JP5894485B2 - 易引裂性粗面化二軸延伸ポリエステルフィルム - Google Patents

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本発明は、流れ方向(MD)の表面粗さが制御された、磁気テープ、コンデンサー、包装などの分野で有用な、易引裂性粗面化二軸延伸ポリエステルフィルムに関するものである。
ポリエチレンテレフタレートに代表される二軸延伸ポリエステルフィルムは、優れた物理的、化学的性質を有するため、磁気記録材料、包装材料、感光材料、各種写真材料などの多くの用途に使用されている。これらのポリエステルフィルムはその用途に応じて要求特性が異なり、製造、加工時の工程通過性、取り扱い時の作業性、筆記性などの観点から、表面を粗面化することが必要である。
フィルム表面を粗面化する方法として、特許文献1には、熱可塑性ポリエステル樹脂90〜96質量%と非晶質ポリアミド樹脂のようなガラス転移温度(Tg)の高い熱可塑性樹脂10〜4質量%からなる二軸延伸粗面化フィルムとその製造法が開示されている。
二軸延伸ポリエステルフィルムは装置や製造技術の進歩により、生産ラインの高速化やフィルム広幅化(たとえば5m以上)が可能である。一方で、延伸機が大型化するほど均一な物性を有する延伸フィルムを製造することが困難となる。延伸フィルムにおける幅方向の曇度の最高値をHmax、Hmax以外の幅方向の他部位の曇度をHとしたとした場合、曇度Hの位置に対応するフィルムの延伸開始点(予熱ゾーンと延伸ゾーンの境界点)における温度をHmaxの位置に対応するフィルムの延伸開始点の温度より高く調節して同時二軸延伸することにより、延伸フィルムの幅方向の曇度を均一化出来ることは特許文献2に開示されている。しかしながらこの方法で曇度が均一化されるのは幅方向のみであり、MD方向に8%程度の曇度変動が発生する。
特開平6−206291号公報 特開平10−211649号公報
本発明の課題は、粗面化二軸延伸ポリエテルフィルムにおける上記の問題点を解決すべくなされたものである。
本発明者は上記課題を解決するために鋭意検討した結果、従来組成の粗面化二軸延伸ポリエステルフィルムに、ポリテトラメチレングリコール単位を含有したポリブチレンテレフタレートを適量混入させることで、流れ方向(MD)の曇度ムラが低減できることを見出し、本発明に到達した。その要旨は以下の通りである。
熱可塑性ポリエステル樹脂(A)58〜89質量部、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)より高いガラス転移温度を有する非晶質ポリアミド(B)6〜12質量部、及びポリテトラメチレングリコール単位5〜20質量%を含有したポリブチレンテレフタレート(C)5〜30質量部を混合して(A)〜(C)の合計を100質量部とした原料を用いて製造したフィルムであって、流れ方向(MD)100m毎に測定した曇度の変動率が3%以下であることを特徴とする易引裂性粗面化二軸延伸ポリエステルフィルム。
本発明によれば、粗面化二軸延伸ポリエステルフィルムにおいて変性PBTを所定量配合することにより、引裂直進性の発現のみならず、流れ方向の曇度ムラが低減され粗面が均質化できるという予想外の顕著な効果が得られ、本発明の産業上の利用価値は高い。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明において用いられる熱可塑性ポリエステル樹脂(A)は、ジカルボン酸、ジオール、オキシカルボン酸等の重縮合体である。
ジオール成分としては、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなど、またジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などが挙げられる。オキシカルボン酸としては、p−オキシ安息香酸などが挙げられる。
具体的な熱可塑性ポリエステル樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリ−1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート(PCT)、ポリ−p−エチレンオキシベンゾエート(PEBO)及びこれらの共重合体、あるいは混合物が好ましく用いられる。
好ましく用いられる熱可塑性ポリエステル樹脂(A)のTgは、示差熱分析(DSC)法により測定され、PETは約70℃、PBTは約50℃、PENは約120℃、PCTは約95℃、PEBOは約60℃がそれぞれ一般的な値である。
非晶質ポリアミド(B)は、前記熱可塑性ポリエステル樹脂(A)より高いTgを有していることが必要であり、更に0.1mN/m以上異なる臨界表面張力を有する熱可塑性樹脂であることが好ましい。このTg、及び臨界表面張力の値に対する要求は次の理由による。すなわち、前記所定のTg値と臨界表面張力値を満たす範囲内であれば、非晶質ポリアミド(B)は溶融混合されることにより熱可塑性ポリエステル樹脂(A)が海成分となり、非晶質ポリアミド(B)が島成分を形成しやすくなる。すなわち、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)中において非晶質ポリアミド(B)が粒子状に分散した組成物となり、これがフィルム状に押出され、さらに延伸されて粗面化フィルムとなる。非晶質ポリアミド(B)の臨界表面張力が熱可塑性ポリエステル樹脂(A)の臨界表面張力と同程度か近似した値であると、相溶性が認められてフィルムの粗面化が不十分となる。また、非晶質ポリアミド(B)のTgが熱可塑性ポリエステル樹脂(A)のそれより低いと、延伸に際して熱可塑性ポリエステル樹脂(A)と一緒に塑性変形し、非晶質ポリアミド(B)が核となり得ず、フィルム表面の突起が発生しにくい。熱可塑性ポリエステル樹脂(A)と非晶質ポリアミド(B)の臨界表面張力の差は、好ましくは0.1mN/m以上、更に好ましくは0.5mN/m以上である。また、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)と非晶質ポリアミド(B)とのTgの差は、好ましくは10℃以上、更に好ましくは20℃以上である。
非晶質ポリアミド(B)は、温度280℃、剪断速度10sec−1における溶融粘度が50〜5000Pa・sの範囲にあることが好ましい。溶融粘度が50Pa・s未満の場合、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)のマトリックスに分散する非晶質ポリアミド(B)の粒子が小さくなり、フィルム表面突起形成度及び隠蔽性が不十分となる。一方、5000Pa・sを超える場合、分散する非晶質ポリアミド(B)の粒子が大きくなりすぎ、操業性が悪化したり、得られるフィルムの物性が損なわれたりする。
熱可塑性ポリエステル樹脂(A)中に分散される非晶質ポリアミド(B)の形態は球状であることが望まれ、好ましくは平均粒径が0.5〜6.0μmの範囲、更に好ましくは1.0〜5.0μmの範囲となるようにするのがよい。
本発明の粗面化フィルムにおいては、非晶質ポリアミド(B)が核となってフィルム表面に微細突起を形成させており、フィルムの表面粗さは中心面平均粗さSRaで0.05〜0.12μmの範囲、十点平均粗さ(SRz)で0.8〜2.5μmの範囲、好ましくは1.00〜2.00μmの範囲である。SRaが0.05μm以下、SRzが0.8μm以下では、フィルム表面の突起形成度及び隠蔽性が不十分となり、SRaが0.3μm以上、SRzが2.5μm以上ではフィルムの品位及び機械的性能が不十分となる。
なお非晶質ポリアミド(B)のTgは高いほど、粗面化効果を発揮しやすいが、重縮合あるいは溶融成形時の加工性を考慮して200℃以下であることが好ましい。
非晶質ポリアミド(B)の組成は特に限定されないが、たとえば、ジアミン成分としてヘキサメチレンジアミン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロへキシルメタン)を、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸、イソフタル酸を用いたものを好ましく使用することができる。市販品としては、EMS社製のグリボリーXE3038や、XE3653、TR55のようなものを例示することができる。
本発明における、ポリテトラメチレングリコール(PTMG)単位5〜20質量%を含有したポリブチレンテレフタレート(C)(以下、変性PBTと呼ぶ。)は、PBTとPTMGを共重合することによって得られる。
本発明に用いる変性PBTは、テレフタル酸(又はテレフタル酸ジメチル)と1,4−ブタンジオールを重縮合させて得られる一般的なPBTに、適量のPTMGを共重合させることにより得られる。変性PBT中のPTMG単位の含有量は5〜20質量%、好ましくは10〜20質量%、更に好ましくは10〜15質量%である。PTMGの含有量が5質量%未満の場合には、得られるフィルムの機械的強度、寸法安定性、曇度などの性能が低下し、また、安定したフィルムの引裂直進性を得ることが困難となる。また、PTMGの含有量が20質量%を超える場合には、特に量産スケールで生産した場合に押し出し時にフィルムが脈動する現象(いわゆるバラス現象)が発現することがあり、フィルムの厚みムラが大きくなってしまう。
本発明において用いられるPTMGの分子量は、好ましくは600〜4000、更に好ましくは1000〜3000である。分子量が600未満の場合にはフィルムの機械特性が低下し、4000を超える場合には、フィルムの延伸が困難となる傾向がある。
本発明におけるポリエステルフィルムを製造するためには、フィルム原料合計100質量部における熱可塑性ポリエステル樹脂(A)、非晶質ポリアミド(B)、変性PBT(C)の混合比率を、(A)=58〜89質量部、(B)=6〜12質量部、(C)=5〜30質量部とすることが必要であり、好ましくは(A)=70〜82質量部、(B)=6〜12質量部、(C)=12〜18質量部の範囲とするのがよい。変性PBT(C)混合比率が5質量部未満の場合には引裂直進性が得られず、30質量部を超える場合には、機械的強度、寸法安定性、曇度などの性能が低下して、実用性能に問題が生じると共に、厚みムラも大きくなって引裂直進性も低下する。更に変性PBT混合比率が5質量部未満の場合においては、スクリューフィーダー添加による混練ムラの軽減度合いが不十分であり、MD方向の曇度変動は大きいままである。また、非晶質ポリアミド(B)が6質量部未満の場合は粗面化が不十分であり、フィルムに十分な曇度を付与することが出来ない。反対に12質量部を超えると粗面化が顕著になり、曇度が高すぎるフィルムとなる。
本発明においては、まず熱可塑性ポリエステル樹脂(A)、非晶質ポリアミド(B)、変性PBT(C)を所定の割合で混合したものを用いて、常法によって未延伸フィルムを製膜する。すなわち、前記(A)〜(C)の混合物を単軸あるいは二軸の押出機で溶融混練して非晶質ポリアミド(B)、変性PBT(C)を熱可塑性ポリエステル樹脂(A)中に微分散させ、Tダイから膜状に押し出してキャスティングローラーで冷却する。このようにして得られた未延伸フィルムは表面の凹凸が比較的滑らかであるが、二軸延伸されることにより凹凸が発現する。この際、延伸温度は熱可塑性ポリエステル樹脂(A)のTgないし非晶質ポリアミド(B)のTgの範囲内の温度であることが好ましい。熱可塑性ポリエステル樹脂(A)のTgより低い温度では延伸性が悪く、非晶質ポリアミド(B)のTgより高い温度では良好な表面凹凸が発現しにくい。二軸延伸は縦横に各々1.5倍以上延伸することが好ましい。また延伸によるフィルムの厚さは非晶質ポリアミド(B)の分散粒子径以上であることが好ましく、6〜25μmの範囲、好ましくは10〜20μmの範囲である。フィルムの厚さが25μm以上になると曇度が大きくなる。フィルムの延伸方法は特に限定されないが逐次二軸延伸、同時二軸延伸などが適用でき、それに用いる延伸装置としてはテンター式横延伸などが適用できる。また本発明のフィルムのMD方向100m毎に測定した曇度の変動率は3%以下であり、更に引裂直進性を有していることが必要である。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
〔参考例1:熱可塑性ポリエステル樹脂の合成〕
ビス(β−ヒドロキシエチル)テレフタレート及び/またはそのオリゴマーの存在するエステル化反応装置にテレフタル酸とエチレングリコールのスラリー(エチレングリコール/テレフタル酸モル比1.6)を連続的に供給し、250℃常圧下で滞留時間6時間にてエステル化反応を行い、エステル化生成物を連続的に得た。次にこれを100質量部重合槽に移送し、280℃に加熱した。このときポリエステルを構成する全酸成分1モルに対して酢酸マグネシウムを2×10−4モル、触媒として酸成分1モルに対して三酸化アンチモン2×10−4モルをそれぞれ添加し、減圧を開始すると共に重縮合反応させることでポリエチレンテレフタレート(PET)を得た。
フェノールと四塩化エタンとの等質量混合物を溶媒とし、温度20℃で測定したこの樹脂の極限粘度は0.78、臨界表面張力は41mN/m、Tgは70℃であった。
〔参考例2:非晶質ポリアミド1の合成〕
イソフタル酸45モル%、テレフタル酸5モル%、ヘキサメチレンジアミン42.5モル%、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロへキシルメタン)7.5モル%、酢酸0.015モル%の割合の原料10質量部を8質量部の純水と共に反応槽に仕込み、窒素で数回反応槽内の空気をパージした。温度を90℃まで上昇させ、約5時間反応させたのち、加圧下(1800kPa)で槽内を撹拌しつつ反応温度を10時間かけて280℃まで徐々に上昇させた。ついで、放圧し大気圧まで圧力を下げたのち、更に同じ温度で6時間重合を行った。反応終了後、反応槽からナイロンを払い出し、切断してペレットを得た。得られた非晶質ポリアミド1のTgは150℃、臨界表面張力は46mN/mであった。
〔参考例3:非晶質ポリアミド2の合成〕
参考例2において、原料の割合を、50モル%のヘキサメチレンジアミン、20モル%のビス(3‐メチル‐4‐アミノ‐シクロヘキシル)メタン、10モル%のイソフタル酸、および20モル%のラウリルラクタムとした以外は同様の操作を行って、Tgが45℃の非晶質ポリアミド2を得た。
〔参考例4:変性PBTの合成〕
ジメチルテレフタレート194質量部、1,4−ブタンジオール108質量部、及びテトラブチルチタネート80ppm(ポリマーに対するチタン金属の質量に換算した数値)を加え、150℃から210℃に加熱昇温しながら2.5時間エステル交換反応を行った。得られたエステル交換反応生成物85質量部を重合缶に移送し、テトラブチルチタネートを40ppm添加した後、分子量1100のPTMGを15質量部添加して減圧を開始し、最終的に1hPaの減圧下で210℃から昇温し、最終的に245℃の温度で溶融重合して相対粘度1.60(溶媒:テトラクロロエタン:フェノール=50:50(質量比))のPTMG共重合PBTを得た。
次に、実施例および比較例の評価に用いた測定方法を以下に示す。
(a)曇度測定
日本電色工業社製のヘーズメーター(NDH−2000)を用い、ASTM D1003−61に準拠して、流れ方向(MD)100m毎にフィルムの幅方向の中央部 について測定を行った。実用的な曇度の範囲は40〜60%程度であり、好ましくは45〜55%である。
なお、変動率は、流れ方向のすべての測定個所の最大値、最小値、平均値により、下記式により算出した。
変動率=(最大値−最小値)/平均値×100(%)
(b)引裂直進性
フィルムロール両端部より、それぞれMD方向が長手となるようにA4サイズにサンプリングし、サンプル端部からTD方向20mm毎に50mmの切込みを3点入れる。この切込みの片側をロードセルのチャック部に把持させ、MD水平方向より30°の方向に引張速度2.5m/minにて150mm引裂いた時のTDズレ量を測定した。1サンプルにつき右手前方向3点と左手前方向3点の計6点を測定し、その平均値を測定値とした。測定値が3mm未満であるものを引裂直進性有り(○)、3mm以上のものを引裂直進性無し(×)と判断した。
(c)ガラス転移温度
示差走査熱量分析装置(パーキン・エルマー社製)を用いて測定を行った。粉砕した試験片を5mg〜10mg、所定のアルミセルにはみ出さないように入れ密閉し、測定用の試料とした。測定範囲は50℃から270℃、昇温速度は20℃/minとした。昇温過程で最初に見える吸熱ピークの温度を読み取り、その温度をガラス転移温度(Tg)とした。
(d)臨界表面張力
表面張力(γ)が既知の同系列液体を用いて固体表面の接触角(Θ)をそれぞれ測定し、固/液の接触角でcosΘ=1を与えるγの値を、臨界表面張力とした。
接触角の測定には、協和界面科学(株) 製のContact-Angle-Meterを用いた。注射器で試薬を吸い、加圧して所定の大きさに膨らませ、膨らんだ液状試薬に試料を接触させ、ゆっくりと離脱させた。離脱後、水滴端部での接線を引き、角度(Θ)を読み取る操作をcosΘ=1となるまで続け、そのときのγの値を臨界表面張力とした。
実施例1
参考例4で調製した変性PBT15.0質量部、参考例1で調製したPET77.0質量部、参考例2で調製した「非晶質ポリアミド1」8.0質量部の混合物を単軸押出機に供給し、温度280℃で溶融混練し、90mmφ押出機を用いてTダイより押し出し、厚さ120μm、幅1.5mの未延伸フィルムを得た。次にこの未延伸フィルムに同時二軸延伸機を用い、温度90℃で延伸倍率を縦3.0.倍、横3.3.倍として二軸延伸し、8000mロールに巻き取った。このとき、延伸開始点のフィルムの温度は全幅に渡って90℃であった。得られた二軸延伸ポリエステルフィルムロールの曇度をMD方向100m毎に81点測定した結果、変動率が3%以下であった。
実施例2〜6、比較例1〜7
PET、非晶質ポリアミド1、変性PBTの混合比を表1に記載した値に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行って二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。なお、共重合比率の異なる変性PBTは、参考例3と同様の合成方法において、エステル交換生成物とPTMGの比率を変更することによって得た。
実施例7
Tgが実施例1〜6よりも高い非晶質ポリアミドとして、EMS社製のTR55(Tg155℃)を用いたこと以外は、実施例1に準じた条件、方法で二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。
比較例8
非晶質ポリアミド1に代えて、非晶質ポリアミド2を用いたこと以外は、実施例1に準じた条件、方法で二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。
上記の実施例及び比較例で得られた二軸延伸ポリエステルフィルムの特性値をまとめて表1に示す。
実施例の組成では引裂直進性が良好で、且つ曇度変動の小さい易引裂性粗面化二軸延伸ポリエステルフィルムが得られる。
これに対して変性PBT未添加である比較例1の組成で作製した二軸延伸ポリエステルフィルムは、引裂直進性を有しておらず、曇度変動も各実施例の3倍程度の大きさとなった。
比較例2、3の組成に関しては、変性PBT添加効果により曇度変動は抑制されるが、引裂直進性は実施例に劣る。
変性PBT中のPBTとPTMGの混合比を変更した比較例4、5の組成に関しては、引裂直進性、曇度変動率ともに実施例に劣る。
非晶質ポリアミド添加量を変化させた比較例6、7の組成に関しては易引裂を有しており、曇度変動も抑制されていたが、曇度レベルが許容範囲外であった。
Tgが熱可塑性ポリエステル樹脂よりも低い非晶質ポリアミドを用いた比較例8の組成に関しても、上記の比較例6、7と同様の結果になった。

Claims (2)

  1. 熱可塑性ポリエステル樹脂(A)58〜89質量部、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)より高いガラス転移温度を有する非晶質ポリアミド(B)6〜12質量部、及びポリテトラメチレングリコール単位5〜20質量%を含有したポリブチレンテレフタレート(C)5〜30質量部を混合して(A)〜(C)の合計を100質量部とした原料を用いて製造したフィルムであって、流れ方向(MD)100m毎に測定した曇度の変動率が3%以下であることを特徴とする易引裂性粗面化二軸延伸ポリエステルフィルム。
  2. MD100m毎に測定した曇度の平均値が40〜60%である、請求項1記載の易引裂性粗面化二軸延伸ポリエステルフィルム。
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