JP5892612B2 - 疾患の処置に有用な新規のmek阻害剤 - Google Patents

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Description

関連出願の相互参照
本出願は、2009年10月13日に出願された米国仮特許出願第61/250,936号明細書の利益を主張するものである。
本発明は、***促進因子活性化タンパク質(MAP)キナーゼ、具体的にはMEK1およびMEK2の新規な阻害剤、およびRAF/MEK/ERK経路の阻害作用を介したそうした阻害に関連する病状の処置に関する。
***促進因子活性化タンパク質キナーゼ(MAPK)は、多くの癌に関係している。MAPKは、様々な外部刺激(たとえば、***促進因子および増殖因子)により活性化されて細胞内でその作用を発現し、タンパク質のセリン/トレオニン残基を特異的にリン酸化する。MAPKの活性化は、細胞の多くの機能を制御し、細胞増殖、生存、アポトーシス、分化、増殖および遺伝子発現などの生理学的影響を有する。(1)
MEK1および2は、上流のRAS−RAFおよび下流のERKを含む古典的MAPK−カスケードの中の2つのヒトキナーゼである。ERKのリン酸化を引き起こすこのシグナル伝達カスケードは、癌病理学において広範囲に研究されている。リン酸化されたERKは、核に移行し、いくつかの転写因子を活性化して細胞生存および増殖に必要な多くの遺伝子の発現を誘導する。(2)MEKには、ERK1およびERK2のみをリン酸化する非常に高度な選択性が与えられているため、その阻害を標的とすることは、抗癌剤発見の魅力的な戦略となる。(3)
さらに、PD98059およびU0126など既知のMEK阻害剤の作用機序は、ATP非競合的(アロステリック部位への結合)であるため、診療所での副作用が最も少ない可能性がある。現在臨床試験が行われているMEK阻害剤はわずかであり(4、5)。AZD−6244、(Array Biopharma,Astra Zeneca)、ソラフェニブと組み合わせて、ソラフェニブ抵抗性ヘパトーマ細胞に顕著な応答を示すRDEA−119(Ardea Biosciences,Bayer,A.Maderna et al、米国特許第7,759,518号明細書を参照)、および充実性腫瘍用のXL−518(Exelixis)が挙げられる。
薬学研究において***促進因子活性化タンパク質(MAP)キナーゼの阻害剤、特にMEK1および/またはMEK2阻害剤の同定は、こうした阻害剤がそうした阻害により影響を受ける様々な病状を処置する薬剤として使用できる可能性があるため、非常に活発な分野である。この分野での最新の包括的な検討については、S.Price,Expert Opin.Ther.Patents(2008)18(6),603−627and C.Fremin,S.Meloche,Journal of Hematology and Oncology 2010,3:8に掲載されている。
現在、MEK阻害剤の研究が進展したとはいえ、様々な種類の癌を処置する際の効力、経口バイオアベイラビリティー、半減期、および不十分なCNS移行性など薬理学的特性の改善された新たなMEK阻害剤を発見することは、なお非常に有益であると考えられる。こうした特性を持つ化合物を用いれば、望ましくない副作用を最小限に抑えながら、癌の処置がより有効に行われる。
MEK阻害剤は当該技術分野において、抗腫瘍薬としての可能性に加え、さらに炎症性疾患、慢性閉塞性肺疾患、cardio−facio−cutaneous症候群、およびインフルエンザの処置に使用できる可能性があるものとして記載されている。MEK活性を有するとされる様々な化合物について記載するパテントファミリーは、50をはるかに超えて存在する。
参考文献
1.G.Pearson,et al.,Endocr.Rev.,2001,153−183。
2.J.S.Sebolt and R.Herrera,Nature Rev.Can.2004,937−947。
3.C.Fremin and S.Meloche,J.Hemato & onco.,2010,3−8。
4.C.Iverson,et al.Can.Res.,2009,6839−6847。
5.C.Montagut and J.Settleman,Cancer Lett.,2009,125−134
本発明は、下記式(I)の化合物であって、
式中、
はHまたはFであり、
はBrまたはIであり、
はH、F、ClまたはBrであり、
は二重結合または単結合を表し、
XおよびYは独立に
H、
OH、
ORもしくは
NH
から選択され、
ただし、
が二重結合を表す場合、XおよびYはHであり、
ZはH、FまたはORであり、
式中、RはC〜Cアルキルであり、
AおよびA’は独立にHまたはC〜Cアルキルであるか
または
AおよびA’はそれらが結合しているC原子と一緒になって、シクロプロピル環、シクロブチル環またはシクロペンチル環を形成する
化合物
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは互変異性体を対象とする。
さらに、本発明は、下記式(II)の化合物であって、
式中、
はHまたはFであり、
はBrまたはIであり、
はC〜Cアルキであり、
はH、F、ClまたはBrであり、
かつ
AおよびA’は独立にHまたはC〜Cアルキルであるか
または
AおよびA’は、それらが結合しているC原子と一緒になって、シクロプロピル環、シクロブチル環またはシクロペンチル環を形成する
化合物
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは互変異性体を対象とする。
式(I)および(II)の化合物は、MEK酵素の阻害剤であり、そうした阻害が有利である疾患の処置に有用な生物活性がある。これらの疾患には、以下に限定されるものではないが、過剰増殖性障害、癌、炎症、関節炎およびCOPDがある。
本発明はさらに、ヒトを含む哺乳動物の過剰増殖性障害を処置する方法であって、治療有効量の式(I)もしくは式(II)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは互変異性体を前記哺乳動物に投与することを含む方法も対象とする。
本発明はさらに、ヒトを含む哺乳動物の炎症性疾患、状態または障害を処置する方法であって、治療有効量の式(I)−(II)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは互変異性体を前記哺乳動物に投与することを含む方法を対象とする。
本発明はさらに、ヒトを含む哺乳動物のMEKカスケードにより調節される障害または状態を処置する方法であって、前記カスケードの調節に効果的な量の式(I)もしくは式(II)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは誘導体を前記哺乳動物に投与することを含む方法も対象とする。特定の患者に対する適切な投与量は、公知の方法に従い、当業者により決定され得る。
本発明はさらに、有効量の式(I)もしくは式(II)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、、もしくは互変異性体を含む医薬組成物を対象とする。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、薬学的に許容されるキャリアをさらに含む。こうした組成物は、アジュバント、賦形剤、防腐剤、吸収を遅らせる作用物質、充填剤、バインダー、吸着剤、緩衝液、崩壊剤、溶解補助剤、他のキャリア、および他の不活性成分を含んでもよい。こうした組成物の製剤方法は、当該技術分野において周知である。
本発明の化合物は、抗増殖活性に加えて、高い経口バイオアベイラビリティー、より長い半減期、および脳関門の透過性が低いなど有利な薬理学的特性を示す。こうした特性は、より効果的であり、かつ副作用がより少ない薬物と関係しているため、医薬品にとって望ましい。
上記の用語は、全体を通じて以下の意味を持つ。
「任意に置換されている」という用語は、そのように修飾された部分が、ゼロから少なくとも可能な限り最大数までの置換基を持っていてもよいことを意味する。置換基は、化学的に可能であり、化学的に安定である限り、そのように修飾される部分の任意のH原子と置き換わってもよい。任意の部分に2つ以上の置換基が存在する場合、各置換基は、任意の他の置換基と独立して選択され、したがって、同一でも、または異なっていてもよい。
「ハロ」という用語は、Cl、Br、FおよびIから選択される原子を意味する。
「薬学的に許容される塩」という用語は、本発明の化合物のほぼ無毒の無機または有機酸付加塩をいう(たとえば、Berge et al.,J.Pharm.Sci.66:l−19,1977を参照されたい)。
本明細書で使用する場合、「MEK阻害剤」という用語は、本明細書に一般に記載されるMEK酵素阻害アッセイで測定したMEK活性に対するIC50が約100μM以下、または約50μM以下を示す化合物をいう。「IC50」は、酵素(たとえば、MEK)の活性を半最大レベルまで低下させる阻害剤の濃度である。本明細書に記載の化合物は、MEKに対して阻害を示すことが発見されている。
「被検体」、「患者」または「個体」という用語は、障害および同種のものに罹患しているものに関して本明細書で使用する場合、哺乳動物および非哺乳動物を包含する。哺乳動物の例には、ヒト、チンパンジーなどの非ヒト霊長類、ならびに他の類人猿およびサル種、ウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、ブタなどの農用動物、ウサギ、イヌおよびネコなどの家畜、ラット、マウスおよびモルモットおよび同種のもののような齧歯動物などの実験動物といった哺乳綱の任意のメンバーがあるが、これに限定されるものではない。非哺乳動物の例には、トリ、魚および同種のものがあるが、これに限定されるものではない。本明細書で提供される方法および組成物の一実施形態では、哺乳動物はヒトである。
本明細書で使用する場合、「処置する」、「処置すること」または「処置」という用語、および他の文法的に均等な用語は、疾患または状態症状を軽減、寛解または改善すること、新たな症状を予防すること、症状の根底にある代謝の原因を改善または予防すること、疾患または状態を抑制すること、たとえば、疾患または状態の発生を阻止すること、疾患または状態を緩和すること、疾患または状態を退縮させること、疾患または状態により引き起こされる状態を軽減すること、あるいは、疾患または状態の症状を消失させることを含み、予防を含むことも意図している。この用語は、治療効果および/または予防効果を達成することをさらに含む。治療効果とは、処置を受けている基礎障害の根絶または改善を意味する。また、治療効果は、患者が依然として基礎障害に罹患しているものの、患者に改善が認められるような、基礎障害に関連する生理的症状の1つまたは複数の根絶または改善によっても達成される。予防効果の場合、特定の疾患を発症する恐れがある患者、または疾患の診断がなされていないような場合でも、その疾患の生理的症状の1つまたは複数を報告している患者に本組成物を投与してもよい。
本明細書で使用する場合、「有効量」、「治療有効量」または「薬学的有効量」という用語は、投与される少なくとも1つの作用物質または化合物が、処置されている疾患または状態の症状の1つもしくは複数をある程度緩和するのに十分な量をいう。その結果は、疾患の徴候、症状もしくは原因の抑制および/または軽減であり得るし、あるいは、生体システムにおける他の任意の望ましい変化であり得る。たとえば、治療に使用する「有効量」は、本明細書に開示された化合物を含む組成物が、疾患を臨床的に著明に抑制するのに必要とされる量である。適切な「有効」量については、どのような個々の例も、用量漸増試験など技術を用いて決定することができる。
本明細書で使用する場合、「投与する」、「投与すること」、「投与」、および同種の用語は、所望の生物学的作用部位への化合物または組成物の送達を可能にするのに使用され得る方法をいう。これらの方法には、経口経路、十二指腸内経路、非経口注射(静脈内注射、皮下注射、腹腔内注射、筋肉内注射、血管内注射または輸液など)、局所(topical)投与および直腸投与があるが、これに限定されるものではない。当業者は、たとえば、GoodmanおよびGilman,The Pharmacological Basis of Therapeutics,current ed.;Pergamon;およびRemington’s、Pharmaceutical Sciences(current edition),Mack Publishing Co.,Easton Paで考察されたような、本明細書に記載の化合物および方法と共に利用し得る投与技術についてよく知っている。
式(I)または式(II)の化合物の塩については、化合物の最終的な単離および精製の際にin situ調製しても、あるいは、遊離塩基型の精製された化合物を好適な有機酸または無機酸と別々に反応させ、そうして形成された塩を単離することにより調製してもよい。同様に、式(I)または式(II)の化合物がカルボン酸部分を含む場合、式(I)または式(II)の前記化合物の塩は、それを好適な無機塩基または有機塩基と別々に反応させ、そうして形成された塩を単離することにより調製してもよい。
式(I)の化合物の代表的な塩としては、たとえば、無機酸もしくは有機酸または無機塩基もしくは有機塩基から、当該技術分野において周知の手段により形成される通常の無毒性塩および第四級アンモニウム塩が挙げられる。たとえば、こうした酸付加塩として、アセテート、アジペート、アルギネート、アスコルベート、アスパルテート、ベンゾエート、ベンゼンスルホネート、ビスルフェート、ブチレート、シトレート、カンホラート、ショウノウスルホネート、シンナメート、シクロペンタンプロピオネート、ジグルコネート、ドデシルスルフェート、エタンスルホネート、フマレート、グルコヘプタノエート、グリセロホスフェート、ヘミスルフェート、ヘプタノエート、ヘキサノエート、ヒドロクロリド、ヒドロブロミド、ヒドロヨージド、2−ヒドロキシエタンスルホネート、イタコネート、ラクテート、マレアート、マンデレート、メタンスルホネート、2−ナフタレンスルホネート、ニコチネート、ニトレート、オキサレート、パモエート、ペクチネート、ペルスルフェート、3−フェニルプロピオネート、ピクラート、ピバラート、プロピオネート、スクシネート、スルホネート、タルトラート、チオシアナート、トシレート、ウンデカノエート、および同種のものが挙げられる。
塩基塩としては、たとえば、カリウム塩およびナトリウム塩などのアルカリ金属塩、カルシウム塩およびマグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩、ならびにジシクロヘキシルアミンおよびN−メチル−D−グルカミンなどの有機塩基とのアンモニウム塩が挙げられる。加えて、共役塩基の塩基性窒素含有基を、塩化、臭化およびヨウ化メチル、塩化、臭化およびヨウ化エチル、塩化、臭化およびヨウ化プロピル、ならびに塩化、臭化およびヨウ化ブチルなどの低級ハロゲン化アルキル;硫酸ジメチル、硫酸ジエチルおよび硫酸ジブチルのような硫酸ジアルキル;ならびに硫酸ジアミル、塩化、臭化およびヨウ化デシル、塩化、臭化およびヨウ化ラウリル、塩化、臭化およびヨウ化ミリスチル、ならびに塩化、臭化およびヨウ化ストレアリールなどの長鎖ハロゲン化物;ベンジルブロミドおよびフェネチルブロミドのようなハロゲン化アラルキル、ならびに同種のものような作用物質と四級化してもよい
「溶媒和物」という用語は、化学量論量あるいは非化学量論量の溶媒をいい、水、エタノール、および同種のものなど薬学的に許容される溶媒との結晶化のプロセスで形成され得る。溶媒が水である場合、水和物が形成され、あるいは、溶媒がアルコールである場合、アルコラートが形成される。本明細書に記載するような化合物の溶媒和物は、本明細書に記載のプロセスにおいて手軽に調製または形成することができる。単に例示に過ぎないが、本明細書に記載の化合物の水和物は、以下に限定されるものではないが、ジオキサン、テトラヒドロフランまたはメタノールなどの有機溶媒を用いて水性/有機溶媒混合物から再結晶することにより、手軽に調製することができる。さらに、本明細書で提供される化合物は、溶媒和形態のほか、非溶媒和形態で存在してもよい。一般に、本明細書で提供される化合物および方法において、溶媒和形態は、非溶媒和形態と同等と見なされる。
「エステル」という用語は、分子中に存在する1つまたは複数のヒドロキシル官能基のエステル化により調製することができる、式(I)または(II)の化合物の誘導体をいう。エステル化の方法は、当該技術分野において周知である。そうした方法として、式のヒドロキシル含有化合物を、鉱酸(たとえばHCl、HSOおよび同種のもの)など触媒量の酸の存在下で好適なカルボン酸と反応させるか、または式(I)または(II)のヒドロキシル含有化合物を、任意にピリジン、トリエチルアミンまたは同種のものなど温和な塩基の存在下でカルボン酸誘導体、たとえば酸クロリドまたは無水物と反応させる方法があるが、これに限定されるものではない。こうしたエステル誘導体は、それ自体で医薬的に有効であってもよいし、またはインビボで医薬的に有効な部分の安定性または送達を促進するプロドラッグとして働いてもよい。
「互変異性体」という用語は、単独で存在しても、または分子中に互変異性基が存在するため溶液中で相互に平衡状態で存在してもよい化合物のすべての異性体形態をいう。こうした異性化は、互変異性化と呼ばれ、単結合と隣接する二重結合との変換を伴う、分子内の水素原子の形式上の移動(formal migration)である。互変異性体のペアとなる群には、ケト−エノール、イミン−エナミン、ラクタム−ラクチムおよびアミド−イミド酸があるが、これに限定されるものではない。
「プロドラッグ」という用語は、被検体への投与後に吸収され、代謝経路による変換などいくつかのプロセスを経て活性な化学種、またはより活性が高まった化学種に変換される、式(I)または式(II)の化合物の薬剤前駆体をいう。一部のプロドラッグには、医薬的有効性を弱める、および/あるいは、安定性、または溶解性など他の有利な特性を分子に与える化学基が存在する。プロドラッグから化学基が切断される、および;/または修飾されると、活性薬剤となる。プロドラッグは、親薬剤より投与しやすい場合があるため、有用であることが多い。プロドラッグは、たとえば、経口投与による吸収性がある場合があるのに対し、親薬剤にはない。プロドラッグはまた、医薬組成物への溶解性が親薬剤より改善されていることもある。プロドラッグおよびその調製は、Saulnier et al.,(1994),Bioorganic and Medicinal Chemistry Letters,Vol.4,p.1085に記載されているように当業者によく知られている。
式(I)−(II)の化合物は、所望の様々な置換基の位置および性質に応じて1つまたは複数の不斉中心を含んでいてもよい。不斉炭素原子は、(R)配置をとっても、または(S)配置をとってもよい。好ましい異性体は、より望ましい生物活性を有する式(I)−(II)の化合物を与える絶対配置を持つ異性体である。また、場合によっては、ある結合、たとえば、特定の化合物の2つの芳香環に隣接する中心結合の回りの回転が制限されることによって、不斉が存在してもよい。
また、環上の置換基は、cis型をとっても、あるいはtrans型をとってもよく、二重結合上の置換基は、Z型をとっても、あるいはE型をとってもよい。
フェニル環が1つまたは複数の置換基で置換されている場合、置換基は、利用できるどのC原子でフェニル環に結合していてもよい。フェニル環上に複数の置換基が存在する場合、各置換基は、他の置換基から独立に選択されるため、同一でも、または異なっていてもよい。
上記のような不斉中心の性質によるか、または回転の制限によるかに関わらず、分離された異性体、純粋な異性体、もしくは部分精製された異性体、またはそれらのラセミ混合物としてのすべての異性体(エナンチオマーおよびジアステレオマーを含む)が、本発明の範囲内に含まれることを意図している。前記異性体の精製および前記異性体混合物の分離は、当該技術分野において公知の標準的な技術による達成することができる。
本発明の化合物の調製に利用され得る特定のプロセスは、個々の所望の化合物によって異なる。所定のX部分、Y部分、Z部分、A部分、A’部分およびR〜R部分、ならびに分子上の様々な位置で可能な特定の置換基の選択などの因子はどれも、本発明の特定の化合物の調製の際にたどるべき経路で一定の役割を果たす。これらの因子は、当業者により容易に認識される。
本発明の第1の実施形態は、下記式(Ia)の化合物であって、
式中、
はHまたはFであり、
はBrまたはIであり、
はH、F、ClまたはBrであり、
Zは、H、FまたはMeOである
化合物
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは互変異性体である。
本発明の第2の実施形態は、下記式(Ib)の化合物、
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは互変異性体である。
本発明の第3の実施形態は、下記式(Ic)の化合物であって、
式中、
はHまたはFであり、
はBrまたはIであり、
はH、F、ClまたはBrであり、
ZはH、FまたはORであり、
式中、RはC〜Cアルキルである
化合物
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは互変異性体である。
本発明の第4の実施形態は、下記式(Id)の化合物
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは互変異性体である。
本発明の第5の実施形態は、下記式(IIa)の化合物であって、
式中、
はHまたはFであり、
はBrまたはIであり、
はC〜Cアルキルであり、
はH、F、ClまたはBrである
化合物
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは互変異性体である。
本発明の第6の実施形態は、下記式(IIb)の化合物
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは互変異性体である。
下記表1に本発明の他の実施形態を示す。
化合物の調製
本発明の化合物の調製に利用され得る特定のプロセスは、所望の個々の化合物によって異なる。分子上の様々な位置で可能な特定の置換基などの因子はどれも、本発明の特定の化合物の調製の際にたどるべき経路で一定の役割を果たす。これらの因子は、当業者により容易に認識される。
中間体化合物のいずれかの感応基または反応基は、エステルを形成する上記の方法のいずれかにおいて保護および脱保護する必要がある場合がある。保護基は一般に、当該技術分野において周知の従来の方法により付加および除去を行えばよい(たとえば、T.W.Greene and P.G.M.Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis;Wiley:New York,1999を参照されたい)。
本発明の化合物は、下記反応スキームに従い製造することができる。これらのスキームでは、他に記載がない限り、各基X、Y、Z、R、R、R、RAおよびA’は、上記と同じ定義を持つ。
式(I)の化合物を調製する一般的な方法を反応スキーム1として下記に図示する。
このスキームでは、市販されている、あるいは適切なフェノール前駆体のニトロ化により調製した式(III)のニトロフェノールを、炭酸カリウムなどの塩基の存在下でハロゲン化もしくは硫酸アルキルまたはアルケニル(たとえば、R−ハロ)などの好適なアルキル化剤を用いてO−アルキル化して、式(IV)の化合物を得る。次いでこの化合物を、LHDMSなどの非求核性強塩基の存在下で式(VI)のアニリンと芳香族求核置換反応を行わせて式(VII)の化合物を得る。次いで水硫化ナトリウム(亜ジチオン酸塩)などの還元剤を用いて式(VII)の化合物のニトロ基の還元を行い、式(VIII)の化合物を得る。式(IX)のスルホニルクロリドを用いて、ピリジンなどの塩基の存在下で式(VIII)の化合物をスルホニル化して式(X)の中間体を得る。式(IX)のスルホニルクロリドは、ハロアルケンとセズムスルフィットとの反応により、塩化オキサリルなどの好適な試薬による処理でスルホニルクロリドに変換できるアルケンスルホン酸を形成することにより調製してもよい。
がアリルである場合、メタセシス条件下、すなわち、ZhangまたはHoveyda−Grubs第2世代触媒の存在下で、式(X)化合物の反応により、式(XI)の化合物が得られる。
式(X)および式(XI)の中間体の別の変換を下記反応スキーム2〜4に示す。
反応スキーム2は、その後四酸化オスミウムで式(X)の化合物を酸化すると、式(XII)の化合物が得られることを図示する。式(XI)中間体の反応は、式(XIII)の化合物[式(I)、式中、X、Y=OH、
は単結合を表す]を与える。
反応スキーム3は、XおよびYの一方がOHであり、XおよびYのもう一方がHである式(I)化合物の調製を図示する。これは、式(XI)の化合物をBH−DMS錯体と反応させ、その後H/NaOHでワークアップすることにより達成される。2つの位置異性体、すなわち、式(XIVa)および式(XIVb)はどちらも、この反応で生成される。
反応スキーム4は、XおよびYの一方がOHであり、XおよびYのもう一方がNHである式(I)化合物の調製を図示する。これは、ナトリウムt−ブトキシカルボニルクロラミドの存在下で式(XI)の化合物をOsOおよび硝酸銀と反応させることにより行う。2つの位置異性体、すなわち、式(XVa)および式(XVb)はどちらも、この反応で生成される。
式(II)の化合物は、反応スキーム5に図示した方法により示されたように調製される。
このスキームでは、式(V)のテトラフルオロニトロベンゼンをLHDMSなどの非求核性強塩基の存在下、芳香族求核置換反応で式(VI)のアニリンと反応させて式(XVI)のビアリールアニリンを生成する。アルコキシド(R)との第2の求核置換を行い、他の異性体を形成することなく式(XVII)の化合物を得る。式(XVII)の化合物のニトロ基を還元すると、式(XVIII)の化合が得られ、式(IX)のスルホニルクロリドを用いてスルホニル化すると、式(XIX)の中間体が得られる。反応スキーム2に記載したのと同様の要領で酸化を行うと、式(II)の化合物が得られる。
以上のように、利用する反応順序に応じて式(II)の異性体化合物[式中、RはFであり、RはFであり、RはMeであり、RはFである]および式(XII)の異性体化合物[式中、RはFであり、RはIであり、ZはFであり、RはFであり、Rはメチルである]を特異的かつ確実に調製することができる。
医薬組成物
本明細書では医薬組成物について記載する。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、有効量の式(I)−(II)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは誘導体を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、有効量の式(I)−(II)の化合物、および少なくとも1種の薬学的に許容されるキャリアを含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、障害を処置する医薬組成物である。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、哺乳動物の障害を処置する医薬組成物である。
MEKの調節
また、本明細書では、MEKの活性を調節するのに十分な量の式(I)−(II)の化合物とMEKを接触させることによりMEK活性を調節する方法についても記載する。調節を行うと、MEK活性を阻害したり、または活性化したりすることができる。いくつかの実施形態では、本発明は、MEKの活性を阻害するのに十分な量の式(I)−(II)の化合物とMEKを接触させることにより、MEK活性を阻害する方法を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、溶液中のMEK活性を阻害する方法であり、前記溶液のMEKの活性を阻害するのに十分な量の式(I)−(II)の化合物と前記溶液を接触させることにより、溶液中のMEK活性を阻害する方法を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、細胞内のMEK活性を阻害する方法であり、前記細胞内のMEKの活性を阻害するのに十分な量の本明細書に記載の化合物と前記細胞を接触させることにより、細胞内のMEK活性を阻害する方法を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、組織内のMEK活性を阻害する方法であり、前記組織内のMEKの活性を阻害するのに十分な量の本明細書に記載の化合物と前記組織を接触させることにより、組織内のMEK活性を阻害する方法を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、生体内のMEK活性を阻害する方法であり、前記生体内のMEKの活性を阻害するのに十分な量の本明細書に記載の化合物と前記生体を接触させることにより、生体内のMEK活性を阻害する方法を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、動物のMEK活性を阻害する方法であり、前記動物のMEKの活性を阻害するのに十分な量の本明細書に記載の化合物と前記動物を接触させることにより、動物のMEK活性を阻害する方法を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、哺乳動物のMEK活性を阻害する方法であり、前記哺乳動物のMEKの活性を阻害するのに十分な量の本明細書に記載の化合物と前記哺乳動物を接触させることにより、哺乳動物のMEK活性を阻害する方法を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、ヒトのMEK活性を阻害する方法であり、前記ヒトのMEKの活性を阻害するのに十分な量の本明細書に記載の化合物と前記ヒトを接触させることにより、ヒトのMEK活性を阻害する方法を提供する。
異常な細胞増殖
また、本明細書では、異常な細胞増殖を阻害する化合物、医薬組成物および方法について記載する。いくつかの実施形態では、異常な細胞増殖は、哺乳動物で起こる。異常な細胞増殖を阻害する方法は、有効量の式(I)−(II)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、、溶媒和物、水和物もしくは誘導体を投与することを含み、異常な細胞増殖を阻害する。哺乳動物の異常な細胞増殖を阻害する方法は、一定量の式(I)−(II)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは誘導体哺乳動物に投与することを含み、化合物、塩、エステル、プロドラッグ、溶媒和物、水和物または誘導体の量は、哺乳動物の異常な細胞増殖を阻害するのに有効な量である。
いくつかの実施形態では、こうした方法は、有効量の式(I)−(II)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エステル、、溶媒和物、水和物もしくは誘導体を、一定量の化学療法薬を組み合わせて投与することを含み、化合物、塩、溶媒和物、水和物または誘導体と化学療法薬との量は合わせて、異常な細胞増殖を阻害するのに有効である。現在、多くの化学療法薬が当該技術分野において公知であり、本発明の化合物と組み合わせて使用することができる。いくつかの実施形態では、化学療法薬は、***阻害剤、アルキル化剤、代謝拮抗薬、挿入性抗生物質(intercalating antibiotics)、増殖因子阻害剤、細胞周期阻害剤、酵素、トポイソメラーゼ阻害剤、生物学的応答調節剤、抗ホルモン、血管形成阻害剤および抗アンドロゲンからなる群から選択される。
また、哺乳動物の異常な細胞増殖を阻害する方法であって、一定量の式(I)−(II)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは誘導体を放射線療法と組み合わせて哺乳動物に投与することを含み、化合物、塩、エステル、プロドラッグ、溶媒和物、水和物または誘導体の量は、放射線療法と組み合わせて哺乳動物の異常な細胞増殖を阻害する、または過剰増殖性障害を処置するのに有効である方法についても記載する。放射線療法を投与する技術は、当該技術分野において公知であり、こうした技術は、本明細書に記載の併用療法に使用することができる。この併用療法における式(I)−(II)の化合物の投与は、本明細書に記載するように決定してもよい。
本発明はさらに、哺乳動物の異常な細胞増殖を阻害する方法と、一定量の式(I)−(II)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エステル、プロドラッグ、溶媒和物、水和物もしくは誘導体、または同位体で標識されたそれらの誘導体、ならびに血管形成抑制剤、シグナル伝達阻害剤および抗増殖剤から選択される一定量の1種または複数種の物質を含む、哺乳動物の異常な細胞増殖を阻害する医薬組成物とに関する。
MMP−2(マトリックスメタロプロテアーゼ2)阻害剤、MMP−9(マトリックスメタロプロテアーゼ.9)阻害剤およびCOX−2(シクロオキシゲナーゼ2)阻害剤などのMMP−2(マトリックスメタロプロテアーゼ2)阻害剤などの血管形成抑制剤は、本発明の化合物、および本明細書に記載の医薬組成物と一緒に使用してもよい。有用なCOX−2阻害剤の例として、CELEBREX(商標)(アレコキシブ)、バルデコキシブおよびロフェコキシブがある。有用なマトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤の例については、国際公開第96133172号パンフレット(1996年10月24日に公開)、国際公開第96127583号パンフレット(1996年3月7日に公開)、欧州特許第97304971.1号明細書(1997年7月8日に出願)、欧州特許第99308617.2号明細書(1999年10月29日に出願)、国際公開第98107697号パンフレット(1998年2月26日に公開)、国際公開第98103516号パンフレット(1998年1月29日に公開)、国際公開第98134918号パンフレット(1998年8月13日に公開)、国際公開第98134915号パンフレット(1998年8月13日に公開)、国際公開第98133768号パンフレット(1998年8月6日に公開)、国際公開第98130566号パンフレット(1998年7月16日に公開)、欧州特許第606,046号明細書(1994年7月13日に公開)、欧州特許第931,788号明細書(1999年7月28日に公開)、国際公開第90105719号パンフレット(1990年5月31日に公開)、国際公開第99152910号パンフレット(1999年10月21日に公開)、国際公開第99152889号パンフレット(1999年10月21日に公開)、国際公開第99129667号パンフレット(1999年6月17日に公開)、国際出願PCTIIB98I01113号パンフレット(1998年7月21日に出願)、欧州特許第99302232.1号明細書(1999年3月25日に出願)、英国特許第9912961.1号明細書(1999年6月3日に出願)、米国仮特許出願第601148,464号明細書(1999年8月12日に出願)、米国特許第5,863、949号明細書(1999年1月26日に発行)、米国特許第5,861,510号明細書(1999年1月19日に発行)、および欧州特許第780,386号明細書(1997年6月25日に公開)に記載されており、すべてについて参照によってその全体を本明細書に援用する。好ましいMMP−2阻害剤およびMMP−9阻害剤は、MMP−1を阻害する活性をほとんど、またはまったく持たないものである。より好ましいのは、他のマトリックス−メタロプロテイナーゼ(すなわち、MAP−1、MMP−3、MMP−4、MMP−5、MMP−6、MMP−7、MMP−8、MMP−10、MMP−11、MMP−12およびMMP−13)と比較してMMP−2および/またはAMP−9を選択的に阻害するものである。本発明に有用なMMP阻害剤の一部の具体的な例として、AG−3340、RO 32−3555およびRS 13−0830がある。
投与モード
本明細書では、式(I)−(II)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、もしくは互変異性体 プロドラッグについて記載する。また、式(I)−(II)の化合物、または薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは互変異性体を含む医薬組成物についても記載する。本明細書に記載の化合物および組成物は、標準的な医療慣行に従い、単独で投与しても、あるいは医薬組成物として薬学的に許容されるキャリア、賦形剤または希釈液と組み合わせて投与してもよい。
本明細書に記載の化合物および組成物の投与は、化合物の作用部位への送達を可能にするのであれば、どのような方法で行ってもよい。こうした方法は、経口経路、十二指腸内経路、非経口注射(静脈内注射、皮下注射、腹腔内注射、筋肉内注射、血管内注射または輸液など)、局所(topical)投与、および直腸投与を含む。たとえば、本明細書に記載の化合物は、処置を必要とする領域に局所投与してもよい。これは、たとえば、以下に限定されるものではないが、手術中の局所注入、局所(topical)適用、たとえば、クリーム、軟膏、注射、カテーテルまたはインプラントにより達成することができる。前記インプラントは、たとえば、多孔性材料、非多孔性材料、またはゼラチン材料、たとえばシアラスティック膜などの膜または繊維でできている。また、投与は、腫瘍組織、または新生物組織もしくは前新生物組織の部位(または元の部位)に直接注射することにより達成することもできる。当業者は、たとえば、Goodman and Gilman,The Pharmacological Basis of Therapeutics,current ed.;Pergamon;およびRemington’s,Pharmaceutical Sciences (current edition),Mack Publishing Co.,Easton,Paで考察されているように。本発明の化合物および方法と共に利用できる製剤および投与技術についてよく知っている。
最も好適な経路は、たとえば、被投与者の状態および障害によって異なる場合があるが、製剤としては、経口投与、非経口投与(皮下投与、皮内投与、筋肉内投与、静脈内投与、関節内投与および骨髄内投与)、腹腔内投与、経粘膜的投与、経皮投与、直腸投与および局所(topical)投与(経皮投与、頬粘膜投与、舌下投与および眼内投与)に好適なものがある。製剤は、単位剤形で提供されると都合がよいことがあり、薬学の技術分野において周知の方法のいずれかにより調製することができる。どの方法も、本発明の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物(「活性成分」)を、1種または複数種の副成分を構成するキャリアと混合するステップを含む。一般に、製剤は、活性成分を、液体キャリアもしくは微粉化した固体キャリアまたはその両方と均一かつ均質に混合し、次いで必要に応じて、生成物を所望の製剤に成形することにより調製される。
経口投与に好適な製剤は、カプセル、カシェまたは錠剤など個別の単位として提供してもよく、各々が、所定量の活性成分を粉末または顆粒として、水性液体または非水性液体に溶かした溶液または懸濁液として、または水中油型液体エマルジョンまたは油中水型液体エマルジョンとして含む。また、活性成分は、巨丸剤、舐剤またはペースト剤として提供してもよい。
経口的に使用できる医薬調製物として、錠剤、ゼラチン製の押し込み型(push−fit)カプセル剤のほか、ゼラチンおよび可塑剤、たとえばグリセロールまたはソルビトールから作られるシールした軟カプセル剤が挙げられる。錠剤は、任意に1種または複数種の副成分と圧縮または成形することにより製造することができる。圧縮錠は、粉末または顆粒などさらさらした形態の活性成分を、任意にバインダー、不活性希釈液、または滑沢剤、表面活性剤もしくは分散剤と混合して、好適な機械で圧縮するにより調製することができる。成形錠剤は、不活性な液体希釈液で湿らせた粉末化合物の混合物を好適な機械で成形することにより製造することができる。錠剤は、任意にコーティングしても、または割線を入れてもよく、中にある活性成分の遅延放出または制御放出を行えるように製剤化しても構わない。経口投与の製剤はすべて、こうした投与に好適な投与量の製剤であるべきである。押し込み型(push−fit)カプセル剤は、ラクトースなどの充填剤、デンプンなどのバインダー、および/またはタルクもしくはステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤、さらに任意に安定剤との混合物中に活性成分を含む。軟カプセル剤の場合、活性化合物を、脂肪油、流動パラフィンまたは液体ポリエチレングリコールなどの好適な液体に溶解しても、または懸濁してもよい。さらに、安定剤を加えてもよい。糖衣錠の素錠には好適なコーティングを施してもよい。このような場合に、任意にアラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、カーボポールゲル、ポリエチレングリコールおよび/または二酸化チタン、ラッカー溶液、ならびに好適な有機溶媒または溶媒混合物を含んでもよい濃縮糖液を使用してもよい。錠剤または糖衣錠コーティングには、様々に組み合わせた活性化合物の用量の確認または特徴付けのため、色材または色素を加えてもよい。
医薬調製物は、注射、たとえば、ボーラス注射または持続注入による非経口投与用に製剤化してもよい。注射用製剤は、防腐剤を加えた単位剤形として、たとえば、アンプルまたは複数用量容器として提供してもよい。組成物は、油性または水性ビヒクルに溶かした懸濁液、溶液またはエマルジョンの形をとってもよく、懸濁剤、安定化剤および/または分散剤などの製剤添加剤を含んでもよい。製剤は、たとえば、シールしたアンプルおよびバイアルとして単位用量容器として提供しても、または複数用量容器として提供してもよく。使用の直前に無菌液体キャリア、たとえば、食塩水または無菌・パイロジェンフリー水を加えるだけでよい粉末形態で保存しても、または凍結乾燥(freeze−dried)(凍結乾燥:lyophilized)状態で保存してもよい。必要に応じて調合される注射溶液および懸濁液は、前述したような無菌の粉末剤、顆粒剤および錠剤から調製してもよい。
非経口投与用の製剤としては、酸化防止剤、緩衝液、静菌薬、および製剤を予定の被投与者の血液と等張にする溶質を含んでもよい活性化合物の水性および非水性(油性)無菌注射溶液と、懸濁化剤および粘度付与剤を含んでもよい水性および非水性無菌懸濁液とがある。好適な親油性溶媒またはビヒクルには、ゴマ油などの脂肪油、またはオレイン酸エチルもしくはトリグリセリドなどの合成脂肪酸エステル、またはリポソームがある。水性注射懸濁液は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトールまたはデキストランなどの懸濁液の粘度を高める物質を含んでもよい。また、懸濁液は任意に、好適な安定剤、または化合物の溶解性を高めて高濃縮溶液の調製を可能にする作用物質を含んでもよい。
また、医薬調製物は、デポ製剤として製剤化してもよい。こうした長時間作用製剤は、移植(たとえば皮下または筋肉内)により投与しても、または筋肉内注射により投与してもよい。このため、たとえば、化合物は、好適な高分子材料もしくは疎水性材料と共に(たとえば許容可能な油に溶かしたエマルジョンとして)またはイオン交換樹脂と共に調製してもよいし、あるいは、やや溶けにくい誘導体、たとえば、やや溶けにくい塩として調製してもよい。
頬粘膜投与または舌下投与では、組成物は、通常の方法で製剤化された錠剤、ロゼンジ、トローチ(pastilles)またはゲルの形をとってもよい。こうした組成物は、スクロースおよびアカシアまたはトラガントなど風味を付けた基剤中に活性成分を含んでもよい。
また、医薬調製物は、たとえば、カカオバター、ポリエチレングリコールまたは他のグリセリドなど通常の坐剤基剤を含む、坐剤または停留浣腸剤など直腸用組成物として製剤化してもよい。
医薬調製物は、局所(topically)、すなわち、非全身投与により投与してもよい。これは、化合物が著しく血流に入らないように、本発明の化合物を表皮または頬側口腔に外用すること、およびこうした化合物を耳、眼および鼻に点滴注入することを含む。これに対して、全身投与とは、経口投与、静脈内投与、腹腔内投与および筋肉内投与をいう。
局所(topical)投与に好適な医薬調製物には、ゲル、リニメント剤、ローション剤、クリーム剤、軟膏剤またはペースト剤など皮膚から炎症部位への浸透に好適な液体または半液体調製物と、眼、耳または鼻への投与に好適な滴剤とがある。局所(topical)投与の場合、活性成分は、製剤の0.001%w/w〜10%w/w、たとえば1重量%〜2重量%を構成してもよい。ただし、活性成分は、製剤の10%w/wと同程度を構成してもよいが、好ましくは5%w/w未満、一層好ましくは0.1%〜1%w/wを構成する。
吸入による投与のための医薬調製物は、インサフレーター、ネブライザー加圧パック、またはエアロゾルスプレーを送達する他の簡便な手段で送達すると都合がよい。加圧パックは、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素または他の好適なガスなど好適な噴射剤を含んでもよい。加圧エアロゾルの場合、投薬単位は、定量を送達する弁を設けることにより決定してもよい。あるいは、吸入または吹送では、医薬調製物は、乾燥粉末組成物、たとえば、化合物とラクトースまたはデンプンなどの好適な粉末基剤との粉末混合物の形をとってもよい。粉末組成物は、単位剤形として、たとえば、カプセル、カートリッジ、ゼラチンまたはブリスターパックとして提供してもよく、その粉末を吸入器またはインサフレーターを用いて投与してもよい。
本明細書に記載の化合物および組成物は、詳細に前述した成分だけでなく、対象の製剤の種類を考慮して当該技術分野において通常の他の作用物質を含んでもよいこと、たとえば、経口投与に好適なものは、着香剤を含んでもよいことを理解すべきである。
製剤
本明細書に記載の化合物または組成物は、ベジクル、たとえば、リポソームで送達することができる(たとえば、Langer,Science 1990,249,1527−1533;Treat et al.,Liposomes in the Therapy of Infectious Disease and Cancer,Lopez−Bemstein and Fidler,Ed.,Liss,N.Y.,pp.353−365,1989を参照されたい)。また、本明細書に記載の化合物および医薬組成物は、放出制御システムで送達することができる。一実施形態では、ポンプを用いてもよい(Sefton,1987,CRC Crit.Ref.Biomed.Eng.14:201;Buchwald et al.Surgery,1980 88,507;Saudek et al.N.Engl.J.Med.1989,321,(574)を参照されたい。加えて、放出制御システムは、治療標的に近接して配置することができる。(Goodson,Medical Applications of Controlled Release,1984,Vol.2,pp.115−138を参照されたい)。また、本明細書に記載の医薬組成物は、経口使用に好適な形態、たとえば、錠剤、トローチ、ロゼンジ、水性もしくは油性懸濁液、分散性粉末または顆粒、エマルジョン、硬もしくは軟カプセル、またはシロップもしくはエリキシルとして活性成分を含むことができる。経口使用を意図した組成物は、医薬組成物の製造の技術分野で公知のどのような方法に従い調製してもよく、組成物は、口当たりがよくて飲みやすい調製物を提供するため、甘味剤、着香剤、着色剤および保存剤からなる群から選択される1つまたは複数の作用物質を含んでもよい。錠剤は、錠剤の製造に好適な無毒の薬学的に許容される賦形剤との混合物として活性成分を含む。こうした賦形剤には、たとえば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウムまたはリン酸ナトリウムなどの不活性希釈剤;微結晶性セルロース、ナトリウムクロスカルメロースナトリウム、コムスターチ、またはアルギン酸などの造粒剤および崩壊剤;結合剤、たとえばデンプン、ゼラチン、ポリビニル−ピロリドンまたはアカシア、ならびに滑沢剤、たとえば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタルクがある。錠剤は、非コーティングでも、あるいは、公知の技術によりコーティングして薬剤の味を隠したり、または胃腸管での崩壊および吸収を遅らせることにより、より長い期間にわたり作用を持続させたりしてもよい。必要に応じて、たとえば、ヒドロキシプロピルメチル−セルロースまたはヒドロキシプロピルセルロースなど水溶性の味マスキング材料、またはエチルセルロースもしくはセルロースアセテートブチレートなどの時間遅延材料を利用してもよい。また、経口使用のための製剤は、活性成分を不活性な固体状の希釈剤、たとえば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウムまたはカオリンと混合した硬質ゼラチンカプセルとして提供しても、あるいは、活性成分を水溶性のキャリア、たとえばポリエチレングリコール、または油媒体、たとえばピーナッツ油、流動パラフィンもしくはオリーブ油と混合した軟質ゼラチンカプセルとして提供してもよい。
水性懸濁液としては、水性懸濁液の製造に好適な賦形剤と活性材料を混合したものが挙げられる。こうした賦形剤には、懸濁化剤、たとえばカルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチル−セルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニル−ピロリドン、トラガントゴムおよびゴムアカシアがあり、分散剤または湿潤剤は、天然ホスファチド、たとえばレシチン、あるいは、アルキレンオキシドと脂肪酸との縮合生成物、たとえばステアリン酸ポリオキシエチレンでも、またはエチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールとの縮合生成物、たとえばヘプタデカエチレン−オキシセタノールでも、またはエチレンオキシドと脂肪酸およびヘキシトールから誘導される部分エステルとの縮合生成物、たとえばポリオキシエチレンソルビトールモノオレエートでも、またはエチレンオキシドと脂肪酸およびヘキシトール無水物から誘導される部分エステルとの縮合生成物、たとえばポリエチレンソルビタンモノオレエートでもよい。水性懸濁液は、1種または複数種の防腐剤、たとえばp−ヒドロキシ安息香酸エチルまたはp−ヒドロキシ安息香酸n−プロピル、1種または複数種の着色剤、1種または複数種の着香剤、および1種または複数種の甘味剤、たとえばスクロース、サッカリンまたはアスパルテームをさらに含んでもよい。
油性懸濁液は、活性成分を植物油、たとえばラッカセイ油、オリーブ油、ゴマ油もしくはヤシ油、または流動パラフィンなどの鉱油に懸濁することにより調製してもよい。油性懸濁液は、粘度付与剤、たとえば蜜蝋、固形パラフィンまたはセチルアルコールを含んでもよい。飲みやすい経口調製物を提供するため、上記のような甘味剤、および着香剤を加えてもよい。これらの組成物は、ブチル化ヒドロキシアニソールまたはα−トコフェロールなどの酸化防止剤を加えて保存してもよい。
水を添加して水性懸濁液を調製するのに好適な分散性粉末および顆粒は、分散剤または湿潤剤、懸濁化剤、および1種または複数種の防腐剤と活性成分混合したものである。好適な分散剤または湿潤剤および懸濁化剤としては、既に上述したものが挙げられる。別の賦形剤、たとえば甘味剤、着香剤および着色剤が存在してもよい。こうした組成物は、アスコルビン酸などの酸化防止剤を添加して保存してもよい。
また、医薬組成物は、水中油型エマルジョンの形態であってもよい。油相は、植物油、たとえばオリーブ油もしくはラッカセイ油でも、または鉱油、たとえば流動パラフィンでも、またはこれらの混合物でもよい。好適な乳化剤は、天然ホスファチド、たとえば大豆レシチン、ならびに脂肪酸およびヘキシトール無水物から誘導されるエステルまたは部分エステル、たとえばソルビタンモノオレエート、ならびにエチレンオキシドとの前記部分エステルの縮合生成物、たとえばポリオキシエチレンソルビタンオレエートでもよい。このエマルジョンは、甘味剤、着香剤、防腐剤および酸化防止剤をさらに含んでもよい。
シロップおよびエリキシルは、甘味剤、たとえばグリセロール、プロピレングリコール、ソルビトールまたはスクロースと一緒に製剤化してもよい。こうした製剤は、粘滑薬、防腐剤、着香剤および着色剤、ならびに酸化防止剤をさらに含んでもよい。
医薬組成物は、無菌の注射用水溶液の形態であってもよい。利用してもよい許容可能なビヒクルおよび溶媒には、水、リンゲル液および等張塩化ナトリウム溶液がある。また、無菌の注射用調製物は、活性成分を油相に溶解させた無菌の注射用水中油型マイクロエマルジョンでもよい。たとえば、最初に活性成分を大豆油とレシチンとの混合物に溶解させてもよい。次いで油溶液を水とグリセロールとの混合物に導入し、マイクロエマルジョンを形成するように処理する。この注射溶液またはマイクロエマルジョンは、局所ボーラス注射により患者の血流に導入してもよい。あるいは、本化合物の循環濃度を一定に維持するように、溶液またはマイクロエマルジョンを投与すると有利である場合がある。こうした一定の濃度を維持するため、持続的な静脈内送達装置を利用してもよい。こうした装置の例として、Deltec CADD−PLUS(商標)モデル5400静脈内ポンプがある。医薬組成物は、筋肉内投与および皮下投与のための無菌の注射用水性または油性懸濁液の形態であってもよい。この懸濁液は、従来技術に従い、上述したような好適な分散剤または湿潤剤、および懸濁化剤を用いて製剤化することができる。また、無菌の注射用調製物は、無毒の非経口的に許容可能な希釈液または溶媒に溶かした無菌の注射用溶液または懸濁液、たとえば1,3−ブタンジオール溶液としてもよい。さらに、無菌の不揮発性油を溶媒または懸濁媒体として利用すると都合がよい。このような場合に、合成モノまたはジグリセリドなど任意の刺激のない不揮発性油を利用してもよい。さらに、注射剤の調製にはオレイン酸などの脂肪酸も使用される。
また、医薬組成物は、薬剤の直腸投与のため坐剤の形態で投与してもよい。こうした組成物は、常温で固体であるが、直腸の温度では液体であるため、直腸で溶けて薬剤を放出する好適な非刺激性の賦形剤と阻害剤を混合することにより調製することができる。こうした材料には、カカオバター、グリセロゼラチン、水素添加植物油、様々な分子量のポリエチレングリコールとポリエチレングリコールの脂肪酸エステルとの混合物がある。
局所(topical)使用では、本発明の化合物または組成物を含むクリーム、軟膏、ゼリー、溶液または懸濁液等を使用してもよい。本明細書で使用する場合、局所(topical)適用には、洗口剤および含嗽剤を含めてもよい。
医薬組成物は、好適な経鼻投与ビヒクルおよび送達装置の局所(topical)使用による経鼻投与形態で投与しても、または当業者によく知られている経皮パッチの形態を用いて経皮経路で投与してもよい。経皮送達システム形態で投与するには、投与量の投与は、言うまでもなく、投与レジメントを通して間欠的ではなく連続的になる。
用量
投与される医薬組成物の量はまず、処置される哺乳動物によって左右される。医薬組成物をヒト被験者に投与する場合には、1日投与量は通常、処方する医師により決定されるが、投与量は一般に、個々の患者の年齢、性別、食事制限、体重、全体的な健康状態および応答、患者の症状の重症度、処置対象の正確な徴候または状態、処置対象の正確な徴候または状態の重症度、投与期間、投与経路、組成物の体内動態、***速度、薬剤の組み合わせ、および処方する医師の裁量に応じて異なる。さらに、投与経路も、状態およびその重症度に応じて異なる場合がある。好ましくは、医薬組成物は、単位剤形である。こうした形態では、適切な量の活性要素を含む単位用量、たとえば、所望の目的を達成する有効量に調製物を細分する。個々の状況に適切な投与量の決定は、当該技術分野の技術の範囲内である。一般に、処置は、化合物の至適用量未満の比較的少ない投与量から開始する。その後、その状況下で最適な効果に到達するまで投与量を少しずつ増加させる。便宜上、必要に応じて1日総投与量を分けて、その日のうちに分割して投与してもよい。本明細書に記載の化合物、さらに妥当な場合、他の治療薬および/または治療剤の投与の量および頻度は、上記のような因子を考慮しながら、担当臨床医(医師)の判断に従い調節する。このため、投与される医薬組成物の量は、種々様々であってもよい。投与は、1日約0.001mg/kg体重から〜約100mg/kg体重(単回または分割で投与)、一層好ましくは少なくとも1日約0.1mg/kg体重の量で行ってもよい。特定の治療投与量には、たとえば、約0.01mg〜約7000mgの化合物を含ませてもよく、好ましくは、たとえば、約0.05mg〜約2500mgを含ませる。調製物の単位用量中の活性化合物の量は、個々の適用に応じて、約0.1mg〜1000mg、好ましくは約1mg〜300mg、一層好ましくは10mg〜200mgで変動または調整してもよい。場合によっては、前述の範囲の下限を下回る投与量レベルが十分すぎることもある一方、他の場合には、さらにより多い用量を、たとえば、1日を通して投与するため複数の小用量に分割することにより、有害な副作用を何ら引き起こさずに利用できることもある。投与する量は、使用する化合物の個々のIC50値に応じて異なる。本化合物が単独の治療剤ではない組み合わせ適用では、より少量の化合物を投与してもなお、治療または予防効果を有することが可能である場合がある。
剤形
医薬組成物は、たとえば、錠剤、カプセル、丸剤、粉末、持続放出製剤、溶液、懸濁液として経口投与に好適な形態をとっても、滅菌溶液、懸濁液またはエマルジョンとして非経口注射に好適な形態をとっても、軟膏またはクリームとして局所(topical)投与に好適な形態をとっても、あるいは、坐剤として直腸投与に好適な形態をとってもよい。医薬組成物は、正確な投与量の単回投与のため単位剤形であってもよい。医薬組成物は、通常の薬学的キャリアまたは賦形剤、および活性成分としての本発明による化合物を含む。さらに、医薬組成物は、他の医療剤または医薬剤、キャリア、アジュバント等を含む。
非経口投与の例示的形態には、活性化合物を無菌水溶液、たとえば、水性プロピレングリコール溶液またはデキストロース溶液に溶かした溶液または懸濁液がある。こうした剤形は、必要に応じて好適に緩衝化してもよい。
好適な薬学的キャリアには、不活性希釈液または充填剤、水、および様々な有機溶媒がある。医薬組成物は、必要に応じて、香味料、バインダー、賦形剤および同種のものなど別の成分を含んでもよい。このため、経口投与では、クエン酸など様々な賦形剤を含む錠剤は、デンプン、アルギン酸、およびある種の複合シリケートなど様々な錠剤分解物質、ならびにスクロース、ゼラチンおよびアカシアなどの結合剤と一緒に利用してもよい。加えて、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウムおよびタルクなどの滑沢剤は、多くの場合、錠剤化において有用である。また、軟および硬ゼラチンカプセルにも、同種の固体組成物を利用してもよい。したがって、好ましい材料として、ラクトースまたは乳糖、および高分子量ポリエチレングリコールが挙げられる。経口投与に水性懸濁液またはエリキシルを所望する場合、その活性化合物は、水、エタノール、プロピレングリコール、グリセリン、またはこれらの組み合わせなどの希釈液と共に、様々な甘味剤または着香剤、着色料または染料、および、必要に応じて、乳化剤または懸濁化剤と組み合わせてもよい。
特定量の活性化合物を用いて様々な医薬組成物を調製する方法は、当業者に公知であるか、または明らかであろう。たとえば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,Mack Publishing Company,Ester,Pa.,18th Edition(1990)を参照されたい。
併用療法
本明細書に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは互変異性体は、単独の治療剤として投与してもよい。また、本明細書に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは互変異性体は、別の治療剤と組み合わせて投与してもよい。
単に例示に過ぎないが、本明細書に記載の化合物の1種を投与された患者が経験する副作用の1つが高血圧である場合、本化合物と組み合わせて降圧薬を投与することが適切である場合がある。あるいは、単に例示に過ぎないが、本明細書に記載の化合物の1種の治療有効性は、アジュバントの投与により改善されることがある(すなわち、アジュバントそれ自体の治療効果は、ごくわずかである場合があるが、別の治療薬と組み合わせると、患者に対する治療効果が全体として改善される)。あるいは、単に例示に過ぎないが、患者が経験する効果は、やはり治療効果を有する別の治療薬(治療レジメンをさらに含む)と共に本明細書に記載の化合物の1種を投与することにより増大する場合がある。単に例示に過ぎないが、本明細書に記載の化合物の1種の投与を用いた糖尿病の処置では、患者に別の糖尿病の治療薬を与えることにより、治療効果が増大し得る。いずれにせよ、処置される疾患、障害または状態に関わらず、患者が経験する全体の効果は、2種の治療薬が単純な相加されることもあり、あるいは、患者が相乗効果を経験することもある。
他の治療としては、他の治療薬の投与、放射線療法、またはその両方があるが、これに限定されるものではない。本明細書に記載の化合物を他の治療薬と共に投与する場合には、本明細書に記載の化合物を、他の治療薬と同じ医薬組成物として投与する必要はなく、物理的および化学的特性が異なるため、異なる経路で投与してもよい。たとえば、化合物1の組成物は、経口投与してその適切な血中レベルを得て、それを維持してもよいのに対し、他の治療薬は、静脈内投与してもよい。可能である場合、同じ医薬組成物の投与モードおよび投与の妥当性の判定は、十分に熟練した臨床医の知識の範囲内にある。初回投与は、当該技術分野において公知の確立されたプロトコルに従って行えばよく、次いで観察された作用、投与量、投与モードおよび投与期間に基づき、熟練した臨床医が変更してもよい。個々にどの化合物(および、適切な場合には、他の治療薬および/または放射線)を選択するかは、主治医の診断、ならびに主治医による患者の状態および適切な処置プロトコルの判断によって異なる。他の治療薬としては、たとえば、***阻害剤、たとえばビンブラスチン;アルキル化剤、たとえばシスプラチン、カルボプラチンおよびシクロホスファミド;代謝拮抗薬、たとえば5−フルオロウラシル、シトシンアラビンシドおよびヒドロキシ尿素、または、たとえば、N−(p−[N−(3,4−ジヒドロ−2−メチル−4−オキソキナゾリン−6−イルメチル)−N−メチルアミノ−2−テノイル)−L−グルタミン酸など欧州特許第0239362号明細書に開示された好ましい代謝拮抗薬の1種;増殖因子阻害剤;細胞周期阻害剤;挿入性抗生物質(intercalating antibiotics)、たとえばアドリアマイシンおよびブレオマイシン;酵素、たとえば、インターフェロン;ならびに抗ホルモン、たとえばNolvadex(商標)(タモキシフェン)などの抗エストロゲン、または、たとえばCasodex(商標)(4’−シアノ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−3’−(トリフルオロメチル)プロピオンアニリド)などの抗アンドロゲンから選択される抗腫瘍物質などの化学療法剤が挙げられる。こうした併用処置は、処置の各成分の同時投薬、連続投薬、または別々の投薬によって達成することができる。
本明細書に記載の化合物および組成物(さらに、適切な場合、化学療法剤および/または放射線)は、同時的に(たとえば、同時に、本質的に同時に、または同じ処置プロトコル内で)投与しても、あるいは、疾患の性質、患者の状態、および化合物/組成物と共に投与される(すなわち、単一の処置プロトコル内の)実際に選択した化学療法剤および/または放射線に応じて連続的に投与してもよい。
組み合わせ適用および使用では、化合物/組成物ならびに化学療法剤および/または放射線は、同時にまたは本質的に同時に投与する必要はなく、化合物/組成物ならびに化学療法剤および/または放射線の投与の最初の順番は、重要でない場合がある。このため、本発明の化合物/組成物を最初に投与し、続いて化学療法剤および/または放射線を投与してもよいし、あるいは、化学療法剤および/または放射線を最初に投与して、続いて本発明の化合物/組成物を投与してもよい。この交互に行う投与は、単一の処置プロトコルにおいて繰り返してもよい。処置される疾患の評価および患者の状態を踏まえた、処置プロトコルにおける投与の順番、および各治療薬の投与の反復数の決定は、熟練した医師の知識の十分に範囲内にある。たとえば、化学療法剤および/または放射線は、特にそれが細胞傷害性薬物である場合、最初に投与し、次いで本発明の化合物/組成物の投与により処置を継続し、その後、有利であると判定した場合、化学療法剤および/または放射線を投与し、処置プロトコルが終了するまで同様に行ってもよい。このため、開業医は、経験および知識を踏まえ、処置の進行に伴う個々の患者の必要性に応じて化合物/組成物を投与する各処置プロトコルを修正してもよい。担当臨床医は、投与される投与量で処置が有効であるかどうかを判断する際、患者の全般的な健康状態のほか、疾患関連の症状の軽減、腫瘍増殖の抑制、実際の腫瘍の縮小、または転移の抑制などより明確な徴候を考慮する。腫瘍の大きさは、放射線検査、たとえば、CATまたはMRIスキャンなど標準的な方法により測定することができ、経時的測定値を用いて腫瘍の増殖が遅延しているか、またはさらに改善しているか否かを判断してもよい。また、処置の有効性の判断の一助として、疼痛など疾患関連の症状の軽減、および全体的な状態の改善を用いてもよい。
考えられる併用療法の特定の非限定的な例として、下記に示した以下の薬物療法の分類に記載した作用物質と本発明の化合物の使用が挙げられる。これらのリストは、クローズドであると解釈してはならず、むしろ現時点で関連する治療分野に一般的な説明例としての役割を果たすものとする。さらに、併用レジメンは、様々な投与経路を含んでもよく、経口、静脈内、眼内、皮下、経皮、および吸入局所(topical)を含むものとする。
腫瘍疾患、増殖性障害および癌の処置では、アロマターゼ阻害剤、抗エストロゲン剤、抗アンドロゲン、コルチコステロイド、ゴナドレリンアゴニスト、トポイソメラーゼ1および2阻害剤、微小管活性剤、アルキル化剤、ニトロソウレア類、抗悪性腫瘍代謝拮抗剤、白金を含む化合物、脂質またはプロテインキナーゼを標的とする作用物質、IMiD、タンパク質または脂質ホスファターゼ阻害剤、IGF−I阻害剤、FGF3モジュレーター、mTOR阻害剤、Smac模倣体、HDAC阻害剤、細胞分化を誘導する作用物質、ブラジキニン1受容体アンタゴニスト、アンジオテンシン−IIアンタゴニスト、シクロオキシゲナーゼ阻害剤、ヘパラナーゼ阻害剤、リンホカイン阻害剤、サイトカイン阻害剤、IKK阻害剤、P38MAPK阻害剤、HSP90阻害剤、マルチキナーゼ阻害剤、ビスホスファネート、ラパマイシン誘導体、アントアポトーシス経路阻害剤、アポトーシス経路アゴニスト、PPARアゴニスト、Rasアイソフォームの阻害剤、テロメラーゼ阻害剤、プロテアーゼ阻害剤、メタロプロテイナーゼ阻害剤、およびアミノペプチダーゼ阻害剤を含む群から選択される作用物質と共に本発明による化合物を投与してもよい。
腫瘍疾患、増殖性障害および癌の処置では、ダカルバジン(DTIc)、アクチノマイシンC、、C、、DおよびF、、シクロホスファミド、メルファラン、エストラムスチン、マイタンシノール、リファマイシン、ストレプトバリシン、ドキソルビシン、ダウノルビシン、エピルビシン、イダルビシン、デトルビシン、カルミノマイシン、イダルビシン、エピルビシン、エソルビシン、ミトキサントロン、ブレオマイシンA、AおよびB、カンプトテシン、Irinotecan(登録商標)、Topotecan(登録商標)、9−アミノカンプトテシン、10,ll−メチレンジオキシカンプトテシン、9−ニトロカンプトテシン、ボルテゾミブ、テモゾロミド、TAS103、NPI0052、コンブレタスタチン、コンブレタスタチンA−2、コンブレタスタチンA−4、カリチアマイシン、ネオカルシノスタチン、エポチロンA B、Cおよび半合成変異体、Herceptin(登録商標)、Rituxan(登録商標)、CD40抗体、アスパラギナーゼ、インターロイキン、インターフェロン、ロイプロリドおよびペガスパルガーゼ、5−フルオロウラシル、フルオロデオキシウリジン、プトラフール、5’−デオキシフルオロウリジン、UFT、MITC、S−1カペシタビン、ジエチルスチルベストロール、タモキシフェン、トレメフィン、トルムデックス、チミタク、フルタミド、フルオキシメステロン、ビカルタミド、フィナステリド、エストラジオール、トリオキシフェン、デキサメタゾン、酢酸リュープロエリン、エストラムスチン、ドロロキシフェン、メドロキシプロゲステロン、酢酸メゲステロール、アミノグルテチミド、テストラクトン、テストステロン、ジエチルスチルベストロール、ヒドロキシプロゲステロン、マイトマイシンA、BおよびC、ポルフィロマイシン、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、テトラプラチン、白金−DACH、オルマプラチン、サリドマイド、レナリドマイド、CI−973、テロメスタチン、CHIR258、Rad 001、SAHA、ツバシン、17−AAG、ソラフェニブ、JM−216、ポドフィロトキシン、エピポドフィロトキシン、エトポシド、テニポシド、Tarceva(登録商標)、Iressa(登録商標)、Imatinib(登録商標)、Miltefosine(登録商標)、Perifosine(登録商標)、アミノプテリン、メトトレキサート、メトプテリン、ジクロロ−メトトレキサート、6−メルカプトプリン、チオグアニン、アザッツオプリン、アロプリノール、クラドリビン、フルダラビン、ペントスタチン、2−クロロアデノシン、デオキシシチジン、シトシンアラビノシド、シタラビン、アザシチジン、5−アザシトシン、ゲンシタビン、5−アザシトシン−アラビノシド、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビノレルビン、ロイロシン、ロイロシジンおよびビンデシン、パクリタキセル、タキソテール、およびドセタキセルを含む群から選択される作用物質と共に本発明による化合物を投与してもよい。
炎症性疾患および疼痛の処置では、コルチコステロイド、非ステロイド性抗炎症剤、筋弛緩薬および他の作用物質とこれらの組み合わせ、麻酔薬および他の作用物質とその組み合わせ、去痰薬および他の作用物質とその組み合わせ、抗鬱薬、抗痙攣薬およびこれらの組み合わせ;抗高血圧薬、オピオイド、局所(topical)カンナビノイド、ならびにカプサイシンなどの他の作用物質を含む群から選択される作用物質と共に本発明による化合物を投与してもよい。
炎症性疾患および疼痛の処置では、ジプロピオン酸ベタメタゾン(増量および非増量(augmented and nonaugmented))、吉草酸ベタメタゾン、プロピオン酸クロベタゾール、プレドニゾロン、酢酸ジフロラゾン、プロピオン酸ハロベタゾール、アムシノニド、デキサメタゾン、デキソシメタゾン、フルオシノロンアセトノニド、フルオシノニド、ハロシノニド、ピバル酸クロコルタロン、デキソシメタゾン、フルランドレナリド、サリチラート、イブプロフェン、ケトプロフェン、エトドラク、ジクロフェナク、メクロフェナム酸ナトリウム、ナプロキセン、ピロキシカム、セレコキシブ、シクロベンザプリン、バクロフェン、シクロベンザプリン/リドカイン、バクロフェン/シクロベンザプリン、シクロベンザプリン/リドカイン/ケトプロフェン、リドカイン、リドカイン/デオキシ−D−グルコース、プリロカイン、EMLAクリーム(局所麻酔薬の共融混合物)(リドカイン2.5%およびプリロカイン2.5%)、グアイフェネシン、グアイフェネシン/ケトプロフェドシクロベンザプリン、アミトリプチリン、ドキセピン、デシプラミン、イミプラミン、アモキサピン、クロミプラミン、ノルトリプチリン、プロトリプチリン、デュロキセチン、ミルタゼピン、ニソキセチン、マプロチリン、レボキセチン、フルオキセチン、フルボキサミン、カルバマゼピン、フェルバメート、ラモトリジン、トピラマート、チアガビン、オキシカルバゼピン、カルバメジピン、ゾニサミド、メキシレチン、ガバペンチドクロニジン、ガバペンチン/カルバマゼピン、カルバマゼピネルシクロベンザプリン、クロニジンなどの抗高血圧薬、コデイン、ロペラミド、トラムドール、モルヒネ、フェンタニル、オキシコドン、ヒドロコドン、レボルファノール、ブトルファノール、メントール、ウィンターグリーン油、ショウノウ、ユーカリ油、テレピン油;CB1/CB2リガンド、アセトアミノフェン、インフリキシマブ;一酸化窒素合成酵素阻害剤、特に誘導性一酸化窒素合成酵素の阻害剤;ならびにカプサイシンなど他の作用物質を含む群から選択される作用物質と共に本発明による化合物を投与してもよい。
眼障害および眼の疾患の処置では、β遮断薬、カルボニックアンヒドラーゼ阻害剤、a1−アドレナリンアンタゴニストなどのαおよびβアドレナリンアンタゴニスト、α2アゴニスト、縮瞳薬、プロスタグランジンアナログ、コルチコステロイド、ならびに免疫抑制薬を含む群から選択される作用物質と共に本発明による化合物を投与してもよい。
眼障害および眼の疾患の処置では、チモロール、ベタキソロール、レボベタキソロール、カルテオロール、レボブノロール、プロプラノロール、ブリンゾラミド、ドルゾラミド、ニプラジロール、アイオピジン、ブリモニジン、ピロカルピン、エピネフリン、ラタノプロスト、トラボプロスト、ビマトプロスト、ウノプロストン、デキサメタゾン、プレドニゾン、メチルプレドニゾロン、アザチオプリン、シクロスポリン、および免疫グロブリンを含む群から選択される作用物質と共に本発明による化合物を投与してもよい。
自己免疫障害の処置では、コルチコステロイド、免疫抑制剤、プロスタグランジンアナログ、および代謝拮抗剤を含む群から選択される作用物質と共に本発明による化合物を投与してもよい。
自己免疫障害の処置では、デキサメタソーム、プレドニゾン、メチルプレドニゾロン、アザチオプリン、シクロスポリン、免疫グロブリン、ラタノプロスト、トラボプロスト、ビマトプロスト、ウノプロストン、インフリキシマブ、ルツキシマブ、およびメトトレキサートを含む群から選択される作用物質と共に本発明による化合物を投与してもよい。
代謝障害の処置では、インスリン、インスリン誘導体および模倣体、インスリン分泌促進剤、インスリン増感剤、ビグアナイド剤、α−グルコシダーゼ阻害剤、インスリン分泌性スルホニル尿素受容体リガンド、タンパク質チロシンホスファターゼ−1B(PTP−1B)阻害剤、GSK3(グリコーゲンシンターゼキナーゼ−3)阻害剤、GLP−1(グルカゴン様ペプチド−1)、GLP−1アナログ、DPPIV(ジペプチジルペプチダーゼIV)阻害剤、RXRリガンド ナトリウム依存性グルコース共輸送体阻害剤、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤、AGE分解剤、PPARモジュレーター、ならびに非グリタゾン系PPARSアゴニストを含む群から選択される作用物質と共に本発明による化合物を投与してもよい。
代謝障害の処置では、インスリン、メトホルミン、グリピジド、グリブリド、アマリール、メグリチニド、ナテグリニド、レパグリニド、PT−112、SB−517955、SB4195052、SB−216763、NN−57−05441、NN−57−05445、GW−0791、AGN−.sup.194.sup.204、T−1095、BAY R3401、アカルボースエキセンディン−4、DPP728、LAF237、ビルダグリプチン、MK−0431、サクサグリプチン、GSK23A、ピオグリタゾン、ロシグリタゾン、国際公開第031043985号パンフレットに実施例4の化合物19として記載された(R)−1−{4−[5−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−オキサゾール−4−イルメトキシ]−ベンゼンスルホニル)2,3−ジヒドロ−1H−インドール−2−カルボン酸、およびGI−262570を含む群から選択される作用物質と共に本発明による化合物を投与してもよい。
疾患
本明細書では、疾患に罹患している個体の前記疾患を処置する方法であって、式(I)−(II)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは互変異性体。を含む有効量の組成物を、前記個体に投与することを含む方法について記載する。
また、本発明は、MEKキナーゼが関わっている任意の疾患または障害、以下に限定されるものではないが、腫瘍疾患、血液疾患、炎症性疾患、眼疾患、神経疾患、免疫疾患、循環器疾患、および皮膚疾患のほか、過剰または調節不能なプロ炎症性サイトカインの産生、たとえば、ヒトまたは他の哺乳動物の過剰または調節不能なTNF、IL−1、IL−6およびIL−8の産生により引き起こされる疾患の予防または処置に及ぶ。本発明は、そうした本化合物の使用と、そうしたサイトカインが介在する疾患または障害を処置する薬物の製造のための本化合物の使用とに及ぶ。さらに、本発明は、こうした任意の疾患または障害を処置するため有効量のMEK阻害剤をヒトに投与することに及ぶ。
MEKキナーゼが直接関わっているか、あるいは、サイトカインTNF、IL−1、IL−6およびIL−8などプロ炎症性サイトカインを介して関わっている疾患または障害には、以下に限定されるものではないが、ドライアイ、緑内障、自己免疫疾患、炎症性疾患、破壊性骨障害(destructive−bone disorder)、増殖性障害。神経変性障害。ウイルス性疾患、アレルギー、感染症、心発作、血管形成障害、脳卒中における再灌流/虚血、血管肥厚、臓器の低酸素症、心肥大、トロンビンによる血小板凝集、およびプロスタグランジンエンドペルオキシダーゼシンテターゼ−2(COX−2)と関連する状態がある。
本発明のある態様では、疾患は、以下に限定されるものではないが、癌、過形成、再狭窄、炎症、免疫障害、心肥大、アテローム性動脈硬化症、疼痛、片頭痛、血管形成に関連する状態または障害、医学的状態の後、以下に限定されるものではないが、手術、血管形成術の後に誘発される増殖、または他の状態などヒトまたは動物の体の過剰増殖状態である。
さらなる実施形態では、前記過剰増殖状態は、血液癌および非血液癌からなる群から選択される。なおさらなる実施形態では、前記血液癌は、多発性骨髄腫、白血病およびリンパ腫からなる群から選択される。なおさらなる実施形態では、前記白血病は、急性および慢性白血病からなる群から選択される。なおさらなる実施形態では、前記急性白血病は、急性リンパ性白血病(ALL)および急性非リンパ性白血病(ANLL)からなる群から選択される。なおさらなる実施形態では、前記慢性白血病は、慢性リンパ球性白血病(CLL)および慢性骨髄性白血病(CML)からなる群から選択される。さらなる実施形態では、前記リンパ腫は、ホジキンリンパ腫および非ホジキンリンパ腫からなる群から選択される。さらなる実施形態では、前記血液癌は多発性骨髄腫である。他の実施形態では、前記血液癌は、低悪性度、中悪性度、または高悪性度である。他の実施形態では、前記非血液癌は、脳癌、頭頸部の癌、肺癌、乳癌、生殖器系の癌、消化器系の癌、膵癌、および泌尿器系の癌からなる群から選択される。さらなる実施形態では、前記消化器系の癌は、上部消化管の癌または結腸直腸癌である。さらなる実施形態では、前記泌尿器系の癌は、膀胱癌(bladder cancer)または腎細胞癌である。さらなる実施形態では、前記生殖器系の癌は前立腺癌である。
本明細書に記載の化合物および方法を用いて処置することができる別の種類の癌としては、口腔および咽頭の癌、呼吸器系の癌、骨および関節の癌、軟部組織の癌、皮膚癌、生殖系の癌、眼および眼窩の癌、神経系の癌、リンパ系の癌、ならびに内分泌系の癌が挙げられる。ある種の実施形態では、これらの癌は、舌、口、咽頭もしくは他の口腔の癌;食道癌、胃癌もしくは小腸の癌;結腸癌、または直腸癌、肛門癌もしくは肛門直腸癌;肝臓、肝内胆管、胆嚢、膵臓、または他の胆管もしくは消化器の癌;喉頭癌、気管支癌および呼吸器の他の癌;心臓癌、メラノーマ、基底細胞癌、扁平上皮癌、他の非上皮性皮膚癌;子宮または子宮頸癌;子宮体部癌;卵巣癌、外陰部癌、膣癌または他の女性生殖器の癌;前立腺癌、精巣癌、陰茎癌または他の***の癌;膀胱癌;腎臓の癌;腎癌、骨盤癌もしくは尿道癌、または他の尿生殖器の癌;甲状腺癌または他の内分泌癌;慢性リンパ球性白血病;ならびに皮膚T細胞リンパ腫、顆粒球系および単球系の両方からなる群から選択されてもよい。。
本明細書に記載の化合物および方法を用いて処置することができるなお他の種類の癌として、腺癌(adenocarcinoma)、血管肉腫、星状細胞腫、聴神経腫、未分化星状細胞腫、基底細胞癌、ブラストグリオーマ(blastoglioma)、軟骨肉腫、絨毛癌、脊索腫、頭蓋咽頭腫、皮膚メラノーマ、嚢胞腺癌、内皮肉腫、胎児性癌、上衣腫、ユーイング腫瘍、上皮性癌、線維肉腫、胃癌(gastric cancer)、尿生殖器癌、多形神経膠芽腫、血管芽細胞腫、肝細胞癌、ヘパトーマ、カポジ肉腫、大細胞癌、平滑筋肉腫、脂肪肉腫、リンパ管肉腫、リンパ管内皮肉腫、甲状腺髄様癌、髄芽腫、髄膜腫 中皮腫、骨髄腫、粘液肉腫 神経芽細胞腫、神経線維肉腫、乏突起膠腫、骨原性肉腫、卵巣上皮癌、乳頭癌、乳頭腺癌、副甲状腺腫瘍、褐色細胞腫、松果体腫、形質細胞腫、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、皮脂腺癌、セミノーマ、皮膚癌、メラノーマ、小細胞性肺癌、扁平上皮癌、汗腺癌、滑膜腫、甲状腺癌、ぶどう膜メラノーマ、およびウィルムス腫瘍が挙げられる。
また、哺乳動物の過剰増殖性障害を処置する方法であって、治療有効量の式(I)−(II)の化合物)、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくは誘導体を抗腫瘍薬と組み合わせて前記哺乳動物に投与することを含む方法についても記載する。いくつかの実施形態では、抗腫瘍薬は、***阻害剤、アルキル化剤、代謝拮抗薬、挿入性抗生物質(intercalating antibiotics)、増殖因子阻害剤、細胞周期阻害剤、酵素阻害剤、トポイソメラーゼ阻害剤、生物学的応答調節剤、抗ホルモン、血管形成阻害剤、および抗アンドロゲンからなる群から選択される。
本明細書に記載の化合物、組成物および方法を用いて処置される疾患は、血液障害であってもよい。ある種の実施形態では、前記血液障害は、鎌状赤血球貧血、骨髄異形成障害(MDS)、および骨髄増殖性障害からなる群から選択される。さらなる実施形態では、前記骨髄増殖性障害は、真性赤血球増加症、骨髄線維症および本態性血小板血症からなる群から選択される。
本明細書に記載の化合物、組成物および方法は、有害な副作用が著しく少ないという別の利点がある抗炎症薬として有用である場合がある。本明細書に記載の化合物、組成物および方法は、関節炎、以下に限定されるものではないが、関節リウマチ、脊椎関節症、痛風性関節炎、変形性関節症、全身性紅斑性狼瘡、若年性関節炎、急性リウマチ性関節炎、腸炎性関節炎、神経障害性関節炎、乾癬性関節炎、および化膿性関節炎の処置に有用である。本明細書に記載の化合物、組成物および方法はまた、骨粗鬆症および他の関連する骨障害の処置にも有用である。また、本明細書に記載のこれらの化合物、組成物および方法は、逆流性食道炎、下痢、炎症性腸疾患、クローン病、胃炎、過敏性腸症候群、および潰瘍性大腸炎など消化管の状態の処置に使用してもよい。また、本明細書に記載の化合物、組成物および方法は、ウイルス感染および嚢胞性線維症に関連するような肺炎症の処置に使用してもよい。さらに、本明細書に記載の化合物、組成物および方法はまた、単独で、あるいは、通常の免疫調節剤と組み合わせて臓器移植患者にも有用である。さらに、本明細書に記載の化合物、組成物および方法は、掻痒症および白斑の処置にも有用である。特に、本明細書に記載の化合物、組成物および方法は、特定の炎症性疾患、関節リウマチの処置に有用である。
予防または処置することができる別の炎症性疾患として、以下に限定されるものではないが、喘息、アレルギー、呼吸窮迫症候群、または急性もしくは慢性膵炎が挙げられる。さらに、呼吸器系疾患、以下に限定されるものではないが、慢性閉塞性肺疾患および肺線維症を予防または処置することもできる。さらに、本明細書に記載のMEKキナーゼ阻害剤は、プロスタグランジンエンドペルオキシダーゼシンテターゼ−2(COX−2)の産生にも関係している。アラキドン酸から誘導されるシクロオキシゲナーゼ経路のプロ炎症性メディエーター、たとえばプロスタグランジンは、誘導型COX−2酵素により産生される。COX−2を調節すれば、様々な細胞に影響を与え、重要であり、かつ、様々な病状および状態の決定的な炎症性メディエーターであるこれらのプロ炎症性メディエーターが制御されると考えられる。特に、これらの炎症性メディエーターは、疼痛受容体の感作などの疼痛、および浮腫に関与していることが知られている。したがって、予防または処置することができる別のMEKキナーゼが介在する状態として、浮腫、痛覚消失、発熱、ならびに神経筋痛、頭痛、歯痛、関節炎痛および癌による疼痛などの疼痛が挙げられる。
さらに、本明細書に記載の化合物、組成物および方法により処置される疾患は、眼障害であってもよい。眼疾患、および発病に血管形成が関係している他の疾患は、処置または予防することができ、以下に限定されるものではないが、ドライアイ(シェーグレン症候群を含む)、黄斑変性症、閉塞および広隅角緑内障、網膜神経節変性、眼虚血、網膜炎、網膜症、ぶどう膜炎、羞明、ならびに眼組織の急性損傷に関連する炎症および疼痛が挙げられる。本明細書に記載の化合物、組成物および方法は、緑内障性網膜症および/または糖尿病性網膜症の処置に使用してもよい。また、本明細書に記載の化合物、組成物および方法は、白内障手術および屈折矯正手術などの眼科手術による術後の炎症または疼痛の処置に使用してもよい。さらなる実施形態では、前記眼障害は、ドライアイ、閉塞隅角緑内障および広隅角緑内障からなる群から選択される。
さらに、本明細書に記載の化合物、組成物および方法により処置される疾患は、自己免疫疾患であってもよい。予防または処置することができる自己免疫疾患として、以下に限定されるものではないが、関節リウマチ、炎症性腸疾患、炎症性疼痛、潰瘍性大腸炎、クローン病、歯周病、顎関節疾患、多発性硬化症、糖尿病、糸球体腎炎、全身性紅斑性狼瘡、強皮症、慢性甲状腺炎、グレーブス病、溶血性貧血、自己免疫性胃炎、自己免疫性好中球減少症、血小板減少症、慢性活動性肝炎、重症筋無力症、アトピー性皮膚炎、移植片対宿主病、および乾癬が挙げられる。予防または処置することができる炎症性疾患として、以下に限定されるものではないが、喘息、アレルギー、呼吸窮迫症候群、または急性もしくは慢性膵炎が挙げられる。特に、本明細書に記載の化合物、組成物および方法は、特定の自己免疫疾患、関節リウマチおよび多発性硬化症の処置に有用である。
さらに、本明細書に記載の化合物、組成物および方法により処置される疾患は、皮膚障害であってもよい。ある種の実施形態では、前記皮膚障害は、以下に限定されるものではないが、メラノーマ、基底細胞癌、扁平上皮癌、および他の非上皮性皮膚癌のほか、乾癬、および持続的な痒みを含む群から選択され、皮膚および皮膚構造に関連する他の疾患も、本発明のMEKキナーゼ阻害剤を用いて処置または予防することができる。
処置または予防することができる代謝疾患として、以下に限定されるものではないが、メタボリックシンドローム、インスリン抵抗性、1型および2型糖尿病が挙げられる。さらに、本明細書に記載の組成物は、インスリン抵抗性、および典型的には過剰な炎症性シグナル伝達と関連する、アテローム性動脈硬化症などの他の代謝障害の処置に使用することもできる。
本明細書に記載の化合物、組成物および方法はまた、血管疾患、片頭痛型頭痛、結節性動脈周囲炎、甲状腺炎、再生不良性貧血、ホジキン病、スクレドーマ、リウマチ熱、I型糖尿病、重症筋無力症などの神経筋接合部疾患 多発性硬化症などの白質疾患、サルコイドーシス、腎炎、ネフローゼ症候群、ベーチェット症候群、多発性筋炎、歯肉炎、歯周炎(periodontis)、過敏症、損傷後に生じる腫脹、心筋虚血、心血管虚血および心停止による虚血などの虚血、ならびに同種のもののような疾患の組織損傷の処置にも有用である。また、本明細書に記載の化合物、組成物および方法は、アレルギー性鼻炎、呼吸窮迫症候群、エンドトキシンショック症候群、およびアテローム性動脈硬化症の処置に使用してもよい。
さらに、本明細書に記載の化合物、組成物および方法により処置される疾患は、循環器状態であってもよい。ある種の実施形態では、前記循環器状態は、アテローム性動脈硬化症、心肥大、特発性心筋症、心不全、血管形成関連の状態または障害、ならびに、以下に限定されるものではないが、手術および血管形成術によって生じる再狭窄など医学的状態後に誘発される増殖からなる群から選択される。
さらに。本明細書に記載の化合物、組成物および方法により処置される疾患は、神経障害であってもよい。ある種の実施形態では、前記神経障害は、パーキンソン病、アルツハイマー病、アルツハイマー型認知症、ならびに脳卒中、虚血および外傷によって生じる中枢神経系損傷からなる群から選択される。他の実施形態では、前記神経障害は、癲癇、神経因性疼痛、鬱病、および双極性障害からなる群から選択される。
さらに、本明細書に記載の化合物、組成物および方法により処置される疾患は、急性骨髄性白血病、胸腺癌、脳癌、肺癌、扁平上皮癌、皮膚癌、眼癌、網膜芽細胞腫、眼内黒色腫、口腔および中咽頭癌、膀胱癌、胃癌(gastric cancer)、胃癌、膵癌、膀胱癌、乳癌、子宮頸癌、頭部癌、頸部癌、腎癌、腎臓癌、肝臓、卵巣癌、前立腺癌、結腸直腸癌、食道癌、精巣癌、婦人科癌、甲状腺癌、CNS癌、PNS癌、AIDS関連AIDS関連癌(たとえばリンパ腫およびカポジ肉腫)、またはウイルス誘発癌などの癌であってもよい。いくつかの実施形態では、本化合物および組成物は、皮膚の良性過形成(たとえば、乾癬)、再狭窄の良性過形成、または前立腺の良性過形成(たとえば、良性の前立腺肥大(BPH))など非癌性の過剰増殖性障害を処置するものである。
さらに、本明細書に記載の化合物、組成物および方法により処置される疾患は、哺乳動物の膵炎、腎疾患(増殖性糸球体腎炎および糖尿病性腎臓病など)、疼痛、脈管形成または血管形成に関連した疾患、腫瘍血管形成、関節リウマチなどの慢性炎症性疾患、炎症性腸疾患、アテローム性動脈硬化症、乾癬、湿疹および強皮症などの皮膚疾患、糖尿病、糖尿病性網膜症、未熟児網膜症、加齢黄斑変性症、血管腫、神経膠腫、メラノーマ、カポジ肉腫、ならびに卵巣癌、乳癌、肺癌、膵癌、前立腺癌、結腸癌、ならびに類表皮癌であってもよい。
さらに、本明細書に記載の化合物、組成物および方法により処置される疾患は、哺乳動物の未分化胚細胞の移植の予防であってもよい。
本発明の方法によれば、本明細書に記載の化合物、または前記化合物の薬学的に許容される塩、エステル、プロドラッグ、溶媒和物、水和物もしくは誘導体を用いて処置できる患者には、たとえば、乾癬;再狭窄;アテローム性動脈硬化症;BPH;乳腺の管組織における腺管癌などの乳癌、髄様癌、膠様癌、管状癌および炎症性乳癌;卵巣の腺癌(adenocarcinoma)、および卵巣から腹腔に転移した腺癌(adenocarcinoma)などの上皮性卵巣腫瘍を含む卵巣癌;子宮癌;扁平上皮癌および腺癌(adenocarcinoma)を含む頸部上皮の腺癌(adenocarcinoma)などの子宮頸癌;腺癌(adenocarcinoma)または骨に転移した腺癌(adenocarinoma)から選択される前立腺癌などの前立腺癌;膵管組織の類上皮性癌、および膵管の腺癌(adenocarcinoma)などの膵癌;膀胱の移行上皮癌、尿路上皮癌(移行上皮癌)、膀胱の内側を覆う尿路上皮細胞の腫瘍、扁平上皮癌、腺癌(adenocarcinoma)、および小細胞癌などの膀胱癌(bladder cancer);急性骨髄性白血病(AML)、急性リンパ性白血病、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病、有毛細胞白血病、骨髄形成異常、および骨髄増殖性障害などの白血病;骨癌;扁平上皮癌、腺癌(adenocarcinoma)および大細胞未分化癌に分類される非小細胞肺癌(NSCLC)、ならびに小細胞肺癌などの肺癌;基底細胞癌、メラノーマ、扁平上皮癌、および扁平上皮癌に進展することがある皮膚状態である日光角化症などの皮膚癌;眼の網膜芽細胞腫;皮膚または眼内(眼)メラノーマ;原発性肝癌(肝臓から始まる癌);腎臓癌;乳頭、濾胞性、髄様および組織非形成性などの甲状腺癌;びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、B細胞免疫芽球性リンパ腫、および小型非切れ込み核細胞性リンパ腫などのAIDS関連リンパ腫;カポジ肉腫;B型肝炎ウイルス(HBV)、C型肝炎ウイルス(HCV)および肝細胞癌を含むウイルス誘発癌;ヒトリンパ球向性ウイルス1型(HTLV−1)および成人T細胞白血病/リンパ腫;ならびにヒトパピローマウイルス(HPV)および子宮頸癌;神経膠腫(星状細胞腫、未分化星状細胞腫または多形神経膠芽腫)、乏突起膠腫、上衣腫、髄膜腫、リンパ腫、シュワン腫、および髄芽腫を含む原発性脳腫瘍などの中枢神経系癌(CNS);聴神経腫、悪性末梢神経鞘腫瘍(MPNST)(神経線維腫およびシュワン腫を含む)、悪性線維性細胞腫、悪性線維性組織球腫、悪性髄膜腫、悪性中皮腫、および悪性ミューラー管混合腫瘍などの末梢神経系(PNS)癌;下咽頭癌、喉頭癌、上咽頭癌および中咽頭癌などの口腔および中咽頭癌;リンパ腫、胃間質腫瘍およびカルチノイド腫瘍などの胃癌;セミノーマおよび非セミノーマを含む胚細胞腫瘍(GCT)、ならびにライディッヒ細胞腫およびセルトリ細胞腫を含む性腺間質腫瘍などの精巣癌;胸腺腫、胸腺癌腫、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫 カルチノイドまたはカルチノイド腫瘍などの胸腺癌;直腸癌;ならびに結腸癌であると診断された患者がある。
キット
本明細書に記載の化合物、組成物および方法は、本明細書に記載したような障害を処置するためのキットを提供する。こうしたキットは、容器に本明細書に記載の化合物または組成物と、任意に、組成物の活性および/もしくは利点を示唆または証明する、ならびに/または、投薬、投与、副作用、薬剤相互作用、もしくは医療提供者に有用な他の情報を記載する、科学の参考文献、添付文書資料、臨床試験結果、および/またはその要約、ならびに同種のものなど、様々な方法およびアプローチによるキットの使用を教示する説明書を含む。こうした情報は、様々な研究、たとえば、インビボモデルに関する実験動物を用いた研究、およびヒト臨床試験を利用した研究に基づくものであってもよい。本明細書に記載のキットは、医師、看護師、薬剤師、処方作成者および同種のものなど医療従事者に提供、販売およびまたは販売促進してもよい。また、いくつかの実施形態では、キットを消費者に直接販売してもよい。
本明細書に記載の化合物は、診断のために利用しても、研究用試薬として利用することができる。たとえば、本明細書に記載の化合物は、単独で、あるいは、他の化合物と組み合わせて、細胞および組織内で発現する遺伝子の発現パターンを解明するための差次的解析および/または組み合わせ解析のツールとして使用することができる。1つの非限定的な例として、1種または複数種の化合物で処置した細胞または組織内の発現パターンは、たとえば、調査対象の遺伝子の疾患関連性、シグナル伝達経路、細胞局在、発現レベル、大きさ、構造または機能に関係があるため、化合物で処置していない対照の細胞または組織と比較して、得られたパターンを遺伝子発現の差次的なレベルについて解析する。これらの解析は、刺激または非刺激細胞について、発現パターンに影響を与える他の化合物の存在下で行っても、または非存在下で行ってもよい。
本発明の化合物および製剤は、ヒトの処置に有用であるだけでなく、哺乳動物、齧歯動物および同種のものを含む、コンパニオンアニマル、エキゾチックアニマルおよび家畜の動物の処置にも有用である。一層好ましい動物として、ウマ、イヌおよびネコが挙げられる。
一般に、本発明に使用される化合物は、当該技術分野において公知の標準的な技術、それに類似した公知のプロセス、および/または、本明細書に記載のプロセスにより、市販されているか、または日常的な通常の化学的方法により製造可能な出発材料を用いて調製してもい。以下の調製方法は、読者が本発明の化合物を合成するのを助けるために提供する。
一般的な実験方法
空気および湿気感受性の液体および溶液については、シリンジまたはカニューレで移し、ゴムセプタムを介して反応槽に導入した。市販グレードの試薬および溶媒を、さらに精製することなく使用した。「減圧下で濃縮」または「減圧」という用語は、Buchiロータリーエバポレーターを約15mmのHgで使用することをいう。温度はすべて未補正の摂氏温度(℃)で報告する。
溶液の脱気を実施した場合、溶液に窒素ガスをバブリングすることにより行った。
薄層クロマトグラフィー(TLC)は、EM Scienceプレコーテッドガラス充填シリカゲル60 A F−254 250pmプレートを用いて実施した。カラムクロマトグラフィー(フラッシュクロマトグラフィー)は、32〜63ミクロン、60Å、シリカゲルプレパックドカートリッジを用いてCombiflashシステムにより実施した。分取逆相HPLCクロマトグラフィーを用いた精製は、YMC Pro−C18 AS−342(150×20mm I.D.)カラムを用いてGilson 215システムにより行った。典型的には、使用した移動相は、H0(A)とMeCN(B)との混合物であった。水は、0.1%TFAと混合してもよい。以下に、典型的なグラジエントを記載する。
HPLC法(方法H):Phenomenex C18(150×30mm)5μカラム、5%アセトニトリルから90%アセトニトリルまで20min、流速20mL/min
LC−MS/MS法:Zorbax C18(15cm×2.1mm)カラム、溶媒A:0.1%ギ酸を含むアセトニトリル、溶媒B:0.1%ギ酸を含む水、5%〜85%Aの15minのグラジエント。
通常の一次元NMR分光法は、400または500MHzのVarian Mercury−plusスペクトロメーターを用いて行った。サンプルは、Cambridge Isotope Labsから入手した重水素化溶媒に溶解させ、5mm ID Wilmad NMRチューブに移した。スペクトルは、293°Kで得た。化学シフトは、ppmのスケールで記録し、’Hスペクトルでは、DMSO−dの2.49ppm、CDCNのI.93ppm、CDODの3.30ppm、CDClの5.32ppm、およびCDClの7.26ppm、I3Cスペクトルでは、DMSO−dの39.5ppm、CDCNの1.3ppm、CDODの49.0ppm、CDClの53.8ppmおよびCDClの77.0ppmなど適切な残留溶媒シグナルを標準とした。
反応スキームに一般的な調製の方法を図示し、続いて具体的など調製例を説明する。
略語および頭字語
本明細書で以下の略語を使用する場合、以下の意味を持つ。
AcOH 酢酸
anhy 無水
Bu ブチル
n−BuOH n−ブタノール
t−BuOH tert−ブタノール
t−BuOK カリウム−tert−ブトキシド
CBS Corey−Bakshi−Shibata触媒
CDOD メタノール−d
CI−MS 化学イオン化質量分析法
conc 濃縮
DCC ジシクロヘキシルカルボジイミド
DCM ジクロロメタン
DAMP 4−ジメチルアミノピリジン
DME 1,2−ジメトキシエタン
DMF N,N−ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
ee 鏡像体過剰率
El−MS 電子衝撃質量分析法
ES−MS エレクトロスプレー質量分析法
EtN トリエチルアミン
EtOAc 酢酸エチル
EtOH エタノール
EtO エチルエーテル
GC−MS ガスクロマトグラフィー−質量分析法
h 時間
HPLC 高圧液体クロマトグラフィー
IL−1(2、3,4、n) インターロイキン−1(2、3、4、n)タンパク質
LC−MS 液体クロマトグラフィー−質量分析法
LG 脱離基
LHMDS リチウムビス(トリメチルシリル)アミド
Me メチル
MeOH メタノール
mg ミリグラム
min 分
mL ミリリットル
mmol ミリモル
NMR 核磁気共鳴
NMO N−メチルモルホリン−N−オキシド
ppm 百万分率
保持係数
保持時間
rt 室温
THF テトラヒドロフラン
TFA トリフルオロ酢酸
TLC 薄層クロマトグラフィー
UV 紫外線
以下の具体的な例は、本明細書に記載の本発明を説明するために示すものである。ただし、いかなる意味においても、以下の具体的な例を、本発明の範囲を限定するものと解釈してはならない。
実験例
中間体1
ブト−3−エン−1−スルホン酸のナトリウム塩の調製
4−ブロモ−1−ブテン(1.0g、7.4mmol)および亜硫酸ナトリウム(1.12g、8.88mmol)を水(7mL)に溶かした溶液を16h還流させた。反応混合物をジエチルエーテルで抽出し、水層を濃縮してブト−3−エン−1−スルホン酸(2.13g)を得た。H−NMR(400MHz,D2O,SODIUM SALT):δ 2.30−2.36(2H,m),2.82−2.85(2H,m),4.91(1H,dd,J=10,1.2),5.00(1H,dd,J=17.2,1.6),5.72−5.79(1H,m)。
中間体2
ブト−3−エン−1−スルホン酸 ナトリウム塩のスルホニルクロリドの調製
ナトリウムブト−3−エン−1−スルホネート(中間体1、7.0g)を、0℃で冷やした塩化オキサリル(70mL)に加えた。反応混合物をrtまで加温し、反応混合物にDMF(1mL)を10minにわたり滴下して加え、これをrtで3h撹拌した。過剰量の塩化オキサリルを減圧下で除去し、残渣をジエチルエーテルに溶解させた。エーテル層を分離し、濃縮してブト−3−エン−1−スルホニルクロリド(4.5g)を得た。H−NMR(400MHz,CDCl):δ 2.76−2.82(2H,m),3.71−3.75(2H,m),5.19−5.24(2H,m),5.78−5.83(1H,m)。
中間体3
3,5−ジフルオロ−2−ニトロフェノールの調製
3,5−ジフルオロフェノール(2.0g、13.5mmol)を氷酢酸(12mL)に溶かした氷冷した撹拌溶液に、濃硝酸(2.0mL、70%)を滴下して加えた。添加が終了したら、反応混合物を室温まで加温し、1h撹拌した。反応の進行をTLCでモニターした。終了後、反応混合物を氷水に注ぎ、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を水で2〜3回洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濃縮して3,5−ジフルオロ−2−ニトロフェノールと3,5−ジフルオロ−4−ニトロフェノールとの混合物(3.5g)を得、これをさらに精製することなく使用した。
中間体4
3,4,5−トリフルオロ−1−ニトロフェノールの調製
3,4,5−トリフルオロフェノール(14.81g、0.1mol)を氷酢酸(50mL)に溶解させ、15minにわたり濃硝酸(5mL、70%)を滴下して加えながら4℃まで冷却した。この間に混合物の色は黄色に変色する。HNOの添加が終了したら、反応混合物を室温まで昇温し、さらに30min間撹拌した。酢酸エチルに抽出したアリコートのTLC解析は、非無極性のスポットが新たに形成され、出発材料の完全な消費を示した。次いで混合物を酢酸エチル(200mL)で希釈し、分液漏斗に移し、水で大量に洗浄した(3×100mL)。最後に有機層をブラインで洗浄し、無水MgSOで乾燥させ、減圧下で蒸発させて粗生成物を黄色がかった油として得た。(17.3g、90%)。この粗材料を、中間体6に記載したその後の反応に直接使用した。H NMR(400MHz,CDCl):6.84(m,1H,ArH),10.28(brs,1H,OH)。
中間体5
3,5−ジフルオロ−2−ニトロフェノールのアリルエーテルの合成
3,5−ジフルオロ−2−ニトロフェノールおよび3,5−ジフルオロ−4−ニトロフェノール(3.54g、20mmol)、アリルブロミド(2.9g、24mmol)、ならびに炭酸カリウム(8.3g、60mmol)をアセトン(50mL)に溶かした溶液を2h還流させた。反応の進行をTLCでモニターした。終了後、反応混合物を減圧下25℃で濃縮した。残渣を水で希釈し、エーテルで抽出した。有機層を水で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、減圧下25℃で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(0〜1%酢酸エチル−ヘキサン)により精製して1−(アリルオキシ)−3,5−ジフルオロ−2−ニトロベンゼン(934mg)を得た。H−NMR(400MHz,CDOD):δ 4.72(2H,d),5.32(1H,d J=10.8),5.42(1H,d,J=17.2),5.98−6.02(1H,m),6.85(1H,dt),6.96(1H,d)。
中間体6
3,4,5−トリフルオロ−2−ニトロ−フェニルアリルエーテルの調製
粗3,4,5−トリフルオロ−2−ニトロフェノール(中間体4、4.8g、25mmol)をアセトン(25mL)に溶かした溶液に、KCO(50mmol)およびアリルブロミド(3.6g、30mmol)を加え、混合物を加熱して2h還流させた。この時点で反応混合物(25%EtOAc:ヘキサン)のTLC解析により、すべての出発材料が消費され、非無極性のスポットの存在が明らかになる。加熱を中止し、反応混合物を放冷した。アセトンの大部分を真空下で蒸発させ、残りの残渣をエーテル(50mL)で希釈し、水で連続的に洗浄した。有機エーテル層をMgSOで乾燥させ、回転蒸発により減圧濃縮した。この粗黄色−オレンジ油を、ヘキサンから15%ヘキサン:酢酸エチルのグラジエントをかけてシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーによりさらに精製した。TLCで得られた均一な画分を集め、合わせて、減圧下で蒸発させてアリルエーテル生成物(5.5g、95%)を得たH NMR(400MHz,CDCl):4.65(dt,J=1.6,5.2Hz,2H,OCH),5.39(d,J=12.0Hz,1H,=CH),5.45(d,J=18.0Hz,1H,=CH),5.98(m,1H,=CH),6.72(m,1H,ArH)。
中間体7
(3−アリルオキシ−5,6−ジフルオロ−2−ニトロ−フェニル)−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−アミンの合成
2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミン(1.1g、4.6mmol)をTHF(50mL)に溶かした溶液に、LHMDS溶液(6.0mL、6.0mmol、1MのTHF溶液)を−78℃で滴下して加えた。−78℃で1h撹拌後、反応混合物に、1−アリルオキシ−3,4,5−トリフルオロ−2−ニトロベンゼン(1.2g、5.1mmol)をTHF(10mL)に溶かした溶液を滴下して加えた。反応混合物を−78℃でさらに1h撹拌し、室温に戻して16h撹拌した。反応の進行をH NMRでモニターした。終了後、溶媒を減圧下で除去した。得られた残渣を酢酸エチルに溶解させ、水で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濃縮した。残渣をヘキサンでトリチュレートして(3−アリルオキシ−5,6−ジフルオロ−2−ニトロ−フェニル)−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−アミンを黄色の固体として得た(900mg)。H−NMR(400MHz,CDCl):δ 4.62(2H,d,J=4.8),5.33−5.36(1H,d,J=10),5.48(1H,d,J=17.2),5.98−6.02(1H,m),6.22(1H,dd,J=2.4,9.6),6.36(1H,dd,J=2,10.4),7.04−7.08(1H,m),7.45−7.52(2H,m),7.79(1H,s)。
中間体8
(3−アリルオキシ−5,6−ジフルオロ−2−ニトロ−フェニル)−(4−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−アミンの合成
4−ブロモ−2−フルオロ−フェニルアミン(0.815g、4.3mmol)をTHF(50mL)に溶かした溶液に、LHMDS溶液(5.6mL、5.6mmol、1MのTHF溶液)を−78℃で滴下して加えた。−78℃で1h撹拌後、反応混合物に、1−アリルオキシ−3,4,5−トリフルオロ−2−ニトロ−ベンゼン(1.1g、4.7mmol)をTHF(10mL)に溶かした溶液を滴下して加え、これを−78℃で1h、さらに室温で16h撹拌した。反応の進行をH NMRでモニターした。終了後、溶媒を減圧下で除去した。残渣を酢酸エチルに溶解させ、水で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濃縮した。得られた残渣をヘキサンでトリチュレートして(3−アリルオキシ−5,6−ジフルオロ−2−ニトロ−フェニル)−(4−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−アミンを黄色の固体として得た(724mg)。H−NMR(400MHz,CDCl):δ 4.55(2H,d,J=5.6),5.32−5.36(2H,m),5.42(1H,d),6.02−6.08(1H,m),6.35(1H,t,J=8.8),6.60−6.65(1H,m),7.06(1H,d,J=8.4),7.23(1H,dd,J=2.0,10.4)。
中間体9
(3−アリルオキシ−5,6−ジフルオロ−2−ニトロ−フェニル)−(4−ヨード−フェニル)−アミンの合成
4−ヨードフェニルアミン(0.940g、4.3mmol)をTHF(50mL)に溶かした溶液に、LHMDS溶液(5.6mL、5.6mmol、1MのTHF溶液)を−78℃で滴下して加えた。−78℃で1h撹拌後、反応混合物に、1−アリルオキシ−3,4,5−トリフルオロ−2−ニトロ−ベンゼン(1.1g、4.7mmol)をTHF(10mL)に溶かした溶液を滴下して加え、これを−78℃で1h、さらに室温で16h撹拌した。反応の進行をH NMRでモニターした。終了後、反応混合物を減圧下で濃縮した。残渣を酢酸エチルに溶解させ、水で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濃縮した。得られた残渣をヘキサンでトリチュレートして(3−アリルオキシ−5,6−ジフルオロ−2−ニトロ−フェニル)−(4−ヨード−フェニル)−アミンをオレンジ色の固体として得た(1.1g)。H−NMR(400MHz,CDCl):δ 4.54(2H,d,J=4.8),5.24(1H,s),5.32(1H,d,J=10.8),5.42(1H,d,J=17.2),6.06−6.02(1H,m),6.45(2H,d,J=8.4),6.57−6.62(1H,m),7.47(2H,d,J=8.4)。
中間体10
(3−アリルオキシ−5,6−ジフルオロ−2−ニトロ−フェニル)−(2−クロロ−4−ヨード−フェニル)−アミンの合成
2−クロロ−4−ヨード−フェニルアミン(1.09g、4.3mmol)をTHF(50mL)に溶かした溶液に、LHMDS溶液(5.6mL、5.6mmol、1MのTHF溶液)を−78℃で滴下して加えた。−78℃で1h撹拌後、反応混合物に、1−アリルオキシ−3,4,5−トリフルオロ−2−ニトロ−ベンゼン(1.1g、4.7mmol)をTHF(10mL)に溶かした溶液を滴下して加え、これを−78℃で1h、さらに室温で16h撹拌した。反応の進行をH NMRでモニターした。終了後、溶媒を減圧下で除去した。残渣を酢酸エチルに溶解させ、水で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濃縮した。得られた残渣をヘキサンで再結晶して(3−アリルオキシ−5,6−ジフルオロ−2−ニトロ−フェニル)−(2−クロロ−4−ヨード−フェニル)−アミンをオレンジ色の固体として得た(843mg)。H−NMR(400MHz,CDCl):δ 4.63(2H,d,J=5.2),5.37(1H,d,J=10.4),5.46(1H,d,J=17.2)5.96−6.00(1H,m),6.50−6.54(1H,m),6.60−6.65(1H,m),7.04(1H,s),7.43(1H,d,J=8),7.68(1H,d,J=2)。
中間体11
N−(3−(アリルオキシ)−5−フルオロ−2−ニトロフェニル)−2−フルオロ−4−ヨードベンゼンアミンの合成
2−フルオロ−4−ヨードアニリン(933mg、3.94mmol)をTHF(10mL)に溶かした溶液に、LHMDS溶液(5.1mL、5.1mmol、1MのTHF溶液)を−78℃で滴下して加えた。−78℃で30min間撹拌後、反応混合物に、2−ニトロ−3,5−ジフルオルフェニルアリルエーテル(934mg、4.3mmol)をTHF(5mL)に溶かした溶液を滴下して加え、これをゆっくりと室温まで加温し、16h撹拌した。終了後(TLCにより示される)、反応混合物を水でクエンチし、エーテルで抽出した。有機層を無水NaSOで乾燥させ、濃縮した。得られた残渣をヘキサンで再結晶してN−(3−(アリルオキシ)−5−フルオロ−2−ニトロフェニル)−2−フルオロ−4−ヨードベンゼンアミン(1.56g)を得た。H−NMR(400MHz,CDCl):δ 4.62(2H,d,J=4.8),5.33−5.36(1H,d,J=10),5.48(1H,d,J=17.2),5.98−6.02(1H,m),6.22(1H,dd,J=2.4,9.6),6.36(1H,dd,J=2,10.4),7.04−7.08(1H,m),7.45−7.52(2H,m)。
中間体12
2,3,5−トリフルオロ−N−(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)−6−ニトロベンゼンアミンの合成
2−フルオロ−4−ヨードアニリン(1.0g、4.21mmol)をTHF(20mL)に溶かした溶液に、LHMDS溶液(5.1mL、5.1mmol、1MのTHF溶液)を−78℃で滴下して加えた。−78℃で30min間撹拌後、反応混合物に、2,3,4,6−テトラフルオロニトロベンゼン(0.823g、4.21mmol)をTHF(5mL)に溶かした溶液を滴下して加え、これをゆっくりと室温まで加温し、16h撹拌した。終了後(TLCにより示される)、反応混合物を水でクエンチし、エーテルで抽出した。有機層を無水NaSOで乾燥させ、濃縮した。粗残渣をヘキサンでトリチュレートして2,3,5−トリフルオロ−N−(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)−6−ニトロベンゼンアミン(0.748g)を得た。H−NMR(400MHz,CDCl):δ 6.71−6.76(2H,m),7.40(1H,d,J=8.8),7.46(1H,d,J=10),7.69(1H,s)。
中間体13
(4−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−(2,3,5−トリフルオロ−6−ニトロ−フェニル)−アミンの合成
4−ブロモ−2−フルオロ−フェニルアミン(2.0g、10.5mmol)をTHF(80mL)に溶かした溶液に、LHMDS溶液(12.6mL、12.6mmol、1MのTHF溶液)を−78℃で滴下して加えた。−78℃で1h撹拌後、反応混合物に、1,2,3,5−テトラフルオロ−4−ニトロ−ベンゼン(2.05g、10.5mmol)をTHF(20mL)に溶かした溶液を滴下して加え、これを−78℃で1h、さらに室温で16h撹拌した。反応の進行をH NMRでモニターした。終了後、反応混合物を減圧下で濃縮した。残渣を酢酸エチルに溶解させ、水で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濃縮した。得られた残渣をヘキサンで再結晶して(4−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−(2,3,5−トリフルオロ−6−ニトロ−フェニル)−アミンを黄色の固体として得た(1.6g)。H−NMR(400MHz,CDCl):δ 6.73−6.75(1H,m),6.86−6.87(1H,m),7.22(1H,d,J=8.4),7.30(1H,dd,J=2.0Hz,10.8),7.71(1H,s)。
中間体14
2−フルオロ−N−(3,5−ジフルオロ−2−ニトロフェニル)−4−ヨードベンゼンアミンの合成
2−フルオロ−4−ヨードアニリン(1.0g、4.21mmol)をTHF(20mL)に溶かした溶液に、LHMDS溶液(5.1mL、5.1mmol、1MのTHF溶液)を−78℃で滴下して加えた。−78℃で30min間撹拌、反応混合物に、2,4,6−トリフルオロニトロベンゼン(0.747g、4.21mmol)をTHF(5mL)に溶かした溶液を滴下して加え、これをゆっくりと室温まで加温し、16h撹拌した。終了後(TLCにより示される)、反応混合物を水でクエンチし、エーテルで抽出した。有機層を無水NaSOで乾燥させ、濃縮した。残渣をヘキサンでトリチュレートして2−フルオロ−N−(3,5−ジフルオロ−2−ニトロフェニル)−4−ヨードベンゼンアミン(1.1g)を得た。H−NMR(400MHz,CDCl):δ 6.42−6.47(2H,m),7.08(1H,t,J=8.0Hz),7.52−7.58(2H,m),8.60(1H,s)。
中間体15
2,5−ジフルオロ−N−(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)−3−メトキシ−6−ニトロベンゼンアミン
2,3,5−トリフルオロ−N−(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)−6−ニトロベンゼンアミン(中間体12。700mg、1.7mmol)をTHF(20mL)に溶かした溶液に、NaOMe溶液(Na金属(39mg、1.7mmol)を4mLのメタノールに溶解して調製した)を−78℃で加えた。反応混合物をrtまで戻し、同じ温度で1h撹拌した。反応の進行をTLCでモニターした。終了後、反応混合物を水でクエンチし、エーテルで抽出した。有機層をNaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して2,5−ジフルオロ−N−(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)−3−メトキシ−6−ニトロベンゼンアミンを黄色の固体として得た(597mg)。H−NMR(400MHz,CDCl):δ 3.95(3H,s),6.51−6.56(1H,m),6.57−6.65(1H,m),7.34(1H,d,J=8.8),7.42(1H,dd,J=1.6,10),7.7(1H,s)。
中間体16
(4−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−(2,5−ジフルオロ−3−メトキシ−6−ニトロ−フェニル)−アミン
(4−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−(2,3,5−トリフルオロ−6−ニトロ−フェニル)−アミン(中間体13、1.5g、4.1mmol)をTHF(10mL)に溶かした溶液に、NaOMe溶液[Na金属(100mg、4.1mmol)をメタノール(10mL)に溶解して調製]を−78℃で滴下して加えた。添加終了後、反応混合物を室温まで加温し、1hを撹拌した。反応の進行をTLCでモニターした。終了後、反応混合物を減圧下で濃縮し、得られた残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して(4−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−(2,5−ジフルオロ−3−メトキシ−6−ニトロ−フェニル)−アミンを黄色の固体として得た(912mg)。
H−NMR(400MHz,CDCl):δ 3.95(3H,s),6.50−6.55(1H,m),6.77(1H,m),7.17(1H,d,J=8.8),7.25−7.28(1H,m),7.71(1H,s)。
中間体17
2−フルオロ−N−(3−フルオロ−5−メトキシ−2−ニトロフェニル)−4−ヨードベンゼンアミン
2−フルオロ−N−(3,5−ジフルオロ−2−ニトロフェニル)−4−ヨードベンゼンアミン(中間体14、1.05g、2.7mmol)をTHF(25mL)に溶かした溶液に、NaOMe溶液(Na金属(61mg、2.7mmol)を6mLのメタノールに溶解して調製)を−78℃で加えた。反応混合物をrtまで戻し、同じ温度で1h撹拌した。反応の進行をTLCでモニターした。終了後、反応混合物を水でクエンチし、エーテルで抽出した。有機層をNaSOで乾燥させ、濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して2−フルオロ−N−(3−フルオロ−5−メトキシ−2−ニトロフェニル)−4−ヨードベンゼンアミンを黄色の固体として得た(584mg)。H−NMR(400MHz,CDCl):δ 3.91(3H,s),6.23(1H,d,J=10.4),6.35(1H,d,J=10.8),7.04−7.08(1H,m),7.45−7.52(2H,m),7.83(1H,s)。
中間体18
6−アリルオキシ−3,4−ジフルオロ−N2−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−ベンゼン−1,2−ジアミン
(3−アリルオキシ−5,6−ジフルオロ−2−ニトロ−フェニル)−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−アミン(中間体7、0.9g、2mmol)をエタノール(12mL)に溶かした懸濁液を70℃で撹拌して澄明な溶液を得た。この熱い溶液に、Na(1.04g、6mmol)を水(2.5mL)に加えて新たに調製した溶液を加えた。反応混合物を90℃で1h撹拌した。反応の進行をTLCでモニターした。終了後、溶媒を減圧下で除去した。残渣を酢酸エチルで希釈し、水で洗浄し、有機相を無水NaSOで乾燥させ、濃縮して6−アリルオキシ−3,4−ジフルオロ−N2−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−ベンゼン−1,2−ジアミンを褐色の固体として得た(730mg)。H−NMR(400MHz,CDCl):δ 3.86(2H,bs),4.54(2H,d,J=5.2),5.34(1H,d,J=10.8),5.42(1H,d,J=17.2),5.66(1H,bs),6.02−6.09(1H,m),6.20(1H,d,J=8.4),6.62−6.66(1H,m),7.33(1H,dd,J=2,8.4),7.63(1H,d,J=2)。
中間体19
6−アリルオキシ−N2−(4−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−3,4−ジフルオロ−ベンゼン−1,2−ジアミン
(3−アリルオキシ−5,6−ジフルオロ−2−ニトロ−フェニル)−(4−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−アミン(中間体8、0.7g、1.7mmol)をエタノール(12mL)に溶かした懸濁液を70℃で撹拌して澄明な溶液を得た。この熱い溶液に、Na(0.9g、5.2mmol)を水(1.9mL)に加えて新たに調製した溶液を加え、反応混合物を90℃で1h撹拌した。反応の進行をTLCでモニターした。終了後、溶媒を減圧下で除去した。残渣を酢酸エチルに溶解させ、水で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濃縮して6−アリルオキシ−N2−(4−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−3,4−ジフルオロ−ベンゼン−1,2−ジアミンを黄色の固体として得た(630mg)。H−NMR(400MHz,CDCl):δ 4.55(2H,d,J=5.6),5.32−5.36(2H,m),5.42(1H,d),6.02−6.08(1H,m),6.35(1H,t,J=8.8),6.60−6.65(1H,m),7.06(1H,d,J=8.4),7.23(1H,dd,J=2.0,10.4)。
中間体20
6−アリルオキシ−3,4−ジフルオロ−N2−(4−ヨード−フェニル)−ベンゼン−1,2−ジアミン
(3−アリルオキシ−5,6−ジフルオロ−2−ニトロ−フェニル)−(4−ヨード−フェニル)−アミン(中間体9、1.1g、2.5mmol)をエタノール(15mL)に溶かした懸濁液を70℃で撹拌して澄明な溶液を得た。この熱い溶液に、Na(1.3g、7.6mmol)を水(3.1mL)に加えて新たに調製した溶液を加え、反応混合物を90℃で1h撹拌した。反応の進行をTLCでモニターした。終了後、溶媒を減圧下で除去した。残渣を酢酸エチルに溶解させ、水で洗浄し、有機相を無水NaSOで乾燥させ、濃縮して6−アリルオキシ−3,4−ジフルオロ−N2−(4−ヨード−フェニル)−ベンゼン−1,2−ジアミンを褐色の固体として得た(620mg)。H−NMR(400MHz,CDCl):δ 4.54(2H,d,J=4.8),5.24(1H,s),5.32(1H,d,J=10.8),5.42(1H,d,J=17.2),6.06−6.02(1H,m),6.45(2H,d,J=8.4),6.57−6.62(1H,m),7.47(2H,d,J=8.4)。
中間体21
6−アリルオキシ−N2−(2−クロロ−4−ヨード−フェニル)−3,4−ジフルオロ−ベンゼン−1,2−ジアミン
(3−アリルオキシ−5,6−ジフルオロ−2−ニトロ−フェニル)−(2−クロロ−4−ヨード−フェニル)−アミン(中間体10、0.823g、1.8mmol)をエタノール(12mL)に溶かした懸濁液を70℃で撹拌して澄明な溶液を得た。この熱い溶液に、Na(0.920g、5.3mmol)を水(2.4mL)に加えて新たに調製した溶液を加え、反応混合物を90℃で1h撹拌した。反応の進行をTLCでモニターした。終了後、溶媒を減圧下で除去した。残渣を酢酸エチルに溶解させ、水で洗浄し、有機相を無水NaSOで乾燥させ、濃縮して6−アリルオキシ−N2−(2−クロロ−4−ヨード−フェニル)−3,4−ジフルオロ−ベンゼン−1,2−ジアミンをオフホワイトの固体として得た(570mg)。H−NMR(400MHz,CDCl):δ 3.86(2H,bs),4.54(2H,d,J=5.2),5.34(1H,d,J=10.8),5.42(1H,d,J=17.2),5.66(1H,bs),6.02−6.09(1H,m),6.20(1H,d,J=8.4),6.62−6.66(1H,m),7.33(1H,dd,J=2,8.4),7.63(1H,d,J=2)。
中間体22
6−アリルオキシ−3−フルオロ−N2−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−4−メトキシ−ベンゼン−1,2−ジアミン
(3−アリルオキシ−5,6−ジフルオロ−2−ニトロ−フェニル)−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−アミン(中間体7、1.0g、2.22mmol)をTHF(8mL)に溶かした溶液に、NaOMe溶液[Na金属(51mg、2.2mmol)をメタノール(5mL)に溶かして調製]を−78℃で滴下して加えた。添加終了後、反応混合物を室温まで加温し、16h撹拌した。反応の進行をTLCでモニターした。終了後、反応混合物を減圧下で濃縮した。残渣を水に溶解させ、酢酸エチルで抽出した(20mL×3)。合わせた有機相を水で洗浄し(20mL×2)、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して3−アリルオキシ−6−フルオロ−5−メトキシ−2−ニトロ−フェニル)−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−アミン(820mg)を得た。(3−アリルオキシ−6−フルオロ−5−メトキシ−2−ニトロ−フェニル)−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−アミン(800mg、1.73mmol)をエタノール(10mL)に溶かした懸濁液を70℃で撹拌して澄明な溶液を得た。この熱い溶液に、Na(900mg、5.2mmol)を水(1.8mL)に溶かして新たに調製した溶液を滴下して加え、反応混合物を90℃で1h撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮した。残渣を酢酸エチルに溶解させ、水およびブラインで洗浄した。合わせた有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して6−アリルオキシ−3−フルオロ−N2−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−4−メトキシ−ベンゼン−1,2−ジアミンを得た(720mg)。H−NMR(400MHz,CDCl):δ 3.74(2H,bs),3.83(3H,s),4.56(2H,d,J=5.6),5.32(1H,d,J=10.8),5.40−5.45(2H,m),6.04−6.09(1H,m),6.24(1H,t),6.52(1H,d,J=7.6),7.21(1H,d,J=8.4),7.36(1H,d,J=10.4)。
中間体23
3−(アリルオキシ)−5−フルオロ−N1−(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)ベンゼン−1,2−ジアミン
N−(3−(アリルオキシ)−5−フルオロ−2−ニトロフェニル)−2−フルオロ−4−ヨードベンゼンアミン(中間体11、1.56g、3.73mmol)をエタノール(20mL)に溶かした懸濁液を70℃で撹拌して澄明な溶液を得た。この熱い溶液に、Na(1.94g、11.19mmol)を水(3.5mL)に溶かして新たに調製した溶液を滴下して加え、反応混合物を90℃で1h撹拌した。反応の進行をTLCでモニターした。終了後、反応混合物を減圧下で濃縮した。残渣を酢酸エチルに溶解させ、水で洗浄し、濃縮して3−(アリルオキシ)−5−フルオロ−N1−(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)ベンゼン−1,2−ジアミン(600mg)を得た。H−NMR(400MHz,CDCl):δ 3.65(2H,bs),4.57(2H,d,J=5.6),5.32(1H,d),5.40(1H,s),5.46(1H,d),6.03−6.10(1H,m),6.45(1H,dd,J=10.4,2.8),6.52(1H,dd),6.59(1H,t)7.27(1H,d,J=9.2),7.38(1H,dd,J=10.4,2)。
中間体24
3,6−ジフルオロ−N1−(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)−5−メトキシベンゼン−1,2−ジアミン
2,5−ジフルオロ−N−(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)−3−メトキシ−6−ニトロベンゼンアミン(中間体15、565mg、1.3mmol)をエタノール(12mL)に溶かした懸濁液を70℃で撹拌して澄明な溶液を得た。この熱い溶液に、Na(695mg、3.9mmol)を水(2mL)に加えて新たに調製した溶液を滴下して加え、反応混合物を90℃で1h撹拌した。反応の進行をTLCでモニターした。終了後、反応混合物を濃縮し、残渣を酢酸エチルに溶解させた。有機層を水で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濃縮して3,6−ジフルオロ−N1−(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)−5−メトキシベンゼン−1,2−ジアミン(320mg)を得た。H−NMR(400MHz,CDCl):δ 3.60(2H,bs),3.82(3H,s),5.41(1H,bs),6.23−6.27(1H,m),6.68−6.73(1H,m),7.23(1H,s),7.38(1H,d,J=10.8)。
中間体25
N−2−(4−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−3,6−ジフルオロ−4−メトキシ−ベンゼン−1,2−ジアミン
(4−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−(2,5−ジフルオロ−3−メトキシ−6−ニトロ−フェニル)−アミン(中間体16、0.850g、2.2mmol)をエタノール(13mL)に溶かした懸濁液を70℃で撹拌して澄明な溶液を得た。この熱い溶液に、Na(1.2g、6.7mmol)を水(2.4mL)に加えて新たに調製した溶液を加え、反応混合物を90℃で1h撹拌した。反応の進行をTLCでモニターした。終了後、溶媒を減圧下で除去した。残渣を酢酸エチルで希釈し、水で洗浄し、有機相を無水NaSOで乾燥させ、濃縮してN−2−(4−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−3,6−ジフルオロ−4−メトキシ−ベンゼン−1,2−ジアミンを褐色の固体として得た(600mg)。H−NMR(400MHz,CDCl):δ 3.61(2H,bs),3.82(3H,s),5.40(1H,bs),6.37(1H,t),6.68−6.73(1H,m),7.06(1H,d,J=8.4),7.24(1H,d,J=14)。
中間体26
3−フルオロ−N1−(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)−5−メトキシベンゼン−1,2−ジアミン
2−フルオロ−N−(3,5−ジフルオロ−2−ニトロフェニル)−4−ヨードベンゼンアミン(中間体17、550mg、1.35mmol)をエタノール(12mL)に溶かした懸濁液を70℃で撹拌して澄明な溶液を得た。この熱い溶液に、Na(707mg、4.0mmol)を水(2mL)に溶かして新たに調製した溶液を滴下して加え、反応混合物を90℃で1h撹拌した。反応の進行をTLCでモニターした。終了後、反応混合物を濃縮し、残渣を酢酸エチルに溶解させた。有機層を水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して3−フルオロ−N1−(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)−5−メトキシベンゼン−1,2−ジアミン(448mg)を得た。H−NMR(400MHz,CDCl):δ 3.86(3H,s),6.43−6.50(2H,m),6.56−6.61(1H,m),7.26−7.27(1H,m),7.37(1H,d,J=10.0)。
中間体27
3−(アリルオキシ)−5,6−ジフルオロ−N1−(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)ベンゼン−1,2−ジアミン(中間体18、3.0g、7.1mmol)をピリジン(30mL)に溶かした溶液に、1−アリルシクロプロパン−1−スルホニルクロリド(5.1g、28.6mmol)を加え、反応混合物を50℃で16hを撹拌した。反応の進行をTLCでモニターした。終了後、揮発物を除去した。残渣を酢酸エチルに溶解させ、0.5Nのaq HClおよび水で洗浄した。有機層をNaSOで乾燥させ、濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して所望の化合物(1.4g)を得た。H−NMR(400MHz,CDCl):δ 0.78(2H,m),1.24(2H,m),2.70(2H,d,J=7.2),4.59(2H,d,J=5.6),5.03−5.11(2H,m),5.39−5.48(2H,m),5.62−5.70(1H,m),6.02−6.15(1H,m),6.07(1H,s),6.39−6.45(1H,m),6.51−6.55(1H,m),7.26(1H,s),7.35−7.39(2H,m)。
中間体28
3−(アリルオキシ)−N1−(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)−5,6−ジフルオロベンゼン−1,2−ジアミン(中間体19、500g、1.3mmol)をピリジン(10mL)に溶かした溶液に、1−アリルシクロプロパン−1−スルホニルクロリド(968mg、5.4mmol)を加え、反応混合物を50℃で16hを撹拌した。反応の進行をTLCでモニターした。終了後、反応混合物を濃縮した。残渣を酢酸エチルに溶解させ、0.5Nのaq HClおよび水で洗浄した。有機層をNaSOで乾燥させ、濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して105mgの所望の化合物を得た。H−NMR(400MHz,CDCl):δ 0.78(2H,m),1.24(2H,m),2.71(2H,d,J=7.2),4.59(2H,d,J=5.6),5.06(1H,d,J=18),5.11(1H,d,J=10),5.41(1H,d,J=10),5.47(1H,d,J=17.2),5.66−5.68(1H,m),6.05−6.08(2H,m),6.51−6.56(2H,m),7.09(1H,d,J=8.8),7.21−7.28(1H,m),7.33(1H,s)。
中間体29
3−(アリルオキシ)−5,6−ジフルオロ−N1−(4−ヨードフェニル)ベンゼン−1,2−ジアミン(中間体20、500g、1.2mmol)をピリジン(10mL)に溶かした溶液に、1−アリルシクロプロパン−1−スルホニルクロリド(898mg、4.9mmol)を加え、反応混合物を50℃で16hを撹拌した。反応の進行をTLCでモニターした。終了後、反応混合物を減圧下で濃縮した。残渣を酢酸エチルに溶解させ、0.5Nのaq HClおよび水で洗浄した。有機層をNaSOで乾燥させ、濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して115mgの所望の化合物を得た。H−NMR(400MHz,CDCl):δ 0.79−0.76(2H,m),1.24−1.21(2H,m),2.69(2H,d,J=7.2),4.59(2H,d,J=5.6),5.05(1H,d,J=17.2),5.11(1H,d,J=9.6),5.41(1H,d,J=10.8),5.46(1H,d,J=17.2),5.65−5.67(1H,m),6.00−6.15(1H,m),6.07(1H,s),6.48−6.56(3H,m),7.32(1H,s),7.49(2H,d,J=8.4)。
中間体30
3−(アリルオキシ)−N1−(2−クロロ−4−ヨードフェニル)−5,6−ジフルオロベンゼン−1,2−ジアミン(中間体21、500g、1.1mmol)をピリジン(10mL)に溶かした溶液に、1−アリルシクロプロパン−1−スルホニルクロリド(827mg、4.6mmol)を加え、反応混合物を50℃で16hを撹拌した。反応の進行をTLCでモニターした。終了後、反応混合物を濃縮した。残渣を酢酸エチルに溶解させ、0.5Nのaq HClおよび水で洗浄した。有機層をNaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して所望の化合物(90mg)を得た。H−NMR(400MHz,CDCl):δ 0.78(2H,m),1.23(2H,m),2.71(2H,d,J=7.6),4.60(2H,d,J=5.6),5.04−5.11(2H,m),5.41(1H,d,J=10.4),5.47(1H,d,J=17.2),5.64−5.68(1H,m),6.03−6.15(1H,m),6.05(1H,s),6.31−6.34(1H,m),6.56−6.60(1H,m),7.35(1H,d,J=8.8),7.56(1H,s),7.63(1H,d,J=5.2)。
中間体31
3−(アリルオキシ)−6−フルオロ−N1−(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)−5−メトキシベンゼン−1,2−ジアミン(中間体22、800mg、1.85mmol)をピリジン(20mL)に溶かした溶液に、1−アリルシクロプロパン−1−スルホニルクロリド(669mg、3.7mmol)を加え、反応混合物を室温で24hを撹拌した。反応の進行をTLCでモニターした。終了後、反応混合物を濃縮した。残渣を酢酸エチルに溶解させ、0.5Nのaq HClおよび水で洗浄した。有機層をNaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して所望の化合物(400mg)を得た。H−NMR(400MHz,CDCl):δ 0.76(2H,m),1.22(2H,m),2.71(2H,d,J=7.2),3.91(3H,s),4.62(2H,d,J=5.2),5.03−5.10(2H,m),5.39(1H,d,J=10.4),5.46(1H,d,J=17.2),5.63−5.68(1H,m),5.98(1H,s),6.05−6.09(1H,m),6.35−6.40(2H,m),7.20−7.26(2H,m),7.33−7.37(1H,dd,J=2,10.8)。
中間体32
3−(アリルオキシ)−5−フルオロ−N1−(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)ベンゼン−1,2−ジアミン(中間体23、600mg、1.5mmol)をピリジン(20mL)に溶かした溶液に、1−アリルシクロプロパン−1−スルホニルクロリド(1.1g、6.0mmol)を加え、反応混合物を50℃で16hを撹拌した。反応の進行をTLCでモニターした。終了後、反応混合物を濃縮した。残渣を酢酸エチルに溶解させ、0.5Nのaq HClおよび水で洗浄した。有機層をNaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して所望の化合物(289mg)を得た。H−NMR(400MHz,CDCl):δ 0.77(2H,m),1.24(2H,m),2.73(2H,d,J=7.6),4.58(2H,d),5.03−5.11(2H,m),5.34−5.47(2H,m),5.65−5.69(1H,m),5.98(1H,s),6.04(1H,m),6.52(1H,t,J=10.4),7.32−7.36(1H,m),7.40−7.44(2H,m)。
中間体33
3,6−ジフルオロ−N1−(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)−5−メトキシベンゼン−1,2−ジアミン(中間体24、320mg、0.81mmol)をピリジン(15mL)に溶かした溶液に、1−アリルシクロプロパン−1−スルホニルクロリド(880mg、4.87mmol)を加え、反応混合物を50℃で16hを撹拌した。反応の進行をTLCでモニターした。終了後、反応混合物を濃縮した。残渣を酢酸エチルに溶解させ、0.5Nのaq HClおよび水で洗浄した。有機層をNaSOで乾燥させ、濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して所望の化合物(33mg)を得た。H−NMR(400MHz,CDCl):δ 0.82−0.89(2H,m),1.20−1.29(2H,m),2.76(2H,d,J=7.2),3.87−3.92(3H,m),5.15(2H,d,J=11.6),5.71−5.78(1H,m),5.90(1H,s),6.37−6.43(1H,m),6.53−6.58(1H,m),6.94(1H,s),7.25(1H,d,J=7.2),7.37(1H,dd,J=10.8,1.6)。
中間体34
N2−(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)−3,6−ジフルオロ−4−メトキシベンゼン−1,2−ジアミン(中間体25、500mg、1.44mmol)をピリジン(10mL)に溶かした溶液に、1−アリルシクロプロパン−1−スルホニルクロリド(1.04g、5.76mmol)を加え、反応混合物を50℃で16hを撹拌した。反応の進行をTLCでモニターした。終了後、反応混合物を濃縮した。残渣を酢酸エチルに溶解させ、0.5Nのaq HClおよび水で洗浄した。有機層をNaSOで乾燥させ、濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して所望の化合物(35mg)を得た。H−NMR(400MHz,CDCl):δ 0.83(2H,m),1.20(2H,m),2.76(2H,d,J=6.8),3.90(3H,s),5.14(2H,d,J=12.8Hz),5.70−5.74(1H,m),5.98(1H,s),6.54(2H,m),6.92(1H,s),7.07(1H,d,J=8.0),7.21(1H,d,J=10.4)。
中間体35
3−フルオロ−N1−(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)−5−メトキシベンゼン−1,2−ジアミン(中間体26、488mg、1.3mmol)をピリジン(20mL)に溶かした溶液に、1−アリルシクロプロパン−1−スルホニルクロリド(1.0g、5.2mmol)を加え、反応混合物を50℃で16hを撹拌した。反応の進行をTLCでモニターした。終了後、反応混合物を減圧下で濃縮した。残渣を酢酸エチルに溶解させ、0.5Nのaq HClおよび水で洗浄した。有機層をNaSOで乾燥させ、濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して所望の化合物(60mg)を得た。H−NMR(400MHz,CDCl):δ 0.76(2H,m),1.23(2H,m),2.77(2H,d,J=7.6),3.88(3H,s),5.06−5.13(2H,m),5.67−5.71(1H,m),5.94(1H,s),6.23(1H,dd,J=2.4,9.6),6.50(1H,dd,J=2.8,10.8),7.01(1H,t),7.35(1H,d,J=8.8),7.40−7.44(2H,m)。
中間体36
1−アリル−N−(3,4−ジフルオロ−2−(2−フルオロ−4−ヨードフェニアミノ)−6−アリルオキシフェニル)シクロプロパン−1−スルホンアミドの調製
3−(アリルオキシ)−5,6−ジフルオロ−N−(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)ベンゼン−1,2−ジアミン(中間体18、420.2mg、1.0mmol)を無水ピリジン(1.0mL)に溶解させ、この溶液に、1−アリル−シクロプロピル−1−スルホニルクロリド(250.0mg、1.38mmol、新たに調製したもの)を室温で加える。混合物を窒素下、油浴で48h加熱する。混合物をTLC解析したところ、出発材料と比較して新たに極性のスポットが形成されていることが示された。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、0.01MのHCl、水およびブラインで洗浄する。有機層をMgSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。30〜40%ヘキサン:酢酸エチルを用いた、粗材料のシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより、純粋な化合物(375mg、66%)が得られる MS解析:[M+H]565;H NMR(400MHz,CDCl):0.81(t,J=6.0Hz,2H,シルオプロピル−CH),1.26(t,J=6.0Hz,2H,シルオプロピル−CH),2.73(d,J=8.0Hz,2H,−CH),4.62(dt,J=1.2,5.2Hz,2H,OCH),5.08(dd,J=1.2,16.0Hz,1H,=CH),5.13(dt,J=1.6,8.0Hz,1H,=CH),5.44(dd,J=1.6,8.0Hz,1H,=CH5.51(dt,J=1.6,8.0Hz,1H,=CH),5.69(m,1H,=CH),6.07(m,1H,=CH),6.12(1H,s,NH),6.44(m,1H,ArH),6.56(dd,J=4.0,12.0Hz,1H,ArH),7.28(d,J=8.0Hz,1H,ArH),7.40(dd,J=1.0,8.0Hz,2H,ArH)。
実施例1
方法A。Zhang触媒[Tetrahedron Letters 46(2005)7225−7228、化合物8に記載されているように調製]をCHClに溶かした希釈液(1.5mg/mL、50μL)を、中間体27(6.3mg、0.011mmol)のCHCl溶液(1.0mL)に室温で加え、混合物を室温でさらに24h撹拌した。次いで混合物を濃縮し、分取TLC(シリカゲル)によりヘキサン:酢酸エチルで展開して精製し、新しい化合物に対応するバンドを集め、アセトンで溶出した。TLCにより均一で純粋な実施例1を固体として分離した(4.8mg、80%)。MS解析:[M+H]537;H NMR(400MHz,CDCl):0.74(brs s,CH),1.14(brs,CH),3.14(m,2H,CH),4.92(s,2H,OCH),5.46(dd,J=12.0Hz,1H,=CH),5.72(dd,J=8.0,12.0Hz,1H,=CH),6.27(s,1H,NH),6.51(m,2H,ArH),7.18(s,1H,NH),7.29(d,J=8.0,1H,ArH),7.41(d,J=12.0Hz,1H,ArH)。
方法B。ビス−オレフィン(中間体27、930mg、1.64mmol)をジクロロエタン(60mL)に溶かして脱気した溶液に、Hoveyda−Grubbs第2世代触媒(120mg、0.19mmol、10mol%)を加えた。反応混合物を70℃で3h撹拌した。反応の進行をTLCでモニターした。終了後、反応混合物を減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して所望の化合物(225mg)を得た。
実施例2
ビスオレフィン(中間体28、100mg、0.204mmol)をジクロロエタン(15mL)に溶かして脱気した溶液に、Hoveyda−Grubbs第2世代触媒[(1,3−ビス−(2,4,6−トリメチルフェニル)−2−イミダゾリジニリデン)ジクロロ(o−イソプロポキシフェニルメチレン)ルテニウム、CAS# 301224−40−8、13mg、0.02mmol、10mol%]を加えた。反応混合物を70℃で3h撹拌した。反応の進行をTLCでモニターした。終了後、反応混合物を減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して所望の化合物(30mg)を得た。H−NMR(400MHz,CDCl):δ 0.72(2H,m),1.12(2H,m),3.13(2H,d),4.89(2H,d),5.41−5.44(1H,m),5.68−5.71(1H,m),6.25(1H,s),6.47−6.51(1H,m),6.58−6.62(1H,m),7.06−7.12(2H,m),7.21−7.26(1H,m)。
実施例3
ビスオレフィン(中間体29、110mg、0.212mmol)をジクロロエタン(20mL)に溶かして脱気した溶液に、Hoveyda−Grubbs第2世代触媒(14mg、0.02mmol、10mol%)を加えた。反応混合物を70℃で3h撹拌した。反応の進行をTLCでモニターした。終了後、反応混合物を減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して所望の化合物(35mg)を得た。H−NMR(400MHz,CDCl):δ 0.72(2H,m),1.11(2H,m),3.13(2H,d,J=7.2),4.88(2H,s),5.41−5.46(1H,m),5.68−5.72(1H,m),6.22(1H,s),6.44−6.48(1H,m),6.59(2H,dd,J=2.8,8.4),7.07(1H,s),7.50(2H,d,J=8.8)。
実施例4
ビス−オレフィン(中間体30、170mg、0.29mmol)をジクロロエタン(40mL)に溶かして脱気した溶液に、Hoveyda−Grubbs第2世代触媒(40mg、0.058mmol)を加えた。反応混合物を70℃で3h撹拌した。反応の進行をTLCでモニターした。終了後、反応混合物を減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して所望の化合物(70mg)を得た。H−NMR(400MHz,CDCl):δ 0.72(2H,m),1.13(2H,m),3.14(2H,d),4.90(2H,s),5.43−5.45(1H,m),5.68−5.71(1H,m),6.25(1H,s),6.37−6.40(1H,m),6.54−6.57(1H,m),7.36−7.39(2H,m),7.64(1H,s)。
実施例5
ビス−オレフィン(中間体31、515mg、0.89mmol)をジクロロエタン(50mL)に溶かして脱気した溶液に、Hoveyda−Grubbs第2世代触媒(90mg、0.14mmol、16mol%)を加えた。反応混合物を70℃で3h撹拌した。反応の進行をTLCでモニターした。終了後、反応混合物を減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して所望の化合物(100mg)を得た。H−NMR(400MHz,CDCl):δ 0.70(2H,m),1.12(2H,m),3.13(2H,d,J=7.2),3.92(3H,s),4.91(2H,s),5.42−5.45(1H,m),5.68−5.70(1H,m),6.16(1H,s),6.30(1H,d,J=7.2),6.42−6.44(1H,m),7.01(1H,s),7.22(1H,s),7.35(1H,d,J=10.8)。
実施例6
ビス−オレフィン(中間体32、290mg、0.53mmol)をジクロロエタン(40mL)に溶かして脱気した溶液に、Hoveyda−Grubbs第2世代触媒(40mg、0.064mmol、12mol%)を加え、反応混合物を70℃で3h撹拌した。反応の進行をTLCでモニターした。終了後、反応混合物を減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して所望の化合物(50mg)を得た。
実施例7
ビス−オレフィン(中間体36、650mg、1.20mmol)をジクロロエタン(40mL)に溶かした溶液に、Hoveyda−Grubbs第2世代触媒(100mg、0.15mmol、13mol%)を加え、反応混合物を70℃で2h撹拌した。反応の進行をTLCでモニターした。終了後、反応混合物を濃縮し、残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して所望の化合物(60mg)を得た。
実施例8
実施例1で調製した化合物(4.8mg、0.009mmol)のTHF溶液(0.5mL)に、NMO(5.0mg)、続いて溶液としてのOsO(5.0μL、4%wt水溶液)をシリンジにて室温で加える。混合物を一晩(14h)撹拌する。TLC解析により出発材料は完全に消費されて、高極性の生成物を形成する(50%ヘキサン:酢酸エチル)。混合物を酢酸エチル(5.0mL)で希釈し、Na(1%溶液、2.0mL)、水、最後にブラインで洗浄する。有機層を分離し、MgSOで乾燥させ、蒸発させる。この粗化合物を分取TLCにより精製し、酢酸エチルにより移動する最も高極性のバンドを集める。集めたシリカバンドをアセトンで抽出すると、ラセミジオール生成物(3.8mg、74%)が得られる。MS解析:[M+H]571;H NMR(400MHz,CDCl):0.68(brs s,2H,CH),0.75(m,1H),1.17(brs,1H,CH),2.07(s,2H,CH),2.12(s,2H,CH),3.10−2.50(m,3H),3.65(m,1H),3.85(d,1H),4.04(brs,1H),4.42(brt,1H),6.40(m,1H),6.88(s,1H,ArH),7.28(d,1H,ArH),7.30(d,J=8.0,1H,ArH)。
実施例8a
単一の立体異性体8aを得るためHPLCによるキラル分離により、立体異性体8の混合物から8aを得る。8aおよび8bを分離するHPLCの条件は、以下の通りである。ヘキサン:エタノール(90:10v/v);カラム:Chiralcel OD−H(250×4.6mm)5uM;流量:1.5ml/min、温度:周囲温度;濃度:1.0mg/ml、UV検出:220nm。化合物8aは、15.4minで溶出する。MS解析:[M+H]571.05。
実施例8b
単一の立体異性体8bを得るためHPLCによるキラル分離により、立体異性体8の混合物から8bを得る。8aおよび8bを分離するHPLCの条件は、以下の通りである。ヘキサン:エタノール(90:10v/v);カラム:Chiralcel OD−H(250×4.6mm)5uM;流量:1.5ml/min、温度:周囲温度;濃度:1.0mg/ml、UV検出:220nm。化合物8aは、19.5minで溶出する。MS解析:[M+H]571.00。
実施例9
実施例2で調製したメタセシス生成物(37mg、0.075mmol)をTHF(2mL)に溶かした溶液に、NMO(11mg、0.094mmol)およびOsO溶液(0.05mL、0.0075mmol、4%水溶液)を室温で加えた。反応混合物を室温で16h撹拌した。反応の進行をTLCでモニターした。終了後、反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣を逆相HPLCにより精製して所望の化合物(4mg)を得た。H−NMR(400MHz,CDCl):δ 7.24(d,1H),7.15(d,1H),6.98(s,1H),6.5(m,1H),4.5(bs,1H),4.08(bs,1H),3.68(bs,2H),3.5(m,1H),3.22(bs,1H),2.5(bs,2H),2.3(bs,2H),2.13(m,1H),2.07(s,1H),0.75(m,2H)。MS:m/z523.2および525.2(1:1)[M+H]
実施例10
実施例3で調製したメタセシス生成物(35mg、0.068mmol)をTHF(2mL)に溶かした溶液に、NMO(11mg、0.089mmol)およびOsO溶液(0.05mL、0.0068mmol、4%水溶液)を室温で加えた。反応混合物を室温で16h撹拌した。反応の進行をTLCでモニターした。終了後、反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣を逆相HPLCにより精製して所望の化合物をオフホワイトの固体として得た(13mg)。H−NMR(400MHz,CDCl):δ 7.5(d,2H),6.87(s,1H),6.58(d,2H),4.42(bs,1H),4.1(bs,1H),3.81(d,1H),3.65(m,1H),3.4(m,3H),2.58(bs,2H),2.38(s,1H),2.18(d,1H),0.65−0.82(m,3H).MS:m/z553.0[M+H]
実施例11
実施例4で調製したメタセシス生成物(70mg、0.13mmol)をTHF(4mL)に溶かした溶液に、NMO(60mg、0.5mmol)およびOsO溶液(0.1mL、0.013mmol、4%水溶液)を室温で加えた。反応混合物を室温で16h撹拌した。反応の進行をTLCでモニターした。終了後、反応混合物を濃縮し、残渣を逆相HPLCにより精製して所望の化合物(25mg)を得た。H−NMR(400MHz,CDOD):δ 7.62(s,1H),7.4(d,1H),6.9(m,1H),6.4(m,1H),4.4(bt,2H),4.08(d,1H),4.0(bs,1H),2.8(bs,4H),1.8−2.07(m,2H),0.97(m,1H),0.9(m,1H),0.78(m,2H)。
実施例12
実施例5で調製したメタセシス生成物(43mg、0.078mmol)をTHF(4mL)に溶かした溶液に、NMO(40mg、0.34mmol)およびOsO溶液(0.06mL、0.0078mmol、4%水溶液)を室温で加えた。反応混合物を室温で16h撹拌した。反応の進行をTLCでモニターした。終了後、反応混合物を濃縮し、残渣を逆相HPLCにより精製して所望の化合物(15mg)を得た。H−NMR(400MHz,CDCl):δ 7.38(d,1H),7.21(d,1H),6.97(s,1H),6.4(m,1H),4.5(bs,2H),4.02−4.17(m,2H),3.8(s,3H),3.6(bs,2H),3.1(bs,1H),2.75(bs,1H),2.18(d,2H),0.9(bs,2H),0.75(bs,2H)。
実施例13
実施例6で調製したメタセシス生成物(50mg、0.1mmol)をTHF(3mL)に溶かした溶液に、NMO(50mg、0.4mmol)およびOsO溶液(0.06mL、0.01mmol、4%水溶液)を室温で加えた。反応混合物を室温で16h撹拌した。反応の進行をTLCでモニターした。終了後、反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣を逆相HPLCにより精製して所望の化合物(2mg)を得た。H−NMR(400MHz,CDOD):δ 7.5(d,1H),7.4(d,1H),7.1(t,1H),6.42(d,1H),6.39(d,1H),4.6(s,1H),4.4(bs,1H),4.0(m,2H),1.9−2.03(d,2H),0.96(bs,2H),0.7(bs,2H)。MS:m/z553.3[M+H]
実施例14
実施例7で調製したメタセシス生成物(60mg、0.1mmol)をTHF(3mL)に溶かした溶液に、NMO(60mg、0.5mmol)およびOsO溶液(0.07mL、0.01mmol、4%水溶液)を加え、反応混合物を室温で16h撹拌した。反応の進行をTLCでモニターした。終了後、反応混合物を減圧下で濃縮し、得られた残渣を逆相HPLCにより精製して所望の化合物(6mg)を得た。H−NMR(400MHz,CDOD):δ 7.41(d,1H),7.3(d,1H),6.95(m,1H),6.5(m,1H),4.6(s,1H),4.4(bs,1H),4.2(d,1H),3.94(d,1H),3.2(m,1H),2.87(m,1H),2.5(bs,1H),2.1(bs,1H)。MS:m/z545.4[M+H]
実施例15
N−(3,6−ジフルオロ−2−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)−4−メトキシフェニル)−1−(2,3−ジヒドロキシプロピル)シクロプロパン−1−スルホンアミドの調製
ステップ1:2−フルオロ−N−(2,3,5−トリフルオロ−6−ニトロフェニル)−4−ヨードベンゼンアミンの合成
4−ヨード−2−フルオロアニリン(3.64g、15.37mmol)を乾燥THF(100mL)に溶かした溶液を、窒素雰囲気下、ドライアイス−アセトン浴で−78℃まで冷却した。この溶液に、LHDMSをTHF(15.4mL)に溶かした1Mの溶液をシリンジで滴下して加えた。溶液は添加中に緑色になる。混合物をその温度でさらに1h撹拌した。混合物を冷却し、次いでそれに、1,2,3,5−テトラフルオロ−4−ニトロベンゼン(3g、15.37mmol)を乾燥THF(10.0mL)に溶かした溶液をシリンジで滴下して加えた。添加中に混合物の色は、暗紫色に変化する。次いで混合物を−78℃で1h撹拌させ、次いで室温まで加温し、一晩(12h)撹拌した。次いで混合物を真空下で濃縮してTHFの2/3を除去し、酢酸エチル(100mL)で希釈し、水(2×50mL)、最後にブラインで洗浄した。有機層をMgSOで乾燥させ、減圧下で蒸発させた。この粗材料を、1〜5%酢酸エチル/ヘキサンのグラジエントをかけて慎重な(careful)シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して所望の生成物を黄色の固体として得た(4.4g、70%)。H NMR(400MHz,DMSO−d):6.85(t,1H),7.35(d,1H),7.60−7.65(m,2H),8.78(s,1H)。
ステップ2:2−フルオロ−N−(2,5−ジフルオロ−3−メトキシ−6−ニトロフェニル)−4−ヨードベンゼンアミンの合成
2−フルオロ−N−(2,3,5−トリフルオロ−6−ニトロフェニル)−4−ヨードベンゼンアミン(2.55g、6.16mmol)をTHF(40mL)に溶かした溶液に、NaOMe溶液(25%MeOH溶液、1.4mL、0.62mmol)を−78℃でゆっくりと加えた。混合物の色はすぐに濃くなる。添加の終了後、反応混合物をrtまで加温し、一晩撹拌した。次いでこれを酢酸エチルで希釈し、水、ブラインで洗浄してから乾燥させた。揮発物の除去後、この粗生成物を、溶離液として2〜10%酢酸エチル/ヘキサンを用いてシリカゲルフラッシュカラムにより精製して所望の生成物を黄色の粉末として得た(1.2g、48%)。未反応の出発材料2−フルオロ−N−(2,3,5−トリフルオロ−6−ニトロフェニル)−4−ヨードベンゼンアミン(1g)も回収した。
ステップ3:3,6−ジフルオロ−N−(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)−5−メトキシベンゼン−1,2−ジアミンの合成
2−フルオロ−N−(2,5−ジフルオロ−3−メトキシ−6−ニトロフェニル)−4−ヨードベンゼンアミン(12.5g、29.5mmol)をEtOH(200mL)に溶かした懸濁液を70℃で加熱して、澄明で透明な溶液を形成し、この熱い溶液に、Naを水に加えて新たに調製した溶液(15g、86mmol、30mL中)を滴下して加えた。混合物をさらに90℃で1h加熱した。室温まで冷却したら、混合物を減圧下で濃縮してエタノールを除去した。残渣を酢酸エチルで希釈し(25mL)、水およびブラインで洗浄し、有機層を分離し、MgSOで乾燥させ、減圧下で濃縮してオフホワイトの固体(10.2g、88%)を得た。この固体を精製せずにそのまま次の反応に使用した。
ステップ4:1−アリル−N−(3,6−ジフルオロ−2−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)−4−メトキシフェニル)シクロプロパン−1−スルホンアミドの合成
3,6−ジフルオロ−N−(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)−5−メトキシベンゼン−1,2−ジアミン(10g、25.3mmol)を無水ピリジン(50mL)に溶解させ、この溶液に、スルホニルクロリド(6.5g、50.6mmol、新たに精製)を室温で加えた。混合物を、窒素下、油浴で45℃にて72h加熱した。混合物のTLC解析では、新しい極性のスポットの形成、および出発材料の消失が示される。溶媒を蒸発させ、溶離液として10%酢酸エチル/ヘキサンを用いたシリカゲルクロマトグラフィー後、この粗混合物から所望の生成物を得た。収率(6.5g、48%)H NMR(400MHz,CDCl):0.81(m,2H),1.21(m,2H),2.73(d,2H),3.88(s,3H),5.11(d,2H),5.75(m,1H),5.8(s,1H),6.4(t,1H),6.51(m,1H),6.8(s,1H),7.2(s,1H),7.33(m,1H)。
ステップ5:N−(3,6−ジフルオロ−2−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)−4−メトキシフェニル)−1−(2,3−ジヒドロキシプロピル)シクロプロパン−1−スルホンアミドの合成
方法A。1−アリル−N−(3,6−ジフルオロ−2−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)−4−メトキシフェニル)シクロプロパン−1−スルホンアミド(3.4g、6.3mmol)をTHF(100mL)に溶かした溶液に、シリンジにてN−メチルモルホリン(0.85g、6.3mmol)、続いて溶液としてのOsO(4mL、4%wt水溶液、0.63mmol)を室温で加えた。混合物を一晩(14h)撹拌した。TLC解析によれば、出発材料が完全に消費され、より高極性の生成物が形成された(50%ヘキサン:酢酸エチルのベースライン)。混合物を酢酸エチルで希釈し、Na(1%溶液)、水、最後にブラインで洗浄した。有機層を分離し、MgSOで乾燥させ、蒸発させた。この粗化合物を、8〜100%酢酸エチル/ヘキサンを用いたフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した。収率(2.5g、69%)H NMR(400MHz,CDCl):0.90(br s,2H),1.20−1.22(m,2H),1.28(m,1H),1.45(m,1H),1.75(m,1H),2.45−2.48(m,1H),3.48(m,1H),3.62(m,1H),3.80(s,3H),4.06(m,1H),6.40−6.45(m,1H),6.50−6.52(m,1H),6.80(s,1H),7.20−7.25(m,1H),7.30(m,1H),7.42(s,1H)。
方法B。オレフィン(中間体33mg、0.061mmol)をTHF(2mL)に溶かした溶液に、NMO(10mg、0.079mmol)およびOsO溶液(0.04mL、0.0061mmol、4%水溶液)を室温で加えた。反応混合物を室温で16h撹拌した。反応の進行をTLCでモニターした。終了後、反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣を逆相HPLCにより精製して所望の化合物(19mg)を得た。H−NMR(400MHz,CDCl):δ 7.39(d,1H),6.82(s,1H),6.58(m,1H),6.4(m,1H),4.1(bs,1H),3.9(s,3H),3.72(t,2H),3.6(m,1H),3.45(m,1H),2.18(s,2H),1.23(m,2H),0.8−0.9(m,4H)。MS:m/z573.1[M+H]
実施例16
オレフィン(35mg、0.065mmol)をTHF(1mL)に溶かした溶液に、NMO(10mg、0.08mmol)およびOsO溶液(0.04mL、0.0065mmol、4%水溶液)を室温で加えた。反応混合物を室温で16h撹拌した。反応の進行をTLCでモニターした。終了後、反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣を逆相HPLCにより精製して5mgの所望の化合物を得た。H−NMR(400MHz,CDCl):δ 7.2(d,1H),7.07(d,1H),6.8(s,1H),6.58(m,1H),4.1(bs,1H),3.9(s,3H),3.62(m,1H),3.5(m,1H),3.08(bs,1H),2.4(m,1H),2.0(m,2H),1.62(d,2H),0.79−0.95(m,4H)。MS:m/z525および527(1:1)[M+H]
実施例17
オレフィン(60mg、0.11mmol)をTHF(5mL)に溶かした溶液に、NMO(18mg、0.15mmol)およびOsO溶液(0.07mL、0.011mmol、4%水溶液)を室温で加えた。反応混合物を室温で16h撹拌した。反応の進行をTLCでモニターした。終了後、反応混合物を減圧下で濃縮し、逆相HPLCにより精製して所望の化合物(30mg)を得た。H−NMR(400MHz,CDCl):δ 7.4(d,1H),7.39(d,1H),7.0(t,1H),6.42(d,1H),6.2(d,1H),4.1(bs,1H),3.82(s,3H),3.75(t,1H),3.62(m,1H),3.5(m,1H),2.5(bs,1H),2.5(m,2H),2.18(s,1H),1.8(d,1H),1.22(s,1H),0.8(m,2H)。MS:m/z555.1[M+H]
実施例18
実施例1で得られたメタセシス生成物(100mg、0.19mmol)を乾燥THF(2mL)に溶かした溶液に、窒素雰囲気下、BH−DMS溶液(0.3mL、0.6mmol)を室温で加えた。反応混合物をrtで3h撹拌した。反応の進行をTLCでモニターした。終了後、反応混合物を2Mのaq.NaOH(2mL)でクエンチした。反応混合物に、30%H溶液(2mL)を加え、これをrtで30min撹拌し、酢酸エチルで抽出した。有機層をNaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣を逆相HPLCにより精製して異性体混合物18aおよび18b(10mg)を得た。H−NMR(400MHz,CDCl):δ 7.38(d,1H),7.27(d,1H),6.43(m,1H),6.38(s,1H),4.6(t,1H),4.22(m,1H),3.8(bs,1H),3.4(m,1H),2.8(bs,1H),2.42(m,1H),2.0(m,2H),1.5(bs,2H),1.1(m,1H),0.92(m,1H),0.82(m,2H)。MS:m/z555.1[M+H]
実施例19
実施例1で調製したメタセシス生成物(30mg、0.056mmol)を乾燥THF(1mL)に溶かした溶液に、窒素雰囲気下、BH−DMS溶液(0.1mL、0.2mmol)を室温で加えた。反応混合物を50℃で16h撹拌した。反応の進行をTLCでモニターした。終了後、反応混合物を2Mのaq NaOH(0.6mL)でクエンチした。反応混合物に30%H溶液(0.6mL)を加え、これをrtで30min撹拌し、酢酸エチルで抽出した。有機層をNaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣を逆相HPLCにより精製して所望の化合物(4mg)を得た。H−NMR(400MHz,CDCl):δ 7.4(d,1H),7.27(d,1H),6.5(s,1H),6.38(m,1H),3.62(t,2H),1.9(m,2H),1.57(m,2H),1.4(m,2H),1.24(s,2H),1.8(s,2H)。
実施例20
ナトリウムtert−ブトキシカルボニルクロロアミド(E.Herranz,K,B.Sharpless,J.Org.Chem.1980,45,2710−2713)26mg、0.15mmol)および硝酸銀(27mg、0.16mmol)をアセトニトリル(1mL)に溶かした撹拌懸濁液に、実施例1のメタセシス生成物、53.6mg、0.1mmol)およびOsO溶液(0.01mL、0.01mmol)を加えた。反応混合物を室温で5h撹拌した。反応の進行をTLCでモニターした。終了後、反応混合物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。残渣を逆相HPLCにより精製してBoc誘導体(10mg)を得、これを30%TFA−DCM溶液中、rtで30min撹拌した。反応混合物を濃縮して7mgの所望の異性体混合物20aおよび20bを得た。H−NMR(400MHz,CDOD,TFA):δ 7.42(d,1H),7.38(d,1H),6.8(m,1H),6.5(m,1H),4.5(d,2H),4.05−4.17(m,2H),3.46(bs,1H),3.1(bs,1H),1.97(d,2H),0.81−0.97(bs,2H),0.65(bs,2H)。MS:m/z570.3[M+H]
実施例21
N−(3,4−ジフルオロ−6−メトキシ)−2−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)フェニル−1−(2,3−ジヒドロキシ)シクロプロパン−1−スルホンアミド
ステップ1。3,4,5−トリフルオロ−2−ニトロ−フェニルメチルエーテルの調製
3,4,5−トリフルオロ−2−ニトロフェノールと、アリルブロミドに代わるジメチルスルフェートとを出発物質として、中間体6の調製に使用したのと類似の手順を用いて、3,4,5−トリフルオロ−2−ニトロ−フェニルメチルエーテルを調製した。
ステップ2。N−(3,4−ジフルオロ−5−メチル−6−ニトロフェニル)−2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミンの調製
中間体7の調製で記載したのと類似の手順を用いて、4−ヨード−2−フルオロアニリンを前ステップの生成物と反応させ、N−(3,4−ジフルオロ−5−メトキシ−6−ニトロルフェニル)−2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミンを得た。
ステップ3および4。N−(3,4−ジフルオロ−6−メトキシ)−2−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)フェニル−1−(2,3−ジヒドロキシ)シクロプロパン−1−スルホンアミドの調製。
実施例15のステップ4および5で上述したのと類似の手順を用いて、所望の化合物を得た。MS解析:m/z572(M+1)、H NMR(400MHz,CDCl):0.86(m,2H),1.21−1.26(m,3H),1.37(m,1H),1.75(d,1H),2.3(m,1H),3.49(m,1H),3.63(m,1H)4.06(Br s,1H),6.43(m,1H),6.53(m,1H),6.87(s,1h),7.24(m,1H),7.38(m,1H)。
実施例22
MEK阻害活性の評価
本化合物を下記のアッセイを用いて試験した。
以下のような様々な標準的インビトロアッセイを用いて、ERKの実施例8をMEKが介在する抗癌活性について評価した
RAS/RAF遺伝子に多く見られる突然変異を含む様々な腫瘍細胞株の抗増殖活性についてインビトロ試験を行った(機能アッセイ)。これを選択性について野生型細胞株と比較した。ATPの存在下および非存在下でMEKキナーゼアッセイを行い、そのアロステリック阻害の作用機序を明らかにした。ERKリン酸化に対する作用を調査して、その細胞における作用機序を証明した。
本発明の化合物を、HT29増殖細胞株を用いて試験したところ、活性を有することが明らかになった。これらの化合物の結果を表3に示す。
MEK酵素阻害アッセイ
材料および試薬の調製:精製された組換え全長ヒトGST−MEK1をCell Signaling Technology,Inc(Beverly,MA,USA)から購入した。MAPキナーゼ基質Erk1/Erk2ペプチドは、Enzo Life Sciences(Plymouth Meeting,PA,USA)から購入した。
酵素活性の判定:化合物を、1mMから1.37μMの濃度範囲のジメチルスルホキシド(DMSO)で3倍希釈した。典型的な20マイクロリットルのアッセイは、80ngのMEK1、4μgのErk1/Erk2ペプチド、100μMまたは1mMのATP、5mMのMOPS、pH7.2、2.5mMのβ−グリセロホスフェート、1mMのEGTA、0.4mMのEDTA、5mMのMgCl2、0.05mMのDTTを含む1×アッセイ緩衝液に溶かした1μM〜1.37nMの被検化合物を含んでいた。酵素反応を室温で90分インキュベートした。キナーゼ反応の終了時に、20μLのADP−Glo試薬(Promega,Madison,WI,USA)を加え、室温で40分インキュベートした。40μLのキナーゼ検出試薬(Promega)を加え、室温で1hインキュベートした。化学発光を読み取り、SoftMaxソフトウェアを用いてIC50を計算した。
実施例8の化合物のMEK酵素活性の結果:IC50=21nM
インビトロでの癌スクリーニング
Colo205細胞、Caki−1細胞、HepG2細胞、HCT116細胞およびHT29細胞をAmerican Type Culture Collectionから入手した。Colo205細胞、Caki−1細胞、HepG2細胞を、L−グルタミン(Invitrogen)および10%ウシ胎仔血清(Hyclone)を補充したRPMI−1640培地を用いて、37℃、5%CO、加湿インキュベーターで増殖させた。HCT116細胞およびHT29細胞については、L−グルタミン(Invitrogen)および10%ウシ胎仔血清(Hyclone)を補充したDMEM培地を用いて、37℃、5%CO、加湿インキュベーターで増殖させた。
増殖アッセイは、96ウェルプレートを用い、100μLのDMEM/10%FBSまたはRPMI/10%培地に2,000細胞/ウェルを蒔き、37℃、5%CO、加湿インキュベーターで一晩インキュベートして行った。培地は、様々な濃度の化合物を含む新鮮な100μLの新鮮なRPMI/10%FBS培地またはDMEM/10%FBS培地と交換した。化合物は、3倍希釈、3.3μM〜4.5nMの範囲の濃度で加えた。37℃、5%CO、加湿インキュベーターで化合物と72時間インキュベート後、CellTiterGlo試薬(Promega)を100μL/ウェル添加してからルミノメーターで細胞生存率を測定した。SoftMaxソフトウェアを用いてIC50を計算した。
実施例8の化合物に関する増殖の結果:HT29:21nM、Colo205:17nM、HepG2:15nM、HCT116:544nM、Caki−1:>1000nM
上記のデータは、MEKにより調節される疾患の処置において本化合物が一般に有用性があること、そして特に、抗腫瘍薬として有用性があることを示す。
均等物
特定の実施形態について本明細書に詳細に開示してきたが、これは、説明のみを目的として例示してきたものであり、開示された発明の正確な形態、または以下に添付された特許請求の範囲の範囲に対して限定的であることを意図するものではない。特に、本発明者らは、特許請求の範囲により規定される本発明の精神および範囲を逸脱しない範囲で、本発明に様々な置換、変更および修正をなし得ることを意図している。本発明の様々な変更および修正は、本明細書に記載の実施形態の知識を持った当業者にとって日常的なことと考えられる。他の態様、利点および修正は、以下の特許請求の範囲の範囲内にあると見なされる。

Claims (12)

  1. 下記式(I)の化合物において、
    式中、
    はHまたはFであり、
    はBrまたはIであり、
    はH、F、ClまたはBrであり、
    は二重結合または単結合を表し、
    XおよびYは独立に
    H、
    OH、
    ORもしくは
    NH
    から選択され、
    ただし、
    が二重結合を表す場合、XおよびYはHであり、
    ZはH、FまたはORであり、
    式中、RはC〜Cアルキルであり、
    AおよびA’は独立にHまたはC〜Cアルキルであるか、
    または
    AおよびA’は、それらが結合しているC原子と一緒になって、シクロプロピル環、シクロブチル環またはシクロペンチル環を形成することを特徴とする
    化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは互変異性体。
  2. 下記式(Ia)の化合物において、
    式中、
    はHまたはFであり、
    はBrまたはIであり、
    はH、F、ClまたはBrであり、
    かつ
    Zは、H、FまたはMeOであることを特徴とする化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは互変異性体。
  3. 下記式(Ia)の化合物において
    式中、
    はHまたはFであり、
    はBrまたはIであり、
    はH、F、ClまたはBrであり、
    ZはH、FまたはORであり、
    式中、RはC〜Cアルキルであることを特徴とする化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは互変異性体。
  4. 下記式(Ic)の化合物であって、
    式中、
    はHまたはFであり、
    はBrまたはIであり、
    はH、F、ClまたはBrであり、
    ZはH、FまたはORであり、
    式中、RはC〜Cアルキルである
    化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは互変異性体。
  5. から選択されることを特徴とする化合物。
  6. から選択されることを特徴とする化合物。
  7. ヒトを含む哺乳動物の過剰増殖性障害を処置するための薬剤の調製における請求項1の式(I)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは互変異性体の使用であって、前記薬剤が前記哺乳動物に治療有効量で投与されるものである、ことを特徴とする使用。
  8. ヒトを含む哺乳動物の炎症性疾患、状態または障害を処置するための薬剤の調製における請求項1の式(I)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは互変異性体の使用であって、前記薬剤が前記哺乳動物に治療有効量で投与されるものである、ことを特徴とする使用。
  9. ヒトを含む哺乳動物のMEKカスケードにより調節される障害または状態を処置するための薬剤の調製における請求項1の式(I)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは互変異性体の使用であって、前記薬剤が前記哺乳動物に治療有効量で投与されるものである、ことを特徴とする使用。
  10. ヒトを含む哺乳動物の癌を処置または予防するための薬剤の調製における請求項1の式(I)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは互変異性体の使用であって、前記薬剤が前記哺乳動物に治療有効量で投与されるものである、ことを特徴とする使用。
  11. 治療有効量の式(I)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは互変異性体を含むことを特徴とする医薬組成物。
  12. ヒトを含む哺乳動物においてMEK酵素を阻害することによって改善される障害または状態を処置するための薬剤の調製における請求項1の式(I)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは互変異性体の使用であって、前記薬剤が前記哺乳動物に治療有効量で投与されるものである、ことを特徴とする使用。
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