JP5886856B2 - アセタールおよびケタールの製造方法、ならびにこの方法により製造されるアセタールおよびケタール - Google Patents

アセタールおよびケタールの製造方法、ならびにこの方法により製造されるアセタールおよびケタール Download PDF

Info

Publication number
JP5886856B2
JP5886856B2 JP2013523314A JP2013523314A JP5886856B2 JP 5886856 B2 JP5886856 B2 JP 5886856B2 JP 2013523314 A JP2013523314 A JP 2013523314A JP 2013523314 A JP2013523314 A JP 2013523314A JP 5886856 B2 JP5886856 B2 JP 5886856B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ethyl levulinate
ketal
product
reactor
propylene glycol
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013523314A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013537536A5 (ja
JP2013537536A (ja
Inventor
ディー ミューレン,ブライアン,
ディー ミューレン,ブライアン,
ショールトン,マーク,ディー
ロ−ワジー,アンドリュー,ジェイ
ド−ネン,スティーブン,エー
ジン,フェン
バダリナラヤナ,ヴィヴェク
Original Assignee
サジティス・インコーポレイテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by サジティス・インコーポレイテッド filed Critical サジティス・インコーポレイテッド
Publication of JP2013537536A publication Critical patent/JP2013537536A/ja
Publication of JP2013537536A5 publication Critical patent/JP2013537536A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5886856B2 publication Critical patent/JP5886856B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D317/00Heterocyclic compounds containing five-membered rings having two oxygen atoms as the only ring hetero atoms
    • C07D317/08Heterocyclic compounds containing five-membered rings having two oxygen atoms as the only ring hetero atoms having the hetero atoms in positions 1 and 3
    • C07D317/10Heterocyclic compounds containing five-membered rings having two oxygen atoms as the only ring hetero atoms having the hetero atoms in positions 1 and 3 not condensed with other rings
    • C07D317/12Heterocyclic compounds containing five-membered rings having two oxygen atoms as the only ring hetero atoms having the hetero atoms in positions 1 and 3 not condensed with other rings with only hydrogen atoms or radicals containing only hydrogen and carbon atoms, directly attached to ring carbon atoms
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D317/00Heterocyclic compounds containing five-membered rings having two oxygen atoms as the only ring hetero atoms
    • C07D317/08Heterocyclic compounds containing five-membered rings having two oxygen atoms as the only ring hetero atoms having the hetero atoms in positions 1 and 3
    • C07D317/10Heterocyclic compounds containing five-membered rings having two oxygen atoms as the only ring hetero atoms having the hetero atoms in positions 1 and 3 not condensed with other rings
    • C07D317/14Heterocyclic compounds containing five-membered rings having two oxygen atoms as the only ring hetero atoms having the hetero atoms in positions 1 and 3 not condensed with other rings with substituted hydrocarbon radicals attached to ring carbon atoms
    • C07D317/30Radicals substituted by carbon atoms having three bonds to hetero atoms with at the most one bond to halogen, e.g. ester or nitrile radicals
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D317/00Heterocyclic compounds containing five-membered rings having two oxygen atoms as the only ring hetero atoms
    • C07D317/08Heterocyclic compounds containing five-membered rings having two oxygen atoms as the only ring hetero atoms having the hetero atoms in positions 1 and 3
    • C07D317/10Heterocyclic compounds containing five-membered rings having two oxygen atoms as the only ring hetero atoms having the hetero atoms in positions 1 and 3 not condensed with other rings
    • C07D317/14Heterocyclic compounds containing five-membered rings having two oxygen atoms as the only ring hetero atoms having the hetero atoms in positions 1 and 3 not condensed with other rings with substituted hydrocarbon radicals attached to ring carbon atoms
    • C07D317/18Radicals substituted by singly bound oxygen or sulfur atoms
    • C07D317/24Radicals substituted by singly bound oxygen or sulfur atoms esterified
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/582Recycling of unreacted starting or intermediate materials

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
  • Medicinal Preparation (AREA)

Description

関連出願の相互参照
本出願は、全内容が参照により本明細書に組み込まれる、2010年8月3日出願の米国仮特許出願第61/370365号に対する優先権を主張するものである。
本開示は、セミアルデヒド、ケト酸、およびそれらのエステルとのアルコールの酸触媒反応によるアセタールおよびケタールの調製方法に関する。
セミアルデヒド、ケト酸およびそれらのエステルは、カルボン酸基またはカルボン酸エステル基に加えて、それぞれ、アルデヒド基またはケト基を含む。ジオールのセミアルデヒドのアルデヒドとの反応では、アセタールが形成され、ケト酸のケト基との反応ではケタールが形成される。1,2ヒドロキシル基立体配置を有するジオール(1,2−エタンジオール(エチレングリコール)など)はジオキソランを形成し、1,3ヒドロキシル基立体配置を有するジオール(1,3−プロパンジオール(プロピレングリコール)など)はジオキサン基を形成する。ポリオールのヒドロキシル基の少なくとも2個が1,2または1,3配置にあるときには、高分子ポリオールも含めて、トリオールやテトラオールなどのより高次のポリオールを使って、環状ケタールを形成することもできる。
アセタール化およびケタール化は、一般に、酸触媒、例えば、硫酸、塩酸、リン酸、p−トルエンスルホン酸などの均一系プロトン酸触媒の存在下で実施される。
アセタール化およびケタール化のための多種多様な方法が報告されているが、特に大規模な産生に関しては、課題が数多く残っている。例えば、アセタール化およびケタール化に関連する課題の1つは、カルボン酸またはエステルのオキソ基ではなく、アルデヒド基またはケト基との選択反応、すなわち、エステル化およびエステル交換であり、これは酸触媒の存在下でも起こる。大規模な場合は特に、エステル交換産生物またはその他の副産物がほとんど存在しない、高純度の産生物を得ることは困難である。
したがって、エステル化またはエステル交換反応よりも、アセタール化またはケタール化に対して高い選択性を有するアセタールおよびケタールの製造方法の必要が当業では存在し続けている。高い収率で、純度の高い所望の産生物、すなわち、他の副産物または混入原料のない産生物を生じさせる方法がさらに必要とされ続けている。色度の極めて低い(of very low color)産生物、特に経時的な色の安定性を有する産生物を産生することができれば、さらに望ましい。経時的な貯蔵性が良好な産生物を産生することができればさらに望ましい。このような方法が費用効果が高く、大規模な製造に適するものであれば、さらに都合が良い。
本明細書では、レブリン酸エチルのグリセロールケタールの製造方法であって、レブリン酸エチルのグリセロールケタールを含む産生物を産生する反応条件下で、反応器内でグリセロールをレブリン酸エチルおよび触媒と接触させること;分別した原料を産生物から分離する分別条件下で、産生物が含有するグリセロールの量が1000パーツ・パー・ミリオン未満になるまで、産生物を分別すること;分別した原料を反応器に戻して再循環すること;および蒸留条件下で産生物を蒸留することを含み、得られる産生物がレブリン酸エチルのグリセロールケタールおよび約2重量%以下の混入原料を含み;その混入原料が、グリセロール、酸種、レブリン酸エチル、水またはレブリン酸エチルのグリセロールケタールの分子量の少なくとも1.5倍の分子量を有する高分子量副産物の1つまたは複数を含んでいることを特徴とする、レブリン酸エチルのグリセロールケタールの製造方法が公開される。
本明細書では、レブリン酸エチルのグリセロールケタールの製造方法であって、レブリン酸エチルのグリセロールケタールを含む産生物を産生する第1の反応条件のセットの下で、第1の反応器内で、グリセロール、レブリン酸エチル、およびカンファースルホン酸を接触させること;第1の反応器からの産生物を第1の反応器の下流に位置する第2の反応器に連続的に送って、産生物を第2の反応条件のセットに供すること;第2の反応器からの産生物を第2の反応器の下流に位置する第3の反応器に連続的に送って、産生物を第3の反応条件のセットに供すること;その後、産生物が含有するグリセロールの量がGC−FIDの測定で1000ppm未満になるまで、分別した原料を産生物から分離する分別条件のセットの下で、産生物を分別すること;および蒸留条件のセットの下で産生物を蒸留塔で蒸留することを含み、得られる産生物が、レブリン酸エチルのグリセロールケタールおよび約2重量%以下の混入原料を含み;その混入原料がグリセロール、酸種、レブリン酸エチル、水またはレブリン酸エチルのグリセロールケタールの分子量の少なくとも1.5倍の分子量を有する高分子量副産物の1つまたは複数を含んでいることを特徴とする方法も公開されている。
本明細書では、レブリン酸エチルのプロピレングリコールケタールの製造方法であって、レブリン酸エチルのプロピレングリコールケタールを含む産生物を産生する反応条件下で、反応器内で、プロピレングリコールをレブリン酸エチルおよび均一酸触媒と接触させること;その後、産生物が含有するレブリン酸エチルの量が1000ppm未満になるまで、分別した原料を産生物から分離する分別条件下で、産生物を分別すること;分別した原料を反応器に戻して再循環させること;および産生物を蒸留条件下で蒸留することを含み、得られる産生物がレブリン酸エチルのプロピレングリコールケタールおよび2重量%以下の混入原料を含み;その混入原料がプロピレングリコール、酸、レブリン酸エチル、水またはレブリン酸エチルのプロピレングリコールケタールの分子量の少なくとも1.1倍の分子量を有する高分子量副産物の1つまたは複数を含んでいることを特徴とする方法も公開されている。
本明細書では、レブリン酸エチルのプロピレングリコールケタールを製造する方法であって、レブリン酸エチルのプロピレングリコールケタールを含む産生物を産生する第1の反応条件のセットの下で第1の反応器内で、プロプレングリコールをレブリン酸エチルおよびカンファースルホン酸と接触させること;第1の反応器からの産生物を第1の反応器の下流に位置する第2の反応器に連続的に送って、産生物を第2の反応条件のセットに供すること;第2の反応器からの産生物を第2の反応器の下流に位置する第3の反応器に連続的に送って、産生物を第3の反応条件のセットに供すること;その後、産生物が含有するレブリン酸エチルの量がGC−FIDの測定で1000ppm未満になるまで、分別した原料を産生物から分離する分別条件のセットの下で、産生物を分別すること;および産生物を蒸留条件のセットの下で蒸留塔で蒸留することを含み、得られる産生物がレブリン酸エチルのプロピレングリコールケタールおよび約2重量%以下の混入原料を含み;プロピレングリコール、酸、レブリン酸エチル、水、またはレブリン酸エチルのプロピレングリコールケタールの分子量の少なくとも1.1倍の分子量を有する高分子量産生物の1つまたは複数を含んでいることを特徴とする方法も公開されている。
本明細書では、構造(6)を有するケタールを含む組成物も公開されている:
Figure 0005886856
式中、R、R、R、およびRは、それぞれ独立に、水素、C1〜12アルキル、C3〜6シクロアルキル、C1〜12アルケニル、C6〜12アリール、C7〜13アリールアルキル、またはC7〜13アルキルアリールであり、bは1〜4であり、RはC1〜12アルキル、C3〜6シクロアルキル、C2〜12アルケニル、C2〜12アルキニル、C6〜12アリール、C7〜13アリールアルキル、またはC7〜13アルキルアリールであり、これらのそれぞれは任意で、1つまたは複数の付加ヒドロキシル基で置換されてもよく、R、R、R10、およびR11は、独立に水素、C1〜12アルキル、C1〜12ヒドロキシアルキレン、最大6個のヒドロキシ基で置換されるC1〜12アルキル、C3〜6シクロアルキル、C2〜5ヘテロシクロアルキル、C1〜12アルケニル、C1〜12ヒドロキシアルケニル、C6〜12アリール、C7〜13アリールアルキル、またはC7〜13アルキルアリールであり、RおよびRは、それぞれ独立に、水素、ヒドロキシル、C1〜12アルキル、C1〜12ヒドロキシアルキル、C3〜6シクロアルキル、C1〜12アルケニル、C1〜12ヒドロキシアルケニレン、C6〜12アリール、C7〜13アリールアルキル、またはC7〜13アルキルアリールであり、cは0〜1であり、組成物は約2重量%以下の混入物を含み;その混入物は、グリセロール、酸、レブリン酸エチル、水、またはケタール付加物の分子量の少なくとも1.1倍の分子量を有する高分子量副産物の1つまたは複数を含んでいる。
上述の実施形態およびその他の実施形態については、以下の図面および詳細説明でさらに記述する。
以下の図は代表的な実施形態であり、類似の要素には同じ番号が付与されている。
アセタールまたはケタールを産生するために使われる代表的な工程の概略図である。 アセタールまたはケタールを産生するために使われる代表的な工程のもう1つの概略図である。 アセタールまたはケタールを産生するために使われる代表的な工程のもう1つの概略図である。
本発明の発明者らは、アセタールおよびケタールを産生するために、セミアルデヒドおよびケト酸をアルコール、特にポリオールと選択的に酸触媒反応させるための改善方法を発見した。これらの方法は、収率を犠牲にすることなく、安定性の向上を示す、より純度の高い原料を産生する。
本明細書に開示するのは、向上した熱安定性、低色、高い保色性または色の安定性、および向上した加水分解安定性および貯蔵性を有するケタールおよびアセタールを製造するための工程である。この工程は、酸触媒およびより高い分子量の縮合物を有する副産物を工程から除去しながら、セミアルデヒド、ケト酸またはエステルおよびポリオールを再循環することを伴う多段工程でセミアルデヒド、ケト酸またはそれらのエステルをアルコール、好ましくはポリオールと反応させることを伴う。
代表的な実施形態では、この工程はそれぞれ、レブリン酸エチルのグリセロールケタールまたはレブリン酸エチルのプロピレングリコールケタールを含む反応産生物を産生するための効率的な反応条件の下、単一または多段反応器で、グリセロールまたはプロピレングリコールのいずれかと過剰なレブリン酸エチルとの反応を触媒する酸を必要とする。
反応産生物は、レブリン酸エチルだけでなく、レブリン酸エチルのそれぞれのケタール、ならびにポリオール、酸触媒およびより高い分子量の縮合物を含む。代表的な実施形態では、過剰なレブリン酸エチルの気化は反応セクションまたは工程セットアップの分別セクションで実行される。工程セットアップについては、以下で詳述する図1、2および3に詳細を示す。99重量%を超える未反応のレブリン酸エチルおよびポリオールが分別により、反応産生物から除去される。次に産生物は蒸留され、混在物の含有量が2重量%未満のレブリン酸エチル組成物のグリセロールケタールまたはレブリン酸エチル組成物のプロピレングリコールケタールを産生する。
混入物としては、反応物そのもの、酸触媒、硫黄含有種、水および/またはアルコールなどの副産物、ならびに高分子量種(時には、「重分子(heavies)」と呼ばれることもあり、二量体、三量体、四量体またはオリゴマーを含む)が挙げられる。混入物には、カルボン酸型種、例えば、レブリン酸のグリセロールまたはプロピレングリコールケタール、レブリン酸、酢酸、ギ酸、コハク酸、または他の任意の塩基の滴定酸(base-titratable acid)種も含まれる。
レブリン酸エチル組成物のグリセロールケタールまたはレブリン酸エチル組成物のプロピレングリコールケタールは、ほぼ純粋であり、上述した混入物など、含有する混入物の不純物濃度が2重量%を超える組成物に比べて、向上した経時的な化学的安定性、低色、向上した経時的色安定性、および向上した加水分解安定性を示す。
1つの実施形態において、レブリン酸エチル組成物のグリセロールケタールまたはレブリン酸エチル組成物のプロピレングリコールケタールが含有する混入物の量は1重量%未満であり、含有する不純物濃度が1重量%を超える組成物に比べて、向上した経時的な化学的安定性、低色、向上した経時的色安定性、および向上した加水分解安定性を示す。
1つの実施形態において、レブリン酸エチル組成物のグリセロールケタールまたはレブリン酸エチル組成物のプロピレングリコールケタールが含有する混入物の量は0.5重量%未満であり、含有する不純物濃度が0.5重量%を超える組成物に比べて、向上した経時的な化学的安定性、低色、向上した経時的色安定性、および向上した加水分解安定性を示す。
本明細書では、水1000ppm未満、酸10ppm未満、グリセロール約10,000ppm以下、レブリン酸エチルのグリセロールケタールの単量体同士の反応から得た二量体約0.5重量%以下、レブリン酸エチルのグリセロールケタールとレブリン酸エチルとの反応から得たアルドール縮合物約0.5重量%以下、レブリン酸エチルのグリセロールケタールとレブリン酸エチルとの反応から得た二量体約0.25重量%以下、レブリン酸エチルのグリセロールケタールとレブリン酸エチルの二量体産生物とのアルドール縮合から得た三量体約0.1重量%以下、レブリン酸エチルのグリセロールケタールの二量体とレブリン酸エチルとの反応から得た三量体約0.10重量%以下を有利に含むレブリン酸エチル組成物のグリセロールケタールも公開される。不純物濃度が低いことにより、レブリン酸エチル組成物のグリセロールケタールは、保存可能期間が延長し、その期間、経時的な化学的安定性、低色、経時的な色の安定性および向上した加水分解安定性を示す。
レブリン酸エチル組成物のグリセロールケタールは、ASTM D
664により測定したとき、(総酸に対して)酸価が約0.3以下、 厳密には、約0.2以下、厳密には、約0.1以下、より厳密には、0.05以下であることが望ましい。ASTM D 664により決定される酸価は、試料1グラム当たりの水酸化カリウム(KOH)のミリグラム(mg)数で与えられる。
酸の例は、レブリン酸のグリセロールケタール、ギ酸、酢酸、レブリン酸、およびレブリン酸のプロピレングリコールケタールなどの強酸またはカルボン酸である。
本明細書では、水1000ppm未満、酸10ppm未満、プロピレングリコール約10,000ppm以下、レブリン酸エチルのプロピレングリコールケタールとプロピレングリコールとの反応から得た二量体約0.5重量%以下、レブリン酸エチルのプロピレングリコールケタールとレブリン酸エチルとの反応から得たアルドール二量体約0.25重量%以下、レブリン酸エチルのプロピレングリコールケタール2モルとプロピレングリコール1モルとの反応から得た二量体約0.25重量%以下を有利に含むレブリン酸エチル組成物のプロピレングリコールケタールも公開されている。不純物濃度が低いことにより、レブリン酸エチル組成物のプロピレングリコールケタールは、保存可能期間が延長し、その期間、経時的な化学的安定性、低色、経時的な色の安定性および向上した加水分解安定性を示す。
レブリン酸エチル組成物のプロピレングリコールケタールは、ASTM D
664により測定したとき、(総酸に対して)酸価が約0.3以下、厳密には、約0.2以下、厳密には、約0.1以下、より厳密には、0.05以下であることが望ましい。ASTM D
664により決定される酸価は、試料1グラム当たりの水酸化カリウム(KOH)のミリグラム(mg)数で与えられる。酸の例は上に列挙されている。
上述したように、セミアルデヒドまたはケト酸は、アルコール、特にポリオールと反応し、アセタールまたはケタールを産生する。セミアルデヒドまたはケト酸は、式(1)の形式を有する:
Figure 0005886856
式中、R、R、R、およびRは、それぞれ独立に水素、C1〜18アルキル、C3〜10シクロアルキル、C1〜18アルケニル、C6〜18アリール、C7〜19アリールアルキル、またはC7〜19アルキルアリールであり、bは0〜6である。
ある実施形態では、R、R、R、およびRは、それぞれ独立に、水素、C1〜12アルキル、C3〜6シクロアルキル、C1〜12アルケニル、C6〜12アリール、C7〜13アリールアルキル、またはC7〜13アルキルアリールであり、bは1〜4である。より厳密には、R、R、R、およびRは、それぞれ独立に、水素、C1〜6アルキル、C1〜6アルケニル、C6〜12アリール、C7〜10アリールアルキル、またはC7〜10アルキルアリールであり、bは0〜6である。さらにより厳密には、Rは水素、C1〜6アルキル、C1〜6アルケニル、C6〜12アリール、C7〜10アリールアルキル、またはC7〜10アルキルアリールであり、RおよびRは、それぞれ独立に、水素またはC1〜3アルキル、RはC1〜6アルキル、C1〜6アルケニル、C6〜12アリール、C7〜10アリールアルキル、またはC7〜10アルキルアリールであり、bは0〜4である。さらにより厳密には、Rは水素またはC1〜6アルキルであり、
およびRは、それぞれ独立に、水素またはC1〜3アルキルであり、RはC1〜3アルキルであり、bは0〜3である。
式(1)のセミアルデヒドは、アルデヒド基(式中、Rは水素である)およびカルボン酸基を有し;セミアルデヒドの具体的な例としては、4−オキソブタン酸、5−オキソペンタン酸、6−オキソヘキサン酸、7−オキソヘプタン酸、3−オキソプロパン酸、2−メチル−3−オキソプロパン酸、コハク酸セミアルデヒド、およびアジポセミアルデヒドが挙げられる。具体的なエステル基(式(1)のR)には、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、およびヘキシルが含まれる。
式(1)のケト酸はケトン基(式中、Rは水素ではない)およびカルボン酸基を有する;具体的なケト酸としては、ピルビン酸、アセト酢酸、レブリン酸、4−ケトブタン酸、5−ケトヘキサン酸、3−ケトアジピンサン、4−アセチル酪酸、2−フェニルピルビン酸、2−ケト−3−フェニルプロピオン酸、2−ケトペンタン酸、3−ケトヘキサン酸, 4-ケトヘキサン酸、2−ケトオクタン酸、3−ケトオクタン酸、4−ケトオクタン酸、
7−ケトオクタン酸、2−ケト−4−ペンテン酸、4−ケトステアリン酸、9−ケトパルミチン酸、4−ケトヘプタン二酸、2−オキソ−3−ブチノアート、2−ケトアジピンサン、3−ケトアジピンサン、およびこれらのエステルが挙げられる。具体的なエステル基(式(1)のR)には、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、およびヘキシルが含まれる。
特定の実施形態において、式(1)のセミアルデヒドまたはケト酸は、レブリン酸(4−オキソペンタン酸)またはそのエステルであり、Rは水素またはC1〜6アルキル、RおよびRはそれぞれ水素であり、Rはメチルであり、bは2である。代表的な実施形態では、式(1)のセミアルデヒドまたはケト酸はレブリン酸エチルである。
アルコールは式(2)のアルコール、式(3)のポリオール、または式(4)の高分子ポリオールとすることができる:
Figure 0005886856
式(2)において、RはC1〜12アルキル、C3〜6シクロアルキル、C2〜12アルケニル、C2〜12アルキニル、C6〜12アリール、C7〜13アリールアルキル、またはC7〜13アルキルアリールであり、この各々は任意で、1つまたは複数の付加ヒドロキシル基で置換することができる。特定の実施形態において、RはC1〜6アルキル、C1〜6アルケニル、C6〜12アリール、C7〜10アリールアルキル、またはC7〜10アルキルアリールである。さらにより厳密には、RはC1〜3アルキルである。式(2)のモノールの具体的な例としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、1−ペンタノール、1−ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチニルアルコール、3−メチルペント−1−イン−3−オール、
テトラデカ−9−イノール、フェノール、ベンジルアルコール、トルオール、およびキシリルアルコールが挙げられる。
上述したように、Rは任意で、1つまたは複数のヒドロキシル基と置換することができる。これらの化合物では、アルコールはセミアルデヒド、ケト酸、セミアルデヒド、またはこれらのエステルと環状ケタールを形成しない。このようなポリオールは、化合物の2モルが反応して、アセタール基またはケタール基を作り出すように、単官能アルコールとして反応する。環状ケタールまたはアセタールを形成しない式(2)の化合物の具体的な例としては、1,4−ブテンジオール、ジエチレングリコール ((HOCHCHO)、キシリレングリコール、2−ブチン−1,4−ジオール、3−ヘキシン−3,5−ジオール(SURFYNOL(登録商標)82、ペンシルバニア州アレンタウンのAir Productsから市販されている)およびペンシルバニア州アレンタウンのAir ProductsからSURFYNOL(登録商標)の商標で市販されているその他のアルキンをベースとするポリオール産生物が挙げられる。
式(3)のポリオールには、少なくとも2つのアルコール基が存在し、R
、R10、およびR11は、それぞれ独立に、水素、C1〜12アルキル、C1〜12ヒドロキシアルキレン、最大6個のヒドロキシ基で置換されるC1〜12アルキル、C3〜6シクロアルキル、C2〜5ヘテロシクロアルキル、C1〜12アルケニル、C1〜12ヒドロキシアルケニル、C6〜12アリール、C7〜13
アリールアルキル、またはC7〜13アルキルアリールであり、RおよびRは、それぞれ独立に、水素、ヒドロキシル、
C1〜12アルキル、C1〜12ヒドロキシアルキル、C3〜6シクロアルキル、C1〜12アルケニル、C1〜12ヒドロキシアルケニレン、C6〜12アリール、C7〜13アリールアルキル、またはC7〜13アルキルアリールであり、cは0〜1である。特定の実施形態において、R、R、R10、およびR11は、それぞれ独立に、水素、C1〜6アルキル、C1〜6ヒドロキシアルキレン、C1〜6アルケニル、C6〜12アリール、C7〜10アリールアルキル、またはC7〜10アルキルアリールであり、RおよびRは、それぞれ独立に、水素、ヒドロキシル、C1〜6アルキル、C1〜6ヒドロキシアルキレン、C1〜6アルケニル、C6〜12アリール、C7〜10アリールアルキル、またはC7〜10アルキルアリールであり、cは0〜1である。さらにより厳密には、R、R、R10、およびR11は、それぞれ独立に、水素、C1〜3アルキル、またはC1〜3ヒドロキシアルキレンであり、RおよびRは、それぞれ独立に、水素、C1〜4アルキル、またはC1〜3ヒドロキシアルキルアルキレンであり、cは0〜1である。
式(3)のポリオールの具体的な例としては、1,2−エタンジオール(エチレングリコール)、1,2−プロパンジオール(プロピレングリコール)、1,3−プロパンジオール、1,2,3−プロパントリオール(グリセロール)、ジグリセロール(一級および二級ヒドロキシル基の位置で結合したグリセロール二量体の混合物)、2,2−
ジメチル−1,3−プロパンジオール(ネオペンチルグリコール)、1,1,1−トリメチロールプロパン、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、ペンタエリスリトール、シクロヘキサン−1,2−ジオール、1,4−ジオキサン−2,3−ジオール、1,2,3−ブタントリオール、1,3,4−ブタントリオール、1,2,3−ヘプタントリオール、4−メンタン−1,7,8−トリオール、3−ブテン−1,2−ジオール、インダン−1,2−ジオール、ならびにマンニトール、ソルビトール、キシリトール、トレイトール、エリスロール、エリトリトール、マルチトール、ラクチトール、ラフィノース、およびスタキオースも含む、ペントースおよびヘキソースの糖アルコール;ペンタエリスリトール誘導体およびオハイオ州トレドのPerstorp Polyols, Inc.によりCHARMOR(登録商標)の商標で販売されているものなど、その他の多価アルコール誘導体が挙げられる。
式(3)のポリオールの特定の実施形態において、RおよびRは、それぞれ、水素であり、R10は水素、メチル、エチル、またはヒドロキシメチレンであり、R11はメチル、−CHOH, −CH(OH)CHOH、または−(CH(OH))CHOHであり、cは0である。式(3)のもう1つの特定の実施形態において、R、R、およびR10は、それぞれ、水素であり、R11はメチル、−CHOH、−CH(OH)CHOH、または−(CH(OH))CHOHであり、cは0である。あるいは、RおよびRは、それぞれ水素であり、R10はメチルまたはエチルであり、R11はCHOHであり、cは0である。
代表的な実施形態では、式(3)のポリオールはプロピレングリコールであり、別の実施形態では、式(3)のポリオールはグリセロールである。
式(4)の高分子ポリオールにおいて、dは0〜500、厳密には、0〜250、より厳密には、0〜100、さらにより厳密には、10〜50または0〜10である。高分子ポリオールには、
反復単位の全部または一部にヒドロキシル基.を含むことのできる反復単位、例えば、3から1,000の反復単位がある。いくつかの実施形態では、ヒドロキシル基は末端基としてのみ存在する。そのような高分子ポリオールとしては、
ポリビニルアルコールおよびこのコポリマー、ミシガン州ミッドランドのDow(登録商標)Companyから市販されているCARBOWAX(登録商標)ポリエチレングリコールなど、エチレングリコールをベースとするポリエーテルポリオール;プロピレングリコールまたはエチレングリコールとプロピレングリコールとの組合せをベースとするポリエーテルジオールおよびポリオール、例えば、ミシガン州ミッドランドのDow(登録商標)Companyから市販されているものなど、ならびにカンザス州ウィチタのINVISTA(商標)Companyにより、TERETHANE(登録商標)の商品名で製造されているものなどのポリエーテルグリコール;樹枝状ポリオール、例えば、オハイオ州トレドのPerstorp Polyols, Inc.からBOLTORN(登録商標)という商標で販売されているもの;旭化成株式会社(日本、東京)から市販されているL467m、L600m、およびL565mなどの様々な分子量のポリカーボネートジオール;ヒドロキシル化植物油をベースとするポリオール、
例えば、ミネソタ州ウェイザータのCargill Companyから市販されている商品名BiOH(登録商標)の下で販売されているものなど;ヒドロキシル末端ポリブタジエン、例えば、カリフォルニア州サン・ホセのAerocon Systemsから販売されているHTPB R45Mなど;ペンシルバニア州メディアのEverchem Companyまたはマレーシア国Selango Darul Ehsan, Kajangの
Maskimi Polyol Sdn. Bhd.により製造されているポリオール、およびCarey,M.A.らによるUnion Carbide Company(ウェストバージニア州サウス・チャールストン)刊行物、「Rapid Method for Measuring the Hydroxyl Content of Polyurethane Polyols」(インターネット上のhttp://www.polyurethane.org/s api/doc_paper.asp7CID=1044&DID~
4060で公開されている)で使用されているポリオールが挙げられる。
式(2)のモノールまたは式(3)のポリオールによるアセタール化では、それぞれ、式(5)のアセタール付加物または式(6)のケタール付加物を生じる:
Figure 0005886856
式中、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11のそれぞれとbおよびcは上述の定義と同様である。
特定の実施形態において、式(5)のアセタールでは、Rは水素、C1〜6アルキル、C1〜6アルケニル、C6〜12アリール、C7〜10アリールアルキル、またはC7〜10アルキルアリールであり、RおよびRは、それぞれ独立に、水素またはC1〜3アルキルであり、Rは水素であり、bは1〜4であり、RおよびRは、それぞれ独立に、メチル、エチル、または−CHOHである。
特定の実施形態において、式(6)のケタールにおいて、Rは水素であり、C1〜6アルキル、C1〜6アルケニル、C6〜12アリール、C7〜10アリールアルキル、またはC7〜10アルキルアリールであり、RおよびRは、それぞれ独立に、水素またはC1〜3アルキルであり、RはC1〜6アルキル、C1〜6アルケニル、C6〜12アリール、C7〜10アリールアルキル、またはC7〜10アルキルアリールであり、bは1〜4であり、RおよびRは、それぞれ独立に水素であり、R10は水素、メチル、エチル、またはヒドロキシメチレンであり、R11はメチル、−CH2OH、−CH(OH)CHOH、−(CH(OH))CHOHであり、cは0である。
式(6)のもう1つの特定の実施形態において、Rは水素またはC1〜3アルキル、RおよびRは、それぞれ独立に、水素またはC1〜3アルキル、RはC1〜3アルキル、およびbは1〜3である。R、RおよびR10は水素であり、R11はメチル、−CHOH、−CH(OH)CHOH、または−(CH(OH))CHOHであり、cは0である;または、代わりに、RおよびRは、それぞれ水素であり、R10はメチルまたはエチルであり、R11はCHOHであり、cは0である。
さらにより厳密には、式(6)のケタール付加物は、式(6a)を有するレブリン酸エステルのプロピレングリコール付加物、または式(6b)を有するレブリン酸エステルの1,2−プロパンジオール付加物である:
Figure 0005886856
式中、Rは各々上述の定義と同様であり、厳密には、C1〜6アルキル、より厳密には、エチルまたはブチルである。Rがエチルで、Rが水素である式6(a)はレブリン酸エチルのグリセロールケタールであり、Rがエチルである式6(b)はレブリン酸エチルのプロピレングリコールケタールである。
式(1)のセミアルデヒドまたはケト酸が式(4)の高分子ポリオールと反応すると、それぞれアセタール付加物またはケタール付加物も生じる。ポリマー鎖の1,2位または1,3位にヒドロキシルの1対または複数の対が存在しない構成の式(4)の高分子ポリオールの場合、高分子ポリオール上に存在する2つのヒドロキシル基とケト酸、セミアルデヒドまたはこれらのエステルとの分子内反応によって、環状ケタールが形成されることが統計的に可能である。しかし、このような反応の主要産生物は、実施形態において、ポリオールのこのような分子内反応の結果にはならない。
1つの実施形態では、ケタールまたはアセタールを製造するために、セミアルデヒド、ケト酸またはこれらのエステルは、反応混合物中で、アルコールと比較して過剰に存在することが好ましい。セミアルデヒド、ケト酸またはこれらのエステルが過剰に存在することにより、
ケタールまたはアセタールへの変換が促進される。1つの実施形態では、セミアルデヒド、ケト酸またはエステルのアルコールに対するモル比は、約1.5:1以上、厳密には、約2:1以上、より厳密には、3:1以上、さらにより厳密には、約5:1以上である。1つの実施形態では、セミアルデヒド、ケト酸またはエステルのアルコールに対するモル比は、約1:2以下、厳密には、約1:3以下、より厳密には、約1:5以下である。過剰なセミアルデヒド、ケト酸またはこれらのエステルは変換を促進するが、セミアルデヒド、ケト酸またはエステルは混入物でもあるため、産生物から除去する必要がある。1つの実施形態では、レブリン酸エチルをグリセロールと反応させるとき、レブリン酸エチルは、グリセロールと比較して化学量論的に過剰に添加される。もう1つの実施形態では、レブリン酸エチルをプロピレングリコールと反応させるとき、レブリン酸エチルは、プロピレングリコールと比較して化学量論的に過剰に添加される。
アセタール化またはケタール化は酸触媒の存在下で進められ、この酸触媒はルイス酸またはブレンステッド−ローリー酸とすることができる。アセタールもしくはケタールの形成、またはエステル化またはエステル交換の反応のいずれかのための既知の均一触媒である酸触媒、例えば、強プロトン酸触媒、例えば、Kaが55以上のブレンステッド−ローリー酸を使用することができる。強酸触媒の例としては、硫酸、アリールスルホン酸、およびこれらの水和物、例えば、p−トルエンスルホン酸一水和物、メタンスルホン酸、カンファースルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、過塩素酸、臭化水素酸、および塩酸などが挙げられる。他の実施形態では、弱プロトン酸触媒、例えば、Kaが55未満のもの、例えば、リン酸、オルトリン酸、ポリリン酸、およびスルファミン酸を使用することができる。非プロトン性(ルイス酸)触媒は、例えば、四塩化チタン、三塩化アルミニウム、および三フッ化ホウ素を含むことができる。前記の酸触媒の任意の1つまたは複数を含む組合せを使用することができる。いくつかの実施形態では、本方法は、硫酸またはスルファミン酸などの蒸留物に移さないようにするために、実質的に不揮発な酸触媒を用いる。代表的な実施形態では、均一触媒はカンファースルホン酸である。
均一酸触媒の代わりまたは均一酸触媒に加えて、不均一酸触媒を使用することもでき、そこで、酸触媒は、樹脂ビーズ、膜、多孔質炭素粒子、ゼオライト材料、およびその他の固体支持体などの固体支持体の中もしくは上に組み込まれるか、または共有結合される。市販の樹脂を原料とする酸触媒の多くは、イオン交換樹脂として販売されている。有用なイオン交換樹脂の1つの種類は、スルホン化ポリスチレン/ジビニルベンゼン樹脂であり、これは活性のスルホン酸基を供給する。その他の市販のイオン交換樹脂としては、ペンシルバニア州ピッツバーグのLanxess
Companyが販売しているLEWATIT(登録商標)イオン交換樹脂;ミシガン州ミッドランドのDow Companyから販売されているDOWEX(商標)イオン交換樹脂;
ならびにペンシルバニア州フィラデルフィアのRohm and Haas Companyから販売されているAMBERLITE(登録商標)およびAMBERLYST(登録商標)イオン交換樹脂. 実施形態では、AMBERLYST(登録商標)15、Nafion(登録商標)NR50およびSAC(登録商標)13樹脂も、不均一触媒として使用することができる。これらの実施形態では、樹脂をベースとする触媒は水で洗浄され、それに続いて、メタノールまたはエタノールなどのアルコールで洗浄された後、使用前に乾燥される。代わりに、樹脂はそれを初めて使用する前に洗浄しないこともある。使用の際、不均一触媒は反応混合物に添加され、それにより、反応を触媒するための酸プロトンの不揮発源を供給する。不均一触媒は塔または層に充填することができ、反応はそれらの中で進行する。試薬が塔から溶出するにつれて、反応が触媒され、溶出した産生物から酸が除去されていく。他の実施形態では、不均一触媒は試薬を入れたポットの中でスラリー化され、反応が進行し、生じる反応産生物は樹脂から直接、濾過または蒸留され、酸を含まない原料が残される。
酸触媒の量は、反応物の合計重量に対して、約2から10,000
パーツ・パー・ミリオン(ppm)、厳密には、約10から約5,000ppm、厳密には、約15から1,000ppm、さらに厳密には、約20から約600ppmである。この場合、反応物は、式(3)のポリオールと式(1)のセミアルデヒド、ケト酸、またはこれらのエステルの合計である。
カンファースルホン酸を酸触媒として使って、ケタールまたはアセタールを産生するとき、反応物の合計重量に対して、約5から5,000パーツ・パー・ミリオン(ppm)の量、厳密には、約10から約1000ppm、厳密には、約15から約800ppm、より厳密には、約20から約500ppmの量で使用される。この場合、反応物は式(3)のポリオール、式(1)のセミアルデヒド、ケト酸、またはこれらのエステルの合計である。カンファースルホン酸種々の異性体を反応の触媒に使用してもよいこと、およびカンファースルホン酸種々の異性体のラセミ混合物も反応の触媒に使用してよいことに留意すべきである。
酸触媒は、セミアルデヒド、ケト酸、またはこれらのエステルおよびアルコールを含む反応混合物に直接、装填しても、あるいは代わりに、反応混合物に装填する前に、水または反応物の1つで希釈してもよい。酸触媒は、反応混合物に導入する前に、約0.01Nから約5.0N、厳密には、約0.1Nから約4N、さらに厳密には、約0.5Nから約3Nに希釈することができる。低濃度の酸触媒は、反応過程の全体を通して、反応混合物に連続的に添加しても、あるいは代わりに、反応混合物に単回通過で即座に添加してもよい。
1つの実施形態では、ケタールまたはアセタールを製造する1つの方法において、セミアルデヒド、ケト酸、またはケトエステルおよびアルコール(「反応物」としても知られる)は、触媒と一緒に、反応器に装填される。ケタールまたはアセタールを産生する反応は、バッチ反応器、連続反応器、または半連続反応器のいずれかで実施することができる。反応器は、加熱、冷却、攪拌、凝縮、真空、および蒸留の機能を備えていることが望ましい。
バッチ反応器の場合、反応物および触媒は反応器にバッチで装填され、産生物は、反応が80%を超える範囲まで完了した後、初めてバッチで反応器から抽出される。バッチ反応器は使用してよいが、バッチ反応器を使用するのは、低濃度の酸触媒を反応器に1回の装填で導入することにより、産生物を製造するときが望ましい。代表的なバッチ反応器は、ステンレス鋼、ガラス内張またはハステロイ型の反応器である。バッチ反応器の例は、連続攪拌槽型反応器である。反応器のもう1つの例は、再循環ループを備えた反応器である。バッチ反応器は、産生物のさらなる精製のために蒸留機能を備えていることが望ましい。
図1は、代表的なバッチ反応器系100を描写したものである。ここで図1に関して、ケタールまたはアセタールを製造するための代表的な系100は、任意の凝縮器122、分別器112、充填塔または充填層114、および汚水槽128と流体連結している第1の反応器102を含む。
1つの実施形態では、バッチ反応器系100でアセタールまたはケタールを製造する1つの方法において、反応物は第1の反応器102に装填される。反応器102では、レブリン酸エチルのグリセロールケタールまたはレブリン酸エチルのプロピレングリコールケタールを含む産生物を産生するのに有効な反応条件下で、反応器中、副産物として水を除去しながら、グリセロールまたはプロピレングリコールをレブリン酸エチルおよび酸触媒と接触させる。レブリン酸エチルのグリセロールケタールまたはレブリン酸エチルのプロピレングリコールケタールのどちらかおよび約2重量%以下の混入物を含む、産生物を結果として生じさせるのに有効な蒸留条件下で、レブリン酸エチルのグリセロールケタールを含む産生物またはレブリン酸エチルのプロピレングリコールケタールを蒸留塔122で蒸留させる;ただし、混入物はグリセロール、酸種、レブリン酸エチル、水、またはレブリン酸エチルのグリセロールケタールの分子量よりも少なくとも1.5倍の分子量を有する高分子量副産物を1つまたは複数含む。
生じる反応産生物は、任意で、産生物が含有するグリセロール、レブリン酸エチル、またはプロピレングリコールの量が1000パーツ・パー・ミリオン未満になるまで、産生物(重分子)から分別した原料(軽い原料)を分離する分別条件下で、蒸留塔(図示されていない)で分別されてもよい。軽い原料には、反応物および産生物よりも低い蒸気圧を有する反応産生物が含まれる。重分子には、反応物と産生物より大きいか、または等しい蒸気圧を有する反応産生物が含まれる。
レブリン酸エチルのグリセロールケタールを製造しているとき、分別後の反応産生物は、1000パーツ・パー・ミリオン未満のグリセロールを含み、レブリン酸エチルのプロピレングリコールケタールを製造している場合は、産生物は1000パーツ・パー・ミリオン未満のレブリン酸エチルを含む。
1つの実施形態では、産生物は汚水槽128に渡された後、汚水槽128の下流に堆積した層114を任意で通過する。この層は、一般に、酸種および触媒の不純物を産生物から除去することのできる無機塩、塩基、分子篩または緩衝剤を含む充填層である。この充填層は蒸留の前または後とすることができる。
レブリン酸エチルのグリセロールケタールを含む産生物は、約2重量%以下の混入物を含む;ここで、混入物はグリセロール、酸種、レブリン酸エチル、水、またはレブリン酸エチルのグリセロールケタールの分子量よりも少なくとも1.5倍の分子量を有する高分子量の副産物を1つまたは複数含む。レブリン酸エチルのプロピレングリコールケタールを含む産生物は、
約2重量%以下の混入物を含む;ここで、混入物はグリセロール、酸種、レブリン酸エチル、水、またはレブリン酸エチルのグリセロールケタールの分子量よりも少なくとも1.1倍の分子量を有する高分子量副産物を1つまたは複数含む。
図2は、代表的なバッチ反応器系100のもう1つの描写である。ここで図2を参照すると、ケタールまたはアセタールを製造するための代表的な系100は、第1の蒸留塔108、分別器112、(濾過)層114、第1の凝縮器116、および汚水槽128と流体連結している第1の反応器102を含む。第1の反応器102には、任意で凝縮器122が取り付けられており、第1の蒸留塔108には、凝縮器116が取り付けられている。
1つの実施形態では、バッチ反応器系100でアセタールまたはケタールを製造する1つの方法において、反応物は第1の反応器102に装填される。第1の反応器102では、レブリン酸エチルのグリセロールケタールまたはレブリン酸エチルのプロピレングリコールケタールを含む産生物を産生するのに有効な反応条件下で、副産物である水を除去しながら、反応器内で、グリセロールまたはプロピレングリコールは、レブリン酸エチルおよび酸触媒と接触させられる。生じる反応産生物は、
続いて、産生物が含有するグリセロール、レブリン酸エチル、またはプロピレングリコールの量が1000パーツ・パー・ミリオン未満になるまで、産生物から分別した原料を分離するための分別条件の下で、蒸留塔(108)で分別される。レブリン酸エチル、ポリオール、ならびにその他の蒸留した化合物および不純物を含む分別した原料を反応器に戻され、再循環される。レブリン酸エチルのグリセロールケタールを含む産生物は続いて、レブリン酸エチルのグリセロールケタールおよび約2重量%以下の混入物を含む産生物を結果として産生するために有効な蒸留条件下で、蒸留塔108の中で蒸留に供される;ここで、混入物はグリセロール、酸、レブリン酸エチル、水、またはレブリン酸エチルのグリセロールケタールの分子量よりも少なくとも1.5倍の分子量を有する高分子量副産物の1つまたは複数を含む。
エチルのプロピレングリコールケタールを含む産生物は、続いてレブリン酸エチルのプロピレングリコールケタールおよび約2重量%以下の混入物を含む産生物を結果として産生するために有効な蒸留条件下で、蒸留塔108の中で蒸留に供される;ここで、混入物は、グリセロール、酸、レブリン酸エチル、水、またはレブリン酸エチルのプロピレングリコールケタールの分子量よりも少なくとも1.1倍の分子量を有する高分子量副産物の1つまたは複数を含む。
1つの実施形態では、産生物は反応器102の下流および蒸留塔108の上流に堆積された層114を通過する。この層は、一般に、酸種を産生物から除去することのできる無機塩、塩基、分子篩または緩衝剤を含む充填層である。
図2を見て分かるように、第1の蒸留塔108には、凝縮器116が取り付けられている。第1の反応器102にも、水、ポリオール、およびレブリン酸エチルの蒸気を凝縮する凝縮器120が備わっている。凝縮器120からの蒸気は、次いで、分別器112に放出され、主に反応物(例えば、セミアルデヒド、ケト酸、またはこれらのエステル)を含む有機相を副産物(例えば、水)から分離される。反応物は一般に、第1の反応器102に再循環され、副産物は製造工程から抽出され、除去される。1つの実施形態では、反応混合物から水を除去するための蒸留、分子篩、高吸湿性原料、または何らかのその他の手段をこの工程で任意に使用することができる。
第1の凝縮器116からの蒸気も分離器112に放出され、主に反応物(例えば、セミアルデヒド、ケト酸、またはこれらのエステル)を含む有機相を副産物(例えば、水)から分離される。1つの実施形態では、「重分子種」(例えば、高分子量種、暗色種、および不要な酸触媒、カルボン酸化合物および触媒副産物)を除去するために、蒸留塔の底部はパージすることができる。生じる精製されたアセタールまたはケタールは、汚水槽128に除去される。
連続反応器系では、反応物が第1の反応器に装填され、反応物から産生物への変換は、約50%以上と測定され、第1の反応器からの産生物混合物の一部は、第2の反応器中の追加の完了工程に供され、同時に、追加の反応物および触媒は、第1の反応器に連続的に装填され、ケタールまたは
アセタールに変換される。連続反応器系は、一般に、直列または並列の複数の反応器を使用し、工程の様々な部分が異なる反応器で同時に実行されるようにする。
1つの実施形態では、反応器は、互いに並列または直接で流体連結している複数の反応器(例えば、多段反応器系)を含む。複数の反応器は、セミアルデヒド、ケト酸、またはこれらのエステルをアルコールと反応させること、反応物を再循環させること、および不要な副産物および不純物を除去し、安定性があり、長い貯蔵期間を有するケタールまたはアセタールを得られるようにするために使われる。1つの実施形態では、複数の反応器の一部を主に使って、ケタールまたはアセタールを製造し、複数の反応器の別の部分を主に使って、ケタールまたはアセタールから、良好な貯蔵安定性を有する安定な産生物の形成を阻害する恐れのある過剰反応物、残留触媒およびその他の副産物を除去する。
ここで図3を参照すると、ケタールまたはアセタールを製造するためのもう1つの代表的な系100は、複数の反応器、すなわち互いに流体連結している第1の反応器102、第2の反応器104、第3の反応器106、無機材料の充填層または充填塔、第1の蒸留塔108、および第2の蒸留塔110を含む。第1、第2および第3の反応器には、それぞれ、凝縮器122、124および126が取り付けられ、第1の蒸留塔108および第2の蒸留塔110にも、それぞれ、凝縮器116および118が取り付けられている。
図3の第3の反応器は最終反応器であるが、最終反応器は第1の反応器または第2の反応器であってもよい。さらに、望ましい場合は、第4、第5または第6の反応器であってもよい。言い換えれば、この系は、安定性があり、長い貯蔵期間を有する産生物を製造するために望ましい数の反応器を含むことができる。もう1つの実施形態では、3基以上の蒸留塔が存在してもよい。例えば、系100は3基、4基または5基の蒸留塔を使ってもよい。また、蒸留の前に、無機原料の充填層または充填塔が複数存在してもよい。充填層または充填塔は直列または並列で使用することができる。
言い換えれば、系100は互いに流体連結していて、直列または並列に配置することのできる「n」基の反応器を含む。1つの実施形態では、nは1から20までの整数であり、厳密には、2から10、より厳密には、3から6である。代表的な実施形態では、nは3である。この系はまた、「m」基の蒸留塔も含み、ここで、mは1から8の整数、厳密には、1から6、より厳密には、約2から約4とすることができる。代表的な実施形態では、蒸留塔の数は2である。1つの塔は、過剰なレブリン酸エチル、ポリオール、ならびにその他の蒸留可能な化合物および不純物を除去するのに使われ、もう一方の蒸留塔は、ケタール産生物を精製するのに使われる。ケタールの精製に使う蒸留塔の数は1、2またはさらに3またはそれ以上であってもよい。
1つの実施形態では、アルコール(例えば、グリセロールまたはプロピレングリコール)は、第1の反応器102内でレブリン酸のエステル(例えば、レブリン酸エチル)と酸触媒を反応させ、レブリン酸エチルのグリセロールケタール産生物またはレブリン酸エチルのプロピレングリコールケタール産生物を製造する。反応が進むにつれて、副産物である水は除去され、濃縮される。レブリン酸エチルのグリセロールケタール産生物またはレブリン酸エチルのプロピレングリコールケタール産生物は、それぞれ「レブリン酸エチルのグリセロールケタールを含む産生物」または「レブリン酸エチルのプロピレングリコールケタールを含む産生物」と同義的に使われる。
反応後、レブリン酸エチルのグリセロールケタール産生物またはレブリン酸エチルのプロピレングリコールケタール産生物には、除去する必要のある過剰な反応物(レブリン酸エチル、グリセロール、またはプロピレングリコール)、酸触媒、酸種、および高分子量種が含有されている。過剰な反応物、酸触媒、酸種、および高分子量種の除去は、第1および第2の蒸留塔で実施され、過剰な反応物、酸触媒および高分子量種の含有量が2重量%未満のレブリン酸エチル組成物のグリセロールケタールまたはレブリン酸エチル組成物のプロピレングリコールケタールを製造する。代表的な実施形態では、レブリン酸エチル組成物のグリセロールケタールまたはレブリン酸エチル組成物のプロピレングリコールケタールが含有する過剰な反応物、酸触媒および高分子量種の量は1重量%未満、より厳密には、0.5重量%未満である。レブリン酸エチル組成物のグリセロールケタールまたはレブリン酸エチル組成物のプロピレングリコールケタールを製造するとき、レブリン酸エチルは、一般に、グリセロールまたはプロピレングリコールと比較して、反応器に過剰に装填される。過剰なレブリン酸エチルは変換を推進するが、反応物としても働くので、したがって、第1の反応器102、第2の反応器104および第3の反応器106の後の過剰なレブリン酸エチルを除去し、それを第1の反応器102に再供給することが望ましい。代表的な実施形態では、過剰なレブリン酸エチルは第3の反応器106の後で除去され、第1の反応器102に再循環される。反応器は、水を除去することにより、グリセロールまたはプロピレングリコールとレブリン酸エチルとの反応を促進する働きをする。
1つの実施形態では、系100の反応器の1つは、連続攪拌槽型反応器である。ある実施形態では、系100は高分子量の不要な副産物(二量体、三量体、およびオリゴマーなどのより大きな単位)の除去を容易にできるようにするために、少なくとも1つの蒸留塔を含む。攪拌器を備えていない再循環反応器も使用することができる。.
本明細書で使用される場合、高分子量の副産物は、所望のアセタールまたはケタールの分子量より、少なくとも1.1倍、厳密には、少なくとも1.5倍、厳密には、1、8倍の分子量を有する、例えば、所望のケタールがレブリン酸エチルのグリセロールケタールである場合、高分子量の副産物には、レブリン酸エチルのグリセロールケタールの分子量よりも、少なくとも1.1倍、厳密には、少なくとも1.5倍、より厳密には、少なくとも1.8倍の分子量を有する副産物が含まれる。このような副産物には、種々の二量体、三量体、およびその他のより大きなオリゴマーが含まれる。二量体、三量体およびオリゴマーは、所望のアセタールまたはケタールの2分子、3分子またはそれ以上の間の縮合反応;セミアルデヒド、ケト酸、またはこれらのエステルと所望のアセタールまたはケタールとの反応;セミアルデヒド、ケト酸、またはこれらのエステルと所望のアセタールまたはケタールのアルドールとの反応、またはセミアルデヒド、ケト酸、またはこれらのエステルと所望のアセタールまたはケタールのアルドールと所望のアセタールまたはケタールとの反応により製造することができる。
1つの実施形態では、ケタールまたはアセタールを産生するための系(図示されていない)は、蒸留塔(図2を参照)を取り付けたリボイラーと流体連結している単一の連続攪拌槽型反応器を含むことができる。もう1つの実施形態では、ケタールまたはアセタールを産生するための系(図示されていない)は、蒸留塔(図1を参照)を取り付けた単一の連続攪拌槽型反応器を含むこともできる。この蒸留塔は、過剰な反応物を除去し、アセタールまたはケタール中にある望ましくない、より高分子量の種、酸種および触媒を除去することにより、最終的な産生物を蒸留するために使われる。
代表的な実施形態では、アルコールおよびセミアルデヒド、ケト酸、またはこれらのエステルのアセタールまたはケタールへの変換を達成するために、図3の系100に示してあるように、複数の反応器(例えば、多段反応器系)を使用して、反応器中での反応物の滞留時間を減少させることが望ましい。これは、単一の反応器を含む系で生じ、アセタールまたはケタールの質に損害を及ぼすしている温度および圧力のスパイクまたは不当に長い加熱および冷却時間を引き起こすことなく、温度および圧力を変更することも可能にする。
高変換に必要な滞留時間は、多段反応器系を活用することにより減少する。各反応器での滞留時間が比較的短いため、これは副産物の形成を減少させ、産生物の収率を増加する。さらに、高変換は気液平衡に大きく依存するので、多段では、変換を最大化して副産物の形成を制限するために、連続工程で温度および圧力の柔軟性を増加することができる。反応が進行するにつれて、圧力の低下も含め、異なる温度および圧力で反応器を操作することにより、反応物の約90%以上、
厳密には、約95%以上の変換を達成することができる。
再び図3を参照すると、反応物は一般に、触媒と一緒に第1の反応器102に導入される。反応物、産生物、および副産物の組合せは、順番に、第1の反応器102から第2の反応器104、第3の反応器106、任意で無機材料の充填層(114)、第1の蒸留塔108、および第2の蒸留塔110に移される。各段では、製造工程は、水、過剰な反応物、および/または副産物を除去し、安定したケタールまたはアセタールを第2の蒸留塔110で得ることによりさらに完全になる。
代表的な実施形態では、第1の反応器102はセミアルデヒド、ケト酸、またはこれらのエステルおよびアルコールが酸触媒と一緒に装填される連続攪拌槽型反応器である。第1の反応器102は、水およびレブリン酸エチルの蒸気が凝縮される凝縮器具122を備えている。これは、水、ポリオール、レブリン酸エチル、不純物および微量のケタールまたはアセタールを含む「軽い分別材料」を産生物およびその他の混入物を含む「重い分別材料」から分離する分別ステップとしても知られている。反応物および副産物の一部は第1の凝縮器で凝縮される。次いで、第1の凝縮器からの蒸気が、分別器112に放出され、主に反応物(例えば、セミアルデヒド、ケト酸、またはこれらのエステル) を含む有機層が、副産物(例えば、水)から分離される。反応物は一般に、第1の反応器102に再循環され、副産物は抽出され、製造工程から除去される。1つの実施形態では、反応混合物から水を除去するための分子篩、蒸留、高吸湿性原料、または他のいくつかの手段を、この工程で任意で使用することができる。
反応は、反応条件下で実質的に不活性な任意の溶媒、例えば、脂肪族または芳香族炭化水素、エーテル、または塩素化炭化水素などの存在下で進めることができる。このような溶媒は、共沸蒸留による反応の最中に形成される水を除去する目的に使うこともできる。1つの実施形態では、トルエン、ベンゼンまたは別の不活性溶媒が使用されることもあり得る。
この反応は、最終産生物の分別および蒸留の前に、濾過により除去することのできる不均一触媒を代わりに使って実施してもよい。
第1の反応器102(ならびに第2の反応器104
および第3の反応器106から)の水の蒸発によって、反応は完了する。上述したように、セミアルデヒド、ケト酸、またはこれらのエステルは、反応を完了させるために、一般に、過剰に添加される。しかし、過剰なセミアルデヒド、ケト酸、またはこれらのエステルは、反応産生物中の混入物であり、したがって、除去する必要がある。過剰なセミアルデヒド、ケト酸、またはこれらのエステルを再循環させることで、セミアルデヒド、ケト酸、またはエステルとアルコールとの反応の完了を容易にする。
代表的な分離器112は、
デカンターである。凝縮器、蒸留塔、遠心分離機, 膜濾過器、分子篩などのその他の分離器も使用することができる。
1つの実施形態では、セミアルデヒド、ケト酸、またはケトエステルのアルコールとの反応の間、第1の反応器102は、約50から約150℃、厳密には、約65から約130℃、より厳密には、約75から約120℃の温度に維持される。もう1つの実施形態では、第1の反応器102は、水銀(Hg)の約20から約760ミリメートル(mm)の圧力、厳密には、約30から約700mmHg、より厳密には、約40から約650mmHgに維持される。さらにもう1つの実施形態では、第1の反応器内での反応物の滞留時間は、約3から約1,200分、厳密には、約4から約180分、より厳密には、約5から約80分である。
第1の反応器102では、約20から約95モル%、厳密には、約50から約93モル%、より厳密には、約75から約90モル%の反応物を反応させ、ケタールまたはアセタールが産生される。
第2の反応器104および第3の反応器106は、任意であり、水の副産物をさらに除去するために使われる。代表的な実施形態では、第2の反応器104および第3の反応器106は、
主として、反応物からの水および過剰なセミアルデヒド、ケト酸またはエステルの一部を除去するために使われる再循環リボイラーを備えた反応器である。第2の反応器104および第3の反応器106の各々には、
未反応の反応物の水副産物からのさらなる分離を容易にする第2の凝縮器116 および第3の凝集器118がそれぞれ取り付けられている。反応物は、一般に、第1の反応器102に再循環される。
1つの実施形態では、追加の触媒を第2の反応器104および第3の反応器106に添加して、セミアルデヒド、ケト酸およびこれらのエステルとアルコールとの反応の増加を促進することができる。代表的な実施形態では、酸触媒は第1の反応器102にのみ添加される。
1つの実施形態では、第2の反応器104内および第3の反応器106内の温度は、約50から約150℃、厳密には、約65から約130℃、より厳密には、約75から約120℃に、それぞれ維持される。もう1つの実施形態では、第2の反応器104および第3の反応器106は、どちらも水銀(Hg)の約5から約760ミリメートル(mm)の圧力、厳密には、約8から約700mmHg、より厳密には、約10から約50mmHgの圧力にそれぞれ維持される。さらにもう1つの実施形態では、第2および第3の反応器内での反応物の滞留時間は、それぞれ約3分から約1,200分、厳密には、約4から約200分、より厳密には、約5から約80分である。
1つの実施形態では、最大約100重量%(wt%)の量、厳密には、約5から約90重量%、より厳密には、約15から約50重量%の再循環されたセミアルデヒド、ケト酸およびこれらのエステル、ポリオール、ならびにケタール産生物が第1の反応器102に再循環される。1つの実施形態では、レブリン酸エチルをグリセロールと反応させて、レブリン酸エチルのグリセロールケタールを製造するとき、最大約100重量%、厳密には、約50から約90重量%の第1の反応器102に添加された過剰なレブリン酸エチルを、反応後に除去して、第1の反応器102に再循環させることができる。プロピレングリコールをレブリン酸エチルと反応させるときにも、同様の工程が行われる。
代表的な実施形態では、産生物中に存在する酸触媒およびその他の酸種(例えば、硫黄を含有している酸の不純物)は、反応混合物気流を層114を通過させることで除去される。1つの実施形態では、層114は第1、第2または第3の反応器の下流および第1および第2の蒸留塔の蒸留に位置している。この層は、第1の蒸留塔108と第2の蒸留塔110にそれぞれ別々に存在してもよい。
アセタールまたはケタールの産生物は、硫黄を含有する酸の不純物の含有量が、組成物の総重量に対して、約0.001から約10ppm以下、
厳密には、約0.002から約5ppmであることが望ましい。アセタールまたはケタールの産生物中の硫黄を含有する酸の不純物の量が減少すると、加水分解安定性が増加し、貯蔵期間が増加する。
1つの実施形態では、アセタールまたはケタールの産生物中に存在する硫黄を含有する酸の不純物の量を減少させるために、第1の蒸留塔の前に存在している任意の酸触媒を中和する目的で、産生物を塩基または緩衝剤と接触させる。1つの実施形態では、アセタールまたはケタールの産生物は、塩基/緩衝剤の装填層に接触し、硫黄を含有する酸の不純物およびカルボン酸の不純物含有量を望ましいレベルまで減少させる。充填層に使用することのできる塩基の例は、炭酸塩、アミン、水酸化物、リン酸塩、または
酸化物である。代表的な装填層は、炭酸バリウム(BaCO)である。もう1つの実施形態では、充填層は分子篩を含むことができる。
もう1つの実施形態では、反応器産生物は緩衝剤としての役割を果たす無機塩を使って調製することができる。その他の緩衝剤の例としては、クエン酸、クエン酸ナトリウム、炭酸ナトリウムおよび重炭酸ナトリウムの溶液がある。代表的な緩衝剤は、クエン酸、クエン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、または前記の緩衝剤の少なくとも1つを含む組合せの0.1重量モル(m)溶液である。
アセタールまたはケタールの産生物を分子篩、塩基または緩衝剤の装填層と接触させることにより、産生物の収率を、反応物の供給量に対して、約75%から95%を超える値に増加させることができる。産生組成物は、その貯蔵安定性を1日未満から少なくとも2日を超える期間、厳密には、少なくとも1週間を超える期間、より厳密には、少なくとも1ヶ月を超える期間に増加する。
代表的な実施形態では、レブリン酸エチル組成物のグリセロールケタールは、レブリン酸エチル組成物のグリセロールケタールの総重量に対して、硫黄を含有する酸の不純物を20ppm未満、厳密には、
約10ppm以下、より厳密には、約5ppm以下を含むことが望ましい。さらにもう1つの代表的な実施形態では、レブリン酸エチル組成物のプロピレングリコールケタールは、硫黄を含有する酸の不純物をレブリン酸エチル組成物のプロピレングリコールケタールの総重量に対して、20ppm未満、厳密には、約10ppm以下、より厳密には、約5ppm以下を含むことが望ましい。
代表的な実施形態では、レブリン酸エチル組成物のグリセロールケタールは、ASTM D 664に従って測定したときに、酸価が1未満、厳密には、0.5未満、より厳密には、0.3未満であることが望ましい。代表的な実施形態では、レブリン酸エチル組成物のプロピレングリコールケタールは、ASTM D 664に従って測定したときに、酸価が1未満、厳密には、0.5未満、より厳密には、0.3未満であることが望ましい。
層114は単一層とすることも、または複数の層を含むこともできる。層に使用される緩衝剤または塩基の例としては、一もしくは二塩基性のリン酸ナトリウムもしくはリン酸カリウムまたは一、二もしくは三塩基性のリン酸カリシウムもしくはリン酸亜鉛、
炭酸バリウム, リン酸バリウム、炭酸亜鉛、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、クエン酸カルシウム、塩基性アルミナ、弱塩基性アニオン交換樹脂などがある。部分的なアセタールまたはケタールの産生物(例えば、変換率が95%未満の産生物)または十分に完成したアセタールまたはケタールの産生物(例えば、変換率が95%を超える産生物)は単回パスまたは複数パスで層に接触することができる。
1つの実施形態では、アルコールの最終的なケタール産生物の蒸留の前または後に、アセタールまたはケタールの産生物を、イオン交換樹脂の塔または層を通過させることにより、残留しているアルコールまたはポリオールを除去することができる。イオン交換樹脂は、スルホン酸含有モイエティを含むことが望ましい。理論に制限されるものではないが、アルコール性化合物は、基質に共有結合しているスルホン酸基と水素結合を行い、それによりアルコールは反応産生物から除去されると信じられている。有用なイオン交換樹脂の例には、
ペンシルバニア州ピッツバーグのLanxess Companyから販売されているLEWATIT(登録商標)202および/またはLEWATIT(登録商標)405;ペンシルバニア州フィラデルフィアのthe Rohm and Haas
Companyから販売されているAMBERLITE(商標)BD10DRY(商標)が挙げられる。アセタールまたはケタールの産生物がイオン交換樹脂の塔に接触する期間は、
約1分から約5時間、厳密には、約10分から約3時間、より厳密には、約30分から約2時間である。イオン交換樹脂の層または塔は単一の層または塔とすることも、直列または並列に並べられた一連の層または塔とすることもできる。
第1の蒸留塔108および第2の蒸留塔110は、反応物を再沸騰させ、蒸留を実施して、望ましくない反応物(例えば、ケトエステル)、副産物(例えば、高分子量種)、および残留触媒(酸除去塔から除去または蒸留による)をケタールまたはアセタールから除去するために使われる。代表的な実施形態では、第1の蒸留塔108は、レブリン酸エチルのグリセロールケタール産生物またはレブリン酸エチルのプロピレングリコールケタール産生物からレブリン酸エチルを分離するために使われる。.
代表的な実施形態では、レブリン酸エチルのグリセロールケタール産生物またはレブリン酸エチルのプロピレングリコールケタール産生物は、第1の蒸留塔108および第2の蒸留塔110で蒸留し、過剰な反応物(例えば、レブリン酸エチル)、高分子量種(例えば、
二量体、三量体およびオリゴマー)および酸触媒を除去し、より純粋な形態のレブリン酸エチル組成物のグリセロールケタールまたはレブリン酸エチル組成物のプロピレンケタールを製造する。上述したように、レブリン酸エチル組成物のグリセロールケタールまたはレブリン酸エチル組成物のプロピレンケタールは、それぞれ、対応するレブリン酸エチル組成物のグリセロールケタールまたはレブリン酸エチル組成物のプロピレングリコールケタールの総重量に対して約2重量%未満の混入物を含有している。
1つの実施形態では、蒸留塔108には、最高6つまでの理論的なステージ(「放散ステージもしくは精溜ステージ」または「トレイ」とも呼ばれる)が取り付けられている。第1の蒸留塔の一番上にあるトレイは、約40から約170℃、厳密には、約65から約120℃の温度に維持され、第1の蒸留塔の底部にあるトレイは、約100から約200℃、厳密には、約120から約180℃、より厳密には、約140から約160℃の温度に維持される。第1の蒸留塔の底部の圧力は、約5から約760mmHg、厳密には、約10から約500mmHg、より厳密には、約15から約50mmHgである。第1の蒸留塔における還流対供給量の比率は、最高約1.0、厳密には、約0から約0.5とすることができる。
1つの実施形態では、分別ステップにおいて、過剰なレブリン酸エチルおよびポリオールは、約0.5から約20mmHgの強真空を使って、ストリップされる。レブリン酸エチルのグリセロールケタールは、基本的に、低濃度のレブリン酸エチルになるには沸騰する必要があるため、放散塔は強真空を使用する。蒸留塔内の温度が高すぎると、ケタール産生物は、オリゴマーまたは他の副産物に負ける。同様に、塔パッキングが高すぎるか、またはパッキングの種類が原因で圧力低下が大きすぎると、レブリン酸エチルのグリセロールケタールは、その用途の多くで要求される純度で産生することができない。
様々な種類のパッキング、例えば、HETP(Height Equivalent to the
Theoretical Plate;理論段相当高さ)が低く、同時に1単位高さ当たりの圧力低下も低いBX、BX Plus、MELLAPAK、FLEXIPAC、メッシュ、または同様の構造のパッキングを第1の蒸留塔で使用することができる。HETPは約6インチから約24インチ、厳密には、約9インチから約15インチである。
第2の蒸留塔110は、化学的安定性について望ましい基準を満たすケタールまたはアセタール産生物を送達するために機能する。第2の蒸留塔110は、主として、経時的な化学安定性の減少、色の変化、粘度の変化の促進の原因となる高分子量種およびその他の混入物を除去するために機能する。上述したように、長い貯蔵期間を備えた産生物を得られることが望ましい。「長い貯蔵期間」とは、産生物が長期間(例えば、約12時間から約12ヶ月)に渡って、分子量の変化、組成の変化、色の変化が起こらないことを意味する。
第2の蒸留塔の底部にあるステージは、約70から約300℃、厳密には、約120から約200℃、より厳密には、約140から約160℃の温度に維持される。蒸留塔の底部の圧力は、約5から約760mmHg、厳密には、約10から約500mmHg、より厳密には、約15から約50mmHgである。代表的な実施形態では、第2の蒸留塔の底部の温度は、約140から約200℃であり、圧力は約5から50mmHgである。第2の蒸留塔に対する第2の蒸留塔での還流対供給量の比率は、約0.1から約3.0、厳密には、約0.5から約2.0である。
単回のフラッシュは、一般に、反応器および第1の蒸留塔に蓄積したオリゴマー種から、レブリン酸エチルのグリセロールケタールまたはレブリン酸エチルのプロピレングリコールケタールを精製するのに有効ではない。1つの実施形態では、複数の段および還流は、ケタールまたはアセタール産生物からより高分子量の種を除去するために使用される。低濃度の発色体の存在により、より高分子量の種が除外されていないと、下流の用途が影響を受ける。
ストリッピングステージの数は、1より大きい任意の数、厳密には、2より大きい任意の数、より厳密には、4より大きい任意の数とすることができる。精溜ステージの数は、約1以上、厳密には、約2以上である。代表的な実施形態では、ストリッピングステージの数は、約4以上であり、精溜ステージの数は約2以上である。
1つの実施形態では、第1の蒸留塔の底部および第2の蒸留塔の底部は、「重分子種」(例えば、高分子量種、暗色種およびカルボン酸、不要の酸触媒および触媒副産物)を除去するために)を除去するためにパージすることができる。蒸留塔の底部の温度は、塔の底部に残っている蒸留物の分解を防ぐために、約250℃以下、
厳密には、約200℃以下、より厳密には、約180℃以下に維持される。1つの実施形態では、最終産生物がレブリン酸エチル組成物のグリセロールケタールであるとき、蒸留塔の底部の温度は約120から200℃である。もう1つの実施形態では、最終産生物がレブリン酸エチル組成物のプロピレングリコールケタールであるとき、蒸留塔の底部の温度は約100から約180℃である。高分子量種および不要の触媒は蒸留塔から除去され、配水管または廃液タンクに放出される。
最終的なケタール産生物または過剰な反応物の蒸留は、ワイプ式薄膜蒸発器、スピン式薄膜蒸発器、ロータリーエバポレーター、落下式薄膜蒸発器、およびその他の同様の装置を使って実施することもできる。1つの実施形態では、ケタールまたはアセタールは第1の蒸留塔で、わずかに除去した後、追加の未使用の反応物と混合することにより、再利用することができる。
レブリン酸エチル組成物のグリセロールケタールまたはレブリン酸エチル組成物のプロピレングリコールケタールを製造する際、90モル%以上、厳密には、約95モル%以上のアルコール、厳密にはグリセロールの変換を可能にする反応条件を使うことが望ましい。組成物中に、約5000ppmを超える量で存在する、未反応のグリセロールは、グリセロール固有の官能性(3つのヒドロキシル基)、グリセロールの不溶性(有機溶液と接触したときに、曇りを引き起こす可能性がある)、およびグリセロールの吸湿性のため、産生物の質にとって問題になる。グリセロールは、レブリン酸エチル組成物のグリセロールケタールの総重量に対し、約10,000パーツ・パー・ミリオン(ppm)以下、厳密には、約1から約8,000ppm、より厳密には、約2から約5000ppmの量で存在すべきである。同様に、プロピレングリコールは、レブリン酸エチル組成物のプロピレングリコールケタールの総重量に対し、約10,000パーツ・パー・ミリオン(ppm)以下、厳密には、約1から約8,000ppm、より厳密には、約2から約5000ppmの量で存在すべきである。
1つの実施形態では、レブリン酸エチル組成物のグリセロールケタールまたはレブリン酸エチルのプロピレングリコールケタールが含有する混入物の量は、2重量%以下、厳密には、約1.75重量%以下、厳密には、約1.5重量%以下、厳密には、約1.25重量%以下、厳密には、約2重量%以下、厳密には、約0.75重量%以下、厳密には、約0.5重量%以下、より厳密には、約0.25重量%以下である。混入物は、未反応のセミアルデヒド、ケト酸またはこれらのエステル、未反応のアルコール、触媒、硫黄を含有する酸の不純物、カルボン酸の不純物、およびケタールもしくはアセタールとレブリン酸エチルとのアルドール反応、セミアルデヒド、ケト酸もしくはこれらのエステルとケタールもしくはアセタールとの反応、セミアルデヒド、ケト酸もしくはこれらのエステルとケタールもしくはアセタールのアルドールとの反応、またはセミアルデヒド、ケト酸もしくはこれらのエステルとケタールもしくはアセタールのアルドールとケタールもしくはアセタールとの間の反応によって産生される二量体、三量体およびオリゴマーなどの高分子量種である。
残留するアルコールまたはポリオールの量は、アセタールまたはケタールの産生物の総重量に対し、7500ppm未満、厳密には、5000ppm以下、より厳密には、2000ppm以下とすることが望ましい。
代表的な実施形態では、レブリン酸エチル組成物のグリセロールケタールは、レブリン酸エチル組成物のグリセロールケタールの総重量に対し、7500ppm未満、厳密には、約5000ppm以下、より厳密には、約2000ppm以下の量で、グリセロールを含むことが望ましい。さらにもう1つの代表的な実施形態では、レブリン酸エチル組成物のプロピレングリコールケタールは、レブリン酸エチル組成物のプロピレングリコールケタールの総重量に対し、5000ppm未満、厳密には、約2000ppm以下、より厳密には、約1000ppm以下の量で、プロピレングリコールを含むことが望ましい。
アセタールまたはケタールの産生物中に存在する水の量は、アセタールまたはケタールの産生物の重量に対して、約2000ppm以下、厳密には、約1000ppm以下、より厳密には、約500ppm以下であることも望ましい。水は100ppm未満を有する高温乾燥窒素で産生物を散布することにより除去してもよい。水を除去するために、真空トラップを反応器102、104、106のいずれかと組み合わせるか、または蒸留塔108、110と組み合わせて使用してもよい。1つの実施形態では、系100の性能を向上するために、−60℃の温度で動作する冷却トラップまたは50°F未満の温度で動作する凝縮器を使って、アセタールまたはケタールの産生物中に存在する水を除去することもできる。
1つの実施形態では、レブリン酸エチル組成物のグリセロールケタールを得るために、レブリン酸エチルをグリセロールと反応させるとき、レブリン酸エチル組成物のグリセロールケタールに含有される水の量は、レブリン酸エチル組成物のグリセロールケタールの総重量に対し、500ppm未満、厳密には、約250ppm以下、厳密には、約150ppm以下であることが望ましい。レブリン酸エチル組成物のグリセロールケタール
は、レブリン酸エチル組成物のグリセロールケタールの総重量に対し、約10、000ppm以下、厳密には、約5,0000ppm以下、より厳密には、約2,000ppm以下のグリセロールを含むことができる。
もう1つの実施形態では、レブリン酸エチルをプロピレングリコールと反応させて、レブリン酸エチル組成物のプロピレングリコールケタールを得るとき、it is desirable for the レブリン酸エチル組成物のプロピレングリコールケタールが含有する水の量は、レブリン酸エチル組成物のプロピレングリコールケタールの総重量に対して、500ppm未満、厳密には、約250ppm以下、厳密には、約150ppm以下であることが望ましい。レブリン酸エチル組成物のプロピレングリコールケタールは、レブリン酸エチル組成物のプロピレングリコールケタールの総重量に対して、約5000ppm以下、厳密には、約3,000ppm以下、より厳密には、約2,000ppm以下のプロピレングリコールを含むことができる。
さらにもう1つの実施形態では、レブリン酸エチル組成物のグリセロールケタール
またはレブリン酸エチル組成物のプロピレングリコールケタールは、それぞれの組成物の総重量に対して、約1重量%以下のレブリン酸エチル、厳密には、
約0.5重量%以下のレブリン酸エチル、より厳密には、約0.2重量%以下のレブリン酸エチルを含む。
1つの実施形態では、レブリン酸エチル組成物のグリセロールケタールは、レブリン酸エチルのグリセロールケタールの間の反応から得た二量体を約0.5重量%以下、厳密には、約0.2重量%以下含むことができる。さらにもう1つの実施形態では、レブリン酸エチル組成物のグリセロールケタールは、レブリン酸エチルのグリセロールケタールとレブリン酸エチルとのアルドール反応から得た二量体を、1重量%未満、厳密には、約0.2重量%以下、より厳密には、約0.1重量%以下含むことができる。さらにもう1つの実施形態では、レブリン酸エチル組成物のグリセロールケタールは、レブリン酸エチルのグリセロールケタールとレブリン酸エチルとの反応から得た二量体を0.5重量%未満、厳密には、約0.25重量%以下、より厳密には、約0.1重量%を含むことができる。
もう1つの実施形態では、レブリン酸エチル組成物のグリセロールケタールは、レブリン酸エチルのグリセロールケタール間の反応から得られる三量体を約0.5重量%以下、厳密には、
約0.2重量%以下含んでもよい。さらにもう1つの実施形態では、レブリン酸エチル組成物のグリセロールケタールは、レブリン酸エチルのグリセロールケタールとレブリン酸エチルのグリセロールケタールとレブリン酸エチルとのニ量化反応産生物とのアルドール反応から得られる三量体を約0.5重量%、厳密には、約0.2重量%以下含むことができる。
さらにもう1つの実施形態では、レブリン酸エチル組成物のグリセロールケタールは、レブリン酸エチルのグリセロールケタールとレブリン酸エチルとの反応から得られる三量体を約0.5重量%以下、厳密には、約0.2重量%を含んでもよい。
1つの実施形態では、レブリン酸エチル組成物のグリセロールケタールは、レブリン酸エチルのグリセロールケタールとレブリン酸エチルとの間の反応またはレブリン酸エチルのグリセロールケタールとそれ自体との間の反応から得られる四量体を約0.20重量%、厳密には、約0.1重量%含んでもよい。グリセロールとレブリン酸エチルとの反応の副産物について上に列挙した重量%はすべて、レブリン酸エチル組成物のグリセロールケタールの総重量を基準にしている。
もう1つの実施形態では、レブリン酸エチル組成物のプロピレングリコールケタールは、レブリン酸エチルとレブリン酸エチルのプロピレングリコールケタールとの反応から得たニ量体を約0.5重量%以下、厳密には、約0.2重量%以下含んでもよい。さらにもう1つの実施形態では、レブリン酸エチル組成物のプロピレングリコールケタールは、レブリン酸エチルのプロピレングリコールケタールとレブリン酸エチルとのアルドール反応から得たニ量体を1重量%未満、厳密には、約0.5重量%以下、より厳密には、約0.2重量%以下含んでもよい。
もう1つの実施形態では、レブリン酸エチル組成物のプロピレングリコールケタールは、2分子のレブリン酸エチルと1分子のプロピレングリコールとの反応(ジエステルを産生するためのエステル交換)から誘導される約0.2重量%以下のオリゴマーを含んでもよい。さらにもう1つの実施形態では、レブリン酸エチル組成物のプロピレングリコールケタールは、2分子のレブリン酸エチルのプロピレングリコールケタールと1分子のプロピレングリコールとの反応(ジケタールジエステルを産生するためのエステル交換)から誘導される約0.2重量%以下のオリゴマー、厳密には、2分子のレブリン酸エチルのプロピレングリコールケタールと1分子のプロピレングリコールとの反応(ジケタールジエステルを産生するためのエステル交換)から誘導される約0.1重量%のオリゴマーを含むことができる。
プロピレングリコールとレブリン酸エチルとの反応の副産物について上で列記した重量%はすべて、レブリン酸エチル組成物のプロピレングリコールケタールの総重量に基いている。グリセロールケタールとレブリン酸エチルとの反応の副産物について上で列記した重量%はすべて、レブリン酸エチル組成物のグリセロールケタールの総重量に基いている。
1つの実施形態では、レブリン酸エチル組成物のプロピレングリコールケタールまたはレブリン酸エチル組成物のグリセロールケタールは、水素添加されてもよい。
前記の工程で産生されるケタールまたはアセタールは、熱的およびUV色の上で安定である。1つの実施形態では、数時間の期間、約200℃の温度にさらされると、色変化は30YI単位未満である。もう1つの実施形態では、数時間の期間、約200℃の温度にさらされると、色変化は1吸収単位指数未満である。もう1つの実施形態では、少なくとも2日の期間、UVチャンバにさらされると、色変化は1吸収単位指数未満である。この工程により産生されたケタールまたはアセタールは、常温保存可能であり、加水分解的に安定でもある。
上述したように、アセタールまたはケタールは加水分解的に安定(すなわち、水に安定)であることが望ましい。本明細書で公開されるアセタールまたはケタールに望ましい水安定性は、GC−FIDにより測定した場合、約65℃の温度で約24時間、水に暴露した後、約70重量%以上の化学組成の維持を示している。本発明の原料は、GC−FIDにより測定した場合、約65℃の温度で約24時間、水に暴露した後、約70重量%以上の化学組成の維持を示す。水安定性を測定するには、所定のアセタール組成物またはケタール組成物の化学組成をまずGC−FIDにより測定する。この組成物の試料をガラス製のシンチレーションバイアルに入れ、一定量の水を添加する。任意で、追加の試薬または緩衝剤をこのバイアルに添加することができる。次にバイアルを密封し、約65から70℃で24時間、熱風炉に入れる。
24時間後、一定分量を取り出し、GC−FIDにより解析する。
貯蔵性は、GC−FIDによって測定された場合、製造から20時間、20℃で老化させた後、その元の化学純度からの変化が約0.5重量%以下であるアセタール組成物またはケタール組成物と定義されている。化合物の化学純度を、内部標準および較正曲線を使って、GC−FIDにより測定した。
色安定性は、試薬を熱、紫外線、または室温の老化にさらした後、変化が1吸収単位指数(IAU)未満の変化として定義されている。IAUは、紫外可視検出器および直径10mmの石英セルを使って、380nmから500nmの化合物のUVスペクトル曲線の下にある面積を積分することで計算される面積単位の数に等しい。IAUに相当する曲線の下の面積を測定するために、この試料は、UV−VIS測定の前に、メタノール、水または別の溶媒など、UV以外を吸収する溶媒(波長380〜500nmの間では、吸光しない)で希釈してもよい。溶媒に溶解した試料を測定する前に、ブランクUVスペクトルを溶媒上で実施する。
IAU測定は、純粋な形(neat form)または380〜500nmの間のUVスペクトルで吸収されない溶媒に溶解した液体試料の黄色度の量を検出する目的にも使用することができる。この場合、黄色度の低い色にするには、IAUが約0.1以下であることが望ましい。
UVを吸収する未知の不純物の存在は、液体クロマトグラフィー、例えば、HPLCによっても検出することができる。構造的に異なり、クロマトグラフィーでケタール産生物から分離される、UVを吸収する不純物の有無を解析するために、HPLCをUV検出器と組み合わせて使うこともできる。これらの未知の不純物はUV吸光ピークを有し、その1つは、所定の組成物内のUVを吸収する不純物の相対量を計算するために、ピークの下の面積を積分する。これらのUVを吸収している不純物の曲線の下にある面積が少なくなるに従って、ケタール組成物は、それに続いて、より純度が高くなり、可能性のある発色体不純物を含有しなくなることを示唆している。これらの未知の不純物は、例えば、熱、UVおよび色の安定性など、品質の問題につながる可能性がある。
ケタールまたはアセタールは、シャンプー、ローション、シェービングクリーム、デオドラント、口紅、メイクアップリムーバー、髪染めなどのパーソナルケア製品、ならびに塗料、インク、塗料剥離剤、柔軟剤、洗濯洗剤、蝋燭、自動車の外部ボディパネル、電子製品の外部表面などの、相溶化剤を含むポリマー製品など、多種多様な品物に使用することができる。1つの実施形態では, ケタールまたはアセタールは、可塑剤、強靭化剤、界面活性剤、 障壁層化合物、界面改質剤、相溶化剤、または相移動化合物として使用されるポリマーに変換されることもある。
実施例1〜12
これらの実施例は、高純度(99%を超える)のレブリン酸エチルのプロピレングリコールケタールおよびレブリン酸エチルのグリセロールケタールの製造を実証するために実施された。特に、これらの実施例は、レブリン酸エチルのプロピレングリコールケタールおよびレブリン酸エチルのグリセロールケタールの連続的精製工程およびバッチ精製工程を実証する。これらの実施例は、蒸留塔の底部
(とりわけ、第2の蒸留塔の底部)から強酸触媒を連続的にパージすることは、純度の高いレブリン酸エチルのプロピレングリコールケタールおよびレブリン酸エチルのグリセロールケタールを得る目的に利用できることも実証する。これらの実施例は、驚くべきことに、蒸留の前または後に、特定の無機化合物を使って産生物を処理すると、化学的安定性が向上することも実証する。特定の硫黄をベースとする触媒を使って作った組成物も、化学的安定であることが判明した。
本方法は以下の要領で実施された。水、レブリン酸エチルのプロピレングリコールケタール、レブリン酸エチル、プロピレングリコール、均一酸触媒、およびその他の不純物を含む反応混合物を第1の蒸留塔に供給した。実施例および比較例のすべての組成物を、以下の表1に示してある。実施例7および8を除き、すべての実施例および比較例は、均一触媒を含んでおり、実施例7および8は、不均一触媒を使って製造された。
より高沸点の不純物をまず、蒸留を通じて反応混合物から除去した。次に、濃縮したレブリン酸エチルのプロピレングリコールケタール、より高沸点の不純物および残っている酸触媒を第2の蒸留塔に供給した。第2の蒸留塔で、レブリン酸エチルのプロピレングリコールケタールをオーバーヘッドで除去し、均一酸触媒を第2の蒸留塔の底部から連続的にパージした。第2の蒸留塔でオーバーヘッド蒸留から得たレブリン酸エチルのプロピレングリコールケタールの純度は、以下の表1に示すように、99%を超えていた。
以下の実施例1〜12では、以下に示す式7を有するレブリン酸エチルのプロピレングリコールケタールおよび以下に示す式8を有するレブリン酸エチルのグリセロールケタールを製造した。
Figure 0005886856
Figure 0005886856
実施例1および2:CSTRに、プロピレングリコール(組成物全体の21重量%)およびレブリン酸エチル(組成物全体の79重量%)を連続的かつ同時に装入した。硫酸水溶液を組成物総重量の20〜60パーツ・パー・ミリオンで、CSTRに連続的にポンプで汲み上げた。CSTRは温度95℃および圧力80mmHgだった。試薬を7に変換し、水をCSTRから連続的に除去した。オーバーヘッドの組成物も、プロピレングリコールおよびレブリン酸エチルを含んでいた。反応器からの流量は、58lb/時間だった。CSTR産生物を第2の反応器に放出し、100℃および圧力61mmHgまで加熱した。試薬をさらに(式7を有する)レブリン酸エチルのプロピレングリコールケタールに変換し、水を第2の反応器から連続的に除去した。第1の反応器から第2の反応器への産生物の流量は、61lb/時間だった。第2の反応器は、産生物を第3の反応器に放出し、産生物は106℃および真空圧30mmHgに加熱された。第3の反応器の最後で反応混合物の組成物は、0.049重量%の水、0.27重量%のプロピレングリコール、46.25重量%のレブリン酸エチル、53.05重量%のレブリン酸エチルのプロピレングリコールケタール、および0.44重量%のプロピレングリコールおよびレブリン酸エチルのプロピレングリコールケタールのエステル交換の凝縮産生物を含め、その他の不純物を含む。
次いで、90から110℃の温度で、60から80lb/時間の速度で、組成物を第1の蒸留塔に供給した。蒸留塔上のオーバーヘッド真空は、5から10mmHgだった。組成物を塔内で還流し、100から130℃の温度で、リボイラー内の蒸留塔の底部で再循環させた。次に、20から40lb/時間の速度で、100から120℃の温度で、組成物を第2の蒸留塔に供給した。塔上のオーバーヘッド真空は5から10mmHgだった。組成物を塔内で還流し、80から100℃の温度で、リボイラー内の蒸留塔の底部で再循環させ、オーバーヘッドで蒸留し、採取した。蒸留の間、蒸留塔の底部を、3lb/時間の速度でパージした。蒸留した産生物の最終的な組成は、99.8%のレブリン酸エチルのプロピレングリコールケタールを含んでいた。蒸留した産生物7の少量の試料を、シンチレーションバイアルに入れ、その貯蔵性を試験するために、室温で貯蔵した。14日後、試料をシンチレーションバイアルを取り出し、GC−FIDで解析した。解析の結果は、表1に示してある。
実施例1を作るための工程の手順を、実施例2に対しても繰り返した。
実施例3〜5:蒸留の前に、第3の反応器を抜けた反応混合物が固体炭酸バリウムの充填層を通過して流れることを除き、実施例1を作るための工程の手順を繰り返した。充填層を抜けた後、次いで混合物を実施例1に記述された要領で蒸留した。蒸留した組成物7の小量の試料を、別々のシンチレーションバイアルに入れ、実施例の貯蔵性を試験するために、室温で保管した。13日後に、試料をシンチレーションバイアルから取り出し、GC−FIDで解析した。解析結果は表1に示してある。
実施例6:500mLの3口丸底フラスコに、45.72グラム(g)(0.50モル)のグリセロール(純度99+%)、215.24g(1.50モル)のレブリン酸エチル(純度98+%)、0.0138g(50ppm)の2−ナフタリンスルホン酸
(TCI Americaから入手)および磁気攪拌棒を装入した。フラスコは、熱電対、ヒートテープを巻いたディーン・スターク、凝縮器、ガラス栓、および真空へのアウトレットを装備していた。フラスコの内容物を、加熱マントルを使用して、110℃まで加熱した。真空計を、傾斜率300トル/時間で、真空圧300トルで始まり、30トルで終わるように設定した。ポットの温度が110℃に達すると、反応混合物は曇った状態から透明な状態に変わり、その後、Teflon真空ポンプをオンにして、真空を即座に系に加えた。合計反応時間が60分に達した後、熱をオフにし、フラスコに窒素をバックフィル(backfill)した。次に、反応混合物に、26g(10重量%)の第二リン酸ナトリウムを装入し、1時間、60℃で加熱した後、濾過した。混合物は、攪拌棒を装備した500mlの四口丸底フラスコに装入した。フラスコは、熱電対、2つのガラス栓、ビグリューカラム、短経路凝集器、アダプタおよび3つの採取フラスコを装備している。真空を0.5トルに設定し、フラスコを加熱して、蒸留を引き起こした。過剰なレブリン酸エチルをまず蒸留した後、組成物8を蒸留した。
蒸留した産生物の試料をGC−FIDにより解析した。蒸留した産生物8の少量の試料をシンチレーションバイアルに入れ、その貯蔵性を試験するために、室温で保管した。4日後、試料をシンチレーションバイアルから取り出して、GC−FIDにより解析した。解析の結果は表1に示してある。.
実施例7:CSTRに、グリセロール(組成物全体の18重量%)およびレブリン酸エチル(組成物全体の82重量%)を連続的かつ同時に装入した。硫酸水溶液を組成物全体の20〜60パーツ・パー・ミリオンで、CSTRに連続的にポンプで汲み上げた。CSTRは温度85〜93℃および圧力70〜80mmHgだった。試薬を産生物8に変換し、水をCSTRから連続的に除去した。CSTRを通過する流量は70〜90lb/時間だった。次に、CSTRの内容物を第2の反応器に放出し、90〜100℃、真空圧30mmHgに加熱した。試薬を8にさらに変換し、水をCSTRから連続的に除去した。第2の反応器を通過する流量は、60〜80lb/時間だった。第2の反応器の内容物を第3の反応器に放出し、98〜105℃、真空圧20〜25mmHgに加熱した。第3の反応器の最後での反応混合物の組成は、0.13重量%のグリセロール、47重量%のレブリン酸エチル、50.9重量%のレブリン酸エチルのグリセロールケタール、1.72重量%のより高分子量の縮合物、例えば、本明細書で上述したものなど、および0.22重量%のその他の不純物だった。40から50lb/時間の速度で、90から110℃の温度で、組成物8を第1の蒸留塔に供給した。蒸留塔上のオーバーヘッド真空は、5から10mmHgだった。混合物を塔内で還流し、150から160℃の温度で、リボイラー内の蒸留塔の底部で再循環させた。続いて、30から35lb/時間の速度で、130から140℃の温度で、組成物を第2の蒸留塔に供給した。塔上のオーバーヘッド真空は、4から8mmHgだった。混合物を塔内で還流し、170から180℃の温度でリボイラー内の蒸留塔の底部で再循環させ、オーバーヘッドで蒸留し、採取した。8を含む、この凝縮物の試料を分別蒸留により純度99.6%の組成物になるまで蒸留した。この試料を2フラクションに分割した。最初のフラクションは、栓をした丸底フラスコに室温で7日間、貯蔵した。老化の後、組成物のGC−FID測定を実施した。結果は表Iに示してある。第2のフラクションについては、実施例8で後述する。
実施例8:実施例7からの第2のフラクションを即座に、炭酸バリウムの10重量%スラリーで処理し、濾過した。内容物をガラス製のシンチレーションバイアルに入れ、室温で9日間、貯蔵した。老化の後、組成物のGC−FID測定を実施した。結果は表Iに示してある。
実施例9:2−NSAではなく、50ppmの(1R)−(−)−10−カンファースルホン酸(CSA)を触媒として使用したことと、反応産生物を8の蒸留精製の前に、処理をしなかったことを除き、実施例6を繰り返した。内容物をガラス製のシンチレーションバイアルに入れ、室温で7日間、貯蔵した。老化の後、組成物のGC−FID測定を実施した。結果は表Iに示してある。
実施例10:実施例9を繰返し、次に蒸留した産生物8を10重量%の炭酸バリウムで処理し、濾過した。内容物をガラス製のシンチレーションバイアルに入れ、室温で7日間、貯蔵した。組成物のGC−FID測定を、老化の後に実施した。結果は表Iに示してある。
実施例11:2−NSAではなく、0.23重量%のNafion(登録商標)SAC−13を触媒として使ったこと、蒸留の前に触媒を濾過したこと、8の蒸留の前に、反応産生物に一切の処理を施さなかったことを除き、実施例6を繰り返した。蒸留の後、内容物をガラス製のシンチレーションバイアルに入れ、3日間、室温で貯蔵した。老化の後、組成物のGC−FID測定を実施した。結果は表Iに示してある。
実施例12:0.23重量%のAmberlyst(登録商標)35を触媒として使った点を除き、実施例11で使った手順を繰り返した。蒸留の後、内容物をガラス製のシンチレーションバイアルに入れ、
10日間、室温で貯蔵した。老化の後、組成物のGC−FID測定を実施した。結果は表Iに示してある。
Figure 0005886856
表Iに記した実施例の各々は、良好な貯蔵性を示した。無機原料で処理したこれらの原料は、さらに優れた貯蔵性を示した。硫黄をベースとする触媒を除去するための塩基として炭酸バリウムを使用することは、貯蔵性のあるケタールエステルの発現を補助した。炭酸バリウムの層を通過したこれらの組成物は、約3日から約14日の期間の後も化学純度に変化を示さなかったのに対し、炭酸バリウムの層を通過させなかったか、または代わりに第二リン酸ナトリウムの層を通過させた(比較例からの)組成物は、化学純度にわずかな変化を示した。硫黄をベースとする触媒としてカンファースルホン酸を使用した場合、より貯蔵性の高いケタールエステルが産生された。不均一ケタール化触媒(実施例11〜12)も、良好な貯蔵性を示した。
実施例13〜16
表2の実施例のすべての出発試薬は、上記の実施例7に従って製造した。その後、8の最終的な蒸留した組成物を、実施例7の記述に従って、99.1%の純度まで再び(分別)蒸留した。
これらの実施例は、反応物の再形成に関して、原料の特定のスラリー化層または充填層は、最終的なケタール産生物の貯蔵性に役立つ働きをすることを実証するために実施した。試薬の純度は、GC−FIDによる測定で99.1%であり、ケタール出発試薬、レブリン酸エチル、およびグリセロールの量はGC−FIDを使って定量化した。試料は採取後、5時間以内にGC−FIDで解析した後、4つの別々の試料に分割した。1つの試料はガラス製のバイアルに入れて、栓をした(実施例13)。残りの3つの試料(実施例14〜16)は、表2に開示する様々な試薬を使って処理した。最初の試料を蒸留塔から採取した時点から老化の24時間後、レブリン酸エチルのグリセロールケタールを再びGC−FIDで解析し、貯蔵中に形成されたケタール分解産生物(グリセロールとレブリン酸エチルとの反応物)の量を測定した。
Figure 0005886856
表2から分かるように、最終的に蒸留したケタール産生物をリン酸化合物または分子篩によって処理すると、反応物、グリセロールおよびレブリン酸エチルの再形成の増加率が低下することで示されるように、産生物の貯蔵性を向上することができた。理論に拘束されるものではないが、これらの処理方法は、触媒または副産物からの残留不純物が再形成反応物を触媒できないようにするのに役立ったと信じられる。
実施例17〜20
これらの実施例は、レブリン酸エチルのプロピレングリコールケタールおよびレブリン酸エチルのグリセロールケタールの水安定性を実証するために、高温度で水に暴露して実施した。これらの実施例は、以下の表3に示したケタールを化学的に安定化させるために緩衝剤を使用できることも実証する。7を含む表3の実施例の各々は、実施例1に従って製造した。8を含む、表3の実施例の各々は、実施例7に従って製造した。これらの実験を経過した試料の組成は、上記の実施例1〜12で記述したものと類似していた。
高温での水に対するケタール試薬の安定性を解析するために、水安定性の調査を実施した。試薬をガラス製のシンチレーションバイアルに水および任意で緩衝系と一緒に装入し、栓をした。緩衝剤としてクエン酸を使用した。バイアルを68℃で炉に入れ、24時間の老化後に取り出した。加水分解安定性試験の後、ケタール試薬の量を解析するためにAGC−FIDを実施した。
Figure 0005886856
表3から分かるように、式7および8のケタールは、クエン酸/塩緩衝試薬を添加することで、水安定性が向上した。クエン酸緩衝剤に加えて、リン酸塩およびその他の複数の官能基を有するカルボン酸緩衝系は、ケタール組成物を含有していない緩衝剤に比較して、ケタールの安定性に役立つ働きをする。
実施例21〜27
式8の化合物(レブリン酸エチルのグリセロールケタール)の合成および精製を、これらの実施例では実施した。
実施例21は実施例6に従って作った。
実施例22は、産生物8を1回だけ蒸留した点を除き、実施例7に従って作った。
実施例23は、400psiのHおよび140℃で、4時間、1重量%のNi 5249P(BASF)で、Parr反応器内で実施例22を水素添加することにより作った。
実施例24は、実施例7に従って作った。
蒸留を余分に1回実施した点を除き、実施例25は、実施例7に従って作った。
実施例26は、実施例11に従って作った。
実施例27は、実施例12に従って作った。
実施例21および22は、最終的な蒸留産生物における残留硫黄(S)の含有について調べ、実施例23から27と比較して、硫黄の含有量が高いことが判明した。硫黄をベースとする代替触媒を使用するための種々の処理方法を実施した結果、最終産生物中の硫黄の量は低下した。
Figure 0005886856
硫黄不純物は、一般に、産生物、とりわけ再生可能産生物にとって有害である。硫黄不純物は臭気、色および安定性の問題を引き起こすことが知られている。硫黄分を10ppm未満、好ましくは8ppm未満、より好ましくは5ppm未満に制限することが望ましい。
要約すると、前記の実施例1〜27は、レブリン酸エチルのプロピレングリコールケタールおよびレブリン酸エチルのグリセロールケタールの連続的精製工程を実証したと見ることができる。
実施例28〜33
実施例28および29には、蒸留底部のパージは含まれない。蒸留底部のパージの有益な効果は、実施例12で既に実証されている。
実施例28および29では、レブリン酸エチルのプロピレングリコールケタールを合成するために使った方法は、最後の蒸留塔の底部のパージがない点を除き、上述した実施例1と同じである。精製工程の詳細は、以下に記述する通りである。蒸留塔の中央ゾーンに、60から80lb/時間の速度で90から110度の温度で、0.1重量%の水、0.8重量%のプロピレングリコール、37.7重量%のレブリン酸エチル、60.9重量%のレブリン酸エチルのプロピレングリコールケタール、および0.6重量%のその他の不純物を含む反応組成物を供給した。蒸留塔上のオーバーヘッド真空は、5から10mmHgだった。混合物を塔内で還流し、100から130℃の温度で、リボイラー内の蒸留塔の底部に再循環した。
次いで、20から40lb/時間の速度、100から120℃の温度で、組成物を第2の蒸留塔に供給した。塔のオーバーヘッド真空は、5から10mmHgだった。混合物を塔内で還流し、80から100℃の温度で、リボイラー内の蒸留塔の底部で再循環し、オーバーヘッドで蒸留し、ステンレス鋼容器に採取した。蒸留した産生物の最終的な組成物は、水243ppm、プロピレングリコール0.4重量%、レブリン酸エチル1.2重量%、レブリン酸エチルのプロピレングリコールケタール98.3重量%、およびその他の不純物0.01重量%を含んでいた。
実施例28および29の組成は、以下の表5に示してある。
実施例30〜33のそれぞれは、実施例1に従って合成した(類似の操作パラメータを有する直列の3の反応器系)。以下に、蒸留精製の詳細を示す:蒸留塔の中央ゾーンに、0.049重量%の水、0.27重量%のプロピレングリコール、46.25重量%のレブリン酸エチル、53.05重量%のレブリン酸エチルのプロピレングリコールケタール、および0.44重量%のその他の不純物を含む反応組成物を連続的に供給した。60から80lb/時間の速度、90から110℃の温度で、組成物を第1の蒸留塔に供給した。蒸留塔上のオーバーヘッド真空は、5から10mmHgだった。混合物を塔の中で還流し、100〜130℃の温度でリボイラー内の蒸留塔の底部で再循環させた。次に、20から40lb/時間の速度、100から120℃の温度で、組成物を第2の蒸留塔に供給した。塔上のオーバーヘッド真空は5から10mmHgだった。混合物を塔内で還流し、80から100℃の温度で、リボイラー内の蒸留塔の底部で再循環させ、オーバーヘッドで蒸留し、採取した。蒸留の間、3lb/時間の速度で、蒸留塔の底部をパージした。蒸留した産生物の最終的な組成物は、
45ppmの水、R34ppmのプロピレングリコール、0.08重量%のレブリン酸エチル、99.9%のレブリン酸エチルのプロピレングリコールケタール、および0.01%のその他の不純物を含んでいた。供給物の組成が異なる点を除き、実施例31〜33は、実施例30と同様に実施した。すべての組成は表5に示してある。
表5のデータは、第1の蒸留塔に流入している供給物の組成、第2の蒸留塔に流入している供給物の組成、および第2の蒸留塔のオーバーヘッドからの蒸留および採取された最終産生物の組成を示している。
Figure 0005886856
表5のデータは、第2の蒸留塔の底部から一番下の蒸留していないフラクションをパージしたとき、レブリン酸エチルのプロピレングリコールケタールの蒸留した組成物の最終的な純度は99%を超えることを示している。実施例28および29は、供給組成物中の検知不能なプロピレングリコールおよび1500ppm未満のレブリン酸エチルを第2の蒸留塔に入れた。しかし、組成物を蒸留すると、レブリン酸エチルは10倍増加し、プロピレングリコールの増加率は1000倍を超えた。これは98%を超える純度を依然として達成しているが、99%を超える純度を達成するための工程は容易に制御されないことを示唆した。
しかし、驚くべきことに、蒸留中に第2の蒸留塔の底部をパージすると、供給物の組成に比較して、蒸留した最終的な産生物におけるレブリン酸エチルおよびプロピレングリコールは非常にわずかに増加する結果になった。したがって、この工程は、純度が99%を超えるレブリン酸エチルのプロピレングリコールケタール産生物の産生およびより一貫した工程を可能にする。
実施例34〜38
使用した触媒が、硫酸ではなく、50から500ppmの量のCSAであった点を除き、実施例7で記述したレブリン酸エチルのグリセロールケタールを合成するために使った方法を使用した。反応は変換率が90%を超えるまで進行し、レブリン酸エチルのグリセロールケタールを以下の詳細に従って精製した。実施例34〜38の組成は、以下の表6に示してある。
ニ塩基性固体リン酸ナトリウムの充填層に、70から110℃の温度で、70から90lb/時間の流量で、表6(実施例35)に示す反応組成物を供給した。組成物を70から90lb/時間の速度、90から110℃の温度で、第1の蒸留塔に供給した。蒸留塔上のオーバーヘッド真空は5から10mmHgだった。
混合物を塔内で還流し、リボイラー内の蒸留塔の底部に、160から175℃の温度で、再循環した。次に、140から160℃の温度で、30から35lb/時間の速度で第2の蒸留塔に組成物を供給した。塔上のオーバーヘッド真空は4から10mmHgだった。混合物を塔内で還流し、170から180℃の温度で、リボイラー内で蒸留塔の底部で再循環させ、オーバーヘッドで蒸留し、ステンレス鋼容器に採取した。蒸留塔の底部を、2から4lb/時間の速度でパージした。蒸留した産生物の最終的な組成は、以下の表6に示してある。最終的な蒸留した産生物の酸価は、0.01だった。
実施例37は、使用した触媒が、硫酸ではなく、50から500ppmの量のCSAであり、第二リン酸ナトリウムの充填層が蒸留の前に使用されたことを除き、実施例1と同じ方法で実施された。酸価は0.01だった。
実施例38は、実施例7と同一だった。酸価は0.01だった。
実施例34および36の組成物は、実施例1および7で記述された要領で、レブリン酸エチルのプロピレングリコールケタールおよびレブリン酸エチルのグリセロールケタールを合成するために使用した方法により製造された。反応は変換が90%を超えるまで続き、レブリン酸エチルのプロピレングリコールケタールを以下に詳述する要領で精製した。蒸留塔の中央ゾーンには、表6に示す反応組成物を供給した
40から50lb/時間の速度で、90から110℃の温度で、第1の蒸留塔に組成物を供給した。蒸留塔上のオーバーヘッド真空は、5から10mmHgだった。混合物を塔内で還流し、150から160℃の温度で、リボイラー内の蒸留塔の底部で再縦貫させた。次に、30から35lb/時間の速度、130から140℃の温度で、組成物を第2の蒸留塔に供給した。塔上のオーバーヘッド真空は4から8mmHgだった。混合物を塔内で完了し、170から180℃の温度で、リボイラー内の蒸留塔の底部に再循環させ、オーバーヘッドで蒸留し、ステンレス鋼の容器に採取した。蒸留した産生物の最終的な組成は表6に示してある。実施例34の最終的な産生物の酸価
は、0.28だった。
実施例36の最終産生物の酸価は、0.24だった。
表6のデータは、第1の蒸留塔に流入する供給物の組成、第2の蒸留塔に流入する供給物の組成、ならびに第2の蒸留塔のオーバーヘッドから最終的に蒸留され、採取された産生物の組成を示している。
Figure 0005886856
表6のデータは、蒸留の前に、カンファースルホン酸を使用することおよび第二リン酸ナトリウムまたは炭酸バリウムの使用することは、最終的なケタール産生物の組成に対して、驚くべき有益な効果があることを示している。
最終的なケタール産生物は、出発原料、とりわけレブリン酸エチルの再形成が少ないことを示している。レブリン酸エチルは、色の問題を引き起こすことが知られていて、塩基性または還元環境に対してあまり安定でないため、レブリン酸エチルを除外しておくことはメリットがある。実施例35では、第1の蒸留塔で、グリセロールを検出不可能なレベルまで除去されていることにも注意しておく必要があるグリセロールは、レブリン酸エチルのグリセロールケタールとほぼ同じ温度で.蒸留することが知られていたため、これは驚きだった。
実施例39
(グリセロールの水素化分解を通じた)天然由来のプロピレングリコールを、レブリン酸エチルと反応させて、レブリン酸エチルのプロピレングリコールケタールを産生した点を除き、実施例38を実施例39として繰り返した。産生組成物は実施例38のものと類似していた。.
実施例40〜43
実施例40〜43は、安定性を提供するための緩衝系での本発明の原料の使用を実証する。
実施例40:25ミリグラム(mg)のレブリン酸エチルのグリセロールケタールを、50グラムの緩衝溶液(クエン酸緩衝液;pH5)に測り入れることで、緩衝液中で、実施例35に従って作った500ppm(重量)のレブリン酸エチルのグリセロールケタールを調製した。溶液の性質は均一だった。pHは10日を超える期間に渡って安定していた。
実施例41:25mgのレブリン酸エチルのグリセロールケタールを、50グラムの緩衝液 (炭酸緩衝液;pH9)に測り入れることで、緩衝液中で、実施例35に従って作った500ppm(重量)レブリン酸エチルのグリセロールケタールを調製した。溶液の性質は均一だった。pHは10日を超える期間に渡って安定していた。
クエン酸、クエン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、および重炭酸ナトリウムの0.1モル(m)溶液を作ることにより、緩衝液を調製した。クエン酸緩衝液の場合、0.1mのクエン酸を30.5グラム計量し、0.1mのクエン酸ナトリウムと合わせて100グラムにし、pH5を得た。炭酸緩衝液の場合、0.1mの炭酸ナトリウムを10グラム計量し、0.1mの重炭酸ナトリウムと合わせて100グラムにし、pH9を得た。pHは、緩衝液中の試薬の比率に応じて、より酸性からより塩基性に調節することができる。
実施例42:25mgの
レブリン酸エチルのプロピレングリコールケタールを50グラムの緩衝液(クエン酸緩衝液;pH5)に測り入れることにより、緩衝液中で実施例38に従って作った500ppm(重量)のレブリン酸エチルのプロピレングリコールケタールを調製した。溶液の性質は均一だった。pHは10日を超える期間に渡って安定していた。
実施例43:25mgのレブリン酸エチルのプロピレングリコールケタールを50グラムの緩衝液(炭酸緩衝液;pH9)に測り入れることにより、緩衝液中で実施例38に従って作った500ppm(重量)のレブリン酸エチルのプロピレングリコールケタールを調製した。溶液の性質は均一だった。pHは10日を超える期間に渡って安定していた。
実施例44
実施例7に従って作った組成物8(767.21g)および10%Pd炭素触媒(0.7382g)を、1LのParr反応器の容器に添加した。反応器を窒素でパージした。次に、水素ガスを反応器の容器に加えて、圧力を100psiにし、温度を140℃に設定した。温度を140℃および圧力を115〜120psiに6時間、保持しながら、反応器の内容物を連続的に攪拌した。6時間後、反応混合物を周囲温度まで冷却させ、圧力を気圧に平衡化させた。フラスコの内容物を濾過して、Pd触媒を除去した。
試料をフラスコから採取し、吸収ユニット指数(IAU)についてのUV−VIS、HPLC、およびGC−FIDにより解析した。初期の組成および最終的な組成は表8に示されている。
実施例45
実施例7に従って作った組成物8(793.66g)および10%Pd炭素触媒(0.0803g)を、1LのParr反応器の容器に添加した。酸素濃度が1%未満になるまで、窒素ガスでパージすることにより、反応器中の酸素を抜いた。次いで、20psiになるまで反応器を窒素ガスで満たし、漏れの有無をテストするために一晩、そのままにした。反応器が圧力を保持したことが明らかになった後、水素ガスを反応器にパージした。反応を続行させる前に、再び漏れの可能性がないかを確認した。次いで、水素ガスを反応器の容器に圧力が100psiになるまで加え、温度を140℃に設定した。温度を140℃および圧力を80〜100psiに、4時間維持しながら、反応器の内容物を連続的に攪拌した。次に、実施例45の内容物をもう1回、水素添加状態に置いた。実施例45で明記したのと同じ工程の下、圧力低下が原因で、漏れがないかどうか、反応器を再びテストした。反応器が圧力を保持したことが明らかになり、水素ガスを反応器にパージした後、
次いで、その水素ガスを反応器の容器に加えて、圧力を100psiにし、温度を140℃に設定した。温度を140℃および圧力を80〜110psiに、3.25時間維持しながら、反応器の内容物を連続的に攪拌した。3.25時間後、反応混合物を周囲温度まで冷却させ、圧力を大気圧に均衡化させた。フラスコの内容物を濾過し、Pd触媒を除去した。試料をフラスコから取り出し、IAUが0.031から0.000に移行したことが明らかになった。
実施例46〜50
同様の水素添加反応を、実施例44の手順に従って実施した。温度、時間、圧力、触媒の量、および水素添加触媒の種類などの反応条件は変化させてあり、HPLCおよびIAUの結果と一緒に表7に示してある。
Figure 0005886856
実施例51
20mLの注射器に、シーライトを注射器の5mLの線まで添加した。注射器を0.4μmのフィルターに接続した。実施例7に従って作った組成物8(5mL)を40℃まで加熱し、同一の20mLの注射器にシーライトの上に重ねて添加した。組成物8を注射器のプラスチック製ピストン棒を使って、シーライトの栓を通過するように押し出し、濾過した液体をHPLCで解析した。
実施例52
実施例52と同一の工程に従い、多種多様な吸着剤およびイオン交換樹脂を、実施例7(実施例52〜58)に従って作った組成物8における発色体除去について試験した。HPLCの結果は、表8に示してある。
Figure 0005886856
実施例59
実施例7に従って作った組成物8(75mL)および家庭用漂白剤(40mL)を250mLビーカーに添加し、室温で混合した。内容物を分液漏斗に注ぎ、一晩かけて分離させた。組成物8を分液漏斗から抽出し、解析した。HPLCおよびIAUの結果を表9に示してある。
Figure 0005886856
実施例60〜63
実施例7に従って作った組成物8およびUV安定化剤である、0.2%のTinuvin 833をガラス製のバイアルに添加した。次に、試料および安定化剤を、熱板上で溶解するまで混合した。試料および安定化剤を含有したバイアルをUVチャンバに入れ、大気にさらした。経時的にIAU指数を記録し、その結果を表10に示してある。
Figure 0005886856
実施例8に従って作った組成物8を、攪拌棒、熱電対、ならびに窒素の注入口および出口を備えた250mLのフラスコに添加した。窒素パージ下で、65℃にて、一晩、加熱マントルで加熱することにより、内容物を乾燥させた。試料をフラスコから取り出し、フラスコ内の水含有量をカール・フィッシャー法を使って測定した結果、100ppm未満だった。次に温度を230℃に設定し、4時間、一定に保った。IAU指数の結果は表11に示されている。
実施例65
実施例7に従って作った組成物7を、攪拌棒、熱電対ならびに窒素の注入口および出口を備えた250mLのフラスコに添加した。窒素パージ下で、65℃にて、一晩、加熱マントルで加熱することにより、内容物を乾燥させた。試料をフラスコから取り出し、フラスコ内の水含有量をカール・フィッシャー法を使って測定した結果、100ppm未満だった。次に温度を230℃に設定し、4時間、一定に保った。
IAU指数の結果を、表11に示してある。
Figure 0005886856
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を記述することだけを目的としており、制限を加える意図はない。本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈が明らかに他を示唆しているのでない限り、複数形も包含することを意図している。用語「含む」および/もしくは「含んでいる」、または「包含する」もしくは「包含する」は、本明細書で使用されているとき、記述された特徴、領域、整数、ステップ、操作、要素および/または成分の存在を指定するが、その他の特徴、領域、整数、ステップ、操作、要素、成分および/またはこれらの群の存在または追加を除外するものではないこともさらに理解されるべきである。同一の成分または属性に向けられたすべての範囲の終点は、その終点を包括し、かつ、独立して、組み合せることができる。「含んでいる」という用語は、遷移の用語である「〜から成る」および「基本的に〜から成る」も包括している。
他に定義されているのでない限り、本明細書で用いられるすべての用語(技術用語および科学用語を含む)は、本発明が属する分野の当業者が一般に理解しているのと同じ意味を持つ。
上述した方法により作成される化合物には、実施形態では、1つまたは複数の異性体が存在する。異性体が存在する可能性がある場合、本発明は、任意の立体異性体、任意の配置異性体、および任意のシス−トランス異性体;これらの単離された異性体;およびこれらの混合物も含め、これらの任意の異性体を形成する方法を統合する。
化合物は標準の命名法を使って記述されている。例えば、任意の指示された基で置換されていない位置は、指示されている結合により満たされるその結合価または水素原子を有するものと理解される。2つの文字または記号の間にはないダッシュ(「−」)は、置換基の結合するポイントを表すのに使われる。例えば、−CHOはカルボニル基の炭素を通じて接続される。アルキル基は直鎖である場合も、分岐している場合もあり得る。本明細書の全体を通して、様々なニ価の基に言及がなされている。このような基は、同様に命名されている一価の基と同一であり、通常、接尾が「ene(エン)」である。例えば、C1〜C6アルキレン基は、C1〜C6アルキル基と同一の構造を有する二価の結合基である。
引用された特許、特許出願およびその他の文献はすべて、それらの全体が参照により、本明細書に組み込まれる。
本発明は代表的な実施形態を参照しながら記述されているが、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更を加え得ることおよび相当する要素で、これらの要素を置換し得ることは当業者によって理解されるであろう。加えて、本発明の基本的な範囲から逸脱することなく、本発明の教えには、特定の状況または材料に適合させるために、数多くの改変を加えることもあり得る。したがって、本発明は、本発明を実施するために考案された最適な形態として開示された特定の実施形態に制限されるものではなく、付属する特許請求の範囲に記述された範囲に収まるあらゆる実施形態を含むことを意図している。

Claims (5)

  1. レブリン酸エチルのグリセロールケタールを製造するための方法であって、
    レブリン酸エチルのグリセロールケタールを含む産生物を産生するための反応条件の下で、反応器内で、レブリン酸エチルおよび酸触媒にグリセロールを接触させること;
    前記酸触媒は20〜500ppmのカンファースルホン酸であり、産生物が含有するグリセロールの量が1000パーツ・パー・ミリオン未満になるまで、分別した原料を産生物から分離するための分別条件下で、産生物を分別すること;
    分別した原料を反応器に戻して、再循環すること;および
    蒸留条件下で、産生物を蒸留すること
    を含み、
    生じる産生物がレブリン酸エチルのグリセロールケタールおよび2重量%以下の混入物を含み;混入物が、グリセロール、酸種、レブリン酸エチル、水、またはレブリン酸エチルのグリセロールケタールの分子量の少なくとも1.5倍の分子量を有する高分子量副産物のうち、1つまたは複数を含むことを特徴とする方法。
  2. レブリン酸エチルのグリセロールケタールを製造するための方法であって、
    レブリン酸エチルのグリセロールケタールを含む産生物を産生するための第1の反応条件のセットの下で、第1の反応器内においてグリセロール、レブリン酸エチル、およびカンファースルホン酸を接触させること;
    第1の反応器の下流にある第2の反応器に、第1の反応器からの産生物を連続的に送り、産生物を第2の反応条件のセットに供すること;
    第2の反応器の下流にある第3の反応器に、第2の反応器からの産生物を連続的に送り、産生物を第3の反応条件のセットに供すること;
    その後、産生物が含有するグリセロールの量が、GC−FIDによる測定で、1000ppm未満になるまで、分別条件のセットの下で産生物を分別して、産生物から分別原料を分離すること;および
    蒸留条件のセットの下で、産生物を蒸留塔内で蒸留すること
    を含み、
    生じる産生物が、レブリン酸エチルのグリセロールケタールおよび重量%以下の混入物を含み;混入物がグリセロール、酸種、レブリン酸エチル、水、またはレブリン酸エチルのグリセロールケタールの分子量の少なくとも1.5倍の分子量を有する高分子副産物のうち、1つまたは複数を含むことを特徴とする方法。
  3. レブリン酸エチルのプロピレングリコールケタールを製造するための方法であって、
    レブリン酸エチルのプロピレングリコールケタールを含む産生物を産生するための反応条件下で、反応器内で、レブリン酸エチルおよび酸触媒に、プロピレングリコールを接触させること;
    その後、産生物が含有するレブリン酸エチルの量が1000ppm未満になるまで、分別した原料を産生物から分離するための条件下で、産生物を分別すること;
    分別した原料を反応器に戻して、再循環させること;および
    蒸留条件下で、産生物を蒸留すること
    を含み、
    前記酸触媒がカンファースルホン酸であり、得られる産生物がレブリン酸エチルのプロピレングリコールケタールおよび重量%以下の混入物を含み;混入物がプロピレングリコール、酸、レブリン酸エチル、水、またはレブリン酸エチルのプロピレングリコールケタールの分子量よりも少なくとも1.1倍の分子量を有する高分子量副産物のうち、1つまたは複数を含むことを特徴とする方法。
  4. レブリン酸エチルのプロピレングリコールケタールを製造するための方法であって、
    レブリン酸エチルのプロピレングリコールケタールを含む産生物を産生するための第1のセットの反応条件下で、第1の反応器内で、レブリン酸エチルおよびカンファースルホン酸とプロピレングリコールを接触させること;
    第1の反応器の下流にある第2の反応器に、第1の反応器からの産生物を連続的に送り、産生物を第2の反応条件のセットに供すること;
    第2の反応器の下流にある第3の反応器に、第2の反応器からの産生物を連続的に送り、産生物を第3の反応条件のセットに供すること;
    その後、産生物が含有するレブリン酸エチルの量が、GC−FIDによる測定で、1000ppm未満になるまで、分別した原料を産生物から分離するための分別条件のセットの下で産生物を分別すること;および
    蒸留条件のセットの下で、蒸留塔内で産生物を蒸留すること
    を含み、
    生じる産生物がレブリン酸エチルのプロピレングリコールケタールおよび重量%以下の混入物を含み;混入物がプロピレングリコール、酸、レブリン酸エチル、水、またはレブリン酸エチルのプロピレングリコールケタールの分子量よりも少なくとも1.1倍の分子量を有する高分子量副産物のうち、1つまたは複数を含むことを特徴とする方法。
  5. 分子量副産物が、レブリン酸エチルのグリセロールケタールまたはレブリン酸エチルのプロピレングリコールケタール、レブリン酸エチル、プロピレングリコール、グリセロール、および/またはレブリン酸エチルのグリセロールケタールもしくはレブリン酸エチルのプロピレングリコールケタールのアルドールにより産生されるか、またはレブリン酸エチルのグリセロールケタールとそれ自体との間の反応により産生された二量体、三量体またはオリゴマーの1つまたは複数であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
JP2013523314A 2010-08-03 2011-08-03 アセタールおよびケタールの製造方法、ならびにこの方法により製造されるアセタールおよびケタール Active JP5886856B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US37036510P 2010-08-03 2010-08-03
US61/370,365 2010-08-03
PCT/US2011/046463 WO2012018939A2 (en) 2010-08-03 2011-08-03 Methods for the manufacture of acetals and ketals, and the acetals and ketals produced thereby

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2013537536A JP2013537536A (ja) 2013-10-03
JP2013537536A5 JP2013537536A5 (ja) 2014-09-18
JP5886856B2 true JP5886856B2 (ja) 2016-03-16

Family

ID=45556606

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013523314A Active JP5886856B2 (ja) 2010-08-03 2011-08-03 アセタールおよびケタールの製造方法、ならびにこの方法により製造されるアセタールおよびケタール

Country Status (11)

Country Link
US (2) US20120035376A1 (ja)
EP (1) EP2601184B1 (ja)
JP (1) JP5886856B2 (ja)
KR (1) KR20130136955A (ja)
CN (1) CN103025720B (ja)
AU (1) AU2011285715B2 (ja)
BR (1) BR112013000575A2 (ja)
CA (2) CA2806352C (ja)
MX (1) MX336783B (ja)
SG (1) SG187044A1 (ja)
WO (1) WO2012018939A2 (ja)

Families Citing this family (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012021824A2 (en) * 2010-08-12 2012-02-16 Segetis, Inc. Carboxy ester ketal removal compositions, methods of manufacture, and uses thereof
CN103201309B (zh) 2010-11-11 2015-04-29 赛格提斯公司 聚缩酮加合物、其制备方法和用途
US9187598B2 (en) 2010-11-11 2015-11-17 Segetis, Inc. Polyhydroxy ketal ester adducts, methods of manufacture and uses thereof
ITPN20130066A1 (it) 2013-11-11 2015-05-12 Fluos S A S Di Giuseppe Chiaradia & C Plastificanti per polimeri
US9850400B2 (en) 2014-08-20 2017-12-26 Resinate Materials Group, Inc. Digestion of keratin
JP2017535662A (ja) 2014-08-20 2017-11-30 レジネート マテリアルズ グループ、インコーポレイテッド 再生ポリマー及び廃棄物からのポリエステルポリオール
US9951171B2 (en) 2014-08-20 2018-04-24 Resinate Materials Group, Inc. Polyester polyols from recycled polymers and waste streams
US9580546B2 (en) 2014-10-29 2017-02-28 Resinate Materials Group, Inc. Polymeric plasticizer compositions
US9890243B2 (en) 2014-10-29 2018-02-13 Resinate Materials Group, Inc. Polymeric plasticizer compositions
CN110078701A (zh) * 2019-03-29 2019-08-02 郑州大学 一种农林废弃物制备生物质基缩酮酯的方法
US10773192B1 (en) * 2019-04-09 2020-09-15 Bitfury Ip B.V. Method and apparatus for recovering dielectric fluids used for immersion cooling
CN113929654B (zh) * 2021-10-26 2022-09-02 郑州大学 一种乙酰丙酸甘油缩酮甲酯的连续合成方法及应用
WO2024115796A1 (en) 2022-12-02 2024-06-06 Specialty Operations France Bio-based compounds

Family Cites Families (40)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US2556135A (en) 1951-06-05 Preparation of ketal esters
US1934309A (en) 1933-11-07 Cyclic acetals and process of
US2260261A (en) 1941-10-21 Cyclic ketals and process for
US2008720A (en) 1932-05-03 1935-07-23 Du Pont Levulinic acid ester
US2654723A (en) 1950-11-01 1953-10-06 Gen Tire & Rubber Co Polyvinyl composition and method of making same
FR1445013A (fr) 1964-07-09 1966-07-08 Thomae Gmbh Dr K Procédé pour fabriquer des nouveaux acides dioxolano-2-carboxyliques
US3658789A (en) 1970-01-19 1972-04-25 Syntex Corp Drug glycerol ketals
GB1427918A (en) 1972-05-26 1976-03-10 Shell Int Research Herbicidal glycerol acetals
SU722912A1 (ru) 1978-03-06 1980-03-25 Уфимский Нефтяной Институт Способ получени 5-метил/-4оксо3,6,8-триоксабицикло/ (3,2,1)-октана
JPS57197235A (en) 1981-05-28 1982-12-03 Kao Corp Preparation of 2-hydroxy-3-alkoxypropyl glyceryl ether
US4792411A (en) 1986-12-29 1988-12-20 The Lubrizol Corporation Dioxolanes and thio analogs, derivatives thereof and lubricants and fuels containing same
US4923891A (en) 1987-09-24 1990-05-08 G. D. Searle & Co. Leukotriene LTD4 and LTB4 antagonists
US5095098A (en) 1989-09-29 1992-03-10 E. I. Du Pont De Nemours And Company Yttrium and rare earth compounds catalyzed lactone polymerization
JPH04217972A (ja) 1990-07-30 1992-08-07 Mitsuo Okahara 新規なカルボン酸塩誘導体及びそれよりなる分解性界面活性剤
DE4110973A1 (de) 1991-04-05 1992-10-08 Haarmann & Reimer Gmbh Mittel mit physiologischem kuehleffekt und fuer diese mittel geeignete wirksame verbindungen
AU682835B2 (en) 1992-11-25 1997-10-23 Unilever Plc Alkylidene glycerol surfactants and detergent compositions containing them
US5202413A (en) 1993-02-16 1993-04-13 E. I. Du Pont De Nemours And Company Alternating (ABA)N polylactide block copolymers
DE19647395A1 (de) 1996-11-15 1998-05-20 Basf Ag Verfahren zur Herstellung von cyclischen Acetalen oder Ketalen
US5998092A (en) 1998-05-27 1999-12-07 Clariant International, Ltd. Water soluble negative-working photoresist composition
JP4287546B2 (ja) 1999-07-27 2009-07-01 花王株式会社 グリセリルエーテルの製法
CN1252122C (zh) 1999-12-10 2006-04-19 伊科聚合物股份有限公司 缩聚反应的催化剂体系
US6528025B1 (en) 2000-06-26 2003-03-04 Roche Vitamins Inc. Process of manufacturing equipment for preparing acetals and ketals
ES2201894B2 (es) 2002-01-18 2005-03-01 Industrial Management, S.A Procedimiento para producir combustibles biodiesel con propiedades mejoradas a baja temperatura.
JP4217972B2 (ja) 2002-01-31 2009-02-04 セアン カンパニー エス.ピー.エー. 管状エレメントの接続デバイス
DE10218916A1 (de) 2002-04-27 2003-11-06 Degussa Verfahren zur Herstellung von Acetalen und Ketalen mit Hilfe mehrstufiger Pervaporation oder Dampfpermeation
WO2004099173A1 (en) 2003-05-12 2004-11-18 Theracarb Inc. Multivalent inhibitors of serum amyloid p component
WO2005097724A1 (en) 2004-03-24 2005-10-20 E.I. Dupont De Nemours And Company Preparation of levulinic acid esters from alpha-angelica lactone and alcohols
EP1737810A2 (en) 2004-03-24 2007-01-03 E.I.Du pont de nemours and company PREPARATION OF LEVULINIC ACID ESTERS FROM alpha-ANGELICA LACTONE AND ALCOHOLS
JP4776303B2 (ja) 2004-11-22 2011-09-21 独立行政法人科学技術振興機構 含フッ素化合物の製造方法、含フッ素化合物、含フッ素ポリマー、及び含フッ素ポリマーを用いた光学材料若しくは電気材料
WO2006086634A2 (en) 2005-02-11 2006-08-17 Coley Pharmaceutical Group, Inc. Oxime and hydroxylamine substituted imidazo[4,5-c] ring compounds and methods
US7300947B2 (en) * 2005-07-13 2007-11-27 Banyu Pharmaceutical Co., Ltd. N-dihydroxyalkyl-substituted 2-oxo-imidazole derivatives
US7902410B2 (en) 2005-11-03 2011-03-08 Honeywell International Inc. Process for the manufacture of fluorinated alkanes
CN103396393B (zh) * 2005-11-22 2016-03-02 塞格提斯有限公司 甘油乙酰丙酸酯缩酮及其用途
AU2008206049A1 (en) 2007-01-18 2008-07-24 Evolva Sa Substituted 1,3-dioxanes and their uses
ES2561482T3 (es) 2007-02-15 2016-02-26 Centre De Recherche Sur Les Biotechnologies Marine Monoglicéridos de ácido graso poliinsaturado, derivados, y sus usos
CA2697773A1 (en) 2007-09-04 2009-03-12 Segetis, Inc. Ketal compounds from polyols and oxocarboxylates
BRPI0818370A2 (pt) 2007-10-09 2017-05-16 Segetis Inc métodos de fabricar cetais e acetais
CN107082742A (zh) 2008-08-25 2017-08-22 陶氏环球技术有限责任公司 多元醇醚和制备它们的方法
US8575367B2 (en) 2008-09-25 2013-11-05 Segetis, Inc. Ketal ester derivatives
WO2011140644A1 (en) * 2010-05-11 2011-11-17 The University Of British Columbia Polyacetal or polyketal and ether polymers

Also Published As

Publication number Publication date
SG187044A1 (en) 2013-02-28
CA3051232A1 (en) 2012-02-09
US20150080585A1 (en) 2015-03-19
CN103025720B (zh) 2016-06-01
CA2806352C (en) 2019-09-24
US9593093B2 (en) 2017-03-14
WO2012018939A2 (en) 2012-02-09
US20120035376A1 (en) 2012-02-09
AU2011285715A1 (en) 2013-01-31
AU2011285715B2 (en) 2016-04-21
EP2601184A2 (en) 2013-06-12
JP2013537536A (ja) 2013-10-03
EP2601184A4 (en) 2014-01-15
CA2806352A1 (en) 2012-02-09
BR112013000575A2 (pt) 2016-07-05
MX336783B (es) 2016-02-02
CA3051232C (en) 2021-08-31
EP2601184B1 (en) 2015-12-16
KR20130136955A (ko) 2013-12-13
CN103025720A (zh) 2013-04-03
MX2013001158A (es) 2013-10-28
WO2012018939A3 (en) 2012-08-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5886856B2 (ja) アセタールおよびケタールの製造方法、ならびにこの方法により製造されるアセタールおよびケタール
CA2668294C (en) Method of making ketals and acetals
US9926251B2 (en) Method for separation of close-boiling mixture of polyols
CN102015702B (zh) 环醚
US8829207B2 (en) Production of cyclic acetals by reactive distillation
US3328427A (en) Mono, ortho and oxetane esters of trimethylol compounds
KR20160101055A (ko) 이소헥시드 에테르 및 카보네이트의 합성
EP2334627A2 (en) Process for the preparation of glycerol formal
Vol’Eva et al. New approach to the synthesis of 1, 3-dioxolanes
JPS63156738A (ja) 1,3−ブチレングリコ−ルの精製法
JP6890708B2 (ja) 1,3−ブチレングリコール製品
JP6191213B2 (ja) テトラヒドロフラン含有物の精製方法
Reddy et al. Stereoselective Synthesis of Tetrahydropyranyl Diarylheptanoids (-)-Centrolobine and (+)-Centrolobine
JP6852263B2 (ja) アンヒドロ糖アルコールの製造方法
US3696123A (en) Dihydrocarbonoxyoxethanes
JP4775607B2 (ja) 官能基を有する4−メチレン−1,3−ジオキソランおよびその製造方法
JP7296209B2 (ja) 環状アセタール化合物の製造方法
Mamedov et al. Synthesis of bicyclo [2.2. 1] heptyl monoethers of aliphatic diols
JP2021127343A (ja) アンヒドロ糖アルコールの製造方法
JP2016121141A (ja) 環状アセタール類の製造方法
JP2013060429A (ja) 1,4−ブタンジオールの精製方法及びテトラヒドロフランの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140801

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140801

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150521

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150609

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20150908

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20151008

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20151109

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20151208

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160112

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160212

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5886856

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250