JP5900504B2 - 印刷シート及びそれを用いた多機能映写スクリーン - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1には、ディスプレイ装置の前面に装着される透明シートであって、入力用電子ペンなどによる入力軌跡の位置を示すための位置情報を提供可能なドットパターンが印刷された透明シートが開示されている。該透明シートは、所定波長の光を照射することによって読み取り可能な光を発光するインキを用いて該ドットパターンが印刷されており、入力軌跡読取手段によって、これを位置情報として提供する機能を有するものである。しかしながら、特許文献1には、このような透明シートを具現化するインキの種類、或いは印刷面の向きや位置情報の配置の工夫などは記載されておらず、透明シートのアイデアもしくは願望が記載されているに過ぎず、具体的な透明シートの例示はない。
また、情報記載面に電子ペンにより情報が記載されると、ペン先が置かれた近傍に印刷されたドットパターンが電子ペンに内蔵された撮像部で読み取られて送信部から外部通信装置に伝送されるデータ入力システムに使用される電子ペン記載用紙であって、前記情報記載面にドットパターン以外の図柄が印刷された場合には、ドットパターンが先に印刷され、その上に図柄が印刷されたことを特徴とする電子ペン記載用紙が提案されている(特許文献3参照)。
さらに、基材上に、規則性を有するパターン状印刷層、易接着層、及び表面保護層をこの順に積層してなる印刷シートであって、該印刷層を構成するインキが着色剤を含み、該印刷層は、パターンを検知可能な入力端末を用いて、表面保護層側から該パターンを読み取ることで、印刷シート上における入力端末の位置に関する情報を提供可能であり、表面保護層がフィラーを含有する硬化性樹脂組成物を硬化したものであり、かつ60度光沢値が8〜20であることを特徴とする印刷シートが提案されている(特許文献4参照)。
特許文献2に開示されるパターン印刷透明シートは、ディスプレイの前面に設置して用いられるものであり、特許文献3に開示される電子ペン記載用紙は、入力パッドとして使用されるものである。
一方、ブレインストーミングなどの上記のようなインタラクティブな会議運営が必要ではない場合、映写スクリーンをホワイトボードのような筆記ボードとして、使用することが有効である。
このような映写スクリーン及びホワイトボードとして、多種の機能を集約した機材は、1つの基材で種々の用途に用いることができるという観点から極めて有用であり、また会議室の省スペース化という観点からも有効である。
しかし、実際には、印刷シートの機能を損なわず、映写スクリーンとしての機能及びホワイトボードとしての機能を同時に持たせることは容易ではない。
従って、特許文献4に開示される印刷シートを用いた映写スクリーンは、ホワイトボードとしての機能を同時に有する点で画期的なものであった。
一方、インキジェット印刷法などのデジタルプリントによるドットパターン印刷は、グラビア印刷と比較して正確なドットの大きさが得られ易いが、印刷速度が遅く、生産効率が悪いので、実用性を高くすることは困難であるとの認識に至った。
すなわち、本発明は、基材上に、プレコート層、ドット印刷層、易接着層、及び硬化性樹脂組成物の架橋硬化物からなる表面保護層をこの順に有する印刷シートであって、該プレコート層がポリウレタン樹脂及びアクリルポリオール樹脂から選ばれる少なくとも1種の樹脂と酸化チタンとを含有する樹脂組成物からなることを特徴とする印刷シート、及びその印刷シートを用いた多機能映写スクリーンを提供するものである。
本発明の印刷シート1は、基材2上に、プレコート層3、ドット印刷層4、易接着層5、及び硬化性樹脂組成物の架橋硬化物からなる表面保護層6をこの順に有する。
これらのうち、熱や物理的衝撃に対して、後述するパターンを保護するとの観点から、ある程度の強度を有することが必要であり、その点で、ポリエステル樹脂が好ましい。ポリエステル樹脂としては、上述のポリエチレンテレフタレート(以下「PET」ということがある。)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートに加えて、ポリアリレート、ポリカーボネート、エチレンテレフタレート−イソフタレート共重合体、ポリアリレートなどが挙げられる。この中でも、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどが好ましく、特にポリエチレンテレフタレートが、ハンドリングが容易で、コストの観点から特に好ましい。
また、基材2に用いられる合成樹脂には、必要に応じて、添加剤が配合されてもよい。添加剤としては、例えば、充填剤、難燃剤、酸化防止剤、滑剤、発泡剤、紫外線吸収剤、光安定剤などが挙げられる。
なお、本発明の印刷シート1は、種々の用途に使用することが可能であるが、最も好ましい用途であるホワイトボード及び映写スクリーンとして用いる場合には、基材2は白色であることが好ましく、炭酸カルシウム、酸化チタン、マイカ、タルクなどの着色剤を配合することが好ましい。
本発明においては、化学的表面処理として易接着コート処理を好適に用いることができる。易接着コート処理とは、基材上に樹脂層などをコーティングすることで、接着性を向上させるものであり、例えば、ポリウレタン系樹脂層を設けるなどの方法がある。ポリウレタン系樹脂層としては、通常のウレタン樹脂のほかウレタン尿素樹脂なども使用できる。また、塗布量としては、通常、0.01〜0.5g/m2程度であり、好ましくは0.03〜0.3g/m2である。
該ポリウレタン系樹脂層は架橋されていることが好ましく、架橋剤としては、メラミン系架橋剤やエポキシ系架橋剤などが挙げられる。
また、基材2として透明又は半透明のものを用いて、その裏面側(プレコート層3の反対側)に、接着層(図示しない。)及び貼合基材(図示しない。)を積層する態様も好ましい。
ここで、ぬれ張力は、JIS K6768:1999に準拠して測定される。
本発明の印刷シート1は、ぬれ張力が30〜60mN/mであるプレコート層3を基材2とドット印刷層4との間に配置することにより、所定のドットの大きさ(ドット径:80〜130μm)の範囲内で、読み取り精度の高いドットパターンをドット印刷層4として形成することが可能となった。即ち、プレコート層3のぬれ張力を制御することにより、ドット印刷層4のドット径の大きさのばらつきと形状を制御することが可能となったのである。
プレコート層3のぬれ張力が30mN/m以上であれば、ドット印刷層4や易接着層5との密着性が向上するので好ましい。また、60mN/m以下であれば、ドット印刷層4が印刷された直後に濡れ広がることがないので、ドット径が上限より大きくなることがなく好ましい。
プレコート層3に用いられるポリウレタン樹脂は、熱硬化性ポリウレタン樹脂及び熱可塑性ポリウレタン樹脂のいずれでもよいが、熱硬化性ポリウレタン樹脂が好ましい。熱硬化性であれば、プレコート層3に用いられる樹脂組成物のインキと基材2との密着性が向上するからである。
2液硬化型ポリウレタン樹脂は、ポリオールを主剤としポリイソシアネートを架橋剤(硬化剤)とするポリウレタン樹脂であるが、ポリオールとしては、分子中に2個以上の水酸基を有する化合物、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリウレタンポリオールなどが用いられる。また、ポリイソシアネートは、分子中に2個以上のイソシアネート基を有する化合物、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートなどの芳香族イソシアネート、或いは、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネートなどの脂肪族(乃至は脂環式)イソシアネートが用いられる。或いはまた、ポリイソシアネートとしては、上記各種ポリイソシアネートの付加体又は多量体、例えば、トリレンジイソシアネートの付加体、トリレンジイソシアネート3量体なども用いられる。
熱可塑性ポリウレタン樹脂は、イソシアネート基とアルコール基などの水酸基を有する化合物が縮合してできるウレタン結合でモノマーを共重合させた共重合体である。
また、アクリルポリオール樹脂は、ポリ(ヒドロキシエチルメタクリレート)などのように、ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリル系モノマー単位を含む重合体である。
プレコート層3のぬれ張力を30〜60mN/mに制御する観点から、酸化チタンの吸油量は10〜48ml/100gであることが好ましい。酸化チタンの吸油量を低くするとプレコート層3のぬれ張力を低くすることができ、酸化チタンの吸油量を高くするとプレコート層3のぬれ張力を高くすることができる。即ち、酸化チタンの吸油量により、プレコート層3のぬれ張力を制御することができる。
酸化チタンの含有量は、プレコート層3を形成する樹脂組成物全量中、40〜90質量%であることが好ましい。40質量%以上であれば、基材の隠蔽性の理由で好ましく、90質量%以下であれば、印刷適性が良好であり、また印刷層形成後の酸化チタンがプレコート層のポリウレタン樹脂に安定に担持され、層としての十分な強度が得られるという理由で好ましい。酸化チタンの含有量は、プレコート層3を形成する樹脂組成物全量中、45〜90質量%であることがより好ましい。45質量%以上であれば、さらに十分な隠蔽性が得られる。以上の点から、45〜85質量%の範囲がさらに好ましい。
また、プレコート層3の塗工方法としては、特に制限はなく、グラビアコート、バーコート、ロールコート、リバースロールコート、コンマコートなどの公知の方式を用いることができる。
10μm以下であると、化粧シートの生産過程において、ブロッキングを抑制することができ、また、印刷紙をリードするガイドロールに印刷面が接触した際に、印刷インキがガイドロールに転写するといった不都合がない。
具体的には、着色剤としては、カーボンブラック(墨)、鉄黒、チタン白、アンチモン白、黄色酸化鉄、黄鉛、チタン黄、弁柄、クロムバーミリオン、カドミウムイエロー、カドミウムレッド、フェロシアン化物、群青、コバルトブルーなどの無機顔料、キナクリドンレッド、イソインドリノンイエロー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーンなどの有機顔料又は染料、アルミニウム、真鍮などの鱗片状箔片からなる金属顔料、二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛などの鱗片状箔片からなる真珠光沢(パール)顔料などであり、これらを単独若しくは併用して使用することができる。
また、ドット印刷層4の印刷方法としては、特に限定されず公知の方法を用いることができ、例えば、グラビア印刷法、オフセット印刷法、フレキソ印刷法、孔版印刷法、インキジェット印刷法などが挙げられるが、これらのうち、グラビア印刷法が、印刷速度が速く、生産効率が高いので好ましい。本発明によれば、グラビア印刷法においても好適に印刷できるからである。
また、本発明における規則性を有するパターンは、特許文献1にも例示されており、例えばドットの形状を複数設定し、平面内に於いて、所定範囲内に配置されたこれら複数形状のドットの組み合わせをパターン化したもの、縦横に配置した罫線の太さを変えて、所定範囲内の前記罫線の重なり部分の大きさの組み合わせをパターン化したようなもの、x、y座標の値を直接ドットの縦横の大きさと結びつけたものなどが挙げられるが、特に簡素で好適なものとしては、縦横に等間隔に並ぶ基準点を設定して、この基準点に対して上下左右に変位したドットを配置し、これらドットの当該基準点からの相対的な位置関係を利用する方法が挙げられる。この方法はドットのサイズを小さく一定にできるため入力装置の高分解能化に有利である。
耐候性改善剤の配合量は、易接着層5を形成する樹脂組成物全量中、1〜50質量%程度であり、3〜40質量%が好ましく、5〜25質量%がより好ましい。
また、易接着層5の塗工方法としては、特に制限はなく、グラビアコート、バーコート、ロールコート、リバースロールコート、コンマコートなどの公知の方式を用いることができる。
代表的には、重合性モノマーとして、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つ(メタ)アクリレート系モノマーが好適であり、中でも多官能性(メタ)アクリレートが好ましい。なお、ここで「(メタ)アクリレート」とは「アクリレート又はメタクリレート」を意味し、他の類似するものも同様の意である。多官能性(メタ)アクリレートとしては、分子内にエチレン性不飽和結合を2個以上有する(メタ)アクリレートであればよく、特に制限はない。これらの多官能性(メタ)アクリレートは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明においては、硬化性樹脂組成物として電子線硬化性樹脂組成物を用いることが特に好ましい。電子線硬化性樹脂組成物は無溶剤化が可能であって、環境や健康の観点からより好ましく、また光重合用開始剤を必要とせず、安定な硬化特性が得られるからである。また、硬化性樹脂組成物の塗工方法としては、特に制限はなく、グラビアコート、バーコート、ロールコート、リバースロールコート、コンマコートなどの公知の方式を用いることができる。その塗布量としては1〜20μm(硬化後の厚さ)の範囲が好ましい。
このような60度光沢値の条件を満たす範囲であれば、フィラーの材質は特に限定されず、無機フィラー及び有機フィラーのいずれを用いることもできる。
なお、これらの無機フィラーは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
尿素系樹脂により形成された有機フィラーは、尿素とホルムアルデヒドとの重合反応によって製造される、熱硬化性樹脂に属する尿素樹脂単独からなる有機フィラー、又は尿素樹脂と他の樹脂もしくはフィラーとの混合物からなる樹脂組成物からなる有機フィラーであって、本発明に好適に用いられる。
さらに、映写スクリーンとしての機能を十分に得るとの観点から、有機フィラーは不定形のフィラーであることが好ましく、十分な吸油量を有するものが望ましい。
なお、これらの有機フィラーは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
より具体的な好適範囲としては、硬化性樹脂100質量部に対して、フィラーを0.5質量部以上12質量部未満含有する範囲であり、特に、有機フィラーの場合には、硬化性樹脂100質量部に対して、0.5〜11質量部の範囲が好ましい。
接着層で使用する接着剤は、公知又は市販の接着剤の中から、基材2や貼合基材を構成する成分などに応じて適宜選択することができる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂のほか、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステルウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂などの熱硬化性樹脂が挙げられる。これらの樹脂は、エマルションの状態で使用してもよい。なかでも、耐熱性の観点からウレタン系樹脂接着剤が好ましい。ウレタン系樹脂接着剤は、ポリオールを主剤とし、イソシアネートを架橋剤(硬化剤)とする2液硬化型ポリウレタン樹脂が好ましく挙げられる。
接着方法としては、用いる接着剤の種類などに応じて公知の方法に従って実施すればよい。接着剤を塗布し、ドライラミネートする方法、熱圧着できる接着剤を使用し、熱圧着によって基材2と貼合基材とを積層することもできる。
接着層の厚さは、使用する接着剤の種類などに応じて異なるが、通常は0.1〜30μm程度とすればよい。
また、貼合基材は、着色剤を含有させるなどして、着色されたものを用いてもよい。貼合基材に用いられる着色剤としては、入力端末が、ドット印刷層4のパターン形成部と貼合基材とのコントラストを認識し得るものであれば特に限定されず、例えば、炭酸カルシウム、酸化チタン、マイカ、タルク、アンチモン白、黄色酸化鉄、黄鉛、チタン黄、弁柄、クロムバーミリオン、カドミウムイエロー、カドミウムレッド、フェロシアン化物、群青、コバルトブルーなどの無機顔料、キナクリドンレッド、イソインドリノンイエロー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーンなどの有機顔料又は染料、アルミニウム、真鍮などの鱗片状箔片からなる金属顔料、二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛などの鱗片状箔片からなる真珠光沢(パール)顔料などを、入力端末が読み取る波長に応じて使用することができ、前記基材2と同様に、炭酸カルシウム、酸化チタン、マイカ、タルクなどの白色のものが好ましい。
絵柄層は、ドット印刷層4と易接着層5との間、基材2の裏面側(基材2の裏面、基材2と接着層との間又は接着層と貼合基材との間)などに設けると、ドット印刷層4を形成する際に、パターンの再現性を損なうことがないため好ましい。
絵柄層を形成する具体的な方法としては、種々の模様をインキと印刷機を使用して、ドット印刷層4上及び基材2の裏面のいずれか一箇所以上に印刷する方法が挙げられる。
入力端末で読み取った連続的な撮像データから位置情報が算出され、それを時間情報と組み合わせ、情報処理装置で扱える入力軌跡データとして提供される。なお、これらの処理装置としては、特に限定されず、プロセッサ、メモリ、通信インタフェース及びバッテリなどの部材を具備していればよい。
また、読取データ処理装置は、入力端末に内蔵されていてもよいし、また、外部の情報処理装置に内蔵されていてもよい。
(評価方法)
(1)酸化チタンの吸油量(ml/100g)
2gの酸化チタンをガラス板上に取り、煮あまに油を少量ずつ滴下し、金属へらでよく混ぜ、煮あまに油と酸化チタンとの混合物がパテ状となり成形性を持つまでの添加量の、酸化チタン100gとして換算した煮あまに油の量(g)である。
(2)プレコート層3のぬれ張力
JIS K6768:1999に準拠して測定した。
光学顕微鏡(倍率:100倍)で、視野中のドットを無作為に5個選び、それぞれのドットの平面視形状での直径を計測し、5個の相加平均により、ドット径を求めた。許容されるドット径の範囲は、80〜130μmである。
各実施例及び比較例にて製造した印刷シートについて、アノトパターン検出装置「TECHKON製 APA DMS910IR」、及び専用ソフトウェア 「Anoto Pattern Analyzer」を使用し、ドットパターンの座標情報を読み取りできるか否かの確認をした。下記の評価基準により判定した。
1: 上記の専用の読み取り装置で問題なく座標情報を読み取れる。(ドット径の範囲は、90〜120μmである。)
2: ドット径が上記の専用の読み取り装置の読み取り範囲(80〜130μm)の上限又は下限に近い。(ドット径の範囲は、80〜90μm又は120〜130μmである。)
3: 上記の専用の読み取り装置で座標情報を読み取れない部分がわずかにある。
4: 上記の専用の読み取り装置で座標情報を読み取れない。
印刷シート表面の艶をグロスメーター(Gardner社製「micro−TRI−gloss」)を使用し、入射光60度の条件で艶(60°グロス値)を測定した。
印刷シートを垂直面にシワ無く貼り合わせた状態で、プロジェクターに「CANON製LV7365」を用いて投影した際のホットスポット(照射光による光球)について、以下の基準で評価を行った。以下の1〜3を合格と判断し、4を不合格と判断した。
1: ホットスポットが確認されない。
2: ホットスポットがぼやけた状態となり、まぶしさを感じない。
3: ホットスポットが円状の光として確認され、若干のまぶしさを感じる。
4: ホットスポットが明確な円状の光として確認され、非常にまぶしく感じる。
ぺんてる(株)製ノックルホワイトボードマーカー(赤)で筆記後、1分間室温にて乾燥し、マグエックス マグネットイレーサー(フェルト系/品名コード:MMRE J)を使用し、荷重500gでマーカーを拭き取った後の外観を下記の基準で評価した。以下の1〜4を合格と判断し、5を不合格と判断した。
1: マーカーの拭き取りが1回(片道)で容易に可能である。
2: マーカーの拭き取りが1往復回で可能である。
3: マーカーの拭き取りが複数往復回で拭き取れる。
4: マーカーの拭き取り5往復回後、マーカー色が若干確認される。
5: マーカーの拭き取り5往復回後、マーカー色がはっきり確認できる。
厚さ125μmの白色PETフィルム(帝人デュポンフィルム(株)製「U2 L92W」)の表面に、第1表に示すように、2液硬化型ポリウレタン樹脂をバインダーとし、顔料に酸化チタンを含有した白インキを用いて、層の厚さが5μmになるように塗布してプレコート層とした。
次いで、プレコート層の表面に、塩化ビニル/酢酸ビニル/アクリル系共重合体樹脂をバインダーとし、顔料にカーボンブラックを含有した黒インキを用いて、グラビアコーター法にて規則性を有するドットパターンを有するドット印刷層を積層した。
次に、2液硬化型ポリウレタン樹脂を、グラビアコーター法にて層の厚さが2μm(乾燥状態)になるように塗布して易接着層を積層した。
次いで、電子線硬化性アクリレート樹脂及び多官能モノマーを主成分とする電子線硬化性樹脂{DICグラフィックス(株)製「WBWハード」(平均官能基数4.0)}100質量部に対して、シリコーンアクリレートプレポリマー(DICグラフィックス(株)製「WBWシリコーン添加剤」)3質量部、及び平均粒径5μmの尿素系樹脂からなる有機フィラーを5質量部添加した電子線硬化性樹脂組成物をグラビアダイレクトコータ法により、3.0μm(乾燥状態)になるように塗布し、表面保護層(未硬化)を積層させた。塗布後、加速電圧165kV、照射線量50kGy(5Mrad)の電子線を照射して、電子線硬化性樹脂組成物を硬化させて表面保護層とし、印刷シートを作製した。
当該シートについて、上記評価方法(4)にて評価した結果を第1表に示す。
プレコート層を第1表に示すように変更したこと以外は、実施例1と同様にして印刷シートを作製した。実施例1と同様に評価した結果を第1表に示す。
なお、実施例2〜5においてもプレコート層に用いるポリウレタン樹脂として、2液硬化型ポリウレタン樹脂を用いた。
表面保護層の尿素系樹脂からなる有機フィラー(平均粒径:3.0μm)の含有量を第2表に示すように変更したこと以外は、実施例1と同様にして印刷シートを作製した。実施例1と同様に評価した結果、並びに上記の方法により60度光沢値、プロジェクター映写性及びマーカー消去性を評価した結果を第2表に示す。
なお、実施例6〜11においてもプレコート層に用いるポリウレタン樹脂として、2液硬化型ポリウレタン樹脂を用いた。
さらには、本発明の印刷シートの背面部に、プラスチックフィルム、木製合板、鋼板、マグネットシート、吸着シートを張り合わせて使用することもできる。プラスチックフィルム、木製合板、鋼板等の機材と組み合わせることで、従来の移動式ホワイトボードやパーテーション、壁面等の建材製品の一部として利用することが可能である。
またマグネットシートや吸着シートを張り合わせた場合には、すでに設置されている黒板や、壁に対してこれまでに述べた様な性能を付与することができるとともに、シート形状であるため容易に人が持ち運びでき、空間の制限にとらわれない利用が可能である。
さらに、本発明の印刷シートは、電子ペンとしての使用を行わずに、映写兼用ホワイトボードシートとしても利用可能である。
2:基材
3:プレコート層
4:ドット印刷層
5:易接着層
6:表面保護層
Claims (6)
- 基材上に、プレコート層、ドット印刷層、易接着層、及び硬化性樹脂組成物の架橋硬化物からなる表面保護層をこの順に有する印刷シートであって、該プレコート層がポリウレタン樹脂及びアクリルポリオール樹脂から選ばれる少なくとも1種の樹脂と酸化チタンとを含有し、該酸化チタンの吸油量が10〜48ml/100gである樹脂組成物からなることを特徴とする印刷シート。
- 前記プレコート層のぬれ張力が30〜60mN/mである請求項1に記載の印刷シート。
- 60度光沢値が10〜75である請求項1又は2に記載の印刷シート。
- 前記易接着層が、2液硬化型ポリウレタン樹脂の硬化物からなる請求項1〜3のいずれかに記載の印刷シート。
- 前記硬化性樹脂組成物が、硬化性樹脂100質量部に対して、フィラーを0.5質量部以上12質量部未満含有するものである請求項1〜4のいずれかに記載の印刷シート。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の印刷シートを用いた多機能映写スクリーン。
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