JP5708986B2 - 回転角検出装置 - Google Patents

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Description

この発明は、ブラシレスモータのロータ等の回転体の回転角を検出する回転角検出装置に関する。
電動パワーステアリング装置などに使用されるブラシレスモータを制御するためには、ロータの回転角度に合わせてステータ巻線に電流を通電する必要がある。そこで、ブラシレスモータの回転に応じて回転する検出用ロータを用いて、ブラシレスモータのロータの回転角を検出する回転角検出装置が知られている。具体的には、図9に示すように、検出用ロータ101(以下、「ロータ101」という)は、ブラシレスモータのロータに設けられている磁極対に相当する複数の磁極対を有する円筒状の磁石102を備えている。ロータ101の周囲には、2つの磁気センサ121,122が、ロータ101の回転中心軸を中心として所定の角度間隔をおいて配置されている。各磁気センサ121,122からは、所定の位相差を有する正弦波信号が出力される。これらの2つの正弦波信号に基づいて、ロータ101の回転角(ブラシレスモータのロータの回転角)が検出される。
この例では、磁石102は、5組の磁極対を有している。つまり、磁石102は、等角度間隔で配置された10個の磁極を有している。各磁極は、ロータ101の回転中心軸を中心として、36°(電気角では180°)の角度間隔で配置されている。また、2つの磁気センサ121,122は、ロータ101の回転中心軸を中心として18°(電気角では90°)の角度間隔をおいて配置されている。
図9に矢印で示す方向を検出用ロータ101の正方向の回転方向とする。そして、ロータ101が正方向に回転されるとロータ101の回転角が大きくなり、ロータ101が逆方向に回転されると、ロータ101の回転角が小さくなるものとする。各磁気センサ121,122からは、図10に示すように、ロータ101が1磁極対分に相当する角度(72°(電気角では360°))を回転する期間を一周期とする正弦波信号V1,V2が出力される。
ロータ101の1回転分の角度範囲を、5つの磁極対に対応して5つの区間に分け、各区間の開始位置を0°とし終了位置を360°として表したロータ101の角度を、ロータ101の電気角θeということにする。この場合には、10個の磁極の角度幅は等しいので、ロータ101の電気角θeは、ブラシレスモータのロータの電気角と一致する。
ここでは、第1の磁気センサ121からは、V1=A1・sinθeの出力信号が出力され、第2の磁気センサ122からは、V2=A2・cosθeの出力信号が出力されるものとする。A1,A2は、振幅である。両出力信号V1,V2の振幅A1,A2が互いに等しいとみなすと、ロータ101の電気角θeは、両出力信号V1,V2を用いて、次式(1)に基づいて求めることができる。
θe=tan−1(sinθe/cosθe)
=tan−1(V1/V2) …(1)
このようにして、求められた相対角θeを使って、ブラシレスモータを制御する。
特開2004-325140号公報
前述したような従来の回転角検出装置をブラシレスモータのロータの回転角を検出するために用いる場合には、ブラシレスモータの制御に用いられる電気角を高精度に検出するために、検出用ロータ101の磁極数とブラシレスモータの磁極数とを等しくすることが好ましい。しかしながら、検出ロータ101に着磁すべき磁極数が多くなると、着磁誤差が発生しやすくなる。そうすると、各磁極の磁束量のばらつきや各磁気センサの温度特性により、各磁気センサ121,122の出力信号の振幅やオフセット電圧が変動する。このため、回転角演算装置によって検出される回転角に誤差が生じる。なお、オフセット電圧とは、磁束量が零のときの電圧である。
そこで、各磁気センサ121,122の出力信号の振幅やオフセット電圧を検出し、検出した振幅やオフセット電圧に基づいて、各磁気センサ121,122の出力信号を補正してから、電気角θeを演算することが考えられる。しかしながら、磁気センサ121,122が組み付けられてしまうと、磁束量が零の状態を判別できないため、オフセット電圧を検出することができない。このため、各磁気センサ121,122の出力信号の振幅やオフセット電圧のばらつきを補正することができない。
この発明の目的は、オフセット電圧を高精度に検出することができ、回転体の回転角の検出誤差を低減することができる回転角検出装置を提供することである。
上記の目的を達成するための請求項1記載の発明は、回転体(10)の回転に応じて回転しかつ周方向に複数の磁極(M0〜M9)が設けられた検出用ロータ(1)と、前記検出用ロータの回転に応じて、所定の位相差を有する複数の正弦波信号(V1,V2)をそれぞれ出力する複数の磁気センサ(21,22)とを含み、これらの磁気センサの出力信号に基づいて前記回転体の回転角を検出する回転角検出装置であって、前記磁気センサ毎に、その出力信号の前記磁極毎のピーク値を検出するピーク値検出手段(20,S5)と、前記ピーク値検出手段によって前記磁気センサ毎に検出される前記磁極毎のピーク値と、前記各磁極の角度幅と、前記検出用ロータに設けられた磁極数とに基づいて、前記磁気センサ毎にオフセット電圧を演算するオフセット電圧演算手段(50,S11)と、前記ピーク値検出手段によって前記磁気センサ毎に検出される前記磁極毎のピーク値と、前記オフセット電圧演算手段によって演算される前記磁気センサ毎のオフセット電圧とに基づいて、前記各磁気センサの出力信号を補正する信号補正手段(50,S11)と、前記信号補正手段によって補正された前記各磁気センサの出力信号に基づいて、前記回転体の回転角を演算する回転角演算手段(50,S12)と、を含む回転角検出装置である。なお、括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素等を表すが、むろん、この発明の範囲は当該実施形態に限定されない。以下、この項において同じ。
上記構成では、磁気センサ毎に、その出力信号の磁極毎のピーク値が検出される。磁気センサ毎に検出される磁極毎のピーク値と、各磁極の角度幅と、検出用ロータに設けられた磁極数とに基づいて、磁気センサ毎にオフセット電圧が演算される。これにより、各磁気センサの出力信号のオフセット電圧を正確に求めることができる。
磁気センサ毎に検出される磁極毎のピーク値と、磁気センサ毎のオフセット電圧とに基づいて、各磁気センサの出力信号が補正される。これにより、各磁極の磁束量のばらつきや各磁気センサの温度特性に起因する、各磁気センサの出力信号の振幅およびオフセット電圧のばらつきを補正することができる。そして、補正された各磁気センサの出力信号に基づいて、回転体の回転角が演算される。これにより、回転体の回転角の検出誤差を低減することができる。
前記オフセット電圧演算手段は、オフセット電圧の演算対象である磁気センサを演算対象センサとし、前記各磁極のうちのN極の各磁極に対応する前記演算対象センサの出力信号のピーク値の総和をΣP、前記各磁極のうちのS極の各磁極に対応する前記演算対象センサの出力信号のピーク値の総和をΣP、前記各磁極の角度幅の総和をΣW、前記各磁極のうちのN極の各磁極の角度幅の総和をΣW、前記各磁極のうちのS極の各磁極の角度幅の総和をΣW、前記各磁極の総数をKとすると、次式(a)に基づいて、前記演算対象センサの出力信号のオフセット電圧Vosを演算するように構成されていてもよい。
Vos=[{ΣP×((ΣW/2)/ΣW)÷(K/2)}
+{ΣP×((ΣW/2)/ΣW)÷(K/2)}]/2 …(a)
前記信号補正手段は、前記演算対象センサが感知している磁極のピーク値をPxとし、前記演算対象センサの出力信号値をVとし、予め設定された基準振幅をAoとすると、次式(b)に基づいて、前記演算対象センサの出力信号の補正値V’を演算するように構成されていてもよい。
V’={(V−Vos)/Px}×Ao …(b)
この発明の一実施形態に係る回転角検出装置を、ブラシレスモータのロータの回転角を検出するための回転角検出装置に適用した場合の構成を示す模式図である。 検出用ロータの構成を示す模式図である。 第1の磁気センサの出力信号波形および第2の磁気センサの出力信号波形を示す模式図である。 図4は、不揮発性メモリに記憶されたピーク値テーブルの内容を示す模式図であある。 回転角演算装置による回転角演算処理の手順を示すフローチャートである。 メモリ内の第1のピーク値記憶領域および第2のピーク値記憶領域を示す模式図である。 相対的極番号の設定処理の詳細な手順を示すフローチャートである。 相対的極番号の設定処理を説明するための模式図である。 従来の回転角検出装置による回転角検出方法を説明するための模式図である。 第1の磁気センサの出力信号波形および第2の磁気センサの出力信号波形を示す模式図である。
以下では、この発明を、ブラシレスモータのロータの回転角を検出するための回転角検出装置に適用した場合の実施形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係る回転角検出装置を、ブラシレスモータのロータの回転角を検出するための回転角検出装置に適用した場合の構成を示す模式図である。
この回転角検出装置は、ブラシレスモータ10の回転に応じて回転する検出用ロータ(以下、単に「ロータ1」という)を有している。図2に示すように、ロータ1は、ブラシレスモータ10のロータに設けられている磁極対に相当する複数の磁極対を有する円筒状の磁石2を含んでいる。つまり、ロータ1には、周方向に並んだ複数の磁極が設けられている。この例では、磁石2は、5組の磁極対(M0,M1),(M2,M3),(M4,M5),(M6,M7),(M8,M9)を有している。つまり、磁石2は、10個の磁極M0〜M9を有している。
ブラシレスモータ10のロータに設けられた各磁極の周方向の長さは、全て同じである。つまり、ブラシレスモータ10のロータに設けられた各磁極の角度幅は全て同じであり、36°である。したがって、このブラシレスモータ10では、1磁極対の角度幅は、機械角で72°であり、これが電気角の360°に相当する。
これに対し、図2に示すように、ロータ1に設けられている各磁極M0〜M9の角度幅には、ばらつきがある。この実施形態では、ロータ1に設けられている各磁極M0〜M9のうち、N極の磁極M0,M2,M4,M6,M8の角度幅(a,c,e,g,i)は、それぞれ異なっている。つまり、N極の磁極間では、その着磁面積が異なっている。S極の磁極M1,M3,M5,M7,M9のうち、磁極M9以外の4つの磁極M1,M3,M5,M7は、それぞれ異なっている。磁極M9の角度幅(j)は、磁極M7の角度幅(f)と等しい。
この実施形態においては、各磁極M0〜M9の角度幅は、表1に示すようになっている。ただし、表1では、角度幅は、その角度幅に対応する機械角に磁極対数(この実施形態では”5”)を乗算した値で表されている。なお、図2において、破線は、ロータ1を周方向に36°(電気角では180°)間隔で分割した場合の各領域を示している。
Figure 0005708986
磁石2の各磁極M0〜M9の角度幅は、たとえば、次のようにして求めることができる。磁石2を単体で回転させながら、磁束測定器で回転角毎に磁束量を測定する。そして、磁束量が零の角度間隔(電気角)を演算する。これにより、各磁極M0〜M9の角度幅が求められる。
ロータ1の周囲には、2つの磁気センサ21,22が、ロータ1の回転中心軸を中心として、所定角度(18°(電気角では90°))の角度間隔をおいて配置されている。これら2つの磁気センサ21,22を、それぞれ第1の磁気センサ21および第2の磁気センサ22という場合がある。磁気センサとしては、たとえば、ホール素子、磁気抵抗素子(MR素子)等、磁界の作用により電気的特性が変化する特性を有する素子を備えたものを用いることができる。
図2に矢印で示す方向をロータ1の正方向の回転方向とする。そして、ロータ1が正方向に回転されるとロータ1の回転角が大きくなり、ロータ1が逆方向に回転されると、ロータ1の回転角が小さくなるものとする。各磁気センサ21,22からは、図3に示すように、ロータ1の回転にともなって、正弦波状の信号(以下、「正弦波信号」という)V1,V2が出力される。なお、図3における横軸のロータ角度[deg]は、機械角に磁極対数(この実施形態では”5”)を乗算することにより得られた角度を表している。また、図3には、正弦波信号V1における各磁極M0〜M9のピーク値が、P0〜P9で示されている。
ロータ1が1つの磁極に相当する角度を回転すると、各磁気センサ21,22からは、半周期分の正弦波信号が出力される。ただし、この実施形態では、各磁極の角度幅は一定幅ではないため、1つの磁気センサから出力される正弦波信号における各磁極に対応する半周期は一定ではない。また、磁極M7および磁極M9を除いて、各磁気センサ21,22の出力信号V1,V2の磁極毎のピーク値は、磁極ごとに異なる。第1の磁気センサ21の出力信号V1を第1の出力信号V1といい、第2の磁気センサ22の出力信号V2を第2の出力信号V2という場合がある。
ロータ1の1回転分の角度範囲を、5つの磁極対の角度幅に対応して、5つの区間(a+b,c+d,e+f,g+h,i+j)に分け、各区間の開始位置を0°とし終了位置を360°として表したロータ1の角度を、ロータ1の電気角θeということにする。なお、この実施形態では、これらの5つの区間の角度幅は一定幅ではないが、ロータ1の電気角θeをブラシレスモータの電気角とみなすことにする。
ここでは、第1の磁気センサ21からは、5つの磁極対に対応する区間毎に、V1=A1・sinθeの出力信号が出力され、第2の磁気センサ22からは、5つの磁極対に対応する区間毎に、V2=A2・cosθeの出力信号が出力されるものとする。A1,A2は、それぞれ振幅を表している。ただし、振幅A1は、磁極毎に異なる。同様に、振幅A2も磁極ごとに異なる。また、θeは、対応する区間における電気角θeを表している。
両出力信号V1,V2の振幅A1,A2が互いに等しいとみなすと、対応する区間におけるロータ1の電気角θeは、両出力信号V1,V2を用いて、次式(2)に基づいて求めることができる。
θe=tan−1(sinθe/cosθe)
=tan−1(V1/V2) …(2)
図1に戻り、各磁気センサ21,22の出力信号V1,V2は、回転角演算装置20に入力される。回転角演算装置20は、磁気センサ21,22毎に、その出力信号V1,V2の磁極M0〜M9毎のピーク値を検出する。そして、回転角演算装置20は、磁気センサ21,22毎に得られた各磁極M0〜M9のピーク値、各磁極M0〜M9の角度幅およびロータ1に設けられている磁極数に基づいて、各磁気センサ21,22の出力信号V1,V2のオフセット電圧V1os,V2osを演算する。回転角演算装置20は、演算されたオフセット電圧V1os,V2osおよび磁気センサ21,22毎に得られた各磁極M0〜M9のピーク値に基づいて、各出力信号V1,V2の振幅およびオフセット電圧のばらつきを補正する。回転角演算装置20は、補正後の出力信号V1’,V2’に基づいて、ロータ1の電気角θeを演算する。回転角演算装置20は、たとえば、マイクロコンピュータから構成され、CPU(中央演算処理装置)およびメモリ(ROM,RAM,書き換え可能な不揮発性メモリ等)を含んでいる。
回転角演算装置20によって演算された電気角θeは、ブラシレスモータの電気角として、モータコントローラ30に与えられる。モータコントローラ30は、回転角演算装置20から与えられた電気角θeと、所与の指令値とに基づいて、ブラシレスモータ10を制御する。
以下、回転角演算装置20の動作について説明する。回転角演算装置20内の書き換え可能な不揮発性メモリには、図4に示すように、ピーク値テーブルが記憶されている。
ピーク値テーブルには、各磁極M0〜M9の磁極番号0〜9毎に、その磁極の角度幅[deg]と、その磁極に対応する第1の磁気センサ21の出力信号V1のピーク値(極大値または極小値)と、その磁極に対応する第2の磁気センサ22の出力信号V2のピーク値(極大値または極小値)が記憶されている。ただし、角度幅は、表1で説明したように、その角度幅に対応する機械角に磁極対数(この実施形態では”5”)を乗算した値である。図4では、説明の便宜上、各磁極に対する第2の磁気センサ22のピーク値は、対応する磁極に対する第1の磁気センサ21のピーク値と同じ値となっているが、実際には互いに異なる場合もある。
前記ピーク値テーブルへの各磁極の角度幅およびピーク値の記憶は、たとえば、ブラシレスモータ10の出荷前に行われる。前記振幅補正用ピーク値テーブルに記憶されるピーク値は、1周期分のデータから求めてもよいし、複数周期分のデータの平均値から求めてもよい。
図5は、回転角演算装置20による回転角演算処理の手順を示すフローチャートである。
図5に示される回転角演算処理は、所定の演算周期毎に繰り返し行なわれる。
回転角演算処理開始時において第1の磁気センサ21が感知している磁極を基準磁極として、各磁極に相対的な番号を割り当てた場合の各磁極の番号を相対的極番号と定義する。第1の磁気センサ21が感知している磁極の相対的極番号(以下、「第1の相対的極番号」という)を変数q1で表し、第2の磁気センサ22が感知している磁極の相対的極番号(以下、「第2の相対的極番号」という)を変数q2で表すことにする。この実施形態では、回転角演算処理開始時において第1の磁気センサ21が感知している磁極(基準磁極)がN極の磁極である場合には、当該磁極に”0”の相対的極番号が割り当てられる。一方、回転角演算処理の開始時において第1の磁気センサ21が感知している磁極(基準磁極)がS極の磁極である場合には、当該磁極に”1”の相対的極番号が割り当てられる。
回転角演算装置20のメモリ(たとえば、RAM)には、図6に示すように、第1の相対的極番号q1(0〜9)毎に、その相対的極番号q1に対応する磁極に対して最新に検出された第1の出力信号V1のピーク値を記憶する第1のピーク値記憶領域R1と、第2の相対的極番号q2(0〜9)毎に、その相対的極番号q2に対応する磁極に対して最新に検出された第2の出力信号V2のピーク値を記憶する第2のピーク値記憶領域R2が設けられている。第1のピーク値記憶領域R1および第2のピーク値記憶領域R2内のピーク値の初期値は、たとえば、0に設定される。
回転角演算処理が開始されると、回転角演算装置20は、各磁気センサ21,22の出力信号(センサ値)V1,V2を読み込む(ステップS1)。なお、回転角演算装置20のメモリ(たとえば、RAM)には、所定回数前に読み込まれたセンサ値から最新に読み込まれたセンサ値までの、複数回数分のセンサ値が記憶されるようになっている。
また、この実施形態では、センサ値V1のピーク値(極大値および極小値)を検出するために、読み込まれたセンサ値V1のうち絶対値がより大きいセンサ値が、センサ値V1のピーク値候補としてメモリに保存される。同様に、センサ値V2のピーク値(極大値および極小値)を検出するために、読み込まれたセンサ値V2のうち絶対値がより大きいセンサ値が、センサ値V2のピーク値候補としてメモリに保存される。ただし、これらのピーク値候補は、対応する出力信号のゼロクロスが検出されたときには、後述するような所定のタイミングで零にリセットされる。
前記ステップS1で各センサ値V1,V2が読み込まれると、回転角演算装置20は、今回の処理が回転角演算処理開始後の初回の処理であるか否かを判別する(ステップS2)。今回の処理が回転角演算処理開始後の初回の処理である場合には(ステップS2:YES)、回転角演算装置20は、相対的極番号の設定処理を行う(ステップS3)。
図7は、相対的極番号の設定処理の詳細な手順を示している。
回転角演算装置20は、まず、第1の出力信号V1が0より大きいか否かを判別する(ステップS21)。第1の出力信号V1が0より大きい場合には(ステップS21:YES)、回転角演算装置20は、第1の磁気センサ21が感知している磁極(基準磁極)がN極の磁極であると判別し、第1の相対的極番号q1を0に設定する(ステップS24)。そして、ステップS26に進む。
一方、第1の出力信号V1が0以下である場合には(ステップS21:NO)、回転角演算装置20は、第1の出力信号V1が0より小さいか否かを判別する(ステップS22)。第1の出力信号V1が0より小さい場合には(ステップS22:YES)、第1の磁気センサ21が感知している磁極(基準磁極)がS極の磁極であると判別し、第1の相対的極番号q1を1に設定する。そして、ステップS26に進む。
前記ステップS22において、第1の出力信号V1が0以上であると判別された場合には(ステップS22:NO)、つまり、第1の出力信号V1が0である場合には、回転角演算装置20は、ロータ回転角(電気角)が0°付近であるか180°付近であるかを判別するために、第2の出力信号V2が0より大きいか否かを判別する(ステップS23)。第2の出力信号V2が0より大きい場合には(ステップS23:YES)、回転角演算装置20は、ロータ回転角(電気角)が0°であると判別し、第1の相対的極番号p1を0に設定する(ステップS24)。そして、ステップS26に進む。
一方、第2の出力信号V2が0以下である場合には(ステップS23:NO)、回転角演算装置20は、ロータ回転角(電気角)が180°であると判別し、第1の相対的極番号p1を1に設定する(ステップS25)。そして、ステップS26に進む。
ステップS26では、回転角演算装置20は、「V1≧0かつV2≦0」または「V1<0かつV2≧0」の条件を満たしているか否かを判別する。この条件を満たしている場合には(ステップS26:YES)、回転角演算装置20は、第1の磁気センサ21が感知している磁極と第2の磁気センサ22が感知している磁極とが異なると判別し、第2の相対的極番号q2に、第1の相対的極番号q1より1だけ大きい番号を設定する(ステップS28)。そして、図5のステップS4に戻る。
一方、前記ステップS26の条件を満たしていない場合には(ステップS26:NO)、回転角演算装置20は、第1の磁気センサ21が感知している磁極と第2の磁気センサ22が感知している磁極とが同じであると判別し、第2の相対的極番号p2に第1の相対的極番号p1と同じ番号を設定する(ステップS27)。そして、図5のステップS4に戻る。
前記ステップS26の条件を満たしている場合に、第1の磁気センサ21が感知している磁極と第2の磁気センサ22が感知している磁極とが異なると判別し、前記ステップS26の条件を満たしていない場合に、第1の磁気センサ21が感知している磁極と第2の磁気センサ22が感知している磁極とが同じであると判別している理由について説明する。
たとえば、ロータ1の磁極M0と磁極M1とからなる磁極対が第1の磁気センサ21を通過する際の、第1および第2の磁気センサ21,22の出力信号V1,V2の信号波形を模式的に表すと、図8(a)(b)に示すようになる。
図8(a)(b)において、S1で示す領域は、第1の磁気センサ21および第2の磁気センサ22が共に磁極M0を感知している領域である。S2で示す領域は、第1の磁気センサ21が磁極M0を感知し、第2の磁気センサ22が磁極M1を感知している領域である。S3で示す領域は、第1の磁気センサ21および第2の磁気センサ22が共に磁極M1を感知している領域である。S4で示す領域は、第1の磁気センサ21が磁極M1を感知し、第2の磁気センサ22が磁極M2を感知している領域である。
つまり、領域S1およびS3では、第2の磁気センサ22が感知している磁極の極番号は、第1の磁気センサ21が感知している磁極の極番号と等しくなる。一方、領域S2およびS4では、第2の磁気センサ22が感知している磁極の極番号は、第1の磁気センサ21が感知している磁極の極番号より1だけ大きくなる。
領域S1においては、両センサ値V1,V2は、V1≧0かつV2>0の第1条件を満たす。領域S2においては、両センサ値V1,V2は、V1≧0かつV2≦0の第2条件を満たす。領域S3においては、両センサ値V1,V2は、V1<0かつV2<0の第3条件を満たす。領域S4においては、両センサ値V1,V2は、V1<0かつV2≧0の第4条件を満たす。
そこで、回転角演算装置20は、前記第2条件(V1≧0かつV2≦0)または前記第4条件(V1<0かつV2≧0)を満たしている場合には、第1の磁気センサ21が感知している磁極と第2の磁気センサ22が感知している磁極とが異なると判別し、前記第2条件および前記第4条件のいずれの条件も満たしていない場合に、第1の磁気センサ21が感知している磁極と第2の磁気センサ22が感知している磁極とが同じであると判別している。
図5に戻り、前記ステップS2において、今回の処理が回転角演算処理開始後の初回の処理ではないと判別された場合には(ステップS2:NO)、ステップS4に移行する。
ステップS4では、回転角演算装置20は、メモリに記憶されているセンサ値V1,V2に基づいて、センサ値V1,V2毎に、センサ値の符号が反転するゼロクロスを検出したか否かを判別する。ゼロクロスが検出されなかったときには(ステップS4:NO)、回転角演算装置20は、ステップS8に移行する。
前記ステップS4において、いずれかのセンサ値V1,V2に対してゼロクロスが検出された場合には(ステップS4:YES)、回転角演算装置20は、ゼロクロスが検出された出力信号のピーク値(極大値または極小値)を検出したか否かを判定する(ステップS5)。以下において、ステップS5の判定処理を、ピーク値検出処理という場合がある。
ピーク値検出処理について具体的に説明する。前記ステップS4でゼロクロスが検出された出力信号に対応する磁気センサをピーク値検出対象の磁気センサということにする。回転角演算装置20は、まず、ピーク値検出対象の磁気センサが感知している磁極が変化したか否かを判別する。つまり、回転角演算装置20は、ピーク値検出対象の磁気センサが感知している磁極位置が、当該磁気センサの出力信号のゼロクロスが前回検出された時点と、今回検出された時点とで、異なっているか同じであるかを判定する。ロータ1の回転方向が逆転した場合には、前記両時点での磁極位置が同じになる可能性がある。
この判定は、たとえば、前回ゼロクロスが検出されたときのロータ1の回転方向と、現在のロータ1の回転方向が同じ方向であるか否かに基づいて行うことができる。すなわち、回転角演算装置20は、ロータ1の回転方向が同じ方向であれば、ピーク値検出対象の磁気センサが感知している磁極が変化したと判定する。一方、ロータ1の回転方向が異なっていれば、回転角演算装置20は、ピーク値検出対象の磁気センサが感知している磁極が変化していないと判定する。
当該磁気センサが感知している磁極が変化したと判定された場合には、回転角演算装置20は、ピーク値を検出したと判別するとともに、当該磁気センサに対応するピーク値候補をピーク値として特定する。一方、当該磁気センサが感知している磁極が変化していないと判定された場合には、回転角演算装置20は、ピーク値を検出しなかったと判定する。
なお、ロータ1の回転方向は、ゼロクロスが検出された一方の出力信号の前回値および今回値と、他方の出力信号の今回値とに基づいて判定することができる。具体的には、ゼロクロスが検出された一方の出力信号が第1の出力信号V1である場合には、「第1の出力信号V1の前回値が0より大きくかつその今回値が0以下であり、第2の出力信号V2が0未満である」という条件、または「第1の出力信号V1の前回値が0未満でかつその今回値が0以上であり、第2の出力信号V2が0以上である」という条件を満たしている場合には、回転方向は正方向(図2に矢印で示す方向)であると判定される。一方、「第1の出力信号V1の前回値が0以上でかつその今回値が0未満であり、第2の出力信号V2が0より大きい」という条件、または「第1の出力信号V1の前回値が0以下でかつその今回値が0より大きく、第2の出力信号V2が0未満である」という条件を満たしている場合には、回転方向は逆方向であると判定される。
ゼロクロスが検出された一方の出力信号が第2の出力信号V2である場合には、「第2の出力信号V2の前回値が0より大きくかつその今回値が0以下であり、第1の出力信号V1が0以上である」という条件、または「第2の出力信号V2の前回値が0未満でかつその今回値が0以上であり、第1の出力信号V1が0未満である」という条件を満たしている場合には、回転方向は正方向(図2に矢印で示す方向)であると判定される。一方、「第2の出力信号V2の前回値が0以上でかつその今回値が0未満であり、第1の出力信号V1が0より小さい」という条件、または「第2の出力信号V2の前回値が0以下でかつその今回値が0より大きく、第1の出力信号V1が0より大きい」という条件を満たしている場合には、回転方向は逆方向であると判定される。
前記ステップS5でピーク値が検出されなかった場合には、回転角演算装置20は、前記ステップS4でゼロクロスが検出された出力信号に対応するピーク値候補を零にリセットした後、ステップS8に移行する。一方、前記ステップS5において、ピーク値が検出されたときには(ステップS5:YES)、回転角演算装置20は、前記ステップS4でゼロクロスが検出された出力信号に対応するピーク値候補を零にリセットした後、ピーク値更新処理を行なう(ステップS6)。
ピーク値更新処理では、回転角演算装置20は、メモリ内のピーク値記憶領域R1,R2(図6参照)内のピーク値のうち、前記ステップS5でピーク値が検出された方の磁気センサに対して現在設定されている相対的極番号q1またはq2に対応するピーク値を、前記ステップS5で検出されたピーク値に更新する。
この後、回転角演算装置20は、相対的極番号の更新処理を行なう(ステップS7)。具体的には、前記ステップS5でピーク値が検出された方の磁気センサに対して現在設定されている相対的極番号q1またはq2を、ロータ1の回転方向に基づいて更新する。より具体的には、回転角演算装置20は、当該磁気センサに対して現在設定されている相対的極番号q1またはq2を、ロータ1の回転方向に応じて、1だけ多い番号または1だけ少ない番号に変更する。
ロータ1の回転方向が正方向(図2に矢印で示す方向)である場合には、前記ステップS5でピーク値が検出された方の磁気センサに対して現在設定されている相対的極番号q1またはq2を、1だけ多い番号に更新し、ロータ1の回転方向が逆方向である場合には、当該磁気センサに対して現在設定されている相対的極番号q1またはq2を、1だけ少ない番号に更新する。ただし、”0”の相対的極番号に対して、1だけ少ない相対的極番号は、”9”となる。また、”9”の相対的極番号に対して、1だけ多い相対的極番号は、”0”となる。
前記ステップS7の相対的極番号の更新処理が終了すると、回転角演算装置20は、ステップS8に移行する。
ステップS8では、回転角演算装置20は、回転角演算処理開始後に、全ての磁極M0〜M9に対する第1および第2の出力信号V1,V2のピーク値が検出されているか否かを判別する。つまり、回転角演算装置20は、回転角演算処理開始後に、0〜9の相対的極番号q1に対応する第1の出力信号V1のピーク値および0〜9の相対的極番号q2に対応する第2の出力信号V2が検出されているか否かを判別する。
全ての磁極M0〜M9に対する第1および第2の出力信号V1,V2のピーク値が検出されている場合には(ステップS8:YES)、検出されたピーク値に基づく信号補正処理を行なう(ステップS10)。具体的には、回転角演算装置20は、まず、メモリ内のピーク値記憶領域R1,R2(図6参照)に記憶されているピーク値を用い、次式(3)(4)に基づいて、第1の出力信号V1のオフセット電圧V1osおよび第2の出力信号V2のオフセット電圧V2osを演算する。
V1os=[{ΣP1×((ΣW/2)/ΣW)÷(K/2)}
+{ΣP1×((ΣW/2)/ΣW)÷(K/2)}]/2 …(3)
V2os=[{ΣP2×((ΣW/2)/ΣW)÷(K/2)}
+{ΣP2×((ΣW/2)/ΣW)÷(K/2)}]/2 …(4)
前記式(3)において、ΣP1は、N極の各磁極M0,M2,M4,M6,M8に対応する第1の出力信号V1のピーク値の総和である。第1の出力信号V1が図3に示されるような信号V1である場合には、ΣP1=P0+P2+P4+P6+P8となる。より具体的には、ΣP1は、メモリ内の第1のピーク値記憶領域R1(図6参照)において、相対的極番号q1が0,2,4,6,8に対応して記憶されているピーク値の総和となる。
前記式(3)において、ΣP1は、S極の各磁極M1,M3,M5,M7,M9に対応する第1の出力信号V1のピーク値の総和である。第1の出力信号V1が図3に示されるような信号V1である場合には、ΣP1=P1+P3+P5+P7+P9となる。より具体的には、ΣP1は、メモリ内の第1のピーク値記憶領域R1(図6参照)において、相対的極番号q1が1,3,5,7,9に対応して記憶されているピーク値の総和となる。
前記式(3)において、ΣWは前記各磁極の角度幅の総和であり、この実施形態では1800°となる。また、ΣWは、N極の各磁極M0,M2,M4,M6,M8の角度幅の総和であり、この実施形態では920°となる。また、ΣWは、S極の各磁極M1,M3,M5,M7,M9の角度幅の総和であり、この実施形態では880°となる。また、Kは、各磁極M0〜M9の総数であり、この実施形態では10となる。
前記式(4)において、ΣP2は、N極の各磁極M0,M2,M4,M6,M8に対応する第2の出力信号V2のピーク値の総和である。具体的には、ΣP2は、メモリ内の第2のピーク値記憶領域R2(図6参照)において、相対的極番号q2が0,2,4,6,8に対応して記憶されているピーク値の総和となる。
前記式(4)において、ΣP2は、S極の各磁極M1,M3,M5,M7,M9に対応する第2の出力信号V2のピーク値の総和である。具体的には、ΣP2は、メモリ内の第2のピーク値記憶領域R2(図6参照)において、相対的極番号q2が1,3,5,7,9に対応して記憶されているピーク値の総和となる。
第1および第2の出力信号V1,V2のオフセット電圧V1os,V2osが演算されると、回転角演算装置20は、第1および第2の出力信号V1,V2毎に、その出力信号の振幅およびオフセット電圧のばらつきを補正する。具体的には、回転角演算装置20は、第1の出力信号V1、第1の出力信号V1のオフセット電圧V1os、第1の磁気センサ21が感知している磁極のピーク値P1xおよび予め設定された基準振幅Aoに基づいて、第1の出力信号V1を補正する。ピーク値P1xは、メモリ内の第1のピーク値記憶領域R1において、現在設定されている相対的極番号q1に対応して記憶されているピーク値である。
また、回転角演算装置20は、第2の出力信号V2、第2の出力信号V2のオフセット電圧V2os、第2の磁気センサ22が感知している磁極のピーク値P2xおよび予め設定された基準振幅Aoに基づいて、第2の出力信号V2を補正する。ピーク値P2xは、メモリ内の第2のピーク値記憶領域R2において、現在設定されている相対的極番号q2に対応して記憶されているピーク値である。第1の出力信号V1の補正後の信号をV1’とし、補正後の第2の出力信号V2の補正後の信号をV2’とすると、補正後の第1の出力信号V1’および補正後の第2の出力信号V2’は、それぞれ次式 (5)(6)に基づいて演算される。
V1’={(V1−V1os)/P1x}×Ao …(5)
V2’={(V2−V2os)/P2x}×Ao …(6)
前記ステップS10の信号補正処理が終了すると、ステップS11に移行する。
前記ステップS8において、回転角演算処理開始後に、全ての磁極M0〜M9に対する第1および第2の出力信号V1,V2のピーク値が検出されていないと判別された場合には(ステップS8:NO)、予め設定されたピーク値に基づく信号補正処理を行なう(ステップS9)。具体的には、回転角演算装置20は、まず、不揮発性メモリ内のピーク値テーブル(図4参照)に記憶されているピーク値を用い、前記式(3)(4)に基づいて、第1の出力信号V1のオフセット電圧V1osおよび第2の出力信号V2のオフセット電圧V2osを演算する。
ただし、この場合には、前記式(3)内のΣP1は、ピーク値テーブルにおいて、極番号が0,2,4,6,8に対応して記憶されている第1の出力信号V1のピーク値の総和となる。また、前記式(3)内のΣP1は、ピーク値テーブルにおいて、極番号が1,3,5,7,9に対応して記憶されている第1の出力信号V1のピーク値の総和となる。また、前記式(4)内のΣP2は、ピーク値テーブルにおいて、極番号が0,2,4,6,8に対応して記憶されている第2の出力信号V2のピーク値の総和となる。また、前記式(4)内のΣP2は、ピーク値テーブルにおいて、極番号が1,3,5,7,9に対応して記憶されている第2の出力信号V2のピーク値の総和となる。
このようにして、第1および第2の出力信号V1,V2のオフセット電圧V1os,V2osが演算されると、回転角演算装置20は、前記式 (5)(6)に基づいて、第1の出力信号V1および第2の出力信号V2を補正する。この場合において、各磁気センサ11,12が現在感知している磁極のピーク値(前記式(5)(6)のP1x,P2x)が不明であるときには、これらのピーク値P1x,P2xとして、たとえば、予め設定されたデフォルト値が用いられる。各磁気センサ11,12が現在感知している磁極のピーク値P1x,P2xのデフォルト値としては、それぞれ、不揮発性メモリ内のピーク値テーブル(図4参照)内の第1の出力信号V1のピーク値の平均値および第2の出力信号V1のピーク値の平均値を用いることができる。また、これらのデフォルト値を温度別に設定しておき、現在の温度に対応したデフォルト値を用いるようにしてもよい。
ステップS11では、回転角演算装置20は、次式(7)に基づいて、ロータ1の電気角θeを演算して、モータコントローラ30に与える。そして、今演算周期の処理を終了する。
θe=tan(V1’/V2’) …(7)
前記実施形態では、全ての磁極M0〜M9に対する第1および第2の出力信号V1,V2のピーク値が検出された後においては、第1の出力信号V1のオフセット電圧V1osおよび第2の出力信号V2のオフセット電圧V2osを正確に検出することができる。これにより、各磁極の磁束量のばらつきや各磁気センサ21,22の温度特性に起因する、各出力信号V1,V2の振幅およびオフセット電圧のばらつきを補正することができる。そして、補正後の各出力信号V1’,V2’に基づいて、ロータ1の電気角θeが演算されるので、ブラシレスモータの回転角の検出誤差を低減することができる。
この発明は、ブラシレスモータのロータ以外の回転体の回転角を検出する場合にも、適用することができる。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
1…ロータ、21,22…磁気センサ、10…ブラシレスモータ、20…回転角演算装置、M0〜M9…磁極

Claims (3)

  1. 回転体の回転に応じて回転しかつ周方向に複数の磁極が設けられた検出用ロータと、前記検出用ロータの回転に応じて、所定の位相差を有する複数の正弦波信号をそれぞれ出力する複数の磁気センサとを含み、これらの磁気センサの出力信号に基づいて前記回転体の回転角を検出する回転角検出装置であって、
    前記磁気センサ毎に、その出力信号の前記磁極毎のピーク値を検出するピーク値検出手段と、
    前記ピーク値検出手段によって前記磁気センサ毎に検出される前記磁極毎のピーク値と、前記各磁極の角度幅と、前記検出用ロータに設けられた磁極数とに基づいて、前記磁気センサ毎にオフセット電圧を演算するオフセット電圧演算手段と、
    前記ピーク値検出手段によって前記磁気センサ毎に検出される前記磁極毎のピーク値と、前記オフセット電圧演算手段によって演算される前記磁気センサ毎のオフセット電圧とに基づいて、前記各磁気センサの出力信号を補正する信号補正手段と、
    前記信号補正手段によって補正された前記各磁気センサの出力信号に基づいて、前記回転体の回転角を演算する回転角演算手段と、
    を含む回転角検出装置。
  2. 前記オフセット電圧演算手段は、
    オフセット電圧の演算対象である磁気センサを演算対象センサとし、前記各磁極のうちのN極の各磁極に対応する前記演算対象センサの出力信号のピーク値の総和をΣP、前記各磁極のうちのS極の各磁極に対応する前記演算対象センサの出力信号のピーク値の総和をΣP、前記各磁極の角度幅の総和をΣW、前記各磁極のうちのN極の各磁極の角度幅の総和をΣW、前記各磁極のうちのS極の各磁極の角度幅の総和をΣW、前記各磁極の総数をKとすると、
    次式(a)に基づいて、前記演算対象センサの出力信号のオフセット電圧Vosを演算する請求項1に記載の回転角検出装置。
    Vos=[{ΣP×((ΣW/2)/ΣW)÷(K/2)}
    +{ΣP×((ΣW/2)/ΣW)÷(K/2)}]/2 …(a)
  3. 前記信号補正手段は、
    前記演算対象センサが感知している磁極のピーク値をPxとし、前記演算対象センサの出力信号値をVとし、予め設定された基準振幅をAoとすると、
    次式(b)に基づいて、前記演算対象センサの出力信号の補正値V’を演算する請求項2に記載の回転角検出装置。
    V’={(V−Vos)/Px}×Ao …(b)
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