JP5887773B2 - ダイヤモンド微粒子を含む分散体 - Google Patents

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本発明は、媒体にダイヤモンド構造を有する微粒子を分散させてなる分散体に関する。
本発明は、粒径ナノメーター単位の超微粒子ダイヤモンド(一般的に4nmから100nm、特に限定的には4nmから40nmの粒径を有し、ここではナノダイヤモンド又はUltra Dispersed Diamond又はUDDとも云う。)を媒体に分散した非常に安定な分散体に関する。
従来、電気絶縁性、銅の約5倍の高い熱伝導性、地上最高の硬度など有用な特性を持つダイヤモンドは、化学的に安定で溶媒に溶けず、粒で使うことしか出来ないので、工業的用途は研磨剤と工具コーティングしかなかった。
最近になり超微粒ダイヤモンド粒子を、例えばメッキ膜のような金属薄膜中に含有させること自体は知られてきており(特許文献1参照)、また超微粒ダイヤモンド粒子により金属薄膜の物理的強度を増大させようとする試み、潤滑性を向上させて耐摩耗性を改善すること、低誘電率を利用して各種電子部品に用いようとする試みも行われている。
例えば、「New Diamond and Frontier Technology(in Russia) Vol.9,No.4(1999) pp.273-282」(非特許文献1)には、高爆薬の爆発により製造したUDDの金メッキ浴を用いて作製した金―ダイヤモンド複合膜の場合、金中のUDD濃度は1重量%を超える濃度になることはなく、金薄膜層の深部よりも表面の方がUDD濃度が高いという問題があるものであるが、それでも金の単一薄膜に比較して、金―UDD複合膜は一応の高硬度を示し、耐摩耗性がある程度向上したことが記載されている。
また、特許第3913118号公報には、「層中にダイヤモンド粒子を分散した金属薄膜層」は、ナノメーター粒径のダイヤモンド単位が数個〜数百個、分離困難な状態で凝集し、粒度分布が狭いUDD粉体、及び、このUDDを含み分散安定性に優れた水性懸濁液を用い、メッキ法(電解又は無電解メッキ)により達成することができる、と記載されているが、実際の工業現場においては、めっき浴は、pHの幅が広く、且つ常に浴が攪拌されている動的な状況においては、水性懸濁液添加時にショックを受けやすく、めっきされる前にUDDが再び凝集を起こしやすいといった決定的な欠点があった。
また、特開平2007−119265号公報には、ナノダイヤモンドコロイド溶液と組成物のマトリックス成分を混合均一溶液として、濃縮していく過程で、相分離が起きる前に均一なゲルを起こさせて、超分散を保ちつつ媒体を除去してナノダイヤモンド組成物を得るとされているが、この水性コロイド液は実質pHのショックに耐えられず、pHが4の弱酸性液に添加した場合やpHが9の弱アルカリ性液へ添加した場合などは、UDDが再凝集を起こし、ナノレベルの凝集体ではなくなってしまうことが判っている。
また、特開平2007−150250号公報には、水とエタノールの混合液にナノダイヤモンドを添加し、導入剤としてポリエチレングリコールユニット含有高分子アゾ重合剤(AZOPEG)を添加し、溶存酸素を除去後、60〜90℃に過熱し、20〜40時間攪拌し反応させることを特徴とするナノダイヤモンドの分散方法が紹介されており、ナノダイヤモンドの巨大凝集体のない安定的な分散を得ることそれをメッキに使用する事によりナノダイヤモンドの凝集体の少ない共析メッキを得た、とされている。しかし、残存溶存酸素による発泡や共析時の発泡による共析膜の不均一性については全く考慮されておらず、めっきにおいては界面活性剤のめっき膜への濡れ低下をおこすことから共析はできても、次工程でめっき膜からナノダイヤモンド粒子が容易にめっき膜から脱落をおこすこと、加えて20〜40時間の反応時間は長すぎて工業的に現実的ではなかった。
また、「Journal of Chemical vapor deposition Vol.6,No.1 (1997)pp.35-39」には、UDD粉末を蒸留水中に超音波を用いて分散させて遠心分離してコロイド液体を得、これを平滑基板上に塗布乾燥させて作製したヒドロゾルのコロイド薄膜の場合には150℃に加熱しても水がとれないため、UDD粉末の長期保存のため有効な方法であることが記載されている。しかし、ヒドロゾルの多くは、加水されただけの場合にはUDD粒子同士表面のエネルギー障壁が高いが故に粒子同士が引き付けあって凝集することはないが、表面張力が低い、即ち粒子間同士に働くエネルギー障壁が低いような界面活性剤などが添加されているような状況下では、いきなり粒子同士の吸着力が大きくなり、その結果凝集・沈降する例が多くUDD粉末を超音波のみで分散だけした系では、実際にはその凝集体を取り扱う例が多く、再度またその凝集体を解して使用しなければならなくなるなど、簡単に取り扱える例は少ない。
特開昭61−249276号公報 特許第3913118号公報 特開平2007−119265号公報 特開平2007−150250号公報
New Diamond and Frontier Technology(in Russia) Vol.9,No.4(1999) pp.273-282 Journal of Chemical vapor deposition Vol.6,No.1 (1997)pp.35-39
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、粒径ナノメーター単位のUDDが、経時での分散状態に変化がなく、高速攪拌された状況などの外的ショックがあっても粒子の凝集が起こりにくい分散体を提供することを目的とするものである。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、様々な分散剤がある中で、ビスフェノールスルホン酸ポリマーを用いることにより、分散が難しいUDD粒子の水などを媒体とするナノ分散そのものが可能になり、硬い、あるいは化学的に非常に安定なUDD粒子性能を極限まで発揮しやすくなること、ひいては、80℃保存において分散が壊れず、よって増粘することもなく、かつ攪拌しても起泡性がないなどの画期的な特徴を持つ水分散体であることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、ダイヤモンド構造を有する微粒子と、ビスフェノールスルホン酸ポリマーと水とを含む分散体であって、ダイヤモンド構造を有する微粒子が、ナノダイヤモンドであり、ビスフェノールスルホン酸ポリマーが、下記一般式(1)で表される構造単位と、下記一般式(2)で表される構造単位とを有するポリマーまたは下記一般式(5)で表されるポリマーである分散体に関する。
一般式(1)

(式中、Yは下記に示す置換を表す。)

一般式(2)

(式中、Xは−CR1(R2)−、または、−SO2−を表す。
ここで、R1およびR2は、それぞれ独立に、水素原子、または、炭素数1〜6のアルキル基である。
Zは下記に示す置換基のいずれかを表す
一般式(5)
(式中、Xは−CR1(R2)−、または、−SO2−を表す。
ここで、R1およびR2は、それぞれ独立に、水素原子、または、炭素数1〜6のアルキル基である。
YおよびZは、それぞれ独立に、下記に示す置換基のいずれかを表す。
nは7〜40の整数を表す。)
また、本発明は、ダイヤモンド構造を有する微粒子が、レーザー光回折・散乱を測定原理とした粒度分布計で測定したときの、メジアン径が、4〜100nmであるである上記分散体に関する。
また、本発明は、ビスフェノールスルホン酸ポリマーが、下記一般式(3)で表される構造単位と、下記一般式(4)で表される構造単位とを有することを特徴とする上記分散体に関する。
一般式(3)
一般式(4)

また、本発明は、ビスフェノールスルホン酸ポリマーの重量平均分子量が、5,000〜30,000である上記分散体に関する。
また、本発明は、ビスフェノールスルホン酸ポリマーが、ダイヤモンド構造を有する微粒子の総重量100部に対し20重量部から50重量部の範囲で含まれている上記分散体に関する。
本発明により、粒径ナノメーター単位のUDDが、経時での分散状態に変化がなく、高速攪拌された状況などの外的ショックがあっても粒子の凝集が起こりにくい分散体を提供することができた。
また、本発明の一形態である水分散体は、強酸や強アルカリ性など水素イオン濃度の変化や温度の変化に対しても、UDD粒子がpHショックによる凝集がまったく発生せず、加えて温度変化に対する粘度が安定であるため、従来めっき工業で使用されるUDDと貴金属類との均一な共析も可能となる。
UDDの本質的な問題は、UDDそのものが如何に作れるか、ではなくUDDを凝集させずに如何に金属膜の中に安定に均一にとりいれるか、或いは潤滑性の向上の場合には、オイルの中で凝集することなく安定に分散できて性能を発揮できるか、あるいは電子部品に加工する場合には、樹脂などバインダー樹脂中に均一に分散できるかといった加工適性を付与しなければならないはずである。
故に、例えば金属膜の中にUDD粒子を最適な形状で、即ち一次粒子、4〜100nmの状態で取り込むには、電解あるいは無電解めっきなど既存の手法が考えられるが、その場合のUDD粒子は粉状態ではなく、一次粒子が添加しやすい水分散体の状態で提供されることが好ましい。
ところが加工適性が付与されたUDD粒子、例えば水分散体の多くは、UDD粒子自体が持つ強い吸着力が原因で安定となる凝集体を作りやすく、一度凝集体を作ると細かくすることが困難となる。
本発明の分散体は、UDD粒子、ビスフェノールスルホン酸ポリマー、媒体を含むものである。ビスフェノールスルホン酸ポリマーを用いることにより、ビスフェノールスルホン酸ポリマーがUDD粒子の疎水性表面に吸着してその表面を親水化するため、それにより、従来UDD分散に使用されていた、例えば、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物等や界面活性剤にくらべ、優れた安定性を与えることができる。さらに、その吸着によりUDD粒子表面にマイナスの電荷を与え粒子間にマイナスの静電反発力を作用させることで高い分散効果を得ることが出来、即ち粒子同士がひきつけあわないでいられるような状況を保っていられるので、40℃や80℃などの高い保存温度や、外的ショックの環境であっても、粘度変化などの分散状態の変化がなく、メジアン径が変わらない安定した分散液になる。
(ダイヤモンド構造を有する微粒子、UDDについて)
本発明で用いられるUDD粒子は、特に限定されるものではなく、市販のもの、火薬、起爆剤、水または炭酸ガスなどを原料とした1963年ウクライナで発見された合成方法によって得られた材料、具体的には特許第4245310号公報、第2799337号公報に記載されるような材料が好適に用いられる。
また、レーザー光回折・散乱を測定原理とした粒度分布計で測定したときの、メジアン径が、4〜100nmのものが入手可能である。
本発明におけるメジアン径を測定する装置では、UDD粒子の存在比率の基準として、体積分布等がある。レーザー回折・散乱法では原理上体積分布を測定しており(現在では粒子の形状を球形と仮定し、ソフトウェアで個数基準などに換算することは容易。) 沈降法は質量基準の測定法だが、測定の過程で試料の密度が必要なため体積分布も得られる。動的光散乱法では、信号の相対強度として存在比率が求められるのが一般的も、体積分布も出力可能な測定装置があれば特に限定されるものではない。
そしてメジアン径は、上記装置によって測定されたメジアン径(d50)UDD粒子をある粒子径から2つに分けたとき、大きい側と小さい側が等量となる径を意味する。測定原理は、粒子に光を照射した時、各粒子径により散乱される散乱光量とパターンが異なることを利用したレーザー回折・散乱法の粒度分布計、例えば、日機装(株)から販売されているマイクロトラックにて測定できるが、メジアン径は測定可能な装置であれば特に限定されるものではない。
(ビスフェノールスルホン酸ポリマーについて)
本発明で用いられるビスフェノールスルホン酸ポリマーは、スルホン酸基(−SO3H)を分子中に含むビスフェノール型骨格を有するポリマーである。これらは、単独で、または2種以上を混合して用いることができる。ビスフェノールスルホン酸ポリマーは、一般式(1)で表される構造単位と、一般式(2)で表される構造単位とを有するポリマーが好ましく、更に好ましくは一般式(3)で表される構造単位と、一般式(4)で表される構造単位とを有するポリマー、および、一般式(5)で表されるポリマーのいずれかである。
ここで、一般式(5)で表されるポリマーにおけるnは7〜40の整数であり、15〜25の整数であることが好ましい。
一般式(5)で表されるポリマーにおけるR1およびR2は、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基であり、水素原子、メチル基、またはエチル基であることが好ましい。
本発明で用いられるビスフェノールスルホン酸ポリマーの重量平均分子量は5,000〜30,000であることが好ましい。特に10,000〜30,000であることが好ましい。
重量平均分子量が5,000より小さすぎると粒子表面への粒子表面への吸着能が低下するため、分散しても粒子表面から水中で剥がれやすくなり、粒子が経時で沈降分離するなどの不具合を生じる。また、重量平均分子量が30,000より大きすぎると、分散時の粘度が上がりすぎる結果、分散が安定しないなどの不具合を生じる。
なお、一般式(3)で表される構造単位と、一般式(4)で表される構造単位とを有するポリマーとしては、小西化学工業株式会社から、WSR−SP28が市販されている。また、一般式(5)で表されるポリマーとしては、日本製紙ケミカル株式会社から、ビスパーズP125、ビスパーズP215が市販されている。
このビスフェノールスルホン酸ポリマーは、ダイヤモンド構造を有する微粒子総重量100部に対して10〜100部の量で分散体中に含まれることが好ましく、さらに好ましくは、20〜50部の範囲が選ばれる。この含有量が10部より少ない場合には、分散体としての分散性が不十分となって経時での粘度増加を起こす結果、保存安定性が低下する恐れがあり、100部より多い場合は、UDD粒子同士をかえって二次凝集させてしまう結果、加えて離脱成分が多くなり表面張力低下を起こすため、泡を抱きやすくなる結果、添加される溶媒へのショックも大きくなる傾向がみられる。
(媒体について)
本発明に利用できる媒体は、親水性の媒体が好ましく、水が用いられる

本発明の分散体は、ダイヤモンド構造を有する微粒子と、ビスフェノールスルホン酸ポリマーと媒体とを、ボールミル、ビーズミルなどのメディア分散機などの公知の分散機・攪拌機で分散して得られる。
以下に、実施例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明の技術思想を逸脱しない限り、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。尚、以下「重量%」「重量部」は単に「%」「部」と記載する。実施例において、重量平均分子量は、GPC測定値(PEG換算)である。pHは25℃で電気化学計器社製ガラス電極式水素イオン濃度計を用い、導電率は25℃でHORIBA社製CONDUCTIVITY METER DS−12を用い、粘度は25℃でトキメック社製B型粘度計を用いてそれぞれ測定した値である。
表1に示した原料を用い実施例及び比較例の分散体を作成した。ビスフェノールスルホン酸ポリマーとしては、以下の化合物を用いた。
ビスパーズP125(ビスフェノールS型スルホン酸ポリマー)(日本製紙ケミカル株式会社製:重量平均分子量1万)
ビスパーズP215(ビスフェノールA型スルホン酸ポリマー)(日本製紙ケミカル株式会社製:重量平均分子量2万)
WSR−SP28(ビスフェノールS型スルホン酸ポリマー)(小西化学工業株式会社製:重量平均分子量1.8万)
まず、実施例1〜4および比較例1〜7では、ラボラトリーディゾルバー(ディスパーマットCL54(VMA−Getzmann社製):チャンバー容量250cc)を用いて、0.8mm径のジルコニアビーズ充填率50%の条件下で250ccチャンバー平均滞留時間10分になるまで粗分散を行った後、0.1mm径のジルコニアビーズ充填率80%の条件下で250ccチャンバー平均滞留時間60分になるまで本分散を実施した。
比較例1〜7のうち、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物Na塩を用いた比較例1および2は、本分散直後のメジアン径はそれぞれ200,230nmであったが、40度1ヶ月保存したところ、UDD粒子が既に凝集・沈降し二層分離していた。この状態のまま25度になるまで自然冷却し、メジアン径、及び粘度測定を試みたが比較例1および2とも測定できる状況には至らなかった。メジアン径、粘度ともに一定の値が得られなかったのは、一度分散した粒子が再凝集を起こしたがために、溶液の均一性が失われた結果によるものである。このまま80度まで昇温し更に1ヶ月経過後の状態は、ゲル化(固化)しており、分散体として使用できる状態にはなかった。
比較例3〜7の分散剤は、ノニオン界面活性剤や一部カチオン界面活性剤を用いた例で、本分散直後のメジアン径は、325〜1130nmと幅があるため、そもそもナノレベルの分散は出来ていない状態であった。比較例1および2の結果と同様、40度1ヶ月保存したところ、UDD粒子が既に凝集・沈降し二層分離していた。この状態のまま25度になるまで自然冷却し、メジアン径、及び粘度測定を試みたが比較例1および2とも測定できる状況には至らなかった。界面活性剤が故に疎水性表面には濡れ性のよい材料を選択してあるも、1ヶ月経過しても泡が取れず、これがため粘度が一定に測定することは困難であった。更にこの状態のまま80度で1ヶ月経過後の状態は、ゲル化(固化)しており、分散体として使用できる状態にはなかった。
本発明により、分散が難しいナノダイヤモンド粒子を、ビスフェノールスルホン酸ポリマーを用いて分散した分散体が、メジアン径を1次粒子に限りなく小さくすることができるが故ナノダイヤモンド粒子本来の性能を引き出しつつ、かつ温度変化を伴う経時での粘度及び粒度の変化が小さい、極めて工業的に利用価値のある分散体を提供することが出来る。

Claims (5)

  1. ダイヤモンド構造を有する微粒子と、ビスフェノールスルホン酸ポリマーと、水とを含む分散体であって、ダイヤモンド構造を有する微粒子が、ナノダイヤモンドであり、ビスフェノールスルホン酸ポリマーが、下記一般式(1)で表される構造単位と、下記一般式(2)で表される構造単位とを有するポリマーまたは下記一般式(5)で表されるポリマーである分散体
    一般式(1)

    (式中、Yは下記に示す置換を表す。)

    一般式(2)

    (式中、Xは−CR1(R2)−、または、−SO2−を表す。
    ここで、R1およびR2は、それぞれ独立に、水素原子、または、炭素数1〜6のアルキル基である。
    Zは下記に示す置換基のいずれかを表す
    一般式(5)
    (式中、Xは−CR1(R2)−、または、−SO2−を表す。
    ここで、R1およびR2は、それぞれ独立に、水素原子、または、炭素数1〜6のアルキル基である。
    YおよびZは、それぞれ独立に、下記に示す置換基のいずれかを表す。
    nは7〜40の整数を表す。)
  2. ダイヤモンド構造を有する微粒子が、レーザー光回折・散乱を測定原理とした粒度分布計で測定したときの、メジアン径が、4〜100nmである請求項1記載の分散体。
  3. ビスフェノールスルホン酸ポリマーが、下記一般式(3)で表される構造単位と、下記一般式(4)で表される構造単位とを有することを特徴とする請求項1または2記載の分散体。
    一般式(3)
    一般式(4)
  4. ビスフェノールスルホン酸ポリマーの重量平均分子量が、5,000〜30,000である請求項1〜のいずれか一項に記載の分散体。
  5. ビスフェノールスルホン酸ポリマーが、ダイヤモンド構造を有する微粒子の総重量100部に対し20重量部から50重量部の範囲で含まれている請求項1〜のいずれか一項に記載の分散体。
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