラーがある場合を示す。参照ミラーがある場合であっても、0<2・n・d<Xmaxの範囲を測定することができる。この場合は、上記と同様に、2Δl<2・n・dの条件を満たす必要がある。一方、Xmax<2・n・dの場合には、2(L−L)と2・(L+n・d−L)とのピークとが重なると測定できなくなる。このため、2・(L+n・d−L)<Xmax−Δlとなる。同様に、2(L−L)<Xmax−3・Δlとなる。2つのピークの中心値の和をとると、2・n・d<2・Xmax−4・Δlとなる。結果として、参照ミラーを用いた本実施形態の光干渉システムによれば、2Δl<2・n・d<2・Xmax−4Δlが計測可能範囲となる。このように、第2実施形態に係る光干渉システム1によれば、参照ミラーが無い場合と比較してほぼ倍の計測レンジを得ることができる。なお、L=Lとして基準とした場合において、駆動部503の駆動可能範囲を−Xmax/2<δ<Xmax/2と設定することで、2Δl<2・n・d<2・Xmax−4Δlの範囲をカバーすることができる。
なお、上述した実施形態は光干渉システム及びアライメント調整方法の一例を示すものであり、実施形態に係る装置及び方法を変形し、又は他のものに適用したものであってもよい。
例えば、基板処理装置に一実施形態で説明した光干渉システム1を搭載させてもよい。図31は、一実施形態にかかる基板処理装置100の要部縦断面構成を模式的に示す図である。ここでは、プラズマエッチング装置などの基板処理装置における測定対象物13の例として、ウエハ、フォーカスリング又は対向電極(上部電極)の温度測定に適用する場合を例に挙げて説明する。
図31に示すように、基板処理装置100は、基板としての半導体ウエハWを収容してプラズマにより処理するための真空チャンバ200を具備している。
真空チャンバ200は、その内部に処理室202を画成する。処理室202は、真空排気可能に構成されている。処理室202には、半導体ウエハWを載置するための載置台30が設けられている。この載置台30は、導電性材料から構成され、高周波電力が印加されるRFプレート40と、このRFプレート40上に設けられ、半導体ウエハWを吸着するための静電チャック機構50とを具備しており、RFプレート40の中央部には、高周波電源(不図示)と電気的に接続された給電棒60が接続されている。
載置台30の周囲には、載置台30の周囲を囲むように、環状に形成されたバッフル板70が設けられており、バッフル板70の下部には、載置台30の周囲から均一に排気を行うための環状の排気空間80が形成されている。また、真空チャンバ200の底部には、ベースプレート90が設けられており、RFプレート40とベースプレート90との間には、空隙101が形成されている。この空隙101は、RFプレート40とベースプレート90を絶縁するための十分な広さとなっている。また、搬送アームから半導体ウエハWを受け取り載置台30に載置又は半導体ウエハWを載置台30より持ち上げて搬送アームに受け渡すプッシャーピンの駆動機構(不図示)が、この空隙101内に設けられている。また、この空隙101は、真空雰囲気ではなく大気雰囲気となっている。
載置台30の上方には、載置台30と間隔を設けて対向するように対向電極110が設けられている。この対向電極110は、所謂シャワーヘッドによって構成されており、載置台30上に載置された半導体ウエハWに対して、シャワー状に所定の処理ガスを供給できるように構成されている。この対向電極110は、接地電位とされるか或いは高周波電力が印加されるようになっている。また、載置台30上の半導体ウエハWの周囲には、フォーカスリング290が設けられている。このフォーカスリング290は、半導体ウエハWのプラズマ処理の面内均一性を向上させるためのものである。
上記真空チャンバ200は、載置台30の上部の空間である処理室202が真空雰囲気となり、載置台30の下部の空隙101が常圧雰囲気となるように構成されている。したがって、載置台30が真空雰囲気と常圧雰囲気とを仕切る仕切り壁の一部を構成するようになっている。そして、載置台30には、複数(図1に示す例では4つ)の温度測定用窓120,130,140及び150が形成されている。これらの温度測定用窓120,130,140及び150は、載置台30の上面と下面とを測定光が透過可能なように光学的に連通し、かつ、気密封止された構造となっている。
なお、一実施形態では、温度測定用窓120,130,140及び150のうち、載置台30の最も外周側の位置に設けられた温度測定用窓150は、フォーカスリング290の温度を測定するためのものであり、他の温度測定用窓120,130及び140は、半導体ウエハWの温度、又は、対向電極110の温度を測定するためのものである。
上記温度測定用窓120,130,140及び150に対応して、ベースプレート90には、貫通孔160,170,180及び190が設けられており、これらの貫通孔には、夫々温度測定手段からの測定光を導くための光ファイバ201,210,220及び230の出口部分に設けられたコリメータ240,250,260及び270が固定されている。また、ベースプレート90と載置台30(RFプレート40)との間の空隙101には、ベースプレート90と載置台30(RFプレート40)とを連結する連結部材300が配置されている。なお、図31には、連結部材300を1つのみ図示してあるが、この連結部材300は、周方向に沿って複数(例えば4個以上)配置されている。これらの連結部材300は、載置台30の変形や振動を抑制するためのものである。
上記光ファイバ201,210,220及び230は、図1に示す光干渉システム1に接続されている。すなわち、コリメータ240,250,260及び270が図1に示すコリメータ12に対応する。なお、図31では調整機構12aに対応する機構を省略して図示しているが、基板処理装置100は調整機構を有している。
光源としては、測定光と参照光との干渉が測定できれば、任意の光を使用することが可能である。半導体ウエハWの温度測定を行う場合には、少なくとも半導体ウエハWの表面と裏面との間の距離(通常は800〜1500μm程度)からの反射光が干渉を生じない程度の光が好ましい。具体的には例えば低コヒーレンス光を用いることが好ましい。低コヒーレンス光とは、コヒーレンス長の短い光をいう。低コヒーレンス光の中心波長は例えば0.3〜20μmが好ましく、更に0.5〜5μmがより好ましい。また、コヒーレンス長としては、例えば0.1〜100μmが好ましく、更に3μm以下がより好ましい。このような低コヒーレンス光を光源として使用することにより、余計な干渉による障害を回避でき、半導体ウエハWの表面又は内部層からの反射光に基づく参照光との干渉を容易に測定することができる。
上記低コヒーレンス光を使用した光源としては、例えばSLD(Super Luminescent Diode)、LED、高輝度ランプ(タングステンランプ、キセノンランプなど)、超広帯域波長光源等を使用することができる。これらの低コヒーレンス光源の中でも、輝度の高いSLD(波長、例えば1300nm)を光源として用いることが好ましい。
上記光干渉システム1における参照光は、コリメータ240,260,270及び280から出力され、載置台30から測定対象物であるウエハW、フォーカスリング290及び対向電極110へ出力される。
以上、基板処理装置100に光干渉システム1を搭載することで、コリメータのアライメントを調整することができる。なお、処理室内に収容されているフォーカスリング290又は対向電極110等のチャンバ内パーツを測定対象物とする場合には、これらのパーツが測定光に対して透過性を有する材質で形成されている必要がある。例えば、チャンバ内パーツの材質として、シリコン、石英又はサファイア等が用いられる。
また、上述した第1実施形態では、光サーキュレータ11を備える例を説明したが、2×1又は2×2のフォトカプラであってもよい。2×2のフォトカプラを採用する場合、参照ミラーは備えなくてもよい。
また、上述した第1実施形態では、FFT周波数領域法によるシステムを例に説明したが、図32に示すように、ミラースキャン方式の光干渉システムであってもよい。図32の(a),(b)に示すシステムは、何れもミラースキャン方式の光干渉システムである。図32の(a)は、温度測定に受光素子を利用するシステムであり、図32の(b)は、温度測定に分光器を利用するシステムである。図32の(a)に示すシステムの場合、アラメイント調整を行う際に分光器を受光素子の光ファイバに途中から接続し、参照ミラー400からの反射を遮った状態でアライメント調整すればよい。また、図32の(b)に示すように、分光器を既に備えている場合には、参照ミラー400からの反射を遮った状態でアライメント調整すればよい。
また、上述した第1実施形態では、コリメータを圧電素子で駆動させる例を説明したが、駆動方式に限定されるものではなく、例えば、ステッピングモータで駆動させてもよい。また、コリメータホルダ12aは、手動で動作させるものであってもよい。
また、上述した第1実施形態では、基板処理装置が複数のコリメータを備える例を説明したが、コリメータは1つであってもよい。
また、上述した第1実施形態では、光干渉システム1が測定対象物13の温度を測定する場合を例に説明したが、光路長n・dから厚さを測定してもよい。
また、上述した第2実施形態では、参照ミラー502とコリメータ501との距離を固定としてもよい。また、光ファイバの先端をミラーコーティングして参照ミラー502を構成してもよい。また、測定対象物13側を動作させてもよい。
また、上述した第2実施形態の光干渉システム1は、複数箇所の測定点を同時に測定可能である。図33は、多点計測の一例である。図33では、制御部15は省略している。図33に示すように、スプリッタ500aを用いて測定対象物13c〜13fを同時に計測することができる。それぞれ測定対象物13c〜13fは2・n・d<Xmaxを満たすものとする。ここで、スプリッタ500から測定対象物13c〜13fまでの光路長をLs1〜Ls4とすると、Ls1−L≠Ls2−L≠Ls3−L≠Ls4−Lとなるように設定する。図34に干渉ピークの一例を示す。図34に示すように、測定対象物13cのピーク1a,1b、測定対象物13dのピーク2a、2b、測定対象物13eのピーク3a,3b、測定対象物13fのピーク4a、4bが出現する。各点に対応するピーク位置の差を算出することで厚さ又は温度を測定することができる。例えば、ウェハ面内の4点を計測できる。
また、上述した第2実施形態の光干渉システム1は、複数箇所の測定点であって厚さの異なる測定対象物を同時に測定可能である。図35は、多点計測の一例である。図35では、制御部15は省略している。図35に示すように、測定対象物13gは、測定対象物13c〜13eとは異なる厚さである。このような場合であっても、測定対象物13c〜13e、13gを同時に計測することができる。例えば、測定対象物13c〜13eは2・n・d<Xmaxを満たし、測定対象物13gはXmax<2・n・dを満たすものとする。ここで、スプリッタ500から測定対象物13c〜13e、13gの光路長をLs1〜Ls4とすると、Ls1−L≠Ls2−L≠Ls3−L≠Ls4−Lとなるように設定する。図36に干渉ピークの一例を示す。図36に示すように、測定対象物13cのピーク1a,1b、測定対象物13dのピーク2a、2b、測定対象物13eのピーク3a,3b、測定対象物13gのピーク4a、4bが出現する。各点に対応するピーク位置の差を算出することで厚さ又は温度を測定することができる。例えば、ウェハ面内の3点とフォーカスリングを同時に計測できる。
さらに、上述した第2実施形態の光干渉システム1は、複数箇所の測定点であって厚さの大きな測定対象物を同時に測定可能である。図37は、多点計測の一例である。図37では、制御部15は省略している。図37に示すように、スプリッタ500aを用いて測定対象物13g〜13jを同時に計測することができる。それぞれ測定対象物13g〜13jはXmax<2・n・dを満たすものとする。ここで、スプリッタ500から測定対象物13g〜13jまでの光路長をLs1〜Ls4とすると、Ls1−L≠Ls2−L≠Ls3−L≠Ls4−Lとなるように設定する。図38に干渉ピークの一例を示す。図38に示すように、測定対象物13gのピーク1a,1b、測定対象物13hのピーク2a、2b、測定対象物13iのピーク3a,3b、測定対象物13jのピーク4a、4bが出現する。各点に対応するピーク位置の差を算出することで厚さ又は温度を測定することができる。例えば、フォーカスリングの4点を計測できる。
1…光干渉システム、10…光源、11…光サーキュレータ、12…コリメータ、12a…コリメータホルダ(調整機構)、14…分光器、15…制御部、16…光路長算出部、17…フーリエ変換部、18…データ補間部、19…重心計算部、20…温度算出部、21…温度校正データ、100…基板処理装置、151…ピーク強度取得部、152…調整位置導出部、153…信号生成部、202…処理室。

Claims (9)

  1. 第1主面及び前記第1主面に対向する第2主面を有する測定対象物の厚さ又は温度を計測する光干渉システムであって、
    前記測定対象物を透過する波長を有する光の光源と、
    前記光源に接続され、前記光源からの光を測定光と参照光とに分けるスプリッタと、
    前記スプリッタからの測定光を前記測定対象物の前記第1主面へ出射するとともに、前記第1主面及び前記第2主面からの反射光を入射する第1コリメータと、
    光を反射する参照ミラーと、
    前記スプリッタからの参照光を前記参照ミラーへ出射するとともに、前記参照ミラーからの反射光を入射する第2コリメータと、
    前記スプリッタに接続され、波長に依存した強度分布であって前記第1主面、前記第2主面及び前記参照ミラーからの前記反射光の強度分布である干渉強度分布を測定する分光器と、
    前記分光器に接続され、前記干渉強度分布をフーリエ変換して得られる波形に基づいて前記測定対象物の厚さ又は温度を計測する計測部と、
    を備え、
    前記スプリッタから前記測定対象物までの第1光路長をL、前記スプリッタから前記参照ミラーまでの第2光路長をLとすると、L<Lを満たすように前記スプリッタ、前記第1コリメータ、前記測定対象物、前記第2コリメータ及び前記参照ミラーが配置され、
    前記計測部は、前記分光器の分解能により規定される最大計測光学厚さをXmax、前記測定対象物の厚さをd、前記測定対象物の前記測定光に対する屈折率をnとすると、Xmax<2・n・d<2・Xmaxの場合には、前記第1光路長と前記第2光路長との光路差により|2・(L −L )|の位置に出現する干渉ピークと、2・(L −L +n・d)の位置に出現する干渉ピークとを用いて前記測定対象物の厚さ又は温度を計測し、
    前記計測部は、2・n・d<X max の場合には、前記第1主面及び前記第2主面からの前記反射光により生じる干渉ピークの間隔に基づいて前記測定対象物の厚さ又は温度を計測する光干渉システム。
  2. 記スプリッタ、前記第1コリメータ、前記測定対象物、前記第2コリメータ及び前記参照ミラーは、−Xmax<2・(L−L)<0<2・(L−L+n・d)<Xmaxを満たすように配置される請求項1に記載の光干渉システム。
  3. 駆動信号に基づいて前記第1コリメータの傾き位置を調整する調整機構をさらに備え、
    前記計測部は、
    前記駆動信号を生成する信号生成部と、
    前記干渉強度分布をフーリエ変換して得られるピーク強度を取得するピーク強度取得部と、
    ピーク強度に基づいて前記傾き位置の調整位置を導出する調整位置導出部と、
    を有する請求項1又は2に記載の光干渉システム。
  4. 前記調整位置導出部は、ピーク強度が最大となる前記傾き位置を前記調整位置として導出する請求項に記載の光干渉システム。
  5. 前記調整機構は、前記第1コリメータの出射方向に直交するとともに互いに直交する第1軸及び第2軸のそれぞれの回転角度である第1角度及び第2角度を調整する請求項又はに記載の光干渉システム。
  6. 前記調整位置導出部は、前記第1角度及び前記第2角度を座標軸とするマップにマッピングされたピーク強度に基づいて前記調整位置を導出する請求項に記載の光干渉システム。
  7. ピーク強度取得部は、所定の光路長差の位置に出現するピークの強度を取得する請求項の何れか一項に記載の光干渉システム。
  8. 第1主面及び前記第1主面に対向する第2主面を有する測定対象物の厚さ又は温度を計測する光干渉システムを備える基板処理装置であって、
    真空排気可能に構成され、前記測定対象物を収容する処理室を有し、
    該光干渉システムは、
    前記測定対象物を透過する波長を有する光の光源と、
    前記光源に接続され、前記光源からの光を測定光と参照光とに分けるスプリッタと、
    前記スプリッタからの測定光を前記測定対象物の前記第1主面へ出射するとともに、前記第1主面及び前記第2主面からの反射光を入射する第1コリメータと、
    光を反射する参照ミラーと、
    前記スプリッタからの参照光を前記参照ミラーへ出射するとともに、前記参照ミラーからの反射光を入射する第2コリメータと、
    前記スプリッタに接続され、波長に依存した強度分布であって前記第1主面、前記第2主面及び前記参照ミラーからの前記反射光の強度分布である干渉強度分布を測定する分光器と、
    前記分光器に接続され、前記干渉強度分布をフーリエ変換して得られる波形に基づいて前記測定対象物の厚さ又は温度を計測する計測部と、
    を備え、
    前記スプリッタから前記測定対象物までの第1光路長をL、前記スプリッタから前記参照ミラーまでの第2光路長をLとすると、L<Lを満たすように前記スプリッタ、前記第1コリメータ、前記測定対象物、前記第2コリメータ及び前記参照ミラーが配置され、
    前記計測部は、前記分光器の分解能により規定される最大計測光学厚さをXmax、前記測定対象物の厚さをd、前記測定対象物の前記測定光に対する屈折率をnとすると、Xmax<2・n・d<2・Xmaxの場合には、前記第1光路長と前記第2光路長との光路差により|2・(L −L )|の位置に出現する干渉ピークと、2・(L −L +n・d)の位置に出現する干渉ピークとを用いて前記測定対象物の厚さ又は温度を計測し、
    前記計測部は、2・n・d<X max の場合には、前記第1主面及び前記第2主面からの前記反射光により生じる干渉ピークの間隔に基づいて前記測定対象物の厚さ又は温度を計測する基板処理装置。
  9. 第1主面及び前記第1主面に対向する第2主面を有する測定対象物の厚さ又は温度を計測する光干渉システムを用いた測定方法であって、
    該光干渉システムは、
    前記測定対象物を透過する波長を有する光の光源と、
    前記光源に接続され、前記光源からの光を測定光と参照光とに分けるスプリッタと、
    前記スプリッタからの測定光を前記測定対象物の前記第1主面へ出射するとともに、前記第1主面及び前記第2主面からの反射光を入射する第1コリメータと、
    光を反射する参照ミラーと、
    前記スプリッタからの参照光を前記参照ミラーへ出射するとともに、前記参照ミラーからの反射光を入射する第2コリメータと、
    前記スプリッタに接続され、波長に依存した強度分布であって前記第1主面、前記第2主面及び前記参照ミラーからの前記反射光の強度分布である干渉強度分布を測定する分光器と、
    を有し、
    前記スプリッタから前記測定対象物までの第1光路長をL、前記スプリッタから前記参照ミラーまでの第2光路長をLとすると、L<Lを満たすように前記スプリッタ、前記第1コリメータ、前記測定対象物、前記第2コリメータ及び前記参照ミラーが配置され、
    前記分光器の分解能により規定される最大計測光学厚さをXmax、前記測定対象物の厚さをd、前記測定対象物の前記測定光に対する屈折率をnとすると、Xmax<2・n・d<2・Xmaxの場合には、
    前記干渉強度分布をフーリエ変換して波形を取得するフーリエ変換ステップと、
    前記第1光路長と前記第2光路長との光路差により|2・(L −L )|の位置に出現する干渉ピークと、2・(L −L +n・d)の位置に出現する干渉ピークとを用いて前記測定対象物の厚さ又は温度を計測する計測ステップと、を備え、
    2・n・d<X max の場合には、
    前記干渉強度分布をフーリエ変換して波形を取得するフーリエ変換ステップと、
    前記第1主面及び前記第2主面からの前記反射光により生じる干渉ピークの間隔に基づいて前記測定対象物の厚さ又は温度を計測する計測ステップと、
    を備える測定方法。
JP2012010380A 2011-08-02 2012-01-20 光干渉システム、基板処理装置及び測定方法 Active JP5901305B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012010380A JP5901305B2 (ja) 2011-08-02 2012-01-20 光干渉システム、基板処理装置及び測定方法

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011169140 2011-08-02
JP2011169140 2011-08-02
JP2011238981 2011-10-31
JP2011238981 2011-10-31
JP2012010380A JP5901305B2 (ja) 2011-08-02 2012-01-20 光干渉システム、基板処理装置及び測定方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013117507A JP2013117507A (ja) 2013-06-13
JP5901305B2 true JP5901305B2 (ja) 2016-04-06

Family

ID=48712158

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012010380A Active JP5901305B2 (ja) 2011-08-02 2012-01-20 光干渉システム、基板処理装置及び測定方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5901305B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015022851A1 (ja) * 2013-08-15 2015-02-19 富士通株式会社 光干渉法を用いた計測装置及び光干渉法を用いた計測方法
JP6231370B2 (ja) * 2013-12-16 2017-11-15 東京エレクトロン株式会社 消耗量測定装置、温度測定装置、消耗量測定方法、温度測定方法及び基板処理システム
JP6232311B2 (ja) * 2014-02-24 2017-11-15 株式会社ディスコ 研磨装置
JP6239660B2 (ja) * 2016-02-29 2017-11-29 国立大学法人九州大学 校正装置および校正方法

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3883145B2 (ja) * 1997-09-30 2007-02-21 フジノン株式会社 干渉計のアライメント装置
JP2005340679A (ja) * 2004-05-31 2005-12-08 Matsushita Electric Ind Co Ltd 研磨装置及び研磨終点検出方法ならびに半導体装置の製造方法
US8112246B2 (en) * 2005-12-22 2012-02-07 Taylor Hobson Limited Apparatus for and a method of determining surface characteristics
JP2011209223A (ja) * 2010-03-30 2011-10-20 Nagoya Univ 厚さ又は温度の干渉測定装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013117507A (ja) 2013-06-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5891006B2 (ja) 光干渉システム、基板処理装置及び計測方法
JP6781727B2 (ja) 敏捷な画像化システム
KR101927877B1 (ko) 온도 계측 시스템, 기판 처리 장치 및 온도 계측 방법
JP5993207B2 (ja) 光干渉システム及び基板処理装置
JP5087186B1 (ja) 等光路干渉計
TWI497044B (zh) 溫度測定方法及記憶媒體
JP6263019B2 (ja) 温度測定方法、基板処理システム及び温度測定用部材
JP5901305B2 (ja) 光干渉システム、基板処理装置及び測定方法
TW201538923A (zh) 厚度‧溫度測定裝置、厚度‧溫度測定方法及基板處理系統
WO2011091012A2 (en) Interferometer with variable optical path length reference mirror and applications thereof
JP2012208050A (ja) 測定装置及びプラズマ処理装置
JP6831856B2 (ja) 干渉スペクトロスコピーによるキャビティの測定
US9494410B2 (en) Method for measuring characteristics of sample
KR20210041512A (ko) 온도 계측 시스템 및 온도 계측 방법
KR20210049679A (ko) 광학 측정 장치, 파장 교정 방법 및 표준 시료
JP2016017762A (ja) 光学遅延装置及び光コヒーレンストモグラフィー装置
KR101398835B1 (ko) 콤 생성 및 검출 장치를 이용한 실시간 분광형 간섭 측정 장치 및 측정 방법
JP5752454B2 (ja) プラズマ処理装置及び温度測定方法
JP2014025701A (ja) 光干渉断層撮像装置
JP6159156B2 (ja) 測定対象物の厚さ計測方法
JP2017219470A (ja) 温度計測システム、基板処理装置及び温度計測方法
JP2015010920A (ja) 屈折率計測方法、屈折率計測装置および光学素子の製造方法
JP5894464B2 (ja) 計測装置
Bao et al. Improvement of Optical Setup of the Novel 2D Single-Shot Comb-Based Interferometer for High-Resolution Measurement
JP2805045B2 (ja) 空間位置決め方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140925

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150624

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150707

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150902

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160209

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160308

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5901305

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250