JP5896194B1 - シンジオタクチック結晶性ジシクロペンタジエン開環重合体水素化物 - Google Patents

シンジオタクチック結晶性ジシクロペンタジエン開環重合体水素化物 Download PDF

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Abstract

本発明は、融点が280℃以上で、シンジオタクティシティーが90%より高い、シンジオタクチック結晶性ジシクロペンタジエン開環重合体水素化物である。本発明によれば、融点が十分に高く耐熱性に優れ、工業生産に有利な、シンジオタクチック結晶性ジシクロペンタジエン開環重合体水素化物が提供される。

Description

本発明は、高い融点を有する耐熱性に優れた、シンジオタクチック結晶性ジシクロペンタジエン開環重合体水素化物、及び、重合反応後の溶液安定性に優れ、かつ水素化反応により、前記水素化物に転化しうるシンジオタクチックジシクロペンタジエン開環重合体、並びに、それらの製造方法に関する。
ジシクロペンタジエン等のノルボルネン系単量体の開環重合体水素化物は、いわゆるシクロオレフィンポリマーの一種であり、透明性、低複屈折性、成形加工性等に優れることから、光学用途をはじめとして、種々の用途に適用できる材料として用いられている。
ジシクロペンタジエンの開環重合体水素化物は、アタクチックな構造を有する非晶性の重合体として得られることが一般的である。しかしながら、アタクチックな構造を有する非晶性のジシクロペンタジエンの開環重合体水素化物は、その用途によっては、耐熱性、機械強度、耐溶剤性等が不十分となる場合がある。そこで、それらの性能を改良する手法として、主鎖に立体規則性を有するジシクロペンタジエンの開環重合体水素化物を製造することにより、結晶性を有するジシクロペンタジエンの開環重合体水素化物が提案されている。
例えば、特許文献1には、タングステンフェニルイミドテトラクロリドジエチルエーテル錯体等の、特定の置換基を有する周期表第6族遷移金属化合物を主成分とする重合触媒を用いて、ジシクロペンタジエンを開環重合すると、シクロヘキサン等の炭化水素溶媒に室温で可溶な、シス−シンジオ規則性を有するジシクロペンタジエン開環重合体が得られ、さらに、その開環重合体中の炭素−炭素二重結合を、ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウム(IV)ジクロリド及びエチルビニルエーテルの混合物等を水素化触媒として用いて水素化することによって、結晶性を有するシンジオタクチック結晶性ジシクロペンタジエン開環重合体水素化物が得られることが開示されている。また、特許文献2には、タングステンフェニルイミドビスビフェノラート錯体等の、特定の芳香族ジオキシ基を配位子として有する周期表第4〜6族の遷移金属化合物を主成分とする重合触媒を用いて、ジシクロペンタジエンを開環重合すると、シクロヘキサン等の炭化水素溶媒に室温で不溶な、結晶性を有するシス‐アイソ規則性を有するジシクロペンタジエン開環重合体が得られ、さらに、その開環重合体中の炭素−炭素二重結合を、RuHCl(CO)(PPh等を水素化触媒として用いて水素化することによって、結晶性を有するアイソタクチック結晶性ジシクロペンタジエン開環重合体水素化物が得られることが開示されている。
特開2005−089744号公報(US2007/0185290A1) 特開2013−139513号公報
本発明者が、特許文献1に具体的に記載されたシンジオタクチック結晶性ジシクロペンタジエン開環重合体水素化物について改めて検討したところによると、このシンジオタクチック結晶性ジシクロペンタジエン開環重合体水素化物は高い融点を有するものであったが、その融点は270℃前後であり、重合体を加熱した場合に260℃未満から軟化(融解)が始まるため、実質的な耐熱性は260℃未満であった。
一方で、特許文献2に具体的に記載されたアイソタクチック結晶性ジシクロペンタジエン開環重合体水素化物は、そのアイソタクティシティーは分析装置の測定精度の範囲で100%であり、その融点は295℃前後であり極めて高い融点を有するものである。しかしながら、シス‐アイソタクチック構造を有するジシクロペンタジエン開環重合体はシクロヘキサン等の炭化水素溶媒に室温で不溶であるため、工業的な生産規模での製造が困難なものであった。
そこで本発明は、融点が十分に高く耐熱性に優れ、工業生産に有利な、シンジオタクチック結晶性ジシクロペンタジエン開環重合体水素化物、及び重合反応後の溶液安定性に優れ、かつ水素化反応により、前記水素化物に転化しうるシンジオタクチックジシクロペンタジエン開環重合体、並びに、それらの効率的な製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、前記目的を達成すべく鋭意検討を行った結果、特定構造のタングステン化合物を含む重合触媒を用いてジシクロペンタジエンを開環重合すると、室温で炭化水素溶媒に可溶なジシクロペンタジエン開環重合体が得られ、このジシクロペンタジエン開環重合体中に存在する炭素−炭素二重結合を水素化することにより、融点が極めて高いシンジオタクチック結晶性ジシクロペンタジエン開環重合体水素化物が得られることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成するに至ったものである。
かくして、本発明によれば、以下の(1)のシンジオタクチック結晶性ジシクロペンタジエン開環重合体水素化物、(2)のシンジオタクチックジシクロペンタジエン開環重合体、(3)のシンジオタクチックジシクロペンタジエン開環重合体の製造方法、(4)のシンジオタクチック結晶性ジシクロペンタジエン開環重合体水素化物の製造方法、(5)のシンジオタクチック結晶性ジシクロペンタジエン開環重合体水素化物の成形体、並びに、(6)の前記成形体の製造方法が提供される。
〔1〕融点が280℃以上で、シンジオタクティシティーが90%より高い、シンジオタクチック結晶性ジシクロペンタジエン開環重合体水素化物。
〔2〕水素化反応により、前記〔1〕に記載のシンジオタクチック結晶性ジシクロペンタジエン開環重合体水素化物を生じうる、シンジオタクティシティーが90%より高い、シンジオタクチックジシクロペンタジエン開環重合体。
〔3〕下記の式(1)で表されるタングステン化合物を含んでなる重合触媒を用いて、ジシクロペンタジエンを開環重合する工程を有する、前記〔2〕に記載のシンジオタクチックジシクロペンタジエン開環重合体の製造方法。
Figure 0005896194
(式(1)中、Wはタングステン原子を表し、
及びRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数6〜12のアリール基、及び置換基を有していてもよい炭素数3〜20のシクロアルキル基から選択される基を表し、
は、炭素数1〜12のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数6〜12のアリール基、及び置換基を有していてもよい炭素数3〜20のシクロアルキル基から選択される置換基を有していてもよい窒素原子を表し、
は、少なくとも1個の窒素原子を有してなる環員数が5〜15の共役複素環基を表し、該共役複素環基は置換基を有していてもよく、
は、O−Rで示されるアルコキシ基を表し、Rは、置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基、及び置換基を有していてもよい炭素数6〜30のアリール基から選択される基を表し、
は、少なくとも2個の窒素原子を有する環員数が12〜24の中性の共役複素環配位子を表し、該共役複素環配位子は置換基を有していてもよい。)
〔4〕前記〔2〕に記載のシンジオタクチックジシクロペンタジエン開環重合体を水素化反応に供する工程を有する、前記〔1〕に記載のシンジオタクチック結晶性ジシクロペンタジエン開環重合体水素化物の製造方法。
〔5〕前記〔1〕に記載のシンジオタクチック結晶性ジシクロペンタジエン開環重合体水素化物からなる成形体。
〔6〕前記〔1〕に記載のシンジオタクチック結晶性ジシクロペンタジエン開環重合体水素化物を成形する工程を有する、前記〔5〕に記載の成形体の製造方法。
本明細書において、「置換基を有していてもよい」とは、「無置換又は置換基を有する」を意味する。
本発明によれば、融点が280℃以上と高く、かつシンジオタクティシティーが90%より高い、シンジオタクチック結晶性ジシクロペンタジエン開環重合体水素化物が提供される。
本発明は、融点が280℃以上で、シンジオタクティシティーが90%超のシンジオタクチック結晶性ジシクロペンタジエン開環重合体水素化物(以下、「本発明の結晶性ジシクロペンタジエン開環重合体水素化物」ということがある。)を提供する。
本発明の結晶性ジシクロペンタジエン開環重合体水素化物は、下記の式(2)で表される、水素化ポリ(エンド−ジシクロペンタジエン)の繰り返し単位を含むものである。
Figure 0005896194
本発明の結晶性ジシクロペンタジエン開環重合体水素化物の融点は280℃以上であり、282℃以上が好ましい。本発明において当該融点は、一旦、結晶性ジシクロペンタジエン開環重合体水素化物を十分に溶融させ、次いで十分に結晶化させた後に測定される融点である。融点の上限は、特に限定されないが、概ね310℃である。本発明において融点は、後述の実施例に記載の方法に従って測定することができる。
本発明の結晶性ジシクロペンタジエン開環重合体水素化物の融解開始温度は260℃以上が好ましく、265℃以上がより好ましい。融解開始温度の上限は、特に限定されないが、概ね310℃であり、かつ融点以下である。本発明の結晶性ジシクロペンタジエン開環重合体水素化物は融解開始温度が非常に高いものであるため、ハンダリフロー耐性等の加工性に優れる。
本発明の結晶性ジシクロペンタジエン開環重合体水素化物は、上記式(2)において、(1,4)で表される炭素が不斉炭素(*にて表示)であるため、立体規則性(タクティシティー)が存在する。
本発明の結晶性ジシクロペンタジエン開環重合体水素化物は、シンジオタクチックな立体規則性を有し、シンジオタクティシティー、すなわち、立体配置における、メソ二連子(meso diad)とラセモ二連子(racemo diad)の合計中のラセモ二連子の割合(以下、単にラセモ二連子の割合という場合がある。)が90%より高い高分子である。本発明の結晶性ジシクロペンタジエン開環重合体水素化物においては、ラセモ二連子の割合は、91%より高いことが好ましく、92%より高いことがより好ましい。
ラセモ二連子の割合が90%以下になると、シンジオタクチック結晶性ジシクロペンタジエン開環重合体水素化物の結晶性が大きく低下し、高い融点と加工性等の特徴が損なわれる。
前記シンジオタクティシティーは、具体的には、式I:〔(ラセモ二連子)/(メソ二連子+ラセモ二連子)×100(%)〕で求めることができる。ラセモ二連子の割合は、シンジオタクチック結晶性ジシクロペンタジエン開環重合体水素化物の13C−NMRスペクトルを分析することにより算出することができる。具体的には、本発明のシンジオタクチック結晶性ジシクロペンタジエン開環重合体水素化物の前記式(2)における(5,9)で表される炭素原子のスペクトルを定量することで求めることができる。すなわち、前記式(2)で表される繰り返し単位の(5,9)の炭素原子について、オルトジクロロベンゼン−d/トリクロロベンゼン〔混合比(重量基準)1/2〕混合溶媒中、200℃で13C−NMRスペクトル測定を行い、メソ二連子由来の43.35ppmのシグナルのピーク面積値と、ラセモ二連子由来の43.43ppmのシグナルのピーク面積値とを、前記式Iに代入し計算することで、ラセモ二連子の割合を決定することができる。
本発明の結晶性ジシクロペンタジエン開環重合体水素化物及びジシクロペンタジエン開環重合体は、下記式(3)で表されるジシクロペンタジエン由来の繰り返し単位を有する。
Figure 0005896194
本発明のシンジオタクチックジシクロペンタジエン開環重合体(以下、「ジシクロペンタジエン開環重合体」という場合がある。)及び結晶性ジシクロペンタジエン開環重合体水素化物は、該水素化物の耐熱性を特に良好なものとし、また、その結晶化速度を速いものとする観点から、ジシクロペンタジエン由来の繰り返し単位を多く含むものを用いることが好ましい。本発明の結晶性ジシクロペンタジエン開環重合体水素化物及びジシクロペンタジエン開環重合体における全繰り返し単位中、ジシクロペンタジエン由来の繰り返し単位が占める割合は特に限定されないが、90重量%以上であることが好ましく、95重量%以上であることがより好ましく、97重量%以上であることが特に好ましい。
本発明の結晶性ジシクロペンタジエン開環重合体水素化物は、後述するように、特定の開環重合触媒の存在下に、ジシクロペンタジエン、又はジシクロペンタジエンと他の環状オレフィン単量体を含むモノマー混合物(以下、これらをまとめて「ジシクロペンタジエン等」ということがある。)を開環重合することにより、ジシクロペンタジエン開環重合体を得たのち、このものを水素化することにより効率よく得ることができる。
ジシクロペンタジエンには、エンド体及びエキソ体の立体異性体が存在するが、そのどちらも単量体として用いることが可能であり、一方の異性体を単独で用いてもよいし、エンド体及びエキソ体が任意の割合で存在する異性体混合物を用いることもできる。結晶性ジシクロペンタジエン開環重合体水素化物の結晶性を高め、その耐熱性を特に良好なものとする観点からは、一方の立体異性体の割合を高くすることが好ましい。用いるジシクロペンタジエンは、エンド体又はエキソ体の割合が90%以上であることが好ましく、95%以上であることがより好ましく、99%以上であることが特に好ましい。なお、割合を高くする立体異性体は、合成容易性の観点から、エンド体であることが好ましい。
本発明のジシクロペンタジエン開環重合体を製造するに際しては、ジシクロペンタジエンに、他の環状オレフィン単量体を組み合わせて用いることもできる。他の環状オレフィン単量体の使用量は、ジシクロペンタジエンと他の環状オレフィン単量体の合計量に対し、10重量%未満、好ましくは3重量%未満、より好ましくは1重量%未満である。
ジシクロペンタジエンに組み合わせて用いることができる他の環状オレフィン単量体としては次のものが挙げられる。
シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロへプタン等のシクロアルケン類;
ジシクロペンタジエン又はジシクロペンタジエンの5員環部分の二重結合を飽和させたトリシクロ[4.3.12,5.0]デカ−3−エン、トリシクロ[4.4.12,5.0]ウンダ−3−エン等のジシクロペンタジエン類;
ノルボルネン、5−メチルノルボルネン、5−エチルノルボルネン、5−ブチルノルボルネン、5−ヘキシルノルボルネン、5−デシルノルボルネン、5−シクロヘキシルノルボルネン、5−シクロペンチルノルボルネン等の、無置換又はアルキル基を置換基として有するノルボルネン類;
5−エチリデンノルボルネン、5−ビニルノルボルネン、5−プロペニルノルボルネン、5−シクロヘキセニルノルボルネン、5−シクロペンテニルノルボルネン等の、アルケニル基を置換基として有するノルボルネン類;
5−フェニルノルボルネン等の、芳香環を置換基として有するノルボルネン類;
5−メトキシカルボニルノルボルネン、5−エトキシカルボニルノルボルネン、5−メチル−5−メトキシカルボニルノルボルネン、5−メチル−5−エトキシカルボニルノルボルネン、ノルボルネニル−2−メチルプロピオネイト、ノルボルネニル−2−メチルオクタネイト、ノルボルネン−5,6−ジカルボン酸無水物、5−ヒドロキシメチルノルボルネン、5,6−ジ(ヒドロキシメチル)ノルボルネン、5,5−ジ(ヒドロキシメチル)ノルボルネン、5−ヒドロキシ−i−プロピルノルボルネン、5,6−ジカルボキシノルボルネン、5−メトキシカルボニル−6−カルボキシノルボルネン等の、酸素原子を含む極性基を有するノルボルネン類;
5−シアノノルボルネン、ノルボルネン−5,6−ジカルボン酸イミド等の、窒素原子を含む極性基を有するノルボルネン類;
また、テトラシクロドデセン以外のテトラシクロドデセン類として、8−メチルテトラシクロドデセン、8−エチルテトラシクロドデセン、8−シクロヘキシルテトラシクロドデセン、8−シクロペンチルテトラシクロドデセン等の、アルキル基を置換基として有するテトラシクロドデセン類;
8−メチリデンテトラシクロドデセン、8−エチリデンテトラシクロドデセン、8−ビニルテトラシクロドデセン、8−プロペニルテトラシクロドデセン、8−シクロヘキセニルテトラシクロドデセン、8−シクロペンテニルテトラシクロドデセン等の、環外に二重結合を有するテトラシクロドデセン類;
8−フェニルテトラシクロドデセン等の芳香環を有するテトラシクロドデセン類;
8−メトキシカルボニルテトラシクロドデセン、8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロドデセン、8−ヒドロキシメチルテトラシクロドデセン、8−カルボキシテトラシクロドデセン、テトラシクロドデセン−8,9−ジカルボン酸、テトラシクロドデセン−8,9−ジカルボン酸無水物等の、酸素原子を含む置換基を有するテトラシクロドデセン類;
8−シアノテトラシクロドデセン、テトラシクロドデセン−8,9−ジカルボン酸イミド等の窒素原子を含む置換基を有するテトラシクロドデセン類;
8−クロロテトラシクロドデセン等の、ハロゲン原子を含む置換基を有するテトラシクロドデセン類;
8−トリメトキシシリルテトラシクロドデセン等の、ケイ素原子を含む置換基を有するテトラシクロドデセン類;
ヘキサシクロヘプタデセン類としては、ヘキサシクロヘプタデセン、12−メチルヘキサシクロヘプタデセン、12−エチルヘキサシクロヘプタデセン、12−シクロヘキシルヘキサシクロヘプタデセン、12−シクロペンチルヘキサシクロヘプタデセン等の、無置換又はアルキル基を置換基として有するヘキサシクロヘプタデセン類;
12−メチリデンヘキサシクロヘプタデセン、12−エチリデンヘキサシクロヘプタデセン、12−ビニルヘキサシクロヘプタデセン、12−プロペニルヘキサシクロヘプタデセン、12−シクロヘキセニルヘキサシクロヘプタデセン、12−シクロペンテニルヘキサシクロヘプタデセン等の環外に二重結合を有するヘキサシクロヘプタデセン類;
12−フェニルヘキサシクロヘプタデセン等の、芳香族基を置換基として有するヘキサシクロヘプタデセン類;
12−メトキシカルボニルヘキサシクロヘプタデセン、12−メチル−12−メトキシカルボニルヘキサシクロヘプタデセン、12−ヒドロキシメチルヘキサシクロヘプタデセン、12−カルボキシヘキサシクロヘプタデセン、ヘキサシクロヘプタデセン12,13−ジカルボン酸、ヘキサシクロヘプタデセン12,13−ジカルボン酸無水物等の、酸素原子を含む置換基を有するヘキサシクロヘプタデセン類;
12−シアノヘキサシクロヘプタデセン、ヘキサシクロヘプタデセン12,13−ジカルボン酸イミド等の窒素原子を含む置換基を有するヘキサシクロヘプタデセン類;
12−クロロヘキサシクロヘプタデセン等の、ハロゲン原子を含む置換基を有するヘキサシクロヘプタデセン類;
12−トリメトキシシリルヘキサシクロヘプタデセン等の、ケイ素原子を含む置換基を有するヘキサシクロヘプタデセン類;
テトラシクロ[6.5.12,5.01,6.08,13]トリデカ−3,8,10,12−テトラエン(1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレンともいう)、テトラシクロ[6.6.12,5.01,6.08,13]テトラデカ−3,8,10,12−テトラエン(1,4−メタノ−1,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロアントラセンともいう)等が挙げられる。
本発明の結晶性ジシクロペンタジエン開環重合体水素化物の数平均分子量(Mn)は、通常、500〜1,000,000、好ましくは1000〜600,000、より好ましくは2000〜400,000である。Mnが低すぎると機械強度が低下する場合があり、Mnが高すぎると成形が困難となる傾向がある。なお、シンジオタクチック結晶性ジシクロペンタジエン開環重合体水素化物の数平均分子量は、水素化工程前のジシクロペンタジエン開環重合体の数平均分子量とほぼ等しい。
本発明の結晶性ジシクロペンタジエン開環重合体水素化物のガラス転移点(Tg)は、80℃以上が好ましく、85℃以上がより好ましい。ガラス転移点がかかる範囲にあれば、耐熱性が良好で、例えば、荷重たわみ温度が高く、好適である。ガラス転移点の上限は、特に限定されないが、概ね120℃である。
本発明のジシクロペンタジエン開環重合体は、ジシクロペンタジエン等を、下記の式(1)で表されるタングステン化合物を含んでなる重合触媒を用いて開環重合することにより得ることができる。
Figure 0005896194
前記式(1)中、Wはタングステン原子を表す。
及びRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数6〜12のアリール基、及び置換基を有していてもよい炭素数3〜20のシクロアルキル基から選択される基を表す。
は、炭素数1〜12のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数6〜12のアリール基、及び置換基を有していてもよい炭素数3〜20のシクロアルキル基から選択される置換基を有していてもよい窒素原子を表す。
は、少なくとも1個の窒素原子を有してなる環員数が5〜15の共役複素環基を表し、該共役複素環基は置換基を有していてもよい。
は、O−Rで示されるアルコキシ基を表し、Rは、置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基、及び置換基を有していてもよい炭素数6〜30のアリール基から選択される基を表す。
は、少なくとも2個の窒素原子を有する環員数が12〜24の中性の共役複素環配位子を表し、該共役複素環配位子は置換基を有していてもよい。
すなわち、本発明の製造方法では、ジシクロペンタジエン等を開環重合させる重合触媒の重合活性成分として、上記式(1)で表されるタングステン化合物を用いるものである。
上記式(1)中、Wはタングステン原子である。
及びRはそれぞれ独立に、水素原子;メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基等の炭素数1〜12のアルキル基;シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のシクロアルキル基;又は置換基を有していてもよい炭素数6〜12のアリール基;を表す。前記置換基を有していてもよいアリール基のアリール基としては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等が挙げられる。また、シクロアルキル基及びアリール基の置換基としては、メチル基、エチル基等の炭素数1〜12のアルキル基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基等の炭素数1〜12のアルコキシ基;トリフルオロメチル基等の炭素数1〜12のハロアルキル基;トリフルオロメトキシ基等の炭素数1〜12のハロアルコキシ基;フェニル基、4−メチルフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、2−クロロフェニル基、3−メトキシフェニル基等の置換基を有していてもよい、炭素数6〜12のアリール基;等が挙げられる。
は、炭素数1〜12のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数6〜12のアリール基、及び置換基を有していてもよい炭素数3〜20のシクロアルキル基から選択される置換基を有していてもよい窒素原子を表す。
の窒素原子が有する炭素数1〜12のアルキル基は、直鎖状、分岐状のいずれのものであってもよい。その具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられる。
炭素数6〜12のアリール基としては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等が挙げられる。
炭素数3〜20のシクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基、アダマンチル基等が挙げられる。
前記Lの窒素原子が有する、炭素数3〜20のシクロアルキル基、炭素数6〜12のアリール基が有しうる置換基は特に限定されるものではない。例えば、メチル基、エチル基等の炭素数1〜12のアルキル基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基等の炭素数1〜12のアルコキシ基;トリフルオロメチル基等の炭素数1〜12のハロアルキル基;トリフルオロメトキシ基等の炭素数1〜12のハロアルコキシ基;フェニル基、4−メチルフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、2−クロロフェニル基、3−メトキシフェニル基等の置換基を有していてもよい、炭素数6〜12のアリール基;アミノ基;メチルアミノ基等のモノ置換アミノ基;ジメチルアミノ基等のジ置換アミノ基;イミノ基等が挙げられる。
置換基を有していてもよい炭素数6〜12のアリール基の具体例としては、フェニル基、2−メチルフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、ペンタフルオロフェニル基等が挙げられる。
は、少なくとも1個の窒素原子を有してなる環員数が5〜15の、置換基を有していてもよい共役複素環基を表す。
の共役複素環基としては、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、オキサゾリル基、チアゾリル基等の5員環共役複素環基;ピリジル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、トリアジニル基等の6員環共役複素環基;キナゾリニル基、フタラジニル基、ピロロピリジル基等の縮合環共役複素環基;等が挙げられる。
前記共役複素環基が有しうる置換基は特に限定されるものではない。例えば、メチル基、エチル基等の炭素数1〜12のアルキル基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基等の炭素数1〜12のアルコキシ基;トリフルオロメチル基等の炭素数1〜12のハロアルキル基;トリフルオロメトキシ基等の炭素数1〜12のハロアルコキシ基;フェニル基、4−メチルフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、2−クロロフェニル基、3−メトキシフェニル基等の置換基を有していてもよい、炭素数6〜12のアリール基;アミノ基;メチルアミノ基等のモノ置換アミノ基;ジメチルアミノ基等のジ置換アミノ基;イミノ基等が挙げられる。
は、−O−Rで示される基である。Rは、置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基、及び置換基を有していてもよい炭素数6〜30のアリール基から選択される基である。
前記Rの置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基の炭素数1〜12のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基等が挙げられる。
前記Rの炭素数1〜12のアルキル基が有しうる置換基は特に限定されるものではない。例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基等の炭素数1〜12のアルコキシ基;トリフルオロメチル基等の炭素数1〜12のハロアルキル基;トリフルオロメトキシ基等の炭素数1〜12のハロアルコキシ基;フェニル基、4−メチルフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、2−クロロフェニル基、3−メトキシフェニル基等の置換基を有していてもよい、炭素数6〜12のアリール基;アミノ基;メチルアミノ基等のモノ置換アミノ基;ジメチルアミノ基等のジ置換アミノ基;イミノ基等が挙げられる。
置換基を有していてもよい炭素数6〜30のアリール基の炭素数6〜30のアリール基としては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、アダマンチル基等が挙げられる。
前記Rの炭素数6〜30のアリール基が有しうる置換基は特に限定されるものではない。例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;メチル基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル基等の炭素数1〜12のアルキル基;シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の炭素数3〜20のシクロアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基等の炭素数1〜12のアルコキシ基;トリフルオロメチル基等の炭素数1〜12のハロアルキル基;トリフルオロメトキシ基等の炭素数1〜12のハロアルコキシ基;フェニル基、4−メチルフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、2−クロロフェニル基、3−メトキシフェニル基等の置換基を有していてもよい、炭素数6〜12のアリール基;アミノ基;メチルアミノ基等のモノ置換アミノ基;ジメチルアミノ基等のジ置換アミノ基;イミノ基等が挙げられる。
前記Lの具体例としては、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロフルオロ−2−プロポキシ基、2−メチル−2−プロポキシ基、1,1,1−トリフルオロ−2−メチル−2−プロポキシ基、1,1,1−トリフルオロ−2−トリフルオロメチル−2−プロポキシ基、2−トリフルオロメチル―2−フェニル−1,1,1−トリフルオロエトキシ基等の、Rが置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基である基;2,6−ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)フェノキシ基、2,6−ビス(2,4,6−トリイソプロピルフェニル)フェノキシ基、2,4,6−トリメチルフェノキシ基、2,3,5,6−テトラフェニルフェノキシ基等の、Rが置換基を有していてもよい炭素数6〜30のアリール基である基;が挙げられる。
は、少なくとも2個の窒素原子を有してなる環員数が12〜24の中性の共役複素環配位子である。当該配位子の具体例としては、2,2’−ビピリジル、5,5’−ジメチル−2,2’−ビピリジル、4,4’−ジメチル−2,2’−ビピリジル、4,4’−ジブロモ−2,2’−ビピリジル、2,2’−ビキノリン、1,10−フェナントロリン、ターピリジンが挙げられる。
また、前記Lの該共役複素環基は置換基を有していてもよい。該置換基としては、前記Lの共役複素環基が有しうる置換基として列記したものと同様のものが挙げられる。
本発明で用いるタングステン化合物の具体例としては、(2−トリフルオロメチル−2−フェニル−1,1,1−トリフルオロエトキシ)2,6−ジメチルフェニルイミドタングステン(VI)(2,5−ジメチルピロリド)(ネオフィリデン)(1,10−フェナントロリン)、(2−トリフルオロメチル−2−フェニル−1,1,1−トリフルオロエトキシ)フェニルイミドタングステン(VI)(2,5−ジメチルピロリド)(ネオフィリデン)(1,10−フェナントロリン)、(2−トリフルオロメチル−2−フェニル−1,1,1−トリフルオロエトキシ)2,6−ジメチルフェニルイミドタングステン(VI)(2,5−ジメチルピロリド)(ネオフィリデン)(2,2’−ビピリジン)、(2−トリフルオロメチル−2−フェニル−1,1,1−トリフルオロエトキシ)フェニルイミドタングステン(VI)(2,5−ジメチルピロリド)(ネオフィリデン)(2,2’−ビピリジン)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、重合触媒として用いるタングステン化合物は、中性の共役複素環配位子を有するものであるが、ジシクロペンタジエンの開環重合の速度を上げるために、金属塩化合物を併用しても良い。金属塩化合物を併用することにより、中性の共役複素環配位子を、周期表第6族遷移金属化合物から脱離させ、高活性な触媒種とすることが出来る。
金属塩を構成する金属原子としては、亜鉛、錫、銅、チタン、希土類等が好適である。用いられうる金属塩の具体例としては、塩化亜鉛、塩化銅、塩化錫、塩化チタン、塩化スカンジウム、塩化イットリウム等が挙げられる。
これら周期表第6族遷移金属化合物は、例えば、特表2014−520103号公報(国際公開第2012/167171号)等に記載された方法により製造することができる。また、周期表第6族遷移金属化合物として市販されているものを、所望により精製して使用することもできる。
本発明のジシクロペンタジエン開環重合体の製造方法において、ジシクロペンタジエン等を開環重合するためには、ジシクロペンタジエン等と重合触媒とを混合すればよい。
ジシクロペンタジエン等に対する重合触媒の使用量は、特に限定されるものではないが、重合触媒中のタングステン化合物:ジシクロペンタジエン等のモル比が、1:10〜1:2,000,000である範囲が好ましく、1:200〜1,000,000である範囲がより好ましく、1:500〜1:500,000である範囲が特に好ましい。重合触媒の使用量が多すぎると重合触媒の除去が困難となるおそれがあり、少なすぎると十分な重合活性が得られないおそれがある。
重合反応は無溶媒系で行うこともできるが、反応を良好にコントロールする観点からは、有機溶媒中で行うことが好ましい。この際用いられる有機溶媒は、生成される開環重合体を溶解または分散させることができ、重合反応に悪影響を与えないものであれば、特に限定されない。用いられうる有機溶媒の具体例としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、トリメチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ジエチルシクロヘキサン、デカヒドロナフタレン、ビシクロヘプタン、トリシクロデカン、ヘキサヒドロインデンシクロヘキサン、シクロオクタン等の脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン系脂肪族炭化水素;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン系芳香族炭化水素;ニトロメタン、ニトロベンゼン、アセトニトリル等の含窒素炭化水素;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル;アニソール、フェネトール等の芳香族エーテルを挙げることができる。これらの中でも、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素、エーテル、及び芳香族エーテルが好ましく用いられる。
重合反応を有機溶媒中で行う場合、反応系中の単量体の濃度は、特に限定されるものではないが、1〜50重量%であることが好ましく、2〜45重量%であることがより好ましく、3〜40重量%であることが特に好ましい。単量体の濃度が低すぎると生産性が悪くなるおそれがあり、高すぎると重合反応後の反応溶液の粘度が高くなりすぎて、その後の水素化反応が困難となるおそれがある。
重合温度は特に限定されないが、通常−30℃〜+200℃、好ましくは0℃〜180℃である。また、重合時間も特に限定されないが、通常1分間〜100時間の範囲で選択される。
重合反応を行うにあたり、得られるジシクロペンタジエン開環重合体の分子量を調整する目的で、重合反応系に、ビニル化合物またはジエン化合物を添加してもよい。
この分子量調整の目的で用いるビニル化合物は、ビニル基を有する有機化合物であれば特に限定されない。例えば、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン等のα−オレフィン類;スチレン、ビニルトルエン等のスチレン類;エチルビニルエーテル、i−ブチルビニルエーテル、アリルグリシジルエーテル等のエーテル類;アリルクロライド等のハロゲン含有ビニル化合物;酢酸アリル、アリルアルコール、グリシジルメタクリレート等酸素含有ビニル化合物;アクリルアミド等の窒素含有ビニル化合物;ビニルトリメチルシラン、アリルトリメチルシラン、ビニルトリメトキシシラン等のケイ素含有ビニル化合物;等を用いることができる。
また、分子量調整の目的で用いるジエン化合物も特に限定されない。例えば、1,4−ペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、1,6−ヘプタジエン、2−メチル−1,4−ペンタジエン、2,5−ジメチル−1,5−ヘキサジエン等の非共役ジエン;1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン等の共役ジエン;等を用いることができる。
添加するビニル化合物またはジエン化合物の量は、目的とする分子量に応じて決定すればよいが、通常、単量体として用いるジシクロペンタジエン等100モルに対して、0.1〜10モルの範囲で選択される。
本発明では、上述した式(1)で表されるタングステン化合物を含んでなる重合触媒を用いて、上述したような条件でジシクロペンタジエンの開環重合反応を行うことにより、シンジオタクチック立体規則性を有するジシクロペンタジエン開環重合体を得ることができる。
また、このシンジオタクチック構造を有するジシクロペンタジエン開環重合体を水素化反応に供することにより、シンジオタクチック立体規則性を有して且つ結晶性を有する、シンジオタクチック結晶性ジシクロペンタジエン開環重合体水素化物を得ることができる。
なお、ジシクロペンタジエン開環重合体は、反応液中から回収して水素化反応に供してもよいが、ジシクロペンタジエン開環重合体を含む反応液をそのまま水素化反応に供することもできる。
水素化反応に供するジシクロペンタジエン開環重合体のH−NMRによって測定される数平均分子量(Mn)は、特に限定されないが、1,000〜1,000,000であることが好ましく、2,000〜800,000であることがより好ましい。このような数平均分子量を有するジシクロペンタジエン開環重合体を水素化反応に供することによって、特に成形加工性と耐熱性とのバランスに優れたシンジオタクチック結晶性ジシクロペンタジエン開環重合体水素化物を得ることができる。シンジオタクチック結晶性ジシクロペンタジエン開環重合体水素化物の数平均分子量は、重合時に用いる分子量調整剤の添加量等を調節することにより、調節することができる。
水素化反応に供するジシクロペンタジエン開環重合体のH−NMRによって測定されるシス含有率は、50%より高いことが好ましく、70%より高いことがより好ましく、90%より高いことが特に好ましい。
ジシクロペンタジエン開環重合体においては、ラセモ二連子の割合が90%より高いことが好ましく、91%より高いことがより好ましく、92%より高いことが特に好ましい。シス含有率が50%より高く、ラセモ二連子の割合が90%より高いことによって、ジシクロペンタジエン開環重合体の有機溶剤に対する溶解性が高くなり、ジシクロペンタジエン開環重合体を含む反応液をそのまま水素化反応に供する製造プロセスが有利になるので、好ましい。
上記のように、本発明のシンジオタクチック結晶性ジシクロペンタジエン開環重合体水素化物の中間体として用いうる、本発明のジシクロペンタジエン開環重合体は、室温において、有機溶媒に溶解する。特に、重合反応を有機溶媒中で行い、ジシクロペンタジエン開環重合体を含む有機溶媒反応液をそのまま水素化反応に供する製造プロセスの観点から、水素化に不活性な有機溶媒に溶解することが好ましい。
本発明のジシクロペンタジエン開環重合体を溶解する溶媒としては、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、トリメチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ジエチルシクロヘキサン、デカヒドロナフタレン、ビシクロヘプタン、トリシクロデカン、ヘキサヒドロインデンシクロヘキサン、シクロオクタン等の脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン系脂肪族炭化水素;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン系芳香族炭化水素;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル;アニソール、フェネトール等の芳香族エーテル;等が挙げられる。
本発明の結晶性ジシクロペンタジエン開環重合体水素化物の製造方法は、以上のようにして得られたジシクロペンタジエン開環重合体が存在する系に、(a)水素化剤を添加し、次いで加熱し反応させることにより、もしくは、(b)水素化触媒を添加し、次いで水素を添加して、ジシクロペンタジエン開環重合体中に存在する炭素−炭素二重結合を水素化することにより、シンジオタクチック結晶性ジシクロペンタジエン開環重合体水素化物を得るものである。これらの中でも、工業的な製造の観点からは、(b)の水素化触媒と水素ガスを用いて水素化を行うことが好ましい。
本発明の結晶性ジシクロペンタジエン開環重合体水素化物の製造方法を実施するに際し、前記(a)では、水素移動型水素化反応(transfer hydrogenation)に対する水素化剤としてのヒドラジン含有化合物を用いて、ジシクロペンタジエン開環重合体に含まれる炭素−炭素二重結合を水素化することが好ましい。
水素移動型水素化反応(transfer hydrogenation)に対する水素化剤として用いられる化合物は、特に限定されない。ジシクロペンタジエン開環重合体水素化物に対する水素化剤として用いられる化合物は、水素化触媒として用いられるものであってもよい。水素化剤の具体例としては、ヒドラジン、パラトルエンスルホニルヒドラジド等が挙げられる。
本発明において、前記(b)で用いられる水素化触媒は、開環重合体の水素化触媒として従来公知のものを使用することができる。その具体例としては、RuHCl(CO)(PPh、RuHCl(CO)[P(p−Me−Ph)、RuHCl(CO)(PCy、RuHCl(CO)[P(n−Bu)、RuHCl(CO)[P(i−Pr)、RuH(CO)(PPh、RuH(CO)[P(p−Me−Ph)、RuH(CO)(PCy、RuH(CO)[P(n−Bu)RuH(OCOCH)(CO)(PPh、RuH(OCOPh)(CO)(PPh、RuH(OCOPh−CH)(CO)(PPh、RuH(OCOPh−OCH)(CO)(PPh、RuH(OCOPh)(CO)(PCy、ラネーニッケル、ニッケル珪藻土、酢酸ニッケル、酢酸パラジウム、PdCl、RhCl(PPh)等が挙げられる。
水素化反応は、通常、不活性有機溶媒中で行う。用いられうる不活性有機溶媒としては、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、トリメチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ジエチルシクロヘキサン、デカヒドロナフタレン、ビシクロヘプタン、トリシクロデカン、ヘキサヒドロインデンシクロヘキサン、シクロオクタン等の脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン系脂肪族炭化水素;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン系芳香族炭化水素;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル;アニソール、フェネトール等の芳香族エーテル;等が挙げられる。
本発明の結晶性ジシクロペンタジエン開環重合体水素化物の製造方法では、好ましくは、ジシクロペンタジエン開環重合体、及び水素化触媒が存在している系に、さらに水素を添加することにより、ノルボルネン系開環重合体中に存在する炭素−炭素二重結合を水素化する。水素化反応は、使用する水素化触媒系によっても適する条件範囲が異なるが、反応温度は通常−20℃〜+250℃、好ましくは−10℃〜+220℃、より好ましくは0℃〜200℃である。水素化温度が低すぎると反応速度が遅くなりすぎる場合があり、高すぎると副反応が起こる場合がある。触媒的水素化反応の場合、水素圧力は、通常0.01〜20MPa、好ましくは0.05〜15MPa、より好ましくは0.1〜10MPaである。水素圧力が低すぎると水素化速度が遅くなりすぎる場合があり、高すぎると高耐圧反応装置が必要となる点において装置上の制約が生じる。反応時間は所望の水素化率とできれば特に限定されないが、通常0.1〜10時間である。水素化反応後は、常法に従って目的の結晶性ノルボルネン系開環重合体水素化物を回収すればよく、重合体の回収にあたっては、ろ過等の手法により、触媒残渣を除去することができる。
開環重合体の水素化反応における水素化率(水素化された主鎖二重結合の割合)は、特に限定されないが、好ましくは98%以上、より好ましくは99%以上、特に好ましくは99.5%以上である。水素化率が高くなるほど、最終的に得られるシンジオタクチック結晶性ジシクロペンタジエン開環重合体水素化物の耐熱性が良好なものとなる。
また、シンジオタクチック結晶性ジシクロペンタジエン開環重合体水素化物の立体規則性は、水素化物が結晶性を有するもの(すなわち、融点が280℃以上)であってシンジオタクチック(ラセモ二連子の割合が90%より高い)となる限りにおいて、特に限定されるものではないが、ジシクロペンタジエンの繰り返し単位についてのラセモ二連子の割合が、91%より高いものも可能である。
本発明の製造方法により得られる、シンジオタクチック結晶性ジシクロペンタジエン開環重合体水素化物は、融点及び融解開始温度が高いものである。したがって、このシンジオタクチック結晶性ジシクロペンタジエン開環重合体水素化物は、溶融成形により成形を行った後も優れた耐熱性を示すものであるといえ、耐熱性が要求される成形体の材料として特に好適に使用することができる。当該成形体は公知の方法に従って製造可能である。
成形体の用途としては、特に限定されるものではないのが、例えば、光反射体、絶縁材料、光学フィルム、コネクター、食品包装材、ボトル、パイプ、ギヤー類、繊維・不織布等を挙げることができる。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
なお、各例における測定や評価は、以下の方法により行った。
(1)ジシクロペンタジエン開環重合体の数平均分子量
H−NMR測定に基づき、重合体鎖末端に存在する水素原子の数と末端以外の重合体鎖中に存在する水素原子の数の比を求め、その比に基づいてジシクロペンタジエン開環重合体の数平均分子量を算出した。
(2)ジシクロペンタジエン開環重合体のシス/トランス含有率
H−NMR測定に基づいて求めた。
(3)ジシクロペンタジエン開環重合体の水素化反応における水素化率
H−NMR測定に基づいて求めた。
(4)シンジオタクチック結晶性ジシクロペンタジエン開環重合体水素化物の融点及び融解開始温度
ジシクロペンタジエン開環重合体水素化物を320℃で10分間加熱して溶融させ、次いで10℃/分で降温して室温まで冷却させて結晶化させた後、示差走査熱量計を用いて、10℃/分で昇温して測定した。昇温測定時に観測される吸熱ピークにおいて、吸熱(結晶融解)熱量が最も大きくなる温度を融点とし、吸熱ピークの開始温度を融解開始温度として、求めた。
(5)シンジオタクチック結晶性ジシクロペンタジエン開環重合体水素化物のラセモ二連子の割合
オルトジクロロベンゼン−d/トリクロロベンゼン(混合比(重量基準)1/2)を溶媒として、200℃で13C−NMR測定を行い、メソ二連子由来の43.35ppmのシグナルのピーク面積値と、ラセモ二連子由来の43.43ppmのシグナルのピーク面積値と、に基づいて決定した。
(6)シンジオタクチック結晶性ジシクロペンタジエン開環重合体水素化物のハンダ浸漬評価
試料となるシンジオタクチック結晶性ジシクロペンタジエン開環重合体水素化物を320℃で10分間の加熱により加熱溶融して10mm×100mm×1mmの形状に成形し、次いで10℃/分で降温して室温まで冷却させて得たサンプル片を、260℃のハンダに20秒間浸漬し、その変形の有無を以下の基準に従って評価した。視認できる変形を生じさせないものは耐熱性に優れるといえる。
〔評価基準〕
○:視認できる変形なし
×:視認できる変形あり
(7)シンジオタクチック結晶性ジシクロペンタジエン開環重合体水素化物のカール値
ハンダ浸漬評価を行ったサンプル片の端面を水平面に設置し、このサンプル片の長軸方向の逆側の端面と水平面との距離を測定し、その値をカール値とした。カール値が小さいものほど耐熱性に優れるといえる。
〔合成例1〕(触媒(A)の合成)
Figure 0005896194
ビスピロリド前駆体である、W(CHCMePh)(NArdiMe)(MePyr)(ここで、Meはメチル基を表し、Phはフェニル基を表し、ArdiMeは、2,6−ジメチルフェニル基を表し、MePyrは、2,5−ジメチルピロールを表す。)312mg(0.5ミリモル)をベンゼン5mlに溶解させ、そこへ、α、α−ビストリフルオロメチルベンジルアルコール〔Ph(CFCOH〕84μl(0.5ミリモル)を加え、全容(反応混合物)を室温(20℃)で30分間撹拌した。次いで、1,10−フェナントロリン90mg(0.5ミリモル)を加え、全容を室温(20℃)で1時間撹拌した後、反応混合物をフリーザー中に移した。反応混合物にペンタン10mlを加えて、反応生成物を定量的に沈殿させた。反応生成物をオレンジ色の固体として濾取した。このものをペンタンで洗浄し、乾燥させた。収量は480mgであった(定量的)。
得られた固体のH−NMR、13C−NMR、19F−NMRスペクトルにより、このものは、(2−トリフルオロメチル−2−フェニル−1,1,1−トリフルオロエトキシ)−2,6−ジメチルフェニルイミドタングステン(VI)(2,5−ジメチルピロリド)(ネオフィリデン)(1,10−フェナントロリン)と同定された。
〔実施例1〕
攪拌機付きガラス反応器に、合成例1で得た(2−トリフルオロメチル−2−フェニル−1,1,1−トリフルオロエトキシ)−2,6−ジメチルフェニルイミドタングステン(VI)(2,5−ジメチルピロリド)(ネオフィリデン)(1,10−フェナントロリン)0.072g(1/500 モル/モル)、及びトルエン1gを添加し、次いで、ジシクロペンタジエン5.0g、シクロヘキサン20.0g及び1−ヘキセン0.21gを添加し、さらに無水塩化亜鉛0.0105gを1,4−ジオキサン5gに溶解したものを添加して、50℃において重合反応を行った。重合反応開始後、速やかに1,10−フェナントロリン亜鉛の白色の濁りが生成した。3時間反応させた後、重合反応液に大量のアセトンを注いで沈殿物を凝集させ、凝集物を濾別洗浄後、40℃で24時間減圧乾燥した。得られたジシクロペンタジエン開環重合体の収量は4.3gであり、数平均分子量は14,000で、シス含有率は97%であった。
次に、攪拌機付きガラス反応器に、得られたジシクロペンタジエン開環重合体2.5g及びパラトルエンスルホニルヒドラジド21gを加えた。そして、パラキシレン500mlを添加し、125℃で5時間水素化反応を行った。この水素化反応液を多量のメタノールに注いで、生成したジシクロペンタジエン開環重合体水素化物を完全に析出させ、濾別洗浄後、40℃で24時間減圧乾燥した。
得られた開環重合体水素化物の水素化率は99%以上であり、ラセモ二連子の割合は92%であった。当該水素化物の融点を測定したところ、融点は282℃であり、融解熱量は53J/gであり、融解開始温度は275℃であった。また、当該水素化物について、ハンダ浸漬評価及びカール値の測定を行った。それらの結果を表1に示す。
〔実施例2〕
攪拌機付きオートクレーブに、実施例1で得られたジシクロペンタジエン開環重合体の重合混合物1.75g及びシクロヘキサン47gを加えた。そして、シクロヘキサン10mlにRuHCl(CO)(PPh0.00157gを分散させたものをさらに添加し、水素圧4.0MPa、160℃で8時間水素化反応を行った。この水素化反応液を多量のアセトンに注いで生成した開環重合体水素化物を完全に析出させ、濾別洗浄後、40℃で24時間減圧乾燥した。
得られた開環重合体水素化物の水素化率は99%以上であり、ラセモ二連子の割合は92%であった。当該水素化物の融点を測定したところ、融点は284℃であり、融解熱量は52J/gであり、融解開始温度は274℃であった。また、当該水素化物について、ハンダ浸漬評価及びカール値の測定を行った。それらの結果を表1に示す。
Figure 0005896194
表1から明らかなように、本発明のシンジオタクチック結晶性ジシクロペンタジエン開環重合体水素化物は、融点と溶融開始温度が高く耐熱性に優れ、ハンダに接触しても熱変形しない、ハンダリフロー等の実装が可能な材料であった(実施例1、2)。
したがって、本発明によれば、融点と溶融開始温度が高く溶融後の耐熱性に優れ、ハンダに接触しても熱変形しない、シンジオタクチック結晶性ジシクロペンタジエン開環重合体水素化物を得ることができるといえる。

Claims (6)

  1. 融点が280℃以上で、シンジオタクティシティーが90%より高い、シンジオタクチック結晶性ジシクロペンタジエン開環重合体水素化物。
  2. 融解開始温度が260℃以上である、請求項1に記載のシンジオタクチック結晶性ジシクロペンタジエン開環重合体水素化物
  3. 水素化反応により、請求項1又は2に記載のシンジオタクチック結晶性ジシクロペンタジエン開環重合体水素化物を生じうる、シンジオタクティシティーが90%より高い、シンジオタクチックジシクロペンタジエン開環重合体。
  4. 下記の式(1)で表されるタングステン化合物を含んでなる重合触媒を用いて、ジシクロペンタジエンを開環重合する工程を有する、請求項3に記載のシンジオタクチックジシクロペンタジエン開環重合体の製造方法。
    Figure 0005896194
    (式(1)中、Wはタングステン原子を表し、
    及びRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数6〜12のアリール基、及び置換基を有していてもよい炭素数3〜20のシクロアルキル基から選択される基を表し、
    は、炭素数1〜12のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数6〜12のアリール基、及び置換基を有していてもよい炭素数3〜20のシクロアルキル基から選択される置換基を有していてもよい窒素原子を表し、
    は、少なくとも1個の窒素原子を有してなる環員数が5〜15の共役複素環基を表し、該共役複素環基は置換基を有していてもよく、
    は、O−Rで示されるアルコキシ基を表し、Rは、置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基、及び置換基を有していてもよい炭素数6〜30のアリール基から選択される基を表し、
    は、少なくとも2個の窒素原子を有する環員数が12〜24の中性の共役複素環配位子を表し、該共役複素環配位子は置換基を有していてもよい。)
  5. 請求項3に記載のシンジオタクチックジシクロペンタジエン開環重合体を水素化反応に供する工程を有する、請求項1又は2に記載のシンジオタクチック結晶性ジシクロペンタジエン開環重合体水素化物の製造方法。
  6. 請求項1又は2に記載のシンジオタクチック結晶性ジシクロペンタジエン開環重合体水素化物からなる成形体。
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