JP5885339B2 - 溶鋼用ストッパーの使用方法 - Google Patents

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Description

本発明は、溶鋼用ストッパーの使用方法に関し、特に、一度使用したストッパーの再使用が可能となるようなストッパーロッド部の形状の新規な改良に関する。
従来、用いられていたこの種の溶鋼容器の出口を開閉させるためのストッパーは、一般に、静水圧成形されたアルミナ・グラファイト製の細長い円筒状の耐火物からなり、前記の細長い円筒状の耐火物本体は、対応する出口ノズルのスロートに結合するに適した丸いまたはテーパー状の形状(ストッパーヘッド)を下端に有する。また外部に前記ストッパーを上下する機構を有し、それによって溶鋼流量が制御される。
連鋳用のタンディッシュの場合、ストッパーを設置して、鋳込み終了時のスラグ巻き込み防止にも使用する。タンディッシュにおいてストッパーを使用する際、溶鋼保温のために設置されたタンディッシュ蓋に明けられた小孔を通じて、ストッパーの上下機構と結合されている。
すなわち、図4及び図5は、例えば、従来のタンディッシュからなる溶鋼容器20内に設けられたストッパー1の使用状態を示している。
前記溶鋼容器20は、タンディッシュ鉄皮10とタンディッシュ蓋8とからなり、このタンディッシュ鉄皮10の内側にはタンディッシュ本体耐火物11が内張りされていると共に、その底部には出口12aを有するノズル12が設けられている。
前記タンディッシュ蓋8には小孔7が設けられており、この溶鋼容器20内には、ストッパー1が配設され、図示しない上下機構21がストッパー1の取り付け部9をチャッキングしてストッパー1を上下動できるように構成されている。
前記ストッパー1のストッパーヘッド2がノズル12の出口12aに当接することによって出口12aを閉塞し、前記ノズル12の出口12aからの溶鋼5の下方への吐出は止められる。
次に、前記ストッパー1の具体的な使用方法は以下の通りである。すなわち、鋳込み開始時、ストッパー1はノズル12の閉塞位置に設置される。この状態で、図示しない溶鋼取鍋からエアシールパイプなどを通じて、溶鋼容器20内に溶鋼5が供給される。一定レベルの深さ以上に溶鋼5が貯まった状態でストッパー1は上方の解放位置に移動する。連続鋳造中は、ストッパー1は解放位置に固定され、溶鋼5の流量制御は別途下方に設置された周知のスライディングプレートによって行われる。流量調整のためには溶鋼ヘッドが一定することが好ましいので、鋳造の間、溶鋼ヘッドは取鍋に設置されたスライディングノズルによって一定に保たれる。溶鋼ヘッドは溶鋼容器20の種類によって異なるが、400mm〜2000mm程度である。鋳込み終了の際、取鍋からの溶鋼の供給は停止するため、時間とともに溶鋼レベルは低下する。溶鋼ヘッドが一定値(数十〜100mm)に達した際、ストッパー1を解放位置から閉塞位置に移動させ、出口12aからの溶鋼5の流出を停止させる。この停止をさせる目的は、出口12a付近で流出流が渦を巻き、溶鋼5上に浮いた溶融スラグ4を巻き込むことを防ぐためである。
また、鋳込み中、溶鋼ヘッドが一定レベルに保たれている間、溶鋼5中に混在した溶融スラグ4が浮上し、溶鋼容器20内の溶鋼5上には厚さが数十mmのスラグ層が形成される。このスラグ層の位置を称して、スラグライン4a(図2に示す)と称する。
また、特許文献1のストッパーロッドの場合、図2の(c)および図3の(b)で示されるように、スラグライン4aに位置するストッパーロッド3の中間部が、その上側と下側の各テーパー部25,26を介して細径部27が形成され、この細径部27によって鍔状のスラグ固化物の形成を軽減させる構成も提案されている。
特許第4,777,611号公報
従来のストッパーは、以上のように構成されていたため、次のような課題が存在していた。
すなわち、従来、前述のストッパーは、ストッパーに付着したスラグ固化物6の完全な除去が不可能であるため、一回使用された後、再使用することなく廃棄されていた。
それに対し、省資源、省コストの観点から一度使用したストッパーを再使用する試みがなされつつある。
この再使用のためには、再使用に耐えるかどうか点検し、必要に応じて一部補修などする必要があるが問題点が発生した。その問題点を図4および図5によって説明する。まず、点検のためには、タンディッシュ蓋8の小孔7を通じて溶鋼容器20内に挿入されていたストッパー1を引き抜く必要があるが、ストッパー1の上部に鍔状のスラグ固化物6が形成され、その直径が蓋8の小孔7径より大きくなって引き抜けない、あるいは無理に引き抜こうとすると、ストッパーロッド部3を折損するという問題が発生した。
一回使用後に廃棄するのであれば、鍔状のスラグ固化物6が発生しても、引き抜きのためにストッパー1が折損しても全く問題がないが、再使用するということによって発生した問題であり、先行技術としては今のところ存在していない。
そのため、試みの対策として、特許文献1のストッパー1にあるようにスラグライン4aのストッパーロッド3の中間部の径を小さくして細径(図3のbに示す)とすることで鍔状のスラグ固化物6が軽減するかどうか試したが、改善されることはなかった。
そこで本発明者らは、実機における鍔状のスラグ固化物6の付着状態をよく観察し、それを基に対応策を考えた末に本発明に至ったものである。
すなわち、ストッパーロッド部3の直径は80〜200mmであり、蓋8の小孔7はストッパーロッド3と100〜250mmの隙間が設けてある。隙間を形成する理由は、ストッパー1の設置や操作に際しての干渉を防ぐ余裕代であり、また、その隙間から溶鋼容器20内の状態を観察する観察孔としての役目も果たしている。
前述の鍔状に形成された固化スラグ6は、操業条件によって若干変化するが概ね厚さは約10〜50mm、直径は約600〜1000mmである。この鍔状のスラグ固化物6は、溶鋼5上に浮いた溶融スラグが冷却・固化することによって起こるが、その冷却のメカニズムは以下の2点が考えられる。
一つ目は、小孔7とストッパー1との間の隙間から輻射による放熱である。蓋8の小孔7の径は決まっておりこれを変えようとすると大きな設備費が必要となり、条件を代え難く、輻射による放熱量を抑えることは困難である。もう一つは、伝熱で、ストッパー1の材質はアルミナ・グラファイト質なので比較的熱伝導率が高く、ストッパーロッド3を通じて伝熱、放熱する。この場合も、材質を変えることは難しい。換言すれば、鍔状のスラグ固化物6の生成を抑制することは困難である。
そこで、ストッパー1の動きの中で、容易に固化スラグ6が破壊・脱落させることができないか検討した。
ストッパー1の使用方法は既に述べたが、それをストッパー1の上下方向への移動のみを段階毎に整理すると以下のようになる。(1)溶鋼容器整備場で蓋8とストッパー1を設置する。(2)連続鋳造のスタート時には、ストッパー1は下がっている(出口12aが閉じている)。(3)取鍋から溶鋼容器20へ溶鋼5を流入させ、溶鋼容器20内に溶鋼5が溜まり、基準値に達したらストッパー1を上方の待機位置へ上げる(出口12aは開放状態にある)。(4)通常は、そのまま連続鋳造の最後まで保持する。(5)連続鋳造を終了する際、湯面がある規定値まで低下した段階で、ストッパー1を下げる。(6)連続鋳造が終了後、溶鋼容器20は整備場に移動され、ストッパー1を引き抜く。
前述の鍔状のスラグ固化物6は前述(4)の際に形成される。一方、引き抜きに問題が出るのは(6)の段階である。従って、(5)の段階で破壊・脱落させればよいと考えた。
(4)の段階では形成された鍔状のスラグ固化物6は、溶鋼5上にあり、溶鋼5から浮力を受けている。それに対して、(5)の段階の溶鋼ヘッドは、(4)の段階から比較して数百mm下方にある。この状態では、鍔状のスラグ固化物6は空中にあって溶鋼5の浮力はなく、ストッパーロッド部3との付着面の強度と、スラグ固化物6の強度によって支えられている状態にある。
一方、(5)の移動によってストッパー1が下方に移動してノズル12の出口12aを閉塞する際、ストッパー1は数十mm/秒程度の速度を持ち、ノズル12に突き当たり停止する。このときの衝撃を利用すれば、スラグ固化物6を破壊・脱落させることが可能になると考えた。
まず、第1の方法は、特許文献1の構成のようにストッパーロッド3の径を小さくして、スラグ固化物6とストッパーロッド3との付着面積を小さくすることでスラグ固化物6の破壊・脱落を試みた。しかし、鍔状のスラグ固化物6が多少下方に移動するだけで、破壊・脱落には至らなかった。
そこで、割れやすくするためには、くさびのようなテーパー部25を形成することがよいと考え、ストッパー1のストッパーロッド3に上側で径が小さくなる細径形状の第1テーパー部25を用いて実機での実験の結果、前述のストッパー1がノズル12に突き当たって停止する時の衝撃によってスラグ固化物6が第2テーパー部26を下方に向けて抜けようとする時に、スラグ固化物6の内孔6aがテーパー部26の外径の径大化によって破壊され、スラグ固化物6が割れて落ち、鍔状のスラグ固化物6はなくなり、ノズル12の再利用率が向上した。
本発明による溶鋼用ストッパーの使用方法は、上下機構に接続するための取り付け部を上部に有すると共に、実質的に円形の水平断面を有し、溶鋼容器のノズルの出口からの溶鋼の流出および閉塞を行うためのストッパーヘッドを有するストッパーロッド部を備えたストッパーを用いる溶鋼用ストッパーの使用方法において、前記ストッパーロッド部にその軸中心を通る縦方向断面において上側で径が小さくなる形状のテーパー部を設け、前記出口に対して前記ストッパーヘッドが解放位置にある場合に前記溶鋼上に浮いた溶鋼スラグが形成する高さ方向の位置をスラグラインとし、前記テーパー部を、前記スラグラインに位置する、または、その一部が前記スラグラインより50mm以内に位置するように設置し、前記ストッパーでノズルの出口を閉塞するときの衝撃によりスラグ固化物を破壊脱落させる方法であり、また、前記テーパー部の角度は、1度から20度である方法である。
本発明による溶鋼用ストッパーの使用方法は、以上のように構成されているため、次のような効果を得ることができる。
すなわち、上下機構に接続するための取り付け部を上部に有すると共に、実質的に円形の水平断面を有し、溶鋼容器のノズルの出口からの溶鋼の流出および閉塞を行うためのストッパーヘッドを有するストッパーロッド部を備えたストッパーを用いる溶鋼用ストッパーの使用方法において、前記ストッパーロッド部にその軸中心を通る縦方向断面において上側で径が小さくなる形状のテーパー部を設け、前記出口に対して前記ストッパーヘッドが解放位置にある場合に前記溶鋼上に浮いた溶鋼スラグが形成する高さ方向の位置をスラグラインとし、前記テーパー部を、前記スラグラインに位置する、または、その一部が前記スラグラインより50mm以内に位置するように設置し、前記ストッパーでノズルの出口を閉塞するときの衝撃によりスラグ固化物を破壊脱落させるため、使用中に形成された鍔状のスラグ固化物は、ストッパーをノズルに落下させて当接させた時の衝撃により、下方に向けて径が広がる形状のテーパー部によって広げられる作用が働き、容易に破壊されて、ストッパーの再使用が可能となる。
前記テーパー部の角度は、1度から20度であることにより、スラグ固化物の破壊作用を高効率に得ることができる。
本発明によるストッパーの使用方法におけるストッパーを示す構成図である。 (a)は本発明の他の形態のストッパーでスラグラインの下面より50mm以内にテーパー部が位置する構成図、(b)は本発明のストッパーのテーパー部の角度とスラグラインとの位置を変えた構成図、(c)は特許文献1のストッパーを本発明に適用した際の構成図である。 (a)は図4、図5における従来型のストッパーを示す構成図、(b)は特許文献1のストッパーを示す構成図、(c)は本発明の比較例でテーパー角度が本発明外の構成図、(d)は本発明の比較例で下側へ向けて径が細くなるストッパーの構成図である。 従来の溶鋼容器内のストッパーを示す断面概略図である。 従来の溶鋼容器内で溶鋼吐出後のストッパーを引き抜く状態を示す断面概略図である。
本発明は、一度使用したストッパーの再使用が可能となるようなストッパーロッドの形状を有するストッパーの使用方法を提供することを目的とする。
以下、図面と共に本発明による溶鋼用ストッパーの使用方法の好適な実施の形態について説明する。
尚、従来例と同一又は同等部分には、同一符号を付して説明し、図2から図5の構成は本発明のストッパーの説明にも利用するものとする。
図1は本発明におけるストッパー1を示す構成図である。
図1において、符号1で示されるものは実質的に円形の水平断面を有するストッパー1であり、このストッパー1の上部には、このストッパー1をタンディッシュ等の溶鋼容器20内で上下動するために用いられる周知の上下機構21によってチャッキングするための取り付け部9が形成されている。
前記ストッパー1の従来構成と異なる部分は、その軸中心を通る縦方向断面において、上側で径が細くなる細径部30を形成するように構成されたテーパー部26を設けていることで、前記テーパー部26を溶鋼スラグ4からなるスラグライン4aに位置させる、または、その一部がスラグライン4aより50mm以内に位置させることによって、後述のように、前記スラグ固化物6を破壊することができるように構成されている。
尚、前記ストッパー1の構成の場合、前記テーパー部26以外の部分は従来のストッパー1と同一であるため、同一符号を付しその説明は省略する。
前述の図4および図5のストッパー1の溶鋼容器20内での動きの中でノズル12の出口12aを閉塞するための閉塞位置への移動の際、溶鋼ヘッドはスラグライン4aよりある程度下にあり、鍔状のスラグ固化物6は図5のように空中に浮いた状態にあり、厚さと大きさとスラグ密度によって決まるある量の質量をストッパーロッド部3との接着力とスラグ固化物6の強度とによって保持されている。前記ストッパー1の下方への移動によってスラグ固化物6は運動エネルギーを得るが、閉塞位置でストッパーヘッド2が溶鋼出口であるノズル12に衝突して停止する。その際の衝撃による慣性エネルギーによってスラグ固化物6は下向きに力が働く。この際、スラグライン4aで上方が細くなるような軸方向長さAのテーパー部26を設けられていることで、この破壊・脱落が起こりやすくなる。すなわち、破壊・脱落のメカニズムは、テーパー部26のくさび効果によって内孔6aの亀裂が広がり、スラグ固化物6が割れて、脱落するものと考えられる。例えば、前記テーパー部26を設けない場合、多少の亀裂が発生したとしても、鍔状のスラグ固化物6が多少下方にずれるだけであり、脱落には至らない。しかし、下方へずれた後、前記テーパー部26がそのすぐ下にあれば、同様のくさび効果が発揮される。このため、テーパー部26の位置がスラグライン4aより下方へ50mm以内(図2のaに示す)であれば、くさび効果をある程度発揮できる。より好ましくは、テーパー部26に位置(図1、図2のb,cに示す)することである。
前記テーパー部26の角度θ(図1に示す)は、1〜20度が好ましい。実験の結果、1度未満であれば、くさび効果が発現されず、20度より大きい場合は、くさび効果が十分には発揮されない。より好ましくは、2度〜10度が最適であることが確認できた。
前記軸中心1aを通る縦方向断面において上側で径が細くなるような細径部30を形成するテーパー部26は、断面において必ずしも直線である必要はない。双曲線のような、曲線でも構わない。曲線の場合、テーパー部26の角度は、スラグライン4aが位置する部分を指し、また、テーパー部26直上にスラグライン4aが位置する場合、テーパー部26のテーパー開始部からスラグライン4aの厚さの半分の位置でのテーパーを指す。
前記テーパー部26より上の断面形状については特定されてなく、同一径としても良く、また、上部で広がるような逆のテーパーとしても差し支えない。
前述のストッパーヘッド2、ストッパー部26の保持機構、ストッパー部26の上下機構については、本発明特有の機構としては特には指定する必要はなく、周知の一般的なものが使用できる。また、ストッパーロッド部3の径について、本発明になる用件を満足すれば、ストッパーヘッド3位置での径と、ストッパー1の上下機構への接続部での径が異なっても何ら差し支えない。
また、材質について、アルミナ・グラファイト質を例に説明してきたが、これのみならず、アルミナ、シリカ、ジルコニア、クロミア、マグネシア、カーボンから選ばれる1種または2種以上の耐火材料から選ばれる材質で作成したストッパーに適用可能である。異材質を組みあせても差し支えない。
その製造方法も特には規定されない。例えば、静水圧成形によって成形し、焼成することができる。あるいは、一軸プレス成形によって成形し、焼成することも可能である。
また、酸化防止のための金属の添加や、表面被覆材の塗布を行っても差し支えない。
(比較例1)
溶鋼用連続鋳造機に設置された容量25tのタンディッシュ20において従来構成のストッパー1を使用した。上部を上下機構に取り付け、タンディッシュ蓋8に開けた直径540mmの小孔7から、前記ストッパー1をタンディッシュ20内に挿入した。
ストッパー1の直径は130mm、長さは1200mmである。ストッパーロッド部3の直径は均一とした。スラグライン4aは、ストッパー1の使用中の待機状態、すなわち前述の連続鋳造の段階でのスラグライン4aの位置は、ストッパー1の先端から600mmの所に位置した。ストッパー1の材質は、静水圧成形で使用したアルミナ・グラファイト質とした。
容量230tの溶鋼取鍋から溶鋼を受け、連々数4〜7で連続鋳造した。鋳込み終了後、タンディッシュ20整備上でストッパー1を引き抜こうとしたところ、鍔状のスラグ固化物6が生成し、ストッパー1を引き出せずに折損させてしまう場合がしばしば発生した。回収率は16%に止まった。鍔状のスラグ固化物6の直径はおおよそ500〜800mmであった。
(比較例2)
比較例1と同一のタンディッシュ20において、特許文献1のストッパー1を使用した。このストッパー1の先端から250mmから350mmの位置において、250mm位置の直径が130mmから350mm位置で110mmへ減少するようなテーパー部26を設け、また、ストッパー1の先端から750mmから850mmの位置において、750mm位置の直径が110mmから850mm位置で130mmへ増加するようなテーパー部26を設けた。材質は、比較例1と同一であった。
比較例1同様、容量230tの溶鋼取鍋から溶鋼を受け、連々数4〜7で連続鋳造した。鋳込み終了後、タンディッシュ整備上でストッパー1を引き抜こうとしたところ、鍔状のスラグ固化物6が生成し、ストッパーを引き出せずに折損させてしまう場合がしばしば発生した。回収率は20%に止まった。観察したところ、鍔状のスラグ固化物6のロッド部からのずれが認められた。このように、特許文献1のストッパー1では大幅な改善は図れなかった。
実験例
比較例1、2と同一のタンディッシュ20において、本発明になるストッパーを使用した。ストッパー先端から500mmから650mmの位置において、500mm位置の直径が130mmから650mm位置で120mmへ減少するようなテーパー部を設けた。材質は1、2、比較例と同一であった。
比較例同様、容量230tの溶鋼取鍋から溶鋼を受け、連々数4〜7で連続鋳造した。鋳込み終了後、タンディッシュ整備上でストッパー1を引き抜ぬいたところ、テーパー部26の細径部30にスラグライン4aが位置し、この細径部30にスラグ固化物6が形成されているため、ストッパー1を上方へ抜くと、テーパー部26の終りの部分でスラグ固化物6が割れるため、いずれの場合も容易に引き抜け、回収率は100%に向上した。鍔状のスラグ固化物6は、ストッパーロッド部3との接着部に若干残留しているのみで、割れて脱落したものと観察された。このように、本発明になるロッドの優位性は明らかである。
従って、溶鋼容器20の保温用の蓋8に明けられた小孔7を通じて使用されるストッパー1において、使用中に形成した鍔状のスラグ固化物6を容易に除去することが可能となり、ストッパーの再使用が可能となる。
図2の(a),(b),(c)は、本発明によるストッパー1の他の形態を示すもので、(a)は本発明構成でテーパー部26の軸方向長さAがスラグライン4aの下方(50mm以内)に位置し、(b)は本発明の他の形態で、テーパー部26の角度θとスラグライン4aとの位置関係を変えた形態(テーパー部26がスラグライン4aに位置している)で、(c)は特許文献1のストッパー1を本発明のスラグライン4aの位置関係に適用して第1、第2テーパー部25,26を有した形態で、(b),(c)は本発明の(a)と同様にスラグ固化物6を割って除去することができるものである。
ここで、本発明のストッパー1がスラグ固化物6を簡単に除去でき、従来例に比較して如何に優れているかを立証するために、図3の構成を用いて比較説明する。
図3の(a),(b),(c),(d)は、本発明のストッパー1の比較例を示す形態である。
(a)は、図4、図5で示す従来構成のストッパー1であり、(b)は、特許文献1の場合のストッパー1の構成であり、(c)は本発明のストッパー1と類似の構成で、テーパー部26の角度が本発明とは異なり、軸方向長さAも本発明よりは短くなっている構成であり、(d)は、溶鋼スラグ4のスラグライン4aが本発明とは逆の形状を有する第1テーパー部25と第2テーパー部26を有し、軸方向長さA’の第1テーパー部は下側で径が小さくなり、第2テーパー部26はテーパーの方向は本発明と同一であるが軸方向長さA及びテーパー角度が異なる構成である。
従って、前述の(a)〜(d)の各ストッパー1の構成では、前記ストッパー1をノズル12に衝突させただけでは鍔状のスラグ固化物6を破壊することは不可能である。
ここで、本発明による鋼用ストッパーの使用方法の要旨をまとめると、次の通りである。
上下機構21に接続するための取り付け部9を上部に有すると共に、実質的に円形の水平断面を有し、溶鋼容器20のノズル12の出口12aからの溶鋼5の流出および閉塞を行うためのストッパーヘッド2を有するストッパーロッド部3を備えたストッパー1を用いる溶鋼用ストッパーの使用方法において、前記ストッパーロッド部3にその軸中心を通る縦方向断面において上側で径が小さくなる形状のテーパー部26を設け、前記出口12aに対して前記ストッパーヘッド2が解放位置にある場合に前記溶鋼5上に浮いた溶鋼スラグ4が形成する高さ方向の位置をスラグライン4aとし、前記テーパー部26を、前記スラグライン4aに位置する、または、その一部が前記スラグライン4aより50mm以内に位置するように設置し、前記ストッパー1で前記ノズル12の出口12aを閉塞するときの衝撃によりスラグ固化物6を破壊脱落させる使用方法であり、また、前記テーパー部26の角度は、1度から20度である使用方法である。
本発明による溶鋼用ストッパーの使用方法は、ストッパーをノズルに衝突させるだけで使用後のストッパーに付着したスラグ固化物を除去できるため、ストッパーの再使用を簡単に実現できる。
1 ストッパー
1a 軸中心
2 ストッパーヘッド
3 ストッパーロッド部
4 溶鋼スラグ
4a スラグライン
5 溶鋼
6 鍔状のスラグ固化物
7 小孔
8 タンディッシュ蓋
9 取り付け部
10 タンディッシュ鉄皮
11 タンディッシュ本体耐火物
12 ノズル
12a 出口
20 溶鋼容器(タンディッシュ)
21 上下機構
26 テーパー部
27 細径部
30 細径部
41 固化した溶融スラグ
51 凝固した鋼
A 軸方向長さ
θ テーパー角度

Claims (2)

  1. 上下機構(21)に接続するための取り付け部(9)を上部に有すると共に、実質的に円形の水平断面を有し、溶鋼容器(20)のノズル(12)の出口(12a)からの溶鋼(5)の流出および閉塞を行うためのストッパーヘッド(2)を有するストッパーロッド部(3)を備えたストッパー(1)を用いる溶鋼用ストッパーの使用方法において、
    前記ストッパーロッド部(3)にその軸中心を通る縦方向断面において上側で径が小さくなる形状のテーパー部(26)を設け、前記出口(12a)に対して前記ストッパーヘッド(2)が解放位置にある場合に前記溶鋼(5)上に浮いた溶鋼スラグ(4)が形成する高さ方向の位置をスラグライン(4a)とし、
    前記テーパー部(26)を、前記スラグライン(4a)に位置する、または、その一部が前記スラグライン(4a)より50mm以内に位置するように設置し、前記ストッパー(1)で前記ノズル(12)の出口(12a)を閉塞するときの衝撃によりスラグ固化物(6)を破壊脱落させることを特徴とする溶鋼用ストッパーの使用方法。
  2. 前記テーパー部(26)の角度は、1度から20度であることを特徴とする請求項記載の溶鋼用ストッパーの使用方法。
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