JP5897492B2 - 作業機 - Google Patents
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Description
このホイールローダは、前輪を有する前部機体と、後輪を有する後部機体とを備え、前部機体に作業装置を設け、後部機体にエンジンとHST(静油圧式トランスミッション)とを搭載している。
作業装置は、上下揺動自在なリフトアームと、このリフトアームの先端側に揺動自在に設けられたバケットとを有する。リフトアーム及びバケットはそれぞれ油圧シリンダによって駆動され、該油圧シリンダはエンジンによって駆動される作業機用油圧ポンプによって駆動される。
そこで、省燃費化を図るために、アクセルペダルの操作量とエンジン回転数との関係を設定した2つの制御特性線に基づいてエンジン回転数を制御する制御装置を設け、負荷が所定負荷より小さいと低いエンジン回転数に設定された制御特性線でエンジン回転数を制御し、負荷が所定負荷以上になると高いエンジン回転数に設定された制御特性線でエンジン回転数を制御することが考えられている。
また、作業装置で作業する場合の作業効率(作業速度の低下)を考慮すると、負荷が所定負荷以上になる場合の制御特性線のエンジン回転数を、あまり下げることもできない。
請求項1に係る発明では、車輪と、エンジンによって回転され且つ前記回転を前記車輪に伝達する伝動軸とを有する走行装置と、
作業を行うための作業装置と、
前記伝動軸の回転速度を検出する回転センサと、
アクセルペダルの操作量とエンジン回転数との関係を設定した第1〜3制御特性線に基づいてエンジン回転数を制御する制御装置とを備え、
前記制御装置は、
作業装置の作業時において、作業速度を優先した第1制御特性線に従ってエンジン回転数の制御を行う第1エンジン回転制御部と、
走行時において、前記回転センサの検出値に基づいて求められる実車速が、制御装置から出力されるエンジン回転数の指令値に対応する目標車速よりも低い場合に、当該作業機に走行負荷が作用したと判断し、前記走行負荷が所定負荷よりも小さいときに、省燃費を優先した第2制御特性線に従ってエンジン回転数の制御を行う第2エンジン回転制御部と、
走行時において、前記走行負荷が前記所定負荷以上のときに、第1制御特性線と第2制御特性線との間に位置する第3制御特性線に従ってエンジン回転数の制御を行う第3エンジン回転制御部とを有することを特徴とする。
インチングペダルの操作時に第1エンジン回転制御部が第1制御特性線に従ってエンジン回転数の制御を行うことを特徴とする。
第1〜3エンジン回転制御部によってエンジン回転数の制御を行うエコモードとに切り替え可能であることを特徴とする。
請求項1に係る発明によれば、作業装置の作業時においては、作業速度を優先した第1制御特性線に従ってエンジン回転数の制御を行うので、効率のよい作業を行うことができる。
また、走行時において、走行負荷が所定負荷よりも小さいときに、省燃費を優先した第2制御特性線に従ってエンジン回転数の制御を行うので、燃費低減を図ることができる。
以上により、十分な燃費低減と効率のよい作業とを両立させることができる作業機を提供することができる。
請求項3に係る発明によれば、走行速度及び作業速度を優先したノーマルモードと、燃料消費の低減を行えるエコモードとをオペレータが選択でき、至便である。
図1に作業機としてホイールローダ1を例示している。
このホイールローダ1はアーティキュレート式の作業機であり、走行機体1Aは前部機体2と後部機体3とから構成されている。前部機体2には左右一対の前輪(車輪)5が設けられ、後部機体3には左右一対の後輪(車輪)6が設けられている。
前記連結部材4と前部機体2とにわたって油圧シリンダからなるステアリングシリンダ7が設けられ、このステアリングシリンダ7を伸縮させることにより、後部機体3に対して前部機体2が左右に揺動してホイールローダ1が左右に旋回可能とされている。
後部機体3には、運転席14と、運転席保護装置としての4柱式のキャノピ15と、前記ステアリングシリンダ7を操作するステアリングホイール16と、前記作業装置8を操作する作業装置用操作レバー17と、エンジン18(ディーゼルエンジン)とが設けられている。
この図2において、18はエンジン、19は走行装置用のHST(静油圧式トランスミッション)、20はエンジン18及びHST19を制御する制御装置、21はホイールローダ1を増減速させるアクセルペダル、22はホイールローダ1を減速,停止させるインチングペダル、23はメインポンプ、24はサブポンプ(チャージポンプ)である。
れている。このHSTモータ29の出力軸30はギヤ伝動機構31を介して伝動軸32に伝達され、この伝動軸32の後端側から後輪デフ装置33を介して左右の後車軸34に動力が伝達され、該後車軸34から後輪6に動力が伝達されて該後輪6が駆動される。また、前記伝動軸32の前端側からドライブシャフト、前輪デフ装置、前車軸等を介して前輪5に動力が伝達されて該前輪5が駆動される。
前記伝動軸32の回転速度は回転センサ35によって検出可能とされている。この回転センサ35は制御装置20に接続されていて、該回転センサ35の検出値が制御装置20に入力される。制御装置20によって回転センサ35の検出値に基づいて車速が演算される。
走行負荷とは、登坂路走行時やコーナー進入時等において、ホイールローダ1にかかる負荷を意味する。
この前後進切替弁39は制御圧供給路42を介して斜板制御弁43に接続されている。この斜板制御弁43は、サーボシリンダ36に供給される圧油の圧力(HSTポンプ26の斜板の制御圧)を制御するものである。この斜板制御弁43は電磁比例弁によって構成されており、制御装置20からの指令信号(指令電流値)によってサーボシリンダ36に供給される圧油の圧力が制御可能とされている。
また、制御装置20にはニュートラルスイッチ45が接続され、このニュートラルスイッチ45の操作によって、前後進切替弁39が消磁されて前進位置39b又は後進位置39cから中立位置39aに切り替えられる。
マスターシリンダ47は後車軸34を制動するブレーキ機構48にブレーキ油路49を介して接続され、インチングペダル22でマスターシリンダ47を作動させることにより、ブレーキ機構48が作動して左右の後車軸34が制動される。
インチング操作領域Aでは、インチングペダル22を踏み込むにつれてHSTポンプ26の斜板の制御圧が低下するように制御装置20から斜板制御弁43のソレノイド52に指令信号が出力される。
制御装置20は、ノーマルモードと、アタッチメントモードと、エコモードとを備えている。エンジン18の始動時にはノーマルモードとされ、アタッチメントスイッチ54によってアタッチメントモードに切り替えられ、エコスイッチ55によってエコモードに切り替えられる。アタッチメントスイッチ54及びエコスイッチ55は制御装置20に接続されている。
このノーマルモードにあっては、前後進切替弁39が中立のときには、HSTポンプ26の斜板角(斜板の傾転角)が最小となるようにサーボシリンダ36がバランスされ、HSTポンプ26から圧油が吐出しない。
この状態からアクセルペダル21を踏み込むと、エンジン回転数が上がると共にHSTポンプ26の斜板の制御圧が大きくなって斜板角が大きくなり、前進又は後進する。また、アクセルペダル21を最大に踏み込んでエンジン回転数が最大回転数になるとHSTポンプ26の斜板の制御圧は最大となる。
み込むと、HSTポンプ26の斜板の制御圧が下がるように制御装置20から斜板制御弁43のソレノイド52に指令信号が出力される。これにより、HSTポンプ26の斜板角が小さくなり、エンジン18の回転数がアクセルペダル21で決定される回転数のまま、ホイールローダ1が減速する。
また、前後進切替弁39を中立位置39aから前進位置39b又は後進位置39cにし且つアクセル設定ダイヤル56でエンジン回転数がアイドリング回転数より大に設定されていても、アクセルペダル21を踏み込まない状態では、HSTポンプ26の斜板の制御圧は最小であり(HSTポンプ26の斜板角は最小のままであり)、前進又は後進しない。
また、アクセルペダル21を踏み込み操作している状態で、インチングペダル22を踏み込むと、HSTポンプ26の斜板の制御圧が下がるように制御装置20から斜板制御弁43のソレノイド52に指令信号が出力されて、HSTポンプ26の斜板角が小さくなり、アクセル設定ダイヤル56で決定されるエンジン回転数のままで、ホイールローダ1が減速する。
Yはアクセルペダル21によって決まるHSTポンプ26の斜板の制御圧である。Zはインチングペダル22の前記インチング操作領域Aでの踏込具合である。このZはインチング解放(インチングペダル22を踏み込まない状態)で100%、インチング操作領域Aでの最大の踏込で0%となる。
以上のように、前記ノーマルモードでは、アクセルペダル21の踏み込み量に基づいてエンジン回転数が制御されると共に該エンジン回転数に基づいてHSTポンプ26の斜板が制御される。これによって、アクセルペダル21の踏み込み操作でエンジン回転数を制御しながら車速を制御するという通常のアクセルペダル21の操作で車速を制御することができる。
このエンジン回転制御マップ57は、アクセルペダル21の踏み込み量とエンジン回転数との関係を設定しており、アクセルペダル21の踏み込み量を横軸にとりエンジン回転数を縦軸にとっている。
第2制御特性線59は、省燃費を優先した低い回転数(第1制御特性線58より低い回転数)でエンジン18の回転数を制御するように設定されている。
本実施形態では、第1制御特性線58での最大エンジン回転数(アクセルペダル21を最大に踏み込んだ状態での回転数)は2400rpmに設定され、第2制御特性線59での最大エンジン回転数は1800rpmに設定され、第3制御特性線60での最大エンジン回転数は2200rpmに設定されている。
作業装置8で作業を行うときには、インチングペダル22を操作してホイールローダ1の発進・停止を小刻みに繰り返す(ホイールローダ1を寸動で前進又は後進させる)、いわゆるインチング操作(インチング走行)を行う。また、作業装置8で作業を行うときには、作業装置8の動作を速くするために、アクセルペダル21でエンジン回転数を上げたままにし、発進、停止及び車速の増減速の操作はインチングペダル22で行う。したがって、作業装置8で作業を行うときには、インチングペダル22を使用することから、本実施形態では、作業装置8による作業時をインチングペダル22を操作したことで特定している。すなわち、インチングペダル22の操作時に、第1エンジン回転制御部が第1制御特性線58に従ってエンジン回転数の制御を行う。
、作業装置8の作業時を特定するのに、インチングポジションセンサ51によるペダルの踏み込み操作の検出を利用することができる。これによって、作業装置8による作業時を特定するのに、別途、検出手段を設けなくてもよいという効果を奏する。
すなわち、図4(b)に示すようなエンジン回転制御マップ64(第1制御特性線58及び第2制御特性線59のみを有し、第3制御特性線60のないマップ)に基づいてエンジン18の回転数を制御するようにした場合、走行時において、走行負荷が所定負荷以上になる頻度が高いと、高いエンジン回転数で制御され、十分な燃費低減を図ることができない。また、負荷が所定負荷以上になった場合のエンジン回転数を第1制御特性線58で制御する場合のエンジン回転数より低く設定すると、作業装置8で作業する際に、作業装置8の動作が遅くなる。したがって、作業装置8で作業する場合の作業効率(作業速度の低下)を考慮すると、負荷が所定負荷以上になった場合のエンジン回転数をあまり下げることもできない。
また、ノーマルモード及びアタッチメントモードでは、走行負荷の大小に拘わらず、第1制御特性線58に従ってエンジン18の回転数が制御される。これにより、スピードを重視した走行を行う場合と、省燃費を重視した走行を行う場合とを選択することができる。
18 エンジン
20 制御装置
21 アクセルペダル
22 インチングペダル
24 サブポンプ(油圧ポンプ)
26 HSTポンプ
27 変速用油路
28 変速用油路
29 HSTモータ
36 サーボシリンダ
43 斜板制御弁
51 インチングポジションセンサ
58 第1制御特性線
59 第2制御特性線
60 第3制御特性線
61 第1エンジン回転制御部
62 第2エンジン回転制御部
63 第3エンジン回転制御部
Claims (3)
- 車輪と、エンジンによって回転され且つ前記回転を前記車輪に伝達する伝動軸とを有する走行装置と、
作業を行うための作業装置と、
前記伝動軸の回転速度を検出する回転センサと、
アクセルペダルの操作量とエンジン回転数との関係を設定した第1〜3制御特性線に基づいてエンジン回転数を制御する制御装置とを備え、
前記制御装置は、
作業装置の作業時において、作業速度を優先した第1制御特性線に従ってエンジン回転数の制御を行う第1エンジン回転制御部と、
走行時において、前記回転センサの検出値に基づいて求められる実車速が、制御装置から出力されるエンジン回転数の指令値に対応する目標車速よりも低い場合に、当該作業機に走行負荷が作用したと判断し、前記走行負荷が所定負荷よりも小さいときに、省燃費を優先した第2制御特性線に従ってエンジン回転数の制御を行う第2エンジン回転制御部と、
走行時において、前記走行負荷が前記所定負荷以上のときに、第1制御特性線と第2制御特性線との間に位置する第3制御特性線に従ってエンジン回転数の制御を行う第3エンジン回転制御部とを有することを特徴とする作業機。 - エンジンによって駆動される斜板形可変容量ポンプからなるHSTポンプと、このHSTポンプと一対の変速用油路により閉回路接続されていて該HSTポンプからの吐出油によって駆動されることにより走行装置を駆動するHSTモータと、HSTポンプの斜板を制御するサーボシリンダと、エンジンによって駆動される油圧ポンプからの圧油を前記サーボシリンダに斜板の制御圧として供給する電磁比例弁からなる斜板制御弁と、車速を減速させるためのインチングペダルと、このインチングペダルの踏み込み量を検出して制御装置に入力するインチングポジションセンサとを備え、インチングペダルを踏み込み操作すると斜板の制御圧が下がるように、制御装置から出力される指令信号によって斜板制御弁が制御される作業機であって、
インチングペダルの操作時に第1エンジン回転制御部が第1制御特性線に従ってエンジン回転数の制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の作業機。 - 第1制御特性線だけでエンジン回転数の制御を行うノーマルモードと、
第1〜3エンジン回転制御部によってエンジン回転数の制御を行うエコモードとに切り替え可能であることを特徴とする請求項1又は2に記載の作業機。
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