JP5900205B2 - 糸条巻取装置 - Google Patents

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Description

本発明は、回転板と、前記回転板を回転させることによって巻取位置と退避位置とに位置変更自在な複数の回転コレットと、前記複数の回転コレットの間を仕切る仕切り部材と、前記巻取位置で糸条を巻き取って前記退避位置に移動した巻取後の回転コレットに供給されている糸条を切断する切断手段と、を備え、前記切断手段により切断した糸条を前記巻取位置に移動した巻取前の回転コレットに再び巻き付けて巻取前の回転コレットによる糸条の巻き取りを再開するように構成してある糸条巻取装置に関する。
従来の糸条巻取装置では、巻取後の回転コレットに供給されている糸条を切断手段で切断し、切断した糸条を巻取前の回転コレットに再び巻き付けて糸条の巻き取りを再開する技術が採用されている。このような糸条巻取装置の従来技術として、例えば、特許文献1に記載のレボルビング式糸条巻取装置では、糸条がボビンに巻き取られてパッケージが形成されると、ターレットを180度回転させ、空ボビンに設けられた糸把持機構によって糸条を捕捉して切断し、満巻ボビンから空ボビンへの糸条の切替を行うように構成されている。
また、特許文献2に記載の糸条巻取装置においても同様に、巻取り位置のボビンが満巻になると、ターレットを180度回転させ、糸条を巻取り位置のボビン上の糸掛止部に捕捉させて巻取りを開始することにより、糸条を切断するように構成されている。
特開2009−73639号公報 特開昭60−61470号公報
上述した特許文献1に記載の技術では、糸把持機構によって切断した糸条を空ボビンに再び巻き付けて糸条の巻き取りを再開するように構成することで、満巻ボビンから空ボビンへの糸条の切替を効率よく行うことができるという利点を有する反面、糸把持機構による糸条の切断に失敗した場合には、糸条が満巻ボビンと空ボビンとに亘って連なった状態のままで空ボビンによる糸条の巻き取りが継続されるという状況が発生するおそれがある。また、特許文献2に記載の技術においても同様の状況が発生するおそれがある。このような状況が発生すると、空ボビンによる糸条の巻き取りによって空ボビン側に糸条が引っ張られて糸条に無理な張力が作用し、満巻ボビンのパッケージが糸条に作用した張力によって無理に締め付けられてパッケージの品質を損なうおそれがある。また、空ボビンによる糸条の巻き取りによって空ボビン側に糸条が引っ張られて糸条が切断した場合には、空ボビンに巻き付けられた糸条の糸端が空ボビンの回転に伴ってバタついて、例えば空ボビンによる糸条の巻き取りの妨げになったり、例えば空ボビンの周辺機器に引っ掛かって周辺機器を損傷したりするおそれがある。
本発明の目的は、糸条が退避位置の回転コレットと巻取位置の回転コレットとに亘って連なった状態のままで巻取位置の回転コレットによる糸条の巻き取りが継続されるという状況を回避して、糸条の切断不良に起因する巻回体の品質の低下や糸条の糸端のバタつきなどを防止することができる糸条巻取装置を提供することにある。
第1の発明は、回転板と、前記回転板を回転させることによって巻取位置と退避位置とに位置変更自在な複数の回転コレットと、前記複数の回転コレットの間を仕切る仕切り部材と、前記巻取位置で糸条を巻き取って前記退避位置に移動した巻取後の回転コレットに供給されている糸条を切断する切断手段と、を備え、前記切断手段により切断した糸条を前記巻取位置に移動した巻取前の回転コレットに再び巻き付けて巻取前の回転コレットによる糸条の巻き取りを再開するように構成してある糸条巻取装置であって、
前記仕切り部材の端部又は端部近傍に、前記切断手段による糸条の切断不良を検知する切断不良検知部を備えてある。
上記構成によると、切断不良検知部によって糸条の切断不良を検知して、例えば巻取位置の回転コレットによる糸条の巻き取りを自動的に停止したり、例えば糸条の切断不良を報知して巻取位置の回転コレットによる糸条の巻き取りを手動で停止したりする等の対応をとることができる。これにより、糸条が退避位置の回転コレットと巻取位置の回転コレットとに亘って連なった状態のままで巻取位置の回転コレットによる糸条の巻き取りが継続されるという状況を回避することが可能となる。さらに、仕切り部材の端部又は端部近傍に切断不良検知部を備えることで、糸条の切断不良発生時における糸条の張力の増加を迅速に検知し易い位置に切断不良検知部を配設できる。したがって、糸条の切断不良に起因する巻回体の品質の低下や糸条の糸端のバタつきを防止することができ、その結果として、糸条巻取装置による巻回体の巻き取りを効率よく行うことができる。
第2の発明は、上記第1の発明の糸条巻取装置において、前記切断不良検知部は、前記巻取前の回転コレットへの糸条の巻き取り再開時における切断不良となった糸条の張力の増加によって可動する可動部材で構成されている。
上記構成によると、糸条の切断不良発生時における糸条の張力の増加を可動部材によって迅速且つ確実に検知することができ、糸条の切断不良の発生を迅速且つ確実に検知することができる。
第3の発明は、上記第2の発明の糸条巻取装置において、前記可動部材は、前記仕切り部材の端部に前記回転コレットの軸心と平行な軸心周りで揺動自在に取り付けられている。
上記構成によると、揺動式の可動部材によって可動部材の可動範囲を広く確保できるとともに、可動部材を簡単な構造でかつ確実に仕切り部材の端部に支持させることができる。
第4の発明は、上記第2又は第3の発明の糸条巻取装置において、前記可動部材は、糸条の切断不良を検知していない非検知状態において、前記回転コレットの軸心方向視で、前記仕切り部材の端部と前記退避位置に移動した巻取後の回転コレットに巻回された巻回体の外周とを結ぶ接線に対する距離が、前記仕切り部材の端部から遠ざかるほど大きくなるように、前記仕切り部材に対して傾斜する傾斜姿勢で配備されている。
糸条の切断不良発生時に糸条の張力が増加すると、退避位置の回転コレットと巻取位置の回転コレットとに亘って連なった状態となった糸条は、仕切り部材の端部と退避位置の回転コレットに巻回された巻回体の外周とを結ぶ接線に近づくように引っ張られる。上記構成によると、所定の傾斜姿勢で配備された可動部材の先端部によって、上述した糸条が接線に近づく動きを迅速且つ確実に検知することができ、糸条の切断不良の発生を更に迅速且つ確実に検知することができる。
第5の発明は、上記第2〜第4発明のいずれか一つの糸条巻取装置において、前記可動部材の動きを検出する検出手段を備え、前記可動部材の回転コレット基端側の端部の動きを前記検出手段で検出するように構成してある。
仕切り部材等は回転コレット基端側から先端側に片持ち状に延出されることが多く、回転コレット先端側ほど仕切り部材の自重等により下方に撓み易い。上記構成によると、下方に撓み難い可動部材の回転コレット基端側の端部の動きを検出手段で正確に検知することができる。
第6の発明は、上記第2〜第5発明のいずれか一つの糸条巻取装置において、複数の糸条を共通の前記回転コレットに巻き取ることにより複数の巻回体を前記回転コレットの軸心方向に並んだ状態で製造するように構成し、前記可動部材は、前記回転コレットの最も先端側に位置する巻回体に供給されている糸条と最も基端側に位置する巻回体に供給されている糸条とに亘って設けられている。
上記構成によると、複数の巻回体に供給されている複数の糸条のうちのいずれか一つの糸条に切断不良が発生した場合であっても、可動部材によって糸条の切断不良を確実に検知できる。
第7の発明は、上記第1〜第6発明のいずれか一つの糸条巻取装置において、前記仕切り部材の両端部又は両端部の近傍に前記切断不良検知部を備えてある。
上記構成によると、回転板の回転位置に関わらず切断不良検知部によって糸条の切断不良を検知できる。
第8の発明は、上記第1〜第7発明のいずれか一つの糸条巻取装置において、前記複数の回転コレットの間で前記仕切り部材を移動させる移動手段を備えてある。
上記構成によると、移動手段で仕切り部材を移動させることで巻回体が巻回された回転コレットと仕切り部材との距離を長く確保することができ、回転コレット間の距離を短く設定して装置の小型化を図りながら、巻取後の回転コレットからの巻回体の取り外しを容易に行うことができる。
第9の発明は、上記第1〜第8発明のいずれか一つの糸条巻取装置において、前記切断不良検知部の検知結果に基づいて前記巻取前の回転コレットへの糸条の巻き取りを自動的に停止する停止手段を備えてある。
上記構成によると、糸条の切断不良発生時に、停止手段によって巻取位置の回転コレットへの糸条の巻き取りを自動的に停止して、糸条が退避位置の回転コレットと巻取位置の回転コレットとに亘って連なった状態のままで巻取位置の回転コレットによる糸条の巻き取りが継続されるという状況を回避できる。
巻取後の回転コレットが巻取位置に位置する状態での糸条巻取装置の全体構成を示す概略正面図である。 巻取後の回転コレットが退避位置に移動した状態での糸条巻取装置の全体構成を示す概略正面図である。 巻取後の回転コレットが退避位置に移動した状態での糸条巻取装置の全体構成を示す概略平面図である。 図1のA−Aの位置での仕切り部材及び切断不良検知部の詳細構造を示す側面図である。 制御装置のブロック図である。 糸条巻取装置の一連の制御内容を示すフローチャートである。 繊維巻き取り時の糸条巻取装置の状態を示す概略図であり、(a)巻き取り終了時、(b)繊維切断時、(c)繊維切断終了時、(d)ロービング取り外し後、(e)繊維切断不良発生時、(f)繊維切断不良検知時のそれぞれの糸条巻取装置の状態を示す概略図である。 別実施形態での糸条巻取装置の全体構成を示す概略正面図である。
〔糸条巻取装置の全体構成〕
図1〜図3に基づいて本発明に係る糸条巻取装置100の全体構成について説明する。図1は、巻取後の回転コレットCが巻取位置に位置する状態での糸条巻取装置100の全体構成を示す概略正面図である。図2は、巻取後の回転コレットCが退避位置に移動した状態での糸条巻取装置100の全体構成を示す概略正面図である。図3は、巻取後の回転コレットCが退避位置に移動した状態での糸条巻取装置100の全体構成を示す概略平面図である。なお、図3においては、仕切り部材10及び切断不良検知部12の一部を省略してある。図1に示すように、糸条巻取装置100は、ガラス繊維製品の製造工程で使用される装置であり、糸条としての繊維Sを回転コレットCに巻き取ることにより、巻回体としてのロービングRを製造する装置である。なお、この糸条巻取装置100には、ケーキ支持装置(図示せず)に支持された複数のケーキ(図示せず)から引き出されて合糸された複数の繊維Sが供給され、複数のロービングRが回転コレットCの軸心X2方向に所定の間隔で並んだ状態で製造される。
図1〜図3に示すように、糸条巻取装置100は、装置本体1と、複数の繊維Sを巻き取る2つの回転コレットC,Cと、回転コレットCに綾掛けを行うためのトラバース装置2とを備える。装置本体1の前面側には、円形の回転板11が中心部の回転中心X1周りで回転自在に支持されている。回転板11には、回転板11の回転中心X1を中心とした同心円上に円筒形状の2つの回転コレットC,Cが軸心X2,X2周りに回動自在に支持されている。回転板11は、装置本体1に内装された後述する回転板駆動装置13により回転駆動する。また、2つの回転コレットC,Cは、装置本体1に内装された後述するコレット回転駆動装置14により回転駆動する。
トラバース装置2は、回転コレットCの軸心X2と平行な方向に所定の間隔で並んだ状態で設けられた3つの綾掛け部21と、3つの綾掛け部21のそれぞれにレール部材(図示せず)を介して回転コレットCの軸心X2と平行な方向に往復移動可能に装備されたガイド部22とを備える。ガイド部22は、綾掛け部21に装備された後述するガイド駆動装置23により回転コレットCの軸心X2と平行な方向に往復移動する。装置本体1の前面側上下中央部には、回転コレットCの径方向に且つ水平にスライド自在なスライドテーブル15が支持されている。トラバース装置2は、スライドテーブル15に取り付けられている。スライドテーブル15は、後述するスライド装置24により回転コレットCの径方向に且つ水平にスライド操作される。
糸条巻取装置100は、巻取位置で複数の繊維Sを巻き取って退避位置に移動した巻取後の回転コレットCに供給されている複数の繊維Sを切断する切断手段3を備える。切断手段3は、装置本体1の下部に横向き軸心周りで上下揺動自在に支持された揺動アーム31と、揺動アーム31を揺動操作する揺動用エアシリンダ32とを備える。揺動アーム31の先端部には、複数の繊維Sを巻取前の回転コレットCに押え付ける一対の押え付け部材33が備えられている。押え付け部材33には、回転コレットCの軸心X2方向にスライド自在なスライド部材34が外嵌されている。
スライド部材34の一端部には、スライド部材34と一体で押え付け部材33の長手方向に沿ってスライド自在な切断部4が備えられている。切断部4は、複数の繊維Sを切断するもので、平面視でコ字状の当接部材41と、スライド部材34に固定された切断用エアシリンダ42と、切断用エアシリンダ42のロッドの先端部に装着された刃部43とを備える。スライド部材34の他端部には、スライド部材34と一体で押え付け部材33の長手方向に沿ってスライド自在な移動部5が備えられている。移動部5は、切断部4との協働で複数の繊維Sを回転コレットCの基端部に平行移動させるもので、スライド部材34に固定された縦平板状の帯板材で構成してある。なお、スライド部材34、切断部4、及び移動部5は一体として、図示しない駆動機構により、押え付け部材33の長手方向に沿って摺動可能に構成されている。そして、スライド部材34、切断部4、及び移動部5を一体で摺動させる駆動機構は、後述するスライド用エアシリンダ35によって押え付け部材33の長手方向に沿ってスライド操作される。
図3に示すように、回転コレットCの基端側の揺動アーム31の先端部には、切断部4により巻取前の回転コレットCの基端部に寄せ集められた複数の繊維Sを押し当てる押し当て部36が備えられている。押し当て部36は、切断部4の動作線Y上に矩形の押し当て面が形成されるように縦平板状に形成されている。
回転コレットCの基端部には、切断部4及び移動部5により巻取前の回転コレットCの基端部に寄せ集められた複数の繊維Sをチャックするチャック部6が備えられている。チャック部6は、回転コレットCの基端部で回転コレットCを間に挟んだ対向する位置に回転コレットCと一体回動可能に設けられている。
図1及び図2に示すように、2つの回転コレットCは、ゴム等の可撓性のチューブCAの外周部に複数の金属製の巻き取り部CBを取り付けた構造を採用している。回転コレットCは、チューブCAから圧縮空気を排出して回転コレットCの外径が小さくなったチャック解除状態と、チューブCAに圧縮空気を供給して回転コレットCの外径が大きくなったチャック状態とに切り換えられる。回転コレットCのチャック解除状態では、回転コレットCの外周面とチャック部6との間には複数の繊維Sが入り込む隙間が形成される。これにより、回転コレットCのチャック解除状態で複数の繊維Sが切断部4及び移動部5により回転コレットCの基端部に寄せ集められると、複数の繊維Sが回転コレットCの外周面とチャック部6との間の隙間に入り込む。そして、回転コレットCがチャック状態に切り換えられると、複数の繊維Sが回転コレットCの外周面とチャック部6との間に強く挟まれた状態になる。
〔仕切り部材及び切断不良検知部の詳細構造〕
図1〜図4に基づいて仕切り部材10及び切断不良検知部12の詳細構造について説明する。図4は、図1のA−Aの位置での仕切り部材10及び切断不良検知部12の詳細構造を示す側面図である。図1〜図4に示すように、仕切り部材10は、移動手段7を介して回転板11の前面側中央部に取り付けられている。移動手段7は、回転板11に取り付けられた上下一対のスライドレール71と、スライドレール71に取り付けられた縦平板状の支持部材72と、支持部材72をスライドレール71の長手方向に沿ってスライド操作する位置変更用エアシリンダ73とを備える。仕切り部材10は、縦平板状に形成され、2つの回転コレットC,Cの間を仕切るように、支持部材72から回転コレットCの先端側に向けて片持ち状に延出してある。装置本体1の前面側上部には、仕切り部材10の位置を変更する位置変更スイッチ74が備えられている。仕切り部材10は、位置変更スイッチ74を操作することで、回転板11の回転中心X1に対して一方の回転コレットC側に移動した第1位置と、回転板11の回転中心X1に対して他方の回転コレットC側に移動した第2位置との2位置間で位置変更される。
図4に示すように、仕切り部材10の回転コレットCの軸心X2方向の長さは、回転コレットCの基端部から先端部に亘る長さに設定されている。また、仕切り部材10の上端辺が、回転コレットCに巻き取られたロービングRの上端より高い位置に位置し、かつ、仕切り部材10の下端辺が、回転コレットCに巻き取られたロービングRの下端より低い位置に位置するように、仕切り部材10の上下高さが設定されている。すなわち、仕切り部材10の上下高さが、回転コレットCの外径よりも大きくなるように設定されている。これにより、2つの回転コレットC,Cの間を仕切り部材10によって広範囲で仕切ることができる。
仕切り部材10の回転板径方向の両端部には、切断手段3による繊維Sの切断不良を検知する切断不良検知部12,12が備えられている。切断不良検知部12は、仕切り部材10の一部として機能するように、回転コレットCの軸心X2方向に長い帯板状の可動部材12Aで構成されている。可動部材12Aは、仕切り部材10に複数のヒンジ12Bを介して回転コレットCの軸心X2と平行な軸心周りで揺動自在に取り付けられている。これにより、帯板状の可動部材12Aを簡単な構造でかつ確実に仕切り部材10の端部に支持させることができる。なお、可動部材12Aの材質としては、鉄やアルミ等の金属製の板材や樹脂製の板材など様々な材質を採用できる。また、繊維Sの切断不良発生時における可動部材12Aの端辺と繊維Sとの接触をスムーズにするため、可動部材12Aの外周部に丸棒やトリム等を取り付けてもよく、可動部材12Aの外周部にエッジ加工等を施してもよい。
可動部材12Aの回転コレットCの軸心X2方向の長さは、可動部材12Aの一端が回転コレットCに巻き取られた最も先端側のロービングRの外端よりも回転コレット先端側に位置し、可動部材12Aの他端が回転コレットCに巻き取られた最も基端側のロービングRの外端よりも回転コレット基端側に位置するように、回転コレットCの基端部から先端部に亘る長さに設定されている。これにより、複数のロービングRに供給されている複数の繊維Sのうちのいずれか一つの繊維Sに切断不良が発生した場合であっても、回転コレットCの基端部から先端部に亘る長さに設定された可動部材12Aによって確実に検知できる。
可動部材12Aの支持部材72側の端部には、可動部材12Aの揺動範囲を規制する規制部材75が取り付けられている。支持部材72の上部及び下部には、可動部材12Aの揺動軸心を中心とした部分円弧状の長穴72Aが形成されている。規制部材75は、本体部と、本体部に対して出退自在なピン75Aとを備えた金具で構成され、ピン75Aの先端部が長穴72Aに係入するよう突出した突出位置と、ピンが長穴72Aから離脱するよう退入した退入位置とに位置変更自在に構成されている。これにより、作業者が規制部材75を突出位置に位置変更した場合には、可動部材12Aの揺動範囲が長穴72Aの範囲に規制される。これにより、可動部材12Aは、ピン75Aが長穴72Aの一端側に移動して繊維Sの切断不良を検知していない非検知状態と、ピン75Aが長穴72Aの他端側に移動して繊維Sの切断不良を検知した検知状態とに切り換えられる。逆に、作業者が規制部材75を退入位置に位置変更した場合には、長穴72Aの範囲に規制されることなく可動部材12Aを揺動させることができる。これにより、例えばメンテナンス時等に可動部材12Aが邪魔になる場合には、規制部材75を退入位置に位置変更して可動部材12Aを揺動させることができる。なお、可動部材12Aは、ヒンジ12B等に備えたバネ等の付勢手段によって非検知状態に付勢されている。
図2に示すように、可動部材12Aは、繊維Sの切断不良を検知していない非検知状態において、回転コレットCの軸心X2方向視で、仕切り部材10の端部と退避位置に移動している巻取後の回転コレットCに巻回されたロービングRの外周とを結ぶ接線Lに対する距離が、仕切り部材10の端部から遠ざかるほど大きくなるように、仕切り部材10に対して傾斜する傾斜姿勢で配備されている。また、可動部材12Aは、可動部材12Aと接線Lとによって形成される角度αが45°以下となり、可動部材12Aと仕切り部材10とによって形成される角度が鈍角となるように配備されている。これにより、可動部材12Aの先端部によって、切断不良となった繊維Sが接線Lに近づく動きを迅速且つ確実に検知することができ、繊維Sの切断不良の発生を迅速且つ確実に検知することができる。
図1及び図3に示すように、装置本体1の前面側上下中間部には、片持ち状のステーSTを介して検出手段としての検出センサ12Cが取り付けられている。検出センサ12Cは、レーザー式のセンサで構成されており、可動部材12Aの先端側部分にレーザー光Dを投光して、繊維Sの切断不良発生時における可動部材12Aの揺動を、レーザー光Dの延長線上での可動部材12Aの存否により検出する。このように、検出センサ12Cをレーザー式のセンサで構成することで、埃や汚れの影響を受け難いセンサによって埃や汚れの影響を受け難い位置から可動部材12Aの揺動を長期に亘って正確に検出することが可能となる。この場合、図3に示すように、検出センサ12Cは、可動部材12Aの回転コレット基端側の端部の揺動を検出するように構成されているので、仕切り部材10の自重等により下方に撓み難く且つピン75Aが長穴72Aに係入して下方に変位し難い可動部材12Aの回転コレット基端側の端部の動きを検出センサ12Cで正確に検知することができる。また、検出センサ12Cは、装置本体1に取り付けられているので、一つのセンサで2つの可動部材12A,12Aの両方の動きを検出することができ、また、検出センサ12Cの投光方向の調整や検出センサ12Cへの配線などを容易に行うことができる。なお、検出センサ12Cとしては、投受光器から投光した光を検出対象物や反射板で反射して投受光器で受光する反射形のレーザー式のセンサに限らず、例えば投光器から投光した光を受光器で受光する透過形のレーザー式のセンサを採用してもよく、また、レーザー式のセンサに限らず、例えば電波を送信して検出対象物の存否を検出するレーダー式のセンサ等、異なる種類のセンサを採用してもよい。また、検出センサ12Cに代えて、可動部材12Aの揺動を直接的に検出するリミットスイッチ等を検出手段として採用してもよく、この場合、リミットスイッチ等を仕切り部材10等に取り付ければよい。
〔制御装置のブロック図〕
図5は、制御装置8のブロック図である。図5に示すように、制御装置8には、回転板11を回転駆動する回転板駆動装置13と、2つの回転コレットC,Cを回転駆動するコレット回転駆動装置14と、トラバース装置2のガイド駆動装置23及びスライド装置24が接続されている。制御装置8には、揺動用エアシリンダ32にエアを供給する制御弁90と、切断用エアシリンダ42にエアを供給する制御弁91と、スライド用エアシリンダ35にエアを供給する制御弁92と、回転コレットC,CのチューブCA,CAのそれぞれにエアを供給する制御弁93,93と、位置変更用エアシリンダ73にエアを供給する制御弁94が接続されている。制御装置8には、切断不良検知部12の動作を検出する検出センサ12Cと、仕切り部材10の位置を変更する位置変更スイッチ74と、切断手段3による繊維Sの切断不良を作業者に報知する切断不良報知部95が接続されている。切断不良報知部95は、ランプやディスプレイ等の表示部やブザーやスピーカー等の音声部により構成され、装置本体1の前面や制御装置8を備えた制御盤等に配備されている。
制御装置8は、回転板駆動装置13を制御する回転板制御部81と、コレット回転駆動装置14を制御するコレット回転制御部82と、トラバース装置2を制御するトラバース制御部83と、切断手段3を制御する切断手段制御部84と、チャック部6のチャック状態及びチャック解除状態を制御するチャック部制御部85と、切断不良検知部12の検知結果に基づいて回転コレットCの回転等を制御する切断不良制御部86と、仕切り部材10の位置を変更する仕切り部材制御部87とを備える。
回転板制御部81は、回転板駆動装置13に出力して回転板11を回転中心X1周りで図1の紙面時計回りに180度回転させ、2つの回転コレットC,Cを、複数の繊維Sを巻き取る巻取位置(図1の回転中心X1に対して紙面右側の位置)と、巻取位置に対して複数の繊維Sが供給される側とは反対側に移動退避した退避位置(図1の回転中心X1に対して紙面左側の位置)とに位置変更する。
コレット回転制御部82は、コレット回転駆動装置14に出力して回転コレットCの回転駆動を制御する。また、コレット回転制御部82は、コレット回転駆動装置14に出力して、回転コレットCの回転を停止した状態で回転コレットCの基端部の上側と下側にチャック部6が位置するように回転コレットCを回転制御する。
トラバース制御部83は、ガイド駆動装置23に出力してガイド部22が所定の速度で往復移動するように制御する。これにより、回転コレットCに対して所定の巻取角度で綾掛けが行われ、複数のロービングRが回転コレットCの軸心X2方向に所定の間隔で並んだ状態で巻き取られる。また、トラバース制御部83は、スライド装置24に出力して巻取位置の回転コレットCに巻き取られたロービングRの外径の増加に伴ってトラバース装置2が回転コレットCの径方向に且つ水平に移動するように制御する。これにより、回転コレットCに形成されるロービングRの外周表面とトラバース装置2の綾掛け部21との間の距離が常時適正な距離に維持される。
切断手段制御部84は、各制御弁90,91,92に出力して、揺動用エアシリンダ32、切断用エアシリンダ42、及びスライド用エアシリンダ35の作動を制御する。つまり、切断手段制御部84は、制御弁90に出力して揺動用エアシリンダ32を伸縮し、切断手段3の揺動アーム31を、切断部4が複数の繊維Sに作用するよう上昇揺動した作用位置と、切断部4が複数の繊維Sから離間するよう下降揺動した非作用位置とに位置変更する。また、切断手段制御部84は、制御弁91に出力して切断用エアシリンダ42を伸縮し、切断手段3の切断部4を、刃部43の先端が当接部材41の先端部から突出した切断位置と、刃部43の先端が当接部材41の内部に入り込んだ非切断位置に位置変更する。また、切断手段制御部84は、制御弁92に出力してスライド用エアシリンダ35を伸縮し、スライド部材34、切断部4、及び移動部5を一体で、回転コレットCの先端側に移動した待機位置と、回転コレットCの基端側に移動した切断位置とに位置変更する。
チャック部制御部85は、各制御弁93,93に出力して、各回転コレットC,CのチューブCA,CAにエアを給排し、各回転コレットC,Cを、チューブCAから圧縮空気を排出して回転コレットCの外径が小さくなったチャック解除状態と、チューブCAに圧縮空気を供給して回転コレットCの外径が大きくなったチャック状態とに切り換える。
切断不良制御部86は、停止手段として機能するものであり、検出センサ12Cからの検出結果に基づいて切断不良検知部12において繊維Sの切断不良が検知された場合に、コレット回転駆動装置14に出力して回転コレットCの回転を停止するとともに、ガイド駆動装置23及びスライド装置24に出力してトラバース装置2の駆動を停止する。また、切断不良制御部86は、検出センサ12Cからの検出結果に基づいて切断不良検知部12において繊維Sの切断不良が検知された場合に、切断不良報知部95に出力して切断手段3による繊維Sの切断不良を作業者に報知する。なお、切断不良制御部86でコレット回転駆動装置14の回転及びトラバース装置2の駆動を停止するように制御するのではなく、停止手段の簡易な構成として、例えば、検出センサ12C等の検出手段とコレット回転駆動装置14及びトラバース装置2とをリレー回路で直接接続してリレーシーケンスによって回転コレットCの回転及びトラバース装置2の駆動を停止するように構成してもよい。また、繊維Sの切断不良の報知についても同様に、検出センサ12C等の検出手段と切断不良報知部95とをリレー回路で直接接続してリレーシーケンスによって繊維Sの切断不良を報知するように構成してもよい。
仕切り部材制御部87は、作業者が位置変更スイッチ74を操作する度に、制御弁94に出力して位置変更用エアシリンダ73を伸縮し、仕切り部材10を第1位置と第2位置との2位置間で交互に位置変更する。
〔制御装置による具体的な制御内容〕
図6に基づいて制御装置8による具体的な制御内容について説明する。図6は、糸条巻取装置100の一連の制御内容を示すフローチャートである。図6に示すように、回転コレットCに所定長さの複数の繊維Sが巻き取られて回転コレットCへの複数の繊維Sの巻き取りが終了すると(ステップS1,YES)、コレット回転制御部82は、コレット回転駆動装置14に出力して回転コレットCの回転を停止するとともに、トラバース制御部83は、ガイド駆動装置23及びスライド装置24に出力してトラバース装置2の駆動を停止する(ステップS2)。この場合、コレット回転制御部82は、回転コレットCの基端部の上側と下側にチャック部6が位置するように回転コレットCを回転制御する。
次に、回転板制御部81は、回転板駆動装置13に出力して回転板11を180度回転駆動し、巻取後の回転コレットCを巻取位置から退避位置に位置変更するとともに、退避位置で複数のロービングRが取り外された巻取前の回転コレットCを巻取位置に位置変更する(ステップS3)。
そして、巻取後の回転コレットCが退避位置に位置変更されると、切断手段制御部84は、制御弁90に出力して揺動アーム31を上昇揺動して切断手段3を非作用位置から作用位置に位置変更する(ステップS4)。これにより、巻取前の回転コレットCの下側に離間した複数の繊維Sが一対の押え付け部材33,33により押し上げられて巻取前の回転コレットCに押え付けられる。この場合、揺動アーム31の先端部に備えた切断部4及び移動部5も揺動アーム31の姿勢変更に伴って巻取前の回転コレットCの先端部の下部に移動する。
次に、切断手段3が作用位置に位置変更されると、切断手段制御部84は、制御弁88に出力してスライド部材34を待機位置から切断位置に位置変更する(ステップS5)。その際、スライド部材34に備えた切断部4及び移動部5は回転コレットCの軸心X2と平行な方向に移動し、切断部4の当接部材41の先端部と移動部5の先端部とにより複数の繊維Sを回転コレットCの軸心X2と平行な方向に平行移動する。そして、切断部4が回転コレットCの基端部にまで移動すると、切断部4の当接部材41の先端部が押し当て部36に当接して当接部材41の先端部により複数の繊維Sを押し当て部36に押し当てる。
次に、スライド部材34が切断位置に位置変更されると、チャック部制御部85は、制御弁93に出力して巻取前の回転コレットCのチューブCAにエアを供給して回転コレットCをチャック解除状態からチャック状態に切り換える(ステップS6)。これにより、切断部4及び移動部5により回転コレットCの基端部に寄せ集められた複数の繊維Sが回転コレットCの外周面とチャック部6との間に強く挟まれた状態になる。
そして、当接部材41の先端部41S,41Sにより複数の繊維Sが押し当て部36に押し当てられると、切断手段制御部84は、制御弁91に出力して切断部4の刃部43を非切断位置から切断位置に位置変更する(ステップS7)。これにより、複数の繊維Sが切断部4の刃部43により押し当て部36に押し当てられながら切断される。この場合、切断手段制御部84は、制御弁91に出力して切断部4の刃部43を非切断位置と切断位置とに複数回に亘って位置変更する。
次に、切断部4による複数の繊維Sの切断が終了すると、切断手段制御部84は、制御弁90に出力して揺動アーム31を下降揺動して切断手段3を作用位置から非作用位置に位置変更する(ステップS8)。そして、切断手段制御部84は、制御弁92に出力してスライド部材34を切断位置から待機位置に位置変更する(ステップS9)。
そして、切断手段3が非作用位置に位置変更されると、コレット回転制御部82は、コレット回転駆動装置14に出力して巻取位置の回転コレットCの回転駆動を再開するとともに、トラバース制御部83は、ガイド駆動装置23及びスライド装置24に出力してトラバース装置2の駆動を再開する(ステップS10)。この場合、切断部4により切断された複数の繊維Sはチャック部6により回転コレットCの端部にチャックされているので、回転コレットCへの複数の繊維Sの巻き付けを確実に行うことができる。
なお、チャック部制御部85は、巻取後の回転コレットCが退避位置に移動した状態で作業者がチャック解除スイッチ(図示せず)を操作することで、上述したステップS6においてチャック状態に切り換えられたチャック部6をチャック解除状態に切り換えるように制御する。これにより、退避位置に移動した巻取後の回転コレットCから複数のロービングRの取り外すことが可能になる。そして、巻取位置の巻取前の回転コレットCに複数の繊維Sが巻き取られている間に、巻取後の回転コレットCから複数のロービングRを取り外すことができる。そして、複数のロービングRが取り外された回転コレットCは、チャック解除状態のままで退避位置から巻取位置に位置変更され、上述したステップS6において再びチャック解除状態からチャック状態に切り換えられる。
上述したステップS10における回転コレットCの回転駆動再開後に、検出センサ12Cからの検出に基づいて切断不良検知部12において繊維Sの切断不良が検知された場合には(ステップS11,YES)、切断不良制御部86は、コレット回転駆動装置14に出力して回転コレットCの回転を直ちに停止するとともに、ガイド駆動装置23及びスライド装置24に出力してトラバース装置2の駆動を直ちに停止する(ステップS12)。そして、切断不良制御部86は、切断不良報知部95に出力して切断手段3による繊維Sの切断不良を直ちに作業者に報知する(ステップS13)。
なお、回転コレットCの回転駆動再開後に、切断不良検知部12において繊維Sの切断不良が検知されない場合には(ステップS11,NO)、回転コレットCに所定長さの複数の繊維Sが巻き取られるまで回転コレットCの回転やトラバース装置2の駆動を継続する(ステップS1,NO)。そして、再び回転コレットCに所定長さの複数の繊維Sが巻き取られて回転コレットCへの複数の繊維Sの巻き取りが終了すると(ステップS1,YES)、コレット回転制御部82は、コレット回転駆動装置14に出力して回転コレットCの回転を停止するとともに、トラバース制御部83は、ガイド駆動装置23及びスライド装置24に出力してトラバース装置2の駆動を停止する(ステップS2)。これ以降は、上述した一連の制御が繰り返されて回転コレットCへの複数の繊維Sの巻き取りが連続的に効率よく行われる。
〔繊維巻き取り時の糸条巻取装置の状態〕
図7に基づいて繊維巻き取り時の糸条巻取装置100の状態を説明する。図7は、繊維巻き取り時の糸条巻取装置100の状態を示す概略図であり、(a)巻き取り終了時、(b)繊維切断時、(c)繊維切断終了時、(d)ロービング取り外し後、(e)繊維切断不良発生時、(f)繊維切断不良検知時のそれぞれの糸条巻取装置100の状態を示す概略図である。図7(a)に示すように、回転コレットCに所定長さの複数の繊維Sが巻き取られて回転コレットCへの複数の繊維Sの巻き取りが終了すると、図7(b)に示すように、2つの回転コレットC,Cを位置変更し、切断手段3を非作用位置から作用位置に位置変更して、切断部4の刃部43により複数の繊維Sを切断する。図7(c)に示すように、切断部4の刃部43により複数の繊維Sが全て切断された場合には、切断された複数の繊維Sのうちの、退避位置の回転コレットC側の繊維Sは、退避位置の回転コレットCの下側に垂れ下がった状態となり、巻取位置の回転コレットC側の繊維Sは、巻取位置の回転コレットCに巻き付けられる。この場合、可動部材12Aは非検知状態のままで、レーザー光Dの延長線上には可動部材12Aが存在し、検出センサ12Cによって可動部材12Aの揺動は検出されず、繊維Sの切断不良は検出されない。そして、作業者が、退避位置の回転コレットCから複数のロービングRを取り外し、複数のロービングRを取り外した後に位置変更スイッチ74を押し操作すると、図7(d)に示すように、仕切り部材10が回転板11の回転中心X1に対して退避位置側に位置変更され、巻取位置の回転コレットCと仕切り部材10との間の距離が長く確保される。
図7(b)において、切断部4の刃部43によって複数の繊維Sのうちの少なくとも一つ以上の繊維Sが切断されずに繊維Sの切断不良が発生した場合には、図7(e)に示すように、切断不良となった繊維Sは、退避位置の回転コレットCと巻取位置の回転コレットCとに亘って連なった状態のままで仕切り部材10の下側に垂れ下がった状態になる。この状態で、巻取位置の回転コレットCの回転駆動を再開すると、図7(f)に示すように、切断不良の繊維Sが巻取位置の回転コレットCに巻き取られることで、退避位置の回転コレットCと巻取位置の回転コレットCとに巻回された切断不良の繊維Sに張力が作用して、可動部材12Aが繊維Sの走行方向に交差する方向に可動する。つまり、可動部材12Aが上方に揺動して、可動部材12Aが検知状態に切り換えられる。そして、レーザー光Dの延長線上には可動部材12Aが存在しなくなり、検出センサ12Cが可動部材12Aの揺動を検出し、繊維Sの切断不良が検出される。これにより、切断不良制御部86は、回転コレットCの回転及びトラバース装置2の駆動を自動的に停止するとともに、切断不良報知部95において切断手段3による繊維Sの切断不良を作業者に報知する。そして、切断不良報知部95の報知により切断手段3による繊維Sの切断不良に気付いた作業者は、切断不良となった繊維Sをハサミ等の切断具により切断して、制御盤等に備えた再スタートスイッチ(図示せず)を操作して、巻取位置の回転コレットCの回転駆動及びトラバース装置2の駆動を再開する。なお、作業者が、退避位置の回転コレットCから複数のロービングRを取り外し、複数のロービングRを取り外した後に位置変更スイッチ74を押し操作すると、図7(d)に示すように、仕切り部材10が回転板11の回転中心X1に対して退避位置側に位置変更される。
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態では、可動部材12Aを仕切り部材10の端部に揺動自在に取り付けた例を示したが、可動部材12Aを仕切り部材10の端部に取り付ける構造として異なる構造を採用してもよい。具体的には、例えば、図8(a)に示すように、可動部材12Aを摺動機構を介して仕切り部材10の端部に摺動自在に取り付けてもよい。また、図示しないが、可動部材12Aを平行リンク機構を介して仕切り部材10の端部に移動自在に取り付けてもよい。
(2)上記実施形態では、可動部材12Aを仕切り部材10の端部に取り付けた例を示したが、例えば、図8(b)に示すように、可動部材12Aを仕切り部材10の端部近傍に配設して、支持部材72や回転板11から延出されたブラケットBR等に可動部材12Aを取り付けてもよい。この場合においても、上記(1)と同様に、様々な構造で可動部材12AをブラケットBR等に取り付けることができる。
(3)上記実施形態では、2つの回転コレットCを同心円上に配設した構造の糸条巻取装置100に切断不良検知部12Aを備えた例に示したが、図8(c)及び(d)に示すように、4つの回転コレットCを同心円上に配設した構造の糸条巻取装置に切断不良検知部12Aを備えてもよい。この場合、4つの回転コレットCの間を仕切る仕切り部材10のそれぞれの回転板径方向の外端部に切断不良検知部12Aを備えればよい。また、図示しないが、2つの回転コレットC,Cが上下方向に並んだ状態で巻き取る構造の糸条巻取装置や、3つ又は5つ以上の回転コレットを同心円上に配設した構造の糸条巻取装置等、様々な異なる構造の糸条巻取装置においても同様に適用できる。
(4)上記実施形態では、可動部材12Aを帯板状に構成した例を示したが、可動部材12Aの構造として異なる構造を採用してもよく、例えば、図示しないが、可動部材12Aを、回転コレットCの軸心X2方向に長い棒状部材(丸棒や角棒や丸パイプ材等)と、棒状部材を仕切り部材10に取り付ける複数のアームとで構成してもよい。この場合、可動部材12Aが仕切り部材10の一部として機能するものであっても機能しないものであってもよい。
(5)上記実施形態では、仕切り部材10を移動手段7を介して回転板11に取り付けた例を示したが、移動手段7を省略して仕切り部材10を回転板11に直接取り付けてもよい。
(6)上記実施形態で示した切断手段3は一例として示したものであり、異なる構造の切断手段を採用してもよく、例えば、図示しないが、回転コレットCに設けた糸把持機構によって繊維を捕捉して切断する構造の切断手段を採用してもよい。
(7)上記実施形態では、3つのロービングRを回転コレットCの軸心X2方向に所定の間隔で並んだ状態で巻き取る糸条巻取装置100を例に示したが、単一のロービングRを一つの回転コレットCに巻き取る糸条巻取装置100や、2つのロービングR又は4つ以上のロービングRを回転コレットCの軸心X2方向に所定の間隔で並んだ状態で巻き取る糸条巻取装置100においても同様に適用できる。この場合、糸条巻取装置100に備えるトラバース装置2の数量も同様に、ロービングRの数量に合わせて1つ、2つ又は4つ以上に設定すればよい。
本発明の糸条巻取装置は、ロービングを製造する糸条巻取装置の他に、ケーキ等の異なる巻回体を製造する糸条巻取装置においても同様に利用可能である。また、ガラス繊維製品の製造工程で使用される装置の他に、例えば、合成繊維、天然繊維、炭素繊維等のガラス繊維以外の繊維製品の製造工程で使用される装置にも利用可能である。
3 切断手段
7 移動手段
11 回転板
12 切断不良検知部
12A 可動部材
12C 検出センサ(検出手段)
86 切断不良制御部(停止手段)
100 糸条巻取装置
C 回転コレット
L 接線
R ロービング(巻回体)
S 繊維(糸条)
X2 回転コレットの軸心

Claims (8)

  1. 回転板と、前記回転板を回転させることによって巻取位置と退避位置とに位置変更自在な複数の回転コレットと、前記複数の回転コレットの間を仕切る仕切り部材と、前記巻取位置で糸条を巻き取って前記退避位置に移動した巻取後の回転コレットに供給されている糸条を切断する切断手段と、を備え、
    前記切断手段により切断した糸条を前記巻取位置に移動した巻取前の回転コレットに再び巻き付けて巻取前の回転コレットによる糸条の巻き取りを再開するように構成してある糸条巻取装置であって、
    前記仕切り部材の端部又は端部近傍に、前記切断手段による糸条の切断不良を検知する切断不良検知部を備えてあり、
    前記切断不良検知部は、前記巻取前の回転コレットへの糸条の巻き取り再開時における切断不良となった糸条の張力の増加によって可動する可動部材で構成されている糸条巻取装置。
  2. 前記可動部材は、前記仕切り部材の端部に前記回転コレットの軸心と平行な軸心周りで揺動自在に取り付けられている請求項1記載の糸条巻取装置。
  3. 前記可動部材は、糸条の切断不良を検知していない非検知状態において、前記回転コレットの軸心方向視で、前記仕切り部材の端部と前記退避位置に移動した巻取後の回転コレットに巻回された巻回体の外周とを結ぶ接線に対する距離が、前記仕切り部材の端部から遠ざかるほど大きくなるように、前記仕切り部材に対して傾斜する傾斜姿勢で配備されている請求項1又は2記載の糸条巻取装置。
  4. 前記可動部材の動きを検出する検出手段を備え、前記可動部材の回転コレット基端側の端部の動きを前記検出手段で検出するように構成してある請求項1〜3のいずれか一項に記載の糸条巻取装置。
  5. 複数の糸条を共通の前記回転コレットに巻き取ることにより複数の巻回体を前記回転コレットの軸心方向に並んだ状態で製造するように構成し、
    前記可動部材は、前記回転コレットの最も先端側に位置する巻回体に供給されている糸条と最も基端側に位置する巻回体に供給されている糸条とに亘って設けられている請求項1〜4のいずれか一項に記載の糸条巻取装置。
  6. 前記仕切り部材の両端部又は両端部の近傍に前記切断不良検知部を備えてある請求項1〜5のいずれか一項に記載の糸条巻取装置。
  7. 前記複数の回転コレットの間で前記仕切り部材を移動させる移動手段を備えてある請求項1〜6のいずれか一項に記載の糸条巻取装置。
  8. 前記切断不良検知部の検知結果に基づいて前記巻取前の回転コレットへの糸条の巻き取りを自動的に停止する停止手段を備えてある請求項1〜7のいずれか一項に記載の糸条巻取装置。
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