JP5875802B2 - 衛生用紙の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、家庭用又は業務用のティシュペーパー又はトイレットペーパーに柔軟剤や保湿剤を塗着させて表面性と柔軟性を改善した衛生用紙製造方法に関する。
ティシュペーパーやトイレットペーパーの柔軟性を改善するため、繊維を薬品により柔軟処理する技術として、一定範囲の繊維長及び繊維粗度を有する針葉樹クラフトパルプと広葉樹クラフトパルプを特定の範囲で配合し、この紙料に柔軟剤を内添した後、さらにポリエチレンオキサイド等の分散剤を内添して湿紙を形成し、その後クレープ処理をすることにより、嵩高で柔軟なクレープ紙を得る技術が開示されている(特許文献1)。
又、ティシュペーパーやトイレットペーパーのウェブの表面にスプレー等で薬液を塗布(外添)して柔軟性を改善する技術として、ヤンキードライヤー又はプレスパート上のシートに、カチオン系化合物、非イオン界面活性剤、有機酸又は無機酸、及び有機溶剤からなる自己乳化型柔軟組成物を付与する技術が開示されている(特許文献2)。
さらに、ティッシュペーパーの折り加工設備で、スプレーや印刷により柔軟剤や保湿剤からなる薬剤成分を塗布する技術が開示されている(特許文献3,4)。
特開2006−097191号公報 特開2008−223161号公報 特開2004‐218151号公報 特開2007‐61143号公報
しかしながら、上記した風合いを改善する水溶性の薬剤を原紙に塗布した直後と、経時(1日以上経過)とでは風合いに著しい違いが生じることが知られている。特に薬剤の塗布量が原紙の乾燥重量に対して少ない(例えば有効成分量が原紙の乾燥重量の10%以下)場合にこの差が顕著となる。これは、原紙のパルプ繊維表面に塗布された親水性の薬剤が、パルプ繊維の親和力と毛細管現象で経時とともにパルプ繊維内部(紙層内部)に吸収・拡散され、表面に残存する薬剤が相対的に減少することによる。このため、従来のティシュペーパーやトイレットペーパーにおいては、経時による風合い変化(風合いの減損)を見越して過剰に薬剤が塗布されていたが、繊維(紙層)内部に吸収された薬剤は、表面の平滑性や保湿感には寄与せず、人の肌に触れることも無いので無駄になる。
従って本発明は、水溶性の風合い改善剤の原紙への塗着量が少なくても風合い改善効果が十分に得られる衛生用紙製造方法の提供を目的とする。
本発明の衛生用紙の製造方法は、ティシュペーパー用又はトイレットペーパー用の原紙の片面にHLB11以上の水溶性ポリグリセリン脂肪酸エステルを塗着し、前記原紙の前記片面に、水溶性柔軟剤及び/又は水溶性保湿剤を含む風合い改善剤を塗着する衛生用紙の製造方法であって、前記水溶性柔軟剤は、炭素数8〜24の脂肪族基を含む界面活性剤、水溶性オルガノポリシロキサン、及び該水溶性オルガノポリシロキサンの水溶性誘導体の群から選ばれる少なくとも1つからなり、前記水溶性保湿剤は、多価アルコール、糖類、及びアミノ酸系化合物の群から選ばれる少なくとも1つからなり、前記原紙の抄紙工程でのプレスパートのフェルト上、又は当該フェルトから前記原紙を転送したヤンキードライヤー上で、前記水溶性ポリグリセリン脂肪酸エステルを前記原紙の前記片面に噴霧する。


本発明の衛生用紙の製造方法において、前記風合い改善剤を、前記ヤンキードライヤー出口から前記原紙を巻き取るリールの間で噴霧することが好ましい。
前記風合い改善剤の噴霧を、スプレー又はローターダンプニングを用いて行うことが好ましい。
この発明によれば、水溶性の風合い改善剤の原紙への塗着量が少なくても風合い改善効果が十分に得られる。
本発明の実施形態に係る衛生用紙を製造するペーパーマシンの一例を示す図である。 風合改善剤を塗着するスプレーヘッダを示す図1の部分拡大図である。 ウエブの幅方向に沿ったスプレーヘッダの概略図である。 風合改善剤を塗着するローターダンプニングを示す図1の部分拡大図である。
以下に本発明の好ましい実施形態に基づき図面と共に説明するが、これらは例示の目的で掲げたものでこれらにより本発明を限定するものではない。本発明の実施形態に係る衛生用紙は、ティシュペーパー用又はトイレットペーパー用の原紙の片面に、風合い改善剤が塗着されてなる。
又、上記原紙にはHLB11以上の水溶性ポリグリセリン脂肪酸エステルが内添されているか、又は、原紙の上記片面に上記水溶性ポリグリセリン脂肪酸エステルが塗着されている。
なお、後述するように、本発明の実施形態に係る衛生用紙はクレーピングされていることが好ましい。又、「塗着」とは、原紙の表面やその内部に水溶性ポリグリセリン脂肪酸エステル等の成分が付着しているものをいい、塗着の方法は塗布、噴霧等が挙げられる。
<原紙>
ティシュペーパー用又はトイレットペーパー用の原紙は、パルプを含む抄紙原料を抄紙して製造される。パルプは、例えば針葉樹パルプ又は広葉樹パルプなどのバージンパルプや、古紙から再生した古紙パルプを用いることができる。これらパルプは衛生用紙の品質に大きく影響するので、要求品質に合わせて所定の種類及び配合割合で適宜配合される。抄紙原料は、要求品質及び操業の安定のために様々な薬品を添加(内添)してもよく、これら薬品としては、柔軟剤、嵩高剤、染料、分散剤、湿潤紙力増強剤、乾燥紙力剤、濾水向上剤、ピッチコントロール剤、歩留向上剤などが挙げられる。
原紙は例えば、坪量7〜40g/m2とすることができる。
<水溶性ポリグリセリン脂肪酸エステル>
原紙にHLB11以上の水溶性ポリグリセリン脂肪酸エステルが内添されているか、又は、原紙の片面に上記水溶性ポリグリセリン脂肪酸エステルが塗着されている。このようにすると、後述する風合い改善剤の塗布に先立って、原紙の表面及び紙層の繊維表面に予め上記水溶性ポリグリセリン脂肪酸エステル成分が付着してアンカーとなり、風合い改善剤の繊維への拡散・吸着を抑えたり、風合い改善剤をつなぎ止めると考えられる。従って、風合い改善剤を過度に塗着して無駄になることが防止される。水溶性ポリグリセリン脂肪酸エステルは分子構造に親水基と疎水基を有することから、繊維表面に定着させることで外添する風合い改善剤との親和性が高く、ティッシュペーパーやトイレットペーパーに必要な吸水性への影響が比較的小さく、食品添加物で安全性が高い。
また、HLB11以上であれば、親水性が高く、吸水性の低下影響が小さい。
上記水溶性ポリグリセリン脂肪酸エステルの原紙への内添又は外添による添加量は、乾燥繊維重量比で0.02〜1.0%であることが好ましい。上記添加量が乾燥繊維重量比で0.02%未満であると、風合い改善剤の原紙内部への吸収を十分に抑制できず、1.0%を超えても効果が飽和すると共に、原紙の風合いを損なう可能性がある。
上記水溶性ポリグリセリン脂肪酸エステルの原紙への内添方法は、抄紙原料に上記水溶性ポリグリセリン脂肪酸エステルを加えればよい。又、繊維への水溶性ポリグリセリン脂肪酸エステルの定着を促進するよう、内添を行う場所は、ペーパーマシンの図1のインレット3直前でファンポンプ2の直後(図1のファンポンプ2からインレット3の間)が望ましい。
なお、上記水溶性ポリグリセリン脂肪酸エステルを原紙に外添する場合、水溶性ポリグリセリン脂肪酸エステルと風合い改善剤とは同じ面(ヤンキードライヤー面)に添加する。そして、外添の場合、得られた衛生用紙の片面を見ると、水溶性ポリグリセリン脂肪酸エステルと風合い改善剤とがほぼ一体に混じっていると考えられる。
<風合い改善剤>
風合い改善剤は、水溶性柔軟剤及び/又は水溶性保湿剤を含み、水溶性である。風合い改善剤の原紙への添加量が水分を含む液量として、原紙がティシュペーパーの場合は乾燥繊維重量比で2〜15%であることが好ましく、2〜10%であることがより好ましい。一方、原紙がトイレットペーパーの場合は、乾燥繊維重量比で2〜5%が好ましい。原紙がティシュペーパーの場合、風合い改善剤の原紙への添加量が乾燥繊維重量比で2%未満であると、原紙の風合い改善効果が生じず、15%を超えても効果が飽和し、風合い改善剤が無駄になる場合がある。又、風合い改善剤の原紙への添加量が液量として乾燥繊維重量比で15%を超えると、風合い改善剤の水系成分と、原紙中のパルプの水和作用によりウェブの強度が低下し、巻シワが入りやすくなる。又、原紙がトイレットペーパーの場合、5%を超えるとウエブが破断しやすくなる。
水溶性柔軟剤は、炭素数8〜24の脂肪族基を含む界面活性剤、水溶性オルガノポリシロキサン、及び該水溶性オルガノポリシロキサンの水溶性誘導体の群から選ばれる少なくとも1つからなる。炭素数8〜24の脂肪族基を含む界面活性剤としては、カチオン界面活性剤、ノニオン(非イオン)界面活性剤、アニオン界面活性剤、両性界面活性剤があるが、カチオン界面活性剤又はノニオン界面活性剤が入手し易い。カチオン系界面活性剤としては、脂肪族第4級アンモニウム塩、脂肪族第1級アルキルアミン塩などの脂肪族のアンモニウム塩やアルキルアミン塩などがある。非イオン界面活性剤としては、ソルビタン脂肪酸エステル、ジエチレングリコールモノステアレート、ジエチレングリコールモノオレエート、グリセリルモノステアレート、グリセリルモノオレート等がある。
なお、水溶性柔軟剤として、炭素数8〜24の脂肪族基を含むHLBが低い(10以下)ノニオン(非イオン)界面活性剤を用いた場合、カチオン界面活性剤と併用又はHLBの高い(12以上)非イオン界面活性剤と併用することで、HLBが低い(10以下)ノニオン界面活性剤に自己乳化性を付与し、水溶性化することもできる。
水溶性オルガノポリシロキサンとしては、ポリエーテル変性シリコーンであるポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、エマルジョン化したアミノ変性シリコーンであるアミノエチルアミノプロピルメチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体等が挙げられる。
水溶性柔軟剤は、「滑らかさ」や「ふんわり感」を与える。従って、風合い改善剤が水溶性柔軟剤を含み、水溶性保湿剤を含まない場合、「滑らかさ」や「ふんわり感」のみが得られる。
水溶性保湿剤は、多価アルコール、糖類、及びアミノ酸系化合物の群から選ばれる少なくとも1つからなる。多価アルコールとしては、グリセリン、ジグリセリン、プロピレングリコール等が挙げられる。糖類としては、ソルビトール、キシリトール、グルコース等が挙げられる。アミノ酸系化合物としては、例えばPCAソーダ(味の素社製)が挙げられる。
水溶性保湿剤は、「しなやかさ」や「しっとり感」を与える。従って、風合い改善剤が水溶性保湿剤を含み、水溶性柔軟剤を含まない場合、「しなやかさ」や「しっとり感」のみが得られる。風合い改善剤が水溶性保湿剤と水溶性柔軟剤を共に配合する場合は、両者の特性が得られる。
上記した炭素数8〜24の脂肪族基を含む界面活性剤の原紙への添加量が、原紙の乾燥繊維重量比で0.2〜5wt%であり、水溶性オルガノポリシロキサンと該水溶性オルガノポリシロキサンの水溶性誘導体の前記原紙への合計添加量が乾燥繊維重量比で0.02〜2wt%であることが好ましい。
又、上記した水溶性保湿剤の原紙への添加量が乾燥繊維重量比1〜10wt%であることが好ましい。
本発明の衛生用紙のMMD値が摩擦感テスター(カトーテック社製KES−SE)による測定で0.02以下であって、かつMIU値が摩擦感テスター(カトーテック社製KES−SE)による測定でティシュペーパーの場合に0.16以下、トイレットペーパーの場合に0.20以下であることが好ましい。
次に、図1を参照し、本発明の実施形態に係る衛生用紙の製造方法について説明する。まず、上記した抄紙原料を貯蔵する原料タンク1から抄紙原料を供給し、さらに白水により希釈して紙料を調製する。この紙料を脱気スクリーニング除塵後、ファンポンプ2でストックインレット3に送る。ストックインレット3は、抄紙機のワイヤー全幅に、均一でフロック(小さな塊)がなく、流れ縞を生じないように繊維をよく分散させた紙料を、適正な濃度、速度、角度でワイヤー上に供給する。ストックインレット3としては、高所に大気開放で設置されるヘッドボックス、加圧式、ハイドローリック式などがあるがいずれを採用しても良い。
そして、ストックインレット3からワイヤー4及びフェルト5の間に紙料をジェット吐出し、フェルト5上にシート(ウェブ、湿紙)100を形成する。なお、図1は、クレセントフォーマーを例示するが、湿紙の形成は、丸網式、長網(フォードリニアー)式、サクションブレスト式、短網式、ツインワイヤー式のいずれを採用しても良い。
ワイヤー4及びフェルト5の間に形成されたウェブ100は、プレッシャーロール7でヤンキードライヤー8に密着転送される。次に、ウェブ100はヤンキードライヤー8及びヤンキードライヤーフード9により乾燥され、さらにクレーピングドクター11によりクレーピング処理されながらヤンキードライヤー8から剥がされ、ガイドロール17、リールドラム13を介してリール14に巻き取られる。ヤンキードライヤー8は、ウェブを乾燥させるための鋳鉄又は鋳鋼製のドラムであり、外径は一般には2.4〜6mである。
ここで、クレーピングは、紙を縦方向(マシン走行方向)に機械的に圧縮してクレープと称される波状の皺を形成する方法であり、衛生用紙に嵩(バルク感)、柔らかさ、吸水性、表面の滑らかさ、美観(クレープの形状)などを付与する。そして、ヤンキードライヤー8とリール14の速度差(リールの速度がヤンキードライヤーより遅い)により、クレーピングドクター11でクレープが形成される。クレープの特性は、上記速度差にもよるが、ヤンキードライヤー8上の原紙の坪量が7〜40g/m2であれば、リール14上での坪量は概略9〜50g/m2となり、ヤンキードライヤー8上の坪量より大きくなる。
ヤンキードライヤー8とリール14の速度差に基づくクレープ率は次式により定義される。
クレープ率(%)=100×(ヤンキードライヤー速度(m/分)−リール速度(m/分))÷リール速度(m/分)
クレープの品質やクレーピングの操業性は、クレープ率によってほぼ決まり、本発明において、クレープ率は10〜50%の範囲が好適である。
又、クレーピング処理を最適に行うためにヤンキースプレー10を使用すると好ましい。ヤンキースプレーから所定の付着剤をドライヤー8表面又はウェブ100に塗着することにより、ヤンキードライヤー8にウェッブが貼りつき、上述の通りクレーピングドクター11によりクレーピング処理が可能となる。
上記付着剤の成分としては、ハーキュリス社のクレプトロール190を代表例とするポリアミドポリアミン樹脂(PA樹脂)やハーキュリス社のカイメン557Hを代表例とするポリアミドアミンエピクロルヒドリン(PAE樹脂)、カチオン性ポリアミド樹脂、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリアミド可塑剤付加品、ポリアミドソフナー付加品、変性ポリアミドアミン、ポリビニルアセテートなどが挙げられ、これらを単独又は混合して使用することができる。
また、ヤンキードライヤー8からのウェッブ100の剥がれを良くする剥離剤として、パラフィン系鉱油、ナフテン系鉱油、植物油、動物油、高級脂肪酸、炭化水素化合物、非イオン界面活性剤、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、グリセロール、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコール油脂のエステル化物、シリコーン系化合物、ジプロピレングリコール、トリエタノールアミン、ポリオキシエチレン脂肪酸エステルなどを単独又は2種以上混合して使用することができる。
最適なクレーピング処理を得るため、これら付着剤及び/又は剥離剤の濃度を適宜調整し、ヤンキードライヤー8表面にスプレー噴霧することができる。
上記水溶性ポリグリセリン脂肪酸エステルを原紙へ内添する場合、原料タンク1の抄紙原料に水溶性ポリグリセリン脂肪酸エステルを添加すればよい。内添の場合、水溶性ポリグリセリン脂肪酸エステルが非イオン性であり、パルプ繊維への歩留まりがやや低いことから、インレット直前での添加が望ましい。又、内添量は、原紙の乾燥繊維重量あたり0.1〜1%程度が望ましい。
上記水溶性ポリグリセリン脂肪酸エステルを原紙へ外添する場合は、所定のスプレーヘッダを用い、ヤンキードライヤー8又はフェルトパート5上のシートへ水溶性ポリグリセリン脂肪酸エステルを含む噴霧液を噴霧すればよい。ヤンキードライヤー8上のシートへ噴霧する場合、上記した付着剤及び剥離剤に噴霧液を混合し、付着剤、剥離剤及び噴霧液を同時に1つのスプレーヘッダ(通常、図1のヤンキースプレー10)で塗着することもできる。
ヤンキードライヤー8上のシートへ水溶性ポリグリセリン脂肪酸エステルを含む液を噴霧する場合、原紙の乾燥繊維重量あたり0.1wt%程度が上限である。フェルトパート5上のシートへ噴霧する場合、添加量は任意であるが、フェルトへ噴霧液が転移することによる汚れ発生や、ヤンキードライヤ−8へのウェブの付着不良などの原因となるため、原紙の乾燥繊維重量あたり2wt%以下を限度とするのがよい。
上記風合改善剤を原紙に塗着する方法としては、スプレーによる噴霧又はローターダンプニング(ドイツWEKO社による薬液塗布装置、ニッカ株式会社が取扱い)による遠心噴霧が好適に適用できる。
風合改善剤を原紙に塗着する位置は、衛生用紙を巻取るリールドラム13直前が好ましく、この位置に配置されたスプレーヘッダ12(又はローターダンプニング装置)を用いて塗着を行うことができる。
図2は、スプレーヘッダ12を用いた場合の、図1のガイドロール17からリール14までの部分拡大図である。スプレーヘッダ12は液溜15内に設置されて風合改善剤をウェブ100の片面に塗着する。又、ウェブ100の裏面側にバックアッププレート20(又はバックアップロール)を設けることで、風合い改善剤の裏抜けを捕捉して風合い改善剤を回収できると共に、裏面側からウエブ100に風合い改善剤を接触させて塗着することができる。
図3は、ウエブ100の幅方向Lに沿ったスプレーヘッダ12の概略図である。図3に示すように、複数のスプレーヘッダ12をウエブ100の幅方向Lに沿って並べると共に、ウエブ100の進行方向の前後に二段以上千鳥状に配置して、ウエブ100に塗布することで均一な塗布が可能になる。ウエブ100の幅方向Lにスプレーヘッダ12を摺動させても均一な塗布が可能になる。
図4は、ローターダンプニング30を用いた場合の、図1のガイドロール17からリール14までの部分拡大図である。なお、図4の例では、ガイドロール17を経たウェブ100は、ロール18で垂直に立ち上がり、この状態でローターダンプニング30により風合改善剤が噴霧される。
ローターダンプニング30は、図4の上下方向に回転軸を持つ円錐状のロータを、ウェブ100の幅方向(図4の紙面方向)に沿って複数並べた構成を有し、ローターダンプニング30前面の開口部から風合い改善剤が噴霧するようになっている。
本発明は上記した実施形態に限定されず、本発明の思想と範囲に含まれる様々な変形及び均等物に及ぶことはいうまでもない。
以下、実施例を挙げて、本発明を具体的に説明するが、本発明は勿論これらの例に限定されるものではない。
<実施例1>
図1に示すペーパーマシンにて、原紙1(ティッシュペーパー、坪量15.5g/m2、NBKP40wt%、LBKP60wt%の原料を配合、湿潤紙力増強剤(アラフィックス255 荒川化学工業株式会社製)0.2wt%添加)を抄紙し、フェルトパート5上の原紙シートの片面へ以下の水溶性ポリグリセリン脂肪酸エステルを原紙の乾燥繊維重量あたり0.49wt%(成分量)噴霧した。その後、リールドラム13直前で以下の風合改善剤を原紙の片面(水溶性ポリグリセリン脂肪酸エステルを噴霧した側)に原紙の乾燥繊維重量あたり9.8wt%(液量)塗着し、衛生用紙を得た。
水溶性ポリグリセリン脂肪酸エステル:ポリグリセリンモノステアリルエステル(ユニグリGS-106 日油株式会社製)の25wt%水溶液
風合改善剤:ジ硬化牛脂アルキルジメチル・アンモニウムクロライド(ニッサンカチオン2ABT 日油株式会社製)10wt%、グリセリン40wt%、ジグリセリン5wt%、及び精製水45wt%からなる水溶液
なお、水溶性ポリグリセリン脂肪酸エステルの噴霧量は、スプレー圧と流量の検量線を予め作成し、水溶性ポリグリセリン脂肪酸エステルを単独で原紙に塗布したときの実際の塗布量を熱水抽出にて測定して換算係数を設定した。そして、各実施例及び比較例にて、スプレー圧から水溶性ポリグリセリン脂肪酸エステルの噴霧量を算出した。
風合い改善剤の塗着量は、熱水抽出及びトルエン抽出により各実施例及び比較例の塗着量を実測し、ブランクの抽出分量を差し引いて求めた。
<実施例2>
水溶性ポリグリセリン脂肪酸エステルの原紙1の片面への噴霧量を、原紙の乾燥繊維重量あたり0.95 wt%(成分量)に変更し、風合改善剤の塗着量を原紙の乾燥繊維重量あたり15wt%(液量)に変更したこと以外は実施例1と同様にして衛生用紙を得た。
<実施例3>
図1に示すペーパーマシンにて、原紙2(トイレットペーパー、坪量15.5g/m2、NBKP40wt%、LBKP60wt%の原料を配合)を抄紙し、水溶性ポリグリセリン脂肪酸エステルの片面への噴霧量を、原紙の乾燥繊維重量あたり0.18wt%(成分量)に変更し、風合改善剤の塗着量を原紙の乾燥繊維重量あたり3.9wt%(液量)に変更したこと以外は実施例1と同様にして衛生用紙を得た。
<実施例4>
水溶性ポリグリセリン脂肪酸エステルを以下の組成に変更すると共に、付着剤と剥離剤の混合物に対して1:1の質量比で混合して噴霧液を調製し、この噴霧液をヤンキースプレー10にて原紙片面へ原紙1の乾燥繊維重量あたり0.05wt%(成分量)噴霧した。又、風合改善剤を以下の組成に変更し、原紙の乾燥繊維重量あたり11.0wt%(液量)添加したこと以外は実施例1と同様にして衛生用紙を得た。
水溶性ポリグリセリン脂肪酸エステル:ポリグリセリンラウリルエステル(ポエムL-021 理研ビタミン社製)(水分約10%含む)
風合改善剤:ポリエチレングリコール・ジステアレート(ユニセーフNKL-9520 日油株式会社製)10 wt%、ポリオキシエチレン・ヤシ脂肪酸グリセリル(ユニグリMK-230 日油株式会社製)10 wt%、グリセリン50 wt%、ソルビトール10 wt%、及び精製水20 wt%からなる水溶液
付着剤:クレプトロールA6115(理研グリーン製)
剥離剤:サントールFT(日華化学製)
<実施例5>
水溶性ポリグリセリン脂肪酸エステルの原紙1の片面への噴霧量を、原紙の乾燥繊維重量あたり0.09wt%(成分量)に変更したこと以外は実施例1と同様にして衛生用紙を得た。
<実施例6>
水溶性ポリグリセリン脂肪酸エステルの原紙1の片面への噴霧量を、原紙の乾燥繊維重量あたり0.11wt%(成分量)に変更し、風合改善剤を以下の組成に変更すると共にその塗着量を原紙の乾燥繊維重量あたり4.7wt%(液量)に変更したこと以外は実施例1と同様にして衛生用紙を得た。
風合改善剤:アミノ変性シリコーン(X‐52-2265 信越化学社製)5 wt%、グリセリン40 wt%、ジグリセリン5 wt%、精製水45 wt%からなる水溶液
<比較例1>
水溶性ポリグリセリン脂肪酸エステルを原紙1の片面へ噴霧しなかったこと以外は実施例1と同様にして衛生用紙を得た。
<比較例2>
水溶性ポリグリセリン脂肪酸エステルを原紙片面へ噴霧せず、風合改善剤を以下の組成に変更すると共にその塗着量を原紙1の乾燥繊維重量あたり5.4wt%(液量)に変更したこと以外は実施例1と同様にして衛生用紙を得た。
風合改善剤:アミノ変性シリコーン(X‐52-2265 信越化学社製)5 wt%、グリセリン40 wt%、ジグリセリン5 wt%、精製水45 wt%からなる水溶液
<比較例3>
オフライン(ロールコーター設備)にて実施例1と同一の原紙1の片面に、実施例1と同一の風合改善剤を原紙の乾燥繊維重量あたり20.5wt%(液量)直接塗布した。
<測定>
1.坪量
最終的な衛生用紙の坪量(g/m)をJIS P8124に準じて測定した。
2.厚み
最終的な衛生用紙の厚み(mm/10枚)を、40g/cmの荷重下でPeacockダイヤルゲージで測定した。
3.引張り強度
衛生用紙のタテ引張り強度(gf/25mm)を、JIS P8113に準じて破断までの最大荷重を測定した。
4.吸水性
衛生用紙の吸水性(sec)をJIS S3104に準じて測定した。
5.ハンドフィール
衛生用紙の風合改善剤の塗着面につき、5人のパネラーにより触感評価を行った。5段階(5:非常に優れている、4:優れている、3:普通、2:やや劣る、1:劣る)で評価し、5人の平均値とした。評価が4.0以上であればハンドフィール(風合い改善効果)が良好である。
得られた結果を表1に示す。
Figure 0005875802
表1から明らかなように、各実施例の場合、ハンドフィール(風合い改善効果)に優れていた。又、各実施例の場合、水溶性ポリグリセリン脂肪酸エステルを原紙に塗着した後で水溶性の風合い改善剤を塗着したため、風合い改善剤の原紙への塗着量が少なくても風合い改善効果が十分に得られた。
なお、実施例2は、風合い改善剤の原紙への塗着量が15%に近く、強度が若干低いが十分使用できるレベルであった。
一方、水溶性ポリグリセリン脂肪酸エステルを原紙に塗着せずに水溶性の風合い改善剤を塗着した比較例1、2の場合、風合い改善剤が原紙内部に浸透してしまい、実施例風合い改善効果が十分に得られなかった。
又、水溶性ポリグリセリン脂肪酸エステルを原紙に塗着せず、水溶性の風合い改善剤を15%を超えて多量に塗着した比較例3の場合、風合い改善効果は得られたが、風合い改善剤が無駄になり、コストアップとなった。
なお、表中のブランクは、原紙のみの評価を示す。
5 フェルト
8 ヤンキードライヤー
13 リール
100 原紙

Claims (3)

  1. ティシュペーパー用又はトイレットペーパー用の原紙の片面にHLB11以上の水溶性ポリグリセリン脂肪酸エステルを塗着し、
    前記原紙の前記片面に、水溶性柔軟剤及び/又は水溶性保湿剤を含む風合い改善剤を塗着する衛生用紙の製造方法であって、
    前記水溶性柔軟剤は、炭素数8〜24の脂肪族基を含む界面活性剤、水溶性オルガノポリシロキサン、及び該水溶性オルガノポリシロキサンの水溶性誘導体の群から選ばれる少なくとも1つからなり、
    前記水溶性保湿剤は、多価アルコール、糖類、及びアミノ酸系化合物の群から選ばれる少なくとも1つからなり、
    前記原紙の抄紙工程でのプレスパートのフェルト上、又は当該フェルトから前記原紙を転送したヤンキードライヤー上で、前記水溶性ポリグリセリン脂肪酸エステルを前記原紙の前記片面に噴霧する衛生用紙の製造方法。
  2. 前記風合い改善剤を、前記ヤンキードライヤー出口から前記原紙を巻き取るリールの間で噴霧する請求項1記載の衛生用紙の製造方法。
  3. 前記風合い改善剤の噴霧を、スプレー又はローターダンプニングを用いて行う請求項2記載の衛生用紙の製造方法。
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