JP5884674B2 - 車両用電源システム - Google Patents

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Description

本発明は、第1蓄電池及び第2蓄電池と、これら両蓄電池を充電する発電機とを備える車両用電源システムに関する。
車両に搭載される車両用電源システムとして、鉛蓄電池(第1蓄電池)とリチウムイオン蓄電池(第2蓄電池)といった2つの蓄電池を用い、これら各蓄電池を使い分けながら車載の各種電気負荷に対して電力を供給する構成が知られている(例えば特許文献1参照)。具体的には、発電機及び鉛蓄電池に対して開閉手段としての半導体スイッチを介してリチウムイオン蓄電池を電気的に接続する構成とする。
回生発電時において、半導体スイッチをオンとすることで、発電機からリチウムイオン蓄電池への電力供給を可能としている。また、非回生発電時において、半導体スイッチをオフとすることで、半導体スイッチに対してリチウムイオン蓄電池側に接続された電気負荷に対して、リチウムイオン蓄電池から電力を供給するようにしている。半導体スイッチの制御を上記のように行うことで、回生発電時に発電された電気エネルギーを効率的に利用することが可能となる。
さらに、リチウムイオン蓄電池における過放電を抑制するために、リチウムイオン蓄電池の残存容量が所定値を下回った場合に、接続スイッチをオンにする制御を行っている。この制御により、リチウムイオン蓄電池側の電気負荷に対して発電機または鉛蓄電池から電力が供給され、リチウムイオン蓄電池の放電が抑制されることで、残存容量を所定値以上に保つことが可能になる。
特開2012−80706号公報
ここで、リチウムイオン蓄電池が電気負荷に対して供給可能な最大の電力(放電可能電力)は、リチウムイオン蓄電池の温度が低下するほど低下する。このため、リチウムイオン蓄電池の残存容量を所定値以上に保つ制御を行っていたとしても、リチウムイオン蓄電池の放電可能電力が、リチウムイオン蓄電池側の電気負荷の消費電力を下回る可能性がある。リチウムイオン蓄電池の放電可能電力がリチウムイオン蓄電池側の電気負荷の消費電力を下回っている場合に、接続スイッチをオフにすると、電力不足が生じ、電気負荷の動作に異常が起こりうる。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、第1蓄電池及び第2蓄電池とこれら両蓄電池を導通及び遮断する接続スイッチとを備える電源システムにおいて、接続スイッチを挟んで第2蓄電池側に接続される電気負荷に対する電力供給を好適に実施できること目的とする。
第1の構成は、車両用電源システムであって、発電機(10)と、前記発電機に対して並列にそれぞれ接続される第1蓄電池(20)及び前記第1蓄電池に比べて充放電のエネルギー効率が高い第2蓄電池(30)と、これら両蓄電池を電気的に接続する接続線(15)に設けられ、前記第1蓄電池及び前記発電機と前記第2蓄電池との導通及び遮断を切り替える接続スイッチ(50)と、前記発電機の非回生発電時に、前記接続スイッチを遮断状態に制御して、前記接続線において前記接続スイッチを挟んで前記第2蓄電池側に接続される電気負荷(43)に対して、前記第2蓄電池から電力を供給させ、また、前記発電機の回生発電時に、前記接続スイッチを導通状態に制御して、前記第2蓄電池に充電を行わせるスイッチ制御手段(70)と、を備える。
さらに、前記第2蓄電池が前記電気負荷に対して供給可能な最大の電力である放電可能電力を前記第2蓄電池の出力電圧、出力電流、及び、温度を用いて算出する電力算出手段(70)を備え、前記スイッチ制御手段は、前記電力算出手段により算出された前記第2蓄電池の放電可能電力が、前記電気負荷による消費電力に基づいて定められた電力閾値以下であると判断される場合に、前記接続スイッチを導通状態に制御することで、前記第2蓄電池単独での前記電気負荷に対する電力供給を禁止することを特徴とする。
上記構成によれば、非回生発電時に、接続スイッチを遮断状態にしているため、第2蓄電池単独で電気負荷に対して電力供給を行うことになる。このため、第2蓄電池の電力を積極的に利用でき、回生発電時における充電と併せて効率の良いエネルギ利用が可能となる。
加えて、第2蓄電池の出力電圧、出力電流、及び、温度を用いて、第2蓄電池が電気負荷に対して供給可能な最大の電力である放電可能電力を算出する。そして、算出された放電可能電力が、電気負荷の消費電力に基づいて定められる電力閾値以下となった場合に、回生発電時であるか否かに関わらず、接続スイッチを導通状態とする。接続スイッチが導通状態とされることで、接続スイッチを挟んで第2蓄電池側の電気負荷に対して、第1蓄電池または発電機から電力が供給されることとなる。
これにより、温度が低下している結果、第2蓄電池の放電可能電力が電気負荷の消費電力未満に低下している場合であっても、電気負荷に対して電力を供給することができ、電気負荷の電力不足に伴う動作不良を抑制することが可能となる。
実施形態における車両用電源システムの概略を示す構成図。 放電可能電力Woutの算出処理を表すフローチャート。 充放電制御処理を表すフローチャート。 充放電制御を表すタイミングチャート。
以下、本発明を具体化した各実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態の電源システムは車両に搭載される車載電源システムであり、車両は、エンジン(内燃機関)を駆動源として走行するものである。エンジンの始動時にはスタータの駆動によりエンジンに初期回転が付与されるものとなっている。
図1に示すように、本電源システムは、オルタネータ10(発電機)、第1蓄電池としての鉛蓄電池20、第2蓄電池としてのリチウムイオン蓄電池30、各種の電気負荷41,42,43、接続スイッチとしてのMOSスイッチ50及び蓄電池スイッチとしてのSMRスイッチ60を備えている。鉛蓄電池20、リチウムイオン蓄電池30及び電気負荷41〜43は、接続線としての給電線15によりオルタネータ10に対して並列に電気接続されている。この給電線15により、上記の各電気要素について相互の給電経路が形成されている。
鉛蓄電池20は周知の汎用蓄電池である。これに対し、リチウムイオン蓄電池30は、鉛蓄電池20に比べて充放電のエネルギー効率、出力密度、及びエネルギ密度の高い高密度蓄電池である。リチウムイオン蓄電池30は、複数の単電池を直列に接続してなる組電池により構成されている。なお、鉛蓄電池20の蓄電容量は、リチウムイオン蓄電池30の蓄電容量よりも大きく設定されている。
MOSスイッチ50は、MOSFETからなる半導体スイッチであり、オルタネータ10及び鉛蓄電池20と、リチウムイオン蓄電池30との間に設けられている。MOSスイッチ50は、オルタネータ10及び鉛蓄電池20に対するリチウムイオン蓄電池30の導通(オン)と遮断(オフ)を切り替えるスイッチとして機能する。
MOSスイッチ50のオン/オフは、ECU70(電子制御装置)により制御される。つまり、MOSスイッチ50のオン作動(導通作動)とオフ作動(遮断作動)との切替はECU70により実施される。
また、SMRスイッチ60は、MOSスイッチ50と同様に、MOSFETからなる半導体スイッチにより構成されており、MOSスイッチ50及び電気負荷43の接続点(図のX)とリチウムイオン蓄電池30との間に設けられている。SMRスイッチ60は、MOSスイッチ50及び電気負荷43の接続点に対するリチウムイオン蓄電池30の導通及び遮断を切り替えるスイッチとして機能する。
SMRスイッチ60のオン作動(導通作動)とオフ作動(遮断作動)との切替はECU70により実施される。このSMRスイッチ60は非常時用の開閉手段であり、通常時には、ECU70からオン信号が常時出力されることでオン状態に保持される。そして、以下に例示する非常時に、オン信号の出力が停止されてSMRスイッチ60がオフ作動される。このSMRスイッチ60のオフ作動により、リチウムイオン蓄電池30の過充電及び過放電の回避が図られている。
例えば、オルタネータ10に設けられたレギュレータが故障して設定電圧Vregが異常に高くなる場合には、リチウムイオン蓄電池30が過充電の状態になることが懸念される。この場合にはSMRスイッチ60をオフ作動させる。また、オルタネータ10の故障やMOSスイッチ50の故障によりリチウムイオン蓄電池30への充電ができなくなる場合には、リチウムイオン蓄電池30が過放電になることが懸念される。この場合にもSMRスイッチ60をオフ作動させる。
なお、SMRスイッチ60をノーマリオープン式の電磁リレーを用いて構成してもよい。この場合、ECU70が故障してSMRスイッチ60の作動を制御できなくなったとしても、SMRスイッチ60が自動的に開作動し、導通が遮断される。
リチウムイオン蓄電池30と、スイッチ50,60と、ECU70とは筐体(収容ケース)に収容されることで一体化され、電池ユニットUとして構成されている。電池ユニットU内のECU70は、リチウムイオン蓄電池30の出力電流、出力電圧、及び、温度を検出する。また、ECU70は、電池ユニット外のECU80(電子制御装置)に接続されている。つまり、これらECU70,80は、LIN等の通信ネットワークにより接続されて相互に通信可能となっており、各ECU70,80に記憶される各種データが互いに共有できるものとなっている。
電気負荷41〜43のうち符号43に示す負荷は、供給電力の電圧が概ね一定であるか、又は電圧変動が所定範囲内であり安定していることが要求される定電圧要求電気負荷であり、MOSスイッチ50に対してリチウムイオン蓄電池30の側に電気接続されている。これにより、定電圧要求電気負荷である電気負荷43への電力供給は、主にリチウムイオン蓄電池30が分担することとなる。
電気負荷43の具体例としてはナビゲーション装置やオーディオ装置が挙げられる。例えば、供給電力の電圧が一定ではなく大きく変動している場合、或いは前記所定範囲を超えて大きく変動している場合には、電圧が瞬時的に最低動作電圧よりも低下して、ナビゲーション装置等の作動がリセットする不具合が生じる。そこで、電気負荷43へ供給される電力は、電圧が最低動作電圧よりも低下することのない一定の値に安定していることが要求される。
また、電気負荷41〜43のうち符号41に示す負荷は、エンジンを始動させるスタータであり、符号42に示す負荷は、電気負荷43(定電圧要求電気負荷)及びスタータ41以外の一般的な電気負荷である。電気負荷42の具体例としてはヘッドライト、フロントウインドシールド等のワイパ、空調装置の送風ファン、リヤウインドシールドのデフロスタ用ヒータ等が挙げられる。これらのスタータ41及び電気負荷42は、MOSスイッチ50に対して鉛蓄電池20の側に電気接続されている。これにより、スタータ41及び電気負荷42への電力供給は主に鉛蓄電池20が分担することとなる。
オルタネータ10は、エンジンのクランク軸(出力軸)の回転エネルギにより発電するものである。オルタネータ10の構成等は周知であるため、ここでは図示を省略し、簡単に説明する。オルタネータ10のロータがクランク軸により回転すると、ロータコイルに流れる励磁電流に応じてステータコイルに交流電流が誘起され、整流器により直流電流に変換される。そして、ロータコイルに流れる励磁電流をレギュレータが調整することで、発電された直流電流の電圧を設定電圧Vregとなるよう調整する。オルタネータ10のレギュレータに対する制御はECU80により実施される。
オルタネータ10で発電した電力は、各種電気負荷41〜43へ供給されるとともに、鉛蓄電池20及びリチウムイオン蓄電池30へ供給される。エンジンの駆動が停止してオルタネータ10で発電が実施されていない場合には、鉛蓄電池20及びリチウムイオン蓄電池30から電気負荷41〜43へ電力供給される。鉛蓄電池20及びリチウムイオン蓄電池30から電気負荷41〜43への放電量、及びオルタネータ10から各蓄電池20,30への充電量は、各蓄電池20,30のSOC(State of charge:満充電時の充電量に対する実際の充電量の割合)が過充放電とならない範囲(適正範囲)となるよう制御される。つまり、上記のとおり過剰な充放電とならないように、ECU80により設定電圧Vregが調整されるとともに、ECU70によりMOSスイッチ50の作動が制御されるようになっている。
また、本実施形態では、車両の回生エネルギによりオルタネータ10を発電させて両蓄電池20,30(主にはリチウムイオン蓄電池30)に充電させる減速回生を行っている。この減速回生は、車両が減速状態であること、エンジンへの燃料噴射をカットしていること等の条件が成立した時に実施される。
ここで、両蓄電池20,30は並列接続されているため、オルタネータ10により充電を実施する際には、MOSスイッチ50をオン作動させていれば、端子電圧の低い側の蓄電池に対してオルタネータ10の起電流が流れ込むこととなる。一方、電気負荷42,43へ電力供給(放電)する際には、非発電時にMOSスイッチ50をオン作動させていれば、端子電圧の高い側の蓄電池から電気負荷へ放電がなされることとなる。
ちなみに、回生充電時には、リチウムイオン蓄電池30の端子電圧が鉛蓄電池20の端子電圧より低くなる機会が多くなるようにして、鉛蓄電池20よりも優先してリチウムイオン蓄電池30に対する充電が実施されるようになっている。こうした設定は、両蓄電池20,30の開放電圧及び内部抵抗値を設定することで実現可能であり、開放電圧の設定は、リチウムイオン蓄電池30の正極活物質、負極活物質及び電解液を選定することで実現可能である。
本実施形態の車両は、所定の自動停止条件を満たした場合にエンジンを自動停止させ、エンジンが自動停止された状態で所定の再始動条件を満たした場合にエンジンを自動で再始動させる、アイドリングストップ機能を有するものであり、ECU80によりアイドリングストップ制御が実施される。アイドルストップ機能による自動停止時には、MOSスイッチ50をオフに切り替える。これにより、電気負荷42は鉛蓄電池20から電力を供給され、電気負荷43はリチウムイオン蓄電池30から電力を供給される。そして、MOSスイッチ50をオフにした状態で、エンジンを自動再始動させる。スタータ41とリチウムイオン蓄電池30とは遮断しており、スタータ41と鉛蓄電池20とは通電しているので、スタータ41は、鉛蓄電池20から電力供給を受けて駆動される。
また、非回生発電時において、ECU70により、MOSスイッチ50がオフ状態、SMRスイッチ60がオン状態に操作される。オルタネータ10及び鉛蓄電池20と電気負荷43との接続が遮断され、リチウムイオン蓄電池30と電気負荷43との接続が導通状態とされるため、リチウムイオン蓄電池30が単独で電気負荷43に対して電力供給がなされる。回生発電時には、ECU70により、MOSスイッチ50がオン状態、SMRスイッチ60がオン状態に操作される。これにより、発電された電力がリチウムイオン蓄電池30に充電されることになる。リチウムイオン蓄電池30は、鉛蓄電池20と比べて、充放電時のエネルギ効率が高いため、電源システム全体としての充放電効率を向上させることができる。
さらに、リチウムイオン蓄電池における過放電を抑制するために、リチウムイオン蓄電池30のSOCが維持すべきSOC(維持SOC)より低くなった場合に、ECU70は、MOSスイッチ50をオン、SMRスイッチ60をオンにする制御を行う。この制御により、オルタネータ10及び鉛蓄電池20とリチウムイオン蓄電池30との接続が導通状態となり、オルタネータ10または鉛蓄電池20からリチウムイオン蓄電池30に対して充電が行われる。
ここで、SOCは、ECU70によって、リチウムイオン蓄電池30の開放端電圧、出力電流に基づいて算出される。なお、算出されたSOCを、リチウムイオン蓄電池30のSOC算出時の端子間電圧に基づいて、補正する構成としてもよい。また、維持SOCは、アイドリングストップ中において、鉛蓄電池20とリチウムイオン蓄電池30とが電気的に切り離された状態で、リチウムイオン蓄電池30が単独で電気負荷43に電力供給可能なように設定される。このため、アイドリングストップ期間において必要となる容量をリチウムイオン蓄電池30に確保することが可能となる。さらに、維持SOCは、回生発電の電力を充電するための空き容量があるように設定される。これにより、通常走行時における発電などの回生発電以外の発電では、リチウムイオン蓄電池30の充電を維持SOCまでに制限し、その制限により確保された空き容量分について、回生発電の電力をリチウムイオン蓄電池30に充電することができる。これは、充放電効率の高いリチウムイオン蓄電池30において、それを活用する上で有利な構成となっている。
ところで、リチウムイオン蓄電池30が電気負荷に対して供給可能な最大の電力(放電可能電力:Wout)は、SOCと異なり、リチウムイオン蓄電池30の温度が低下するほど低下する。このため、リチウムイオン蓄電池30のSOCを維持SOC以上に保つ制御を行っており、残存容量が十分であったとしても、リチウムイオン蓄電池30のWoutが、リチウムイオン蓄電池30側の電気負荷43の消費電力を下回る可能性がある。このため、リチウムイオン蓄電池30のWoutが電気負荷43の消費電力を下回っていれば、SOCが維持SOC以上であったとしても、MOSスイッチ50をオフにすると、電力不足が生じ、電気負荷43の動作に異常が起こりうる。
そこで、本実施形態では、ECU70が、リチウムイオン蓄電池30のWoutを算出し、Woutに基づいてリチウムイオン蓄電池30単独での電気負荷43への放電を禁止する放電禁止フラグのオン・オフを切り替える。そして、ECU70が、放電禁止フラグに基づいて、MOSスイッチ50及びSMRスイッチ60を制御することで、上記電力不足を抑制する。
非回生発電時に、放電禁止フラグがオンにされていると、ECU70は、スイッチ50,60を放電禁止モード(MOSスイッチ50:オン,SMRスイッチ60:オフ)にする制御を行い、リチウムイオン蓄電池30の放電を禁止する。また、回生発電時に、放電禁止フラグがオンにされていると、ECU70は、スイッチ50,60を充電モード(MOSスイッチ50:オン,SMRスイッチ60:オン)にする制御を行い、オルタネータ10からリチウムイオン蓄電池30への充電を行う。
放電禁止フラグがオフにされていると、ECU70はスイッチ50,60の制御について回生発電の実施の有無に応じた制御を行う。すなわち、ECU70は、非回生発電時において、スイッチ50,60を単独放電モード(MOSスイッチ50:オフ,SMRスイッチ60:オン)にする制御を行い、回生発電時において、スイッチ50,60を充電モード(MOSスイッチ50:オン,SMRスイッチ60:オン)にする制御を行う。ここで、放電禁止フラグのオン・オフに関わらず、リチウムイオン蓄電池30のSOCが維持SOCより低くなると、ECU70は、リチウムイオン蓄電池30のSOCを維持SOCまで上昇させるために、スイッチ50,60を充電モード(MOSスイッチ50:オン,SMRスイッチ60:オン)にする制御を行う。
ECU70は、電気負荷43により消費される最大の電力に基づいて禁止閾値を定める。そして、ECU70は、放電禁止フラグがオフとされている場合に、Woutと禁止閾値とを比較し、Woutが禁止閾値より低くなっている場合に、放電禁止フラグをオンにする。また、ECU70は、放電禁止フラグがオンとされている場合に、Woutと、禁止閾値より所定の値だけ高い許可閾値とを比較し、Woutが許可閾値より高くなっている場合に、放電禁止フラグをオフにする。
放電可能電力Woutは、リチウムイオン蓄電池30の温度と、リチウムイオン蓄電池30のSOCからECU70によって算出される。禁止閾値は、電気負荷43の保証電圧と、電気負荷43を駆動状態にした時に電気負荷43に流れる最大の電流とを積算して、算出される。
図2にWoutの算出処理を表すフローチャートを示す。本処理は、ECU70により、所定時間周期で繰り返し実施される。
ステップS01において、リチウムイオン蓄電池30の温度を取得し、ステップS02において、リチウムイオン蓄電池30のSOCを取得する。ステップS03において、リチウムイオン蓄電池30の開放端電圧(OCV:Open Cell Voltage)特性を用い、リチウムイオン蓄電池30の温度と、SOCとに基づいてリチウムイオン蓄電池30のOCVを算出する。ここで、開放端電圧とは、電池の端子に電気負荷が接続されていない状態での電池電圧のことを言う。
ステップS04において、リチウムイオン蓄電池30の内部抵抗Rbat特性を用い、リチウムイオン蓄電池30の温度と、リチウムイオン蓄電池30のSOCとに基づいて、リチウムイオン蓄電池30の放電時における内部抵抗Rbatを算出する。なお、リチウムイオン蓄電池30のOCV及びRbatは、SOCから求めることの代わりに、リチウムイオン蓄電池30の出力電流、及び、出力電圧から求めることも可能である。
ステップS05において、リチウムイオン蓄電池30の劣化状態に基づいて、内部抵抗Rbatを補正する。リチウムイオン蓄電池30の劣化状態は、リチウムイオン蓄電池30の使用時間や、実際の抵抗値等に基づいて、ECU70によって算出される。
ステップS06において、リチウムイオン蓄電池30から電気負荷43に対して放電可能な電流の最大値Imaxを算出する。Imaxは、「Imax=(OCV―保証電圧)/(Rbat+Rpack)」として算出することができる。ここで、Rpackとは、電池ユニットU内部における電力損失の原因となる抵抗分であり、電池ユニットU内部の配線抵抗、SMRスイッチ60のオン抵抗などから構成される。Rpackは、電池ユニットUの内部抵抗から、リチウムイオン蓄電池30の内部抵抗Rbatを除いた抵抗である。ステップS07において、放電可能電力Woutを算出する。Woutは、「Wout=Imax×保証電圧」として算出される。ここで、保証電圧とは、電気負荷43の動作が保証される電圧値のことである。
図3に充放電制御の処理を表すフローチャートを示す。本処理は、ECU70により、所定時間周期で繰り返し実施される。
ステップS11において、放電禁止フラグがオフであるか否かの判断を行う。放電禁止フラグがオフである場合(S11:YES)、ステップS12において、Woutが禁止閾値より大きいか否かの判断を行う。放電可能電力が禁止閾値以下の場合(S12:NO)、ステップS13において、放電禁止フラグをオンとして処理を終了する。
放電可能電力が禁止閾値より大きい場合(S12:YES)、ステップS14において、リチウムイオン蓄電池30のSOC(LiSOC)が維持SOCより小さいか否かの判断を行う。LiSOCが維持SOCより小さい場合、ステップS15において、スイッチ50,60を充電モード(MOSスイッチ50:オン,SMRスイッチ60:オン)に制御して、処理を終了する。
LiSOCが維持SOC以上の場合(S14:NO)、ステップS16において、オルタネータ10において回生発電が実施されているか否かを判断する。回生発電が実施されている場合(S16:YES)、ステップS15において、スイッチ50,60を充電モード(MOSスイッチ:オン,SMRスイッチ:オン)に制御して、処理を終了する。回生発電が実施されていない場合(S16:NO)、ステップS17において、スイッチ50,60を単独放電モード(MOSスイッチ50:オフ,SMRスイッチ60:オン)に制御し処理を終了する。
ステップS11において、放電禁止フラグがオンである場合(S11:NO)、ステップS18において、Woutが許可閾値以上か否かの判断を行う。Woutが許可閾値以上である場合(S18:YES)、ステップS19において、LiSOCが、LiSOCがリチウムイオン蓄電池30において定められている所定のSOC制御範囲の上限値(LiSOC上限値)に達していないか否かの判断を行う。ここで、LiSOC上限値とは、リチウムイオン蓄電池30を充電して、この上限値よりSOCを上昇させると、過充電が生じる値である。Woutが許可閾値以上かつLiSOCがLiSOC上限値に達している場合(S19:NO)、ステップS20において、放電禁止フラグをオフにして処理を終了する。
Woutが許可閾値以上かつLiSOCがLiSOC上限値に達していない場合(S19:YES)、ステップS21において、アイドリングストップ自動停止条件が成立し、アイドリングストップ制御が実施されているか否かの判断を行う。アイドリングストップ制御が実施されている場合(S21:YES)、ステップS20において、放電禁止フラグをオフにして処理を終了する。
Woutが許可閾値より小さい場合(S18:NO)、または、Woutが許可閾値以上であるがアイドリングストップ制御が実施されていない場合(S21:NO)、ステップS23において、LiSOCが維持SOCより小さいか否かの判断を行う。LiSOCが維持SOCより小さい場合(S23:YES)、ステップS24において、スイッチを充電モード(MOSスイッチ50:オン,SMRスイッチ60:オン)に制御し処理を終了する。LiSOCが維持SOC以上の場合(S23:NO)、ステップS25において、回生発電が実施されているか否かを判断する。回生発電が実施されている場合(S25:YES)、ステップS24において、スイッチ50,60を充電モード(MOSスイッチ50:オン,SMRスイッチ60:オン)に制御し処理を終了する。回生発電が実施されていない場合(S25:NO)、ステップS26において、スイッチ50,60を単独放電禁止モード(MOSスイッチ50:オン,SMRスイッチ60:オフ)に制御し、処理を終了する。
図4に充放電制御の経過を表すタイミングチャートを示す。リチウムイオン蓄電池の温度が30℃における制御を実線で、0℃における制御を一点鎖線で示している。
図4に基づいて本実施形態に関する充放電制御について説明を行う。最初に、リチウムイオン蓄電池30の温度が30℃の場合における説明を行う。時刻T0において、ECU70に電力が供給され、ECU70による制御が開始される。時刻T0より前では、ECU70による充放電制御が実施されておらず、リチウムイオン蓄電池30のWout及びSOC(LiSOC)は、自然放電により低下した状態になっている。このため、時刻T0において、Woutは禁止閾値を下回っており、LiSOCは維持SOCを下回っている。
Woutが禁止閾値を下回っているため、ECU70はリチウムイオン蓄電池30の単独放電を禁止する。さらに、LiSOCが維持SOCを下回っているため、ECU70は、スイッチを充電モード、すなわち、MOSスイッチ50をオン状態、SMRスイッチ60をオン状態とする。そして、オルタネータ10または鉛蓄電池20からリチウムイオン蓄電池30に電力供給を実施して維持SOCに達するまで充電を行う。これにより、アイドリングストップ再始動時に電気負荷43によって使用される残存容量をリチウムイオン蓄電池30に充電することができる。
時刻T1において、LiSOCが、維持SOCに達するため、ECU70は、SMRスイッチ60をオフ状態にして、オルタネータ10または鉛蓄電池20からリチウムイオン蓄電池30への電力供給を停止する。ここで、Woutが許可閾値より低く、リチウムイオン蓄電池30の単独放電の禁止が解除されないため、MOSスイッチ50のオン状態を継続して、オルタネータ10または鉛蓄電池20から電気負荷43への電力供給を行わせる。
時刻T2において、ブレーキ操作がなされて車速が減速するとともに、回生発電が実施される。回生発電の実施に伴い、ECU70は、MOSスイッチ50をオン状態、SMRスイッチ60をオン状態とする制御を行い、オルタネータ10からリチウムイオン蓄電池30への充電を行う。リチウムイオン蓄電池30の充電に伴い、時刻T3において、Woutが許可閾値に達する。
時刻T4において、回生発電が停止され、アイドリングストップ制御におけるエンジンの自動停止制御が行われる。Woutが許可閾値以上であり、かつ、アイドリングストップ制御の自動停止制御が行われているため、放電禁止を解除する。そして、放電禁止が解除されたため、ECU70は、MOSスイッチ50をオフ状態、SMRスイッチ60をオン状態として、リチウムイオン蓄電池30から電気負荷43へ単独で電力供給を行う。リチウムイオン蓄電池30の放電に伴い、Wout及びLiSOCが低下していく。その後、時刻T5において、回生発電が実施されるため、ECU70は、MOSスイッチ50をオン状態、SMRスイッチ60をオン状態とする制御を行い、オルタネータ10からリチウムイオン蓄電池30への充電を行う。
次に、リチウムイオン蓄電池30の温度が0℃の場合における説明を行う。なお、時刻T0におけるLiSOCは、上述した30℃の場合と同じである。時刻T0〜T3までの制御は、温度が30℃の場合と同様である。ここで、温度が0℃の場合では、温度が30℃の場合と比較してWoutが低いため、時刻T3において、Woutが許可閾値に達せず、放電禁止フラグがオンのままである。
時刻T4において、回生発電が停止され、リチウムイオン蓄電池30の単独放電が禁止されているため、ECU70は、MOSスイッチ50をオン状態、SMRスイッチ60をオフ状態として、オルタネータ10及び鉛蓄電池20から電気負荷43へ電力供給を行う。このため、時刻T4〜T5において、LiSOC及びWoutが維持される。時刻T5において、回生発電が実施されるため、ECU70は、MOSスイッチ50をオン状態のまま、SMRスイッチ60をオフからオンに切り替える。これにより、リチウムイオン蓄電池30に対して充電が行われ、LiSOC及びWoutが上昇する。そして、時刻T6において、Woutが許可閾値に達する。そして、時刻T7において、アイドリングストップ制御におけるエンジンの自動停止制御が実施され、ECU70は放電禁止フラグをオフにする。
放電禁止フラグがオンとされている期間(温度30℃:T0〜T4,温度0℃:T0〜T7)において、ECU70により、MOSスイッチ50はオン状態とされている。このため、Woutが電気負荷43において消費される最大の電力を下回るおそれのある期間について、電気負荷43には、オルタネータ10または鉛蓄電池20から電力が供給されることとなり、電気負荷43における電力不足を抑制することが可能となる。また、温度0℃における制御と、温度30℃における制御とを比較すると、高温である温度30℃における制御において、放電禁止フラグが早くオフにされる。このため、T4〜T5において、リチウムイオン蓄電池30の電力を消費し、回生発電を充電するための空き容量を確保することが可能となる。
時刻T1において、SMRスイッチ60をオフにすることで、時刻T1〜T2の期間において、LiSOCが維持SOCを維持する。これにより、時刻T2〜T4における回生発電において、オルタネータ10において発電された電力をリチウムイオン蓄電池30に充電するための空き容量を確保することが可能となる。
時刻T4〜T5において、温度が0℃の場合、Woutが禁止閾値以上、許可閾値未満である。Woutが電気負荷43において消費される最大の電力を下回ることはなく、リチウムイオン蓄電池30単独で電気負荷43に電力供給しても電力不足は生じない。さらに低温となっている場合、Woutが禁止閾値未満になっていることも考えられる。この場合は、図3のステップS19,S21の判断は行われないため、放電禁止フラグがオフにされることはない。
以下、本実施形態の奏する効果を述べる。
(1)上記構成によれば、非回生発電時に、MOSスイッチ50を遮断状態にしているため、リチウムイオン蓄電池30単独で電気負荷43に対して電力供給を行うことになる。このため、リチウムイオン蓄電池30の電力を積極的に利用でき、回生発電時における充電と併せて効率の良いエネルギ利用が可能となる。
加えて、リチウムイオン蓄電池30のWoutが、電気負荷43の消費電力に基づいて定められる電力閾値以下となった場合に、回生発電時であるか否かに関わらず、MOSスイッチ50を導通状態とする。MOSスイッチ50が導通状態とされることで、電気負荷43に対して、オルタネータ10または鉛蓄電池20から電力が供給されることとなる。これにより、リチウムイオン蓄電池30のSOCや温度が低下している結果、リチウムイオン蓄電池30のWoutが電気負荷43の消費電力未満に低下している場合であっても、電気負荷43に対して電力を供給することができ、電気負荷43の電力不足に伴う動作不良を抑制することが可能となる。
(2)非回生発電時において、MOSスイッチ50が導通状態とされると、鉛蓄電池20とリチウムイオン蓄電池30との接続が可能となる。そして、鉛蓄電池20からリチウムイオン蓄電池30に対して、または、リチウムイオン蓄電池30から鉛蓄電池20に対して、充電が行われることになる。蓄電池から他の蓄電池に対して充電を行うということは、一方の蓄電池に充電された電力を放電して、他方の蓄電池に充電することになる。つまり、オルタネータ10において発電された電力を直接的に蓄電池に充電する場合と比べて、蓄電池における充放電の回数が少なくとも1回多くなる。充放電の回数が増えることで、電力損失が発生し、電源システム全体として、電力の利用効率が低下する。
ここで、非回生発電時において、MOSスイッチ50が導通状態とされると、SMRスイッチ60を遮断状態とする。これにより、オルタネータ10または鉛蓄電池20から電気負荷43に電力の供給を行いながら、鉛蓄電池20からリチウムイオン蓄電池30に対する充電を抑制することが可能になり、電源システム全体としての電力の利用効率を向上させることができる。
(3)SOC維持値を設定することで、リチウムイオン蓄電池30のSOCがSOC維持値に達した状態ではそのSOCが維持される。この場合、SOCがそれ以上上昇することがないため、現時点以降に回生発電が行われたとしても、その回生発電による充電をするための空き容量を確保しておくことができる。これは、リチウムイオン蓄電池30として充放電効率の高い蓄電池を用いる本構成において有利な構成となる。
非回生発電時でかつリチウムイオン蓄電池30単独での電力供給禁止の状態においてリチウムイオン蓄電池30のSOCとSOC維持値が等しいと判断されれば、MOSスイッチ50を導通状態、SMRスイッチを遮断状態に制御することで、電気負荷43を適正に駆動しつつ、リチウムイオン蓄電池30の過放電を抑制できる。
同じく非回生発電時でかつリチウムイオン蓄電池30単独での電力供給禁止の状態においてリチウムイオン蓄電池30のSOCがSOC維持値より少ないと判断されるとする。この場合に、MOSスイッチ50を導通状態、SMRスイッチ60を導通状態に制御することで、オルタネータ10または鉛蓄電池20から供給される電力を、電気負荷43の駆動に加え、リチウムイオン蓄電池30の充電にも使うことができる。ゆえに、リチウムイオン蓄電池30のSOCはSOC維持値にまで回復する。
また、上記構成では、Woutに基づいてMOSスイッチ50が導通状態に制御され、そのMOSスイッチ50が導通状態の場合に、SOCに基づいてSMRスイッチ60の導通/遮断の切替が制御される。これにより、リチウムイオン蓄電池30について温度条件を加味して過剰な放電を抑制しつつ、当該リチウムイオン蓄電池30においてSOCを適正に管理できる。
(4)MOSスイッチ50及びSMRスイッチ60が頻繁に切り替わることとなる結果、電源システム全体に過渡的な電流・電圧変化が生じ、電力を供給される電気負荷43の素子の劣化や電力効率の低下を招くこととなる。そこで、電力閾値として、第1電力閾値(禁止閾値)と第1電力閾値より高い第2電力閾値(許可閾値)とを設ける。そして、放電可能電力が禁止閾値より低くなったと判断される場合に、リチウムイオン蓄電池30単独での電気負荷43に対する電力供給の禁止を開始し、放電可能電力が許可閾値より高くなったと判断される場合に、リチウムイオン蓄電池30単独での電気負荷43に対する電力供給の禁止を解除する。これにより、放電可能電力が禁止閾値と許可閾値との間にある場合には、スイッチの切り替えが抑制され、素子の劣化や電力効率の低下を抑制することが可能となる。
(5)アイドリングストップ制御が実施される場合、スタータ41の駆動に伴って鉛蓄電池20の出力電圧が低下する。そこで、アイドリングストップ制御の実施時には、電気負荷43に供給される電圧の低下を防ぐためにMOSスイッチ50を遮断状態として、リチウムイオン蓄電池30は単独で電気負荷43に電力を供給することが望ましい。
このため、リチウムイオン蓄電池30の放電可能電力は高く保つことが望ましい。そこで、放電可能電力が許可閾値以上であることに加えて、アイドリングストップ制御におけるエンジンの自動停止の実施がなされたことを条件として、リチウムイオン蓄電池30単独での放電禁止を解除する。これにより、アイドリングストップ制御が実施されていない場合に、リチウムイオン蓄電池30単独での放電を禁止することでリチウムイオン蓄電池30の放電を抑制し、リチウムイオン蓄電池の放電可能電力を高く保つことが可能になる。さらに、アイドリングストップ制御におけるエンジンの自動停止制御が実施されたことを条件として、リチウムイオン蓄電池30単独での放電禁止を解除することで、MOSスイッチ50を遮断状態として、スタータ41の駆動に伴う電圧低下による電気負荷43の動作不良を防ぐことができる。
以上の通り、放電禁止を解除する条件として、放電可能電力が放電許可閾値以上であること(図3、ステップS18:YES)、かつ、アイドリングストップ制御が実施されていること(ステップS21:YES)を条件としたため、放電可能電力は高いままで維持される。さらに、放電可能電力が放電許可閾値以上であること、かつ、LiSOCがLiSOC上限値に達したこと(S19:NO)を条件に、放電禁止が解除されるため、LiSOCが過上昇することを抑制することができる。
(6)リチウムイオン蓄電池30の内部抵抗Rbatは、劣化が進行するほど増加する。これに伴い、リチウムイオン蓄電池30の放電可能電力は、劣化が進行するほど、小さくなる。そこで、リチウムイオン蓄電池30の劣化状態に基づいて内部抵抗Rbat、ひいては、放電可能電力を補正することで、より正確な放電可能電力を取得することができ、電気負荷43に対する電力供給を確実に行うことが可能となる。
(他の実施形態)
上記実施形態を例えば次のように変更してもよい。
・ECU70とECU80は、一つのECUとして構成されていてもよい。一つのECUとして構成されることで、ECU間の通信による遅延を解消することができる。これにより、オルタネータ10の回生発電と非回生発電との切り替えに基づいて、素早くスイッチ50,60を制御することが可能になる。
・電力閾値の設定方法は、他の方法でも良い。例えば、電気負荷43で消費される電力を監視して記憶し、実際に消費された電力の最大量に基づいて電力閾値を設定してもよい。これにより、リチウムイオン蓄電池30に充電された電力をより利用できるようになり、電力の利用効率を向上させることが可能になる。また、電気負荷43の稼働・非稼働状況をCANなどのネットワークにより取得し、稼働している電気負荷43の消費する電力量を算出して、その算出結果に基づいて電力閾値を設定してもよい。
・電力閾値として第1電力閾値(禁止閾値)、第2電力閾値(許可閾値)の2つを設ける構成としたが、一つの電力閾値を設け、放電可能電力が当該電力閾値を超えた場合に、放電禁止フラグをオフ、放電可能電力が当該電力閾値以下となった場合に、放電禁止フラグをオンとする構成としてもよい。さらに、一度、放電禁止フラグのオン・オフが切り替わった後に、所定の時間放電禁止フラグのオン・オフを禁止する構成としてもよい。これにより、一つの電力閾値を用いた場合においても、スイッチの頻繁な切り替わりを抑制することが可能となる。
・上記実施形態では、第1蓄電池として鉛蓄電池20を用い、第2蓄電池としてリチウムイオン蓄電池30を用いたが、これを変更してもよい。例えば、第2蓄電池としてニカド蓄電池やニッケル水素蓄電池など、他の二次電池を用いる構成としてもよい。
・上記実施形態では、放電可能電力が許可閾値以上となり、かつ、アイドルストップ制御における自動停止条件が成立したことを条件として、リチウムイオン蓄電池30単独での放電禁止を解除する構成とした。これに換えて、放電可能電力が許可閾値以上となり、かつ、アイドルストップ制御における再始動条件が成立したことを条件として、リチウムイオン蓄電池30単独での放電禁止を解除する構成としてもよい。また、放電可能電力が許可閾値以上となった場合に、アイドリングストップ制御の実施・非実施に関わらず、放電禁止を解除する構成としてもよい。
10…オルタネータ(発電機)、15…給電線(接続線)、20…鉛蓄電池(第1蓄電池)、30…リチウムイオン蓄電池(第2蓄電池)、43…電気負荷、50…MOSスイッチ(接続スイッチ),70…ECU(スイッチ制御手段,電力算出手段)。

Claims (4)

  1. 発電機(10)と、
    前記発電機に対してそれぞれ並列に接続される第1蓄電池(20)、及び前記第1蓄電池に比べて充放電のエネルギー効率が高い第2蓄電池(30)と、
    これら両蓄電池を電気的に接続する接続線(15)に設けられ、前記第1蓄電池及び前記発電機と前記第2蓄電池との導通及び遮断を切り替える接続スイッチ(50)と、
    前記発電機の非回生発電時に、前記接続スイッチを遮断状態に制御して、前記接続線において前記接続スイッチを挟んで前記第2蓄電池側に接続される電気負荷(43)に対して、前記第2蓄電池から電力を供給させ、また、前記発電機の回生発電時に、前記接続スイッチを導通状態に制御して、前記第2蓄電池に充電を行わせるスイッチ制御手段(70)と、を備える車両用電源システムにおいて、
    前記接続線において前記電気負荷が接続される接続点と前記第2蓄電池との間に設けられ、前記接続点と前記第2蓄電池との導通及び遮断を切り替える蓄電池スイッチ(60)と、
    前記第2蓄電池が前記電気負荷に対して供給可能な最大の電力である放電可能電力を前記第2蓄電池の出力電圧、出力電流、及び、温度を用いて算出する電力算出手段(70)と、
    前記第2蓄電池の出力電圧及び出力電流に基づいて前記第2蓄電池の残存容量を算出する残存容量算出手段(70)と、を備え、
    前記スイッチ制御手段は、前記電力算出手段により算出された前記第2蓄電池の放電可能電力が、前記電気負荷による消費電力に基づいて定められた電力閾値以下であると判断される場合に、前記接続スイッチを導通状態に制御することで、前記第2蓄電池単独での前記電気負荷に対する電力供給を禁止し、
    非回生発電時でかつ前記第2蓄電池単独での電力供給禁止の状態において、前記蓄電池スイッチを遮断状態に制御し、
    前記第2蓄電池の残存容量について当該残存容量の値を維持する残存容量維持値を定めておき、非回生発電時でかつ前記第2蓄電池単独での電力供給禁止の状態において前記第2蓄電池の残存容量が前記残存容量維持値以上であると判断されれば、前記蓄電池スイッチを遮断状態に制御し、回生発電時、または、前記第2蓄電池単独での電力供給禁止の状態において前記第2蓄電池の残存容量が残存容量維持値より少ないと判断されれば、前記蓄電池スイッチを導通状態に制御することを特徴とする車両用電源システム。
  2. 前記電力閾値として、第1電力閾値と、第1電力閾値より高い第2電力閾値とを設け、
    前記スイッチ制御手段は、前記第2蓄電池の放電可能電力が前記第1電力閾値以下になったと判断される場合に、前記接続スイッチを導通状態とすることで前記第2蓄電池単独での前記電気負荷に対する電力供給の禁止を開始し、また、前記第2蓄電池の放電可能電力が前記第2電力閾値より高くなったと判断される場合に、非回生発電時において前記接続スイッチを遮断状態とすることで前記第2蓄電池単独での前記電気負荷に対する電力供給の禁止を解除することを特徴とする請求項に記載の車両用電源システム。
  3. 前記車両用電源システムは、車両の走行中においてエンジンを自動停止させるとともに、その後、スタータ(41)によるクランキングを実施して前記エンジンを自動で再始動する自動停止始動機能を有する車両に搭載され、
    前記スタータは、前記接続線において前記接続スイッチを挟んで前記第1蓄電池側に接続され、
    前記スイッチ制御手段は、前記第2蓄電池の放電可能電力が前記第2電力閾値より高く、かつ、前記エンジンの自動停止再始動が実施される場合に、前記接続スイッチを遮断状態とすることで前記第2蓄電池単独での前記電気負荷に対する電力供給の禁止を解除することを特徴とする請求項に記載の車両用電源システム。
  4. 前記電力算出手段は、前記第2蓄電池の劣化状態に基づいて前記放電可能電力を補正することを特徴とする請求項1〜のいずれか項に記載の車両用電源システム。
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