JP5900717B1 - ステンレス鋼板およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

質量%で、C:0.005〜0.050%、Si:0.01〜1.00%、Mn:0.01〜1.0%、P:0.040%以下、S:0.01%以下、Cr:15.5〜18.0%、Ni:0.01〜1.0%、Al:0.001〜0.10%およびN:0.005〜0.06%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物の組成とし、組織全体に対する体積率で1〜10%のマルテンサイト相を含有させることにより、成形性および耐リジング特性に優れるとともに、高い生産性の下に製造すること可能なステンレス鋼を提供する。

Description

本発明は、ステンレス鋼、特には成形性および耐リジング特性に優れたステンレス鋼に関するものである。
SUS430に代表されるフェライト系ステンレス鋼は、経済的で耐食性に優れているため、家電製品、厨房機器などに使用されている。近年では磁性があることから、IH(誘導加熱)方式に対応できる調理器具への適用が増えている。鍋などの調理器具は張出し加工や絞り加工により成形されることが多く、所定の形状に成形するためには十分な伸びおよび平均ランクフォード値((圧延平行方向のr値+2×圧延45°方向のr値+圧延直角方向のr値)÷4、以下、平均r値と表記する場合がある)が必要となる。
張出し成形や絞り成形を行った場合、鋼板の材質の異方性が小さいことが重要となる。例えば、張出し成形した場合、鋼板の平均破断伸び((圧延平行方向の破断伸び+2×圧延45°方向の破断伸び+圧延直角方向の破断伸び)÷4、以下、平均Elと表記する場合がある)が大きかったとしても、その成形限界は鋼板のもっとも破断伸びが低い方向の破断伸びに律速される。このため、張出し成形を安定して実施するためには破断伸びの面内異方性((圧延平行方向の破断伸び−2×圧延45°方向の破断伸び+圧延直角方向の破断伸び)÷2の絶対値、以下|ΔEl|と表記する場合がある)が小さいことが求められる。
また、絞り加工においては、鋼板のr値の面内異方性((圧延平行方向のr値−2×圧延45°方向のr値+圧延直角方向のr値)÷2の絶対値、以下|Δr|と表記する場合がある)に起因した耳が発生する。耳は|Δr|が大きい鋼板ほど大きくなる。このため、|Δr|が大きい鋼板を絞り加工する場合には、プレス成形前のブランク径を大きくする必要が生じ、製造歩留まりが低下するという問題がある。その故、|Δr|が小さいことが求められる。
一方、調理鍋などは表面外観も商品価値を大きく左右する。通常、フェライト系ステンレス鋼を成形するとリジングと呼ばれる表面凹凸が形成され、成形後の表面外観が悪化する。過度なリジングが発生した場合、成形後に凹凸を除去する研磨工程が必要となり、製造コストが増加するという課題がある。そのためリジングが小さいことが求められる。リジングは、類似の結晶方位を有するフェライト粒の集合体(以下、フェライトコロニーもしくはコロニーと表記する場合がある)に起因する。鋳造時に生成する粗大な柱状晶組織が熱間圧延によって展伸し、展伸した粒あるいは粒群が熱延板焼鈍、冷間圧延および冷延板焼鈍を経た後にも残存することにより、コロニーが形成されると考えられている。
上記の課題に対して、例えば特許文献1では、「γmaxが20以上70未満であるフェライト系ステンレス鋼のスラブに熱間圧延を施した後急冷し、得られた熱延板を600℃未満で巻き取り、フェライト相と炭素固溶量の多いマルテンサイト相の2相組織とした後、熱延板焼鈍を施すことなく、2相組織のまま圧延率20〜80%の中間冷間圧延を行ってフェライト相に歪を蓄積し、その後、箱型炉による長時間の焼鈍(バッチ焼鈍)を施し、歪が蓄積されたフェライト相を再結晶させると同時に炭素固溶量の多いマルテンサイト相をフェライト相へ再結晶させて集合組織をランダム化した後、さらに仕上げ冷間圧延と再結晶焼鈍を行うことによりフェライト単相組織とし、加工性に優れるフェライト系ステンレス鋼板を得る製造方法」が開示されている。ここで、γmax=420C−11.5Si+7Mn+23Ni−11.5Cr−12Mo+9Cu−49Ti−50Nb−52Al+470N+189である。なお、C、Si、Mn、Ni、Cr、Mo、Cu、Ti、Nb、AlおよびNは、それぞれの元素の含有量(質量%)を意味する。
また、特許文献2では、「重量%で、C:0.02〜0.05%、Si:1.0%以下、Mn:1.5%以下、N:0.02〜0.05%、Cr:15〜18%、Al:0.10〜0.30%、残部がFeおよび不可避的不純物から成る化学組成を有する鋼片を、1100〜1250℃に加熱後、熱間圧延を実施し、最終パス出側温度950℃以上で熱間圧延を終了し、熱間圧延後、20〜80℃/sの冷却速度で500〜650℃の巻取温度まで冷却して、フェライト相とマルテンサイト相の複合組織からなり、かつ体積率で10〜20%のマルテンサイトを有する熱延板とし、得られた熱延板に引き続き850〜980℃の温度範囲で180〜300秒の焼鈍を行い、次いで15℃/秒以上の冷却速度で急冷する熱延板焼鈍を施し、さらに該熱延焼鈍板に冷間圧延そして仕上げ焼鈍を施すことによりフェライト単相組織とすることにより、耐リジング特性、プレス成形性に優れ、表面性状の良好なアルミニウム含有フェライト系ステンレス鋼板を得る製造方法」が開示されている。
特許4744033号公報 特開平9−111354号公報
しかし、特許文献1の方法では、破断伸びの面内異方性については一切言及されていない。また、鋼板の製造に際して、熱間圧延後に焼鈍を施さずに冷間圧延を実施する必要があるため、圧延負荷が増加し、さらに長時間の箱焼鈍と2回の冷間圧延工程を必要とするため、生産性が低くなってしまう。
また、特許文献2に記載の方法では、0.10重量%〜0.30重量%のAlを含有する必要があり、鋳造時に生成した多量のAl23に起因したヘゲなどの表面欠陥が発生しやすかった。
本発明は、上記の現状に鑑み開発されたものであって、成形性および耐リジング特性に優れるとともに、高い生産性の下に製造することが可能なステンレス鋼を、その製造方法とともに提供することを目的とする。
なお、「優れた成形性」とは、JIS Z 2241に準拠した引張試験において以下の(1)式により算出される平均破断伸び(平均El)が25%以上、次の(2)式により算出される破断伸びの面内異方性|ΔEl|が3.0%以下、JIS Z 2241に準拠した引張試験において15%のひずみを付与した際に以下の(3)式により算出される平均r値が0.70以上、および以下の(4)式により算出されるr値の面内異方性|Δr|が0.30以下であることを意味する。
平均El=(ElL+2×ElD+ElC)/4 (1)
|ΔEl|=|(ElL−2×ElD+ElC)/2| (2)
平均r値=(rL+2×rD+rC)/4 (3)
|Δr|=|(rL−2×rD+rC)/2| (4)
ここで、ElLおよびrLは圧延方向に平行な方向で採取した試験片から得られた破断伸びおよびr値、ElDおよびrDは圧延方向に対して45°の方向で採取した試験片から得られた破断伸びおよびr値、ElCおよびrCは圧延直角方向で採取した試験片から得られた破断延びおよびr値である。
また、「優れた耐リジング特性」とは、次に述べる方法で測定したリジング高さが2.5μm以下であることを意味する。リジング高さの測定は、まず、圧延方向に平行にJIS 5号引張試験片を採取する。次いで、採取した試験片の表面を#600のエメリーペーパーを用いて研磨した後、20%の引張ひずみを付与する。次いで、試験片の平行部中央の研磨面で、圧延方向に直角の方向に、表面粗度計でJIS B 0601(2001年)で規定される算術平均うねりWaを測定する。測定条件は、測定長16mm、ハイカットフィルター波長0.8mm、ローカットフィルター波長8mmである。この算術平均うねりをリジング高さとする。
上記課題を解決するため、発明者ら鋭意検討を重ねた。特に、発明者らは、生産性を高めるべく、現在一般的に行われている箱焼鈍(バッチ焼鈍)による長時間の熱延板焼鈍ではなく、連続焼鈍炉を用いた短時間の熱延板焼鈍により、優れた成形性および耐リジング特性を確保する方法について、鋭意検討を重ねた。
その結果、連続焼鈍炉を用いた短時間の熱延板焼鈍を行う場合であっても、熱延板焼鈍時にマルテンサイト相を生成させ、その状態で冷間圧延を施すことによって、鋳造段階で生成したフェライトコロニーを効果的に破壊できることを見出した。
さらに、このようにして得られた冷延板を、適正な条件の下、冷延板焼鈍し、冷延焼鈍板の組織をマルテンサイト相とフェライト相からなる2相組織とし、マルテンサイト相の組織全体に対する体積率を適正に制御することで、優れた成形性と耐リジング特性が同時に得られることを見出した。
本発明は、上記の知見に基づき、さらに検討を加えた末に完成されたものである。
すなわち、本発明の要旨構成は次のとおりである。
1.質量%で、C:0.005〜0.050%、Si:0.01〜1.00%、Mn:0.01〜1.0%、P:0.040%以下、S:0.010%以下、Cr:15.5〜18.0%、Ni:0.01〜1.0%、Al:0.001〜0.10%およびN:0.005〜0.06%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物の成分組成からなり、
組織全体に対する体積率で1〜10%のマルテンサイト相を含み、
平均破断伸びが25%以上、破断伸びの面内異方性|ΔEl|が3%以下、平均ランクフォード値が0.70以上、ランクフォード値の面内異方性|Δr|が0.30以下、およびリジング高さが2.5μm以下である、ステンレス鋼
2.前記成分組成が、さらに質量%で、Cu:0.1〜1.0%、Mo:0.1〜0.5%およびCo:0.01〜0.5%のうちから選ばれる1種または2種以上を含有する、前記1に記載のステンレス鋼
3.前記成分組成が、さらに質量%で、V:0.01〜0.25%、Ti:0.001〜0.05%、Nb:0.001〜0.05%、Ca:0.0002〜0.0020%、Mg:0.0002〜0.0050%、B:0.0002〜0.0050%およびREM:0.01〜0.10%のうちから選ばれる1種または2種以上を含有する、前記1または2に記載のステンレス鋼
4.前記1〜3のいずれか一項に記載のステンレス鋼を製造するための方法であって、
前記1〜3のいずれか一項に記載の成分組成からなる鋼スラブを熱間圧延し、熱延板とする工程と、
前記熱延板を900℃以上1050℃以下の温度範囲で5秒〜15分間保持する熱延板焼鈍を行い、熱延焼鈍板とする工程と、
前記熱延焼鈍板を冷間圧延し、冷延板とする工程と、
前記冷延板を850℃以上950℃以下の温度範囲で5秒〜5分間保持する冷延板焼鈍を行う工程とをそなえる、ステンレス鋼の製造方法。
本発明によれば、成形性および耐リジング特性に優れるステンレス鋼を得ることができる。
また、本発明のステンレス鋼は、箱焼鈍(バッチ焼鈍)による長時間の熱延板焼鈍ではなく、連続焼鈍炉を用いた短時間の熱延板焼鈍により製造することができるできるので、生産性の面で極めて有利である。
以下、本発明を具体的に説明する。
まず、本発明のステンレス鋼が、優れた成形性と耐リジング特性を有する理由について説明する。
ステンレス鋼の耐リジング特性を向上させるためには、類似した結晶方位を有する結晶粒の集合体であるフェライトコロニーを破壊することが有効である。
本発明者らは、生産性の観点から、現在一般的に行われている箱焼鈍(バッチ焼鈍)による長時間の熱延板焼鈍ではなく、連続焼鈍炉を用いた短時間の熱延板焼鈍により、優れた成形性および耐リジング特性を確保すべく検討を重ねたところ、熱延板焼鈍時にフェライト相とオーステナイト相の二相温度域まで昇温して再結晶を促進させるとともにオーステナイト相を生成させ、熱延板焼鈍後に一定量のマルテンサイト相を確保し、この状態で冷間圧延することにより、フェライト相に圧延ひずみが効果的に付与され、フェライトコロニーが効率的に破壊されることを見出した。
さらに、本発明者らは、このようにして得られた冷延板に、フェライト−オーステナイト相の二相域にまで加熱して冷延板焼鈍を行って、マルテンサイト相を適量残存および/または生成させることで、過度の圧延方向への集合組織の発達が抑制され、最終製品におけるr値および破断伸びの面内異方性が小さくなることを見出した。また、上記のような冷延板焼鈍を行って、再結晶を促進させつつオーステナイト相(冷却後にマルテンサイト相へと変態)を生成させることで、フェライトコロニーをさらに効果的に破壊できることを見出した。
しかし、マルテンサイト相の体積率が一定以上に多くなった場合、強度が上昇し、破断伸びが著しく低下する。そこで発明者らは、所定の成形性および耐リジング特性が得られるマルテンサイト相の体積率について詳細な検討を行った。
その結果、マルテンサイト相の体積率を組織全体に対する体積率で1〜10%の範囲に制御することにより、鋼板強度の上昇による破断伸びの低下を伴うことなく、所定の成形性および耐リジング特性が得られることを見出したのである。
冷延板焼鈍では、冷間圧延によってひずみが導入されたフェライト相およびマルテンサイト相の再結晶が生じる。ここでは、上述したように、冷延板焼鈍において、熱延板焼鈍によって生成したマルテンサイト相を適量残存させる、あるいは適量のオーステナイト相(冷却後にマルテンサイト相へ変態する)を生成させることが重要である。
すなわち、冷延板焼鈍時に適量のマルテンサイト相あるいはオーステナイト相が存在することによって、フェライト結晶粒の圧延平行方向への優先的な成長が抑制される。この効果を得るためには、最終製品において、組織全体に対する体積率で1%以上のマルテンサイト相を含有させる必要がある。一方、マルテンサイト相の体積率が10%を超えると、過度のマルテンサイト相の含有によって鋼板が硬質化し、所定の平均Elを得ることができない。そのため、マルテンサイト相の組織全体に対する体積率は1〜10%の範囲とする。好ましくは1%〜5%の範囲である。なお、マルテンサイト相以外の組織は、フェライト相となる。
次に、本発明のステンレス鋼における成分組成の限定理由について説明する。なお、成分組成における元素の含有量の単位はいずれも「質量%」であるが、以下、特に断らない限り単に「%」で示す。
C:0.005〜0.050%
Cは、オーステナイト相の生成を促進し、フェライト相とオーステナイト相の二相温度域を拡大する効果がある。これらの効果を得るためには、Cの0.005%以上の含有が必要である。しかし、C含有量が0.050%を超えると鋼板が硬質化し、所定の平均Elが得られない。そのため、C含有量は0.005〜0.050%の範囲とする。好ましくは0.008〜0.025%の範囲である。さらに好ましくは0.010〜0.020%の範囲である。
Si:0.01〜1.00%
Siは鋼溶製時に脱酸剤として作用する元素である。この効果を得るためには、Siの0.01%以上の添加が必要である。しかし、Si含有量が1.00%を超えると、鋼板が硬質化し所定の平均Elが得られないことに加え、焼鈍時に生成する表面スケールが強固となり、酸洗が困難となるため好ましくない。そのため、Si含有量は0.01〜1.00%の範囲とする。好ましくは0.10〜0.75%の範囲である。さらに好ましくは0.10〜0.30%の範囲である。
Mn:0.01〜1.0%
MnはCと同様にオーステナイト相の生成を促進し、焼鈍時にフェライト相とオーステナイト相の二相温度域を拡大する効果がある。この効果を得るためには、Mnの0.01%以上の添加が必要である。しかし、Mn含有量が1.0%を超えるとMnSの生成量が増加して耐食性が低下する。そのため、Mn含有量は0.01〜1.0%の範囲とする。好ましくは0.50〜1.0%の範囲である。さらに好ましくは0.60〜0.90%の範囲である。よりさらに好ましくは0.75〜0.85%の範囲である。
P:0.040%以下
Pは粒界偏析による粒界破壊を助長する元素であるため低い方が望ましく、上限を0.040%とする。好ましくは0.030%以下である。さらに好ましくは0.020%以下である。なお、P含有量の下限は特に限定されないが、製造コスト等の観点からは0.010%程度である。
S:0.010%以下
SはMnSなどの硫化物系介在物となって存在して延性や耐食性等を低下させる元素であり、特に含有量が0.010%を超えた場合にそれらの悪影響が顕著に生じる。そのためS含有量は極力低い方が望ましく、S含有量の上限は0.010%とする。好ましくは0.007%以下である。さらに好ましくは0.005%以下である。なお、S含有量の下限は特に限定されないが、製造コスト等の観点からは0.001%程度である。
Cr:15.5〜18.0%
Crは、鋼板表面に不動態皮膜を形成して耐食性を向上させる効果を有する元素である。この効果を得るためにはCr含有量を15.5%以上とする必要がある。しかし、Cr含有量が18.0%を超えると、焼鈍時にオーステナイト相の生成が不十分となり、所定の材料特性が得られない。そのため、Cr含有量は15.5〜18.0%の範囲とする。好ましくは16.0〜17.5%の範囲である。さらに好ましくは16.5〜17.0%の範囲である。
Ni:0.01〜1.0%
Niは、C、Mnと同様にオーステナイト相の生成を促進し、焼鈍時にフェライト相とオーステナイト相が出現する二相温度域を拡大する効果がある。この効果を得るためには、Ni含有量を0.01%以上とする必要がある。しかし、Ni含有量が1.0%を超えると加工性が低下する。そのため、Ni含有量は0.01〜1.0%の範囲とする。好ましくは0.1〜0.6%の範囲である。さらに好ましくは0.1〜0.4%の範囲である。
Al:0.001〜0.10%
Alは、Siと同様に脱酸剤として作用する元素である。この効果を得るためには、Alの0.001%以上の含有が必要である。しかし、Al含有量が0.10%を超えると、Al23等のAl系介在物が増加し、表面性状が低下しやすくなる。そのため、Al含有量は0.001〜0.10%の範囲とする。好ましくは0.001〜0.05%の範囲である。さらに好ましくは0.001〜0.03%の範囲である。
N:0.005〜0.06%
Nは、C、Mnと同様にオーステナイト相の生成を促進し、焼鈍時にフェライト相とオーステナイト相が出現する二相温度域を拡大する効果がある。この効果を得るためには、N含有量を0.005%以上とする必要がある。しかし、N含有量が0.06%を超えると延性が著しく低下する上、Cr窒化物の析出を助長することによる耐食性の低下を招く。そのため、N含有量は0.005〜0.06%の範囲とする。好ましくは0.008〜0.045%の範囲である。さらに好ましくは0.010〜0.020%の範囲である。
以上、基本成分について説明したが、本発明のステンレス鋼では、製造性あるいは材料特性を向上させる目的で、必要に応じて、以下に述べる元素を適宜含有させることができる。
Cu:0.1〜1.0%、Mo:0.1〜0.5%およびCo:0.01〜0.5%のうちから選ばれる1種または2種以上
Cu:0.1〜1.0%、Mo:0.1〜0.5%
CuおよびMoはいずれも耐食性を向上させる元素であり、特に高い耐食性が要求される場合には含有することが有効である。また、Cuにはオーステナイト相の生成を促進し、焼鈍時にフェライト相とオーステナイト相が出現する二相温度域を拡大する効果がある。これらの効果はそれぞれ0.1%以上の含有で得られる。しかし、Cu含有量が1.0%を超えると熱間加工性が低下する場合があり好ましくない。そのためCuを含有する場合は0.1〜1.0%の範囲とする。好ましくは0.2〜0.8%の範囲である。さらに好ましくは0.3〜0.5%の範囲である。また、Mo含有量が0.5%を超えると焼鈍時にオーステナイト相の生成が不十分となり、所定の材料特性が得られなくなり好ましくない。そのため、Moを含有する場合は0.1〜0.5%の範囲とする。好ましくは0.2〜0.3%の範囲である。
Co:0.01〜0.5%
Coは靭性を向上させる元素である。この効果はCoの0.01%以上の添加によって得られる。一方、Co含有量が0.5%を超えると製造性を低下させる。そのため、Coを含有する場合は0.01〜0.5%の範囲とする。さらに好ましくは0.02〜0.20%の範囲である。
V:0.01〜0.25%、Ti:0.001〜0.05%、Nb:0.001〜0.05%、Ca:0.0002〜0.0020%、Mg:0.0002〜0.0050%、B:0.0002〜0.0050%およびREM:0.01〜0.10%のうちから選ばれる1種または2種以上
V:0.01〜0.25%
Vは、鋼中のCおよびNと結合して、固溶C、Nを低減する。これにより、平均r値を向上させる。さらに、熱延板での炭窒化物の析出を抑制して熱延・焼鈍起因の線状疵の発生を抑制し、表面性状を改善する。これらの効果を得るためにはV含有量を0.01%以上とする必要がある。しかし、V含有量が0.25%を超えると加工性が低下するとともに、製造コストの上昇を招く。そのため、Vを含有する場合は0.01〜0.25%の範囲とする。好ましくは0.03〜0.15%の範囲である。さらに好ましくは0.03〜0.05%の範囲である。
Ti:0.001〜0.05%、Nb:0.001〜0.05%
TiおよびNbは、Vと同様に、CおよびNとの親和力の高い元素であり、熱間圧延時に炭化物あるいは窒化物として析出し、母相中の固溶C、Nを低減させ、冷延板焼鈍後の加工性を向上させる効果がある。これらの効果を得るためには、0.001%以上のTiあるいは0.001%以上のNbを含有させる必要がある。しかし、Ti含有量あるいはNb含有量が0.05%を超えると、過剰なTiNおよびNbCの析出により良好な表面性状を得ることができない。そのため、Tiを含有する場合は0.001〜0.05%の範囲、Nbを含有する場合は0.001〜0.05%の範囲とする。Ti含有量は好ましくは0.003〜0.010%の範囲である。Nb含有量は好ましくは0.005〜0.020%の範囲である。さらに好ましくは0.010〜0.015%の範囲である。
Ca:0.0002〜0.0020%
Caは、連続鋳造の際に発生しやすいTi系介在物の晶出によるノズルの閉塞を防止するのに有効な成分である。その効果を得るためには0.0002%以上の含有が必要である。しかし、Ca含有量が0.0020%を超えるとCaSが生成して耐食性が低下する。そのため、Caを含有する場合は:0.0002〜0.0020%の範囲とする。好ましくは0.0005〜0.0015の範囲である。さらに好ましくは0.0005〜0.0010%の範囲である。
Mg:0.0002〜0.0050%
Mgは、熱間加工性を向上させる効果がある元素である。この効果を得るためには0.0002%以上の含有が必要である。しかし、Mg含有量が0.0050%を超えると表面品質が低下する。そのため、Mgを含有する場合は0.0002〜0.0050%の範囲とする。好ましくは0.0005〜0.0035%の範囲である。さらに好ましくは0.0005〜0.0020%の範囲である。
B:0.0002〜0.0050%
Bは、低温二次加工脆化を防止するのに有効な元素である。この効果を得るためには0.0002%以上の含有が必要である。しかし、B含有量が0.0050%を超えると熱間加工性が低下する。そのため、Bを含有する場合は0.0002〜0.0050%の範囲とする。好ましくは0.0005〜0.0035%の範囲である。さらに好ましくは0.0005〜0.0020%の範囲である。
REM:0.01〜0.10%
REM(Rare Earth Metals)は耐酸化性を向上させる元素であり、特に溶接部の酸化皮膜形成を抑制し溶接部の耐食性を向上させる効果がある。この効果を得るためには、REMの0.01%以上の添加が必要である。しかし、REM含有量が0.10%を超えると、冷延焼鈍時の酸洗性などの製造性を低下させる。また、REMは高価な元素であるため、過度な添加は製造コストの増加を招くため好ましくない。そのため、REMを含有する場合は0.01〜0.10%の範囲とする。
以上、本発明のステンレス鋼における成分組成について説明した。
なお、本発明における成分組成のうち、上記以外の成分はFeおよび不可避的不純物である。
次に、本発明のステンレス鋼の製造方法について説明する。
上記した成分組成からなる溶鋼を、転炉、電気炉、真空溶解炉等の公知の方法で溶製し、連続鋳造法あるいは造塊−分塊法により鋼素材(スラブ)とする。このスラブを、1100〜1250℃で1〜24時間加熱するか、あるいは加熱することなく鋳造まま直接、熱間圧延して熱延板とする。
その後、熱延板をフェライト相とオーステナイト相の二相域温度となる900℃以上1050℃以下の温度で5秒〜15分間保持する熱延板焼鈍を行い、熱延焼鈍板とする。次いで、熱延焼鈍板に対して、必要に応じて酸洗を施したのち、冷間圧延を施して冷延板とする。その後、冷延板に対して冷延板焼鈍を行い、冷延焼鈍板とする。さらに、冷延焼鈍板に対して必要に応じて酸洗を施し、製品とする。
ここで、冷間圧延は伸び性、曲げ性、プレス成形性および形状矯正の観点から、50%以上の圧下率で行うことが好ましい。また、本発明では、冷間圧延−焼鈍を2回以上繰り返しても良い。また、冷延板焼鈍は、850℃以上950℃以下の温度で5秒〜5分間保持することにより行う。より光沢を求めるためにBA焼鈍(光輝焼鈍)を行っても良い。
なお、さらに表面性状を向上させるために、研削や研磨等を施してもよい。
以下、上記した製造条件のうち、熱延板焼鈍および冷延板焼鈍条件の限定理由について、説明する。
熱延板焼鈍条件:900℃以上1050℃以下の温度で5秒〜15分間保持
熱延板焼鈍は本発明が優れた成形性および耐リジング特性を得るために極めて重要な工程である。熱延板焼鈍における保持温度が900℃未満では十分な再結晶が生じないうえ、フェライト単相域となるため、二相域焼鈍によって発現する本発明の効果が得られない場合がある。一方、保持温度が1050℃を超えると、熱延板焼鈍後によって生成するマルテンサイト相の体積率が減少するために、その後の冷間圧延におけるフェライト相への圧延ひずみの集中効果が低減し、フェライトコロニーの破壊が不十分となり、所定の耐リジング特性が得られない場合がある。
また、保持時間が5秒未満の場合、所定の温度で焼鈍したとしてもオーステナイト相の生成とフェライト相の再結晶が十分に生じないため、所望の成形性が得られない場合がある。一方、保持時間が15分を超えるとオーステナイト相中へのC濃化が助長され、熱延板焼鈍後にマルテンサイト相が過剰に生成し熱延板靭性が低下する場合がある。そのため、熱延板焼鈍は、900℃以上1050℃以下の温度で5秒〜15分間保持するものとする。好ましくは、920℃以上1030℃以下の温度で15秒〜3分間保持する。
冷延板焼鈍条件:850〜950℃の温度で5秒〜5分間保持
冷延板焼鈍は熱延板焼鈍で形成したフェライト相を再結晶させるとともに、最終製品におけるマルテンサイト相の体積率を所定の範囲に調整するために重要な工程である。冷延板焼鈍における保持温度が850℃未満では再結晶が十分に生じず所定の平均Elおよび平均r値を得ることができない。一方、保持温度が950℃を超えた場合、マルテンサイト相が過剰に生成して鋼板が硬質化し所定の平均Elを得ることができない。
また、保持時間が5秒未満の場合、所定の温度で焼鈍したとしてもフェライト相の再結晶が十分に生じないため、所定の平均Elおよび平均r値を得ることができない。一方、保持時間が5分を超えると、結晶粒が著しく粗大化し、鋼板の光沢度が低下するため表面美麗性の観点で好ましくない。そのため、冷延板焼鈍は850〜950℃の温度で5秒〜5分間保持とする。好ましくは、880℃〜940℃で15秒〜3分間保持である。
表1に示す成分組成を有する鋼を50kg小型真空溶解炉にて溶製した。これらの鋼塊を1150℃で1h加熱後、熱間圧延を施して3.0mm厚の熱延板とした。熱間圧延後は600℃まで水冷した後に空冷した。次いで、これらの熱延板に表2に記載の条件で熱延板焼鈍を施した後、表面にショットブラスト処理と酸洗による脱スケールを行った。さらに、板厚0.8mmまで冷間圧延した後、表2に記載の条件で冷延板焼鈍(冷延板焼鈍)を行い、酸洗による脱スケール処理を行って、冷延焼鈍板を得た。
かくして得られた冷延焼鈍板について以下の評価を行った。
(1)組織観察
・マルテンサイト相の体積率
冷延焼鈍板から断面観察用の試験片を作製し、王水によるエッチング処理を施してから、光学顕微鏡による観察を行った。組織形状とエッチング強度からマルテンサイト相とフェライト相を区別した後、画像処理によりマルテンサイト相の体積率を算出した。観察は10視野について倍率100倍で実施し、その平均値をマルテンサイト相の体積率とした。なお、マルテンサイト相以外の組織はフェライト相であった。
(2)成形性の評価
・平均破断伸び(平均El)および破断伸びの面内異方性|ΔEl|
冷延焼鈍板から、圧延方向に対して平行(L方向)、45°(D方向)、直角(C方向)となる方向がそれぞれ試験片の長手方向となるようにJIS 13B号引張試験片を採取し、引張試験をJIS Z 2241に準拠して行い、破断伸びを測定した。
そして、以下の式を用いて平均破断伸び(平均El)を算出し、25%以上の場合を合格(○)、25%未満の場合を不合格(×)とした。
平均El=(ElL+2×ElD+ElC)/4
次に、以下の式を用いて|ΔEl|を算出し、3.0%以下の場合を合格(○)、3.0%超の場合を不合格(×)とした。
|ΔEl|=|(ElL−2×ElD+ElC)/2|
・平均r値およびr値の面内異方性|Δr|
冷延焼鈍板から、圧延方向に対して平行(L方向)、45°(D方向)、直角(C方向)となる方向がそれぞれ試験片の長手方向となるようにJIS 13B号引張試験片を採取し、JIS Z 2241に準拠した引張試験において15%のひずみを付与した際の各方向のr値(rL、rD、rC)を求めた。ここで、rL、rD、rCはそれぞれ、L方向、D方向、C方向の平均ランクフォード値(平均r値)である。
ついで、以下の式により平均r値を求め、この平均r値が0.70以上の場合を合格(○)、0.70未満の場合を不合格(×)とした。
平均r値=(rL+2×rD+rC)/4
また、以下の式により|Δr|を算出し、この|Δr|が0.30以下の場合を合格(○)、0.30超の場合を不合格(×)とした。
|Δr|=|(rL−2×rD+rC)/2|
(3)耐リジング特性の評価
冷延焼鈍板から、圧延方向に平行な方向が試験片の長手となるようにJIS 5号引張試験片を採取し、その表面を#600のエメリーペーパーを用いて研磨した後、引張試験をJIS Z 2241に準拠して行い、20%の引張ひずみを付与した。その後、その試験片の平行部中央の研磨面で圧延方向に直角の方向に、表面粗度計を用いて、JIS B 0601(2001年)で規定される算術平均うねりWaを、測定長16mm、ハイカットフィルター波長0.8mm、ローカットフィルター波長8mmで測定した。Waが2.0μm以下の場合を特に優れた耐リジング特性で合格(◎)、2.0μm超2.5μm以下の場合を合格(○)、2.5μm超の場合を不合格(×)とした。
(4)耐食性の評価
冷延焼鈍板から、60×100mmの試験片を採取し、表面を#600エメリーペーパーにより研磨仕上げした後に端面部をシールした試験片を作製し、JIS H 8502に規定された塩水噴霧サイクル試験に供した。塩水噴霧サイクル試験は、塩水噴霧(5質量%NaCl、35℃、噴霧2h)→乾燥(60℃、4h、相対湿度40%)→湿潤(50℃、2h、相対湿度≧95%)を1サイクルとして、8サイクル行った。
塩水噴霧サイクル試験を8サイクル実施後の試験片表面を写真撮影し、画像解析により試験片表面の発錆面積を測定し、試験片全面積との比率から発錆率((試験片中の発錆面積/試験片全面積)×100[%])を算出した。発錆率が10%以下を特に優れた耐食性で合格(◎)、10%超25%以下を合格(○)、25%超を不合格(×)とした。
上記(1)〜(4)の評価結果を表2に併記する。
Figure 0005900717
Figure 0005900717
表2より、発明例ではいずれも、成形性および耐リジング特性に優れるとともに、耐食性についても優れていることが分かる。
特に、Cuを0.32%含有したNo.3(鋼AC)、Moを0.21%含有したNo.5(鋼AE)、Crを17.8%含有したNo.11(鋼AK)、およびNを0.020%以下に抑制したNo.15〜19(鋼AO〜AS)では、塩水噴霧サイクル試験後の発錆率が10%以下となっており、耐食性が一層向上していることがわかる。
一方、C含有量が適正範囲を上回るNo.20(鋼BA)では、所定の平均Elおよび耐食性が得られなかった。Cr含有量が適正範囲を上回るNo.21(鋼BB)では、マルテンサイト相の体積率が適正範囲を下回るために、所定の|ΔEl|、|Δr|および耐リジング特性が得られなかった。Cr含有量が適正範囲を下回るNo.22(鋼BC)では、所定の耐食性が得られなかった。
熱延板焼鈍の保持温度が適正範囲を下回るNo.23(鋼AA)では、マルテンサイト相の体積率が適正範囲を下回るために、所定の|ΔEl|、|Δr|および耐リジング特性が得られなかった。熱延板焼鈍の保持温度が適正範囲を上回るNo.24(鋼AA)では、マルテンサイト相の体積率が適正範囲を下回るために、所定の|ΔEl|、平均r値、|Δr|および耐リジング特性が得られなかった。冷延板焼鈍の保持温度が適正範囲を下回るNo.25(鋼AA)では、再結晶が十分に生じず、所定の平均El、|ΔEl|、平均r値、|Δr|および耐リジング特性が得られなかった。冷延板焼鈍の保持温度が適正範囲を上回るNo.26(鋼AA)では、マルテンサイト相の体積率が適正範囲を上回るために、所定の平均Elおよび平均r値が得られなかった。
以上のことから、本発明に従えば、優れた耐リジング特性および成形性を有し、さらには耐食性にも優れるステンレス鋼が得られることがわかる。
本発明により得られるステンレス鋼は、張出しや絞りを主体としたプレス成形品や高い表面美麗性を要求される用途、例えば厨房器具や食器への適用に特に好適である。

Claims (4)

  1. 質量%で、C:0.005〜0.050%、Si:0.01〜1.00%、Mn:0.01〜1.0%、P:0.040%以下、S:0.010%以下、Cr:15.5〜18.0%、Ni:0.01〜1.0%、Al:0.001〜0.10%およびN:0.005〜0.06%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物の成分組成からなり、
    組織全体に対する体積率で1〜10%のマルテンサイト相を含み、
    平均破断伸びが25%以上、破断伸びの面内異方性|ΔEl|が3%以下、平均ランクフォード値が0.70以上、ランクフォード値の面内異方性|Δr|が0.30以下、およびリジング高さが2.5μm以下である、ステンレス鋼
  2. 前記成分組成が、さらに質量%で、Cu:0.1〜1.0%、Mo:0.1〜0.5%およびCo:0.01〜0.5%のうちから選ばれる1種または2種以上を含有する、請求項1に記載のステンレス鋼
  3. 前記成分組成が、さらに質量%で、V:0.01〜0.25%、Ti:0.001〜0.05%、Nb:0.001〜0.05%、Ca:0.0002〜0.0020%、Mg:0.0002〜0.0050%、B:0.0002〜0.0050%およびREM:0.01〜0.10%のうちから選ばれる1種または2種以上を含有する、請求項1または2に記載のステンレス鋼
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のステンレス鋼を製造するための方法であって、
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の成分組成からなる鋼スラブを熱間圧延し、熱延板とする工程と、
    前記熱延板を900℃以上1050℃以下の温度範囲で5秒〜15分間保持する熱延板焼鈍を行い、熱延焼鈍板とする工程と、
    前記熱延焼鈍板を冷間圧延し、冷延板とする工程と、
    前記冷延板を850℃以上950℃以下の温度範囲で5秒〜5分間保持する冷延板焼鈍を行う工程とをそなえる、ステンレス鋼の製造方法。
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