JP5892359B2 - 回転角検出装置 - Google Patents

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Description

この発明は、ブラシレスモータのロータ等の回転体の回転角を検出する回転角検出装置に関する。
電動パワーステアリング装置などに使用されるブラシレスモータを制御するためには、ロータの回転角度に合わせてステータ巻線に電流を通電する必要がある。そこで、ブラシレスモータのロータの回転に応じて回転する多極磁石と、多極磁石の磁束を検出する複数の磁気センサとを備え、各磁気センサの出力信号に基づいて、ブラシレスモータのロータの回転角を検出する回転角検出装置が知られている。
しかしながら、このような回転角検出装置では、各磁気センサの出力特性は一定ではなく、また周辺温度の影響を受けやすいことから、各磁気センサの出力信号に基づいて演算される回転角に誤差が発生してしまう。
そこで、各磁気センサの出力信号のピーク値を検出し、検出されたピーク検出値を振幅補正値として、その磁気センサの振幅を所定の基準値となるように補正した後に、ロータの回転角を検出する技術が既に開発されている(たとえば、下記特許文献1参照)。
特開2003−83823号公報 特開平6−109750号公報 特開2002−345285号公報
ピーク検出値を振幅補正値として用いて磁気センサの出力信号の振幅補正を行う従来の回転角検出装置においては、ノイズなどの影響で本来のピーク値以外の値がピーク値として検出された場合には、正常な振幅補正が行われないため、振幅補正後の信号に基づいて演算される回転角に誤差が生じる。そこで、振幅補正値として使用されるピーク検出値に対して上限閾値および下限閾値を設定しておき、検出されたピーク検出値が上限閾値を越えた場合または下限閾値を下回った場合には、当該ピーク検出値が異常であると判定して、当該ピーク検出値を振幅補正値として用いないようにすることが考えられる。
しかしながら、多極磁石の磁束は周辺温度によって大きく変動するため、前記上限閾値を大きな値に設定するとともに、前記下限閾値を小さな値に設定する必要がある。より具体的に説明すると、多極磁石の磁束は周辺温度によって大きく変動するため、図8に示すように、磁気センサの出力信号の振幅は、周辺温度が高くなるほど小さくなる。なお、図8において、磁石の磁束密度や磁気センサの出力特性、増幅回路などが個々にばらつきを持っているため、それぞれのばらつきによって信号振幅が最大となる値をL1で、最小となる値をL2で示している。このため、検出されたピーク検出値が正常であるのにかかわらず異常であると誤判定されないようにするためには、上限閾値を図8にHthで示すように大きな値に設定するとともに、下限閾値を図8にLthで示すように小さな値に設定する必要がある。
このように、上限閾値を大きな値に設定するとともに下限閾値を小さな値に設定してしまうと、磁気センサの出力信号の本来の振幅に対して上限閾値と下限閾値との間の間隔が広くなりすぎるため、検出されたピーク検出値が正常であるか否かを精度よく判定することができなくなる。
この発明の目的は、振幅補正値として使用されるピーク検出値が正常であるか否かを高精度に判定することができる回転角検出装置を提供することである。
上記の目的を達成するための請求項1記載の発明は、回転体(1)の回転角を検出する回転角検出装置であって、前記回転体の回転に応じて回転し、複数の磁極(M1〜M10)を備えている多極磁石(2)と、前記多極磁石の回転に応じて、互いに位相差を有する正弦波信号を出力する複数の磁気センサ(21,22)と、前記各磁気センサの出力信号のピーク値を検出するピーク値検出手段(20,S6)と、前記ピーク値検出手段によって検出された前記各磁気センサの出力信号のピーク検出値を当該磁気センサの振幅補正値として用いて、前記各磁気センサの出力信号の振幅を補正する振幅補正手段(20,S14)と、前記振幅補正手段によって振幅補正が行われた出力信号に基づいて、前記回転体の回転角を演算する回転角演算手段(20,S15)と、前記ピーク検出値が正常であるか否かを判定する振幅補正値監視手段(20,S12)とを含み、前記複数の磁気センサに含まれる2つの磁気センサの一方の磁気センサの出力信号を第1の出力信号(V1)とし、他方の磁気センサの出力信号を第2の出力信号(V2)とし、同じ磁極に対する前記第1の出力信号のピーク検出値と前記第2の出力信号のピーク検出値との比をピーク値比とし、前記一方の磁気センサが現在感知している磁極に対応する前記第1の出力信号のピーク検出値を第1の判定対象のピーク検出値とし、前記他方の磁気センサが現在感知している磁極に対応する前記第2の出力信号のピーク検出値を第2の判定対象のピーク検出値とすると、前記振幅補正値監視手段は、全ての磁極に対応するピーク値比のうちの少なくとも前記一方の磁気センサが現在感知している磁極に対応するピーク値比に基づいて、前記第1の判定対象のピーク検出値が正常であるか否かを判定するとともに、全ての磁極に対応するピーク値比のうちの少なくとも前記他方の磁気センサが現在感知している磁極に対応するピーク値比に基づいて、前記第2の判定対象のピーク検出値が正常であるか否かを判定するように構成されている、回転角検出装置である。なお、括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素等を表すが、むろん、この発明の範囲は当該実施形態に限定されない。以下、この項において同じ。
この発明では、第1の判定対象のピーク検出値が正常であるか否かを、全ての磁極に対応するピーク値比のうちの少なくとも一方の磁気センサが現在感知している磁極に対応するピーク値比(2つの磁気センサの出力信号のピーク検出値の比)に基づいて行っている。また、第2の判定対象のピーク検出値が正常であるか否かを、全ての磁極に対応するピーク値比のうちの少なくとも他方の磁気センサが現在感知している磁極に対応するピーク値比(2つの磁気センサの出力信号のピーク検出値の比)に基づいて行っている。このため、両磁気センサそれぞれに作用する周辺温度等の影響を相殺することができる。これにより、各磁気センサの特性のばらつき、各磁気センサと磁石との間のギャップのばらつき等に起因して各出力信号のピーク検出値にばらつきがあったり、周辺温度によって各出力信号が変動したりする場合でも、判定対象のピーク検出値が正常であるか否かを正確に判定できる。
請求項2記載の発明は、前記振幅補正値監視手段は、前記回転体の1周分における各磁極それぞれの最新のピーク値比のうち、前記一方の磁気センサが現在感知している磁極に対応するピーク値比を、他の磁極に対応するピーク値比の平均値と比較することによって、前記第1の判定対象であるピーク検出値が正常であるか否かを判定するとともに、前記他方の磁気センサが現在感知している磁極に対応するピーク値比を、他の磁極に対応するピーク値比の平均値と比較することによって、前記第2の判定対象であるピーク検出値が正常であるか否かを判定するように構成されている、請求項1に記載の回転角検出装置である。
この構成では、各磁極の着磁にばらつきがあったとしても、正確な判定を行うことができる。このため、第1の判定対象のピーク検出値および第2の判定対象のピーク検出値が正常であるか否かをより高精度に判定することができる。
この発明の一実施形態に係る回転角検出装置を、ブラシレスモータのロータの回転角を検出するための回転角検出装置に適用した場合の構成を示す模式図である。 検出用ロータの構成を示す模式図である。 第1および第2の磁気センサの出力信号波形および第1の磁気センサが感知している磁極を示す模式図である。 回転角演算装置による回転角演算処理の手順を示すフローチャートである。 メモリ内に設けられた第1および第2のピーク値記憶領域を示す模式図である。 図5のステップS3の相対的極番号の設定処理の手順を示すフローチャートである。 相対的極番号の設定処理を説明するための模式図である。 周辺温度に対する磁気センサの出力信号の振幅の変化を示すグラフである。
以下では、この発明を、ブラシレスモータのロータの回転角を検出するための回転角検出装置に適用した場合の実施形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係る回転角検出装置を、ブラシレスモータのロータの回転角を検出するための回転角検出装置に適用した場合の構成を示す模式図である。
この回転角検出装置100は、ブラシレスモータ10の回転に応じて回転する検出用ロータ(以下、単に「ロータ1」という)を有している。図2に示すように、ロータ1は、ブラシレスモータ10のロータに設けられている磁極対に相当する複数の磁極対を有する円筒状の磁石(多極磁石)2を含んでいる。
磁石2は、5組の磁極対(M1,M2)(M3,M4)(M5,M6)(M7,M8)(M9,M10)を有している。つまり、磁石2は、等角度間隔で配置された10個の磁極M1〜M10を有している。各磁極M1〜M10は、ロータ1の回転中心軸を中心として、36°(電気角では180°)の角度間隔で配置されている。
ロータ1におけるモータ10とは反対側には、磁石2の環状端面に対向する2つの磁気センサ21,22が配置されている。これらの磁気センサ21,22は、ロータ1の回転中心軸を中心として、所定角度18°(電気角では90°)の角度間隔をおいて配置されている。これら2つの磁気センサ21,22を、それぞれ第1の磁気センサ21および第2の磁気センサ22という場合がある。磁気センサとしては、たとえば、ホール素子、磁気抵抗素子(MR素子)等、磁界の作用により電気的特性が変化する特性を有する素子を備えたものを用いることができる。
図2に矢印で示す方向をロータ1の正方向の回転方向とする。そして、ロータ1が正方向に回転されるとロータ1の回転角が大きくなり、ロータ1が逆方向に回転されると、ロータ1の回転角が小さくなるものとする。各磁気センサ21,22からは、図3に示すように、ロータ1が1磁極対分に相当する角度(72°(電気角では360°))を回転する期間を一周期とする正弦波信号V1,V2が出力される。
図3は、ロータ1の磁極M10と磁極M1との境界が第1の磁気センサ21に対向している場合のロータ1の回転角を0°にとった場合のロータ角度(機械角)に対する、各磁気センサ21,22の出力信号V1,V2を示している。各磁気センサ21,22の出力信号V1,V2は、実際には、センサ素子の出力が増幅回路によって増幅された信号である。また、図3には、ロータ角度に対応して、第1の磁気センサ21が感知している磁極M1〜M10が示されている。
ロータ1の1回転分の角度範囲を、5つの磁極対に対応して5つの区間に分け、各区間の開始位置を0°とし終了位置を360°として表したロータ1の回転角を、ロータ1の電気角θeということにする。
ここでは、第1の磁気センサ21からは、5つの磁極対に対応する区間毎に、V1=A1・sinθeの出力信号が出力されるものとする。この場合、第2の磁気センサ22からは、5つの磁極対に対応する区間毎に、V2=A2・sin(θe+90°)=A2・cosθeの出力信号が出力される。A1,A2は、それぞれ振幅を表している。したがって、各磁気センサ21,22からは、互いに所定の位相差90°(電気角)を有する正弦波信号が出力される。各磁気センサ21,22の出力信号V1,V2を、それぞれ第1の出力信号V1よび第2の出力信号V2という場合がある。
なお、各出力信号のV1,V2の振幅A1,A2は、次のような要因等によって変動する。
・各磁極M1〜M8の着磁のばらつきおよび温度特性
・各磁気センサ21,22の特性のばらつきおよび温度特性
・各磁気センサ21,22に対応する増幅回路の増幅率のばらつきおよび温度特性
・各磁気センサ21,22と磁石2との間の軸方向間隔(ギャップ)
・ロータ1の回転中心軸線と各磁気センサ21,22との距離
図1に戻り、各磁気センサ21,22の出力信号V1,V2は、回転角演算装置20に入力される。回転角演算装置20は、たとえば、マイクロコンピュータから構成され、CPU(中央演算処理装置)およびメモリ(ROM,RAM,書き換え可能な不揮発性メモリ等)を含んでいる。
回転角演算装置20は、各磁気センサ21,22の出力信号V1,V2のピーク値を検出する。また、回転角演算装置20は、検出された各出力信号V1,V2のピーク検出値を振幅補正値として、対応する出力信号の振幅を補正する。そして、回転角演算装置20は、振幅補正後の各出力信号V1’,V2’に基づいて、ロータ1の回転角(電気角θe)を演算する。
回転角演算装置20によって演算された電気角θeは、モータコントローラ30に与えられる。モータコントローラ30は、回転角演算装置20から与えられる電気角θeを用いて、ブラシレスモータ10を制御する。
この実施形態では、回転角演算装置20は、検出された各出力信号V1,V2のピーク検出値が振幅補正値として使用される前に、当該ピーク検出値が正常であるか否かを判定する機能を備えている。具体的には、同じ磁極に対する第1の出力信号V1のピーク検出値と第2の出力信号V2のピーク検出値の比をピーク値比とし、正常であるか否かを判定すべきピーク検出値を判定対象のピーク検出値とすると、回転角演算装置20は、ロータ1の直近の1周分における各磁極に対応するピーク値比に基づいて、判定対象のピーク検出値が正常であるか否かを判定する。そして、当該ピーク検出値が正常でないと判定された場合には、回転角演算処理を停止するとともに、モータ1の回転を停止させる。
図4は、回転角演算装置20による回転角演算処理の手順を示すフローチャートである。
図4に示される回転角演算処理は、所定の演算周期毎に繰り返し行なわれる。
回転角演算処理開始時において第1の磁気センサ21が感知している磁極を基準磁極として、各磁極に相対的な番号を割り当てた場合の各磁極の番号を相対的極番号と定義する。第1の磁気センサ21が感知している磁極の相対的極番号(以下、「第1の相対的極番号」という)を変数r1で表し、第2の磁気センサ22が感知している磁極の相対的極番号(以下、「第2の相対的極番号」という)を変数r2で表すことにする。なお、各相対的極番号r1,r2は、1〜10の整数をとり、1より1少ない相対的極番号は10となり、10より1大きい相対的極番号は1となるものとする。
この実施形態では、回転角演算処理開始時において第1の磁気センサ21が感知している磁極(基準磁極)がN極の磁極である場合には、当該磁極に”1”の相対的極番号が割り当てられる。一方、回転角演算処理の開始時において第1の磁気センサ21が感知している磁極(基準磁極)がS極の磁極である場合には、当該磁極に”2”の相対的極番号が割り当てられる。
回転角演算装置20のメモリ(たとえば、RAM)には、図5に示すように、第1および第2のピーク値記憶領域R1,R2が設けられている。第1のピーク値記憶領域R1には、第1の相対的極番号r1の1〜10毎に、その相対的極番号に対応する磁極に対して最新に検出された第1の出力信号V1のピーク検出値a〜a10が記憶される。第2のピーク値記憶領域R2には、各第2の相対的極番号r2の1〜10毎に、その相対的極番号に対応する磁極に対して最新に検出された第2の出力信号V2のピーク検出値b〜b10が記憶される。
回転角演算処理が開始されると、回転角演算装置20は、各磁気センサ21,22の出力信号(センサ値)V1,V2を読み込む(ステップS1)。なお、回転角演算装置20のメモリ(たとえば、RAM)には、出力信号V1,V2毎に、所定回数前に読み込まれたセンサ値から最新に読み込まれたセンサ値までの、複数回数分のセンサ値が記憶されるようになっている。
また、この実施形態では、センサ値V1のピーク値(極大値および極小値)を検出するために、読み込まれたセンサ値V1のうち絶対値がより大きいセンサ値が、センサ値V1のピーク値候補としてメモリに保存される。同様に、センサ値V2のピーク値(極大値および極小値)を検出するために、読み込まれたセンサ値V2のうち絶対値がより大きいセンサ値が、センサ値V2のピーク値候補としてメモリに保存される。ただし、これらのピーク値候補は、対応する出力信号のゼロクロスが検出されたときには、後述するような所定のタイミングで零にリセットされる。
前記ステップS1で各センサ値V1,V2が読み込まれると、回転角演算装置20は、今回の処理が回転角演算処理開始後の初回の処理であるか否かを判別する(ステップS2)。今回の処理が回転角演算処理開始後の初回の処理である場合には(ステップS2:YES)、回転角演算装置20は、相対的極番号の設定処理を行う(ステップS3)。
図6は、相対的極番号の設定処理の詳細な手順を示している。
回転角演算装置20は、まず、第1の出力信号V1が0より大きいか否かを判別する(ステップS21)。第1の出力信号V1が0より大きい場合には(ステップS21:YES)、回転角演算装置20は、第1の磁気センサ21が感知している磁極(基準磁極)がN極の磁極であると判別し、第1の相対的極番号r1を1に設定する(ステップS24)。そして、ステップS26に進む。
一方、第1の出力信号V1が0以下である場合には(ステップS21:NO)、回転角演算装置20は、第1の出力信号V1が0より小さいか否かを判別する(ステップS22)。第1の出力信号V1が0より小さい場合には(ステップS22:YES)、第1の磁気センサ21が感知している磁極(基準磁極)がS極の磁極であると判別し、第1の相対的極番号r1を2に設定する(ステップS25)。そして、ステップS26に進む。
前記ステップS22において、第1の出力信号V1が0以上であると判別された場合には(ステップS22:NO)、つまり、第1の出力信号V1が0である場合には、回転角演算装置20は、ロータ回転角(電気角)が0°であるか180°であるかを判別するために、第2の出力信号V2が0より大きいか否かを判別する(ステップS23)。第2の出力信号V2が0より大きい場合には(ステップS23:YES)、回転角演算装置20は、ロータ回転角(電気角)が0°であると判別し、第1の相対的極番号r1を1に設定する(ステップS24)。そして、ステップS26に進む。
一方、第2の出力信号V2が0以下である場合には(ステップS23:NO)、回転角演算装置20は、ロータ回転角(電気角)が180°であると判別し、第1の相対的極番号r1を2に設定する(ステップS25)。そして、ステップS26に進む。
ステップS26では、回転角演算装置20は、「V1>0かつV2≦0」または「V1<0かつV2≧0」の条件を満たしているか否かを判別する。この条件を満たしている場合には(ステップS26:YES)、回転角演算装置20は、第2の磁気センサ22が感知している磁極の極番号は、第1の磁気センサ21が感知している磁極の極番号より1だけ大きい番号であると判別し、第2の相対的極番号r2に、第1の相対的極番号r1より1だけ大きい番号(r2=r1+1)を設定する(ステップS27)。そして、図4のステップS16に移行する。
一方、前記ステップS26の条件を満たしていない場合には(ステップS26:NO)、回転角演算装置20は、第2の磁気センサ22が感知している磁極の極番号は、第1の磁気センサ21が感知している磁極の極番号と同じであると判別し、第2の相対的極番号r2に第1の相対的極番号r1と同じ番号(r2=r1)を設定する(ステップS28)。そして、図4のステップS16に移行する。
前記ステップS26の条件を満たしている場合に、第2の相対的極番号r2に第1の相対的極番号r1より1だけ大きい番号(r2=r1+1)を設定し、前記ステップS26の条件を満たしていない場合に、第2の相対的極番号r2に第1の相対的極番号r1と同じ番号(r2=r1)を設定している理由について説明する。
たとえば、ロータ1における磁極M1と磁極M2とからなる磁極対が第1の磁気センサ21を通過する際の、第1および第2の磁気センサ21,22の出力信号V1,V2の信号波形を模式的に表すと、図7(a)(b)に示すようになる。
図7(a)(b)において、S1で示す領域は、第1の磁気センサ21が磁極M1を感知し、第2の磁気センサ22が磁極M1を感知している領域である。S2で示す領域は、第1の磁気センサ21が磁極M1を感知し、第2の磁気センサ22が磁極M2を感知している領域である。S3で示す領域は、第1の磁気センサ21が磁極M2を感知し、第2の磁気センサ22が磁極M2を感知している領域である。S4で示す領域は、第1の磁気センサ21が磁極M2を感知し、第2の磁気センサ22が磁極M3を感知している領域である。
つまり、領域S1およびS3では、第2の磁気センサ22が感知している磁極の極番号は、第1の磁気センサ21が感知している磁極の極番号と同じ番号となる。一方、領域S2およびS4では、第2の磁気センサ22が感知している磁極の極番号は、第1の磁気センサ21が感知している磁極の極番号より1だけ大きくなる。
領域S1においては、両センサ値V1,V2は、V1≧0かつV2>0の第1条件を満たす。領域S2においては、両センサ値V1,V2は、V1>0かつV2≦0の第2条件を満たす。領域S3においては、両センサ値V1,V2は、V1≦0かつV2<0の第3条件を満たす。領域S4においては、両センサ値V1,V2は、V1<0かつV2≧0の第4条件を満たす。
そこで、回転角演算装置20は、前記第2条件(V1>0かつV2≦0)または前記第4条件(V1<0かつV2≧0)を満たしている場合には、第2の磁気センサ22が感知している磁極の極番号は、第1の磁気センサ21が感知している磁極の極番号より1だけ大きくなると判別し、前記第2条件または前記第4条件を満たしていない場合には、第2の磁気センサ22が感知している磁極の極番号は、第1の磁気センサ21が感知している磁極の極番号と同じになると判別している。
図4に戻り、前記ステップS2において、今回の処理が回転角演算処理開始後の初回の処理ではないと判別された場合には(ステップS2:NO)、ステップS4に移行する。
ステップS4では、回転角演算装置20は、メモリに記憶されているセンサ値V1,V2に基づいて、センサ値V1,V2毎に、センサ値の符号が反転するゼロクロスを検出したか否かを判別する。ゼロクロスが検出されなかったときには(ステップS4:NO)、回転角演算装置20は、ステップS5に移行する。
前記ステップS4において、いずれかのセンサ値V1,V2に対してゼロクロスが検出された場合には(ステップS4:YES)、回転角演算装置20は、ゼロクロスが検出された出力信号のピーク値(極大値または極小値)を検出するためのピーク値検出処理を行なう(ステップS6)。
ピーク値検出処理について具体的に説明する。前記ステップS4でゼロクロスが検出された出力信号に対応する磁気センサをピーク値検出対象の磁気センサということにする。回転角演算装置20は、まず、ピーク値検出対象の磁気センサが感知している磁極が変化したか否かを判別する。つまり、回転角演算装置20は、ピーク値検出対象の磁気センサが感知している磁極位置が、当該磁気センサの出力信号のゼロクロスが前回検出された時点と、今回検出された時点とで、異なっているか同じであるかを判定する。ロータ1の回転方向が逆転した場合には、前記両時点での磁極位置が同じになる可能性がある。
この判定は、たとえば、当該磁気センサの出力信号のゼロクロスが前回検出されたときのロータ1の回転方向と、現在のロータ1の回転方向が同じ方向であるか否かに基づいて行うことができる。すなわち、回転角演算装置20は、ロータ1の回転方向が同じ方向であれば、ピーク値検出対象の磁気センサが感知している磁極が変化したと判定する。一方、ロータ1の回転方向が異なっていれば、回転角演算装置20は、ピーク値検出対象の磁気センサが感知している磁極が変化していないと判定する。
ピーク値検出対象の磁気センサが感知している磁極が変化したと判定された場合には、回転角演算装置20は、ピーク値を検出したと判別するとともに、当該磁気センサに対応するピーク値候補をピーク検出値として特定する。一方、当該磁気センサが感知している磁極が変化していないと判定された場合には、回転角演算装置20は、ピーク値を検出しなかったと判定する。
なお、ロータ1の回転方向は、ゼロクロスが検出された出力信号の前回値および今回値と、他の1つの出力信号の今回値とに基づいて判定することができる。具体的には、ゼロクロスが検出された出力信号が第1の出力信号V1である場合には、「第1の出力信号V1の前回値が0より大きくかつその今回値が0以下であり、第2の出力信号V2が0より小さい」という条件、または「第1の出力信号V1の前回値が0未満でかつその今回値が0以上であり、第2の出力信号V2が0より大きい」という条件を満たしている場合には、回転方向は正方向(図2に矢印で示す方向)であると判定される。
一方、「第1の出力信号V1の前回値が0以上でかつその今回値が0未満であり、第2の出力信号V2が0より大きい」という条件、または「第1の出力信号V1の前回値が0以下でかつその今回値が0より大きく、第2の出力信号V2が0より小さい」という条件を満たしている場合には、回転方向は逆方向であると判定される。
ゼロクロスが検出された出力信号が第2の出力信号V2である場合には、「第2の出力信号V2の前回値が0より大きくかつその今回値が0以下であり、第1の出力信号V1が0より大きい」という条件、または「第2の出力信号V2の前回値が0未満でかつその今回値が0以上であり、第1の出力信号V1が0より小さい」という条件を満たしている場合には、回転方向は正方向(図2に矢印で示す方向)であると判定される。一方、「第2の出力信号V2の前回値が0以上でかつその今回値が0未満であり、第1の出力信号V1が0より小さい」という条件、または「第2の出力信号V2の前回値が0以下でかつその今回値が0より大きく、第1の出力信号V1が0より大きい」という条件を満たしている場合には、回転方向は逆方向であると判定される。
前記ステップS6において、ピーク値が検出されたときには(ステップS7:YES)、回転角演算装置20は、前記ステップS4でゼロクロスが検出された出力信号に対応するピーク値候補を零にリセットした後、ピーク値更新処理を行なう(ステップS8)。
ピーク値更新処理では、回転角演算装置20は、メモリ内のピーク値記憶領域R1,R2図5参照)内のピーク検出値のうち、前記ステップS6でピーク値が検出された磁気センサに対して現在設定されている相対的極番号r1またはr2に対応するピーク検出値を、前記ステップS6で検出されたピーク検出値に更新する。ピーク値更新処理を終了すると、回転角演算装置20は、ステップS9に移行する。
前記ステップS6でピーク値が検出されなかった場合には(ステップS7:NO)、回転角演算装置20は、前記ステップS4でゼロクロスが検出された出力信号に対応するピーク値候補を零にリセットした後、ピーク値更新処理を行なうことなく、ステップS9に移行する。
ステップS9では、回転角演算装置20は、相対的極番号の更新処理を行なう。具体的には、前記ステップS4でゼロクロスが検出された磁気センサに対して現在設定されている相対的極番号r1またはr2を、ロータ1の回転方向に応じて、1だけ大きい番号または1だけ小さい番号に変更する。
ロータ1の回転方向が正方向(図2に矢印で示す方向)である場合には、回転角演算装置20は、前記ステップS4でゼロクロスが検出された磁気センサに対して現在設定されている相対的極番号r1またはr2を、1だけ大きい番号に更新する。一方、ロータ1の回転方向が逆方向である場合には、回転角演算装置20は、ゼロクロスが検出された磁気センサに対して現在設定されている相対的極番号r1またはr2を、1だけ小さい番号に更新する。ただし、前述したように、”1”の相対的極番号に対して、1だけ小さい相対的極番号は、”10”となる。また、”10”の相対的極番号に対して、1だけ大きい相対的極番号は、”1”となる。
前記ステップS9の相対的極番号の更新処理が終了すると、回転角演算装置20は、回転角演算処理開始後に、全ての磁極M1〜M10に対する第1および第2の出力信号V1,V2のピーク値が検出されているか否かを判別する(ステップS10)。つまり、回転角演算装置20は、回転角演算処理開始後に、第1の相対的極番号r1の1〜10にそれぞれ対応する第1の出力信号V1のピーク値と、第2の相対的極番号r2の1〜10にそれぞれに対応する第2の出力信号V2のピーク値とが検出されているか否かを判別する。
全ての磁極M1〜M10に対する第1および第2の出力信号V1,V2のピーク値が検出されていない場合には(ステップS10:NO)、回転角演算装置20は、ステップS16に移行する。一方、全ての磁極M1〜M10に対する第1および第2の出力信号V1,V2のピーク値が検出されている場合には(ステップS10:YES)、回転角演算装置20は、フラグFをセット(F=1)した後に(ステップS11)、ステップS12に移行する。フラグFは回転角演算処理開始時にリセット(F=0)されている。
ステップS12では、回転角演算装置20は、振幅補正値監視処理を行なう。振幅補正値監視処理について説明する。後述するステップS14の振幅補正処理では、第1の磁気センサ21が現在感知している磁極に対応する第1の出力信号V1のピーク検出値を振幅補正値として、第1の出力信号V1の振幅が補正されるとともに、第2の磁気センサ22が現在感知している磁極に対応する第2の出力信号V2のピーク検出値を振幅補正値として、第2の出力信号V2の振幅が補正される。
そこで、振幅補正値監視処理においては、回転角演算装置20は、第1の磁気センサ21が現在感知している磁極に対応する第1の出力信号V1のピーク検出値(以下、「第1の判定対象のピーク検出値」という)および第2の磁気センサ22が現在感知している磁極に対応する第2の出力信号V2のピーク検出値(以下、「第2の判定対象のピーク検出値」という)が正常であるか異常であるかを判定する。なお、第1の判定対象のピーク検出値と第2の判定対象のピーク検出値とを総称する場合には、「判定対象のピーク検出値」という場合がある。
まず、第1の判定対象のピーク検出値が正常であるか否かを判定する方法について説明する。
図5の第1のピーク値記憶領域R1において、第1の相対的極番号r1の1〜10に対して記憶されている第1の出力信号V1のピーク検出値を、a〜a10で表すことにする。また、第2のピーク値記憶領域R2において、第2の相対的極番号r2の1〜10に対して記憶されている第2の出力信号V2のピーク検出値を、b〜b10で表すことにする。
第1の出力信号V1のピーク検出値a〜a10を、第1の相対的極番号r1の値を表す変数kを用いて、a(k=1,2,…,10)で表す場合がある。同様に、第2の出力信号V2のピーク検出値b〜b10を、第2の相対的極番号r2の値を表す変数kを用いて、b(k=1,2,…,10)で表す場合がある。各出力信号V1,V2のピーク値a,b間において、相対的番号の値kが同じ各出力信号V1,V2のピーク検出値は、同じ磁極に対するピーク値を示している。また、同じ磁極に対する両出力信号V1,V1のピーク検出値a,bの比(a/b)を、ピーク値比という場合がある。
第1の判定対象のピーク検出値は、第1の磁気センサ21が現在感知している磁極の相対的極番号(現在設定されている第1の相対的極番号r1)をn(nは1から10のいずれかの値をとる)とすると、aで表される。また、当該磁極に対応する第2の出力信号V2のピーク検出値はbで表される。
この場合、回転角演算装置20は、次式(1a)で表される第1条件と次式(1b)で表される第2条件との両方の条件を満たしているか否かを判別する。そして、第1条件および第2条件の両方の条件を満たしている場合には、回転角演算装置20は、第1の判定対象のピーク検出値は正常であると判定する。一方、第1条件および第2条件のうちの少なくとも一方を満たしていない場合には、回転角演算装置20は、第1の判定対象のピーク検出値は異常であると判定する。
Figure 0005892359
前記式(1a)および前記式(1b)の左辺の(a/b)は、第1の磁気センサ21が現在感知している磁極に対応するピーク値比を表している。
また、前記式(1a)および前記式(1b)の右辺における[{(Σ(a/b))−a/b}/9]は、磁石2に設けられた全ての磁極M1〜M10のうち、第1の磁気センサ21が現在感知している磁極以外の磁極に対応するピーク値比の平均値を表している。また、前記式(1a)および前記式(1b)の右辺における”0.04”はマージンを表している。マージンは、0.04以外の値であってもよい。
したがって、第1条件は、「第1の磁気センサ21が現在感知している磁極に対応するピーク値比(a/b)が、第1の磁気センサ21が現在感知している磁極以外の磁極に対応するピーク値比の平均値に0.96を乗算した値以上であること」である。
また、第2条件は、「第1の磁気センサ21が現在感知している磁極に対応するピーク値比(a/b)が、第1の磁気センサ21が現在感知している磁極以外の磁極に対応するピーク値比の平均値に1.04を乗算した値以下であること」である。
つまり、回転角演算装置20は、ロータ1の直近の1周分における各磁極それぞれのピーク値比のうち、第1の判定対象のピーク検出値を含む1つの磁極に対応するピーク値比(a/b)を、他の磁極に対応するピーク値比の平均値[{(Σ(ak/bk))−a/b}/9]と比較することによって、第1の判定対象のピーク検出値が正常であるか否かを判定する。
第2の判定対象のピーク検出値が正常であるか否かを判定する場合には、前記式(1a)および前記式(1b)におけるnを、第2の磁気センサ22が現在感知している磁極の相対的極番号(現在設定されている第2の相対的極番号r2)に置き換えればよい。
このように、判定対象のピーク検出値が正常であるか否かを2つの出力信号V1,V2のピーク値比に基づいて行っているので、各磁気センサ21,22の特性のばらつき、各磁気センサ21,22に対応する増幅回路の特性のばらつき、各磁気センサ21,22と磁石2との間のギャップのばらつき、ロータ1の回転中心軸線と各磁気センサ21,22との距離のばらつき等に起因して両出力信号V1,V2のピーク検出値間にばらつきがあったり、周辺温度によって各出力信号V1,V2が変動したりする場合でも、正確な判定を行うことができる。
また、各磁気センサが現在感知している磁極に対応するピーク値比を、当該磁極以外の磁極に対応するピーク値比の平均値と比較することにより、判定対象のピーク検出値が正常であるか否かを判定しているので、各磁極の着磁にばらつきがあったとしても、正確な判定を行うことができる。このため、判定対象のピーク検出値が正常であるか否かを高精度に判定することができる。
振幅補正値監視処理において、第1の判定対象のピーク検出値および第2の判定対象のピーク検出値の両方が正常であると判別された場合には(ステップS13:YES)、回転角演算装置20は、振幅補正処理を行う(ステップS14)。つまり、回転角演算装置20は、第1の磁気センサ21が感知している磁極に対応する第1の出力信号V1のピーク検出値(第1の判定対象のピーク検出値)と、第2の磁気センサ22が感知している磁極に対応する第2の出力信号V2のピーク検出値(第2の判定対象のピーク検出値)と、予め設定されている基準振幅Aとに基づいて、各出力信号V1,V2の振幅を補正する。
具体的には、第1の判定対象のピーク検出値をar1とし、第2の判定対象のピーク検出値をbr2とし、第1および第2の出力信号V1,V2の振幅補正後の信号をそれぞれV1’,V2’とすると、補正後の第1および第2の出力信号V1’,V2’は、それぞれ次式(2)(3)に基づいて演算される。
V1’=(V1/ar1)×A …(2)
V2’=(V2/br2)×A …(3)
振幅補正処理が終了すると、回転角演算装置20は、ステップS15に移行する。ステップS15では、回転角演算装置20は、振幅補正後の出力信号V1’,V2’に基づいてロータ1の回転角(電気角θe)を演算する。具体的には、次式(4)に基づいて、ロータ1の電気角θeを演算する。
θe=tan−1(V1’/V2’) …(4)
前記ステップS15で電気角θeが演算されると、回転角演算装置20は、当該電気角θeをモータコントローラ30に与える。そして、今演算周期での処理を終了する。
前記ステップS5では、回転角演算装置20は、フラグFがセットされているか否かを判別する。フラグFがセットされていない場合には(ステップS5:NO)、回転角演算装置20は、ステップS16に移行する。一方、フラグFがセットされている場合には(ステップS5:YES)、各磁気センサ21,22が現在感知している磁極に対応するピーク検出値(判定対象のピーク検出値)は既に正常であると判定されているので、回転角演算装置20は、ステップS14に移行する。
ステップS16では、回転角演算装置20は、前記ステップS1で読み込まれたセンサ値V1,V2に基づいて、電気角θeを演算する。具体的には、次式(5)に基づいて、ロータ1の電気角θeを演算する。
θe=tan−1(V1/V2) …(5)
前記ステップS16で電気角θeが演算されると、回転角演算装置20は、当該電気角θeをモータコントローラ30に与える。そして、今演算周期での処理を終了する。
前記ステップS12の振幅補正値監視処理において、第1の判定対象のピーク検出値および第2の判定対象のピーク検出値の少なくとも一方が異常であると判定された場合には(ステップS13:NO)、回転角演算装置20は、異常処理を行なう(ステップS17)。具体的には、回転角演算装置20は、回転角演算処理を停止するとともに、モータコントローラ30にモータ停止指令を出力する。これにより、モータ10が停止される。
前記実施形態によれば、回転角演算装置20は、回転角演算処理後に、ロータ1が1回転した後においては、回転角演算装置20によって検出されたピーク検出値を用いて、各出力信号V1,V2の振幅を補正することができる。これにより、ロータ1の回転角(電気角)θeを高精度で演算することができる。
また、振幅補正に使用される可能性があるピーク検出値が正常であるか否かを、磁気センサ21,22の特性のばらつき、増幅回路の特性のばらつき、各磁気センサ21,22と磁石2とのギャップのばらつき、ロータ1の回転中心軸線と各磁気センサ21,22との距離のばらつき、各磁極の着磁にばらつき、周辺温度の変化等にかかわらず、正確に判定することができる。この結果、振幅補正後の出力信号の信頼性が向上する。
以上、この発明の実施形態について説明したが、この発明はさらに他の形態で実施することもできる。たとえば、前述の実施形態では、2つの磁気センサ21,22からは、互いに位相差が90°の正弦波信号が出力されているが、位相差が90°以外の角度(たとえば、120°)となるように、2つの磁気センサを配置してもよい。また、磁気センサを3つ以上設けてもよい。
また、前記実施形態では、回転角演算装置20は、ロータ1の直近の1周分における各磁極それぞれのピーク値比のうち、判定対象のピーク検出値を含む1つの磁極に対応するピーク値比を、他の磁極に対応するピーク値比の平均値と比較することによって、判定対象のピーク検出値が正常であるか否かを判定しているが、判定対象のピーク検出値を含む1つの磁極に対応するピーク値比と比較する対象は、前記他の磁極に対応するピーク値比の平均値でなくてもよい。判定対象のピーク検出値を含む1つの磁極に対応するピーク値比と比較する対象は、たとえば、予め設定された設定値であってもよい。
また、各磁極に対応するピーク値比の中に、互いにピーク値比が極端に異なる2以上のピーク値比が存在する場合に、判定対象のピーク検出値が異常であると判定するようにしてもよい。このようなことは、たとえば、一方の磁気センサが故障した場合等に発生する。
また、異常と判定された場合には、異常であるセンサ信号を特定し、正常なセンサ信号をもとに回転角を演算(推定)し、モータ駆動を継続してもよい。
また、前記実施形態では、図2のステップS10において全ての磁極に対するピーク値が検出されていると判定されたときにフラグFをセットしているが、それに代えて、ステップS12の振幅補正値監視処理において、第1の判定対象のピーク検出値および第2の判定対象のピーク検出値の両方が正常であると判別された場合に(ステップS13:YES)に、フラグFをセットするようにしてもよい。
この発明は、ブラシレスモータのロータ以外の回転体の回転角を検出する場合にも、適用することができる。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
1…検出用ロータ、2…磁石、21,22…磁気センサ、10…ブラシレスモータ、20…回転角演算装置、M1〜M10…磁極

Claims (2)

  1. 回転体の回転角を検出する回転角検出装置であって、
    前記回転体の回転に応じて回転し、複数の磁極を備えている多極磁石と、
    前記多極磁石の回転に応じて、互いに位相差を有する正弦波信号を出力する複数の磁気センサと、
    前記各磁気センサの出力信号のピーク値を検出するピーク値検出手段と、
    前記ピーク値検出手段によって検出された前記各磁気センサの出力信号のピーク検出値を当該磁気センサの振幅補正値として用いて、前記各磁気センサの出力信号の振幅を補正する振幅補正手段と、
    前記振幅補正手段によって振幅補正が行われた出力信号に基づいて、前記回転体の回転角を演算する回転角演算手段と、
    前記ピーク検出値が正常であるか否かを判定する振幅補正値監視手段とを含み、
    前記複数の磁気センサに含まれる2つの磁気センサの一方の磁気センサの出力信号を第1の出力信号とし、他方の磁気センサの出力信号を第2の出力信号とし、同じ磁極に対する前記第1の出力信号のピーク検出値と前記第2の出力信号のピーク検出値との比をピーク値比とし、前記一方の磁気センサが現在感知している磁極に対応する前記第1の出力信号のピーク検出値を第1の判定対象のピーク検出値とし、前記他方の磁気センサが現在感知している磁極に対応する前記第2の出力信号のピーク検出値を第2の判定対象のピーク検出値とすると、前記振幅補正値監視手段は、全ての磁極に対応するピーク値比のうちの少なくとも前記一方の磁気センサが現在感知している磁極に対応するピーク値比に基づいて、前記第1の判定対象のピーク検出値が正常であるか否かを判定するとともに、全ての磁極に対応するピーク値比のうちの少なくとも前記他方の磁気センサが現在感知している磁極に対応するピーク値比に基づいて、前記第2の判定対象のピーク検出値が正常であるか否かを判定するように構成されている、回転角検出装置。
  2. 前記振幅補正値監視手段は、前記回転体の1周分における各磁極それぞれの最新のピーク値比のうち、前記一方の磁気センサが現在感知している磁極に対応するピーク値比を、他の磁極に対応するピーク値比の平均値と比較することによって、前記第1の判定対象であるピーク検出値が正常であるか否かを判定するとともに、前記他方の磁気センサが現在感知している磁極に対応するピーク値比を、他の磁極に対応するピーク値比の平均値と比較することによって、前記第2の判定対象であるピーク検出値が正常であるか否かを判定するように構成されている、請求項1に記載の回転角検出装置。
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