JP5877721B2 - 手術室空調システム - Google Patents
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Description
これにより、手術台上の患者には、室温と等温の空気が供給されるので、患者の体温の低下を防止できる。また、手術台の周囲の術者には、低温の空気が供給されるので、術者の暑熱感を低減できる。
手術台の直上に設けられた第1吹出口と、
当該第1吹出口の周囲に設けられた第2吹出口と、を備え、
前記第1吹出口は、室温よりも高い26℃以上の空気を、前記手術台に向かって吹き出し、
前記第2吹出口は、室温よりも低温の空気を、前記手術台の周囲に向かって吹き出し、
前記第2吹出口は、直下に向かって空気を吹き出すとともに、前記第2吹出口の内側部分から吹き出す空気の風速は、
外側部分から吹き出す空気の風速よりも低いことを特徴とする。
また、室温よりも低温の空気を、第2吹出口から手術台の周囲に向かって吹き出したので、術者の作業環境を改善して、ストレスを軽減できる。
ここで、第1吹出口から吹き出す空気の温度を室温よりも高温としたので、腹腔鏡手術の際に患者の腹腔に腹腔鏡を挿入しても、腹腔鏡のレンズが結露して曇るのを防止できる。
この発明によれば、第2吹出口から吹き出す空気の風速プロファイルに傾斜をつけて、第2吹出口の内側部分から吹き出す空気の風速を、この第2吹出口の外側部分から吹き出す空気の風速よりも低くした。
よって、暖気の近傍を流れる冷気の量が少なくなるので、暖気の縮流現象を抑えて、暖気と冷気との混合を防ぎ、暖気をより確実に手術台上に供給できる。
手術台の直上に設けられた第1吹出口と、
当該第1吹出口の周囲に設けられた第2吹出口と、を備え、
前記第1吹出口は、室温よりも高い26℃以上の空気を、前記手術台に向かって吹き出し、
前記第2吹出口は、室温よりも低温の空気を、前記手術台の周囲に向かって吹き出し、
前記第1吹出口は、中央部分から直下に向かって空気を吹き出すとともに、外側部分から下方外側に向かって空気を吹き出し、
前記第2吹出口は、直下に向かって空気を吹き出すことを特徴とする。
よって、この発明によれば、第1吹出口から吹き出す空気の温度を26℃以上としたので、腹腔鏡手術の際に患者の腹腔に腹腔鏡を挿入しても、腹腔鏡のレンズが結露して曇るのを確実に防止できる。
この発明によれば、第1吹出口の外側部分から下方外側に向かって空気を吹き出したので、暖気の一部が冷気に向かって吹き付けられるため、冷気が暖気側に浸入するのを防止できる。よって、暖気の縮流現象を抑えて、暖気をより確実
に手術台上に供給できる。
そこで、この発明はさらに、第1吹出口から吹き出す空気の風速を第2吹出口から吹き出す空気の風速よりも大きくしたので、暖気が手術台上に確実に到達する。
そこで、この発明はさらに、第2吹出口を第1吹出口から所定間隔離した。このように冷気の流れを暖気の流れから離すことで、暖気の縮流現象を抑えて、暖気と冷気との混合を防ぎ、暖気をより確実に手術台上に供給できる。
そこで、この発明はさらに、第1吹出口と第2吹出口との間に整流板を設けたので、この整流板により第1吹出口から吹き出した暖気および第2吹出口から吹き出した冷気が層流状態に近づく。よって、暖気の縮流現象を抑えて、暖気と冷気との混合を防ぎ、暖気をより確実に手術台上に供給できる。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態に係る手術室空調システム10が適用された手術室1の断面図である。
手術台5上には、患者Aが仰向けに配置されており、手術台5の周囲には、術者B〜Dが配置されている。この手術台5では、術者B〜Dにより、腹腔鏡を用いて患者Aの腹腔内で手術が行われている。
このとき、可変定風量装置27内のダンパを制御することにより、第1吹出口21からの吹出し空気の風量を調整する。なお、これに限らず、循環ファン25をインバータ制御やサイリスタ制御することにより、第1吹出口21からの吹出し空気の風量を調整してもよい。
あるいは、第2吹出口31を一対とし、この一対の第2吹出口31を、第1吹出口21を挟んで配置してもよい。
2つの空調機34のうち、図1中左側に位置する空調機34は、送風機341、冷却コイル342、および加熱コイル343を備えている。一方、図1中右側の空調機34は、送風機341および冷却コイル342を備えているが、加熱コイルを備えていない。
以上の手術室空調システム10では、図2に示すように、第1吹出口21から手術台5に向かって直下に空気(暖気)を吹き出す。第1吹出口21から吹き出す暖気の温度は、室温よりも高く患者の体温よりも低い温度、ここでは、26℃以上である。
また、第2吹出口31から手術台5の周囲に向かって直下に冷気を吹き出す。この第2吹出口31から吹き出す冷気の温度は、室温よりも低温であり、例えば16℃以上26℃未満である。
第1吹出口21から吹き出す暖気の風速は、第2吹出口31から吹き出す冷気の風速よりも大きくなっている。
図3(a)は、本発明の実施例である。具体的には、図3(a)は、上述の手術室空調システム10の構成で空調シミュレーションを行った結果であり、手術室1の温度分布を示すものである。
この図3(a)では、第1吹出口21から26℃、第2吹出口31から18℃の空気を吹き出しており、手術台5上の気温は26℃になっていることが判る。
この図3(b)では、第2吹出口31から18℃の空気を吹き出しており、手術台5上の気温は18℃になっていることが判る。
(1)室温よりも高温の暖気を、第1吹出口21から手術台5に向かって吹き出したので、手術台5上の患者の体温の低下を抑制して、低侵襲治療を実現できる。
また、室温よりも低温の冷気を、第2吹出口31から手術台5の周囲に向かって吹き出したので、術者の作業環境を改善して、ストレスを軽減できる。
ここで、第1吹出口21から吹き出す暖気の温度を26℃以上としたので、手術台上の気温が26℃以上となり、腹腔鏡手術の際に患者の腹腔に腹腔鏡を挿入しても、腹腔鏡のレンズが結露して曇るのを確実に防止できる。
図3は、本発明の第2実施形態に係る手術室空調システム10Aの模式図である。
本実施形態では、第2吹出口31が第1吹出口21から所定間隔離した点が、第1実施形態と異なる。
具体的には、第2吹出口31を構成するパンチングメタルの第1吹出口21側の部分を塞いで空気が吹き出さないようにすることで、実質的に第2吹出口31を第1吹出口21から離しておく。
(3)第2吹出口31を第1吹出口21から所定間隔離して配置した。このように冷気の流れを暖気の流れから離すことで、暖気の縮流現象を抑えて、暖気と冷気との混合を防ぎ、暖気をより確実に手術台5上に供給できる。
図5は、本発明の第3実施形態に係る手術室空調システム10Bの模式図である。
本実施形態では、第1吹出口21と第2吹出口31との間には、直下に向かって延びる整流板40が設けられている点が、第1実施形態と異なる。
(4)第1吹出口21と第2吹出口31との間に整流板40を設けたので、この整流板40により第1吹出口21から吹き出した暖気および第2吹出口31から吹き出した冷気が層流状態に近づく。よって、暖気の縮流現象を抑えて、暖気と冷気との混合を防ぎ、暖気をより確実に手術台5上に供給できる。
図6は、本発明の第4実施形態に係る手術室空調システム10Cの模式図である。
本実施形態では、第2吹出口31が下方外側に向かって傾斜しており、この第2吹出口31から下方外側に向かって冷気を吹き出す点が、第1実施形態と異なる。
(5)第2吹出口31から下方外側に向かって冷気を吹き出したので、冷気が暖気から離れる方向に流れるから、暖気の縮流現象を抑えて、暖気と冷気との混合を防ぎ、暖気をより確実に手術台5上に供給できる。
図7は、本発明の第5実施形態に係る手術室空調システム10Dの模式図である。
本実施形態では、第2吹出口31から吹き出す冷気の風速プロファイルに傾斜がつけられており、第2吹出口31の内側部分から吹き出す冷気の平均風速は、外側部分から吹き出す冷気の平均風速よりも低い点が、第1実施形態と異なる。
なお、本実施形態では、第2吹出口31を構成するパンチングメタルの孔の大きさ変化させることで、第2吹出口31から吹き出す冷気の風速プロファイルに傾斜をつけたが、これに限らず、空気浄化フィルタ321の圧力損失を変化させることにより、第2吹出口31から吹き出す冷気の風速プロファイルに傾斜をつけてもよい。
(6)第2吹出口31の内側部分から吹き出す冷気の風速を、この第2吹出口31の外側部分から吹き出す冷気の風速よりも低くした。よって、暖気の近傍を流れる冷気の量が少なくなるので、暖気の縮流現象を抑えて、暖気と冷気との混合を防ぎ、暖気をより確実に手術台5上に供給できる。
図8は、本発明の第6実施形態に係る手術室空調システム10Eの模式図である。
本実施形態では、第1吹出口21の外側部分は下方外側に向かって傾斜しており、第1吹出口21の中央部分から直下に向かって暖気を吹き出すとともに、第1吹出口21の外側部分から下方外側に向かって暖気を吹き出す点が、第1実施形態と異なる。
(7)第1吹出口21の外側部分から下方外側に向かって暖気を吹き出したので、暖気の一部が冷気に向かって吹き付けられるから、冷気が暖気側に浸入するのを防止でき、暖気の縮流現象を抑えて、暖気をより確実に手術台5上に供給できる。
なお、上述の各実施形態では、天井面3に第1吸込口23を設けたが、これに限らず、壁面4の下部に設けてもよい。
また、上述の各実施形態では、第1吸込口23側から、循環ファン25、電熱ヒータ26の順に設けたが、これに限らず、第1吸込口23側から、電熱ヒータ26、循環ファン25の順に設けてもよいし、循環ファン25と電熱ヒータ26とを一体化して空調機としたり、第1フィルタボックス22に循環ファン25および電熱ヒータ26の機能を組み込んだりしてもよい。
また、上述の各実施形態では、空調機34を壁面4の下部に組み込んだが、空調機34は必ずしも手術室の室内に面している必要はなく、空調機34を他の部屋に設けてもよい。
また、空調機34に加湿器を組み込んでもよい。
また、空調機34の台数は特に限定されず、3台以上設けてもよい。
2…床面
3…天井面
4…壁面
5…手術台
10、10A、10B、10C、10D、10E…手術室空調システム
20…第1空調系統
21…第1吹出口
22…第1フィルタボックス
23…第1吸込口
24…ダクト
25…循環ファン
26…電熱ヒータ
27…可変定風量装置
30、30A…第2空調系統
31…第2吹出口
32…第2フィルタボックス
33…第2吸込口
34…空調機
35、36…ダクト
40…整流板
221、321…空気浄化フィルタ
341…送風機
342…冷却コイル
343…加熱コイル
A…患者
B〜D…術者
Claims (2)
- 手術室を空調する手術室空調システムであって、
手術台の直上に設けられた第1吹出口と、
当該第1吹出口の周囲に設けられた第2吹出口と、を備え、
前記第1吹出口は、室温よりも高い26℃以上の空気を、前記手術台に向かって吹き出し、
前記第2吹出口は、室温よりも低温の空気を、前記手術台の周囲に向かって吹き出し、
前記第2吹出口は、直下に向かって空気を吹き出すとともに、
前記第2吹出口の内側部分から吹き出す空気の風速は、外側部分から吹き出す空気の風速よりも低いことを特徴とする手術室空調システム。 - 手術室を空調する手術室空調システムであって、
手術台の直上に設けられた第1吹出口と、
当該第1吹出口の周囲に設けられた第2吹出口と、を備え、
前記第1吹出口は、室温よりも高い26℃以上の空気を、前記手術台に向かって吹き出し、
前記第2吹出口は、室温よりも低温の空気を、前記手術台の周囲に向かって吹き出し、
前記第1吹出口は、中央部分から直下に向かって空気を吹き出すとともに、外側部分から下方外側に向かって空気を吹き出し、
前記第2吹出口は、直下に向かって空気を吹き出すことを特徴とする手術室空調システム。
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