JP5885078B2 - グロメット保護部材及び電線接続装置 - Google Patents

グロメット保護部材及び電線接続装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5885078B2
JP5885078B2 JP2012266958A JP2012266958A JP5885078B2 JP 5885078 B2 JP5885078 B2 JP 5885078B2 JP 2012266958 A JP2012266958 A JP 2012266958A JP 2012266958 A JP2012266958 A JP 2012266958A JP 5885078 B2 JP5885078 B2 JP 5885078B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
grommet
protection member
peripheral surface
outer peripheral
end side
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2012266958A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014116997A (ja
Inventor
洋和 中井
洋和 中井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Wiring Systems Ltd
Original Assignee
Sumitomo Wiring Systems Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Wiring Systems Ltd filed Critical Sumitomo Wiring Systems Ltd
Priority to JP2012266958A priority Critical patent/JP5885078B2/ja
Publication of JP2014116997A publication Critical patent/JP2014116997A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5885078B2 publication Critical patent/JP5885078B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Installation Of Indoor Wiring (AREA)
  • Motor Or Generator Frames (AREA)

Description

本発明はグロメット保護部材及び電線接続装置に関するものである。
従来から知られる電線接続装置の一例として、特許文献1を挙げることができる。このものは、壁面に貫通する孔部へ電線群をシール状態で貫通させるようにしている。具体的には、貫通孔が形成された壁面に対し、電線群(ワイヤハーネス)を挿通するグロメットを装着させ、グロメットに形成された大径の可撓性リップを貫通孔周りに弾性的に接触させてシールを図るようにしている。
特開2003−230214号公報
一方、ハイブリッド車両等においては、例えばモータとインバータとの間にはワイヤハーネスが配索されている。ワイヤハーネスはモータケースに貫通された孔部を通してモータ内に導入される。しかし、このような構造において、上記した従来のシール構造を適用しても、シール構造としては必ずしも十分でないことがある。と言うのも、ハイブリッド車両を含め自動車の洗浄に高圧洗浄水が吹きかけられることを想定する必要があるからである。そのような場合に、上記したシール構造では、リップが表面に露出しているため、端縁に高圧洗浄水により被水されると、リップの端縁が捲れ上がりシール性が低下することが懸念された。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、高い防水機能を発揮することができる電線接続装置とこれに用いられるグロメット保護部材とを提供することを目的とする。
本発明のグロメット保護部材は、取付部材の外周面に密着して嵌め付けられ軟質材よりなるグロメットに対し、このグロメットの端部に取り付けられるグロメット保護部材であって、グロメットより硬質材にて形成されるとともに、グロメットのうち取付部材に嵌め付けられている部分の端部を外周面側から包囲するようにして取り付けられることを特徴とする。
また、本発明の電線接続装置は、一端側に電線を挿通するための開口を有する筒状の接続部を有し、他端側には被取付け部材へ装着可能な装着部を有する取付部材と、軟質材にて筒状に形成され、一端側が取付部材に密着して被せ付けられるスカート部を備えたグロメットと、スカート部を外周面側から包囲するようにして取り付けられるグロメット保護部材とを備えて構成されることを特徴とする。
本発明のグロメット保護部材は、取付部材に対して接続されるグロメットの嵌め込み端部を包囲した状態で取付けられる。これにより、グロメット保護部材はグロメットの端部を覆って高圧洗浄水が直接被水する事態を回避することができる。したがって、グロメットの端部が捲れ上がるのを防止してシール性の保持を達成することができる。
また、本発明の電線接続装置によれば、 グロメットのスカート部がグロメット保護部材によって包囲されるため、スカート部が高圧洗浄水による直接の被水を回避することができる。したがって、グロメットのスカート部が捲れ上がるのを防止してシール性の保持を達成することができる。
ワイヤハーネスの端末部とケーシング側との接続を示す分解斜視図 ワイヤハーネスの端末部をケーシング側に接続した状態を示す側断面図 シールドシェルの斜視図 同じく側面図 グロメットを上面側から見た半断面図 ワイヤハーネスの端末部をケーシング側に接続した状態を上面側見た一部破断図 図6のA−A線断面図 グロメット保護部材の第1分割片の平面図 同じく底面図 第2分割片の平面図 実施例2に係るグロメット保護部材の斜視図 グロメット保護部材におけるロック部の変形例の要部を拡大して示す斜視図 ロック部の係止状態を示す断面図
本発明における好ましい実施の形態を説明する。
(1)本発明のグロメット保護部材は、内面に、グロメットに係止してグロメットに対する前後方向の位置決めを行う位置決め部を有した構成とすることが好ましい。
このような構成によれば、グロメット保護部材はグロメットに対し前後方向に関する位置決めがされて取り付けがなされるため、グロメットの前端縁を確実に覆い隠して前端縁の捲れ上がりを防止することができる。
(2)グロメット保護部材には水抜き用の開口が形成されるようにしてもよい。 このような構成によれば、グロメットとグロメット保護部材との間に進入した水が水抜き用の開口を通して外部に排水されるから、シール性が高められる。
(3)グロメット保護部材は、合体された状態では断面環状をなし、合体前の状態では環状の断面が2か所で分断されることによって2部材に分割されるとともに、分断がなされた2箇所には2部材同士を連結して合体させる連結部が形成され、グロメットへの取付け時にはこれら2部材が合体され前記グロメットを挟み付けて前記グロメットの外周面を包囲して取付けがなされる構成としてもよい。
このような構成によれば、グロメットに対してグロメット保護部材を容易に装着することができる。また、グロメット保護部材は2箇所の連結部によって連結されるため、グロメット保護部材が強固に合体され、もってグロメットに対する保持力を高めることができる。
(4)グロメット保護部材は、合体された状態では断面環状をなし、合体前の状態では環状の部分が分断されることにより2部材に分割され、この分割された両部材の一端部側は可撓性接続部によって連結されて両部材の他端部側を開閉可能としているとともに、両他端部側にはこの他端部側を閉じ状態に保持するロック部が形成されているようにしてもよい。
このような構成によれば、部品点数を削減することができるとともに、グロメット保護部材の閉じ操作を容易に行うことができる。
(5)グロメット保護部材には、グロメットの外周面のうちグロメット保護部材によって包囲される部位に巻き付けられた結束バンドの係止部を逃がすための干渉回避部が形成されるようにしてもよい。
このような構成によれば、グロメットを結束バンドを用いて取付部材に締め付け固定するようにした場合に、係止部がグロメット保護部材と干渉してしまうことがないため、グロメット保護部材の装着を円滑に行うことができる。
次に、本発明を具体化した実施例1及び2について、図面を参照しつつ説明する。但し、以下の説明中、「前後」の語はケーシングから遠ざかる方向を「後」、近づく方向を「前」と定義する。
<実施例1>
図1は、実施例1に係る電線接続装置を示している。より具体的には、ハイブリッド車両のモータとインバータとの間を、複数の電線束(ワイヤハーネスW)によって接続する場合において、例えば、インバータ側との接続状況を示している。
(ケーシング1)
図1及び図2に示されるように、インバータ側のケーシング1(金属製)の接続箇所には貫通孔2が開口し、この貫通孔2内にはケーシング側コネクタ3が外方へ突出した状態で取り付けられている。ケーシング側コネクタ3のフード部4は幅方向へ長い長円形状に形成され、フード部4内には3本の雄端子金具5が幅方向に並列して収容されている。また、ケーシング1の正面壁において貫通孔2の上方にはボス部6が前方へ向けて突出し、その中心部にはボルト孔7(ねじ孔)が穿孔されている。
本実施例の場合、ワイヤハーネスWは三本の電線W1によって構成されている。図2に示すように、ワイヤハーネスWを構成する各電線W1は、編組線8及び編組線8の外側に位置する外被9によって外側から一括して被覆されている。また、各電線W1の端末には雌端子金具10が接続されている。各雌端子金具10はハーネス側コネクタ11内において対応するキャビティ内にそれぞれ収容されている。ハーネス側コネクタ11はケーシング側コネクタ3のフード部4に嵌合可能に形成されており、正規の嵌合状態で雄・雌端子金具5,10が電気的に接続される。また、ハーネス側コネクタ11の外周面であって先端部寄りには第1シールリング12が嵌着され、フード部4の内周面に密着して両間をシールすることができる。ハーネス側コネクタ11の外周面は長手方向の中間部において段差13が形成され、その段差13部分の境界近くには第2シールリング14が嵌着されている。この第2シールリング14は、次述するシールドシェル15(取付部材)の段部16の内周面に水密状態で密着する。
(シールドシェル15)
シールドシェル15は、図2に示すようにワイヤハーネスWが挿通され、かつハーネス側コネクタ11をシールドシェル15の前方に突出させた状態で収容している。シールドシェル15は金属製の板材によって筒状に形成され、図3、図4に示すように、前端部にはケーシング1への取り付けのためのキャップ部17(装着部)が形成されている。図1に示すように、キャップ部17はケーシング1側に向けて開放するとともに、図示上端側中央が頂点となる略山形状に形成されている。キャップ部17の頂点部には差し込み孔20が形成され、この差し込み孔20には後面側から固定用のボルト18が貫通して差し込まれている。そして、シールドシェル15は、固定用のボルト18をケーシング1側のボルト孔7にねじ込むことによって、ケーシング1側への固定がなされる。
なお、図7に示すように、ボルト18がねじ込まれた後は、ボルト18の頭部にはボルトキャップ21が取り外し可能に被せ付けられる。本実施例においては、ボルトキャップ21はボルト18によって共締めされる取付具(図示しない)に紐状のヒンジ片26を介して接続されている。
図4に示すように、キャップ部17の後方には段部16が延設され、段部16からは後方へ接続部19が延設されている。接続部19及び段部16は共に幅方向(水平方向)へ長い長円の断面形状をもって形成されている。接続部19の後端面には開口22が形成され、ワイヤハーネスWを挿通可能である(図2参照)。図2に示すように、接続部19の後端部外周面には、編組線8が被せ付けられている。編組線8は環状の緊締具23をねじ等を用いて締め上げることによって接続部19に締め付け固定されている。
段部16は接続部19と同軸上に配されている。段部16は接続部19よりも一回り大きく形成され、断面が長円形状をなしかつ接続部19よりも前後長が短く形成されている。段部16はキャップ部17の下端部寄りの高さ位置に連続し、前記したボルト18は段部16の上面から離間した高さ位置に配されている。図6、図7に示すように、キャップ部17の後面であって段部16の上面との境界部分であって、平面視でボルト18を幅方向に挟んだ部位には片側2個ずつ、計4個の補強リブ25が前方へ向けて叩き出しによって突出形成されている。図2に示すように、段部16と接続部19との段差部分には、ハーネス側コネクタ11の第2シールリング14が当接するようにしてあり、これによってハーネス側コネクタ11に対する前後方向の位置決めが図られている。
(グロメット27)
グロメット27は弾性を有する軟質材(ゴム材)によって一体かつ中空状に形成されている。グロメット27は、図5に示すように、本体部28、スカート部29及びこれらの間に介在されたバンド結束部30とを備えて構成されている。本体部28は後方へ向けて突出する延出筒部31を有している。この延出筒部31はワイヤハーネスWを挿通可能な円筒形状に形成され、グロメット27全体の軸線と同軸に形成されている。図2に示すように、延出筒部31の内周面であって、開口縁及び開口縁から前方へ入り込んだ位置には、それぞれ全周に亘ってシール縁32が形成されている。
本体部28の断面形状はシールドケースの接続部19の外周面と適合可能な長円形状に形成されていて、グロメット27がシールドシェル15に被せ付けられた状態では、本体部28は接続部19の前半部の外周面を全周から包囲できるように形成されている。
なお、図5及び図7に示すように、本体部28の外側面においてバンド結束部30寄りの位置には幅方向外方へ向けて膨出部33が形成されている。この膨出部33の内部は前記した編組線8をシールドシェル15の接続部19に締め込む緊締具23の締め付け部(ねじ等による締め箇所)を収容するための空間となっている。
バンド結束部30は、スカート部29と本体部28との間を凹溝状をなしつつ接続している。したがって、その断面形状は本体部28より一回り小さい長円形状をなしている。バンド結束部30の外周面は樹脂製(金属製であってもよい。)の結束バンド34によって締め付けられる。結束バンド34はバンド結束部30の幅寸法(前後幅)より短い幅寸法で形成されている。結束バンド34自体は公知のものであるため、詳細に説明しないが、本実施例においては、一端側が差込み端となり、他端側には一端側が差し込まれた後、任意の位置で係止させうる係止部41を備えた形式のものが用いられている。
バンド結束部30において、接続部19側及びスカート部29側との境界壁はいずれもほぼ鉛直に切り立った形状となっていて、上記した結束バンド34を前後方向に関して位置決めすることができる。また、本実施例においては、図2に示すように、バンド結束部30の外周面には前後方向に離間する一対の位置決め突条35が全周に亘って突出形成されている。両位置決め突条35の間隔は結束バンド34の幅寸法より僅かに広めに形成され、結束バンド34をより正確に位置決めできるようにしている。そして、バンド結束部30において両位置決め突条35で挟まれた領域は結束バンド34による締め付け領域(結束バンド34の前後幅範囲をバンド結束部30側へ向けて投影した領域)となる。
一方、図2に示すように、バンド結束部30の内周面には、前後方向に離間(位置決め突条35の間隔よりも狭い間隔)する一対のシールリップ36が全周に亘って突出形成されている。両シールリップ36は両位置決め突条35が設けられている間に対応して配置されている。つまり、両シールリップ36は上記した結束バンド34の締め付け領域に対応した領域内に設けられていて、結束バンド34による締め付けがなされると、両シールリップ36は適度に潰れてシールドシェル15の接続部19の前半部の外周面に沿って密着する。両シールリップ36は位置決め突条35の突出高さより高い寸法をもって突出し、接続部19に対する十分な潰し代が確保されるような設定としてある。
バンド結束部30の内周面には前後方向に離間して一対の補助リップ37が全周に沿って突出形成されている。図示では、補助リップ37の突出高さはシールリップ36とほぼ同程度に設定されている。また、両補助リップ37は両位置決め突条35よりも前後方向外方の位置に配されている。つまり、両補助リップ37は結束バンド34による締め付け領域の外側領域に配されており、結束バンド34による締め付け力が直接には作用しない領域に配されている。したがって、結束バンド34による締め付けがなされた状態では、補助リップ37の潰し量はシールリップ36に比較して小さい。しかし、その分、シールリップ36に比較して耐久性に優れることになり、長期間に亘るシール性の確保が期待できる。
本実施例のグロメット27は、バンド結束部30からさらに前方へ向けてスカート部29を延出させた形態となっている。スカート部29は前方へ向けて開口しシールドシェル15の段部16の外周面に嵌合可能な断面長円形状に形成されている。グロメット27がシールドシェル15に取付けられた状態で、スカート部29はバンド結束部30からの立上がり壁を含め段部16の外周面に沿って密着状態となるように形成されている。
また、スカート部29は上面の一部を除き、段部16の前後幅とほぼ同じ前後幅をもって形成されている。図5及び図6に示すように、スカート部29の上面の中央部付近の領域、つまり前記したシールドシェル15の各補強リブ25の形成範囲に亘って、これら補強リブ25との干渉を回避するために、前縁部に切欠き部38が形成されている。切欠き部38の前縁における幅方向中央部は、所定幅範囲に亘って凹所39が切欠き形成されている。この凹所39はボルトキャップ21との干渉を回避するためのものであり、凹所39が形成された部分の前方の領域は周辺よりも薄肉(外面側の徐肉による)の薄肉部39Aに形成されている。
切欠き部38における凹所39を幅方向に挟んだ両側には、捲れ上がり防止用リブ40が片側二条ずつ形成されている。各捲れ上がり防止用リブ40は前後方向に沿ってかつ切欠き部38の前縁から後縁に至るまでの範囲に亘って形成されている。
(グロメット保護部材42)
次に、グロメット保護部材42について説明する。グロメット保護部材42の役割は、グロメット27のスカート部29及びバンド結束部30の外周面を全周に亘って包囲することで、スカート部29及びバンド結束部30の外周面を高圧洗浄水から保護するとともに、グロメット27のスカート部29の開口縁が捲れ上がるのを防止することにある。
本実施例1に係るグロメット保護部材42は、図1に示すように、第1分割片42Aと第2分割片42Bとの2部材に分割された構成となっている。両分割片42A,42Bは共にグロメット27の材質に比べて硬質の樹脂製の板材によって形成されている。両分割片42A,42Bは、共に保護部43A,43Bと保護部43A,43Bの幅方向両端から外方へ向けて張り出した一対の連結部44A,44Bとから形成されている。
図2、図6に示すように、両分割片42A,42Bの保護部43A,43Bはグロメット27のスカート部29の前縁からバンド結束部30の後縁に至る長さとほぼ等しいか、これより僅かに短い前後幅を有し、かつグロメット27の外周面形状に適合する形状をもって形成されている。図2に示すように、グロメット保護部材42がグロメット27に装着された状態では、両分割片42A,42Bの保護部43A,43Bの内面はスカート部29の外周面に沿ってほぼ密着し、その前縁はスカート部29の前縁より僅かに前方に位置しシールドシェル15のキャップ部17の後面にほぼ当接するようにしてある。また、この状態にあるときには、両分割片42A,42Bの保護部43A,43Bの内面はバンド結束部30の外周面から浮いており、結束バンド34に対しても高さ方向(径方向:図7参照)に離間している。
図8,9に示す第1分割片42Aは、グロメット27のスカート部29及びバンド結束部30の図示上半周分に対し周面に沿って密着して嵌め付けられる。第1分割片42Aにおける保護部43Aの前縁部には水抜き用開口45が切欠き形成されている。この水抜き用開口45はグロメット保護部材42とグロメット27との間に進入した水を外部に排水し、グロメット保護部材42内に水が充満するのを回避する。水抜き用開口45の幅方向の寸法は、グロメット27の切欠き部38の幅寸法とほぼ同幅に設定され、かつ奥行方向(前後方向)の寸法はグロメット27のスカート部29の前縁から各捲れ上がり防止リブ40の後端に至るまでの長さ寸法とほぼ等しく設定されている。水抜き用開口45は、図6に示すように、グロメット保護部材42がグロメット27に装着された状態では、グロメット27の各捲れ上がり防止リブ40の形成領域に適合して、その全体を露出させるようになっている。
一方、連結部44A,44Bは保護部43A,43Bの両端縁で前縁側に寄った位置に張出し形成されている。各連結部44A,44Bの中央部にはボルト46を貫通させる貫通孔47が貫通している。
また、図1、図9等に示すように、第1分割片42Aの保護部43Aの内面であって、一方の側の連結部44A(図1に右側に示されている連結部)寄りの位置に位置決め部48が突出形成されている。この位置決め部48は一方の連結部44Aより後方に配置され、保護部43Aの端縁から周方向に沿って延び、水抜き用開口45の一方の端縁の延長線上に至る長さ範囲に亘って形成されている。
この位置決め部48は、グロメット保護部材42がグロメット27に装着されたときに、バンド結束部30の溝内に進入し、図6に示すように、バンド結束部30内の前面壁に沿ってその前端面が当接可能となっており、これによってグロメット27に対するグロメット保護部材42の前端位置を規定できるようにしている。
図10に示す第2分割片42Bは、グロメット27のスカート部29及びバンド結束部30の図示下半周分に嵌め付けられる。第2分割片42Bの前後方向の幅寸法は第1分割片42Aの保護部43Aと同じ寸法に形成されているが、ここには第1分割片42Aに形成したような水抜き用開口45は設けられていない。
第1分割片42Aと第2分割片42Bとが上下方向から合体させた状態では、両保護部43A,43Bは長円をなすループをなし、グロメット27のスカート部29及びバンド結束部30の外周面形状に適合しつつ全周に亘って包囲する。また、合体状態では対応する連結部44A,44Bの貫通孔47同士が整合し、ボルト46とナット49によって両分割片42A,42Bは合体状態に保持される。また、両分割片42A,42Bの保護部43A,43Bにおける一方の連結部44A,44B(位置決め部48が形成されている側と反対側に位置する連結部)の端縁の角部には、それぞれ切り欠き窓50A,50Bが形成されている(図1では、第2分割片42B側の切り欠き窓50Bのみが示されている。)。図7に示すように、両切り欠き窓50A,50Bは、両分割片42A,42Bが合体された状態で整合し、これらが協働してグロメット保護部材42の側面に方形状の干渉回避部51を開口させるようにしている。この干渉回避部51は、結束バンド34の係止部41の一部を進入させて干渉を回避することができる。
次に、上記のように構成された本実施例1の作用効果を説明する。ワイヤハーネスWの端末部をケーシング1側に接続する作業の一例を説明する。まず、ワイヤハーネスWの端末部にハーネス側コネクタ11、シールドシェル15及びグロメット27を装着しておく(図1に示す状態)。グロメット27の装着に際しては、グロメット27の凹所39がシールドシェル15の差し込み孔20の下方に位置するようにしてスカート部29をシールドシェル15の段部16の外周面に密着状態で嵌め付ける。次に、結束バンド34を両位置決め突条35の間に位置させつつバンド結束部30の外周面に巻き付けるとともに、その自由端側を係止部41により係止させて締め付け状態に保持する。
続いて、グロメット27のスカート部29およびバンド結束部30に対して下方からグロメット保護部材42の第2分割片42Bを適合させ、上方から第1分割片42Aを適合させる。そして、両分割片42A,42Bの両連結部44A,44Bを整合させてボルト46とナット49によって両分割片42A,42Bを合体状態に保持する。このとき、グロメット保護部材42は第1分割片42Aの内面に設けた位置決め部48がグロメット27におけるバンド結束部30内の前壁面に当接して前端位置が定められているため、グロメット保護部材42の前縁がグロメット27のスカート部29の前縁と等しいかそれよりも若干前方に位置し、これによってグロメット27の前縁部はグロメット保護部材42によって確実に覆い隠される。かくして、本実施例ではグロメット保護部材42が径方向(上下方向)に二分割されているため、グロメット27への装着を簡単に行うことができる。なお、グロメット保護部材42の装着時には、結束バンド34の係止部41は干渉回避部51によって干渉しないため、装着作業が円滑になる。
次に、ハーネス側コネクタ11とケーシング側コネクタ3との嵌合を行う。これに伴い、シールドシェル15のキャップ部17がケーシング側コネクタ3の突出部分及びボス部6が隠れるようにしてケーシング1の壁面に突き当てられる。その状態で、ボルト18をボス部6のボルト孔7にねじ込めば、シールドシェル15が固定され、ケーシング1側に対するワイヤハーネスWの端末部の接続作業が完了する。
ところで、前述したように、ワイヤハーネスWにおける端末部でケーシング1側との接続箇所には高圧の洗浄水が吹きかけられることが想定されている。その場合の対策として、本実施例では、グロメット27の端部をグロメット保護部材42によって包囲している。すなわち、グロメット保護部材42はグロメット27に対しスカート部29の前端縁からバンド結束部30の後端縁にほぼ至る前後範囲を全周に亘って覆い隠すようにしている。したがって、グロメット27のスカート部29、バンド結束部30が高圧洗浄水によって直接被水してしまうことがなく、スカート部29の前端縁が捲れ上がる事態を回避することができる。また、結束バンド34も同様に覆われているため、高圧洗浄水の被水によって結束バンド34が不用意に移動してしまうといったこともない。また、洗浄作業中に、バンド結束部30とグロメット保護部材42との隙間からグロメット保護部材42内に高圧洗浄水が進水するが、水抜き用開口45を通して円滑に水抜きされるため、グロメット保護部材42内に充満する水の圧力によってシール性が低下してしまう事態も未然に回避される。
さらに、本実施例1のグロメット27は、バンド結束部30からさらにスカート部29を延出させ、シールドシェル15の段部16に密着するようにしている。つまり、通常であれば、バンド結束部30がグロメット27の端部として形成されるのであるが、本実施例ではスカート部29を延出させたことにより、グロメット27内部への浸水経路が長く確保されているため、この点によっても防水性が高められている。
また、本実施例ではバンド結束部30の内周面にシールリップ36を形成して、結束バンド34による締め付け力がシールリップ36に作用するようにしているため、シールリップ36はシールドシェル15の接続部19の外周面に対する十分な潰し量をもって密着するため、シール性が一層高められている。
さらに、シールドシェル15の各補強リブ25との干渉を回避するために、グロメット27のスカート部29には切欠き部38が形成され、グロメット保護部材42の第1分割片42Aには水抜き用開口45が形成されてグロメット27の各捲れ上がり防止用リブ40の全体を露出させている。すなわち、グロメット27は切欠き部38が形成されている幅領域ではスカート部29の前後幅が短くなり、その影響で高圧洗浄水の圧力を受けると捲れ上がりの変形を生じやすい状況にある。しかし、切欠き部38に設けた各捲れ上がり防止用リブ40がその変形を抑制するため、切欠き部38を形成したことに伴うシール性の低下の懸念を有効に解消できる。
さらにまた、バンド結束部30は本体部28とスカート部29との間において凹溝状に形成されるようにしたため、結束バンド34の前後方向に関する概略の位置決めが可能となる。したがって、結束バンド34が前後方向に大きく傾いた状態でバンド結束部30に装着されることが回避されるため、シールリップ36に対する潰し状況を安定化させることができる。特に、本実施例ではバンド結束部30の外周面に一対の位置決め突条35を設けて、結束バンド34を位置決め突条35間に精度よく位置決めすることができるようにした。このため、シールリップ36に対し確実に締め付け力を作用させることができる。
加えて、シールリップ36は結束バンド34からの締め付け力の作用によって劣化が進行しやすいことが懸念されるが、その対策として本実施例では締め付け領域の外側に補助リップ37を形成して、ここにおいても、一定のシール力が得られる。したがって、一定のシール機能を長期に亘って確保することができる。
<実施例2>
図11は本発明の実施例2に係るグロメット保護部材60を示している。実施例2のグロメット保護部材60は、第1・第2の両分割片60A,60Bをヒンジ部61(可撓性接続部)によって開閉可能に一体化したものである。すなわち、実施例2に係るグロメット保護部材60には、両分割片60A,60Bにおける一方の連結部に代えてヒンジ部61が形成され、第2分割片60B側の他方の連結部62Bには貫通孔63が形成されるが、第1分割片60A側の他方の連結部62Aにはクリップ64(ロック部)が突出形成されている。グロメット保護部材60が閉じられると、クリップ64は貫通孔63に弾性的に係止してグロメット保護部材60を閉止状態にロックすることができる。
他の構成は実施例1と同様であり、同様の機能を発揮する部材については図面中に同一符号を付すことで説明は省略する。
かくして、実施例2の電線接続装置は実施例1の作用効果に加えて、グロメット保護部材60を単一部材化することができたことによる部品点数の削減の効果が得られている。また、グロメット保護部材60の閉止操作がクリップ64を貫通孔63に差し込んで係止させるだけでよいため作業性にも優れる、と言う効果も期待できる。
<他の実施例>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施例に限定されるものではなく、例えば次のような実施例も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施例では、水抜き用開口45を第1分割片42A,60Aのみに形成したが、第2分割片42B,60Bに形成してもよく、また双方に形成してもよい。
(2)上記実施例では、干渉回避部51は後方側へ開放する方形状の切欠き孔として形成したが、これに代えて四方が閉じた窓孔状の形態としてもよい。
(3)上記実施例では位置決め部48を第1分割片42A,60A側にのみ設けたが、第2分割片側に設けてもよく、また双方に設けてもよい。さらに、位置決め部48は両分割片毎に複数個所設けてもよく、さらにはその周方向への長さ範囲も図示のものに限定されない。
(4)図12及び図13は実施例2におけるロック部の変形例を示している。すなわち、実施例2では両連結部62A,62Bが両分割片60A,60Bの外周面から外向きにかつ略直角をなして張り出し形成されていた。これに対し、図12、図13に示す変形例では第1分割片70Aの第1連結部71Aは第1分割片70Aの厚みとほぼ同じ肉厚をもってその自由端部の外周面から略周方向に沿うようにして延出し、その先端の外面側に爪部72を撓み可能に突出形成している。また、第2分割片70Bの第2連結部71Bは第2分割片70Bの自由端の外周面から外向きにかつ略直角をなして張出すとともに、第2連結部71Bには爪部72を弾性係止させる横長のロック受け孔74が開口している。
このような変形例では、第1連結部71Aは第1分割片70Aから略周方向に沿って延出しているから、第1分割片70Aの外周面から外向きかつ略直角をなして張り出す第2実施例のものに比べて外方への張り出し長さを減らすことができる。第2連結片についても、ロック受け孔74は第1連結部71Aの肉厚より僅かに大きい程度の寸法をもって開口させればよいため、第1連結片71Aと同様、第2実施例のものに比べて外方への張出し長さを減らすことができる。
したがって、このように構成された変形例ではグロメット保護部材周りの設置スペースに制約がある場合に有効である。
1…ケーシング(被取付け部材)
15…シールドシェル(取付部材)
17…キャップ部(装着部)
19…接続部
27…グロメット
29…スカート部
31…延出筒部
42,60…グロメット保護部材
45…水抜き用開口
48…位置決め部
61…ヒンジ部(可撓性接続部)
63…貫通孔(ロック部)
64…クリップ(ロック部)
72…爪部(ロック部)
74…ロック受け孔(ロック部)
W…ワイヤハーネス
W1…電線

Claims (7)

  1. 取付部材の外周面に密着して嵌め付けられ軟質材よりなるグロメットに対し、このグロメットの端部に取り付けられるグロメット保護部材であって、
    前記グロメットより硬質材にて形成されるとともに、前記グロメットのうち前記取付部材に嵌め付けられている部分の端部を外周面側から包囲するようにして取り付けられることを特徴とするグロメット保護部材。
  2. 内面に、前記グロメットに係止してグロメットに対する前後方向の位置決めを行う位置決め部を有していることを特徴とする請求項1に記載のグロメット保護部材。
  3. 水抜き用の開口が形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のグロメット保護部材。
  4. 合体された状態では断面環状をなし、合体前の状態では前記環状の断面が2か所で分断されることによって2部材に分割されるとともに、前記分断がなされた2箇所には前記2部材同士を連結して合体させる連結部が形成され、
    グロメットへの取付け時にはこれら2部材が合体され前記グロメットを挟み付けて前記グロメットの外周面を包囲して取付けがなされることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のグロメット保護部材。
  5. 合体された状態では断面環状をなし、合体前の状態では前記環状の部分が分断されることにより2部材に分割され、この分割された前記両部材の一端部側は可撓性接続部によって連結されて前記両部材の他端部側を開閉可能としているとともに、前記両他端部側にはこの他端部側を閉じ状態に保持するロック部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のグロメット保護部材。
  6. 前記グロメットの外周面のうち前記グロメット保護部材によって包囲される部位に巻き付けられた結束バンドの係止部を逃がすための干渉回避部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のグロメット保護部材。
  7. 一端側に電線を挿通するための開口を有する筒状の接続部を有し、他端側には被取付け部材へ装着可能な装着部を有する取付部材と、
    軟質材にて筒状に形成され、一端側が前記取付部材に密着して被せ付けられるスカート部を備えたグロメットと、
    前記スカート部を外周面側から包囲するようにして取り付けられる請求項1乃至請求項6のいずれか1項記載のグロメット保護部材とを備えて構成されることを特徴とする電線接続装置。
JP2012266958A 2012-12-06 2012-12-06 グロメット保護部材及び電線接続装置 Expired - Fee Related JP5885078B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012266958A JP5885078B2 (ja) 2012-12-06 2012-12-06 グロメット保護部材及び電線接続装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012266958A JP5885078B2 (ja) 2012-12-06 2012-12-06 グロメット保護部材及び電線接続装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014116997A JP2014116997A (ja) 2014-06-26
JP5885078B2 true JP5885078B2 (ja) 2016-03-15

Family

ID=51172494

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012266958A Expired - Fee Related JP5885078B2 (ja) 2012-12-06 2012-12-06 グロメット保護部材及び電線接続装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5885078B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5939237B2 (ja) * 2013-11-29 2016-06-22 コベルコ建機株式会社 作業機械の索状体保持具
JP6702208B2 (ja) 2017-01-26 2020-05-27 住友電装株式会社 ワイヤハーネス
JP6907900B2 (ja) * 2017-11-22 2021-07-21 住友電装株式会社 機器用コネクタ

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS58172818A (ja) * 1982-04-01 1983-10-11 日産自動車株式会社 グロメツト
JPH09180825A (ja) * 1995-12-28 1997-07-11 Yazaki Corp 電線シールド構造
JP5617706B2 (ja) * 2011-03-14 2014-11-05 住友電装株式会社 グロメットのシール構造

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014116997A (ja) 2014-06-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5874977B2 (ja) グロメット及びグロメット付き取付部材
JP5915939B2 (ja) グロメット保護部材及び電線接続装置
JP5194609B2 (ja) 機器用コネクタ
JP5077670B2 (ja) 機器用コネクタ
JP4632320B2 (ja) 機器用コネクタ
JP5532309B2 (ja) コネクタ
US9385516B2 (en) Connector
JP3914399B2 (ja) 電気接続箱の防水構造
WO2016153045A1 (ja) グロメット及びグロメット付ワイヤーハーネス
WO2017098885A1 (ja) コネクタ
JP2007269304A (ja) 防水ケース
JP2015162278A (ja) サービスカバー
JP2009037843A (ja) コネクタ
JP2006031962A (ja) 機器用コネクタ
JP5885078B2 (ja) グロメット保護部材及び電線接続装置
JP4491738B2 (ja) 防水コネクタ
JP4491294B2 (ja) 機器用シールドコネクタ
JP6479524B2 (ja) グロメット、及びグロメット付取付部材
JP6459942B2 (ja) シールドシェル及びシールドコネクタ
JP2011060451A (ja) シールドコネクタ
JP6135736B2 (ja) 電気機器のシールカバー
JP2004159461A (ja) グロメット
WO2019044682A1 (ja) ジョイントコネクタ
JP5949564B2 (ja) シールドパイプ一体型コネクタ
JP2015002110A (ja) 防水コネクタ及びその防水コネクタを備えたワイヤハーネス

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20141030

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150626

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150714

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160115

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160128

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5885078

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees